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3.地域の知の拠点・ネットワーク推進事業(新規)

平成21年度要求額:280百万円
(平成20年度予算額:−百万円)

●事業の概要等

1.事業概要

(図書館機能を活用した「地域の知の拠点」づくり推進事業)

 「地域の知の拠点」として地域の実情に応じた情報提供サービスを行うため、未設置市町村等にある図書資料室、市町村の合併後も図書館サービスの遅れている地域での図書館を拠点に、住民の読書の推進や住民が自ら必要とする情報がいつでも収集できるようにするための実践的な研究活動として各5箇所委託し、その成果を全国に周知して、委託を行っていない未設置市町村においても、図書館サービスの地域格差を改善させるための方策の検討に資する。図書館を設置する都道府県・市町村のうち、自己評価・外部評価に新たに取り組む、あるいは意欲的に充実を図ろうとする自治体に対して各5箇所評価の実施を研究委託し、その結果をもとに図書館に対する評価の指針・ガイドラインの作成のための検討を行う。実践研究については、年各5箇所の3か年計画で実施し、23年度までに委託先の地域住民に対する図書館サービスの満足度が80パーセント以上改善することを目標とする。
 また、図書館に関する評価のガイドライン、リスクマネージメント、指定管理者制度の実態についての調査を実施し、研究成果を配付する。このうち、評価のガイドラインについては上記検討を行うこととしており、検討委員会にて分析後、評価指標、ガイドラインを作成した上で、検討結果を配付する。研究成果が周知・普及されるための期間が必要であることから達成年度は23年度とし、達成年度までに、評価実施及び危機管理マニュアルを策定している図書館の達成率を80パーセント以上の目標とする。
 さらに、図書館機能を一層高めていくため、地域の司書の有資格者を活用した図書館ボランティアや図書館活動の支援者を育成するための支援事業を5箇所行う。達成年度は23年度とし、3年間で15箇所実施し、図書館ボランティアのうち有資格者の割合を増加させるとともに、事業の検証を行っていく。
 事業委託は、いずれも都道府県・市町村教育委員会または未設置市町村等に設置する実行委員会組織で行う。

(地域で輝く博物館連携推進事業)

 博物館関係者及び有識者等からなる企画委員会を設置して検討を行い、委員会のもと、博物館が緊急に対応を求められている評価基準やリスクマネージメントや指定管理者制度の実態のような検討課題について、国内外の博物館の実態や先進的取組等の調査を行う。また、設置者や館種が異なる博物館同士がネットワークを構築し、新たな共同事業を実施することにより、博物館の新たな可能性を開拓することや、学芸員の交流等を通じて、博物館機能の高度化を推進する。博物館法改正等を踏まえた必要な調査研究事項を計画的に実施することにより、博物館制度の充実に向けた施策目標をより効果的に達成していく。平成21年度から実施する博物館ネットワーク構築事業については年24箇所の3か年計画で実施し、事業の評価・検証を行うことにしている。

2.指標と目標

(図書館機能を活用した「地域の知の拠点」づくり推進事業)

○図書館未設置市町村等における実践研究
【指標】
  • 委託した市町村の住民の図書館サービスに対する満足度
【目標】
  • 初年度は住民の図書館サービスに対する満足度が20パーセント以上、23年度までには80パーセント以上改善されていること
【効果の把握手法】
  • 事業成果報告書の提出による住民の図書館サービスに対する満足度の把握
  • 委託先の住民に対するアンケート調査を実施
○図書館の自己評価・外部評価の実践研究、評価ガイドライン策定のための調査研究
【指標】
  • 自己評価の実施図書館数及び評価に取り組むことを検討している図書館の数
【目標】
  • 達成年度までに、平成20年度の時点に比べて20パーセント以上増加していること
【効果の把握手法】
  • 事業成果報告書の提出による実地図書館数の把握
  • 達成年度における実施状況調査
○リスクマネージメント等の調査研究
【指標】
  • 危機管理マニュアルの作成及びその作成を検討する図書館数
【目標】
  • 達成年度までに危機管理マニュアルを策定している図書館の達成率を80パーセント以上増加していること
【効果の把握手法】
  • 達成年度における実施状況調査
○地域の司書の有資格者の活用を図る事業
【指標】
  • 図書館ボランティア中の有資格者の数
【目標】
  • 達成年度までに図書館ボランティアのうち有資格者の割合を30パーセント以上増加すること
【効果の把握手法】
  • 委託先の図書館にアンケート調査を実施

(地域で輝く博物館連携推進事業)

【指標】
  • 入館者数(新規入館者数も含む。)
  • 博物館評価の実施や、リスクへの対応方針を策定した博物館数
【目標】
  • ネットワーク事業を実施した園館において館種を超えたネットワークを構築することによって、より幅広い層が来館するよう取組み、達成年度において、ネットワークを構築した博物館全体の来館者層の25パーセント以上が前年度来館していない年齢・性別・地域等になることを目標とする。
  • 評価基準やリスクマネージメント等の調査研究を実施し、その成果を普及することにより、博物館の評価やリスクへの対応方針を策定する博物館の数が20パーセント以上増加することを目標とする。
【効果の把握手法】
  • ネットワーク事業の実施においては、入館者数だけではなく、入館者層の分析を行うことにより、その事業効果の把握に努めることとする。
  • アンケート等により、全国の博物館の評価の実施状況等の取組状況については、把握することとしている。

●事業の事前評価結果

1.必要性の観点

(図書館機能を活用した「地域の知の拠点」づくり推進事業)

 「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について−知の循環型社会の構築を目指す−」(平成20年2月19日中央教育審議会答申)において、図書館未設置の市町村にあっては、住民のニーズを踏まえ、今後速やかに図書館の整備に向けた取組に着手することを提言されたことから、図書館未設置市町村等を含め、全国各地における図書サービスの普及・定着のため、図書館サービスの充実に関する調査研究や、先進的取組等の調査研究を行う必要がある。
 また、図書館法の改正に伴う評価の努力義務規定が設けられたが、自己点検・評価を行っている図書館の割合は低く(都道府県26.8パーセント、市町村28.6パーセント(平成15年度))、図書館が自らの運営状況に対する評価を行うためには、国が、外部の視点を入れた図書館の評価及び評価のガイドラインを作成する必要がある。図書館共通に必要性の高いテーマであるリスクマネージメントは、平成18年3月に報告された「これからの図書館像」(平成18年これからの図書館の在り方検討協力者会議)においても、図書館独自で危機管理マニュアルを作成する必要性があることが提案されている。さらに、指定管理者制度の実態については、「社会教育法等の一部を改正する法律」に対する附帯決議において、適切な管理運営体制の構築を目指すことが決議されており、いずれも図書館を振興する上で検討に必要な課題である。
 加えて、改正された図書館法では、図書館が学習の成果を活用して行う教育活動の提供を奨励することが新たに規定されたのに加え、「社会教育法等の一部を改正する法律」に対する附帯決議では、司書等の有資格者の活用方策について検討を進めることが決議されており、地域の司書の有資格者を活用して図書館のボランティアや図書館活動の支援者を育成することは、喫緊の課題である。

(地域で輝く博物館連携推進事業)

 地震等の自然災害が相次いでいる中で博物館における危機管理に関するガイドブックを策定することが求められるとともに、現在、評価を実施している博物館は、31.5パーセント(平成16年度)にとどまり、博物館法の改正に伴って、早急な評価基準の策定が求められるなど、いずれも我が国の博物館を振興する上で喫緊かつ緊急な課題となっている。また、博物館の連携・ネットワーク化についても、行政の壁があり設置者が異なる博物館の連携が進んでいないため、国として連携の枠組みを提示する必要がある。さらに、館種によって入館者層が異なるなど多様な博物館が連携して事業を行うことにより、博物館の新たな可能性を国として検証する必要がある。

2.有効性の観点

(図書館機能を活用した「地域の知の拠点」づくり推進事業)

  •  本事業により、図書館の未設置市町村など図書館サービスの遅れている地域でのサービスを普及・定着させるための仕組みづくりを記した事例集を各都道府県、市町村立図書館、関係団体へ配付することにより、他地域における図書館サービスの向上の取組が促進され、従来、図書館を利用しなかった住民の図書館利用率の増加など、目標に向けて効果を発揮すると見込まれる。
  •  本事業により、委託を受けた市町村での取組成果と策定された図書館に関する評価のガイドラインを記した報告書を各都道府県、市町村立図書館、関係団体へ配付することにより、これまで図書館の評価を実施していなかった図書館の実施率を向上させるだけでなく、不十分な取組しかしていなかった図書館においても、図書館評価の質を高めることができ、目標に向けて効果を発揮すると見込まれる。
  •  図書館におけるリスクマネージメント等については、図書館における必要性の高いテーマであり、国が外部委託として調査研究を行うことにより、各図書館の危機管理マニュアルの作成だけでなく、自館や他館の情報を共有することで、目標に向けて効果を発揮すると見込まれる。
  •  地域の司書の有資格者の活用を図る支援事業を実施することにより、有資格者の活用だけでなく、地域での図書館サービスの向上につながり、目標に向けて効果を発揮すると見込まれる。

(地域で輝く博物館連携推進事業)

 既に博物館ネットワークを構築している博物館については、従来、来館していない層の入館者が増え、全体的にも入館者数が増大して目標に向けて効果を発揮すると見込まれる。調査研究については、いずれも博物館が緊急に対応を求められている課題であるため、国がガイドライン等の作成を支援することにより、各博物館の取組が進むことが見込まれる。

3.効率性の観点

アウトプット

(図書館機能を活用した「地域の知の拠点」づくり推進事業)

 図書館未設置市町村、または、市町村の合併後も図書館サービスの遅れている地域での図書館サービスを普及・定着させるための仕組みづくりの実践として各5箇所、図書館の自己評価、または、外部評価の実践に関する事業として各5箇所の実践研究を達成年度は23年度とし、3年間で計60箇所実施する。また、図書館に関する評価のガイドライン、リスクマネージメント、指定管理者制度の実態についての調査を実施する。達成年度は23年度とし、達成年度までに研究成果のが周知・普及を図る。さらに、地域の司書の有資格者を活用した図書館ボランティアや図書館活動の支援者を育成するための支援事業5箇所を行う。達成年度は23年度とし、3年間で15箇所実施する。

(地域で輝く博物館連携推進事業)

 自然系博物館を中心とした博物館連携事業8箇所、歴史系博物館を中心とした博物館連携事業8箇所、美術系博物館を中心とした博物館連携事業8箇所の全国24箇所において単年度で事業を実施し、3年計画で延べ72箇所において事業を実施する。また、平成21年度は、博物館評価、リスクマネージメント、指定管理者制度の実態についての調査を実施し、3年間で9テーマの調査研究(継続する調査も含む。)を実施する。

事業スキームの効率性

(図書館機能を活用した「地域の知の拠点」づくり推進事業)

 本事業は、図書館未設置市町村を含めた「地域の知の拠点」として地域の実情に応じた図書館サービスの充実および図書館に対する評価の指針・ガイドラインの作成を行うための実践研究であり、実施事業規模は、都道府県・市町村教育委員会または未設置市町村等に設置する実行委員会組織での実施を想定している。1事業あたり5箇所と少ない委託先で効果を全国に普及させることが見込まれ、また、委託費は1箇所あたり150万〜250万円の設定となっていることから、本事業の設定は適切であると考える。
 調査研究については、図書館共通に必要性の高いテーマに絞って、国が一元的に調査研究し、各図書館に周知徹底することにより、全国あまねく、その成果の普及が図れる。

(地域で輝く博物館連携推進事業)

 博物館は、全国に約6,500館存在するが、公私立、美術館から動物園・水族館まで多様な施設である。1箇所当たり、5館程度の博物館がネットワークを組み、全国24箇所で連携事業が実施された場合、120館の博物館が本事業を実施することになり、各博物館の入館者の増加、博物館の新たな取り組みなど、全国への波及効果が高い。本事業は、各館をつなぐ、ネットワークを組むための経費のみ負担するため、各館独自の取組と併せて、その費用対効果が高い。調査研究については、博物館共通に緊急性が高いテーマに絞って、国が一元的に調査研究し、各博物館に周知徹底することにより、全国あまねく、その成果の普及が図れる。

代替手段との比較

(地域で輝く博物館育成事業)

 博物館の連携については、先行事例はあるものの、その評価も含めて、その取組は十分進んでいない。既に実績がある事業を、全国展開する手段である交付金などの代替手段はとりえない。モデル的に試行し、その成果を評価・分析し、全国への普及につなげていくには、国による委託事業の手段が最適である。

-- 登録:平成21年以前 --