2.環境教育総合プログラム開発事業(新規)

平成21年度要求額:489百万円
(平成20年度予算額:−百万円)

●事業の概要等

1.事業概要

  • 全国47都道府県において各都道府県の1市町村に本事業を委託し、「環境教育総合プログラム開発実行委員会」を設置する。
  • 関係機関や団体が、環境教育に関する共通意識をもち、互いにネットワークを構築しながら、地域住民が総がかりで環境教育・実践活動を進めていくモデルプログラムの開発を行う。
  • 地域住民が環境教育プログラムの開発や実践に取り組むことにより、持続可能な地域づくりにつながる人材育成を行う。

2.指標と目標

【指標】

  • 環境活動に対する意識や活動参加実態等を調査し、指標とする。

【目標】

  • 47地域での環境教育総合プログラムの開発による環境に対する意識の向上を目標とする。
  • 環境学習への幅広い年代からの参加を目標とする。

【効果の把握手法】

  • 事業実施市町村が、事業の前後に行うアンケート調査

●事業の事前評価結果

1.必要性の観点

 「教育振興基本計画」(平成20年7月1日閣議決定)において、「いつでもどこでも学べる環境の整備」が盛り込まれており、「環境教育の推進」や「持続可能な社会の構築に向けた教育に関する取組の推進」が挙げられている。
 平成20年7月29日には、「低炭素社会づくり行動計画」が閣議決定され、環境問題に取り組む団体、人材とも連携し、学校や地域で排出削減に役立つ教育を進める仕組みを取り入れていくこと、また、地域におけるNGO/NPO、企業、地方公共団体等のパートナーシップによる環境保全の取組を支援し、地域ぐるみの国民運動など地域に根ざした活動が定着して全国に広がり、国民一人一人が足元から行動する社会を目指すことが本行動計画に盛り込まれている。
 環境問題については、洞爺湖サミットの議長総括や京都議定書にある約束期間の開始等、具体的な取組を行う必要性が高く、今すぐ対応すべき緊急的な課題である。
 環境問題に対する取組は、行政や企業だけに任せておくのではなく、市民一人一人が意識し、総がかりで取り組んでいかなければならない緊急性の高い問題であり、社会教育における環境教育を市民総がかりで進めていく必要がある。そのためにも、関係団体単独の活動だけではなく、関係機関や団体が連携を図った総合的なモデルプログラムを47都道府県で1地域のプログラム開発を行い、県内への普及と共に全国への普及を図っていく必要がある。

2.有効性の観点

 地球規模の環境悪化の状況は、更に深刻化しており、洞爺湖サミットが行われた本年度は、環境に関する国民の関心は今まで以上に高まっている。また、市民レベルの活動に関しては、今までに地域やNPO団体による地道な環境保護活動が実施されており、市民が環境に関する活動を実践する基盤は育ってきている。
 本事業は、これまで単独で実施されていた個々の取組を、市町村レベルで関係諸団体の連携を図りながら総合的に実施するプログラム開発をしていくことを狙っており、これまで全国各地で培われてきた学習基盤を基に都道府県ごと、全国の47地域での様々なプログラム開発されることが見込まれる。

3.効率性の観点

アウトプット

単年度
47地域の市町村において環境教育に関する総合的なプログラムが開発・実施される。
達成年度
141プログラムの開発と実施(継続プログラムもあり)

事業スキームの効率性

 本事業は、環境教育を市町村全体で行っていく場合の総合的なプログラム作成と人材育成を目的としており、NPOや各種社会教育団体、企業、学校、行政等との連携による総合的、継続的な活動の実施を想定している。事業規模は、市町村規模での事業を想定しており、1地域あたりの委託費(9,500千万円)の設定も適切であると考える。

代替手段との比較

 これまでのように、全国展開で環境教育の実施を進めても、現在関係省庁等で行われているように関係機関や団体による単独の活動プログラム開発に止まるものと考えられる。それに対して、本事業は、市町村全体を巻き込んだプログラム開発を目的としており、市民総がかりの環境教育や環境保護活動が実施される。また、そこで開発されたモデルプログラムを全国へ普及・啓発していくことにより、多くの市民を巻き込んだ社会教育における環境教育を推進していくことができる。

-- 登録:平成21年以前 --