1.専修学校を活用した就業能力向上支援事業(新規)

平成21年度要求額:659百万円
(平成20年度予算額:−百万円)

●事業の概要等

1.事業概要

(1)概要

 若者を中心とした早期退職者やニート、定年を迎える高齢者、子育てにより仕事を中断した女性等の就職困難者を対象に、専修学校の持つ職業教育機能を活用した実践的な就業能力の向上に資するプログラムを提供する講座をモデル事業として実施する。

<モデル講座について>
  • 1学習成果を職業キャリア形成に活かす観点から、一定の要件を満たした「実践型教育プログラム」の提供をおこなうものであること。
  • 2企業実習やインターンシップを取り入れ、実践的な内容であること。
  • 3若年層を対象とする講座においては、キャリアカウンセリングをおこなうものであること。 等

 また、上記講座の成果を普及するために、成果報告会の開催や報告書の作成等の取組みを行ない、同種の講座が広く社会に定着し、全国の各地域において、就職困難者に対し多様な学習機会が提供されるよう促す。

(2)事業計画

 基本的な事業活動については、毎年度、モデル講座を企画競争により公募し、有識者による審査を経て委託決定を行ない、講座終了後は成果報告会等を通じ成果の普及を図る。
 初年度は、事業の浸透を図るため、特に周知を積極的に行なうとともに、成果の普及に努める。
 次年度以降、モデル講座の実施と成果の普及につとめ、達成年度においては、各事業について浸透度を把握するための取組みを行なう。

2.指標と目標

【指標】

各モデル講座における受講者確保状況及び受講者満足度や再就職率
成果を普及するための取組件数及びその内容

【目標】

各モデル講座において、受講者が十分に確保され、受講者満足度及び再就職率が高いものとなること。
その成果を広く社会に普及させる取組がすべての講座において十分に行なわれること。

【効果の把握手法】

各講座におけるアンケート調査の実施。一定期間経過後のフォローアップ調査。成果の普及状況の把握のための報告書の検証

●事業の事前評価結果

1.必要性の観点

 本事業の目的は、働く意欲のある人々が能力を発揮できるように、キャリア形成を支援し、就業機会の充実を図ることである。人口減少社会・高齢化社会をむかえる我が国にとって、将来の労働人口の確保は経済成長を持続するために喫緊に取り組むべき課題であり、中小企業等における地域人材ニーズや地場産業における後継技術者不足等に対応するためにも、本事業は必要である。

2.有効性の観点

 本事業を、過去の事業の実績を踏まえ、経年にわたり実施することで、事業の地域へ定着やノウハウの蓄積がなされ、優れた成果が広く普及されることになる。これにより、各モデル講座において、受講者が十分に確保され、受講者満足度及び再就職率が高いものとなることが期待される。また、各講座における成果普及に関する取組が適切に実施されることで、広く社会に事業が定着することとなる。

3.効率性の観点

アウトプット

 平成21年度委託予定箇所数は80箇所である。平成22年度以降も同じ委託件数を目標としている。
 本事業のモデル講座が、他の専修学校における同種の取組みの活性化につながることで、就業能力の向上を支援する講座が増加し、さらなる波及効果を生むことになると言える。

事業スキームの効率性

 本事業の予算規模に対し、アウトプットとして80箇所に本事業を委託することを通じ、1就職困難者への講座提供及び2成果の普及による事業の全国的な展開が図られることを見込むと、本事業のインプットとアウトプットの関係は効率的であると判断する。

代替手段との比較

 本事業は国の委託事業として実施されるが、地方自治体の事業として実施することとした場合、成果の普及が全国に展開されることにならず、全国的な波及効果を期待する本事業の目標達成には十分な効果が得られない。また、国が広くモデル講座を選定することで、各地域における取組が広く情報提供されることとなり、情報交換が活発化され、より優れた取組を生むという効果も期待される。

-- 登録:平成21年以前 --