2017年12月14日、国連事務総長として初来日したアントニオ・グテーレス氏をお迎えして講演会を実施した。講演テーマは多くのSDGsの目標に関わる「グローバル課題~『人間の安全保障』の役割~」となった。本学学生だけでなく、他大学生、高校生、一般の方にも席を設け、600人を超す参加者を集めた。また、講演後には本学を含む国連アカデミック・インパクト加盟大学の大学生30名と事務総長との懇談会も開催し、SDGs達成に向けた様々な取り組みに対して議論を行った。
本学では、SDGsに関連する授業を数多く開講している(2019年度は約60科目)が、SDGsそのものに焦点を当てて、SDGsの意義や課題についての理解を深め、学生たちが自身の未来の活動につなげていけるような授業を輪講形式で実施する。なお、全学部生が受講できる全学共通科目として開講される。
同科目は2019年度の秋学期に開講予定であるが、講師には、根本かおる国連広報センター所長、近藤哲生UNDP駐日代表、福嶌香代子外務省外交史料館長(前UN Women駐日代表)など、実際にSDGsの現場を熟知し行動している方々を予定しており、単にSDGsを教科書で学ぶだけの授業ではなく、世界の実情を肌で感じられる授業になる予定である。
本学総合人間科学部教育学科には、ESD(持続可能な開発のための教育)を専門とする教員がおり、SDGs採択以前よりESDに関する教育研究活動が活発に行われてきた。その成果として、ESDに関する書籍等を発刊した事例がある。2017年には、教育学科において、ESD関連書籍発行の経験を基にして、SDGsの理解促進のため、『SDGs資料集 ‐持続可能な開発目標を学ぶために‐』が刊行された。教育学科の授業のテキストや参考資料に使われるだけでなく、SDGsに関心を持つ他学部他学科の教員にも配付され、学内において広く好評を博している。
国連事務総長の講演というSDGsの理解促進に向けた最高の機会に対し、本学学生だけでなく、高校生や他大学生、一般の方など広く参加していただき、より大きなSDGsの周知を行うことができた。また、講演や懇談会の様子はすぐに動画で公開し、遠方の方々にもご視聴いただいた。
講義科目「持続可能な開発目標(SDGs)を学ぶ」は、特に2年次生を対象とした授業であり、この授業でSDGsの概論を理解した上で、より専門的なSDGsの学びへとつながるよう工夫されている。今後この授業を毎年開講し、一人でも多くの学生がSDGsに対する正しい理解を深めることができるように努めていきたい。
また、『SDGs資料集』は、SDGsの内容をわかりやすくまとめたものであり、授業のテキストとして使用することで、SDGsの理解促進の一助となった。
文部科学省国際統括官付