ここからサイトの主なメニューです

金沢工業大学

SDGs時代のグローバルリーダーの育成~学生一人一人に対して最適な教育を~

ESDの実践

 金沢工業大学(KIT)のSDGs推進において最も重視していることは、教員の研究を通じてSDGsの達成に貢献するだけではなく、次世代を担う学生が自らSDGsの達成に取り組んでいけるように支援することである。そして、KITでは、そうした学生の主体性を引き出す教育の要となるのが、理念の浸透や学生個人の信条を磨き上げることだと考えている。

SDGsに特化した通年カリキュラム

 全学部・学科の学生が受講可能なSDGsに特化した授業として、SDGsの各目標に対する世界の現状を把握し、自らの問題意識を再認識する「環境技術イノベーション」、実際にSDGsの達成に貢献するプロジェクトを企画・実践する能力を身につける「社会システムイノベーション」を設置している。

学生の主体性を引き出す教育(学生主体=自ら学び行動する)

 KITの学生は、1~3年次に毎年「人間と自然セミナー」に参加することで、SDGsの理念である「誰一人取り残さない」世界の重要性を認識できるようになり、日々の活動を支える個々の信条を磨き上げることが出来るようになる。このセミナーでは、本学の能登穴水湾自然学苑にて、海洋活動やグループ討議を通じて、KITの行動規範であるKIT‐ IDEALSの重要性を理解する。さらに、海洋活動を通じて、自然との対話を行う中で、年齢 、性別 、障害 、人種 、民族 、出自 、宗教あるいは経済的地位、その他状況に関わりなく、人間と人間が尊重しあい、協力し合うことの重要性を学ぶ。

SDGsプロジェクトのベースとなる技術者倫理

 AIやビッグデータの活用、自動運転技術、バイオテクノロジーなど、科学技術に関する様々なイノベーションによりSDGsの達成を促すためには、技術の活用方法を問い直す技術者の倫理の在り方が重要である。KITでは、科学技術応用倫理研究所を1997年に開設し、国内における科学技術者倫理に関する教育・研究を先導しており、例えば、KITに所蔵されている科学技術史上重要となる原典初版本を用いることで科学技術の本質を理解し、また歴史的倫理観の変遷を学ぶことで将来の技術者や経営者の倫理観を養成している。KITにおいては、こうした技術者倫理は1~3年次において全学生が受講する必修科目として取り入れている。

地域の課題解決及び地域再生・地方創生との関係

周辺の自治体との密接な連携(社会実装)

 KITでは、学生が社会実装型の研究能力を習得できるよう全学生必修の独自カリキュラムであるプロジェクト・デザイン教育(PD教育)を展開している。この教育では、1年次に学内または身近な課題を、2年次に近隣自治体の抱える課題を、3年次以降は自らが強い関心を持つ課題を対象とし、問題発見から解決に至る過程・方法をチームで実践しながら学ぶ。PD教育の中で学生によって生み出された成果は、学生が主体的に運営する課外活動プロジェクトにより、更なる発展を遂げ、社会実装を通じて実際の社会課題の解決に貢献している。

SDGs教育の展開(ユース世代への波及)

 KIT SDGs推進センターでは「SDGs教育」を実践し、2030年に社会を支える次世代リーダーの育成を推進している。活動は、学生プロジェクトSDGs Global Youth Innovatorsが中心となり、ゲーミフィケーションを用いたSDGs教材の開発などに取組んでいる。教材第1弾として、株式会社リバースプロジェクトとの共同開発により、これまでに開発した、17全ての個別目標に関わるトレードオフの課題を、参加者が所有するリソースを組み合わせることで解決を目指すゲーム「THE SDGs Action cardgame “X(クロス)”」を開発した。本ゲームはKITウェブサイト(https://www.kanazawa-it.ac.jp/sdgs/)から無償でダウンロードでき、2018年9月末の公開後から2019年5月現在までに50か国以上で推定6,500人以上がXを体験している。さらに、5月にはドイツ・ボンで開催されたUNDP主催の国連公式イベント「The SDG Global Festival of Action」への出展が承認され、会場にて多くの参加者から高評価を得ている。
 また、1,060件を超えるダウンロードの約4割が教育機関からの利用であり、特に中学校・高校教員からは授業での活用可能性に関する問い合わせが多い。そのため、2019年度においては、文部科学省の2019年度SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業の採択事業として、Xの他にも複数のゲーミフィケーション教材を開発し、それらを組み合わせたカリキュラムの作成を行っている。また、企業・自治体等の団体からもSDGs知識の普及の一つとして活用したいとの要望も多いため、社内教育などの企業向け教育に活用できる教材開発にも取組み、世代・分野・文化を超えた多様なSDGs教育の展開を目指している。

プロジェクト型学習

学部学科を超えた全学体制の貢献(教育優先)

 KITでは、学生がSDGsに貢献する研究・取組を実践できるように、3年次から学科教員による専門ゼミ・PD3が始まる。担当教員は、学生がPD教育によって培ってきた能力をSDGsの課題に紐づけるとともに、既に存在する研究や技術の共有を行うことで、学生によるSDGs関連プロジェクトの推進を促している。KITでは、学生が専門ゼミや関連する授業を受講することにより、身近な社会課題と地球規模課題を結びつけ、各学科の強みを生かしたSDGs関連プロジェクトを創出しており、また、SDGsに関連した社会性のある課題に学部学科の垣根を超えてチャレンジする「クラスター研究室」では、チェアスキーの利用者にヒアリングを行い、学生たち自身も体験することで、何が求められているのか問題点を発見し、障害のあるなしにかかわらず誰もが安心、安全で安価に楽しめるチェアスキーの開発などに取り組んでいる。

期待される成果

 これからのSDGs時代において、大学に求められる役割が大きく変わっていく中、大学は社会の役に立つ研究を研究室の中でのみ行うのではなく、生み出した研究成果を実社会の中に組み込み、その中で新たな発見を得て研究を深めていく「社会実装型」の研究を推進していく必要があり、そうした活動によって、大学は持続可能な地域づくりにおいて、様々なステークホルダーを結び付けるハブ機能を強化していくことになると考えられる。
KITでは、こうした時代の変化が起こることを早い段階から予測し、実践できる体制を整えており、既に実社会における様々な課題を解決し、SDGsの達成に向けた貢献を行っている。また、既存の研究・取組をSDGsと紐づけることに留まらず、SDGsに関する全学体制の下、既存の研究・取組の連携促進、新たなSDGsに関する研究・取組みの創造を進めていく。

今後の課題

 「誰一人取り残さない」教育を行うために、どこで生活していてもその個人にとって最適な教育環境を提供できるようなサービス開発を課題としている。その取組の1つとして、現在、KITではANAと提携し、遠隔ロボットの活用によるSDGs教育の発展に取り組んでいる。ANAでは、アバター事業を通じて世界中の遠隔ロボット技術を集結することで、その場にいなくてもその場にいるのと同じことができるようになるアバター事業を開発しており、KITは、このアバター事業において教育サービス開発のパートナーとしての役割を担っている。具体的には、東京と情報格差・機会格差がある石川県という地方、そして白山麓という山間部において、学生が自ら遠隔ロボットを活用することで世界中の地球規模課題を体感し、遠隔ロボットを活用し集結した世界の起業家と持続可能な世界を実現するための新たな取組を生み出す場を形成することを目指している。

人間と自然セミナー(グループ討議)

人間と自然セミナー(グループ討議)

人間と自然セミナー(海洋活動)

人間と自然セミナー(海洋活動)

技術者倫理(原典初版本)

技術者倫理(原典初版本)

PD(プロジェクト・デザイン)教育

PD(プロジェクト・デザイン)教育

SDGsカードゲーム

SDGsカードゲーム

SDGsカードゲームワークショップ

SDGsカードゲームワークショップ

ドイツワークショップ

ドイツワークショップ

クラスター研究室

クラスター研究室

研究室活動

研究室活動

お問合せ先

文部科学省国際統括官付