国立大学法人岡山大学

ESD(持続可能な開発のための教育)の教師教育推進に向けた国際研究拠点の構築

ESDの教師教育

 2005年以降、ユネスコが主導してきた「持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development、ESD)」は、現在、その世界的普及をめざした「ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)」のもとで展開されている。この間、岡山大学は、アジアで唯一のESDのユネスコチェアならびに国連大学認定の岡山RCE(ESDの地域拠点)の主要機関として、ESDの教師教育を積極的に推進してきた。
2017‐2019年度日本学術振興会研究拠点形成事業(B.アジア・アフリカ学術基盤形成型)として進める本取組は、東アジア(中国、韓国、モンゴル)と東南アジア(インドネシア、ラオス、ミャンマー)の教師教育の拠点機関と連携しながら、アジアの教師教育を持続可能性の考え方を取り入れたものへと改めて方向付けすることをめざして、同教育に係るプログラムの指針(スタンダード)を共同で開発することを目的とする。この取組は、SDGsターゲット4.7(ESD)の達成の鍵となる、ESDを実践する教育者・指導者の育成に注目したものである。

期待される成果

 本取組で期待される成果の1点目として、ESDの教師教育プログラムのアジアでの指針が得られ、アジア諸国におけるESDの教師教育の改善ならびに新たな導入につながることが指摘できる。また、そのフィードバックを通して、日本のESDの教師教育の一層の充実・発展につながる。次に、以上の成果をもとに、東アジア・東南アジア地域において、1.ESD教師教育の中核的な研究交流拠点の確立、2.ESD教師教育の学術ネットワークの構築、3.次世代のESD教師教育の研究者の育成の実現、もその成果として言及できる。これにより、将来的には、アジアの広域連携による研究交流拠点の拡大ならびに持続的な協力関係の構築へと発展し、アジアにおけるESDの教師教育推進の確固たる学術基盤が形成されることとなる。

今後の課題

 今後の課題は、ESDの教師教育プログラムのアジアでの指針を、アジア太平洋地域での指針に発展させることである。そこで、アジア太平洋地域のESDを主導してきたユネスコ・バンコク事務所ならびにESDの教師教育機関国際ネットワーク事務局のヨーク大学と連携し、アジア太平洋地域の多数の国々においてプログラムの指針の活用可能性を検討し、アジア太平洋諸国で活用可能な国際性を持つESDの教師教育プログラムの指針(フレームワーク)を提示する。これにより、SDGsターゲット4.7(ESD)に対する日本発の課題解決策をアジア太平洋地域から世界全体に向けて発信する。

再生可能エネルギー(木質バイオマス)に関する教員養成プログラム

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