第69回政府間海洋学委員会(IOC)分科会議事要録

※議題3は非公開にて審議のため、議事要録を作成。

1.日時

令和元年6月7日(金曜日)14時00分~16時00分


2.場所

文部科学省12階 国際課応接室


3.出席者

(委員)

道田豊(主査)、河野健(国内委員)、黒田玲子(国内委員)、安藤健太郎、小達恒夫、加藤幸弘、神田穣太、齊藤宏明、坂元茂樹、須賀利雄、中田薫、古谷研、升本順夫【敬称略】


(関係省庁)

環境省、気象庁、内閣府、海上保安庁、水産庁、文部科学省海洋地球課、国立研究開発法人海洋研究開発機構関係官


(文部科学省(日本ユネスコ国内委員会事務局))

大山国際統括官、平下文部科学戦略官、大杉国際戦略企画官、秦国際統括官補佐、その他関係官


4.議事要録

【道田主査】  これより、第69回のIOC分科会を開催させていただきたいと思います。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。特に雨の中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
 それでは、最初に定足数の確認を、事務局からお願いします。
【秦国際統括官補佐】  本日は、御出席の委員が13名で、委員の過半数9名以上ですので、定足数を満たしております。
【道田主査】  ありがとうございます。ということでございますので、ただいまより第69回IOC分科会を開催いたします。
 なお、本日の議題のうち、議題の3「第30回IOC総会の対処方針等について」に関しては、公開することにより、当事者又は第三者の権利、利益や公共の利益を害する恐れがあると認めますので、日本ユネスコ国内委員会の会議の公開手続第1項に基づきまして、非公開とさせていただきます。非公開の部分を除きまして、御発言は議事録としてそのままホームページ等で公開されますので、御承知おきください。
 それでは、議事に先立ちまして、分科会の委員及び事務局に交代がございましたので、事務局から御紹介をお願いします。
【秦国際統括官補佐】  本分科会には気象庁さんから地球環境・海洋部長が役職指定で御参加いただいておりますけれども、今年度、大林正典委員が着任されていますので、御報告いたします。なお、本日は小出寛地球環境・海洋部海洋気象課長に代理に御出席いただいているところです。
 また、続きまして事務局にも交代がございましたので、御紹介させていただきます。ユネスコ国内委員会の事務局として国際統括官付、3名の交代がございました。まず、国際統括官の大山、それから文部科学戦略官の平下、それから国際戦略企画官の大杉の3名でございます。
【道田主査】  どうもありがとうございます。よろしくどうぞ、お願いいたします。それでは、せっかくの機会ですので大山統括官、一言お願いします。
【大山国際統括官】  ただいま御紹介ございました、国際統括官の大山でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。先生方、本日は大変お忙しいところ、また雨で足元の悪い中、御参加いただきまして、まことにありがとうございます。先生方には日頃よりこの海洋科学の分野での御尽力、心より感謝申し上げたいと存じます。
 今、まさに「国連海洋科学の10年」の準備期間という大変重要な時期に差しかかっていると承知をしております。日本としてもしっかり貢献していくべきところと考えておりますので、是非とも、引き続き先生方の御指導、御協力、よろしくお願い申し上げたいと存じます。よろしくお願いいたします。どうも、本日はありがとうございます。
【道田主査】  大山統括官、どうもありがとうございました。
 それでは、事務局から配付資料の確認をお願いできますか。
【秦国際統括官補佐】  本日は議題が主に3つですけれども、資料としましては、議事次第と書いた紙、あと委員名簿ですね。それから資料1から資料3まで、3の枝番が3つ、英語の資料になります。あとは参考資料と、それから席上配付資料とブルーの紙に書かれたもの一式がございます。
 途中でも構いませんので、不足がありましたらお申し出ください。
【道田主査】  よろしいでしょうか。何かお気付きの点があったらその都度、事務局に御連絡お願いいたします。
 それでは議事に入りますが、一言申し上げます。御挨拶遅れましたけれども、私、この分科会の主査を仰せつかっております、東京大学大気海洋研究所の道田でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。直近、今月末からユネスコ本部でIOCの総会、第30回が行われますけれども、それに対して対処方針の案が本日示されておりますが、後ほどこれについて、先生方の御意見を伺って、我が国として的確な対応をIOCの総会で行うということをやってまいりたいと思いますので、限られた時間ではありますけれども、意見交換あるいは議論をよろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、議事次第に従いまして、まずは議題の1「前回会議以降の活動報告について」に入ります。前回分科会以降の主なIOC関連の動きについて、まずは総括的な御説明を事務局からお願いします。
【秦国際統括官補佐】  資料1を御覧いただきたいと思います。まず、昨年7月ですけれども、第51回IOC執行理事会がパリで行われました。我が国からは道田主査を団長としまして、関係者が参加しております。この会議では「国連海洋科学の10年」の準備作業、アルゴプロファイリングフロートネットワークの能力の発展、世界海洋観測システム、津波早期警報システムの推進など、そういった事業の議論が行われております。
 続きまして、今年の2月になりますが、第25回国際海洋データ情報交換に関する委員会、IODEの総会がございました。これに併せて我が国がホストする科学カンファレンスが行われました。こちらは海上保安庁のホストにより開催されたものです。各国のIODEのデータセンターの連携ということで、予算計画の議論等が行われました。また、これまで共同議長として道田主査が担っておられましたけれども、今次、議長の交代ということで、任期満了されました。今までどうもありがとうございました。お疲れさまでございました。
【道田主査】  お世話になりました。
【秦国際統括官補佐】  それから、第12回IOCのWESTPACの総会が、この4月にフィリピン、マニラで開催されました。こちらにも団長に道田主査、あと安藤委員を中心に参加されています。こちらでも引き続き、「国連海洋科学の10年」の準備、SDG14への貢献、サンゴ礁の保護・回復といったような議題について議論がされたと伺っております。また、WESTPACのオフィサー、副議長として今回、改選でしたけれども、引き続き安藤委員が選出されております。どうぞよろしくお願いします。
 裏面になりますけれども、IOC能力開発に係る専門家タスクチーム会合ということで、こちら3月にパリで開催された2つのタスクチームに関する会合がございました。我が国からは海洋地球課の渡辺企画官が出席されています。能力構築に係るニーズ調査だとか、そういったものの分析情報については、追っていただいているところです。
 最後に、これはまさに6月、これからですけれども、国連オープンエンド非公式協議プロセス第20回会合が、来週行われる予定になっております。東北大学の須賀先生と文科省の海洋地球課から参加予定となっております。
 簡単ですが、以上でございます。
【道田主査】  ありがとうございました。今日、この席に関係の委員の先生方もお越しですので、簡単に2~3分程度で関係の部分について補足をお願いし、その後、質疑あるいは、要すれば意見交換を行いたいと思います。
 まず、執行理事会につきましては先ほどの御説明のとおりでありますが、その2パラ目にWalter Munkの講演、先年100歳を迎えられたWalter Munk博士、この世界では著名な方ですけれども、この方の講演が行われましたけれども、残念ながら今年の2月にお亡くなりになっています。残念なことでしたが、我々としては直接お話しができる大変よい機会だったと思っています。
 それから、2つ目のIODEにつきましては、ここに書かれているとおりでありますけれども、海上保安庁の日本海洋データセンター及び文部科学省の方々等の、あるいは日本水路協会の御支援も得て、日本では初めて開催された会議になります。日本海洋データセンターが1965年に発足して以来、最も活発に活動しているデータセンターの一つでありますが、ホストをするのは初めてということで、先ほど御案内ありましたけれども、私が共同議長を務めている期間中に日本でホストをすることができて、私としても大変よかったかと思っています。
 ちなみに私の後任について、私ともう一人、シンディー・チャンドラーさんという方と共同議長をしていたのですけれども、二人とも任期が満了いたしまして、新たにロシアのSergey Belov博士、それからオランダのTaco de Bruin博士が次期の、今後2年間の共同議長に選出されています。いずれの方もこれまでIODEの世界では非常に活発に活動されている方ですので、また、日本との関係も非常によい方々ですので、これからも連携を密に進めていきたいと思います。
 申し遅れましたけれども、大山統括官には科学カンファレンスに御同席いただきまして、大変ありがとうございました。このときIOCのRyabinin事務局長、それから担当部長も来ておりましたので、大変よい、日本のプレゼンスを示すことができたかと思っております。
 ということで、続きましてWESTPACについて、安藤さんから補足をお願いします。
【安藤委員】  西太平洋の担当をしております安藤でございます。先ほどの、秦補佐からの御説明の補足ということで、西太平洋地域小委員会は、4月の2日から5日にかけて、フィリピン政府がホストする形で、マニラで開催されています。日本からは海上保安庁さん、気象庁さん他、東京大学大気海洋研究所、それからJAMSTEC、等々の政府団によって参加してきました。団長は道田主査にお願いしました。ありがとうございました。
 総会では、主にWESTPACでやっております多くのプロジェクト、ワーキンググループのレビューと政府間、加盟国からのコメントをもらうことと、ここに書いてございますが、後で詳しく述べることになると思いますが、「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年に関するブレインストーミング」、それからSDG14への貢献等々が話し合われました。
 会期中に、オフィサーの選挙が行われ、私は副議長に再選になりましたが、議長、副議長とも全員再選になっております。議長はベトナムのVo Si Tuanさん、彼はベトナム海洋研究所の所長だった人で、あと副議長として中国の第一海洋研究所のFangli Qiaoさん、それからインドネシア科学院(LIPI)のZainal Arifinさんの、合計4名のオフィサー体制で次の2年間も行うことになりました。
 日本からも大きな貢献をこれまでしてきておりまして、主に4つのプロジェクトがありますが、それらのプロジェクトにつきましては、加盟国によるレビューを行った後、引き続き実施することとなっております。幾つかのプロジェクトは日本の信託基金をうまく利用しながらやっているということもあり、多くの国から感謝が述べられました。
 以上でございます。
【道田主査】  ありがとうございます。
 続きまして、今のこのペーパーの裏面に行きまして、IOC能力開発に係る専門家タスクチーム、及びその後の国連オープンエンド非公式協議プロセスにつきましては、渡辺企画官から補足をお願いいたします。
【渡辺海洋地球探査企画官】  海洋地球課の渡辺から御説明を申し上げます。
 このタスクチームの会合というのは、IOCの活動の大きなテーマの一つ、柱の一つである能力開発についてというのは昔からIOCが取り組んでおるわけですけれども、「海洋科学の10年」に向けてまた能力開発、大いにやっていこうという機運が盛り上がっておりまして、このチームの会合というのが去年の3月、それから今年の3月とあって、2回目の会合でございました。
 話し合われているのは、ニーズ、いろいろ必要だ、必要だというキャパビルですけれども、そのニーズが本当のところどうなのかと。地域による差があるのかないのか、いろいろな分野の中でどういうレベルのキャパビルが必要とされているのかということを、ちゃんと途上国の意見を拾い上げようということが、1回目の会合で話し合われまして、そのニーズ調査をしました。その結果の分析をしたのが2回目と、そういう流れでございます。
 平行してこのクリアリングハウスというものが、キャパビルのために必要な情報というのをちゃんと取り出せるような、ある種のポータルを準備しようというアイデアがありまして、これも1回目の会合で話して、その後、中南米カリブ地域がプロトタイプを作って、今ステップバイステップでだんだんいいものをつくり上げていこうという流れになっておりますので、その中身の詳細等について議論をしてきました。
 国連オープンエンド非公式協議プロセスの20回は、海洋に関するオープンエンドの非公式協議プロセスでございまして、非公式とは言いつつも堂々たる国連の会議ですので、非常にステータスの高いものでございます。今回はこの「科学の10年」ということで、2021年から2030年のこの10年のことをテーマに行うということでございますので、特に観測の分野の御専門でいらっしゃる東北大学の須賀教授、日本のARGOとかGOOSについてどういうことをやろうとしているのかということを御説明いただくという考えでおります。
 以上でございます。
【道田主査】  ありがとうございます。概要の説明を秦補佐、その後、関連の補足を頂いたところですが、何か御質問等ございますか。よろしいですかね。
 須賀先生、どうもお疲れ様で、よろしくどうぞ、お願いいたします。日本のプレゼンスを是非、示していただければと思います。
 よろしいでしょうか。よろしければ、どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題にまいりましょうか。次は、「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」の準備期間における取組みについてということで、議題を用意されてございます。昨年の分科会の場で、2017年12月の国連総会で、来る2021年から2030年までを「国連海洋科学の10年」とすることが採択されたこと、2021年の開始に向けてユネスコのIOCが中心となる実施計画策定をやっているということを御報告申し上げたところでございます。
 我が国としても、IOCの準備期間における活動を支援するという方向性について御了承いただいたところです。昨年の12月だと思いますが、IOC分科会で中心的に「国連海洋科学の10年」に対応するワーキンググループというのを指名させていただいたところでございます。私、それから安藤委員、河野委員、神田委員、齊藤委員の5名及び文部科学省海洋地球課、国際統括官付で対応しているところでございます。
 ここの議題では、その後の状況等を御報告申し上げて、「海洋科学の10年」に向けての御意見を賜りたいと思います。まず、事務局から「国連海洋科学の10年」準備期間における取組みと日本からの貢献について、御説明をお願いいたします。
【秦国際統括官補佐】  それでは資料2を御覧いただきたいと思います。1枚目の図ですけれども、昨年のIOCの執行理事会でもロードマップということで、IOC側がどういう準備をしていくか、加盟国とともにどういう予定で準備していくかという、ロードマップが出てきていますが、そこから拾っているエッセンスが1枚目のものでございます。今、現在IOCで考えている重点的に行う取組み例が、左に書かれているところです。ユネスコIOCは「国連の10年」に向けた取組みを、計画作りをするという策定機関ということで、今動いているという状況になります。
 めくっていただきまして、現在どういうプロセスの途中にあるかという簡単な説明ですけれども、2018年に執行理事会の後、11月にExecutive Planning Group、EPGというものが立ち上がっています。こちらは、基本的には「国連の10年」の実施計画策定に係る諸々の中心的役割を担うというグループになっておりまして、世界から19人のエキスパートが選出されています。日本からは、今、IOC分科会の前主査の植松先生が入っておられます。こちらのグループでいろいろとこういったことをやっていこうということを承認しつつ、その後の活動が行われているところです。
 2019年になりまして5月、第1回目のGlobal Planning Meetingということで、デンマーク、コペンハーゲンで、世界でのコンサルテーションということで、始めに開催されたものです。詳細は3枚目の資料に文章を書いてありますので、そちらも参照しながら見ていただきたいのですけれども、こちらのGlobal Planning Meetingは第1回ということで、まずここで始めにこういったグローバルレベルでの議論がされていまして、この後に順次、各地域でいろいろな地域別にどういった実施が見込まれるかというような協議を始めることになっています。
 それで、今後の予定というところですが、我が国が属する北太平洋の地域の計画ワークショップということで、東京で日本が主催するということで、ここまで準備ができているところです。第1回のGlobal Planning Meetingについては、分科会の安藤委員から参加いただきまして、予測可能な海というパネルでも御発表いただいているところですので、後ほど様子なども補足していただけたらと思います。
 7月31日から8月2日に北太平洋地域の会合をイイノホールで開催することを予定しております。こちらの企画につきましては、次の当日配付資料のところで概要を書いてございますけれども、基本的には主催はWESTPACということでIOC側になっております。この地域会合については文部科学省からIOCに対して信託基金で支援をしています。また、北太平洋地域に関連する各コミュニティに相談したところ、北太平洋海洋科学機関、PICESも一緒に協力していただけるということで、共催に入っています。
 資料2の3枚目の一番下に参考で、鍵括弧で書かれているところの補足ですが、実はSDGs2030に連動して、「国連の海洋科学の10年」も同じような期間で設定されていますが、そのほかにも2030をターゲットにいろいろな分野で貢献していこうという動きが、国連の機関であるところです。ユネスコの中で日本も推進しています持続可能な開発のための教育、ESDですが、これについても2030年を目途に、ESDの強化とSDGsの17の全ての目標への貢献を通じて、より公正で持続可能な社会の構築を目指すということで、教育的にもがんばっていこうというような形になっています。
 今後、国内において同じように実施計画の策定が予定されていますので、この「国連海洋科学の10年」のエッセンスもESDの中でも位置付けていくような形など、連携が期待されると考えています。「海洋科学の10年」の中でもオーシャンリテラシーの話が出てきていますので、相互に連携できると思います。
 そうしましたら、地域計画ワークショップの開催準備状況につきまして、安藤委員からよろしくお願いいたします。
【道田主査】  安藤さん、お願いします。
【安藤委員】  それでは、当日配付資料と、その前にグローバル会合の様子もお伝えしておきます。
 最初のキックオフ的なGlobal Planning Meeting、これはデンマークがホストで開催されております。3日間ですね。後で申し上げますけれども、地域ワークショップとほぼ同じ構成で開催されました。これも後で申し上げますけれども、6つの社会的応用分野というものを中心に議論をする形で進められておりまして、合計でかなり多くの方、主にヨーロッパとアメリカで、あまりアジアからは来なかったのですけれども、150名から200名ぐらい、かなり大賑わいの会合でした。議事の進め方としましては、先ほど秦補佐から話がありましたが、EPG、Executive Planning Groupメンバーの方々がコンビナーとなって、6つのワーキンググループをリードする形になりました。
 今回のこのUN Decade、「国連海洋科学の10年」の眼目としましては、海洋の研究者が中心となって議論をするのではなく、もちろん海洋科学の重要な部分、重要な科学的テーマというのを議論はするものの、様々なステークホルダー、利害関係者、政府の意思決定者とか、産業界、それからNPO、NGO、そういった方々を招いて、ステークホルダーとの議論の中で大事な海洋科学の課題を抽出していくというプロセスが重要だということが最初に述べられて、EPGメンバーがリードする形でそれぞれの6つの社会的アウトカムに向けた議論がなされました。
 1つのワーキンググループに関して3時間ぐらいしか時間がなかったので、深く細かいところまでの議論はありませんでしたけれども、キックオフとしては、こういう議論をするのだなということが皆さん分かったという会合だったと思います。それを受けて、地域ワークショップというのを行うことになっておりますが、北太平洋地域ワークショップに関しまして、日本政府がホストをしていただく形で、IOC WESTPACとしては日本政府によるユネスコの信託基金を頂きまして主催するという形になっております。
 北太平洋ワークショップは日本がホストをして実施しますが、南太平洋ワークショップはヌメアでこの1週間前、我々の北太平洋ワークショップの1週間前に開催されます。北大西洋は、北大西洋、南大西洋はまだ公式には決まっておりませんが、EUとカナダ政府が主催、若しくは共催する形で実施されます。残念ながらインド洋はまだ決まっておりません。また、北極もやらないといけないという話にはなっていますが、まだ公式には決まっていません。
 全て同じような形で実施されると思いますが、北太平洋ワークショップに関しましては、秦補佐に大体説明していただきましたが、3ポツの地域計画ワークショップの議論のねらいにありますように、意見交換、それから知識ギャップの課題、科学的課題、優先事項などの特定、それから人材育成とか海洋技術移転、パートナーシップ、データの共有などが議論されます。前後しますが、日程と場所はもうすでにイイノホールとお話しをしておりまして、この近所ですけれども、日にちが7月31日から8月2日、3日間です。既に受付が始まっておりまして、6月15日には登録を終了する予定です。別途、文科省とも協力させていただきまして、関係省庁にも順次声かけをさせていただいているところです。
 全体の流れですが、1日目、7月31日にプレナリー、全体会合を行います。これまでどういう議論がされてきたかというのを全体でレビューをして、1日目の午後からワーキンググループ1、2、3、ワーキンググループ、6つありますが、2つのグループに分けて、それぞれ平行して議論をしようと考えています。
 なので、3つの部屋で平行して議論をすることを考えておりまして、Clean Ocean、それからA health & resilient Ocean、A predicted Oceanというのを1日目の午後、2日目の午前中、合計6時間、それからワーキンググループの4から6、A safe Ocean、A sustainable productive Ocean、A transparent & accessible Ocean、この3つのワーキンググループを平行して、2日目の午後から3日目の午前中、合計6時間を考えております。最後は各ワーキンググループからの報告を受けて、次の、ネクストステップといいますか、次の計画を議論して閉会という形を考えています。
 現在、ワーキンググループの共同convener、昨日、今日、一昨日くらいですけれども、議論しておりまして、ほぼ固まってきている段階で、共同コンビーナーの方々には、いずれ公式な依頼が行きます。共同議長としましては、IOC WESTPACの議長、それからPICESのプレジデント、それから道田主査にお願いしております。こういう中で現在、レジストレーション何名かといいますと、100名弱の受付がありまして、ビザの関係がありまして、ビザが必要な参加者の方々には既に手続を開始しております。
 簡単ですけれども、以上です。質問を受けたいと思います。
【道田主査】  ありがとうございます。秦補佐、安藤委員、どうもありがとうございました。御説明を頂いたところでございますが、何か御質問、あるいは関係の先生方から補足、また「国連海洋科学の10年」まさに準備期間真っただ中でございますけれども、この10年にこういった方向を強化するべきだ、みたいなことも含めて、何か御意見がありましたら併せてお願いいたしたいと思いますが、何かございますか。
 先ほど、秦補佐の御説明の中でESDに言及されましたけれども、「海洋科学の10年」、海洋科学が主のIOCではありますけれども、ユネスコの中に限らず、他の機関も含めていろいろなプログラムとの協力、あるいは連携というのは不可欠ですので、特に海洋リテラシーであるとか、教育部分についてはESDとの密接な協力が不可欠というような気はもちろんいたしますので、是非こういうところも準備の中に含まれればいいと思いますが。
 何かございますか。どうぞ。
【小達委員】  参考までに教えていただきたいのですけれども、地域別ワークショップに関して、北極海に関しては何か計画があるということですけれども、南極海に関してはどういう状況になっているのでしょうか。
【安藤委員】  私がGPM、Global Planning会合に参加した感じだと、必要だというだけで、特に新しい動きは、私は関知しておりません。ただ、北極協議会みたいなものがあるはずなので、そういったところにコンタクトはしているのではないかと考えます。
【道田主査】  いや、今、おっしゃったのは南極の話です。
【安藤委員】  ごめんなさい。南極も問題点としては挙がっていました。
【小達委員】  ひょっとして太平洋の南の、あるいはインド洋の南側、大西洋の南側というところの範疇に含まれてしまうということですかね。
【安藤委員】  それぞれの地域ワークショップに関して、厳密に海域が決められているわけではなく、そういう意味では北太平洋もそうですが、赤道の部分というのは南太平洋と重なりますけれども、そこら辺は重複して議論をしてよいというふうには言われています。南極海に関しては、私はGPMの会合に出たときには具体的な話は聞いていません。
【道田主査】  むしろ極研究のコミュニティの側からこういう情報を基に何か動きがあれば、是非インプットしていただければと思います。よろしくお願いします。いずれにせよ海は繋がっていますので、連携を密にやる必要があるのは当然ですので、よろしくどうぞお願いします。
 この準備に日本が積極的に貢献するということについては、先ほど話がありましたIODEの総会のときに、Ryabinin事務局長が来たときに統括官とのお話もあって、今載っているかどうか分かりませんけれども、IOCのトップページに統括官とRyabininさんと私が写った写真が載っていて、日本は貢献するぞと書いていただいています。ということですので、これからしっかり中身を詰めていく必要があると思います。
 その他、何かございますか。よろしいですか。
 大変大きな話ですので、ここにいらっしゃる先生方に限らず、いろいろな方々に御協力いただかないとなかなかうまくいかないと思いますので、そういった意味でも是非、御協力、御支援をよろしくお願いしたいと、私からも。
 どうぞ、須賀さん。
【須賀委員】  そういう意味では、なかなかこれは大きな話で、一体何なのかということが分からないままいるという方々が多いと思うのですが、日本国内でこの動きを紹介するような工夫は何か、考えておられるでしょうか。
【道田主査】  今、既にあるものとしては、学会レベルの話ですと、日本海洋学会がこの秋に富山で大会がありますが、そこで一つ、何かセッションがあるのでしたか。
【安藤委員】  はい。学会会員向けにセッションを企画しています。
【道田主査】  学会の方々には現状、それから今後の方向等について情報共有を図るというふうにしています。もうちょっと固まったら恐らく一般向けの何か、キャンペーンというのかどうか知りませんけれども、そういうものをやるべき時期にだんだん来るのではないかと思いますよね。特にドナーを募るとかいう話になると、ますますどういうものなのかと、ぱっとキャッチフレーズも含めて示さないとなかなかうまくいかないような気がしますが。安藤さん、何か。
【安藤委員】  今、国際統括官付と御相談しながら、日本国内向けはどちらかというと小中高校生ぐらいをターゲットとしたパンフレットを作って、いろいろなところで配りましょうという話になっています。それから、別のJFITとしてIOCに幾つか文科省から依頼があって、英語バージョンですけれどもビデオを作ったり、そういった活動がなされると聞いています。補足ございますかね。
【秦国際統括官補佐】  ユネスコIOC本部で10年というキャンペーンを始めるということでビデオを作成しているので、いろいろな人たちになぜ海洋が大事なのかとか、海洋教育も含めていろいろなレベルで、企業、民間セクター、一般全てに対してですけれども、メッセージとしてビデオを作成されています。ビデオは国連での様々な会議でもどんどん放映して広報されると聞いていますので、日本でもイベント等で活用できたらいいと思います。
【道田主査】  ありがとうございます。はい、どうぞ黒田委員。
【黒田委員】  今、道田主査がおっしゃったようにESDと一緒にやるということはすごく重要だと思います。2020年からの話が結構進んでいると思いますが、日本は以前DESD(Decade of Education for Sustainable Development)を提唱し、そのときは日本で大きな盛り上がりを見せました。名古屋とか岡山で国際会議が開かれ、結構いろいろな人が関連されたと思います。そういう人たちがまた次のESD、そして海洋に囲まれていることからIOCの観点で一緒に盛り上がってやっていけるようなことができたらいいなと思います。文科省は当然、把握していらっしゃるのではないかと思います。私はDESDには関わっていましたが、ユネスコスクールとともに、この海洋科学の10年もやれれば人材育成の観点からも非常に実のあるものになるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
【道田主査】  ありがとうございます。教育セクターとの連携については、国内的にはユネスコ国内委員会の場とかでも、そんなに時間はないかもしれませんけれども、簡単に情報提供でもして、できる協力はやっていくということかと思いますし、2014年に名古屋で開催されたESD世界会議は私も出ていまして、その頃からIOCもちゃんとオーシャンリテラシーをやりましょうということですね。あの場から、今担当しているフランチェスカさんとかも来て、議論を始めたところですので、ずっとつながってはいるということですよね。せっかく今度、「海洋科学の10年」をやりますので、是非ESDの中にもパーツがぐっと入るようにしていくと、国内的な方針ともよく一致すると思うのですよね。教育という面もそうですけれども、海洋基本計画の人材育成のところとかも、そういったことにもうまく貢献できるといいなと思います。
 その他、何か御意見ございますか。あるいは御質問。よろしいですか。
 というわけで、皆様の御協力なしにはきっとうまくいかないので、是非、よろしくどうぞお願いいたします。
 それでは、議題の次ですね。冒頭、私申し上げましたけれども、第30回のIOCの総会が今月末から開かれますので、議題3「第30回IOC総会の対処方針等について」に入ります。先ほど申し上げたとおりでございますが、本議題は非公開になりますので、傍聴者の方いらっしゃいましたら、恐れ入りますが御退出お願いしたいと思います。


<議題3 第30回IOC総会の対処方針等について>
 令和元年6月26日から7月4日にかけてフランス・パリで開催される第30回IOC総会について、我が国の対処方針案の審議を行った。


―― 了 ――

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