資料30-1 日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会人間と生物圏(MAB)計画分科会第26回会議議事録(案)

1.日時

平成25年9月4日(水曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省 東階5階 5F5会議室

3.出席者(敬称略)

〔委員〕

鈴木邦雄(主査、国内委員)、重政子(国内委員)、寶馨(国内委員)、伊藤元己、岩熊敏夫、大澤雅彦、鬼頭秀一、馬場繁幸、松田裕之

〔関係省庁〕

外務省、農林水産省、林野庁、水産庁、国土交通省、環境省関係官

〔文部科学省(事務局)〕

加藤国際統括官、籾井国際統括官付国際戦略企画官、その他関係官

4.議事

【鈴木主査】
 それでは、定刻になりましたので、日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会第26回MAB計画分科会を開催したいと思います。本日は御多忙の中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。最初に事務局より、定足数の確認をお願いいたします。
【堀尾ユネスコ協力官】
 本日は12名の委員のうち、出席委員が9名ということで、委員の過半数7名以上となっておりますので、定足数を満たしております。
【鈴木主査】
 それでは、正式に第26回人間と生物圏(MAB)計画分科会を開催いたします。
 開催に当たりまして、昨年9月、第131回総会におきまして会議の公開手続が改正されまして、本分科会は原則として公開することとして、座長が認める場合には非公開とすることができます。本日は我が国から推薦候補の選考に関する審議等、公開規則第4条に基づきまして、公開することにより会議の公平かつ中立な実施に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるため、議題の2及び3につきましては議事を非公開としたいと思います。会議の報告書につきましては、これまで議事要録という形でございましたが、今回の改正に伴いまして、公開部分に関しては議事録となりますので、よろしくお願いします。
 また、本日は傍聴希望並びに冒頭部分の取材、カメラ取材の希望が来ておりますので、よろしくお願いいたします。なお、本日は横浜国立大学の酒井暁子氏、本日申請を希望しているユネスコエコパークの関係者として情報提供を依頼する可能性があるため、非公開の部分についても、酒井氏に関しましては同席を認めることとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【鈴木主査】
 ありがとうございます。最初に、委員の再任、及び事務局で異動がありましたので、報告をお願いいたします。
【堀尾ユネスコ協力官】
 本年6月30日付けで前分科会調査員の任期が満了となりましたので、分科会の設置要綱第1条に基づき、日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会の下に分科会を設置するという設置規則に基づいて、調査員として本日9月4日付けで、伊藤委員、岩熊委員、大澤委員、服部委員、馬場委員、正木委員、松田委員が再任、それから鬼頭委員及び佐藤委員に新規で御就任いただいております。
 以上でございます。
【鈴木主査】
 よろしいでしょうか。それでは次に、事務局に資料配付の確認をお願いしたいと思います。

(事務局より配付資料について説明)

【鈴木主査】
 よろしいでしょうか。それでは、まず最初に前回会議議事録の確認でございますが、資料26-1、お手元にあると思います。こちらにつきましては、前回からの委員におかれましては既にメール等で御確認いただいておりますので、今後国内委員会のホームページで公開する予定でございます。鬼頭先生におかれましては今回からということで、よろしくお願いします。
【鬼頭委員】
 よろしくお願いします。
【鈴木主査】
 続きまして、議題1、MAB計画国際調整理事会の結果についてでございますが、5月の27日から30日にかけましてユネスコで開催されました第25回MAB計画国際調整理事会について、事務局から報告をお願いいたします。
【堀尾ユネスコ協力官】
 はい。それでは、資料26-2に基づいて報告させていただきます。
 昨年の5月27日から30日にユネスコ本部におきまして、MAB国際調整理事会が開催されました。理事国は32か国出席で、オブザーバーが39か国と4国際機関、日本からは松田MAB分科会調査員と日本政府代表部の小野参事官、それから私が出席させていただきました。
 主な概要につきましては、最初に開会の挨拶で、ボコバユネスコ事務局長が挨拶に来られて、MABは過去40年間の活動において、平和と持続可能な開発における科学を位置付け、また人間とエコシステムとの関係、生物的・文化的多様性との関係を結び付ける役割を果たしてきたという点に触れられて、MABの重要性、またユネスコエコパークBRへの期待が述べられました。事務局からは、BRについては科学、教育、文化、コミュニケーション、全ての要素を含むので、ミニユネスコとも言えるのではないかということも説明がされております。
 新規議題といたしましては、ユネスコエコパークの新規登録、拡大、変更、削除についての審議がございまして、新規申請の15件のうち12件の登録が承認され、4件については保留となっております。また、地域の拡大について、1件が承認され、1件は保留となっております。それから、イギリスから、現在のBRの基準を満たしていないという過去に登録されたものとして、1件のBRについてリストからの削除が申請され、承認されております。そのときにイギリスから、今後BRの質を保証し活性化させていくためには、こういった削除というのも必要な作業なので、イギリスにとっても削除は非常に簡単なものではないが、BRの質を担保していく上では必要な作業であるので、各国もそういったところに取り組んでほしいという発言がございました。
 その後、BRのセビリア戦略の基準を満たしていないBRの取り扱いについて、これは昨年から議論されているところですが、また今回も議論されて、基準を満たさないBRの出口戦略、具体的には移行地域の設定がされていないところとか、活動報告がされていないところについて、今後ワールドネットワークのBRのリストから外していくということについての事務局案が提示され、当初事務局は5年というスパンで案を出されましたが、イギリスから、そもそもセビリア戦略に基づいたマドリッド行動計画が策定されてから10年がたとうとしているので、更に5年も待っているのではなくて、2年にすべきだという意見が出され、折衷案として2015年の末までに、今後変更申請をしないところは外していく方向で検討していくという決定がされました。
 それから、マドリッド行動計画が2013年で終了しますが、それの評価と今後の取組について、今年の11月から12月にかけてウェブによるアンケートが実施され、2014年の初めに外部評価を行っていくということが報告されました。
 そのほかは、昨年、綾のユネスコエコパークの授与式に来日いただいたトマス・シャーフ生態・地球科学部長代理、MABの事務局長ですが、この方が国際調整理事会の最終日、5月の30日付けでユネスコを退職されることが報告されました。後任としてはハン・チュンリー氏で、以前ジャカルタ事務所の副所長をされていた方ですが、その方がMABの事務局長に就任されております。
 次回の国際調整理事会につきましては、スウェーデンからホストの申出がありまして、2014年の6月9日から12日、又は16日から19日の間に行うということで、これも決定されております。以上でございます。
【鈴木主査】
 ありがとうございました。ただいまの報告に関しまして、御質問等ございますか。よろしいですか。
 それでは、今日は大分議題が立て込んでおりますので、進めさせていただきます。議題の2はユネスコエコパークの審査についてでございます。先ほど申し上げたとおり、議題2及び議題3に関しましては、推薦候補選定、及び既存ユネスコエコパークの今後の進め方の審議等になりますので、議事を非公開にさせていただきます。したがいまして、委員、関係省庁、及び事務局関係者以外の傍聴の方々、並びに報道の皆さんに関しては、恐縮でございますが御退席をお願いいたします。よろしいですね。酒井先生は最初に申したように、御同席いただきます。よろしくお願いします。

(規定により非公開)

【鈴木主査】
 それでは、本日の最後の案件になります議題4、ユネスコエコパークの申請の流れについてということで、この件に関しては公開となりますが、どなたかいそうですか。
【堀尾ユネスコ協力官】
 控室にいた方々が入っているということです。
【鈴木主査】
 それでは引き続き、公開ということで、議題4、ユネスコエコパークの申請の流れについてでございます。来年以降のユネスコエコパークの申請の進め方、考え方について、事務局の方で手続に係る主な流れをまとめていただきましたので、御説明をお願いします。
【堀尾ユネスコ協力官】
 それでは、ユネスコエコパークの申請につきまして、今、手続でまとめたものがないので、ここの分科会において主な流れについて決定いただき、今後国内委員会のホームページ等で公開して、関心のある自治体が今後それを見て、手続を進めていただきたいという趣旨で、主な手続の流れについて案を作らせていただきました。
 まずは、自治体から国内委員会事務局へ申請の要望について相談がありましたら、その段階で少し関係省庁や関係機関等から意見をもらいながら、申請概要、申請書に書き込んでいく基本的な中身について、まず地域で検討いただいたり、関係機関の了解をとったりという作業をしていただいた上で、申請する前の年の8月31日までに自治体から日本ユネスコ国内委員会会長宛てに申請概要案の提出を頂きたいと思います。ここで次の年に申請するものを大体決めて行きます。
 その申請概要につきましては、基本的な事項として、ゾーニング案、活動案、組織体制案、関係機関との調整状況などを入れていただき、提出いただきます。その後、9月に、毎年9月末にユネスコへの申請締切りがありますので、今回のような形で分科会を開いて、そこで翌年の審査案件についての報告と、基本的な事項についての意見交換をしていただきます。
 その後、そのコメントに基づきまして申請の方針の検討・調整、これは分科会で頂いたコメントや、関係省庁とのヒアリングや、関係機関との調整という形で行い、自治体で申請書案、和文について作成いただき、それを2月末までに提出いただきます。その和文の申請書案につきまして、またその中身について、国内法制度やいろいろな文言、制度上の内容について、そごがないかというところを関係省庁とも調整を行いながら、5月のMAB分科会、毎年MAB国際調整理事会が5月から7月に行われますので、その対処方針を検討する会議を必ず開くことになっていますので、それに向けて、そこで併せて和文の申請書についても御議論いただきたいと思っております。
 その議論の結果を受けて、6月中旬までに自治体からの和文の申請書を修正し、併せて英文案についても作成してもらい、6月中旬までに国内委員会事務局に申請書を提出していただきます。その和文の修正案と英文についての再度調整を行い、ここについてはまた関係省庁も含めて検討を行いまして、8月の上旬までに正式な申請書として和文・英文を提出していただきます。それを再度チェックしまして、9月の上旬に最終的に国内の審査、日本からユネスコに対して出すか、推薦をするかどうかの最終的な決定を行っていただきます。その申請書について、またさらに最終的な調整を行い、9月末に国内委員会からユネスコへ推薦をし、翌年の3月から5月にBR国際諮問委員会による審査が行われ、その勧告をもって5月から7月の国際調整理事会における審議・決定という流れになっております。
 ここについては主な流れについて出させていただいているので、今回これについて御承認いただいたら、今後その事務的な作業として、誰から誰に出すのか、どういった文章を出さないといけないかというところを、詳細について詰めさせていただきたいと思います。
 以上です。
【鈴木主査】
 この件に関して何か御意見等ございますか。
 今回の流れも、ほぼこれに沿った形で行われておりますので、それでは、主な申請の流れにつきましては本日御承認いただいたものとして、具体的な提出書類等、あるいは細かな手続に関しましては、事務局と整理した上で、今後の申請を希望するところの関係各位に周知していきたいと思います。なお、その細かな手続等に関しましては、座長の私に御一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
【鈴木主査】
 そのほか、何か今後のユネスコエコパークの進め方について、御意見等ございますか。
 自然科学小委員会、この上の委員会で、海中心のところはどうかという話が少し出ましたが、当面は陸域部分にコアがある地域を、積極的にまず始めたいと考えています。それをやるうちで、いろいろ海の部分もコアにしたいという話が出てきた場合には、それをどう絡ませるかというのを応用形で展開していくということを考えておりますが、それでよろしいでしょうか。ですから、陸域に全くコアがないような案件は、少し後回しにしたいと考えています。
【伊藤委員】
 海にコアがあって、陸域も入るというような申請はどうですか。
【鈴木主査】
 それは結構です。要は、海しかない場合、どのように考えるかということで、少し応用形は難しいと思いますから、少し落ちついた後に考えたいと思っています。今のところ、多分、陸域にもコアがあるような申請が出てくると思います。
【松田委員】
 いや、今のところ、海にコアがあるものは1個も出ていないわけですから、海にもコアがあるというものが、まず出てくると考えられると思います。
【鈴木主査】
 そうですね。
【伊藤委員】
 両方つながれたというのは、多分これから出てきそうですね。
【鈴木主査】
 そうですね。
【松田委員】
 例えば海域公園であるとか、そういうところがコアの対象になるということですかね。
【鈴木主査】
 よろしいでしょうか。海の地域をコアにすることを否定するわけではありません。ほかに何か御発言等ございますか。
【酒井准教授】
 私が発言してもよろしいですか。
 10月に東アジア生物圏保存地域ネットワーク会議がございまして、大澤調査委員と、私は計画委員の立場ですけれども出席させていただくことになっております。その際に、多分100パーセントぐらいの確率で、次回日本で開催しませんかという提案がなされるものと想像されます。そこでどのように答えたらいいのかということを、事前に答えを準備していかないと、私と大澤先生だけの権限では。前回も前々回も、そのような質問を実は受けております。
【鈴木主査】
 統括官、どうしましょうか。
【加藤国際統括官】
 それは、ユネスコの会議ですか。
【酒井准教授】
 はい。ネットワーク会議です。
【堀尾ユネスコ協力官】
 ジャカルタ事務所がやっている地域ネットワーク会議ですね。
【酒井准教授】
 北京……。
【馬場委員】
 EABRNでは。
【鈴木主査】
 いいえ、東アジアの。
【馬場委員】
 東アジアの各国がお金を出しているのですか。
【堀尾ユネスコ協力官】
 そういうオファーがあるのであれば、今すぐここで決めるということは難しいです。
【酒井准教授】
 持ち帰って前向きに検討しますとお答えしてもよろしいですか。
【加藤国際統括官】
 そういうことではなくて、その会議までに方針は何らかの形で決めたいと思いますけれども、今この場で突然言われても、その結論は出せないということです。それをやるとなれば、国内の関係機関の御協力も頂かないといけないことですから、この場で即座には決められません。ただし、先生方が出発するまでには決めます。そういう意味です。
【酒井准教授】
 はい、よろしくお願いいたします。
【松田委員】
 通常はどこかのバイオスフィアリザーブで開催されるということです。以前、屋久島で開催した経験があります。
【鈴木主査】
 日本では屋久島で開催していますね。何年ぐらい前でしょうか。15年程前でしょうか。
【大澤委員】
 10年前ですね。
【鈴木主査】
 そうですね。もっと前かもしれません。
【馬場委員】
 それはEABRNですか。
【松田委員】
 はい。東アジアの。
【酒井准教授】
 日本だけが極端に開催回数が少なくて、大変注目されています。
【鈴木主査】
 あれは有賀先生の時代でしょうか。
【大澤委員】
 そうです。
【鈴木主査】
 すると、15年以上前ですか。
【伊藤委員】
 予算がどのぐらい掛かるかということでしょうか、多分。
【大澤委員】
 結構大変だと思います。
【伊藤委員】
 問題になると思います。全部持ちますから。
【馬場委員】
 SeaBRnetのものはありませんか。
【松田委員】
 日本ではありませんね。
【鈴木主査】
 ほかに何か御発言ございますか。
【松田委員】
 あと、バイオスフィアリザーブ・ネットワークを日本でも、一応日本の中で、今のところメールリストのようなものを作っているだけですが、その会合の準備があります。
【堀尾ユネスコ協力官】
 そうですね。前回の分科会でも報告させていただきました10月の25日から27日に、只見町に主催していただいてネットワーク会合を開くということで、今後、現在申請が決まった自治体と、既存の登録されている自治体に、どういった点が活動に対して情報が欲しいかや、どういったことを情報共有したいかなどについても少し意見を聞きながら、スピーカーとプログラムを考えていきたいと思いますので、またその際には先生方にもお願いするかもしれませんが、ひとつよろしくお願いいたします。
【鈴木主査】
 既にこの、その他事項ということで入っておりますが、ほかに何か事務局から、その他事項で審議あるいは報告すべき事項があればお願いします。
【堀尾ユネスコ協力官】
 はい。今回の推薦が決まったところにつきましては、9月末までに推薦書の文言調整を行い、ユネスコ事務局へ推薦書を提出していきたいと思います。また、3月から4月に国際諮問委員会にて勧告が出されまして、来年6月の第26回MAB計画国際調整理事会で審査・決定がされる予定になっております。それから、先ほどもお伝えしましたように、10月25日から27日に只見町において、国内BRネットワーク会合を開催予定で、今後開催通知等を出させていただきたいと思います。
 あとは、参考6に付けさせていただいておりますが、ユネスコ関係のものとしては、9月24日から10月11日にユネスコの執行委員会、11月5日から20日にユネスコ総会の開催が予定されております。国内におきましては、9月10日に日本ユネスコ国内委員会の総会を開催予定にしております。以上でございます。
【鈴木主査】
 ほかに何かございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、本日はお忙しいところ、長い時間ありがとうございました。閉会したいと思います。
 本日はありがとうございました。

── 了 ── 

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