日本ユネスコ国内委員会 第156回教育小委員会 議事録

1. 日時

令和7年7月31日(木曜日)14時30分~16時30分

2. 場所

オンライン開催

3. 出席者

(委員)
北村委員長、伊藤委員、井本委員、大矢委員、小山田委員、末吉委員、竹村委員、田代委員、田中委員、成田委員、林委員、藤本委員
 
(事務局)
北山事務総長(文部科学省国際統括官)、岩佐副事務総長(同省国際統括官付国際交渉分析官)、小林事務局次長(同省国際統括官付国際戦略企画官)、生田目事務総長補佐(同省国際統括官付国際統括官補佐)、その他関係官

4. 議事

【北村委員長】  皆様、お待たせいたしました。日本ユネスコ国内委員会第156回教育小委員会を始めさせていただきます。本日は御多忙のところ、お集まりいただきありがとうございます。
 まずは、事務局から定足数の確認等の事務連絡をお願いいたします。
【生田目国際統括官補佐】  本日は出席の委員が9名でございます。委員の過半数でございますので、定足数を満たしております。
 また、本日は報道及び一般からの傍聴を受け付けておりまして、報道関係者からは読売新聞とフジテレビから取材申込みがございましたので、お知らせいたします。
 取材及び傍聴の皆様は、カメラをオフ、マイクをミュートのままにして傍聴ください。もしカメラ及びマイクがオンになっている方がいらっしゃいました場合には、事務局の操作でオフにする、もしくは御退出いただくことがありますので、あらかじめ御了承ください。
 御出席の委員におかれましては、カメラをオンにしていただきまして、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようにお願いいたします。また、御発言いただく際には、お名前を名のってから御発言いただきますよう、よろしくお願いいたします。
【北村委員長】  ありがとうございます。それでは、ただいまより第156回教育小委員会を開催いたします。本日の議事進行をいたします教育小委員会委員長の北村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事につきましては、全て公開とさせていただきます。御発言は議事録としてホームページ等で公開されますので、どうぞ御承知おきください。
 それでは、議事に先立ちまして、事務局に人事異動がございましたので、事務局から御報告をお願いいたします。
【生田目国際統括官補佐】  事務局の異動を御報告いたします。4月1日付で北山浩士国際統括官、日本ユネスコ国内委員会事務総長が着任しております。
【北山国際統括官】  北山です。よろしくお願いいたします。
【生田目国際統括官補佐】  同じく4月1日付で小林美保国際統括官付国際戦略企画官、日本ユネスコ国内委員会事務局次長が着任しております。
【小林国際戦略企画官】  よろしくお願いいたします。
【生田目国際統括官補佐】  また、4月28日付で岩佐敬昭国際統括官付国際交渉分析官、日本ユネスコ国内委員会副事務総長が着任しております。
【岩佐国際交渉分析官】  岩佐です。よろしくお願いします。
【生田目国際統括官補佐】  会議に先立ちまして、国際統括官の北山より一言御挨拶させていただきます。
【北山国際統括官】  本日はよろしくお願いいたします。今年から来年にかけましては、ユネスコ憲章が採択されて80周年ということと、日本のユネスコ加盟75周年といった節目の年になっております。また、今年の秋にサマルカンドで開催されますユネスコ総会では、新しい事務局長が選出されて新しい体制に移行するということになっております。
 この節目の年に当たりまして、国内のユネスコ活動の振興と、ユネスコにおける事業への協力を進めまして、日本国内にユネスコのファンを増やすとともに、ユネスコ場裏で日本ファンを増やしたいと考えております。そのため、既にいろいろなことが行われておりますけれども、それの情報発信であるとかPR、執行委員会や総会でのアピールを行っていきたいと思っております。
 今後、事務局からいろいろな発信方策について提案を行わせていただこうと思っておりますが、委員の皆様にも御理解、御協力をお願いできればと思っております。
 以下、現時点で考えていることを申し上げさせていただきますが、まず、国内では、ユネスコの各種登録事業であるユネスコスクール、世界遺産、無形遺産、ジオパーク等、あるいは各地のユネスコ協会において様々な活動が行われておりますが、それらの横のつながりをつくって、それぞれの活動の活性化と知名度アップを図りたいと思っております。各種登録事業はそれ自体が学びのきっかけになるものだと思っておりますし、児童・生徒の探究の材料としても適しているのではないかと思っております。ユネスコスクールには地域の活動をまとめていく際の核になってもらいたいと思っておりますけれども、それがあまり学校の負担感を増やさないようにしつつ、そうしていくにはどうしたらいいかという点も含めて、先生方の御意見をいただければと思っております。
 また、本日はユネスコスクールの課題と今後の方向性についても議題とさせていただいております。ユネスコスクールの活動分野に広がりを持たせるにはどうしたらいいか、ユネスコスクールの活動を魅力的なものにして、登録から時間を経たユネスコスクールでも活発な活動を行っていただけるようにするにはどうしたらいいか、御意見をいただければと思っております。
 なお、ユネスコ本部がユネスコスクール向けの新しいプラットフォームを昨年の秋頃から稼働させておりまして、学校間の交流の活発化にも役立つものとなる模様だと聞いておりますけれども、国内のユネスコスクールの国際交流を推進するためにどうしたらいいかという点についても御議論いただければと思っております。
 次に、ユネスコ場裏での対応でございますけれども、本日の議題1では、4月の執行委員会の状況について御報告を申し上げます。ユネスコスクールやSDG4-Education2030、あるいはESD賞など、特に問題なく進む案件もあれば、平和のための教育に関するフラッグシップ・プログラムなど、新たな動きも出てきております。それらについても適切な対応を行っていくことが重要でございます。
 同時に、後に紹介させていただきますが、キッコーマン株式会社様から、ユネスコ/日本ESD賞の実施に係る寄附を頂けることになりましたが、このようにオールジャパンでユネスコに関わっていくということは、これからますます重要になっていくのではないかと考えております。
 その背景には、米国が再びユネスコを脱退することになったといったこともございます。こういうときだからこそ、日本の貢献は重要との考え方に立って臨んでいきたいと思っております。先生方の御意見をどうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
【北村委員長】  北山統括官、どうもありがとうございました。非常に大事な点を幾つか挙げていただきましたし、最後におっしゃられたように、残念ながらアメリカがユネスコを脱退しましたが、ここでこそ日本が果たすべき役割は非常に大きなものがあると思いますので、そういったことも踏まえて、是非皆様と御議論できればと思います。
 それでは、本日の会議の配付資料につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【生田目国際統括官補佐】  会議資料につきましては、皆様のお手元にPDFファイルでお送りしておりますけれども、本日議題は4つありまして、それに附属する形で配付資料が資料1から資料5までございます。また、参考資料としまして、参考資料1から4を配付してございます。もし過不足があります場合には、事務局のほうまでチャット機能などでお知らせいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
 
<議題1. 最近のユネスコ関係の動き(教育分野)>
【北村委員長】  ありがとうございます。
 それでは、議事に移ります。議題の1、最近のユネスコ関係の動き、教育関係ということで、こちらについて事務局から御説明をお願いいたします。
【小林国際戦略企画官】  ありがとうございます。それでは、資料1に基づいて、最近の動きについて御報告します。
 まず、今年4月に開催されたユネスコ執行委員会の教育関係の議題についてです。(4)を御覧ください。主に5点ございます。
 まず、1のユネスコスクールネットワークのアップデートについてです。この数年、加盟校情報の閲覧や新規加盟申請の機能を持つシステムの不具合によりまして、ユネスコにおいて加盟申請の手続が停止していましたが、昨年末から新システムであるデジタルプラットフォームが立ち上がり、加盟申請手続が順次進められているところです。
 本執行委員会では、ユネスコ事務局によって、決議案に沿って、デジタルプラットフォームの整備に関する進捗状況の報告ですとか、今後のネットワーク活性化のための取組について報告がありました。また、事務局から各国に対し、自発的な拠出を期待する旨が述べられたところ、各国からは、プラットフォームの運用は任意拠出金ではなくて、あくまでユネスコの通常予算によって実施されるべきとする発言がございました。
 日本からは、ASPnetへの加盟申請が中断していた間、国内において約200校の学校が手続の再開を待っていたこと、そして、プラットフォーム整備に時間がかかっていることを懸念して、各国からの拠出で賄うのではなく、通常予算の一部を本取組に配分する必要性について発言をいたしました。
 決議案については、各国からの意見を反映して修正の上、採択されました。
 今後、日本としましては、ユネスコに対して、引き続き、スムーズな加盟承認に向けた働きかけや、国内のユネスコスクールの活動の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
 続いて、SDG4-Education2030の関係についてです。今執行委員会では、事務局より、SDG4の推進に関して、ユネスコがここに記載してあるようなグローバルレベルでの政治対話を主導した旨の報告がございました。本案については、アメリカからSDGsに反対する自国の立場に基づいて投票の要請がありまして、投票の結果、賛成多数で採択がされました。
 日本としては、この場でも発言しているとおり、SDG4達成に向けて、日本政府信託基金による支援を通じてしっかり貢献していく所存でございます。
 続いて、3の「平和のための教育に関するフラッグシップ・プログラム案」に関する事務局提案についてです。この事業は、前回執行委員会で事務局長の新しいプログラムとして提案されましたが、さらなる明確化と協議が必要とされていたところ、今執行委員会では、事務局からプログラム案、主に1点目として、「平和のための教育」に関してユネスコとして新たな規範を設定すること、そして2点目として、平和教育地域アドバイザー・ネットワークを設けて教育現場の取組を支援するという内容について、説明が行われました。
 各国からは、目的については賛同するものの、依然としてプログラムの具体的な内容が不明瞭であるなどの発言が相次ぎまして、事務局において本プログラムの改定案を準備して、2025年秋の総会での採択を目指すということになりました。
 日本からは、提案の趣旨には基本的には賛同するものの、2023年の教育勧告で既に「平和のための教育」が定義されている中、さらに法的拘束力を持たない規範を作成する必要性が不明瞭である旨について発言をしました。日本としては、次の執行委員会に向けたユネスコの準備状況について、代表部を通じて情報収集を行いまして、対応方針について鋭意、検討をしてまいります。
 4点目として、1966年教員の地位に関する勧告の改正及び採択のためのUNESCO-ILO共同予備的手続枠組みについてです。これは、1966年にユネスコとILOが共同で採択をした、教員の専門性や社会的地位・待遇の向上を目指す勧告について、前回の執行委員会で、今の時代に合わせるためのアップデートのための改正の手続を進めるということで、決議をされたものでございます。
 今執行委員会では、改正案の採択と報告までの手順をまとめた、ここに記載してある手続枠組みの案が事務局より提案されまして、原案のまま採択されたところです。
 日本としても、改正に向けた専門家会合への参画を含めて、本件にしっかり対応してまいります。
 5点目がユネスコ/日本ESD賞についてです。今執行委員会では、ESDに関する顕著な取組を表彰するこの賞に関して、2020年から2024年を対象に実施された外部監査の結果が報告されました。本賞は権威あるイニシアチブとして位置づけられていること、そして、教育におけるESDの主流化の取組を補完するものであると評価されまして、2030年まで同賞を継続することが決議されました。そして各国からは、日本の貢献について感謝する発言があったところです。
 日本からは、ドナー国として、このESD for 2030の枠組みに合わせて、本賞も2030年に向けてモメンタムを高めていきたいという発言を行い、本案については、コンセンサスにより採択されました。
 今後は、2025年11月、2027年、2029年に懸賞を行いまして、2030年には過去10回のユネスコ/日本ESD賞を振り返る総括イベントを実施することとしております。北山からも報告のとおり、2027年以降の実施に際しては、キッコーマン株式会社様から寄附を頂けることになっております。
 続きまして、2点目のその他のユネスコ教育分野関連の動きについてです。2027年から2030年に実施されるユネスコ/日本ESD賞に関して、キッコーマン株式会社様より、本賞の運営に活用する目的でユネスコに対する寄附が行われる予定となっております。本賞の目的に御賛同いただいて民間から寄附を行っていただくのは、初めての事例となっております。
 御報告は以上でございます。
【北村委員長】  ありがとうございます。それでは、ただいまの事務局からの報告について、御意見、御質問がある方は挙手ボタンでお知らせいただけますか。最近のユネスコの様子を非常に分かりやすく御説明いただきましたが、いかがでしょうか。
 2030年に向けた動きもそうなのですけれども、ユネスコスクールのネットワークプラットフォームが整備されたことは非常によかったかなと思います。これで何とかまた加盟が進んでいくことを願いたいですし、何より、先ほど北山統括官からもお話がありましたが、最後のユネスコ/日本ESD賞のところ、民間からも御寄附を頂けるということで、これは日本とユネスコの関係の中では非常に新しいところかなと思います。例えばこういった民間からの御寄附等に関して、民間のお立場から御意見いただけないかなと思うのですが、恐縮ですが、田代委員、いらっしゃいますか。
 すみません、田代委員、例えば民間のお立場から、こういった寄附などについて何か御意見があればお伺いできればと思うのですけど、いかがでしょうか。
【田代委員】  ありがとうございます。キッコーマンさんがということだと思うのですけども、こういう使い方でというのがはっきりすると、非常に分かりやすいかなと思います。寄附なのか、それとも何か自分の事業につながるのか、いろいろな企業が寄附をするときの考え方があると思います。ユネスコはすごく日本人の心には響く団体だと思うので、1つ大きな寄附を頂くのか、それとも少額ずつ多くを集めるのか、いろいろそこら辺は考えると、出すほうも出しやすいかなとは思います。
【北村委員長】  ありがとうございます。この辺りやはり戦略的に、まさに寄附者の方々の、あるいは組織のお立場に立って、何が本当にそういった方々が応援しようと思っていただけるか。この辺りを、ユネスコという日本におけるある種のブランドもありますので、そこをうまくつなげていけるといいなということで、非常に御示唆に富んだ御意見をありがとうございました。
 竹村委員お願いします。
【竹村委員】  ありがとうございます。ちょっと質問なのですが、質問というか意見なのかもしれないのですけれども、このユネスコ/日本ESD賞は、御寄附もあって非常に楽しみな取組だなと思うのですが、日本が世界のESDを引っ張っていく流れをつくる1つとして、例えば授賞式の放映、例えばユーチューブライブみたいなものを使って世界に発信をされるであるとか、同時中継じゃなくても、最近は自動で英語や多言語翻訳が出ると思うので、そういった字幕をつける形で世界に発信していくなど、こういった賞が日本のすばらしい取組を広げていくきっかけになると、とてもすてきだなと思いました。
【北村委員長】  ありがとうございます。とても具体的な御提案をいただきました。そういったことを是非検討していただければなと思いますし、先ほどの田代委員が、どういう人たちに寄附をしようという気になっていただくかというときに、今、竹村委員におっしゃっていただいたようなことがしっかりできると、より多くの人たちにリーチできていくのかなと思います。是非これは事務局のほうでもいろいろと検討いただいて、ユネスコ側に提案して、そういったことをイベント化できればいいかなと思いました。どうもありがとうございます。
【竹村委員】  ありがとうございます。
【北村委員長】  井本委員、お願いできますか。
【井本委員】  井本でございます。ありがとうございます。民間のキッコーマンさんから寄附を頂いたという、大変心強い動きだと思うのですけれども、今回寄附ということで、似たような動きとしてはESG投資というか、社会的に価値のあることに対して自分たちの資金を投資していきましょうという流れとちょっと共通するものがあるかなと思います。そのときに、特にESG投資の議論をしていてポイントになるのは、その成果やインパクトをどういうふうに設定して、それを投資をしてくださった皆様、お金を出してくださった方たちにきちんと示すかということだと理解しています。
 こういった寄附のような動きも、どういったことを狙って我々はこの取組をしていて、この1年の間にこういう成果が出たからこういうふうに表彰されるのですということを本当に分かりやすく示すことで、寄附をしてくださった方たちの納得感を得ることができますし、また、その寄附をしてくださった方たちを通して、直接ユネスコとこれまで関係がなかったような方たちにも、よりユネスコに対する理解とか、国内での活動ということにつながると思うので、企業の方たちが寄附をしたいと思わせるような成果が出ているということをどういう形で見せていくのかということを考えることが非常に重要かなと思いますし、そういった取組というのは、我々のユネスコ活動の価値そのものを高めることにつながるかなと思います。
 以上です。
【北村委員長】  こちらも重要な御指摘、どうもありがとうございます。まさにその成果、インパクトをしっかり提示する、しかも分かりやすく見せるのはすごく大事なことだと思いますので、今までもやってきたこともあるとは思うのですけれども、もっと分かりやすい形でより多くの方たちに届くような見せ方、これも是非検討していただきたいなと思いますので。先ほどのネットを使ったような発信等も含めて是非御検討いただいて、また次の小委員会のときにでも、こういった取組をしましたということで御報告いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
 井本委員、ありがとうございます。
 末吉委員、お願いいたします。
【末吉委員】  御指名ありがとうございます。エシカル協会の末吉でございます。私たちは日頃企業から御寄附を頂くという立場なので、企業は何を求めるのだろうといつも考えている中で、少し思ったことがありましたので発言をさせていただきます。
 昨今、世界で価値があるとされている企業の多くが、コミュニケーション産業にあると言われていて、物質的な商品はもちろんなのですけれども、それよりも人々の心を動かす能力ですとか、対話を行うことができる場、つまりプラットフォームの価値が上がっていると言われています。ユネスコのような信頼できる機関だからこそキッコーマン様も御寄附をしてくださったと思いますが、せっかくなのであれば子供たちや学校の先生方とコミュニケーションが取れるような機会をつくっていくのも1つありなのかなと思っています。
 ある意味、キッコーマン様などは未来の子供たちへの投資としてご寄附をしてくださっている部分もあると思います。子供たちによりよい教育を提供することを応援する、ということは、最終的に企業にとってはよりよい人材を得ることにつながると思います。子供たちがESDを通じてどのように変容していくのかというところを直接見せていけるような機会をつくっていくことも必要なのではと感じました。
 以上です。
【北村委員長】  ありがとうございます。まさにこういった賞を契機にしながら人々がつながったり、それぞれ、心が動かされるような場をつくったり、子供たちの様子、そういったものを見る機会、賞を取ったところはいろいろな形で広報されたりもすると思うのですけど、これをもっと日本にも還元して、まさに場づくりみたいなところを満たしていけると、賞の価値がさらに広まっていく、高まっていくかなと感じました。ありがとうございます。
 田中委員、お願いいたします。
【田中委員】  ありがとうございます。NPO法人青少年自立援助センターの田中です。私たちも御寄附とか賞を頂くような活動をする立場なのですけれども、逆に、国内企業さんにとっても分かりやすい、応援したい賞となるためには、今、ユネスコ/日本ESD賞自体に応募する国内の団体数の増加ですとか、あるいは多様性が増えていくことも1つ大事な視点かなと思いました。魅力的なすばらしい活動、あるいは国内または海外へのSDGs等の観点からの還元が想定しやすい活動が増えれば、企業さんも自分たちの寄附がこういうふうに使われていくこの賞を応援したい、あるいは国内で活動するこの団体を応援したいということで、御寄附の動機づけになるのではないかなと思いまして、ユネスコ/日本ESD賞自体の応募団体をいかに増やすかという観点も入れ込んでいただけるといいかなと思いました。
 以上です。
【北村委員長】  ありがとうございます。本当にそれ、すごく大事なことだと思いまして、スケールアップをしていくことによって、それが質の向上にもつながっていくと思いますし、今まであまりこういう活動は知らなかったなとか、そういうようなところも賞を通して、賞を取った団体だけじゃなくて、応募してくださった団体が増えれば増えるほど、ESDの広がりというものがより可視化されるかなと思います。非常に貴重な御意見をありがとうございました。
 委員の皆様から今、貴重な御意見をいただきましたので、是非北山統括官のほうから。
【北山国際統括官】  ありがとうございます。キッコーマン様に寄附をお願いしに行くというのは、前任の統括官から引き継ぎまして、私の最初のこちらでの仕事になったのですけれども、それをやるに当たって、キッコーマン様を御紹介いただいたのは、過去の国内委員会で関わっていらっしゃった先生のつてを伝って茂木会長のところに行ったというようなことがスタートで、今回は、そういう意味では人脈からスタートしていったというものになりまして、先ほどいろいろと御意見をいただいていたような、本質的なところから寄附を募るという形にはなっていなかったのかもしれないですけれども、いずれそういったところにもつなげていけるように、寄附を集める活動というのをこれから行っていければなということを考えているところです。
 これはユネスコ本部のほうも、5月に行われた会議に出席した際に、非常に重視しているということをおっしゃっていて、例えば過去にはANAさんがいろいろと寄附をしてくださっていたとか、いろいろなところがこういう名目で寄附しておられたという情報についても整理をして渡してもらったりもしていますので、そういったことも参考にしながら、今後どういうところ、どういうことをお願いしていくのかということを考えていきたいと思っております。
【北村委員長】  どうもありがとうございます。賞のビジビリティーを高める上でも、しっかりとしたレセプションをするとか、実はそういうことも結構大事なことですが、なかなか政府から出せない部分もありますので、御理解いただいて御寄附いただけると非常にありがたいなと思います。
 もちろん、今回は人的なコネクションの中でということでしたが、先ほど皆さんがおっしゃられたような本質的なアプローチとこういったコネクション、両面でやっていって、できるだけいろいろな方に御理解いただいて、御支援いただければと思いますので、是非委員の皆様も、何かこんなことができるのじゃないかとか、こういう組織があるのじゃないか、いろいろなアイデアをもしお持ちでしたら、事務局のほうに御教示いただければと思います。
 時間の関係もありますので、次の議題に参りますが、是非この件についても、何かあれば後日にでも、事務局のほうに御連絡いただければ幸いかと思います。よろしくお願いいたします。
 
<議題2. 最近のASPnet(ユネスコスクール)関係の動き>
 それでは、続きまして、議題の2、最近のASPnet(ユネスコスクール)関係の動きに移りたいと思います。それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
【生田目国際統括官補佐】  資料2でございます。まず、ユネスコスクールのキャンディデートの解消状況につきまして御報告いたします。ユネスコ本部でのプラットフォームの整備に伴いまして、今まで日本独自で定めておりましたユネスコスクール・キャンディデートの学校が続々と申請をし、正規のユネスコスクールとして認定を受けているところでございます。
 現在の認定の進捗状況でございますが、本部から認定をいただきました学校が113校、また、本部の認定待ちが14校、申請準備中の学校が28校という状況になってございます。
 今現在のユネスコスクールの数の状況でございますが、ページをちょっとめくっていただきまして、14ページでございます。日本のユネスコスクールの数の推移というところでございまして、図の一番右側、令和6年度、令和6年3月現在で970というような数になってございます。4月以降に認定された学校がぐっと増えておりますので、今年度につきましては、1,000校を超える見込みでございます。
 他方、キャンディデートとして待っている学校があった一方で、令和元年度辺りから比べますと、ユネスコスクールから脱退していく学校さんも幾つかあったというような状況でございます。
 また、このページでの御説明をいたしますと、ユネスコスクールの主な活動分野としては、やはり環境が一番多い状況でございます。活動自体は多岐にわたっておりますけれども、若干偏りが見られるというところでございます。
 戻りまして、6ページでございますが、ユネスコスクール定期レビューの結果を御報告いたします。ユネスコスクールの定期レビューは、ユネスコにおいてメンバーシップ期間を2018年頃に導入しまして、3年から5年ということで定められております。それを受けまして、日本ユネスコ国内委員会教育小委員会におきましても、登録から時間がたった学校の活動低迷が課題であるので、こういったメンバーシップを活用して定期レビューを行い、ユネスコスクールの質の担保に努めるということで始まった制度でございまして、昨年度が3回目でございました。日本におきましては、メンバーシップ期間を5年と設定しておりまして、約1,000校ございます学校を毎年200校ずつレビューするような形にしております。
 令和6年度の定期レビューの対象校は227校でございまして、実際にレビューを受けた学校は219校でございます。また、認定取下げが8校ございましたが、こちらは活動がなかなか難しいということや、定期レビューを受けるということに若干負担を感じるということで、ユネスコスクールの認定を取り下げる申請があった学校でございます。
 また、全体の評価でございますけれども、最高評価が5から、どんどん下に行くと1ということになっておりますが、この最高評価5を受けた学校は3校ございます。この3校がどういった学校かということを少し御紹介いたしますと、まず、1校目が小樽市立高島小学校でございまして、ふるさと学習などを中心にして全校的な活動、ユネスコスクール活動に積極的に取り組んでいるといったことが評価されております。小樽ユネスコ協会の支援でイベントを開催したり、地元の高校生とも交流をしたり、あるいはその地域の方々、漁師の方とか料理人の方などを講師とした学習など、地域のネットワークの構築に努めているというところが評価されております。
 また、2校目は横浜市立幸ケ谷小学校でございます。こちらにつきましては、学校の中にESD推進部という校務分掌が設けられておりまして、まさにホールスクールでのESDの取組が実践されているというところですとか、横浜市のESD推進コンソーシアムとの緊密な連携をしているということですとか、市の内外のユネスコスクールとの交流が非常に活発に行われているということで、ユネスコスクールであることのメリットというのを教育活動の質の向上にうまく活用していると評価されております。
 また、3校目は福島県立安達高等学校でございます。こちらもやはり、全校的にESDの推進拠点であるということの自覚が共有されているということで、様々な科目・領域において独創性のある学習が実践されていることですとか、NPO団体やJICA様などと連携が積極的に行われていることが評価されているというところでございます。
 成果と課題につきまして、成果はここに書いてあるとおりでございますが、課題につきましては、例えば1つ目「教職員の異動によってユネスコスクールの理念や取組の継続が難しい、教職員間での意識の差が生じている」ですとか、3つ目ですが、なかなか地域外への発信とか働きかけが弱い。4つ目としまして、学校間の交流がなかなかできない。また、最後の黒ポツで、ホールスクールアプローチがなかなかできないというようなことが、課題として学校の先生方から出されているところでございます。
 続きまして、ユネスコスクール活動調査というものを毎年、ACCU(公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター)で実施していただいておりまして、こちらの結果につきましても、主要なものを御報告させていただきます。回答率が35%ということで、この回答率の低さもどうにかしなければいけないと考えているところでございますが、調査結果の成果と課題ということで御報告いたします。
 まず、国内外との学校間交流についてということで、成果につきましては読んでいただければと思いますけれども、交流しなかった理由としましては、なかなか人員確保が難しい、交流するための方法が思いつかない、費用の捻出が難しい、交流校を見つけるための支援がないといったことが挙げられているところでございます。
 続きまして、次のページに移ります。活動調査の続きでございますけれども、外部団体との連携についても質問をしております。連携先の外部団体の上位4団体としましては、地域の協力者、公民館ですとか、PTA(保護者)、教育委員会といったことになっております。地域の協力者というのが具体的にどういうところかといいますと、例えばその地域で伝統工芸に携わられている方ですとか、農業や漁業など、その地域で盛んな活動などについて学ぶ際の専門家というようなことになっております。
 ユネスコスクール事務局に求める支援内容としましては、海外の学校との交流の支援をしてほしい、あるいは、教育活動に関心がある地域企業や団体の情報提供をしてほしい、近隣のユネスコスクールとの連携の仲介をしてほしい、出前授業で利用できる人材や企業リストの提供をしてほしい、中学生が取り組めるボランティアの紹介をしてほしい、活動費用の支援をしてほしいというような要望が出ているところでございます。
 これらのレビューですとか活動調査を受けまして、今後、我々としてどういうことに取り組むべきか、その課題の分析と、それから方向性をまとめております。
 先ほどユネスコスクールの数の移行も御紹介したところですけれども、課題としましては、令和元年度以降、ユネスコスクールの数が減少傾向にありましたが、引き続き、他方でユネスコスクールになりたいという学校も、毎年10数件いただいているところではございます。
 次に、活動分野に偏りがあるのではないかということで、例えば環境教育などには非常に熱心に取り組んでいただいておりますけれども、例えばユネスコの登録事業同士の相互交流などがもっとあってもいいのじゃないかというようなことを感じているところでございます。
 また、3つ目としまして、ユネスコスクールとしての登録から時間がたった学校の活動が低迷しているということ。
 それから、4つ目として、国内外の学校間交流が十分ではないのではないか、特に国際交流がなかなか難しいのではないかということを分析しておりまして、今後の方向性といたしまして、ユネスコへのスムーズな加盟認定の継続的な働きかけ、これは今までもやってきておりますが、引き続きユネスコに対して働きかけをしたいと思っております。
 また、2つ目としまして、他のユネスコの登録事業(世界遺産、無形文化遺産、ジオパーク、エコパークなど)等の外部団体との連携を促進することもやっていきたいと考えております。
 3つ目としまして、優良事例の横展開としまして、大会やセミナーを実施すること、あるいはユネスコスクールの公式ウェブサイトをさらに充実させて皆様に活用していただくというようなことに取り組んでいきたいと考えております。
 また、国際交流の推進ということで、国際交流をやりたいという学校が一定数ありますので、そういった学校を支援する形で何か取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 この方向性の具体的な取組として、ユネスコスクール全国大会と、それから地方セミナーを今年度に開催したいと思います。ユネスコスクール全国大会は今までも毎年実施してきておりましたところで、今年度は12月6日に上智大学で対面とオンラインのハイブリッドで実施することとしたいと思っております。
 また、今年度からの新たな取組としまして、ユネスコスクールの地方セミナーを開催したいと思っております。こちらは地方3か所で、ユネスコスクールについての活動方針ですとか、支援メニューの情報提供、ワークショップなどを通じて関係者の理解を深めていただく、自分たちの学校で活用できる事例を持って帰っていただく、あるいは、ユネスコスクールと地域のユネスコ活動の関連団体との連携の機会を創出する場ともしたいと考えておるところでございます。
 今年度の実施スケジュールにつきましては、9月20日に福岡教育大学において、また、11月15日には岡山大学で、それから来年の1月下旬に東北大学で実施する予定でございます。こちらはASPUnivNet(ユネスコスクール支援大学間ネットワーク)に御協力いただいておりまして、今年度の幹事大学の皆様に会場を御提供いただく形になっております。
 次ですが、ユネスコスクールの国際交流の推進事業でございます。こちらも新たに今年度から取り組みたいと考えているところでございます。背景と課題認識は今まで御説明したとおりでございますが、事業の趣旨・目的としまして、ユネスコスクールの目的が「国際ネットワークの一員として世界中の学校と知見を共有し、パートナーシップを育むこと」と定められておりますことですとか、あるいは第四期教育振興基本計画においてもグローバル人材の育成の基本方針を推進するというようなことも書かれておりますので、そういったことも受けまして、国際交流活動というものを推進したいと考えております。
 具体的には、小・中・高それぞれの学校段階に応じた国際交流のマニュアル、学校に参考にしていただくマニュアルのようなものを作成したりですとか、あるいは、各地でいろいろ国際交流プログラムが提供されているかと思うのですが、そういったものの情報を収集して、例えばユネスコスクールのウェブサイト上に情報を一元化して御紹介したりとか、あるいは、場合によっては交流校のマッチングなどもお手伝いするというようなことも考えたいと思っております。また、既に国際交流に関する取組を頑張ってくださっている学校もあると思いますので、そういったところの事例を発信したり、横展開したりというようなことをしたいと考えております。本日は地方セミナーですとか、国際交流事業の進め方、コンセプトなどについて、皆様から御意見をいただけますと幸いでございます。
 ちょっと長くなりました。以上でございます。
【北村委員長】  どうもありがとうございます。非常に大事な取組であるユネスコスクールについて御説明いただきましたが、皆様のほうから御意見、御質問があれば、是非挙手ボタンを押していただければなと思いますが、いかがでしょうか。
 大矢委員、お願いいたします。
【大矢委員】  名古屋ユネスコ協会の大矢です。よろしくお願いします。私はユネスコスクールの高校で実際に教員を今やっているのですけれども、質問が幾つかありまして、1つ目は、ユネスコスクールの加盟を脱退する学校が幾つかあるということで、その脱退の主な理由が気になったということです。
 もう1つは、全国大会もすごくいいなと思っているのと、特に地方のセミナーを実施していただけるというので、すごくいいなと思ったのですけれども、私、名古屋に住んでいて、名古屋の地区がないので、今後また全国的に展開していくのか、名古屋とかいろいろな地方でやるのかということと、主に教員が対象なのかなと思うのですけれども、実際、教員の立場からすると、生徒同士の交流というのがすごく、生徒の成長というのがもう目に見えて、生徒の成長というのは教員のモチベーションにすごくつながるので、全国大会みたいに地方で生徒が集まる、そういうセミナーというのも、何かもしあったら開催していただきたいなという要望が2点目です。3つ目は、国際交流についてなのですが、これもすごく魅力的な提案だなと思っていて、国際交流のマニュアルを作成するのも大事かもしれないのですけど、マニュアルが送られてきても、多忙な先生が多いとマニュアルをチェックするのが大変かもしれないので、例えば実際にどこの国のこういう学校とおつなぎできますよという国際交流できる学校リストみたいなものが手元にあると、例えばこの学校は環境に取り組んでいますとか、国際協力、国際理解に取り組んでいますとか、そういうふうにリストにしていただけると、異文化交流とかに興味があったら、じゃあこの国のこの学校と連絡を取りたいなという、一歩踏み出すきっかけにすごくなりやすいかなと思ったので、そういうリストがあればいいなと思いました。
 以上です。
【北村委員長】  ありがとうございます。非常によい御提案というか、地方セミナーで生徒同士の交流の場をつくっていくということや、また、国際交流に関して、様々な国の学校で日本の学校と交流したいところをテーマ別に整理して提供する。これ、ユネスコスクールも1つでしょうし、大臣官房国際課がやられているEDU-Portの事業等で学校なんかも含めてもいいかもしれませんし、あるいはJICAさんなどが関係しているようなところも入ってくるかもしれませんし、そういうリストというのは学校にとっては非常に大事な具体的な情報かなと思います。
 この2つの御提案と、あと脱退理由について、事務局のほうから御回答いただけますか。
【生田目国際統括官補佐】  大矢委員、ありがとうございます。まず、最初の御質問の脱退の理由でございますけれども、よく理由として提示されますのが、ユネスコスクールはESDの推進拠点ということでございますが、そもそも学習指導要領の中にESDを推進するというような、ESDに取り組むというようなことが書かれておりますので、ユネスコスクールとしてでなくても、もうESDということに積極的に学校として取り組んでいるというようなことと併せまして、やはりユネスコスクールであることによって若干事務なり、先生方の負担が増えているので、働き方改革の一環で、ユネスコスクールでなくてもESDに取り組めるので脱退しますというような、理由をいただくことがございます。
 また、2つ目の地方セミナーにつきまして、来年度以降どのように進めていくかは、今年度の成果などを見ながら考えたいと思いますけれども、もちろんいろいろな地域でできればいいなと考えているところでございます。
 また、国際交流につきまして御意見ありがとうございます。3つ目でございますね。まさに大矢委員からいただいたようなアイデアをこちらも集めまして、現場の先生方に使い勝手のよいものを、情報提供ができるようなものを整理してつくっていきたいと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【北村委員長】  ありがとうございます。今、地方セミナーなどで地域との連携という話も出てまいりましたけれども、例えば地域のユネスコ協会関係の委員の方でどなたか、地域のユネスコ協会、そして学校などの連携可能性、そういったところで何か御意見がおありの方がいらっしゃれば是非と思うのですが、いかがでしょうか。もちろんユネスコ協会以外の委員の方でも結構ですけれども。
 あるいは、先ほど私のほうから少し言及しましたが、例えばJICAさんが国際交流、国際的なところでは非常に活発にされているわけですので、そちらとの何か連携の可能性などもあるのかとか、この辺りどなたか、いかがでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、まず伊藤委員、それから井本委員、末吉委員の順番でお願いできますでしょうか。
 では、まず、伊藤委員からお願いいたします。
【伊藤委員】  ありがとうございます。途中参加で申し訳ございません。今の国際交流というところなのですけれども、現実、たくさんの外国人の方々が日本に入ってきていて、本当に日本にとっては欠かせない存在になっているのですけれども、ある意味、分断も始まっていると、先日の選挙の結果なども物語っていると思うのです。そうなったときに、やっぱり子供たちが分断の気持ちを持つということが、今後を考えたときに非常に怖いなと思うところでもあり、例えば、地元の企業さんで働いてくれている外国人の方だとか、地元の農業で頑張ってくれている外国人の方々とか、彼らとまず交流をするというような仕掛けを、地元の企業さんや農業団体、いろいろなところと協力しながらそういう場を設定するというのも、1つの大きな国際交流の学びになるのではないかなと思っております。
【北村委員長】  ありがとうございます。まさに本当に先日の選挙などでも、非常にこの社会の分断が進んでいきそうな気配が色濃くあるわけですけれども、そういった中で、地元で非常に多様な背景の方々を雇用している企業さんとか、そういうところと連携するときに、ユネスコスクールが少し積極的に関わっていくということはとても大切なことだと思います。是非そういったことも、各ユネスコスクールで具体的にどうやって取り組んでいけばいいのかなというのを考えていっていただきたいですし、こちらとしてもいろいろなアイデアを、今おっしゃっていただいたようなことを含めて、交流できるといいなと思いました。ありがとうございます。
 それでは、井本委員、お願いいたします。
【井本委員】  ありがとうございます。先に御発言いただいた方々の御意見にも大変、私も同意、同感するところで、今、日本にとって一番大事な国際化というのは、地域に増えてくる外国人の方たちといかに共生を図っていくか、多様な共生社会をつくっていくのかと思いますが、島国でずっと慣れてきている我々にとってはすごく大きな課題で、でも、その方たちがいなければ、もう我々の社会も成り立っていかないので、海外に出ることだけが国際交流とか国際化ではなくて、むしろ自分たちの中にいかに受け入れていくのかということをしっかりと考えていくことが、これから日本の社会にとっては非常に重要だと思います。日本に今もういらしている外国籍の方たちと、学校の中には既にそういう子供たちがたくさんいて、先生方は大変苦労されているというのは私も理解しておりますし、まさにそれをどう我々の中で、学校の中で受け入れていくのかみたいなことを、しっかりと柱の1つとして捉えるということはすごく重要じゃないかなと思っています。
 ESD教育そのものが、教育の中で推進されることが指導要領にも入っているという中で、じゃあユネスコスクールであることの価値とは何なのかということを、これもまたいま一度確認しておくことが、ユネスコスクールになりたいと思う学校を増やす、あるいは既になった学校に対しては、さらに自分たちの活動の質を上げ継続していくためにはどうすればいいのかということを考えていくということにとっては、すごく重要かなと思っていまして、ユネスコスクールの価値とは何なのかということを、何か言語化して共有していくような取組というのが大事なのかなとは思います。
 グローバル人材の育成とか、そういうことではない、そういうふうにも書かれてはいるのですけれども、それがユネスコスクールであることの価値では全くなくというか、グローバル人材というのはもっとほかにもいろいろな、ユネスコスクールでなくてもできることであって、ユネスコスクールが力を入れるべきことというのは、まさにユネスコ憲章にある、平和のとりでを一人一人の中につくっていくという、そこにもう尽きるのかなと思うので、そのためにどんな活動があるべきなのかということを考えることが、ある意味、常に原点に立ち返っていくというか、それはすごく重要かなと思っています。
 国際交流のところは、まさにJICAがお手伝いできるところだと思っておりますし、JICA自身も、日本の教育現場に国際理解、特に途上国に対する理解を推進していくということを自分たちの組織の任務の1つに持っていまして、その対象としてユネスコスクールというのは最も親和性が高いと思っていますので、これまでもアドホックにいろいろな協力は実際にしているのですけれども、そうではなくて、もう少しお互い戦略的に、我々もユネスコスクールの皆さんにアプローチするし、ユネスコスクールの皆さんにもJICAの存在を理解していただいてアプローチしていただけるという形に持っていきたいなとは思っています。
 地域の外国人ということで言うと、JICAも、日本にいらっしゃる外国人の方たちとの共生というのを、国内のセンターでもいろいろな形で取り組んでいますし、あとは、短期で途上国から研修にいらっしゃる方、それから日本の大学で学ぶためにいらっしゃっている方というのもいらしていて、その方たちと学校との交流というのはこれまでもたくさんやってきています。それをより知っていただいて、有効に学校の皆さんには活用していただきたいなと思っていますし、派遣中の協力隊員の派遣先の学校、小学校教育とか環境教育とか、教育分野へ派遣されている隊員というのは一番人数が多いので、そういった隊員が派遣されている先の学校と日本のユネスコスクールで交流をしていくとかいうことも、もっともっとやれるかなと思っています。
 ただ、アドホックでそういうのをやるのは比較的簡単なのですけれども、それを継続していくというのはすごく大変で、JICAの側も、特に例えば協力隊員なんかだと、自分の活動は主にあって、あくまでもそういった日本の学校との交流とか何とかというのはプラスアルファの部分になってくるので、皆さん、やりたいという気持ちはすごく持っているのですけれども、それをやることを、日本の学校にありがちなのは、ちょっと失礼ですが、やはり言語の問題とかもあるので、むしろJICAの隊員だったり、JICAが主体的に動くことを期待されるケースが多いのですが、それだとちょっと継続的なものにはしにくいので、日本の学校が能動的に継続できる仕組みを自分たちの中でもつくっていくというか、覚悟を持ってと言うとあれですけど、取り組んでいただくような動きは必要かなとは思っていますが、少なくともいろいろなきっかけづくりは、我々の持っているリソースというのは非常に有効に活用していただけると思います。
 あと、もちろん帰国した隊員とか、JICAの職員とかが出前講座もすごく積極的にやっていますので、各地域に、ほぼ全ての県に窓口となる国際教育推進員を配置しているので、そういった人たちの存在を知っていただくことで、まず御相談いただく、いろいろな御提案をこちらからも差し上げるというようなことができると思います。
 最後に、学校の先生向けの教材ですとか研修のプログラムをたくさんつくっていますので、学校の中で国際理解教育を進めていくための取組、そういうのもユネスコスクールの先生たちに優先的にお知らせをして企画していくとか、そういったこともできるかなと思いますので、先生の問題というか先生に必要なこと、生徒に直接働きかけたいこととか、幾つかに分けて我々の支援メニューを御紹介していくというような形をして、ここに行けば取っ掛かりがつかめるみたいな、そういうことを分かりやすく情報提供するようにできたらいいかなと思っています。
 すみません、長くなりました。以上です。
【北村委員長】  ありがとうございます。本当に非常に大事な御指摘をいただきました。足元の国際化というか、国内の国際化にしっかり対応していくということ、まずそれを御指摘いただきましたし、何よりもその次のユネスコスクールであることの価値、これはやはり平和のための教育、先ほどフラッグシップ・プログラムという案もユネスコのほうでも出ていたりしていましたけれども、平和のための教育というのがユネスコの原点ですし、日本におけるユネスコ活動の原点でもあると思いますので、この辺りのところをしっかり考えたときに、その次におっしゃっていた、アドホックな取組ではなく、まさに学校における教育活動のコアに、中心にしっかりとそういったものが位置づけられる。それを一番やりやすい、あるいはやりたいのが本来、ユネスコスクールだと思いますので、そこをしっかりユネスコスクール側でも位置づけを、自分たちの教育の中のコアにそこをしっかり位置づけていただいて、そして、JICAさんが持っているようないろいろなリソースを、今おっしゃられたようなことをうまく活用していくという。何か提供してどうぞではなくて、しっかりと自分たちがこういう学校をつくっていくんだ、そのためにこういう教育が必要なのだという、そこに様々なパートナーがリソースを提供していく。そういったときにJICAさんが恐らく果たされる役割は非常に大きいのかなということを改めて強く感じました。ありがとうございます。
 それでは、続きまして、末吉委員、お願いいたします。
【末吉委員】  改めて、ありがとうございます。末吉です。井本委員から言っていただいたこととも若干かぶるかなとも思いますけれども、数点、意見を申し上げます。ユネスコの教育勧告の中にもConvivialという言葉が度々出てくると思うのですけれども、その言葉は「共生的」とか「和気あいあい」と訳せると思うのですが、日本の教育というのはとかく個人の能力開発みたいな話題になりがちですけれども、世界の教育で今求められていることというのは、共に生きることの大切さということだと思います。そういう意味でも、先ほど伊藤委員も井本委員もおっしゃっていましたけれども、国際交流の中でも、地域に暮らす外国の方々との交流などは多様な人々と共に暮らす、生きる、という意識にもつながる話なので、とても重要だと感じました。
 それから、2点目も井本委員と重なるところなのですけれども、私も、ユネスコスクールであるということはどういうことなのか、その価値をきちんと対外的に分かりやすく言葉にしていくということが必要かなと思っています。ユネスコスクールに加盟してくださっている学校の皆様にも、何を価値に感じているのかということをヒアリングもしてもいいのではないかと思います。学校には負担をかけることになるかもしれませんけれども、それぞれが価値を言語化することも必要かなと感じました。
 それから、先ほど地域でのセミナーですとか、国際交流の場もつくりたいということをおっしゃっていましたけれども、是非そこに地域の方々にも入ってきていただいて、意見交換ができるような機会があればいいのかなと思います。ユネスコスクールで成功している事例を聞くと、やはり地域の皆様との協力関係というのが非常に強固であるように感じます。地域でのお困り事を一緒になって解決していく役割をユネスコスクールは担えるのではないかと思います。過疎化していくような地域にあるユネスコスクールが地域と共にその場所を活性化させていく原動力となれば、新たな価値が生まれるかもしれません。
 最後に、1つ共有したいデータがあります。今年3月に日本財団が「環境」をテーマに18歳意識調査というものを行いました。17歳から19歳の男女1,000人を対象にしたものなのですけれども、気候変動に関してなんですが、回答者の5割超が現在の自分の生活に、さらに6割弱が将来の自分の生活に影響があると答えています。そのうち9割近くは将来に不安を感じると回答しています。あと、環境問題について学校で学習した経験の程度別に見ると、学習した経験の認識があればあるほど環境配慮の取組を行う、つまり、意識だけではなく行動に移している傾向にあるということが分かった、とのことです。
 ユネスコが一番大切にしている平和を築き、守っていかねばなりませんが、私たち人間が暮らす地球が持続可能でない限り、平和を築き、守ることもできないので、いかに地球環境の持続可能性を高めていくかはとても大事だと改めて感じているところです。子供たちがこれだけ不安に感じているということを、私たち大人が、教育を通じて解消していってあげることもしていかなくてはいけないのかなと思っています。それがまたESDの役割でもあるかなと思っているので、ESDの実践がそれこそ子供たちをエンパワーしていくことにつながっていけばいいのではないかと感じました。
 以上です。長くなりました。失礼いたしました。
【北村委員長】  ありがとうございます。本当に共生という、Convivial、非常に大事な言葉と思いますし、先ほど井本委員からも御指摘がありましたが、末吉委員がおっしゃった、ユネスコスクールの価値をしっかり言語化し、それを可視化するというのはすごく大事なことかなと思いますので、それはユネスコスクールに対してもそうですし、また、地域の方々がどのように感じられているのかを含めて、やっていただけるのかどうか分からないですけど、例えばの話としては、ユネスコスクール事務局であるACCUのようなところで少しそういうヒアリングなどをしていただけたらいいなと、個人的には思いました。
 まさに地域の困り事を一緒に解決しようというのはESD的なアプローチだと思いますし、また、今の学校における探究的な学習などではそういったことが非常に大事だと思いますので、その中で学習体験が行動変容につながるという今の御指摘も非常に大きな意味を持っていると思いますので、子供たちが将来に不安なく、自分たちの能力をしっかり発揮していける社会をつくっていく、その大事な場としてのユネスコスクールがあるのだということを、我々としても、もう少ししっかりと整理して伝えていく必要があるなと感じました。ありがとうございます。
 それでは、田中委員、お願いいたします。
【田中委員】  ありがとうございます。各委員の皆様の御意見、そうだなと思いながら拝聴しておりました。私たちのところは今、外国ルーツのお子さんですとか外国人生活者の方々を、日本語教育等を通じてサポートするという活動を行っているところなので、その観点から少し補足等ができればなと思っています。
 国内の外国人の方々との共生については、「多文化共生」というワーディングが使われることが多くて、国際交流という枠の中だと、ちょっとアンテナが立たない学校さんなんかもあるかなと思いました。なので、もし可能であれば、「ユネスコスクールの国際交流と多文化共生」みたいな形で、ちょっとワーディングを加えていただくことでも、国内の外国人の方との交流みたいな視点が入ってきやすくなるのかなと思いました。ちょっとしたことですけれども、今、分けて考えられているというか、分けて動いている部分があるので、入れ込めたらいいのかなと思います。
 「多文化共生」というワーディングが入ってくると、例えば身近な日本語学校さんですとか、大学の留学生の方々ですとか、あるいは学校にいる海外ルーツのお子さんの保護者の方ですとか、そういった方々もリソースの1つとして見えてきやすいのかなと思います。特に日本語学校の留学生の方は、日本語を使う機会を求めておられるケースも多いので、お声がけすれば、是非交流したいというようなことになりやすいのかなと思っています。各地に日本語学校さんも増えてきているので、そういったところをどうやってうまくコーディネートできるかというところが成功の鍵になるのかなと思います。
 やはり学校の先生方は非常に御多忙ですし、学校の外側のリソースに目を向けてそれを自ら調べてということはすごく難しいのかなと思いますので、そういった情報をどちらかというとプッシュ型で、この地域のこの学校さんだったらおつなぎできますというようなコーディネートをいかにできるかというところかなと思いました。もし、例えばユースの皆さんの御活動の一環として、そういったコーディネートのような、あるいは学校に対するこういう交流事業の伴走支援というようなところを大学生ですとか、若者の方々がしてくださると、それも1つ活性化につながっていいのかなと思いますし、やはりこの分断の時代の中で一番実感するのが、何とか人、何とか教の人というような大きな主語ではなく、いかに個人対個人で、小さな主語で関わりを持てるかということかなと思いますので、そういった観点からも、今、ローカルをコーディネートするというような仕掛けづくりがたくさんできるといいかなと感じました。
 あと、私もユネスコスクールならではの価値とは何だろうと思ったときに、やはり国際的なネットワークがあるということが強みなのかなと思いまして、こちらは国際交流の部分で、やはり海外の志を同じくするユネスコスクールと国内のユネスコスクールがどうやってつながるかというようなところも、価値として十分に魅力をお伝えすれば、やってみたいというような学校さんも増えるのではないかなと思いました。そのときもやはり、いかに学校さんをサポートする体制が具体として整っているかということかなと思いますので、その辺りのサポート体制についても一度、具体的に誰がどういうふうに手足を動かせるのかということも含めて、御検討がいただけるといいかなと思います。
 以上です。
【北村委員長】  ありがとうございます。確かに国際交流というと、最後に御指摘いただいたような海外とのネットワークで、そこは確かにユネスコスクールの強みなので、そこをさらに生かしつつも、「多文化共生」のような言葉を加えることで、しっかりと足元の国際化、それから小さな主語、すごくそういったところに目を向けるようになりますね。言葉はやはり大事だと思いますので、そういう言葉をしっかりとキーワードをつくって、それをまたメッセージとして出していくことが大事だなと、改めて思いました。
 学校の外のリソースについても、やはりそのコーディネート、ここはどこができるのか、もしかするとユネスコスクールがなかなかできないところを、ユネスコ協会の地域に根差した活動をされている方々と連携する中で何かできることがあるかもしれませんし、そういった地域のリソースをどのようにコーディネートするかというのは大きな課題だと思いますが、これはまた、これからも是非みんなで知恵を絞っていろいろな提言をしていけたらなと思います。貴重な御意見ありがとうございました。
 まだまだ御意見があるかと思うのですけれども、また、もし何か思いついたことがありましたら、是非事務局のほうに御意見をお寄せいただければと思います。このユネスコスクールの活動、本当に日本にとっては非常に大事なものになっておりますので、皆様からの御意見、さらにもしあれば、後日でもいただければと思います。貴重な御意見の数々、本当にありがとうございました。
 
<議題3.日本ユネスコ協会連盟・地域のユネスコ協会におけるユネスコ教育分野の活動>
<(1)日本ユネスコ協会連盟におけるU-Smile事業等の活動>
【北村委員長】  それでは続きまして、議題の3、日本ユネスコ協会連盟・地域のユネスコ協会におけるユネスコ教育分野の活動に移りたいと思います。
 本日はお二人の委員から、それぞれの御活動を御紹介いただけることになっております。最初に、日本ユネスコ協会連盟におけるU-Smile事業等の活動について、小山田委員から御説明をお願いいたします。たくさんの資料を御準備いただきながら本当に恐縮なのですけど、説明の時間は15分ということで、大変恐縮ですがお願い申し上げます。御説明よろしくお願いいたします。
【小山田委員】  小山田です。それでは、御説明をさせていただきます。日本ユネスコ協会連盟の教育活動ということで、ここでは2つテーマを掲げて御説明いたします。
 1ページを御覧ください。1つが、この地域協働型包括教育支援事業、私どもはこれをU-Smileプログラムと呼んでいますけれども、この事業内容について、それから、今、いろいろお話が出てきましたユネスコスクールSDGsアシストプロジェクトという活動をやっておりますので、それについても御説明をさせていただきたいと思います。
 それでは、3ページを御覧ください。まず、日本ユネスコ協会連盟ですが、一言で言いますと、民間のNGOでございます。1948年の創設で、ユネスコ憲章の理念に基づき、様々な活動を内外で行っております。国連機関のユネスコ、それから日本政府、まさにこのユネスコ国内委員会とも連携を取りながら活動しております。
 4ページを御覧ください。ユネスコ協会・クラブが全国に約270ございます。会員数は1万3,100人。特徴として言えるのは、教員や元教員、あるいは教育委員会の関係者の方が多く、学校との結びつきが非常に強いということでございます。地域ユネスコ協会の事務局を教育委員会に置いているケースもございます。
 5ページを御覧ください。私どもの教育活動の原点というのは、やはりユネスコ憲章でございまして、「心の中に平和のとりでを築く」ことを大切にしております。これはなかなか簡単ではありません。教育が極めて大事です。足元の日本状況を見ますと、教育機会が十分に与えられていないお子さんたちがたくさんいます。相対的貧困等、困難な状況に置かれたお子さんたちが200万人以上もおり、これは結構大変な状況にあるのではないかと思います。こういったお子さんたちに学校に限らず、教育や体験のいろいろな機会を与えていく、これが大事だと思います。
 6ページを御覧ください。これが日ユ協連の教育支援活動の全体像でして、縦軸が平時と緊急時という、いわゆる有事区分を取っています。横軸が貧困度です。右に行けば行くほど貧困度が高まる。これまでもユネスコ協会連盟は、例えば世界寺子屋運動ということで、発展途上国の厳しい環境に置かれた国々に、識字教育をはじめ、いろいろな支援を行ってきました。今もここにある4つの国に支援しており、これまで44か国、135万人の方々を支援してきました。
 それから、もう1つが緊急時の対応として、その下の「東日本大震災子ども支援」や「災害子ども教育支援」がございます。私は銀行の出身ですが、東日本大震災のときに日ユ協連と一緒に、遺児・孤児向けの育英基金を立ち上げました。大震災、大災害で一番ダメージを受けるのは子供たちです。日ユ協連はそうした子供たちのサポートに力を入れてきました。今は、災害が起きたときに対応するだけではなくて、事前に準備をしておこうということで、「災害子ども教育支援」という枠組みをつくって、今回の能登半島地震に対しても機動的に支援しています。
 そしてもう1つが、平時の対応として相対的貧困等、困難な状況にある子供たちへの支援の取組を進めています。それが、U-Smileプログラム、地域協働型包括教育支援でして後程ご説明いたします。
 それから、その左を見ていただきますと、平時の活動としてユネスコスクールへの支援等を行っております。これも大事な取組で、ユネスコスクールをどう地域でサポートしていくか、そのためのプログラムを今、展開しております。
 7ページを御覧ください。絶対的貧困と相対的貧困の区分です。絶対的貧困は、人間として最低限の生存条件を欠くような状態で、今もアフリカとかアジア等の途上国の一部にこうした状況がございます。日本は戦後一時期に局所的にそういった状況が伺えましたが、今はそういう状況ではありません。一方、相対的貧困は、その国の生活水準に対して適正な水準での生活が送ることができない困難な状況にあることを言い、むしろこれは先進国のほうで問題になっていますし、日本でも広がっています。
 8ページを御覧ください。日本では、9人に1人が相対的貧困の状態にあり、貧困率は11.5%に達します。これはOECD加盟35ヵ国で悪いほうから11番目です。決してよくありません。200万人以上こういうお子さんがいらっしゃるということです。右側、独り親世帯の貧困率はもっと厳しくて、2人に1人が相対的貧困で、これは先進国の中でほぼ最悪の状況です。
 9ページを御覧ください。相対的な貧困における暮らしですが、これは具体的に定義がございまして、等価可処分所得の中央値の半分に満たない状態です。日本の場合は、中央値が350万円ですので、その半分以下、175万円以下で暮らすお子さんたちです。収入額では月14万円、支出額は食費とか住居費、光熱費等の必要経費で12万円、差し引き2万円しか残りません。今の物価高では多分もっと厳しいと思います。ですから、当たり前に生きることが難しく、教育にお金をかけて塾やお稽古事をする余裕はとてもないというのが実態だろうと思います。
 10ページ、子供の貧困を放置するとどうなるのか。間違いなく貧困が世代を超えて連鎖して、状況はより悪くなります。
 11ページは子供の貧困を放置することに伴う社会的損失についてです。いろいろな試算がありますけれども、一例を挙げれば、所得が失われることで43兆、税収減等で財政収支が悪化することで16兆、計60兆弱の影響があるのではないかとの試算もあります。前提の置き方次第ですが、教育はやはり最高の投資だと思います。教育をしっかりやることが次の世代、日本の未来につながっていきます。
 12ページを御覧ください。これは経済的状況と学力・体験の関係です。経済的に恵まれているお子さんほど学力が高い、体験機会が多い傾向が伺えます。特に、足元では、夏休みにどこにも行けないという体験格差の問題がありますし、習い事に行けない、大学に行くのもなかなかしんどいなど、経済的要因等で選択肢が狭まっている子供たちがたくさんいます。
 ただ、一方で、13ページにありますように、必ずしも家庭が経済的に豊かでなくても、子供を取り巻く地域の状況、学校の状況で人間関係が豊かであれば、子供はすくすくと成長していくという分析もあります。昔の日本はそういうところがあったと思うのですが、今は、なかなか地域の状況が厳しく、そうした余裕がなくなってきているように思います。経済資本だけではなくて、社会関係資本、これは地域との関係性が大事ですし、文化資本、これはやはり体験の幅が物を言います。こういったものがなかなか得られにくいことが、子供の状況を更に厳しいものにしています。
 14ページを御覧ください。こういう状況を受けて、日本ユネスコ協会連盟では、U-Smileプログラム「みんなでつなぐ子ども応援プログラム」を開始しました。ビジョンは、「子供たちが夢や希望を持てる社会へ」で、どんな困難な状況に置かれても子供たちが夢を持って生きていける、そうした力を養う、そのためのプログラムを開始しております。そのために、右側にありますように、地域が協働して居場所支援、学習支援、体験支援、保護者支援等、包括的な教育支援を推進していくことが重要です。
 15ページを御覧ください。全体像を整理したものです。縦軸が包括教育支援の軸で、横軸が地域協働支援の軸です。相対的貧困というのは正直言って外から見えません。いわゆるユニクロの服を着て、ABCマートの靴を履いていたら、外からではそのお子さんが相対的貧困等、困難な状況にあるとは気づきません。でも、支援を求めている御家庭、お子さんはたくさんいます。そういったお子さんたちにどのようにアウトリーチして、居場所あるいは学習支援の場に連れてくるか、あるいは体験支援の機会を提供できるのか、こういったことを包括的に対応していかないといけません。また、お子さんが厳しいというのは、保護者の方、御家庭が厳しいので、そこに対してもきちんとアプローチしていかなければいけない。これを1つのNPOとか、地域の自治体、活動団体だけでやることは難しいので、横軸にありますように、地域が協力、協働していかなくてはならない。即ち、地域のユネスコ協会や、自治体、教育委員会、NPO、社会福祉団体、経済団体、企業、それから大学、こうした担い手が横糸、縦糸となって地域のセーフティーネットをつくっていく。そのなかで包み込むように子供たちを育む。こういったことが大事ではないかなと思っています。
 16ページを御覧ください。これが今の全体の取組状況です。開始してちょうど3年になります。1年目はテストランで、そこから3年かけて今、11地域でこのような協働支援の取組を行っています。沖縄ユネスコ協会も近々これに参加する予定です。
 プログラムの進め方にステップ方式と包括方式と2つやり方があります。ステップ方式は、地域のユネスコ協会が自分たちの活動を起点に徐々に担い手を広げていくやり方で、包括方式というのは、最初に担い手のフォーメーションを決めて自治体や教育委員会等を初めから巻き込んで進めるやり方です。具体例を幾つか御説明します。
 18ページを御覧ください。ステップ方式の事例として、箕面市の箕面ユネスコ協会の取組を御紹介します。同協会では「無料学習支援 てらこーち」という活動を行っています。地元のNPOと組んで、経済的貧困などの課題を抱えた小学1年生から中学3年生までを見ています。週3回、マンツーマンで指導して、大学生とか退職された先生がボランティアとして参加されています。週1回はこども食堂で食事を共にし、また、体験旅行にも連れて行っています。去年の8月には福岡、今年の3月には沖縄、この夏休みには那須に行く予定です。これまで延べ600人以上の子供たち参加し、ボランティアも延べ300人近くの方々が支援するなど、非常にしっかりした活動を展開されています。
 もう1つの事例について21ページを御覧ください。これは相対的貧困とは必ずしも限らないのですが、現在、学校現場で問題になっている不登校の子供たちへの支援に取り組んでいる成田ユネスコ協会の事例です。不登校の子供たちが通うところとしてフリースクールがありますが、フリースクールは一般的に月に3万円ぐらいかかると言われています。ここでも経済格差の問題が出てきます。成田ユネスコ協会は地元のNPOである「フリースクールリフレルーム」というところと組んで、そこに様々な支援やサポートをしています。NPOの代表は元中学校の校長先生で、不登校のお子さんたちを集めて、いろいろ勉強を教えたり、様々な体験をさせる教室を立ち上げました。地元の学校とも非常に連携がよくて、このフリースクールに来れば学校に行かなくても出席としてカウントしてもらえるとか、ユネスコならではの学校との連携の強さが出ているように思います。
 22ページを御覧ください。これは宇部での包括方式の事例ですが、まず、宇部市と連携協定を結びました。宇部市長のリーダーシップの下、担当部署である宇部市こども未来部と強くタッグを組んで困難な状況にある子供たちに対する包括支援を推進しています。担い手のメンバーを決めてワーキングチームを立ち上げ、2023年9月以降、これまで8回のワーキングチーム会合を開催しております。2024年度は右表にありますような体験支援を様々な担い手、企業、大学の方々に協力していただいて、多様なプログラムを展開しました。
 23ページを御覧ください。これが宇部市での具体的な連携フォーメーション図で、先程の縦糸、横糸を表しています。包括教育支援でやるべきことを具体的に地域の担い手の誰が何を担当するのか、役割を決めて、協働しながら一緒に取り組んでいます。これを3か月に一度、ワーキングチームでPDCAを回しています。特にありがたいのは、地元の企業、それから地元の大学、学生さんが非常に一生懸命やっていただいていることです。前述の多様な体験機会の提供も多くの皆さんと分担しながらやっています。
 もう1つ特徴的な事例として富山ユネスコ協会の取組を御紹介します。26ページを御覧ください。取り組んで場所は中山間地域にある神通峡というところで、地域自体がかなり厳しい状況に置かれています。多くの地域で過疎化が進み、いわゆる限界集落化して、居住人口の減少に伴い、学校の閉鎖も進んでいます。こういった状況の中で子供たちが取り残されている。そこにはもう貧困とかいう問題だけではなくて、地域で生活する全ての子供たちをどう支えていくか。例えば、部活が地域移行になっても、その受皿がない地域もあります。神通協では富山ユネスコ協会が、ボランティアの元先生の方々を中心に、平日の放課後、学校の教室を借りて居場所を作り、勉強とか体験の機会を提供しています。また、富山ユネスコ協会が行うイベントと連携してピクニックをはじめ様々な体験の場が提供されるなど、本当に頭が下がるような活動をされています。
 27ページを御覧ください。U-Smileプログラムでは、1拠点当たり、活動助成金として年間300万円を上限として支援しているわけですけど、大型の体験旅行の実施や日ユ協連の間接費用などを加えますと、ラフに年間1億円ぐらいのお金がかかります。これをここにお名前がある支援企業の皆さまにサポートしていただいて、事業運営が可能となっています。
28ページを御覧ください。U-Smileプログラムの展開が日ユ協連の独りよがりになってもいけないので、アドバイザリーボードを作って外部の有識者の方々の様々な御意見をいただきながらやっています。次の課題は、本プログラムの効果測定といいますか、これによって地域は変わったか、子供は変わったかというのをちゃんと検証しながら進めたいと考えており、今、その準備にも取り掛かっています。
 29ページを御覧ください。日本が直面する大きな問題は少子化による大幅な人口の減少です。今は1億2,000万人ぐらいの人口ですが、多分2100年には、今の出生率とかを前提にしますと、半分以下の6,000万人を切るのではないかと思われます。
 30ページにありまように更に問題なのは、地域によってそのスピードが違うということです。少子化もありますし、若い人が地域から流出してしまう問題もあります。そうした状況のなかで、地域や地域の子供たちをどう支えていくかというのが、今、我々に突きつけられている課題ではないかと思います。
 以上がU-Smile事業ですが、もう1つ、ユネスコスクールSDGsアシストプロジェクトについて簡単に御紹介させていただきます。
 このプロジェクトは、学校がユネスコスクールとして取り組むESDの各種活動に対して助成金を出してそれを支援するものです。具体的には、ユネスコスクールが助成金を活用することで、地域に根差した様々な活動が行えるよう、その後押しをやっております。2010年から始めて、16年目を迎えました。これまでの累積助成校数は約1,400校、助成金額は1億3,400万円になります。
 来年度の17期から、これまでの10万円枠に加えて、20万円枠とグループ枠をつくりました。その趣旨は、海外との交流や国内でも離島との交流等をもっと盛んにしていただきたい、あるいはグループで協働して取り組んでいただきたい、即ち、ユネスコスクールの本旨はそのネットワークとしての活動にありますので、そうしたネットワーク活動を内外を問わずしっかり応援していきたいという思いに基づいてやっています。
 34ページは、アシストプロジェクトの助成校の変遷を記したものです。助成校総数は80校前後で推移していますが、特徴的なのは、小学校が減り、中高一貫校を含む高校が増えていることです。加えて、公立校が減って、私立校が増える傾向にあります。これには学校の様々な事情が影響しているのではないかと思います。また、活動テーマについてですが、これまでは地域学習と連携した世界遺産とか地域学習が多かったのですが、最近はウクライナやガザの情勢、異常気象など気候変動とか平和・人権、国際理解というものがかなり増えてきている特徴があります。
 35ページ以降は優良事例の紹介ということで、これはもう御覧いただきたいのですが、この大牟田の宮原中学校では、大牟田がもともと認知症の取組発祥の町ということや三池炭鉱の町だったということもあり、そうした歴史遺産とか歴史的な取組を生かした形で、特色ある活動をしています。高齢者住宅への訪問や模擬認知症訓練への参加、宮原坑を題材にした防災学習などに取り組んでいます。
 36ページは、海外に目を向けた活動の事例を紹介しています。台湾や韓国の学校とパートナーシップ協定を結んで、難民支援や貧困地域の人を支援している企業・NPOと交流をして、学習会開催やチャリティー活動等、様々な活動を行っています。アンケートを御覧いただきますと、「国際問題の解決のために自分が役立っているか」との質問に対して、活動前は「そう思わない」「全くそう思わない」という学生が圧倒的に多かったのですけど、こういう取組をやることによって、「全くそう思う」「そう思う」と考えが大きく変わりました。こうした形で活動を続けていくことの意義を改めて感じた次第です。
 37ページ以降は、事例紹介を中心に、ユネスコスクールSDGsアシストプロジェクトのホームページからの抜粋ですので、御参考にしていただければと思います。
 いろいろな形で地域を巻き込み、協働しながら、特に教育機会の限られた子供たちの支援のために、様々な活動を地域のユネスコ協会と力を合わせて進めていきたいと思っています。 以上です。
【北村委員長】  ありがとうございます。本当に重要な取組をされていることについて、限られた時間で恐縮だったのですけれども、多岐にわたって御説明いただき、本当にありがとうございました。ただいま小山田委員から御説明いただいた活動について、御意見や御質問があれば、是非いただければと思いますが、皆様いかがでしょうか。
 竹村委員、お願いいたします。
【竹村委員】  ありがとうございます。たくさんすばらしい事例によって活動の御紹介をいただいてありがとうございます。具体的なイメージが非常に湧いて、特に私のほうで御意見差し上げたいなと思ったのが、もちろん経済的に困難な御家庭に対して様々な支援をするというのは大事なことだと思うのですが、その中の学習支援活動におきまして、今AIがかなり家庭教師的な役割をしてくれるようになってきたということで、経済的な格差を埋めるツール自体というものは、コストが急激に下がっているのではないかと考えております。
 最近、OpenAIさんのほうでもStudy Modeみたいなのがリリースされたので、本当に生徒さんがAIを家庭教師に、1人1AIの家庭教師みたいなことが実際にできるようになってきていると思うのですけど、そうなったときにやっぱり問題になってくるのが、お子さんのモチベーションであったりとか、自己イメージであったりとか、自己効力感であったりとか、そういったソフト面のサポートになってくるのかなと思うのですが、その辺りの取組というのは、U-Smileプロジェクトの中で現在、もしくは今後どのように考えていらっしゃるのかなと思いまして、御質問させていただきたいと思います。
【小山田委員】  どうもありがとうございます。本当に大事な視点だと思います。実際、おっしゃるように、こういう学習支援におきましてもオンライン授業を取り入れているところも増えているので、今後、ますますその余地は広がると思います。御指摘いただいたAIをうまく活用して効果的に教育を行っていくということは、1つの大事なアプローチだと思います。
 ただ、やはり困難なお子さんたちというのは、家庭環境がそれぞれ非常に複雑で、どちらかというと孤立しているわけです。家庭でも孤立し、学校でも孤立し、人との触れ合いの機会があまりないのです。U-Smileプログラムで様々な体験機会を子供たちに提供して感じたのですが、子供たちは学生のお兄さんやお姉さんが大好きで、だから、例えばピクニックに行って写生をやりましょうとか、何かを鑑賞しましょうと言っても、最後はボランティアの学生さんたちとみんなで鬼ごっこしたり、走り回ったりして遊ぶ時が一番楽しそうです。なかなか自分から話さない子どもいますが、みんな自分のことを聞いてもらいたいと思っています。そういったところでどうコミュニケーションを取っていくかは人間の力ですし、なかなかこれはリモートでは難しいなと思います。
 それからもう1つ、困難な状況にある子供たちを二泊三日の体験旅行に連れて行く機会も多いのですが、旅行というと普通、非日常を体験するということですけど、そうしたお子さんたちにとってみると、体験旅行で初めて、「あ、これが普通の日常生活なんだな」と体感することが多くあります。朝、決まった時間に起きて、挨拶をして、洗面して、きちんと御飯を食べて、3食食事をして、お風呂に入ってというような、ごく当たり前のことがなかなか家ではできない。そういうことを広く体験させてあげる、経験させてあげる。こういうことが非常に大事ではないかと思います。
 その意味でやはり2つですね。おっしゃるようにAIとかオンラインをもっと上手く使って効果を上げるということと、ヒューマンな部分でのコミュニケーションの双方が大事だと思います。後者の観点からは、それを担うボランティアの方々、これは学生さんや、時間があって、コミュニケーション能力の高いシニアの方々に、少しでも多く入ってきていただきたいなと思っています。ボランティア人材をどう集めるかというのが非常に大きなポイントになっています。
【北村委員長】  ありがとうございます。竹村委員、よろしいですか。
【竹村委員】  はい。ありがとうございます。貴重な御指摘ありがとうございます。確かに、特に10歳以下のお子さんにとっては、具体的な体験、特に人との触れ合いというのは非常に基盤の部分で大事になってくると思うので、そこに注力されているというのは本当に、私もそこが大切な部分だなとは思うのですけれども、学力格差みたいなものは、やはり中学、高校でどんどん差が開いてしまうものですから、オンライン授業というわけではないのですけれども、そういったツールをサポーターの方々が慣れられることで、一緒に使いながらという形や、学習とか、ちょっと気になることがあったら調べたりとか、ちょっと関心があることがあれば、続けてやってみるみたいなことは、孤立しているお子さんとかは苦手だったりすると思うので、そういった学習習慣づくりみたいなところと触れ合いみたいなものが、より機会が増えてくると、さらに強力なサポートになられるのかなと思いました。ありがとうございます。
【小山田委員】  ありがとうございます。
【北村委員長】  どうもありがとうございます。非常に重要な取組だと思いますし、これからのユネスコ活動の在り方を考えていく上でも、非常にいろいろな示唆をいただいたかなと思います。ホームページにたくさんいろいろな情報もありますので、皆さん、日ユ協の是非ホームページも御覧いただいたりして、また何か御意見等あれば、事務局のほうにお寄せいただければと思います。
 小山田委員、どうもありがとうございました。
【小山田委員】  ありがとうございました。
 
<議題3. (2)地域のユネスコ協会におけるユネスコ教育勧告の普及に関する活動>
【北村委員長】  それでは続きまして、同じく地域のユネスコ協会における活動ということで、今度は成田委員から、地域のユネスコ協会におけるユネスコ教育勧告の普及に関する活動について御説明をお願いしたいと思います。恐縮ですが、5分で御説明いただければ。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
【成田委員】  分かりました。渋谷ユネスコ協会の成田でございます。今回は、民間ユネスコ協会の取組、事例発表のお時間をいただきまして、ありがとうございます。短い時間ではありますが、早速発表させていただきます。ユネスコ教育勧告について、民間ユネスコ活動の中でどのように普及に努めているか御報告いたします。
 2023年11月にユネスコ教育勧告が50年ぶりに改定されました。その後、1月25日から27日にかけて、日本国際理解教育学会主催の教育勧告改定イベントが開催され、ユネスコ協会としても参加いたしました。このイベントでは、1日目は1974年勧告についての振り返り、2日目には2023年勧告について、ユネスコ本部の職員の方にお話を伺いました。そして、3日目は未来に向けてユネスコ教育勧告をどう生かすかというテーマでユネスコスクールやNGOで活躍されている方々のパネルディスカッションを行い、グループ討議も行われました。このパネルディスカッションには、ユネスコ協会連盟の職員の方も登壇、各地のユネスコ協会・クラブからも多くの会員が参加し、教育勧告についての理解を深めました。
 その後、教育勧告の普及に向けて、カード型の教材が開発されたので、民間ユネスコのメンバーもこれを活用させていただき、セミナーやワークショップなどを行い、普及に努めています。このカード型教材は、文科省の令和6年度ユネスコ活動費補助金事業の一環として、聖心女子大学及び日本国際理解教育学会の有志が作成したものです。勧告の重要なポイントである14の原則をカード化し、表面にキーワードと意訳、そして身近な問題として考えられるよう3つの問いが記載されております。ワークショップでは、この3つの問いについてグループ討議が行われるようになっております。
 次のページをお願いします。こちらがカード型教材でございます。このカード型教材はウェブサイトに公開されておりまして、誰もがアクセスでき、ダウンロードして使うことができます。皆さんも御確認してください。
 次のページをお願いします。民間ユネスコ活動においても、様々なイベントでこの教材を活用しております。まず、左上、都内21のユネスコ協会・クラブの連絡協議会である東京都ユネスコ連絡協議会で、プロジェクトの1つであるESD・SDGs研究会で「ユネスコ教育勧告から日本の教育を捉え直す」というテーマで、こちらのカード型教材を活用したワークショップを行いました。ユネスコ協会の会員や一般の方が参加され、勧告についての理解が深まり、好評をいただいております。
 その後、2月には都ユ連の青年・学生研修会でワークショップを行いました。都内の35歳以下の青年会員や学生を対象とした研修会で、青年・学生による実行委員会を立ち上げてプログラムを決めています。今回は、教育勧告についてのレクチャーとカード型教材を活用したワークショップを行いました。参加された学生の方からは、教育勧告について理解ができた、自分もエデュケーターなのだと気づいた、こうしたテーマで話し合う機会を持てたことがよかったなどの声が聞かれ、大変好評でした。
 次は、1月のイベントに参加したユネスコスクールの三田高校さんです。こちらの生徒さんから、自分たちでイベントを開催したいという申出をいただき、3月に校内のイベントが開催されました。高校生や翌年入学予定の中学生、保護者、港ユネスコ協会の会員など約50名が集まり、教育勧告について高校生が説明した後、カード型のワークショップを行いました。参加していた高校生や中学生からも好評で、教育勧告について知ることができた、関心はあるけどこのような話をする場がなかったので参加できてよかったなどの声が聞かれました。
 1月にはユネスコ協会でのシンポジウム開催、7月にはオンライン学習会でESD学習会が、「ユネスコ教育勧告と民間ユネスコの活動」というテーマで開催されました。ここでは、教育勧告の改定の背景にある危機感、趣旨、概要、これまでの普及の取組などが紹介され、参加者による討議が行われました。
 また、今年度は9月21日に京都ユネスコ協会が日本国際理解教育学会と共催し、教育勧告のイベントを関西で行う予定です。
 ユネスコ教育勧告の対象は、全ての人々となっております。私たちも皆さんと連携して普及に努めたいと思いますので、文科省、国内委員の皆様、さらなる普及に向けて御理解、御協力をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
 簡単ではありますが、以上、報告とさせていただきます。
【北村委員長】  どうもありがとうございます。ユネスコ教育勧告の改定を踏まえた東京における取組を具体的に御紹介いただき、ありがとうございます。何か成田委員の御説明に御質問等あれば、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。これは非常に大事な取組だと思いますし、是非様々な地域でユネスコ協会が中心になって、こういったことを進めていっていただければなと思いますし、是非この聖心女子大のカード型教材も御覧いただいて、非常にこれはよくできている教材だなと思いますので、御覧いただければと思います。
 また、是非こういった形で、いろいろな取組を各地で実施されたらこの場でも御報告いただいて、皆さん、どんな活動ができるかな、これはうちのほうでもできるかもということをいろいろと御紹介いただいたと思いますので、是非各地の取組も御紹介いただければと思います。
 成田委員、本当にありがとうございます。
【成田委員】  ありがとうございます。
 
<議題4.その他>
【北村委員長】  それでは、最後に議題の5、その他に移ります。こちらは事務局から御説明をお願いいたします。
【小林国際戦略企画官】  資料5を御覧ください。こちらの資料は、本年3月のユネスコ国内委員会総会でお示ししたものについて、下線部を追記する形で今回アップデートしたものになっております。
 方向性としては、来年、ユネスコに加盟して75周年となる中で、様々なイベントなどを実施したいと考えておりまして、こちらの表に記載しているとおりですので、是非皆様におかれては、情報発信という観点、また、各お立場で実施されるイベントとの連携という観点を含めまして、御意見をいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
【北村委員長】  どうもありがとうございます。今、御説明いただいた日本のユネスコ加盟75周年に向けてですが、こちらについて何か皆様から御意見や御質問があればお願いいたします。いかがでしょうか。
 いろいろな取組をこれから推進していければということですが、例えば民間活動などで、全国各地で皆様も関わられるようなユネスコの関連イベントというものがあると思うのですけれども、是非それを記念イベントとして登録していただくことで、こういった動きを盛り上げていければなと思いますので、皆様、また周囲にいらっしゃる関係の皆様方に、是非いろいろなユネスコに関わる活動をするときには、これから来年に向けて、加盟75周年イベントとして是非登録をお勧めいただければ、日本全体でこういったことの認知がさらに広まって盛り上がっていくのではないかなと思いますので、御協力いただければと思います。
 何か御意見や御質問、よろしいでしょうか。
 田中委員、お願いいたします。
【田中委員】  ありがとうございます。簡単な質問なのですけれども、ユネスコ活動関連イベントということなのですが、何か定義のようなものはありますでしょうか。ユネスコスクールでなくてはならないですとか、そういったものがあれば教えていただけたらと思います。
【小林国際戦略企画官】  ありがとうございます。想定しているのは、例えばユネスコ協会様ですとか、ユネスコスクールもそうですし、あるいはユネスコ登録事業の運営団体の皆様がメインだと考えておりますけども、必ずしもオフィシャルなものでなくても、大学ですとか自治体ですとか民間企業の方々において、ユネスコのテーマに関して何か実施されるということであれば、幅広く対象にしたいと考えております。もし御意見がありましたらお願いします。
【田中委員】  ありがとうございます。では、ユネスコ的な一般の活動も対象になり得るということで、そのことについて、例えば別途、広報で発信をしたりすると、きっとユネスコのロゴマークをつけたいからというようなことですとか、そういったところでイベントの登録もしたい団体さんも増えるかなと思いました。どこまで手を挙げていいのかというのが示されていなかったので、是非その辺りも明確に発信していただけたらなと思います。
 以上です。
【小林国際戦略企画官】  ありがとうございます。承知しました。
【北村委員長】  ありがとうございます。非常に大事な御質問、ありがとうございました。恐らく大学だと、先ほどの学会のようなものでユネスコに関わるようなイベントというのはあるかなと思いまして、そういったところは登録しやすいかなと思います。
 民間となったときには、確かにどこの範疇までというのは難しさも出てくるとは思うのですけれども、基本的にはユネスコの理念に共鳴、共感して、このユネスコ加盟75周年に向けて理念的に合致しているかどうかというところと、活動そのものの性質等でも、登録いただいた後に、チェックというのは当然必要になってくるかと思います。登録いただいたから、それがそのまま全てオフィシャルにという形にはなかなかならないのかなとも思いますが、できるだけいろいろなものを登録していただければ、そこから、しっかりとしたものであれば、できるだけ幅広に認めていただけるのかなと思います。そこら辺の仕組みづくりを少し工夫する必要があると思いますので、是非お願いいたします。ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議題の5、その他、ありがとうございました。
 これ以外に何か審議すべきことがあれば、委員の皆様のほうからお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 事務局のほうもよろしいですか。
 今日のお話を伺っていて、非常にユネスコの活動というのが、外に目を向けるだけではなく、やはり国内にもしっかりと目を向けて、また、国内にあるいろいろな関係のつながりをいかに、特に地域に根差したつながり、これはユネスコ協会もそうですし、あるいはユネスコに関連するジオパークやエコパーク、世界遺産といったようなものもたくさんありますが、それらが必ずしも十分にユネスコの活動として活用されていない、例えば特に教育活動として活用されていないところがあるかなと思いますので、是非国内でのそういったユネスコ教育活動というものをしっかりと盛り上げていくことも、来年に向けて非常に大事なことになってくるのかなと改めて思いました。
 今日も非常に重要な、また貴重な取組をいろいろと御紹介いただきましたが、是非みんなでまた頑張ってユネスコ活動を盛り上げていければなと、特に教育分野においてしっかりとやっていければなと思っております。本日はどうもありがとうございます。
 本日用意をしております議題は以上となりますので、事務局から連絡事項があれば、よろしくお願いいたします。
【生田目国際統括官補佐】  本日は、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございました。
 今後の予定でございますが、本日の議論につきましては、9月2日に開催されます第157回日本ユネスコ国内委員会総会において、北村委員長から御報告いただくこととなっております。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【北村委員長】  どうもありがとうございます。非常に貴重な皆様からの御意見もありましたので、9月の国内委員会総会において、私からしっかりと御報告させていただくようにいたします。
 本日も非常に熱い議論を皆様からいただきまして、本当にありがとうございました。これで本日の教育小委員会を閉会いたします。議論も熱いですが、外の気候も暑いですので、皆様、お体にはくれぐれも、御自愛ください。本日は御多忙の中、御出席いただきありがとうございました。これにて第156回の教育小委員会を終了とさせていただきます。どうもありがとうございます。

―― 了 ――

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