「障害に応じた通級による指導の手引 解説とQ&A(改訂第3版)」(文部科学省 編著)より抜粋

3 通級による指導の制度的位置付け

(1)法令における規定

①対象となる児童生徒と教育課程上の取扱い

学校教育法第81 条第1項においては、幼・小・中・高等学校において障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うことを定めており、すべての学校において特別支援教育が実施されることとされています。

その上で、通級による指導は、学校教育法施行規則第140 条及び第141条に基づき行われています。

■学校教育法施行規則第140 条

第140 条 小学校、中学校、義務教育学校、高等学校又は中等教育学校において、次の各号のいずれかに該当する児童又は生徒(特別支援学級の児童及び生徒を除く。)のうち当該障害に応じた特別の指導を行う必要があるものを教育する場合には、文部科学大臣が別に定めるところにより、第50 条第1 項(第79 条の6 第1 項において準用する場合を含む。)、第51 条、第52 条(第79 条の6 第1 項において準用する場合を含む。)、第52 条の3、第72 条(第79 条の6 第2 項及び第108 条第1 項において準用する場合を含む。)、第73 条、第74 条(第79 条の6 第2 項及び第108 条第1 項において準用する場合を含む。)、第74 条の3、第76 条、第79 条の5(第79 条の12 において準用する場合を含む。)、第83 条及び第84 条(第108 条第2 項において準用する場合を含む。)並びに第107 条(第117 条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、特別の教育課程によることができる。

  • 一 言語障害者
  • 二 自閉症者
  • 三 情緒障害者
  • 四 弱視者
  • 五 難聴者
  • 六 学習障害者
  • 七 注意欠陥多動性障害者
  • 八 その他障害のある者で、この条の規定により特別の教育課程による教育を行うことが適当なもの
(ⅰ)特別の教育課程の編成

通級による指導は、障害に応じた特別の指導を通常の教育課程に加え、又はその一部に替えて行うものであり、通級による指導を受ける児童生徒については、特別の教育課程を編成する必要があります。

学校教育法施行規則第140 条はその点を制度的に位置付けており、小・中・高等学校の通常の学級に在籍している障害のある児童生徒に対して通級による指導を行う場合には、文部科学大臣が別に定めるところにより、特別の教育課程によることができることとしています。

ここで、「…の規定にかかわらず」とされている学校教育法施行規則の各条文には、小・中・高等学校の教育課程を編成する教科等や授業時数、教育課程の基準が各学習指導要領に基づくことが定められています。通級による指導のために特別の教育課程を編成するには、これらの規定の適用を外しておく必要があることから、このように規定されています。

(ⅱ)対象となる障害種別

特別の教育課程の編成ができる障害種別については、第一号から第八号までの各号に以下のとおり明記されています。

  • 一 言語障害者
  • 二 自閉症者
  • 三 情緒障害者
  • 四 弱視者
  • 五 難聴者
  • 六 学習障害者
  • 七 注意欠陥多動性障害者
  • 八 その他障害のある者で、この条の規定により特別の教育課程による教育を行うことが適当なもの

第八号のその他に該当する障害は、肢体不自由、病弱及び身体虚弱であることが、「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について」(平成25 年10 月4 日付け25 文科初第756 号初等中等教育局長通知)において明らかにされています。

なお、知的障害者については、知的障害者に対する学習上又は生活上の困難の改善・克服に必要な指導は、生活に結びつく実際的・具体的な内容を継続して指導することが必要であることから、一定の時間のみ取り出して行うことにはなじまないことを踏まえ、現在、通級による指導の対象とはなっていません。

■学校教育法施行規則第141 条

第141 条 前条の規定により特別の教育課程による場合においては、校長は、児童又は生徒が、当該小学校、中学校、義務教育学校、高等学校又は中等教育学校の設置者の定めるところにより他の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校又は特別支援学校の小学部、中学部若しくは高等部において受けた授業を、当該小学校、中学校、義務教育学校、高等学校又は中等教育学校において受けた当該特別の教育課程に係る授業とみなすことができる。

学校教育法施行規則第141 条は、児童生徒が、その在籍する学校以外の学校において通級による指導を受ける場合(いわゆる他校通級の場合)、当該児童生徒が在籍する学校の校長が、他の学校で受けた授業を、当該在籍する学校の特別の教育課程に係る授業とみなすことができるとした規定です。

②指導内容・指導時間

学校教育法施行規則第140 条において、通級による指導を行う場合には特別の教育課程を編成することができ、その場合には、文部科学大臣が別に定めるところによることとされています。この規定に基づき、平成5 年の文部省告示第7 号が定められ、障害に応じた特別の指導の具体的内容及び通級による指導を行う際の授業時数等が規定されています

■学校教育法施行規則第百四十条の規定による特別の教育課程について定める件(平成5 年文部省告示第7 号)

小学校、中学校、義務教育学校、高等学校又は中等教育学校において、学校教育法施行規則(以下「規則」という。)第140 条各号の一に該当する児童又は生徒(特別支援学級の児童及び生徒を除く。以下同じ。)に対し、同条の規定による特別の教育課程を編成するに当たっては、次に定めるところにより、当該児童又は生徒の障害に応じた特別の指導(以下「障害に応じた特別の指導」という。)を、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校又は中等教育学校の教育課程に加え、又はその一部に替えることができるものとする。ただし、高等学校又は中等教育学校の後期課程においては、障害に応じた特別の指導を、高等学校学習指導要領(平成21 年文部科学省告示第34 号)第一章第三款の1 に規定する必履修教科・科目及び総合的な学習の時間、同款の2 に規定する専門学科においてすべての生徒に履修させる専門教科・科目、同款の3 に規定する総合学科における「産業社会と人間」並びに同章第四款の4、5 及び6 並びに同章第七款の5 の規定により行う特別活動に替えることはできないものとする。

  • 障害に応じた特別の指導は、障害による学習上又は生活上の困難を改善し、又は克服することを目的とする指導とし、特に必要があるときは、障害の状態に応じて各教科の内容を取り扱いながら行うことができるものとする。
  • 小学校、中学校若しくは義務教育学校又は中等教育学校の前期課程における障害に応じた特別の指導に係る授業時数は、規則第140 条第1 号から第5 号まで及び第8 号に該当する児童又は生徒については、年間35 単位時間から280 単位時間までを標準とし、同条第6 号及び第7 号に該当する児童又は生徒については、年間10 単位時間から280単位時間までを標準とし、当該指導に加え、学校教育法施行規則第56条の2 等の規定による特別の教育課程について定める件(平成26 年文部科学省告示第1 号)に定める日本語の能力に応じた特別の指導を行う場合は、授業時間数の合計がおおむね年間280 単位時間以内とする。
  • 高等学校又は中等教育学校の後期課程における障害に応じた特別の指導に係る修得単位数は、年間7 単位を超えない範囲で当該高等学校又は中等教育学校が定めた全課程の修了を認めるに必要な単位数のうちに加えることができるものとする。
(ⅰ)通級による指導を行う場合の特別な教育課程(柱書)

告示の柱書において、通級による指導に係る特別な教育課程を編成するに当たっては、児童生徒の障害に応じた特別の指導を、教育課程に加え、又はその一部に替えることができるものとされています。

教育課程に加える場合とは、放課後等の授業のない時間帯に通級による指導の時間を設定し、対象となる児童生徒について指導を実施するというものです。この場合、対象となる児童生徒の全体の授業時数は他の児童生徒に比べて増加することとなります。

一方、教育課程の一部に替える場合とは、他の児童生徒が他の授業を受けている時間に、通級による指導の時間を設定し、対象となる児童生徒について通級による指導を実施するというものです。この場合、対象となる児童生徒の全体の授業時数は増えません。

通級による指導の時間を全部放課後の時間に設定すると、児童生徒の負担が過重になる場合があります。したがって、通級による指導時数が多くなる場合には、一部の授業に替えて通級による指導の時間を組み込んで、児童生徒の負担の軽減を図ることで、より効果的な指導を行うことができると考えられます。

ただし書きにおいて、高等学校においては、高等学校学習指導要領に規定する必履修教科・科目、総合的な学習の時間及び特別活動(以下「必履修教科・科目等」という。)に替えることはできない旨規定されています。高校生として共通して必要な知識・技能と教養を身に付けさせるために設けられた必履修教科・科目等についても代替可能とした場合には、高等学校教育の目的を達成するために必要な共通の内容を削減することとなり、高等学校の教育課程の共通性に著しい支障を生じさせることから、これらの科目等については代替できないこととされています。

また、同様の考え方から、専門学科及び総合学科においてすべての生徒に履修させるものとされている、専門学科における専門教科・科目及び総合学科における「産業社会と人間」についても、通級による指導と替えることはできないこととされています。

(ⅱ)障害に応じた特別の指導の内容(第1 項)

告示の第1 項においては、障害に応じた特別の指導の具体的な内容について規定されています。

障害に応じた特別の指導は、「障害による学習上又は生活上の困難を改善し、又は克服することを目的とする指導」とされています。これは、特別支援学校の特別な指導領域である自立活動の目標とするところであり、通級による指導とは、特別支援学校の自立活動に相当する指導とされています。

なお、特に必要があるときは、障害の状態に応じて各教科の内容を取り扱いながら行うことができることとされています。ただし、この場合も、あくまで障害による学習上又は生活上の困難を改善し、又は克服することを目的として行われることが必要であり、単なる各教科の遅れを補充するための指導とはならないようにしなければなりません。

(ⅲ)通級による指導を行う際の授業時数(第2 項・第3 項)
○ 小・中学校

告示の第2 項においては、小・中学校における障害に応じた特別の指導の授業時数について規定されています。

具体的には、年間35 単位時間から280 単位時間以内範囲で行うことを標準とすることとされています。週当たりに換算すると、1 単位時間から8 単位時間程度までとなります。

ただし、学習障害及び注意欠陥多動性障害のある児童生徒については、年間授業時数の上限については他の障害種別と同じにするものの、月1 単位時間程度でも指導上の効果が期待できる場合があることから、年間10 単位時間(月1 単位時間程度)が下限となっています。

なお、通級による指導に加え、学校教育法施行規則第56 条の2 等の規定による特別の教育課程について定める件(平成26 年文部科学省告示第1号)に定める日本語の能力に応じた特別の指導を行う場合は、2 種類の指導の授業時数の合計がおおむね年間280 単位時間以内とすることとされています。ただし、日本語指導に係る授業時数は、児童生徒の実態を踏まえ、特別の必要がある場合には、年間280 単位時間を超えて指導することが可能であり、当該指導に加え、通級による指導を行う場合の2 種類の指導の授業時数の合計についても同様です。

○ 高等学校

告示の第3 項においては、高等学校における障害に応じた特別の指導の授業時数について規定されています。

具体的には、年間7 単位を超えない範囲で在学する高等学校等が定めた全課程の修了を認めるに必要な単位数のうちに加えることができることとされています。年間7 単位を上限としているのは、中学校と同じ総授業時数に占める割合で通級による指導を可能としたことによります。

本規定は、教育課程内で通級による指導を実施するという性質や生徒の負担軽減等の観点から、特別の教育課程として障害に応じた特別の指導を実施する場合には、当該指導に係る修得単位数を、全課程の修了に必要な単位数のうちに加えることができることとするものです。

(2)関係通知

通級による指導に関して、文部科学省から発出された通知に記されている留意事項等について説明します。なお、通知本文については、第3章の「3 関係通知」に掲載しています。

※ 本項においては、以下の通知について、〔 〕内に記載されている略称で表示しています。

  • 「学校教育法施行規則の一部改正等について」(平成5 年1 月28 日付け文初特第278 号初等中等教育局長通達)〔H5.1.28 通知〕
  • 「通級による指導の対象とすることが適当な自閉症者、情緒障害者、学習障害者又は注意欠陥多動性障害者に該当する児童生徒について」(平成18 年3 月31 日付け17 文科初第1178 号初等中等教育局長通知)〔H18.3.31 通知〕
  • 「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について」(平成25 年10 月4 日付け25 文科初第756 号初等中等教育局長通知)〔H25.10.4 通知〕
  • 「学校教育法施行規則の一部を改正する省令等の公布について」(平成28 年12 月9 日付け28 文科初第1038 号初等中等教育局長通知)〔H28.12.9 通知〕

①就学

通級による指導の対象となる児童生徒の小・中学校の就学に当たっては、障害の状態、特性及び児童生徒の発達の段階、児童生徒・保護者及び専門家の意見等を踏まえ総合的に判断することが重要です。

次に、通級による指導を受けている場合に、その児童生徒の障害の状態等を適切に把握し、その変化等に応じて、柔軟に教育措置の変更を行うことができるように配慮することが必要です。つまり、仮に言語障害者の場合であれば、その障害の状態が改善され、通常の学級でほぼ支障なく授業を受けることができるようになった場合には、通級による指導を終了して、通常の学級ですべての授業を受けるようにするということです。

なお、通級による指導の対象とすることが適当な児童生徒の判断に当たっては、障害のある児童生徒に対する教育の経験のある教師等による観察・検査、専門医による診断等に基づき教育学、医学、心理学等の観点から総合的かつ慎重に行うことが必要です。

〔H5.1.28 通知、H18.3.31 通知、H25.10.4 通知参照〕

②LD又はADHDのある児童生徒に対する指導形態

LD又はADHDのある児童生徒については、実に様々な状態がみられるところであり、通常の学級において、教師の適切な配慮やティーム・ティーチングの活用、学習内容の習熟の程度に応じた指導の工夫等により対応することが適切である場合も多くあります。通級による指導を実施する場合には、LD又はADHDのある児童生徒であるからと言って必ず通級による指導が必要であるとは限らないことや、通級による指導を行うことで児童生徒にとって負担となり得る可能性があることを踏まえ、慎重に判断する必要があります。

〔H18.3.31 通知、H25.10.4 通知参照〕

③授業時数の取扱い

通級による指導を受ける児童生徒に係る週当たりの授業時数については、当該児童生徒の障害の状態等を十分考慮して、負担が過重とならないよう配慮することが必要です。

〔H5.1.28 通知、H28.12.9 通知参照〕

④指導内容

通級による指導として、障害による学習上又は生活上の困難の改善・克服を目的とした指導、すなわち、自立活動に相当する指導を行う場合には、その指導の内容等については、特別支援学校小学部・中学部学習指導要領、高等部学習指導要領を参考として実施することになります。

〔H5.1.28 通知、H25.10.4 通知、H28.12.9 通知参照〕

⑤担当する教師

通級による指導の担当教師は、当該学校の教員免許状を有する者である必要があり、加えて、特別支援教育に関する知識を有し、障害による学習上又は生活上の困難を改善し、又は克服することを目的とする指導に専門性や経験を有する教師であることが必要ですが、特定の教科の免許状を保有している必要はありません。ただし、各教科の内容を取り扱いながら障害に応じた特別の指導を行う場合には、当該教科の免許状を有する教師も参画して、個別の指導計画の作成や指導を行うことが望ましいです。

通級による指導の担当教師は、基本的には、一つの障害の種類に該当する児童生徒を担当することになりますが、当該教師が有する専門性や指導方法の類似性等に応じて、当該障害の種類とは異なる障害の種類に該当する児童生徒を指導することができます。

なお、教師が本務となる学校以外の学校において通級による指導を行う場合(いわゆる巡回による指導を行う場合)には、任命権を有する教育委員会が、兼務発令や非常勤講師の任命等により、当該教師の身分の取扱いを明確にすることが必要です。

〔H5.1.28 通知、H18.3.31 通知、H25.10.4 通知、H28.12.9 通知参照〕

⑥在籍学級との連携協力

通級による指導の実施に当たっては、通級による指導の担当教師が、児童生徒の在籍学級(他の学校で通級による指導を受ける場合にあっては、在籍校における在籍学級)の担任教師との間で定期的な情報交換を行ったり、助言を行ったりするなど、両者の連携協力が図られるよう十分配慮することが重要です。通級による指導では、在籍学級以外の場所で、他の教師から指導を受けるため、その効果を上げるためにも、在籍学級における配慮は欠かせません。それらを適切に行うためにも、両者間での連携協力が必要です。

〔H5.1.28 通知、H25.10.4 通知、H28.12.9 通知参照〕

⑦他校通級の取扱い

他の学校において通級による指導を受ける場合(いわゆる他校通級)の手続き、教育課程の協議等については、通級による指導を受ける児童生徒が在籍する学校の設置者による規定等に従い、適切に行うことが必要です。なお、この規定等については、他校通級実施要綱モデル(案)(141 頁参照)を参考にして作成することができます。なお、他の設置者が設置する学校において他校通級を行う場合には、児童生徒が在籍する学校の設置者は、当該児童生徒の教育について、あらかじめ他校通級を受け入れる学校の設置者と十分に協議を行うことが必要です。

他校通級の児童生徒を受け入れる学校にあっては、当該児童生徒を自校の児童生徒と同様に責任を持って指導するとともに、通級による指導の記録を作成し、当該児童生徒の氏名、在籍している学校名、通級による指導を実施した授業時数及び指導期間、指導の内容等を記載し、適正に管理することが必要です。また、当該児童生徒が在籍する学校に対して、当該記録の写しを通知します。

〔H5.1.28 通知、H28.12.9 通知参照〕

⑧指導要録の記載

通級による指導を受ける児童生徒の成長の状況を総合的に捉えるため、指導要録において、通級による指導を受ける学校名、通級による指導の授業時数、指導期間、指導内容や結果等を記入することが必要です。なお、他の学校において通級による指導を受けている場合には、当該学校からの通知に基づき記載します。

〔H5.1.28 通知、H25.10.4 通知、H28.12.9 通知参照〕

⑨個別の教育支援計画及び個別の指導計画の作成・引継ぎ

早期からの一貫した支援のためには、障害のある児童生徒等の成長記録や指導内容等に関する情報について、本人・保護者の了解を得た上で、その扱いに留意しつつ、必要に応じて関係機関が共有し活用していくことが求められます。教育委員会においては、幼稚園・保育所・認定こども園や障害児相談支援事業所等で作成されている個別の支援計画等を有効に活用しつつ、障害のある幼児に関する情報を一元化し、小学校へ引き継ぐなどの取組を進めていくことが適当です。また、通級による指導の対象となる児童生徒の個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成や進学先等への引継ぎを促進するための体制を構築することが重要です。

〔H25.10.4 通知、H28.12.9 通知参照〕

⑩地域や学校における支援体制の整備

通級による指導を行うに際しては、これまで各地域又は各学校が構築してきた障害のある児童生徒の教育に対する支援体制において蓄積されている知見を活用することが重要です。各学校においては、校長、教頭、特別支援教育コーディネーター、担任教師、その他必要と思われる者で構成する校内委員会を設置し、通級による指導の必要性、その指導内容及び授業時数等について検討するなど、校内支援体制の整備を図るとともに、都道府県教育委員会に設けられた専門家チーム、巡回相談、特別支援連携協議会など各地域における支援体制の活用を進めることが重要です。

〔H18.3.31 通知、H25.10.4 通知、H28.12.9 通知参照〕

⑪高等学校における単位認定等

高等学校における通級による指導の単位認定の在り方については、生徒が高等学校の定める個別の指導計画に従って通級による指導を履修し、その成果が個別に設定された目標からみて満足できると認められる場合には、当該高等学校の単位を修得したことを認定しなければならないものとされています。

なお、生徒が通級による指導を2 以上の年次にわたって履修したときは、年次ごとに当該特別の指導について履修した単位を修得したことを認定することを原則としますが、年度途中から開始される場合など、特定の年度における授業時数が、1 単位として計算する標準の単位時間(35 単位時間)に満たなくとも、次年度以降に通級による指導の時間を設定し、2 以上の年次にわたる授業時数を合算して単位の認定を行うことも可能です。また、単位の修得の認定を学期の区分ごとに行うこともできます。

〔H28.12.9 通知参照〕

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