研究テーマ
実施団体|神奈川県教育委員会障害種の情報|肢体不自由
昨年度、車いすを使用する生徒(以下、生徒Aという)と他の生徒が一緒に取り組む体育授業を実践した。本研究では、より多くの生徒が生徒Aと共に運動したり、車いすを使用した運動を行ったりすることにより、障害の有無に関わらず共に学ぶことの意義や価値を実感し、「共生」態度を育むことができる体育授業の実現を目指す。
障害の有無にかかわらず誰もが一緒に運動に取り組むことができるよう、以下のような学習活動を、学習のねらいや内容に合わせて配置して実践することとした。
3年生:球技:ネット型(テニス)
テニスは、ネットを挟んでラケットを使ってボールを打ち合い、ボールを相手コート内に落とし、ツーバウンドするまでに返球できなければ得点となる競技。そのため、ラケットやボール操作が難しく、移動範囲が広いコートでは、特に運動が苦手な生徒や車いすを使用する生徒などにとっては、テニスの特性を味わうことが難しくなってしまう。そこで、用具やルール、コートの広さなどを調整することで、誰もが攻防する楽しさを味わえる単元を計画した。
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全員が順番に競技用車いすに乗り、車いすに乗っていない相手と一緒に運動することで、車いすに乗って運動するときの状況や、車いすに乗っているときはどのように関わってほしいのかを体験的に理解する活動を取り入れた。
全員がより多くラリーを続けることができるようにするために、使いやすい用具を試したり、易しくなるようにルールを変更したり、コートの大きさを調整して、障害の有無にかかわらず同じコートで一緒に練習やゲームを行った。
障害の有無にかかわらず、いろいろなチームとゲームをして、多くの生徒が関わり合うことができるように、個別の課題を解決する練習方法をチームで選択し、ゲームの度に対戦チームとルールを相談して決めるようにした。