令和の日本型学校体育構築支援事業

令和の日本型学校体育構築支援事業 事例集第1章 GIGAスクール環境下における体育授業の充実

研究テーマ

授業情報|山口県立西京高等学校(山口県)第1学年

ICT機器の活用による自己や仲間の
課題解決を楽しむことを目指した水泳授業の実践

実践研究のねらいaim

  • 水中動作を可視化し、知識や技能の習得を図る
  • 仲間との対話を通して、自己や仲間の課題を発見し、合理的な課題解決に向けて運動の取り組み方を工夫することができるようにする

具体的な活用方法use

  • ≪個別最適な学び≫ 知識・技能の定着を助けるデジタルドリル
  • ≪協働的な学び≫ 意見・回答の即時共有を通じた効果的なグループ学習

指導・支援の工夫devise

■ 単元

1年生:水泳

時間 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16



オリエン
テーション


学習の目標と
進め方を知る
導入活動: 整列、挨拶、出欠確認、健康観察、見学者への指示
     本時説明、準備運動、シャワーを浴びる、準備物の指示(ビート板、プルブイ、タブレット、筆記用具など)
     水慣れ、水浴び、ウォーミングアップアップ (水浴び、腰掛けキック、25mもしくは50mクロールなど×4本(種目は自由で)
4泳法のポイント学習 泳力の異なる
者同士で
バディつくり
泳法選択学習(自己に適した泳法)

複数のバディで構成
されたグループ別
教え合い
運動観察学習

(7、9、11回目)

グループ内で撮影
した映像を見て
アドバイスしあう

グループ別
課題解決学習

(8、10、12回目)

撮影及びアドバイスを
もとに課題を付け
見解決に向けた練習を
選んだり工夫したり
して実践
測定会
説明準備

グループ別
測定会


15回目:
個人種目

16回目:
リレー種目

タイムとスト
ローク数の計測
を行う
水慣れなど 撮影機器説明と
練習、動作確認


タブレットや
GoProを
使ってみる
測定会に
向けた準備

グループ練習
ストリーム
ラインの確認


抵抗の少ない
姿勢の確認
2回目:クロール
3回目:平泳ぎ
4回目:背泳ぎ
5回目:バタフライ


  1. キック・姿勢の学習
  2. ストロークの学習
  3. 呼吸・コンビネー
    ションの学習

単元の
まとめ
まとめの活動:整理運動、学習の振り返り、後片付け

■ 活動概要及び工夫点

・水中動画の可視化

 タブレット端末及び水中での撮影が可能なカメラを活用し、プールサイド及び水中から撮影した動画によって、さまざまな角度から自己や仲間の動きを客観的に分析したり、上級者の動きと比較したりすることで、課題を明確にし、知識や技能の習得を図った。

・個人の課題に応じて活動を選択できる場の設定の工夫

 プールサイドから撮影するレーンと、水中動作が撮影できるレーンを分け、個人の課題に応じてレーンを選択して練習に取り組めるようにした。また、必要に応じて上級者の動画と自分の動画と比較できるような場を設け、それぞれの課題に応じて自ら活動に取り組めるように工夫した。

・次時の課題につながる働きかけの工夫

 毎時間の学習の終わりに、自分の泳ぎについて振り返る時間や生徒同士で意見交換をする場を保障することで、次時の活動に見通しを持つことができるように工夫した。

・自他の取り組みを認め合う場面の工夫

 グループでの撮影により、泳ぐ技術について分析したり、教え合ったりする場面や意見交換の場面を設定することによって、取り組みの良さの評価について、褒め合ったり励まし合ったりする関係性が生まれるように工夫した。

成果と課題results & tasks

■ 成果

  • 撮影した水中動作の確認は、普段確認しづらい自分の動作の確認や、細かな動作のイメージ作りに有効であった。客観的に確認することにより、課題を具体的に伝え合い、解決を図ることにつながり、効率的に知識や技能の習得を図ることができた。
  • 動画の撮影方法を課題に応じて選択できるように場の設定を行ったことで、個人の課題に合った合理的な運動の取り組み方を自ら考えて活動する生徒が増えた。
  • 生徒自身がICT機器の活用方法を選択することで、個人の課題に対する合理的な解決に向けて生徒自身が選択し、取り組むことができた。

■ 課題

  • 使用機器の説明に時間を要することもあった。機器の効果的な使用と運動量の確保、グループでの話し合い活動等の充実をどのようにさせるかが課題である。

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