令和の日本型学校体育構築支援事業

令和の日本型学校体育構築支援事業 事例集第1章 GIGAスクール環境下における体育授業の充実

研究テーマ

授業情報|江戸川区立新田小学校(東京都)第1学年~第6学年※単元例は5年生

メディアポートフォリオを活用した
マルチステークホルダーとの協働

実践研究のねらいaim

  • 体育科の学習成果を家庭や地域と共有するシステムを確立し、マルチステークホルダー(子供、保護者、地域住民、教師)での新たな協働を生み出すことをねらいとする

具体的な活用方法use

  • 個々の子供に応じたよりきめ細やかな指導方法の開発・実践

指導・支援の工夫devise

■ 単元

5年生:ボール運動(ネット型)

時間 1 2 3 4 5 6 7



準備運動(各チーム) 〈ポートフォリオ報告会〉
  • 個人で発表
  • ワークショップ形式での全体発表
    ポーフォリオ発表後に保護者、
    地域の方、友達、教師と意見交換をする
  • 全体共有
  • 振り返り
めあての確認(各チーム)
〈めあて〉チームでボールを素早くつなげてこうげきしよう!
〈ゲーム〉※3試合繰り返すチームごとのふりかえり
チームの課題を出し合い、課題解決に向けて次の試合の工夫を考える
〈全体振り返り〉
「めあてのふりかえり」「よかったところ」
「次にがんばりたいところ」「そのためにどうするか」などを全体に共有する
〈ゲーム〉※3試合繰り返すチームごとのふりかえり
チームの課題を出し合い、課題解決に向けて次の試合の工夫を考える
単元初めの
学習成果を投稿
単元途中の
学習成果を投稿
単元終わりの
学習成果を投稿

■ 活動概要及び工夫点

・協働学習アプリの活用

 協働学習アプリを活用し、体育科の学習成果をポートフォリオとして記録した。このアプリは、動画や振り返りを投稿し、意見交換を行いながら学習履歴を蓄積することができるので、子供たちは体育の単元ごとに、「初め」「中」「終わり」のフェーズごとに、めあてや運動パフォーマンスの動画と題名、振り返りをポートフォリオとして投稿した。
 また、全ての児童が体育科のポートフォリオ評価に取り組み、例えば低学年では「体つくりの運動遊び」において、児童自らが作った運動遊びの場を端末を活用して紹介動画を作り、その動画に加えて、自らの動きを撮影した学習成果を合わせてポートフォリオとした。5年生は、学習成果をPowerPointにポートフォリオとして記録した。単元の「初め」「途中」「終わり」ごとに運動パフォーマンスを収めた動画を挿入し、めあてや振り返りを記入していった。

・多様な他者との連携の工夫

 授業で作成したポートフォリオについて、児童だけではなく、保護者や地域住民、教師等からコメントをPowerPoint内にフィードバックできるシステムを構築した。そして、年度末の学校公開では、保護者や地域の方に向けて全学級が体育科ポートフォリオ発表会を実施し、1年間の体育科の学習成果を振り返り、それをもとに来年度のめあてを持つことにつなげた。

成果と課題results & tasks

■ 成果

  • 児童は体育の学習成果をメディアポートフォリオに記録することで、自己評価の意識が高まり、学びの振り返りが促進された。その結果、次の授業の目標が明確になり、自ら学習の方向性を考え、主体的に取り組めるようになった。
  • 体育科の学習過程を可視化することで、教師も個々の児童の成長をより的確に把握できるようになった。これにより、学習者一人一人の課題に応じた指導やフィードバックが可能となり、より効果的な指導につながった。
  • 保護者や地域住民もICTを活用することで、学校での学習内容を把握しやすくなり、学校コミュニティへの関心や参加意欲が向上した。これにより学校と地域の連携が深まり、学校教育を支える共同責任の意識が広がった。

■ 課題

  • ICT機器の操作に不慣れな保護者や地域住民がいることが課題として浮き彫りになった。そのため、セキュリティを確保しながら、より手軽に学習成果を共有できるシステムの構築が求められる。
  • 学校と地域のつながりをさらに強めるためには、情報提供の工夫や地域交流会の充実など、積極的な参加を促す取り組みを強化する必要がある。

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