卒業の要件は、改正前の大学設置基準上、大学に4年以上在学し、124単位以上を修得することとしていたところ、当該規定上の「4年」とは、厳密に丸4年間の在学を求める趣旨とは解されないことから、「、大学に4年以上在学し」との文言を削除するなどの改正を行うこととしたものです。卒業の要件に係る専門職大学設置基準、短期大学設置基準及び専門職短期大学設置基準における改正についても、同様の観点から行うこととしたものです。
今回の改正は、修業年限は厳密に丸4年間在学することを求めるものではないことを明確化するものですが、これにより、いわゆる9月入学をした学生が、学期の区分に従い、7月に大学を卒業し、サマースクールに参加後、同じ年の9月に海外の大学院に進学するといったことについては、解釈上の疑義を生じることなく可能となります。この場合も、学校教育法施行規則の規定に基づき、学年の途中における学生の入学及び卒業は、学期の区分に従いこれをさせることとなっていることや、学年や学期等に関する事項は、学則への記載が必要であることに留意が必要です。
今回の改正後も、学校教育法第87条の規定に基づき、大学の修業年限は4年とすることが引き続き基本となることから、例えば、早期卒業制度によることなく学生に入学後3年間で卒業の要件とされた単位数を取得させた上で、当該学生を直ちに卒業させたり、残余の在学期間は休学として形式上は入学から4年経過後に卒業させたりするといったことは認められません。
ここでいう「大学が定める」とは、各大学等が定める「卒業認定・学位授与の方針」に基づいて、学生の卒業の認定や学位の授与がなされることを念頭としたものであり、各大学等が、当該方針と関係のない事柄について、別途卒業の要件として定めることは基本的に想定されません。
お見込みのとおりです。大学・大学院等の別を問わず、修業年限についてはこれまでの解釈上、厳密に所定の年限の在籍を求めるものとして取り扱ってきていません。大学院については、学校教育法に修業年限に関する規定が置かれている大学や短期大学等とは異なり、法令上の修業年限に関する規定が大学院設置基準にのみ置かれていることから、今回これを削除する改正を行わなかったものです。