初中教育ニュ-ス(初等中等教育局メ-ルマガジン)第391号(令和2年7月10日)

[目次]

【お知らせ】
(1)コロナ禍の影響で厳しい状況におかれた子供達のために寄付ができます!
(2)「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」について
(3)子どもの人権SOSミニレターについて
(4)Afterコロナの時代の「新しい学びの姿」オンラインセミナーを公開しました!
(5)「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」の受講申込み受付中です
(6)「学びを通じたステップアップ支援促進事業」について
(7)リーフレット「障害のある・なしに関係なく共に学べる生涯学習について」を発行しました
(8)「Sport in Lifeコンソーシアム」加盟団体の募集について
(9)第17回金融教育に関する小論文・実践報告コンクール作品募集について
(10)高等教育局国際企画室Facebookページの新規開設について
 
【発行】
(1)『文部科学広報』6月号について
(2)『教育委員会月報』7月号について
(3)『中等教育資料』7月号について
 
【コラム】コロナ禍における教育課程の担当者として
初等中等教育局教育課程課 板倉 寛
 
【特別寄稿】(※次号392号にて別途配信いたします)
三砂中オンライン授業奮闘記!(続編)
~学校の先生と地域ボランティアのコラボ:さらなるITリテラシー向上を目指して!~
東京都江東区立第三砂町中学校支援の会コーディネーター 潮田 邦夫

【お知らせ(1)】【募集】コロナ禍の影響で厳しい状況におかれた子供達のために寄付ができます!

〔総合教育政策局課男女共同参画共生社会学習・安全課〕
 
 「子供の未来応援国民運動」(事務局:文科省、内閣府、厚労省及び(独)福祉医療機構)では、社会全体で子供の貧困対策に取り組み、貧困の連鎖を解消するため、企業や個人からの御寄付からなる「子供の未来応援基金」を創設し、各支援団体の活動資金に御活用頂いております。このたび、楽天株式会社が運営するクラッチ募金や、PayPay株式会社が運営するアプリ上の寄付付き商品「きせかえ」の購入を通じて、本基金へ寄付ができるようになりました。
 本基金により、貧困の状況にある子供たちに寄り添い、子供食堂や学習支援等、子供達に寄り添った活動を実施しているNPO等が、新型コロナウイルスの情勢を踏まえた緊急かつ柔軟な活動を行う際の支援をします。
 詳細はWEBサイトをご覧ください。
 
・内閣府 共生社会政策担当
https://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/kikin/kyouryoku_houhou.html#rakuten
 (楽天クラッチ募金:8月31日(月曜日)まで)
https://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/kikin/paypay-mirai-ouen.html
 (PayPayの「きせかえ」販売:7月27日(月曜日)まで)
 
 
(お問合せ先)
 内閣府子供の貧困対策推進室
 E-mail:i.future-children@cao.go.jp   電話:03-6257-1438
 ※お問い合わせは、原則メールでお願いいたします。
 
(本件担当)
 教育総合政策局男女共同参画共生社会学習・安全課 共生社会学習企画係
 電話:03-5253-4111(内線3276)

【お知らせ(2)】「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」について

〔研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室〕
 
 国立情報学研究所(NII)では、遠隔授業等の準備状況に関する情報をできるかぎり多くの関係者間で共有することを目的とし、3月下旬よりこれまで金曜日にオンラインで「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」を開催しています。
 大学をはじめとする関係者の皆様から、遠隔授業に関する様々な取組事例・課題等について幅広く発表・共有いただいており、最近の開催では「初等中等教育におけるオンライン学習への文科省の取り組み」「オンライン授業においてZoomの通信量を抑えるには」「子どもたちの学びを止めない熊本市におけるオンライン授業の取組」など、小学校・中学校・高校での遠隔授業に取り組まれる上で参考になるようなご報告をいただいています。
 これらのご報告を含むシンポジウムの講演映像や資料は随時公開されており、第1回から第11回までの延べ参加者は17696人、再生回数は11万回以上(令和2年6月26日現在)に及んでいます。
※詳細、過去コンテンツはこちら(NIIウェブサイト)
https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/

プログラムや参加方法などは決まり次第上記HPに掲載しますので、ご確認の上、是非お気軽に御参加ください。
 
(お問合せ先)
国立情報学研究所サイバーシンポジウム窓口
E-mail:dc-sympo@nii.ac.jp
※国立情報学研究所では在宅勤務のため電話での応対を休止しています
 
(本件担当)
研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室学術情報係
電話:03-5253-4111(内線4080)

【お知らせ(3)】子どもの人権SOSミニレターについて

〔初等中等教育局児童生徒課〕
 
 法務省の人権擁護機関では,いじめや虐待などの子どもたちの様々な人権問題の解決のため,「子どもの人権SOSミニレター」による人権相談を実施しています。9月下旬までに,全国の小・中学校,特別支援学校等にSOSミニレター(料金受取人払の便箋兼封筒)をお送りし,子どもたち全員に配布していただきます。子どもたちがSOSミニレターに悩みごとを書いてポストに投函すると,人権擁護委員や法務局職員が相談にお答えします。
 関係者各位の御協力をお願いします。
 
法務省ホームページ:子どもの人権SOSミニレター
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken03_00013.html
 
(お問合せ先)
 法務省人権擁護局調査救済課
 電話:03-3580-4111(内線2714)
 
(本件担当)
 初等中等教育局児童生徒課指導調査係
 電話:03-5253-4111(内線3291)

【お知らせ(4)】【全学校種の先生方必見!】Afterコロナの時代の「新しい学びの姿」オンラインセミナーを公開しました!

〔総合教育政策局生涯学習推進課専修学校教育振興室〕
 
・これまで通りの対面授業だと感染リスクの観点から課題があるケースも…
・感染リスクを抑えながら教育活動の質を維持するにはどうすればいいの…
・専門学校ではどんなことが学べるの…
 
 そんな学校関係者や進学を希望する皆様に向け、文部科学省では、感染リスクを抑えるための学校全体の取組や、実習など対面授業での工夫、不安を抱える生徒へのきめ細やかな支援など、専修学校(11校)の取組をYouTubeチャンネルで一挙にご紹介!
 そして、この動画を御覧になった皆様におかれては、周りの方にシェアしていただき、一人でも多くの方にご視聴いただけると幸いです。
 
○動画のポイント
・対面授業の工夫
・学校全体の感染防止策
・学びの魅力         など
 
○詳しくは、こちらを御覧ください。
Afterコロナの時代の「新しい学びの姿」オンラインセミナー(6月26日公開/文部科学省YouTubeチャンネル)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLGpGsGZ3lmbDKeg0m-7_Qse7lWCeddhEk
 
(お問合せ先)
 総合教育政策局生涯学習推進課 専修学校教育振興室
 電話:03-5253-4111(内線2915)

【お知らせ(5)】「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」の受講申込み受付中です

〔研究振興局学術研究助成課〕
 
 「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」は、科学研究費助成事業(科研費)により行われている最先端の研究成果に、小学5・6年生、中学生、高校生の皆さんが、直に見る、聞く、触れることで、科学のおもしろさを感じてもらうプログラムです。全国の大学、高等専門学校その他の研究機関で様々なプログラムの開催が予定されています。
 
■対象:小学5・6年生、中学生、高校生
■期間:令和2年7月~令和3年3月
■場所:全国の大学、高等専門学校その他の研究機関
※対象学年、開催予定日、開催場所はプログラムによって異なります。
※各プログラムの開催予定日については変更の可能性があります。
 
詳細はこちらをご覧ください。
https://www.jsps.go.jp/hirameki/index.html
 
(お問合せ先)
独立行政法人日本学術振興会研究事業部研究事業課
電話:03-3263-1699
 
(本件担当)
研究振興局学術研究助成課
電話:03-5253-4111(内線4091)

【お知らせ(6)】「学びを通じたステップアップ支援促進事業」について

 本事業は、不登校や高校中退などにより、就職やキャリアアップなどで困難を抱える方への学習相談及び学習支援を実施する地方公共団体の取組を支援するものです。
 家庭の経済事情など様々な困難を抱えた方が、それぞれの夢に向かって頑張ることができるよう、一人一人の挑戦と飛躍への「チャンス」を最大化する環境の整備にご活用ください。
 
(お問合せ先)
総合教育政策局生涯学習推進課職業教育推進係
電話:03-6734-3253(内線3253)

【お知らせ(7)】リーフレット「障害のある・なしに関係なく共に学べる生涯学習について」を発行しました

〔総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課、初等中等教育局特別支援教育課〕
 
 文部科学省では、共生社会の実現に向けた学校卒業後の障害者の生涯学習の施策を総合的に推進しています。
 この度、特別支援学校高等部等に在籍中の生徒等が、生涯に渡る学びについて考えていくための標記のリーフレットを作成しました。
 本人のみならず教育関係者やご家族のみなさまにも幅広く御覧いただき、ご活用いただけますようお願いいたします。
※詳しくは、こちらを御覧ください。
→ https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/mext_00601.html
 
(お問合せ先)
・本リーフレット及び障害者の生涯学習に関すること
総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課障害者学習支援推進室
電話:03-5253-4111(内線:3613)
E-mail:sst@mext.go.jp
 
・特別支援教育に関すること
初等中等教育局特別支援教育課
電話:03-5253-4111(内線:2431)
E-mail: tokubetu@mext.go.jp

【お知らせ(8)】「Sport in Lifeコンソーシアム」加盟団体の募集について

〔スポーツ庁健康スポーツ課〕
 
 スポーツ庁では、一人でも多くの方がスポーツに親しみ、スポーツが生活の中に自然と取り込まれている「Sport in Life」の実現に向けて、昨年7月に「Sport in Lifeプロジェクト」を開始しました。
 
 今年2月には「Sport in Lifeコンソーアシアム」を立ち上げ、地方公共団体やスポーツ団体、経済団体、企業など、319団体に参画いただき、スポーツ実施率の向上のため一体的に取り組んでいます。
 コンソーアシアムへの加盟は、現在も募集しておりますので、私たちと一緒に「Sport in Life」のムーブメントを広げていただける皆様のご参加をお待ちしております。
 なお、コンソーシアムへの加盟は、教育委員会や学校単位ではもちろんのこと、一つの部署やクラスといった単位で申請していただくことが可能です。
 
 また、現在、スポーツ参画人口拡大のための取組モデル創出を目的とした委託事業の募集をしています。公募の締切は、令和2年7月27日(月)12時です。
 ぜひ、本プロジェクトの趣旨をご理解いただき、東京2020大会とその先に向けた取組にご参加いただきますようお願いいたします。
 
詳細につきましては「Sport in Lifeホームページ」を御覧ください。
https://sportinlife.go.jp/
 
(お問合せ先)
スポーツ庁健康スポーツ課
電話:03-5253-4111(内線3939)

【お知らせ(9)】第17回金融教育に関する小論文・実践報告コンクール作品募集

〔総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課〕
 
 金融広報中央委員会では、全国の教員や教職を目指す大学生等を対象に「金融教育」に関する小論文・実践報告を募集します。みなさまからのご応募をお待ちしています。
※コンクールの詳細はこちら https://www.ron2020.jp/
 
(お問合せ先)
金融広報中央委員会コンクール事務局
電話:03-6265-6818(土・日・祝を除く10時~17時)
 
(本件担当)
総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課
消費者教育推進係
電話:03-5253-4111(内線3462)

【お知らせ(10)】高等教育局国際企画室Facebookページの新規開設について

〔高等教育局高等教育企画課〕
 
 高等教育局国際企画室では、当室公式Facebookページ「みんなのglobal」を開設いたしました!
 
 本ページでは、大学関係者向けに、当室が実施する事業情報や各大学が実施する国際イベント等、大学の国際化・グローバル人材育成に関する情報の発信を行ってまいります。ぜひフォロー、いいね!お願いします。
 
★文部科学省国際企画室 公式Facebookページ 「みんなのglobal」
https://www.facebook.com/minnnanoglobal/
 
(お問合せ先)
高等教育局高等教育企画課国際企画室国際交流係
電話:03-5253-4111(内線3363)

【発行(1)】『文部科学広報』6月号について

〔大臣官房総務課広報室〕
 
『文部科学広報』は、文部科学省が発行する唯一の総合広報誌(電子book)です。
 
○最新号の内容○
◆Topics
令和2年度補正予算の概要
◆Monthly Line Up
・科学技術に関する国民意識調査 ~新型コロナウイルスを含む感染症に対する意識~
・専修学校における遠隔授業の取組 ~生徒の学びを止めないために~
・リカレント教育推進施策 ~社会人の学びの応援~
・令和2年春の叙勲・褒章について
・子供の読書活動の推進 ~4月23日は「子ども読書の日」~
 
※詳細はこちら
→ http://www.koho2.mext.go.jp/  
本誌は、教育、科学技術・学術、スポーツ、文化・芸術等、文部科学行政全体を網羅し、様々な重要施策や最新情報について、総合的な紹介を行っています。
 
(お問合せ先)
大臣官房総務課広報室事業第一係
電話:03-5253-4111(内線2171・2243)

【発行(2)】『教育委員会月報』7月号について

〔初等中等教育局初等中等教育企画課〕
 
 「教育委員会月報」は、文部科学省の実施する施策の論説・解説や各都道府県・市町村教育委員会の特色ある取組等の紹介など、全国の教育関係者に有用な教育行政に関する情報を提供している月刊誌です。
 7月号の特集は、「米国カリフォルニア州の学校区教育委員会の実態―教育委員会を生かす地域の力―3」「尼崎市の臨時休業期間における学習支援(ICT活用)に向けた取組について ~教育用PC環境10人に1台の自治体の挑戦~vol.1」です。
※詳細はこちら(第一法規株式会社ウェブサイト)
http://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/100408.html
 
(お問合せ先)
初等中等教育局初等中等教育企画課地方教育行政係
電話:03-5253-4111(内線4676)

【発行(3)】『中等教育資料』7月号について

〔初等中等教育局教育課程課〕
 
 『中等教育資料』は、中学校・高等学校における学習指導要領上のねらいや授業の実践、校内研究に必要不可欠な理論・実践事例を豊富に紹介している月刊誌です。
 
 本号の特集は、「中学校の学習指導と学習評価の工夫改善2<理科、音楽、美術>」です。
 学習評価は、学校における教育活動に関し、児童生徒の学習状況を評価するものです。生徒の学習状況を的確に捉え、教師が指導の改善を図るとともに、生徒が自らの学びを振り返って次の学びに向かうことができるようにするためには、学習評価の在り方が極めて重要です。
 国立教育政策研究所教育課程研究センターは、「「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料(中学校)」(令和2年3月)を公表しました。これを参考にして、指導と評価の一体化を図り、創意工夫の中で学習評価の妥当性や信頼性を高める実践が一層進むことが期待されます。
 そこで本号では、中学校の理科、音楽及び美術を取り上げ、学習指導と学習評価の具体的な工夫改善について考えます。
 
※ 詳細はこちら(学事出版ウェブサイト)
http://www.gakuji.co.jp/magazine/chutokyoiku/index.html
 
(お問合せ先)
初等中等教育局教育課程課教育課程第三係
電話:03‐5253‐4111(内線3706)

【コラム】コロナ禍における教育課程の担当者として

〔初等中等教育局教育課程課 板倉 寛〕
 
 この度の九州地方の豪雨で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
 
 4月、新型コロナウイルスの影響で休業している小学校に、保護者として息子の教科書を受け取りに伺いました。子供達が全くいない平日の日中の学校では、ただがらんとした校舎や校庭、そして静寂が広がっていました。担任の先生からは「何より子供達の顔を見られないことがやりきれません。早く子供達の顔が見たいです。」という話を伺いながら、改めて学校の少しでも早い再開を心から願いました。
 
 この新型コロナウイルスの影響により全国的な学校の休業が続いていた3か月間以上にわたり、教育課程を担当する一文科省職員としてその役割と責任の重さに、また小学校1年の子供を持つ共働き家庭の父親として仕事と子育ての両立の困難さに直面してきました。この極めて不透明で、初めてのことばかりの状況の中で、各地の教育委員会や学校にお勤めの皆様をはじめとする教育関係者の皆様の中には、緊張状態が続く中で届く不安の声等に対応されたり、子育てや介護等との両立に悩まれてきた方も非常に多かったと思います。関係者の皆様方が、休業期間中、様々な困難な状況の中で、できる限りの取組をしていただいてきたこと、また学校が再開する中でも、今までに取り組んだことがないことだらけの状況の中で試行錯誤しながら取り組んでいただいていることに心から感謝を申し上げます。
 
 私達にとっても、先の見通しが全く立たない中、状況を予想しながら、打ちうる最善の手を打とうと、悩みながら上司や同僚と、土日祝日昼夜を問わず議論し取り組んできました。今振り返れば反省すべき点もありますが、このチームだから何とかここまで来られたという気持ちも持っています。教育関係者の皆様方にも、きっと一緒に働いた方々へのそのような思いをお持ちの方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
 
 これからしばらくの間、新型コロナウイルス感染症がすぐそばにあることを常に意識しながら、この機会に子供達の学びにとって最も大切なことは何かから全体を見つめ直すということも重要かと思います。限られた時間の中で、子供達にとってのびのびと充実した学びの機会を作れるかという視点が特に重要ではないかと考えています。感受性が強く成長過程にある子供達にとっての一分一秒は、社会人になって20年以上経つ私のそれよりずっと濃密で貴重な時間です。このような時だからこそ、子供達同士が関わり合いながら、励まし合い、成長していけるような場を大切にし、教育課程を考える際でも、授業時数にのみとらわれるのではなく、目の前にいる子供達にとって、この限られた時間の中で何をすることが一番良いのか、何が学校だからこそ、教師だからこそつくることができる学びの機会なのか、常に問い直しながら、子供達にとって二度と戻って来ない、今のこの時間の使い方を考えることが重要と思っています。
 
 また、学校の再開後における学校の授業外でできる学習活動について、子供の学びが最大化するような観点から学校の授業での学習活動と合わせて考えていくことも重要かと思います。それは再度の臨時休業への備えという意味でも重要です。特に、臨時休業への備えという意味では、6月までの経験を生かすことができるというのは大きいと思います。例えば、学校に来られなくなった子供達とどのように連絡を取るか、どのような学習教材をどのように提供するかの準備を行うことであったり、同時双方向型のオンライン学習の準備といったことが考えられるかと思っています。ICTはそのカギになることは間違いないわけですが、4月10日の学習指導に関する通知では、家庭学習の十分な定着が見られれば再開後の学校の対面授業で取り扱わないこととすることができること(その際、学習内容の定着が不十分な児童生徒がいる場合には個別に措置を講じる)とする特例を設けています。特に同時双方向型のオンライン学習を中心としたICTの活用を進めていただければ、児童生徒の発達の段階にもよりますが、一定程度この「再開後の学校の対面授業で取り扱わない範囲」が広がると考えています。
 
 刻一刻と状況が変わる中で、現時点で何か確実な正解があるわけではありません。最前線にいる教育関係者の皆様の取組をご紹介いただき、タイムリーに共有させていただき、皆様の試行錯誤の中からより適切な方向性を見つけ出していくこともまた重要になります。この新型コロナウイルス感染症下では、行政レベルでも学校レベルでも走りながら取組を練り上げ修正し、改善していくという柔軟性が従来より求められています。教育課程の世界で言えば、カリキュラム・マネジメントがまさに重要になってくるわけであり、私達としてもまずは教育課程の編成に関わる事例を中心に実際に各学校、教育委員会で工夫して取り組んでいただいている実践を収集し、以下のように現時点のものを取り急ぎまとめました。これらの実践事例は、それぞれの学校、教育委員会が置かれている実態に応じて行われたものですので、それぞれの実態に照らして、有効と思われるものを適宜、取り入れるなどしながら参考にしていただけますと幸いです。今後も、教育課程の編成から実施、評価、改善といった年間の流れを踏まえながら、様々な創意工夫ある実践事例の収集・共有を図っていきたいと思います。
 
○新型コロナウイルス感染症対策に伴う児童生徒の学習保障に向けたカリキュラム・マネジメントの取組事例について【令和2年6月30日時点】
https://www.mext.go.jp/content/20200701-mxt_kouhou01-000004520_1.pdf
 
 ゆっくり息をつく間もなく、今後これからどうなっていくのか予断を許さない状況が続きます。そして、子供達の学びを支える教育関係者の皆様もこんな状況だからこそ、仕事を持続可能なものにできるよう、ご自身の生活にメリハリをつけ、チームメートに感謝しつつ、疲労の蓄積等にも気を配ることも重要です。
 
 将来この時期を振り返った際、子供達にとっても非常に意義深いものであった、教育関係者にとってもこれだけの良いことができるきっかけになったと感じていただけるよう、少しでも貢献していきたいと思っています。

お問合せ先

初等中等教育局「初中教育ニュース」編集部

03-5253-4111

(初等中等教育局「初中教育ニュース」編集部)