初中教育ニュース(初等中等教育局メールマガジン)第348号(平成30年11月22日)

[目次]

【お知らせ】
□2020年4月からの高等教育の無償化に向けた検討について
□文化庁長官と視学官・教科調査官との懇談会「新・文化庁とともに進む芸術教育の将来展望」について
□平成30年度学校給食表彰について
□平成30年10月の文部科学省選定作品(学校教育教材等)について
□「新時代の教育のための国際協働プログラム」筑波大学成果発表会の開催について
□「ここから3-障害・年齢・共生を考える5日間」展の開催について
【発行】
□「教育委員会月報」について
【コラム】
□「参事官(高等学校担当)の発足にあたり」
〔初等中等教育局参事官(高等学校担当)田村 真一〕

□【お知らせ】2020年4月からの高等教育の無償化に向けた検討について(その2)

〔高等教育段階の教育費負担軽減新制度プロジェクトチーム〕

 文部科学省では、低所得世帯を対象とした大学や専門学校等の授業料減免・給付型奨学金について、2020年度からの実施に向けて検討を進めています。
 新制度では、現行の給付型奨学金のような高校等ごとの推薦枠はなく、将来の進路への高い意識や進学への強い意欲を確認します。一方で、進学後の学習状況には一定の要件が課されますので、しっかりと勉学に取り組む必要があります。
 2020年に大学等へ進学予定の高3生からの申請の受付は来年度から始まる予定ですので、ホームページを御覧いただき、今後の動向を注視してください。
※詳細はこちら
高等教育段階の教育費負担軽減

(お問合せ先)
高等教育段階の教育費負担軽減新制度プロジェクトチーム
電話:03-5253-4111(内線3505,3495)

□【お知らせ】文化庁長官と視学官・教科調査官との懇談会「新・文化庁とともに進む芸術教育の将来展望」について

〔文化庁参事官(芸術文化担当)〕

 本年10月の文化庁の組織改編によって,学校における芸術に関する教育に関する事務が文部科学省初等中等教育局から文化庁参事官(芸術文化担当)に移管され、文化庁において学校教育における人材育成からトップレベルの芸術家の育成まで一体的に行うことになりました。
 そのことを受けて、11月5日(月曜日)に宮田文化庁長官と小学校の「音楽」「図画工作」、中学校の「音楽」「美術」、高等学校の「芸術(音楽・美術・工芸・書道)」を担当する視学官・教科調査官との懇談会が開催されました。
 冒頭、宮田長官から「文化庁に芸術に関する教育が移管されたことで、現場の先生から期待と不安の声を聴いている。東京藝術大学で学長を務めた私が長官なので、なにも心配はいらない。当時も苦労はあったが、志は一緒であり、世間一般の人がもっと文化の素晴らしさを知ってもらえるようになればいい。」との挨拶があり、視学官・教科調査官からは「力強い言葉をいただいた。これまで以上に新学習指導要領の趣旨やねらいに基づき芸術に関する教科・科目が豊かなものになるよう、しっかりとやっていきたい。」と応じました。
 その後、担当審議官等も懇談に加わり、教科・科目毎の課題や行政と現場の違い等、多くの事項について、熱い議論が交わされました。
※詳細はこちら(文化庁facebookウェブサイト)
懇親会の様子

(お問合せ先)
文化庁参事官(芸術文化担当)学校芸術教育室教育課程係
電話:03-5253-4111(内線2832)

□【お知らせ】平成30年度学校給食表彰について

〔初等中等教育局健康教育・食育課〕

 文部科学省では、学校給食の普及と充実を図るため、その実施に関し、優秀な成果をあげた学校及び共同調理場を「学校給食優良学校等」として、また、個人及び団体を「学校給食功労者」として、表彰しています。
 この度、都道府県教育委員会から推薦された候補者について、学校給食表彰審査会において審議を行い、その結果に基づき、本年度の学校給食表彰の被表彰者を決定しました。
◆学校給食優良学校等:学校10校、共同調理場6場
◆学校給食功労者:19名
※詳細はこちら
平成30年度学校給食表彰(※国立国会図書館ホームページへリンク)別ウィンドウで開きます

(お問合せ先)
初等中等教育局健康教育・食育課学校給食係
電話:03-5253-4111(内線2694)

□【お知らせ】平成30年10月の文部科学省選定作品(学校教育教材等)について

〔初等中等教育局情報教育・外国語教育課〕

 文部科学省では、映画その他の映像作品及び紙芝居について、教育上価値が高く、学校教育又は社会教育に広く利用されることが適当と認められるものを選定し、併せて教育に利用される映像作品等の質的向上に寄与するために、教育映像等審査規程(昭和29年文部省令第22号)に基づいて映像作品等の審査を行っています。
 平成30年10月の文部科学省選定作品(学校教育教材等)を紹介します。
※文部科学省特別選定を「特別選定」、文部科学省選定を「選定」として、【作品名】/申請者/利用対象の順に記載しています。

○映画(特別選定)
・【いろとりどりの親子】/有限会社ロングライド/青年向き・成人向き・家庭向き
○紙芝居(選定)
・【かまた先生の アリとキリギリス】/株式会社童心社/少年向き
○DVD(選定)
・【わかりやすい気象現象と災害その6 「節子と大雨」】/株式会社東北新社/小学校高学年児童向き・中学校生徒向き・少年向き
・【わかりやすい気象現象と災害その7 「節子と四季の健康」】/株式会社東北新社/小学校高学年児童向き・中学校生徒向き・少年向き
○映画(選定)
・【走れ!T校バスケット部】/東映株式会社/少年向き/青年向き・家庭向き
・【いろとりどりの親子】/有限会社ロングライド/少年向き

(お問合せ先)
初等中等教育局情報教育・外国語教育課映像等審査担当
電話:03-5253-4111(内線2417)

□【お知らせ】「新時代の教育のための国際協働プログラム」筑波大学成果発表会の開催について

〔大臣官房国際課〕

 文部科学省では、教育分野におけるG7各国間の関係強化を図ることにより、多様化する教育課題に対する教育実践の改善に資するため、「新時代の教育のための国際協働プログラム」事業を行っています。
 平成30年度の本事業の委託先である筑波大学では、筑波型女子学生向けSTEAMプログラム(T-WISTEAM)を開発するため、全国の高校教諭を対象に、米国カリフォルニア州への派遣プログラムを実施しました。その成果について、発表会を開催しますので、皆様からの参加申込をお待ちしております。

日時:平成30年12月16日(日曜日)13時00分から
会場:筑波大学東京キャンパス文京校舎121講義室
※詳細はこちら(筑波大学ウェブサイト)
平成30年度新時代の教育のための国際協働プログラム成果発表会

(お問合せ先)
筑波大学東京キャンパス事務部企画推進課 国際協働プログラム担当
電話:03-3942-6275
E-mail:kokusai-kyodo@un.tsukuba.ac.jp
(本件担当)
大臣官房国際課人物交流係
電話:03-5253-4111(内線4751)

□【お知らせ】「ここから3-障害・年齢・共生を考える5日間」展の開催について

〔文化庁地域文化創生本部〕

 文化庁は,平成30年12月5日から12月9日まで,国立新美術館において「ここから3-障害・年齢・共生を考える5日間」展を開催いたします。障害のある方たちが制作した魅力ある作品と、文化庁メディア芸術祭の受賞作などから選ばれたマンガ、アニメーション作品や、参加型のメディアアート作品等を展示するほか、サウンドイベントや監修者によるトークなども併せて行います。
※詳細はこちら(「ここから3-障害・年齢・共生を考える5日間」展ウェブサイト)
ここから3-障害・年齢・共生を考える5日間

(お問合せ先)
文化庁地域文化創生本部
電話:075-330-6725

□【発行】「教育委員会月報」について

〔初等中等教育局初等中等教育企画課〕

 「教育委員会月報」は、文部科学省の実施する施策の論説・解説や各都道府県・市町村教育委員会の特色ある取組等の紹介など、全国の教育関係者に有用な教育行政に関する情報を提供している月刊誌です。
 11月号の特集は、「教育の情報化の現状と今後の展望について」です。
※詳細はこちら(第一法規株式会社ウェブサイト)
教育委員会月報

(お問合せ先)
初等中等教育局初等中等教育企画課地方教育行政係
電話:03-5253-4111(内線4678)

□【コラム】「参事官(高等学校担当)の発足にあたり」

〔初等中等教育局参事官(高等学校担当) 田村 真一〕

【はじめに】
 皆さん今日は。10月16日から組織再編により新たに発足した初等中等教育局参事官(高等学校担当)の田村です。
 2001年の文部科学省発足以来、初等中等教育局における業務分掌は、教育課程や児童生徒の生徒指導・進路指導など、基本的には、教育課題に対応し分かれていました。
 選挙権年齢や成年年齢の引き下げ、Society5.0の進展や地方創生の推進、高大接続改革が進む中で、高等学校教育が果たす役割についての重要性は一層高まり、その在り方について関心が深まってきています。本年8月には、政府の教育再生実行会議において「新時代に対応した高等学校改革について」をテーマとして、検討が始まっています。
 このような背景の下、各課に分かれていた高校関係の業務を糾合し、高等学校を担当する組織が発足したところです。今回は、発足にあたり具体的にどんな業務を担当しているのかと、それぞれの業務の動向について触れたいと思います。

【高校関係の制度(学科、全定通)、高校教育改革、中高一貫教育】
 初等中等教育企画課から上記の業務を引き継ぎました。

(高校教育改革)
 高校においては、生徒の興味・関心や能力・適性、進路希望などの多様化が進む中で、高校として共通性の確保を図りつつ、生徒一人一人の能力や可能性を最大限伸ばしていくため、多様化への対応を推進する様々な制度改革を行ってきました。
 単位制高校の導入、総合学科の創設、学校外の学習の成果の単位認定やその枠の拡大、中高一貫教育制度の導入などです。近年では、平成27年度から、生徒に多様な科目選択を可能とする遠隔教育を制度化しました。結果、例えば、平成当初は2.2.%ほどあった高校中退率は平成29年度には1.3%にまで低下しています。
 一方で、先行き不透明で予測困難な時代を生き抜いていくためには、社会の中で自立し、他者と協働しながら、最適解を導き出すことができる力を育成していくことが今後一層求められます。
 本年3月に改訂された学習指導要領では、そのような未来社会を切り拓くための資質・能力を一層確実に育成するよう、学校に閉じない「社会に開かれた教育課程」が重視されています。あわせて、主体的、対話的な深い学びの実現に向けた授業改善、教科等横断的な学習の充実とそのための学校全体でのカリキュラムマネジメントの確立が求められています。
 また、本年6月の文部科学大臣の懇談会の報告書では、Society5.0に向け高校においては、(1)Society5.0を生き抜くために必要となる「共通して求められる力」の育成、(2)将来、「新たな社会を牽引する人材」として活躍するための基盤となる力の育成、(3)各地域への課題意識や貢献意識を持ち、Society5.0を地域から分厚く支えていく人材の育成等を重視して改革を進めていくことが求められています。
 (1)については新学習指導要領の着実な実施が必要となるところであり、(2)と(3)については、本報告書を踏まえ、Society5.0の社会で求められる人材育成に向けて、平成31年度概算要求において、それぞれWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業、地域との協働による高等学校教育改革推進事業として、必要な経費を要求しているところです。
 参事官(高等学校担当)においては、このようにSociety5.0を見据え、新学習指導要領の着実な実施と文理分断からの脱却など、新しい時代に対応した高校教育改革を押し進めていくことになります。

(定時制・通信制)
 定時制・通信制については、今日、不登校・中退経験者への学び直しの機会の提供や困難を抱える生徒の自立支援等の面でも大きな役割を果たしており、そのような多様な学習ニーズを踏まえた指導の充実を図っていきます。
 また、通信制については、一部の通信制高校における不適切な教育運営の実態が明らかになったことを受け、本年、関連規定の改正やガイドラインの改訂を行っており、現在、第三者の参画を得た評価の仕組みの調査研究を進めています。

【高校生のための学びの基礎診断】
 初等中等教育企画課のプロジェクトチームで対応していた本件も担当しています。高校生のための学びの基礎診断は、文部科学省が民間の試験等を認定する制度であり、これにより多様な測定ツールを開発・提供し、その利活用を促すことで、高校生の基礎学力の定着に向けたPDCAサイクルの取組を促進することをねらいとしています。
 従来の試験等と比較して、(1)記述式問題を必須としていることや、(2)英語は4技能を測定すること、(3)教員が今後の指導の工夫・充実に活用できる結果提供を行うこと等を要件としていることが特長です。
 現在、認定審査を行っているところであり、認定結果を踏まえ、各高校において積極的に利活用されることを期待しています。

【スーパーグローバルハイスクール(SGH)】
 国際教育課からは、SGHの事業を引き継ぎました。SGHについては、(1)グローバルな社会課題に対する探究学習の推進や、(2)英語教育におけるアクティブラーニングの推進について、成果を挙げているところです。
 平成31年度概算要求においては、さらに、これまでの実績を活用し、大学教育の先取履修や高校生国際会議の開催等を行うなど、より高度な学びを提供するWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業を行うのに必要な経費を要求しているところです。

【産業教育】
 児童生徒課から、産業教育の教育内容等に関する業務を引き継ぎました。
 産業教育の関連では、本年、学習指導要領の改訂を行いました。2022年度の新学習指導要領の実施に向けて、来年度からは、教科書発行者による教科書の作成が行われない科目の教科書の作成や産業教育の施設・設備の基準の改訂を進める予定です。
 また、産業教育フェアの開催や、専門的職業人育成のための指定校事業等を通じて産業教育の推進を図っていきます。

【おわりに】
 教育再生実行会議では、新時代に対応した高校改革に関し、普通科、専門学科、定時制・通信制の在り方や、地域及び産業界、大学との連携の在り方など、幅広いテーマについて議論を進めています。また、政府においてAI(人工知能)に関する戦略を検討する動きもあります。
 これらの提言内容を踏まえつつ、必要に応じて中央教育審議会等での検討を経て、制度改正や施策に反映していくことになるかと思います。どうぞよろしくお願いします。


お問合せ先

初等中等教育局

「初中教育ニュース」編集部
電話番号:03-5253-4111

(初等中等教育局「初中教育ニュース」編集部)

-- 登録:平成30年11月 --