初中教育ニュース(初等中等教育局メールマガジン)第324号(平成30年1月26日)

[目次]

【お知らせ】
□ 東京2020大会マスコット、投票締切りまであと1か月!
【発行】
□ 月刊誌『教育委員会月報』1月号について
□ 『初等教育資料』2月号について
□ 『中等教育資料』2月号について
【コラム】
□ 「高校生のための学びの基礎診断」とは
     初等中等教育局主任視学官 滝波 泰

□【お知らせ】東京2020大会マスコット、投票締切りまであと1か月!

 〔スポーツ庁オリンピック・パラリンピック課〕
 東京2020組織委員会は、オリンピック・パラリンピック史上初の試みである小学生によるマスコット投票を2017年12月11日からスタートしました。
 2018年2月22日の最終日まで1か月を切り、投票の折り返しを迎えました。
 現在、全国の小学校、日本国内の外国人学校、海外の日本人学校を含めたおよそ2万1000校(28万学級)のうち、既に1万4000校を超える学校が参加事前登録をし、日本らしさやオリンピック・パラリンピックの精神を学びながら、様々な話合いが行われています。
 皆さんが熱い思いを込めて投票したマスコットは、開会式・閉会式、競技会場や街中など大会のあらゆる場面で活躍し、東京2020大会を一緒に盛り上げてくれます。
 残り1か月、一生の思い出となるこのマスコット投票に、是非御参加ください。

※詳細はこちらを御覧ください。
東京 2020大会マスコットの投票について (※公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会ウェブサイトへリンク)

(お問合せ先)
東京2020 大会マスコット投票事務局
電話:0570-035105
(本件担当)
スポーツ庁オリンピック・パラリンピック課
電話:03-5253-4111(内線3493)

□【発行】月刊誌『教育委員会月報』1月号について

 〔初等中等教育局初等中等教育企画課〕
 <教育委員会月報>
 文部科学省の実施する施策の論説・解説や各都道府県・市町村教育委員会の特色ある取組等の紹介など、全国の教育関係者に有用な教育行政に関する情報を提供している月刊誌です。
 1月号の特集は、「教育委員会の現状に関する調査について(平成28年度間)」と「新教育委員会制度への移行に関する調査(平成29年9月1日現在)」の結果についてです。

※詳細は、こちらを御覧ください。
教育委員会月報(※第一法規株式会社ウェブサイトへリンク)

(お問合せ先)
初等中等教育局初等中等教育企画課教育委員会係
電話:03-5253-4111(内線4678)

□【発行】『初等教育資料』2月号について

  〔初等中等教育局教育課程課〕
  2月号の特集1のテーマは「外国語活動を踏まえた外国語科の実施に向けて」です。小学校外国語教育のこれまでとこれからについて解説するとともに、論説、事例の紹介、座談会等を通して、移行期間に向けて何をするべきかなどについて考えます。
 また、特集2のテーマは、「考えを形成する学習の在り方」です。国語科における「考えの形成」の指導の基本的な事項を整理するとともに、「考えを形成する学習の在り方」に着目した事例を紹介します。

※詳細は、こちらを御覧ください。
初等教育資料(※株式会社東洋館出版社ウェブサイトへリンク)

(お問合せ先)
初等中等教育局教育課程課教育課程第一係
電話:03-5253-4111(内線2916)

□【発行】『中等教育資料』2月号について

 〔初等中等教育局教育課程課〕 
 2月号では、「主権者として求められる資質・能力を育む教育の充実」と題して、中等教育に関わる各教育機関の取組等について特集しています。解説、論説に加え、教育委員会、中学校、高等学校における主権者教育の実践研究を紹介しています。

※ 詳細は、こちらを御覧ください。
中等教育資料(※学事出版株式会社ウェブサイトへリンク)

(お問合せ先)
初等中等教育局教育課程課教育課程第三係
電話:03-5253-4111(内線3706)

□【コラム】「高校生のための学びの基礎診断」とは

  〔初等中等教育局主任視学官 滝波 泰〕
 今回は、高大接続改革の一環で検討している「高校生のための学びの基礎診断」(以下「基礎診断」)の検討状況について御紹介します。
 基礎診断は、もともと教育再生実行会議や中央教育審議会における審議、その後の高大接続システム改革会議における議論を踏まえて平成28年3月に取りまとめられた最終報告で「高等学校基礎学力テスト(仮称)」として高等学校への導入が提言されたものです。
 その後の更なる検討や試行調査の結果を踏まえ、平成29年7月に文部科学省が策定した高大接続改革に関する実施方針において、名称を「高校生のための学びの基礎診断」に改めるとともに、高校生に求められる基礎学力の確実な習得と生徒の学習意欲の喚起を図ることを目的として導入することとされました。
 具体的には、文部科学省が一定の要件を示し、民間の試験等を要件に沿って認定する仕組みを作り、基礎学力の定着度合いが測れる多様な測定ツールが整備され、各学校で利用されることを通じて、学校における指導の充実を図り、PDCAサイクルの取組を促進していくことが狙いです。
 現在、専門家による検討WGで認定基準等について平成29年度中の成案を目指して検討中ですが、そのポイントについて以下御紹介します。
 各学校が教育目標を設定し、それを踏まえて教育課程を編成し、日々教育指導を行う。その結果、生徒がどの程度基礎学力が身に付いているかを把握し、その結果に基づき事後の指導の改善・充実を図る。どの学校でもカリキュラム・マネジメントに基づき、そうした教育指導のPDCAサイクルを回していることと思います。
 Checkに当たる部分として種々の測定ツールがある中、基礎診断も利用できるようにしていきたいと考えています。
 受検は任意の希望参加型ではありますが、各学校は教育指導のPDCAサイクルを回す中で、説明責任を果たせるように指導と評価を一体的に実施していく必要があると考えています。基礎診断は生徒にとってみると一人一人の生徒の学力の定着度合いをしっかり測定し、学習改善に活かせるフィードバックがされますし、各学校にとっても分析・助言が付されたフィードバックがされます。
 このように、基礎診断は学校がカリキュラム・マネジメントに基づき、PDCAサイクルを回し、説明責任を果たす上で有用なツールとなるものです。
 基礎診断は順位付けや選抜を目的とした試験ではなく、学習指導要領に示す目標に照らして一人一人の生徒の基礎学力がどの程度定着しているかを把握するための目標準拠型の測定になります。また、測定ツールごとに測定しようとする資質・能力の具体的内容や難易度などが異なりますので、一律の到達目標に達しているかどうかを判定するような性格の試験でもありません。
 生徒が「やればできる」「やったらできた」という学習意欲が湧き起こるような工夫を民間の事業者に求めたいと考えています。そのため、民間の創意工夫が最大限に発揮でき、切磋琢磨していく仕組みが重要であり、情報開示を重視して要件を設定することとしています。
 基礎診断として認定された各測定ツールについては、名称、事業者名、主な対象者、目的・概要などの基本的な情報を一般に一覧表示するほか、測定しようとする資質・能力の具体的内容などの測定ツールの設計デザインを明らかにする書類なども併せて表示し、教育委員会や学校等が相応しい測定ツールを吟味・選択する材料にしていきます。
 出題内容については、まず国数英から始めていきます。学校や生徒の状況に応じて3教科セットでの利用のほか、教科ごとの組合せ、あるいは認定された測定ツール以外でも都道府県の学力調査や校長会が実施する職業に関する専門教科の検定などと組み合わせた利用などもできます。
 知識・技能を問う問題に加え、思考力・判断力・表現力等を問う問題の出題も求めます。測定ツールごとに設計デザインや難易度などが区々となりますが、共通必履修科目の内容を重視した標準タイプと、主に学び直しの要素として義務教育段階の内容を重視した基本タイプの2タイプに大まかに区分した上で、十分な情報開示の下、学校や生徒の実情に応じて適切な測定ツールを選択できるようにしていきます。
 ところで、平成29年秋に事業者向けに行ったアンケート調査によると、多くの事業者が測定ツールの認定に向けた申請を検討しており、認定基準に適合する測定ツールの新規開発を検討するものがあるほか、既存の測定ツールを認定基準に適合するよう改良を検討するとしているものが多数あります。このことから、多くの学校で利用されている測定ツールが、認定制度の開始後は認定された測定ツールに置き換えられたり、現在未利用の学校でも認定された測定ツールが利用されるようになっていくことが考えられます。
 各学校が多様な測定ツールの中から自校に相応しいものを選択する際、各都道府県教育委員会等の役割、位置付けも重要です。設置者は、各学校の状況を把握して必要な支援を行う立場にあり、各測定ツールについて十分研究し、各学校での活用方針や支援策などを示していくことが重要になってくると考えています。
 今後の社会のグローバル化の進展を考えると、高校段階で英語の4技能をしっかり育成することが大切です。各学校における指導の中で特に「話す」技能の育成・評価に課題があり、次期学習指導要領に向けて、4技能のバランス良い育成・評価を進めることがますます重要になってくると考えています。
 一方で、基礎診断制度を円滑に運用開始していくことも重要です。英語単独測定ツールと国数英3教科セット測定ツールとで、4技能測定機能の具備の現状に差があるのが実情であり、運用開始時点で認定基準に経過的な取扱いを設ける方向で検討しています。
 また、2020年度から始まる大学入学共通テストにおいて英語の民間資格・検定試験が活用されることになっています。それとの関連で、例えば英語の単独測定ツールについて、高3の本番に先立ち高1、2でトレーニング的に基礎診断の認定を受けたツールを活用するといった方法も考えられましょう。
 さて、今後の予定ですが、検討WGにおける議論を経て認定基準等を平成29年度内に策定し、平成30年度から運用開始していく予定です。6月末まで事業者から申請受付、7~9月に専門家による審査、10~11月に基準に適合する測定ツールを認定のうえ教育委員会等への情報提供を行い、各学校の年間指導計画に位置付けるなどして多くの学校で御利用いただけるよう環境を整えていくつもりです。
 今後も認定基準の策定など節目で積極的に広報・情報発信していく予定ですので、御注目いただければと思います。
 高等学校教育の質の確保向上、とりわけ基礎的な学力の保証の在り方については、これまで種々の議論が重ねられてきました。基礎診断はこれまで提起されてきた高校教育を巡る諸課題を一遍に解決できる「魔法の杖」ではありませんが、運用開始後も引き続き充実・発展に努めていくつもりです。高等学校教育の質の確保向上のため、是非多くの教育委員会、学校等で高校生の基礎学力の定着に向けた取組を進める中で、基礎診断の活用について積極的に御検討いただけることを期待しています。
 また、民間の事業者には、我が国社会が今後も持続的に発展していくことができるよう、高大接続改革の理念を踏まえた質の高い測定ツールの開発・提供に向けて御尽力いただけることを願っています。

※詳細は、次のURLを御覧ください。
高校生のための学びの基礎診断


(平成30年1月26日配信)

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