初中教育ニュース(初等中等教育局メールマガジン)第283号

[目次]

□【シリーズ】「地域による学校支援活動」村づくりは人づくり 人づくりは教育から~地域教育コーディネーターを核に~(岩手県田野畑村)
□【お知らせ】平成28年7月の文部科学省選定作品(学校教育教材等)の紹介について
□【お知らせ】ホストタウンの推進について
□【お知らせ】文化遺産国際協力コンソーシアム設立10周年記念「文化遺産からつながる未来」の開催について
□【発行】「教育委員会月報」、月刊「初等教育資料」、月刊「中等教育資料」
□【連載】地方教育行政実務研修生によるリレートーク88

□【シリーズ】「地域による学校支援活動」村づくりは人づくり 人づくりは教育から~地域教育コーディネーターを核に~(岩手県田野畑村)

〔生涯学習政策局社会教育課〕

  岩手県田野畑村では、少子化・高齢化・過疎化の中で、「村づくりは人づくり、人づくりは教育から」のテーマのもと、学校支援地域本部事業をとおして、「地域ぐるみの子育て」、「住民自らの学習成果を生かす場」の更なる拡充・創出に取り組んでいます。
  地域教育コーディネーターとして、6地区(旧小学校地区)の住民から1名を配置しその中から学校支援窓口担当コーディネーターを設け、学校との連絡調整を行っています。
  地域住民の知識や経験、特技等を生かした学校支援活動を行うとともに、多様な体験学習支援(農業体験や豆腐作り等)が実施できるよう、村内外の事業所・個人事業主やNPOと連携しています。また、広く村民の活動となるよう取り組んでおり、ボランティア登録者以外にも随時活動の支援者を募集するなどにより、人口約3,600人の田野畑村において、延べ600人を超えるボランティアが活動に参加しています。
  また、学習塾と連携して、中学生の学習支援を土曜日に行っており、学習の場を定期的に提供することにより、生徒の学力向上を目指しています。さらに、パソコンを活用した学習を取り入れ、生徒の興味関心を喚起しながら、ICTスキルの獲得にもつなげています。
  地域コミュニティ再生の手がかりとなるよう、地域と学校のより一層の協働を目指しながら事業を展開しています。

(お問合せ先)
社会教育課 地域・学校支援推進室
地域学習活動推進係
電話:03-6734-3260


□【お知らせ】平成28年7月の文部科学省選定作品(学校教育教材等)の紹介について

                                                 〔生涯学習政策局情報教育課〕

  文部科学省では、映画その他の映像作品及び紙芝居について、教育上価値が高く、学校教育又は社会教育に広く利用されることが適当と認められるものを選定し、併せて教育に利用される映像作品等の質的向上に寄与するために、教育映像等審査規程(昭和29年文部省令第22号)に基づいて映像作品等の審査を行っています。
※以下、文部科学省特別選定を「特別選定」、文部科学省選定を「選定」として、【作品名】/申請者/利用対象の順に記載しています。
○紙芝居(選定)
・【まつりのひ】/公益社団法人「小さな親切」運動本部/小学校(低学年)児童向き/小学校(中学年)児童向き/少年向き
・【さんごのくにのおきゃくさま】/株式会社童心社/幼稚園等幼児向き/小学校(低学年)児童向き/幼児向き
・【ちゃんぷくおばけ】/株式会社童心社/幼稚園等幼児向き/幼児向き
・【やつばけずきん】/株式会社童心社/幼稚園等幼児向き/小学校(低学年)児童向き/幼児向き
・【ざしきわらし ほーいほい!】/株式会社童心社/幼稚園等幼児向き/小学校(低学年)児童向き/幼児向き
○DVD(選定)
・【海の恵みと日本人 イワシ】/株式会社クワッド/中学校生徒向き/高等学校生徒向き
・【地球温暖化 実現のカギは・・・】/株式会社映学社/中学校生徒向き/高等学校生徒向き/少年向き/青年向き
・【ここに居るさ】/有限会社創映舎/青年向き/成人向き
・【地域の人々を戦力に 自主防災の新しい挑戦】/株式会社映学社/成人向き
・【なぜ防げないの!地球温暖化】/株式会社映学社/少年向き
・【異常気象 地球で今、何が・・・ 地球温暖化対策を考える】/株式会社映学社/成人向き
・【知っておこう 個人情報のトラブル】/有限会社鹿児島文化企画/青年向き

(お問合せ先)
情報教育課 メディア係                                            
電話:03-5253-4111(内線2417)


□【お知らせ】ホストタウンの推進について

〔内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部〕

  政府では、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に参加する国・地域との人的・経済的・文化的な相互交流を図る地方公共団体を「ホストタウン」として全国各地に広げる取組を進めています。
  本年6月の時点で全国91件が登録されています。
  ホストタウンが行うオリンピアン・パラリンピアンとの交流イベントは、財政支援の対象になります。学校等におかれましても、地元自治体のホストタウンの取組みと連動して、子ども達に夢や希望を与える機会を作ってあげられないか、是非御一考ください。
※詳細はホストタウンの推進について(※首相官邸のホームページにリンク)を御確認ください。

(お問合せ先)
東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会
推進本部事務局 企画調整担当 電話:03-3581-0163


□【お知らせ】文化遺産国際協力コンソーシアム設立10周年記念「文化遺産からつながる未来」の開催について

〔文化遺産国際協力コンソーシアム事務局〕

  文化庁は、国際交流基金アジアセンター及び文化遺産国際協力コンソーシアムと共催で、度重なる紛争や自然災害など、以前にも増して文化遺産の保護と活用に対する脅威が広がっている今日において、文化遺産に関する我が国の国際協力は今後どうあるべきか、将来においてどのような協力が可能なのか、また、その実現のために何をすべきかについて考えるシンポジウムを開催します。
  長年にわたり、海外の文化遺産に携わってきた専門家による、現場からの視点のお話が聞ける機会となっております。お誘いあわせの上、是非御参加ください。
  なお、参加には事前申込みが必要です。
◆タイトル:文化遺産国際協力コンソーシアム設立10周年記念「文化遺産からつながる未来」
◆日時:平成28年9月25日(日曜日)13時30分~17時30分(開場12時30分~)
◆会場:TKPガーデンシティ品川(東京都港区高輪3-13-3)
◆参加費:無料
◆プログラム:
開会
講演1「文化遺産を支える人々の輪―混迷つづく国際社会の中で」岡田保良(国士舘大学イラク古代文化研究所所長)
講演2「「クローン文化財」の文化遺産への活用と意義―デジタルとアナログを組み合わせた技術による人材育成」宮廻正明(東京藝術大学教授)
講演3「文化遺産保存に対するJICAの取組―誰一人取り残されない世界の実現をめざして―」江島真也(国際協力機構企画部長)
ディスカッション「コンソーシアムの課題と展望」
司会:関雄二(国立民族学博物館教授)
参加者:ニュン・ハン(東南アジア教育大臣機構考古学・美術センター上級研究員)
           青木繁夫(東京文化財研究所名誉研究員)ほか講演者3名
閉会
※大会の詳細及び参加申込みフォームは、文化遺産国際協力コンソーシアム事務局のホームページ(※文化遺産国際協力コンソーシアム事務局のホームページにリンク)を御確認ください。

(お問合せ先)
文化遺産国際協力コンソーシアム事務局
電話:03-3823-4841
(本件担当)
伝統文化課 文化財国際協力室
電話:03-6734-2870(直通)


□【発行】月刊誌について

〔初等中等教育局〕

<教育委員会月報>
文部科学省の実施する施策の論説・解説や各都道府県・市町村教育委員会の特色ある取組等の紹介など、全国の教育関係者に有用な教育行政に関する情報を提供している月刊誌です。
8月号の特集は「教育旅行の復活に向けた取組について」です。
※詳細は教育委員会月報(※第一法規株式会社のホームページにリンク)を御確認ください。
(お問合せ先)
初等中等教育企画課 教育委員会係
電話:03-5253-4111(内線4678)

<月刊「初等教育資料」>
  小学校教育及び幼稚園教育の充実を図るため、教育課程や学習指導をはじめ、初等教育をめぐる諸課題について、参考となる考え方や実践事例、教育行政に関する情報や全国の教育事情など最新の情報を紹介している月刊誌です。
  8月号の特集は「1カリキュラム・マネジメントの充実 2豊かな表現力を育む『書くこと』の授業づくり」です。
※詳細は初等教育資料(※株式会社東洋館出版社のホームページにリンク)を御確認ください。
(お問合せ先)
教育課程課 教育課程第一係
電話:03-5253-4111(内線2903)

<月刊「中等教育資料」>
現在、中央教育審議会教育課程部会において、次期学習指導要領に向けた議論が進んでいます。8月号では、「理科」「理数探究(仮称)」「芸術(音楽、美術、工芸、書道)」を取り上げ、各教科等別の検討状況の報告や、各教科等において育むべき資質・能力についての考察を特集しています。
中等教育資料(※学事出版株式会社のホームページにリンク)
(お問合せ先)
教育課程課 教育課程第三係
電話:03-5253-4111(内線3706)


□【連載】地方教育行政実務研修生によるリレートーク88

 「鹿児島から参りました」

                                              初等中等教育局 財務課           
児玉恭子(鹿児島県教育委員会)

  鹿児島と言えば、皆さんは何を思い浮かべられるのでしょうか。桜島?屋久島?黒豚しゃぶしゃぶ?西郷どん?そういえば、こちらへきて「鹿児島弁しゃべってみてください。やっぱり『~どん』とか『ごわす』とか言うんですか?」と聞かれました。かなり特徴のあるイントネーションではありますが、「ごわす」は使いません。
  こちらへ来て一番嬉しかったのは、皆さんが鹿児島や鹿児島の学校について大変興味をもっていろいろと尋ねてくださることでした。中学校の英語教員である私が文部科学省で一体何ができるのだろうと不安も抱えながら4月に参りましたが、学校現場の声を聴こうとしてくださる皆さんのおかげで、この環境に慣れることができたように思います。
  そして、鹿児島のことを話したり他府県のお話を聞いたりすることで、改めて広い視野から客観的に鹿児島の教育について見直し、考え直す機会をいただいています。教育制度に関してのみならず、教育観についても、です。
  もう少し、鹿児島の話をさせていただきます。西郷や大久保など日本の黎明期をリードした偉人を排出した鹿児島は、古くから教育を重んずる土地柄です。よく耳にする薩摩の教えが「負けるな、嘘を言うな、弱い者をいじめるな」であり、島津忠良が人としての道を諭した「日新公いろは歌」や、年上の者が年下の者を世話する「郷中教育」は、現代にも大きな影響を及ぼしています。また、広く外の世界に学ぶべしと19名の若き薩摩藩士が薩摩英国留学生として1865年に旅立ち、これが日本近代化の大きな一歩となりました。
  このような教育的な伝統や風土に支えられている鹿児島には、離島部を含め南北600kmにわたり約750校の小・中学校があり、その規模や支える地域環境は様々です。
  私は4中学校しか経験しておりませんが、それぞれに特色があり、忘れがたい学校ばかりです。4校目にいたのは薩摩川内市の甑島というところで、島には高校がないので生徒たちは中学卒業と同時に親元を離れ、高校へ進学します。「15の島立ち」です。3月、ご家族や地元の子供たちが涙ながらに船が見えなくなるまで手を振る姿を見ていると、中学校卒業までに、社会に順応できるだけの力、どこへ行っても自分らしく頑張れる力を何とか身につけさせなければと、義務教育と教員の責任の重大さを感じていました。
  今年4月1日、落ち着かない気持ちで文科省財務課の椅子に座りました。パソコンを開けると「新年度スタートに当たってのお願い」という課長からのメールがありました。その中に「国民、学校教育現場、子供たちへの愛情、責任感、使命感の発露、そして、『実』を上げることで勝負しましょう。」とありました。文科省の方が私たち教員と同じ気持ちでいてくださるのだと感激しました。改めて頑張らねばと思いました。
  ここで研修生として皆さんと一緒に仕事をさせていただいていることに、今、心から感謝しています。3月まで精いっぱい頑張らせていただきたいと思います。
  次回のリレートークは鳥取県から派遣された文部科学省研修生、松本博さんです。



お問合せ先

初等中等教育局

「初中教育ニュース」編集部
電話番号:03-5253-4111

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-- 登録:平成28年08月 --