参考資料4 委員提出資料 2020年10月2日 協議会で検討すべき論点について 筑波大学附属視覚特別支援学校(日本弱視者ネットワーク) 宇野和博 I 公立図書館等の障害者サービスの充実(第9条関係) @ 公立図書館等におけるアクセシブルな書籍等の紹介コーナーなど、アクセシブルな書籍を充実させるための施策やその他のバリアフリー化を推進するために、第6条に基づき、何らかの予算措置を講じられないか。 A 点字図書館の利用対象者を公的に拡充できるか。 II サピエ、国立国会図書館のネットワークに関する課題(第10条関係) @ サピエの利用対象者を法的に視覚障害者以外にも拡げられるか。 A サピエ図書館の財政基盤の安定化策 B サピエ図書館と国立国会図書館の将来的な連携と役割分担のあり方 ・それぞれが扱うデータ形式の種類が異なっている問題をどうするか。 ・データの双方向の共有はできないものか。または、コンテンツだけでも国立国会図書館に一元化できないか。 C サピエ・国立国会図書館のネットワークと全国の公立図書館等をつなげていく方策 III 出版社からのデータ提供(第11条第2項関係) @ 基本計画にある「流出の防止、作成に係る費用負担の在り方、管理する仕組み等の課題」を解決していくには? A @の解決に目途が立てば、その具体的な施策の進め方 ・出版社からデータを受け取る窓口 ・出版社から窓口機関に提出するデータの形式 ・出版社のインセンティブの創出 ・窓口機関の役割 ・窓口機関から点字図書館や公立図書館等へのデータ提供の仕組み IV 出版社からのデータ販売促進(第12条関係) @ 基本計画にある「流出の防止、作成に係る費用負担の在り方、管理する仕組み等の課題」を解決していくには? A @の解決に目途が立てば、その具体的な施策の進め方 ・出版社が管理機関に提出するデータの形式 ・出版社のインセンティブの創出 ・管理機関の役割 ・管理機関から視覚障害者等へのデータ販売の仕組み V 読書端末機器の入手支援(第14条関係) @ 地方自治体に決定権があるというものの、日常生活用具としての読書支援機器の補助について視覚障害以外にも対象を広げることを促す方法はないか。 2020年10月2日 協議会での検討事項について DPI日本会議 見形 信子  ●公立図書館等の障害者サービスの充実(第9条関係) @ 公立図書館等におけるバリアフリー(インクルーシブ)化を推進するために、当事者研修を受けた司書、読書支援コーディネーターの確保など、書籍のハード面だけでなくソフト面でのフォローが必要。予算確保を検討してほしい。 A 点字図書館の利用対象を肢体不自由者・上肢障害者も対象にする。 ●サピエ、国立国会図書館のネットワークに関する課題(第10条関係) @ サピエの利用対象者を確実に肢体不自由者・上肢障害者を入れてほしい。 A サピエ図書館の財源保障を考える B サピエや国立国会図書館データは点字図書と録音図書が大半だが、画面上に文字が出るデータも増やせないか。 ● 出版社からのデータ提供(第11条第2項関係) @電子書籍義務化できないか。【図鑑・洋書などのデータも】 A音声だけでなく、画面上に文字が出る媒体(テキスト、マルチメディアデイジーなど)の図書データが必要。 ●読書端末機器の入手支援(第14条関係) @日常生活用具としての読書支援機器のデイジープレイヤーの対象に肢体不自由者に広げていく。 Aデイジーアプリの販売価格の一般化(普及させるにはやや高いため)推進できないか。 令和2年10月2日 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する関係者協議会基本的な計画に基づく施策の進め方について 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合情報部長 三宅隆 1.WG単位での議論の必要性 国の基本計画が策定された今、次の段階として、各事業ごとに議論を深める必要があります。 今後の進め方として、すべての議論を関係者協議会全体で行うのではなく、まず「借りる権利」あるいは「買う自由」という中で関係する委員によるWGを開催し、課題整理をした上で協議会の場で検討することが必要だと思われます。 2.地域での取り組みを評価する仕組みの構築 国の基本計画を基に、各地域でも基本計画が策定され、視覚障害者等の読書環境の整備が徐々に推進されていきます。 しかし、多くの地域ですぐに環境整備が推進されるとは限らないため、先行する地域の取り組みについて、視覚障害者等も参加する検討会により評価し、まだ取り組んでいない地域への参考となるよう示していく必要があります。 3.図書館間のデータ連携 視覚障害者等が各図書館の蔵書をスムーズに利用するためには、どこの図書館がどのようなアクセシブルな図書を所蔵しているか書誌情報を共有しておく必要があります。まずは、 公共図書館、大学図書館、学校図書館、サピエ図書館、国会図書館等のアクセシブルな図書の書誌情報を共有化し、視覚障害者等がどこの図書館からでも利用できるようネットワークを構築する必要があると思われます。 4.アクセシブルな図書の優先度をつける 現存するさまざまなデータ形式を、すぐに利用できるものとそうでないものに分類し、すぐに利用できる形式については利用できるための環境整備を優先的に進めていき、並行してすぐに利用できない形式についてはどのような処理等が必要なのかを検討する必要があると思われます。 5.アクセシブルな書籍を製作した出版社に対し、表彰や認定を行う 視覚障害者等が利用できるアクセシブルな書籍の製作・販売をした出版社に対し、表彰、またはアクセシブルな書籍に対する認定・報奨を与えることで、よりアクセシブルな書籍の製作に取り組めるのではないかと考えます。 このような仕組みの在り方について検討する必要があると思われます。 6.出版社がアクセシブルなデータに関する相談窓口や下請けに出せる仕組みの構築 出版社がアクセシブルなデータの製作について相談できる窓口や下請けする仕組みを構築する必要があると思われます。 例えば、国等から補助金をコンテンツ制作する出版社等につけることで、出版社等はアクセシブルな書籍の製作向上につながっていくと考えられます。 また、相談窓口や下請けに視覚障害者等が携わることで、新たな雇用につながる可能性もあると思われます。 7.電子書籍データを他のビューアでも読める仕組みを作る 既存の電子書籍データを専用のビューアだけで読めるようにするのではなく、視覚障害者等が利用しやすいDAISYプレイヤ等、他のビューアでも読める仕組みについて研究開発をする必要があると思われます。 また、電子書籍ビューアを視覚障害者等が適切に利用できるかを確認する、あるいは開発段階から参加できる場を作ることも必要と思われます。 8.電子書籍がアクセシブルなものかをチェックする認定機関の設置 製作された電子書籍がアクセシブルなものかをチェックし認定する視覚障害者等が参加する認定機関の設置が必要と思われます。 9.日常生活用具給付制度の対象拡大 視覚障害者が利用できる読書支援機器について、多くの自治体が1、2級の視覚障害者を給付対象としています。 しかし、他の等級の視覚障害者においても読書支援機器のニーズがあることから、多くの読書に困難を生じている視覚障害者が利用できるよう、各自治体に対して通知等を発出する必要があります。