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道徳教育xHERO なぜ 道徳教育xHERO? ドラマ出演者インタビュー イベントレポート

ドラマ出演者インタビュー

吉田羊さん
馬場礼子役

 みんなが自分の主張ばかりするのではなく、相手を思いやって、大きな愛を育む日々をみなさんには送っていってほしいなと思っています。

吉田羊さん 馬場礼子役

 吉田さんは、このドラマ「HERO」で検事・馬場礼子を演じておられるわけですが、吉田さんが子供時代にあこがれていたヒーロー・ヒロイン像や具体的な人物などがいらっしゃいましたら教えていただけますでしょうか。

吉田羊さん 馬場礼子役 私にとっては、小さい頃から母がヒーロー、いえ、ヒロインでしたね。例えば、学校でいやなことがあったとしても、私が家に帰るとすぐに「何かあったの?」と、それをくみ取ってくれて、必ず何らかのアドバイスをくれるんです。時として、それは具体的・直接的な解決策ではない場合もありましたが、いつも私の心に響く言葉をくれて、私を勇気づけてくれました。
 そういうふうに、苦しいときでも顔を上げさせて、前に進むための力をくれる母という存在が、私にとってのヒロインでしたし、自分自身もそういう人間でありたいということを目標として持っています。

 素敵なお母様ですね。日常生活でお母様がくださった言葉が吉田さんに大きな影響を与えたということですね。

 そうですね。母の言葉というのは私の一番パーソナルな部分を形作っているものですね。母は、日頃から「全てのことに感謝しなさい」ということを言っていました。
 また、「つらいことや悲しいことがあっても、そこに自分に何かを教えてくれようとしているヒントがあるはずだ」、「人は自分を映し出してくれる鏡だと思いなさい」、「苦しいときにこそ、自分に向き合って答えを見つけていきなさい」というようなアドバイスを折に触れてはしてくれました。

 苦しいことやつらいことがあっても、胸に刻んだお母様の言葉がそれを乗り越える原動力となってきたのですね。

 はい。瞬間的に、何かのせいや誰かのせいにしてしまいそうになったり、苦しいからもう駄目だとあきらめてしまいそうになったりすることもありましたが、最終的には、「いや、でもちょっと待てよ、自分にも改善できることがあったんじゃないか」とか、「これはきっと何かの試練に違いない。何か答えを導き出すチャンスなんだ」というように、発想をうまく転換できるようになりました。それに関しては母に大きく感謝していますね。人を恨むのではなくて、まずは自分のことに立ち返って考えるということを教えてもらった気がします。

 対人関係で何かトラブルになりそうになっても、原因を相手方ばかりに求めるのではなく、自分にも原因があるんじゃないかと内省することで、よりよい解決策を導き出すことにもつながっていくかもしれませんね。

 人間の脳には、音声として耳から入ってきた話題については、その主語を判別できない部分があるというような話を聞いたことがあります。例えば、「あの人、本当にむかつくわね」と悪口を言ったとすると、誰か別の人に対して発した言葉のはずなのに、自分のことをむかつくと言われているように脳が誤認識してしまうことがあるので、自分の口から出す言葉は、美しい言葉やポジティブな言葉を出していった方がいいのだそうです。ある意味、それは母の教えにも通じるものがあるなと思っています。人を否定するのではなく、まずは自分のこととして考えるということも、ポジティブに発想を転換することだと思うので、意外と真理だったのかもしれません。

 吉田さんは日常生活でもポジティブな言葉を出そうと心がけているということですね。

 そうですね。ふだんからネガティブな言葉はなるべく使わないようにしています。ネガティブな言葉を使っていると、どんどん自分の中にたまっていって、気分が落ち込んでくるんですよね。これはよくないなと思っています。自分で自分を傷つけているような気がするので、なるべくポジティブな言葉を使うように気をつけています。

 吉田さんが子供の頃に受けた道徳の授業で印象に残っていることがあれば教えていただけますでしょうか。

 通常の道徳の授業は、当然ながらいつもの教室で受けていたのですが、あるとき、体育館に集められてみんなで映画を見たことがありました。今となっては、その映画の内容はおぼろげにしか覚えていないのですが、そのときの先生たちから伝わってくる張り詰めた感じや真剣さがとても印象的でした。先生たちが丁寧に扱おうとしているこの事柄はとても大切なことなんじゃないかと、子供心に敏感に感じ取ったのでしょうね。
 ですから、子供たちに道徳について教える場合も、まず、大人が「これは大切なことなんだ」という空気や心構えみたいなものをしっかりもつことが大事なのだろうと思いますし、そうすることで子供たちの記憶に残る道徳教育につながっていくのではないかなと思います。

 記者会見の場や撮影の様子を拝見させていただいたのですが、張り詰めた緊張感がある一方で、柔らかないい空気を感じました。吉田さんが撮影現場で大切にされていることや気をつけていることなどがあったら教えていただけますか。

吉田羊さん 馬場礼子役 私は、基本的に「HERO」の現場だけではなく、どこの現場でもそうですが、共演者やスタッフの方々とコミュニケーションをしっかりとるように心がけています。それは、お芝居のチームワークの精度を上げるという目的だけではありません。人とちゃんと向き合って話をすれば、相手の心に触れることができるし、相手の大切にしていることを感じることができます。それらを共有できれば、相手の方に「この人は自分に興味をもってくれているんだな」と思ってもらえ、逆に相手の方も私に興味をもってくれるようになる。そうしてお互いが思い合えば、現場は平和で精神衛生上健康になります。誰もが笑顔でいられる空間づくりが理想です。

 コミュニケーションを深めていくことによって、相手のことを知り、自分のことも知ってもらい、それがより良い作品作りにもつながっていくということですね。

 そうですね。コミュニケーションをとても大切にしているというのは、今回のドラマの主人公である久利生公平にも少し通じる部分があるのではないかと思っています。真実を追い求めるという姿勢のもっと手前の大前提として、人と人が向き合うことで何かが見えてくるのではないかということを、久利生検事はとても大事にしていると思っています。

 たしかに、久利生検事は関係者から話を聞いたり、被疑者としっかり向き合ったりして、かくされた真実を明らかにしようとする姿勢が印象的です。
最後に、子供たちや先生方に向けてメッセージをいただければと思います。

 私は、「人を思いやる心」というものを育てることが大事だなと感じています。みんなが自分の主張ばかりするのではなく、相手の立場に立って物事を考えることができるようになれば、私たちの身の回りで起こっているけんかや犯罪、さらには、戦争などもなくなっていくのではないでしょうか。是非、相手を思いやって、大きな愛を育む日々をみなさんには送っていってほしいなと思っています。

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