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道徳教育xHERO なぜ 道徳教育xHERO? ドラマ出演者インタビュー イベントレポート

ドラマ出演者インタビュー

杉本哲太さん
田村雅史役

人としてどうあるべきか。人が100人いれば100通りの答えがあるかもしれませんが、何が正しいのかを自分で見極め、判断できるようにしていくことが大切だと思います。

杉本哲太さん 田村雅史役

 杉本さんはこの「HERO」というドラマで検事・田村雅史を演じられているわけですが、杉本さんが子供時代にあこがれていたヒーロー像とはどういうものでしたか。具体的にあれば、その理由なども含めて教えていただけますでしょうか。

 小学生の頃は、特に戦闘ものや仮面ライダーなどが好きでした。そういうテレビ番組やアニメに出てくるような弱い者を助けてくれるヒーローは、「手の届かない存在」というか、「雲の上の存在」というか、小学生だった僕の中ではものすごく特別な存在でしたね。

 杉本さんが子供の頃、学校の道徳の授業で何か印象に残っていることはありますでしょうか。

 当時の学校には、教室の隅、ちょうど教壇の横あたりに、扉の付いた大きな箱が置かれていて、その中には今のように薄い液晶テレビではなく、分厚いブラウン管テレビが入っていました。ふだんそれは使われることはなかったのですが、週に1回、道徳の時間のときにだけその扉が開いて、テレビが見られるっていうのがうれしかったことを覚えています(笑)。

 どういう番組を見ていたのでしょうか。

 そのテレビで見ていたのは、NHK教育テレビの番組などだったと思うのですが、単に先生から「これはこうで、こうなんだよ。」と言葉で伝えられるよりも、メディアを1つ挟んで見ることで何かを感じたり、考えたりする。そういうプロセスが当時の自分にとっては大切だったのかなと思います。先生から直接的に教わったり、聞いたりすることも大切なのでしょうが、自分で見て、考えて、後で「これはこういうことだったのかな。」と振り返ってみる時間というものも必要なのではないかと思います。

 杉本さんが俳優というお仕事をするようになってから、御自身が抱いていたヒーロー像というものは子供の頃に比べてどのように変化してきましたか。

 子供の頃は、ヒーローとは「手の届かない存在」とか「雲の上の存在」と思っていたわけですが、最近ドラマの仕事をやっていて思うのは、「ヒーローって意外と身近なところにいるんじゃないかな」ということです。
 身近なところとか、どこにでもいるっていうと少し安っぽく思えてしまうかもしれませんが、誰でもヒーローになり得るんじゃないかと思うようになりました。
 例えば、今回のようなドラマの撮影の際には、メイクさんなども俳優と同じように朝から晩まで撮影に付き合ってくれていて、かなり疲れているはずなのですが、一日の撮影が終わったときに、「哲太さん、明日もよろしくお願いしますね。」と一言、声をかけてくれるのです。そういう声かけは、プロデューサーの方や制作の方から頂くことが多いのですが、それをスタッフであるメイクさんから頂くことで一層励まされ、力をもらい、「よし、明日も頑張ろう」と思えるものなんです。

 今の杉本さんにとっては、御自身に力や元気をくれる身近な存在の方がヒーローということなのですね。

 はい。それは自分に対して投げかけられる言葉だけではなく、誰かの行動に感じることもあります。例えば、撮影の際、照明部の方がものすごく暑い中で、重い照明機材をかついで頑張っている姿を見ると、「こっちも頑張らなきゃ。」って力をもらえるんです。ですから、意外とヒーローって自分の近くにいるんじゃないかなと思いますし、そのことに気付くか気付かないかは自分次第なのではないでしょうか。
 また、人からそう感じるのであれば、自分もこうすれば人に喜んでもらえるんだろうなということが分かるでしょうし、人にも同じようにしてあげられるということにつながるのではないでしょうか。

 何度か撮影現場を見学させていただいたのですが、張り詰めた緊張感がある一方で、とてもあたたかで一体感のある、いい雰囲気が漂っているように感じました。撮影中又は休憩中に気をつけていることや、大切にしていることなどはありますか。

田村検事 こういう連続ドラマというのは大体3か月から4か月程度かけて撮るのですが、今回のドラマに関しては、木村さんというリーダーがものすごく気さくな方で、かつリーダーシップもあって引っ張っていってくださるタイプですから、最初からとてもチームワークがよかったですね。それに加えて、俳優さんも、プロデューサーをはじめとしたスタッフさんも、撮影隊も含め、みんなの目標が1つにまとまっていました。
 よいドラマを作って、少しでも多くの方に見ていただき、何かを感じ取ってもらいたいという大きく明快な目標があって、みんなでそこに向かって4か月間、1つのチームとして進んでいくわけです。そういう意識が高まることによって、よい緊張感も生まれるのだと思いますし、みんなでコミュニケーションをしっかり取り合うことも大切にしていたので、和気あいあいとしている雰囲気も出てきたのかなと思います。

 やはり、コミュニケーションをしっかり取るということがチームワーク作りの基本なのですね。

 コミュニケーションを取るといっても、何も芝居のことだけ朝からずっと話しているのではありません。どういう演技をするのかとか、このシーンの意味やねらいは何かということについても当然話し合いますが、まずは日常のこととか、いわゆる世間話からコミュニケーションを取っていかないと始まらないと思うのです。
 幾ら1つの目標がはっきりあって、それを分かり合っているとは言っても、それはそれで、お互いに「やっぱりどう思う?」という意見交換が率直にできるようにするためには、くだらない話でもいいし、ふざけあってもいいから、とにかくコミュニケーションを大事にしないといけないなと思っています。

 ドラマの中で、田村検事が久利生検事の仕事の進め方を見て影響を受けたり、葛藤したりするシーンがありました。

田村検事
 久利生検事は、既に調書に記載されているようなことでも、自分で確かめないと気が済まないことがあると、事件の現場まで捜査しに行ったり、関係者から直接話を聞いたりしますが、田村はそういうことは省いてしまっています。仕事をどんどんこなしていくことに慣れてしまっているんでしょうね。
 しかし、久利生検事の「何か見落としていることがあるんじゃないか」、「新しく拾えることがあるんじゃないか」という姿勢や、物事に真摯に向かい合おうとする態度には、田村をはじめとする城西支部の面々に、忘れかけていた何かをもう一度思い起こさせるというか、基本や原点に立ち返ることの大切さに気付かせてくれるものがあるのだと思います。

 最後に、子供たちや学校の先生たちに向けて、何かメッセージをいただけます
でしょうか。

 ドラマの演者としては「是非このドラマを見てください。」ということに尽きるのですが、やはり、タイアップのポスターにも書かれているように、「正義ってなんだ?真実ってなんだ?」ということや、「人としてどうあるべきか。自分はどう生きるべきか。」という根本的な部分に着目してほしいですね。
 人間が生きていく上で、それは常に意識していないといけないことでしょうし、明確な答えは出ないことなのかもしれません。人が100人いれば、その答えも100通りあるのかもしれませんが、それらの中から、何が正しいのかということを自分で見極め、判断できるようにしていくことが大切なんだろうと思います。
 この「HERO」というドラマを通して、みなさんが何かに気付いたり、何かを感じ取ったりするきっかけになってくれればうれしいです。

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