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道徳教育xHERO なぜ 道徳教育xHERO? ドラマ出演者インタビュー イベントレポート

ドラマ出演者インタビュー

勝矢さん
小杉啓太役

いざというときに一歩踏み出せる人、人に流されず自分の信念を貫くことができる人がヒーローだと思います。

勝矢さん 小杉啓太役

 今回のドラマ「HERO」で、勝矢さんは警備員・小杉啓太を演じておられるわけですが、ドラマ出演が決まったときの率直な感想はいかがだったのでしょうか。

 今回のドラマ「HERO」で、勝矢さんは警備員・小杉啓太を演じておられるわけですが、ドラマ出演が決まったときの率直な感想はいかがだったのでしょうか。

 前シリーズの頃にはもう俳優というお仕事には関わられていたのでしょうか。

 すでに役者はやっていましたが、こういう番組とは別世界でしたね。当時はまだ全然売れていなくて、自分でノルマを払って舞台に上げてもらっていたり、たまにそれを見に来てくれた監督さんに声をかけていただいて、自主製作映画などの端役で出たりしていたので、ああいうテレビの人気ドラマに出ている方々と一緒に仕事をするというのとは程遠い感じがしていましたね。

 今回のタイアップでは、学校での道徳の授業に参加していただきましたが、授業を御覧になった感想はいかがだったでしょうか。

 子供たちは、テレビカメラが回っていたり、大人がたくさん周りにいたりしたので、最初は少し緊張しているのかなという感じでしたが、時間がたつにつれてリラックスしてきて、元気に意見を発表しているのが印象的でした。
 それと、先生のとても丁寧な授業ぶりに感心しました。僕が知っている昔の先生というのは、ちょっとふざけていると、「お前なにやってんだ、コノヤロー!」と雷が落ちるような感じでしたので(笑)。

 一昔前と比べると教室内での授業スタイルも、時代とともに少しずつ変わってきたのかもしれませんね。子供たちを取り巻く環境や、大人や社会との関わり方という点ではどのように感じていらっしゃいますか。

勝矢さん 小杉啓太役 昔の子供というのは、ドキドキしながら大人の世界を知っていくという感じがあったと思うんです。でも、そういう機会は実際にはなかなかなくて、あったとしても、少し上の先輩から聞きかじる程度という感じだったのではないかと思います。
 しかし、今の時代は、インターネットなどを通じて情報があふれています。そのあふれた情報の中で、自分はなんでも知っているつもりになってしまっているような子供もいるかもしれませんが、現実には、自分で実際に体験してみないと分からないことってあると思うんです。
 また、変に知恵がついてしまって、自分が悪いことをして先生に叱られているのに、すぐに「それは体罰だ」とはやし立てるような子もいると聞きます。体罰を肯定するつもりは全くありませんが、先生が愛情を持って叱ることすらためらわれるような風潮はよくないと思いますね。悪いことをしたら怒られるというのは当たり前のことであって、大人になればなるほど、世の中にはもっと理不尽なこともたくさんあるということが分かってきます。そういうことも学校にいるうちにもっと知っておいた方がいいのかもしれませんね。

 勝矢さんがこれまでに大きな影響を受けた人や言葉などがあれば教えていただけますか。

 僕は小さい頃からサッカー選手になりたかったのですが、21才のときにサッカーをやめることになり、夢も生きがいも失ってしまいました。何に対してもやる気がなくなり、半年くらいは荒れた生活を送っていたのですが、このままではいけないと思い、役者の世界で頑張っていこうと決めました。ある大先輩から言われた「芝居でメシが食べられていないのは役者ではない。」という言葉はよく覚えています。
 また、別の方からは、「『仕事としてできている』というラインと『この人になら安心して任せられる』というラインがあるんだよ。あなたはまだ『仕事としてできている』というラインだから、その先を目指しなさい。」というアドバイスをいただきました。ですから、その「安心して任せられる」ラインを越えられるようになろうと思って努力しています。

 そういうアドバイスをしてくださる方々に出会えたというのは素晴らしいことですね。色々な人との出会いを生かしたり、チャンスを自分のものにしていったりする秘訣のようなものはあるのでしょうか。

勝矢さん 小杉啓太役 自分に対して素直であるということや、自分に嘘をつかないということですね。「嫌なことは嫌」、「できることはできる」ということをはっきりさせなくてはだめなのではないでしょうか。ただし、嫌と言っても「しんどいから嫌」というのはちょっと違うんじゃないかなと思います。僕はどんなことでもポジティブに楽しみながらやれるタイプですから、あまり落ち込むこともないし、うまくいかないことがあったとしても、それは結局自分のせいだから、自分自身を変えていくように心がけています。
 それと、自分の良さというのは自分ではよく分からないので、人が「良い」と言ってくれた部分は受け入れようと思っています。人から聞いた自分の良さを自分自身が否定しては、評価をしてくれたその人に対して失礼ですし、「自分はだめなヤツだ」なんて思うのは、自分を育ててくれた親に対しても失礼な気がしますからね。

 人との関わり方やコミュニケーションで気を付けていることはありますか。

 自分の根本の部分は変えませんが、先輩のことは立てるようにしています。それから、人が嫌がってやらないようなことこそ率先してやるということですね。先輩方からは恩をもらってばかりなのですが、皆さん一様に「私には何も返さなくていいから、その分をあなたの下の人たちに返してあげなさい。」と言ってくださいます。でも、やはり何か恩返しはしたいと思いますので、お世話になった方に何か困ったことなどがあった時には、身一つでも駆けつけて、自分にできることを聞くようにしています。

 勝矢さんにとってのヒーロー像とはどのようなものでしょうか。

 昔はロック歌手、プロレスラー、サッカー選手などが自分にとってのヒーローでした。大勢の人に見つめられている緊張感の中でも力を発揮して、しっかり結果を出していく人ですね。
 今は、いざというときに一歩踏み出せる人がヒーローなのではないかと思っています。人に流されず、自分の信念を貫くことができる人もヒーローだと思います。人に好かれようとして媚(こ)びを売るということはしたくないですね。

 勝矢さんに御参加いただいた道徳の授業では「働くこと」がテーマになっていましたが、勝矢さんにとって「働くこと」とはどういうことでしょう。

 子供たちにも分かりやすいように、ものすごく単純に言うと「お金を稼ぐこと」だと思います。お金があれば大体のことは解決できますからね。
 しかし、お金では解決できないものもあって、その解決できないものこそが本当に大事なものだと思います。それを守るために、あるいは楽しむために努力することが「働く」ということなのではないでしょうか。
 働いてお金を稼ぐということは、自分のやりとげた成果への対価をもらうということであって、決められた時間だけ、そこにいれば良いというものではありません。
 自分の好きな仕事だけをやれている人というのもあまりいないと思います。どんな仕事にも使命感を持って取り組むことのできる人もいれば、仕事のほかに楽しみを見つけて、そのために働いている人もいるでしょう。幸せの基準というものは人によって違いますから、何でもいいので自分にとって幸せを感じられるものを見つけることができれば、働くことが楽しくなるのではないでしょうか。

 最後に、子供たちと学校の先生たちへのメッセージをいただけますか。

 子供たちはもっと先生に甘えていいと思うし、先生方はもっと懐深く、愛情を持って子供たちと接してほしいと思います。先生と子供の間でしか分からないことがあってこそ、信頼関係が生まれてくるのではないでしょうか。信頼関係がしっかりできていれば解決できないことなんてほとんどないと思いますし、もし、それでもうまくいかないことがあるようなら、親御さんを交えてみんなで話し合っていくのが理想ではないかと思います。
 子供たちが育ち、社会に出るようになると色々な競争にさらされることになるでしょう。そこで何かの競争に負けたとしても、それは人生の敗者だということではありません。人生の楽しみ方というものは人それぞれですし、それを見つけていくことが大切だと思います。

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