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道徳教育xHERO なぜ 道徳教育xHERO? ドラマ出演者インタビュー イベントレポート

ドラマ出演者インタビュー

正名僕蔵さん
井戸秀二役

 一つの問いかけに対して○か×かの判断を下すということだけではなく、正解はいろいろあるということが重要なのだろうと思いました。

正名僕蔵さん 井戸秀二役

 今回のドラマ「HERO」で、正名さんは検察事務官・井戸秀二を演じられているわけですが、正名さんが子供の頃にあこがれていた人や尊敬していた人がいらっしゃったら、その理由も含めてお聞かせいただけますか。

 私が子供だった頃、陸上競技のカール・ルイスという選手がとてもかっこいいと思っていました。私は走るのが大好きだったのですが、小学校6年生のときにリレーの選手として選ばれたこともあって、オリンピックなどがあると、特に陸上競技を集中的に見ていましたね。当時のカール・ルイス選手はとてもカリスマ性のあるスター選手でしたし、ただ走るのが速いということだけではなく、勝ち方がエレガントというか、余裕をもってゴールをトップで駆け抜ける姿にとても魅力を感じていました。
 実は、髪型も意識してまねをしていました。ただのスポーツ刈りだったのですけれどね(笑)。

 カール・ルイス選手はすごい選手でありながら、誰とでもフランクにお話しされるようなおおらかさもあったように覚えています。
 さて、正名さんは現在俳優のお仕事をされているわけですが、日常の生活を送っていく上で、大きな影響を受けた人の言葉や生き方などがあれば教えていただけますか。

正名僕蔵さん 井戸秀二役 自分が四十半ばにさしかかってきて、年を重ねるごとに父親の影響を強く受けているんだなということを実感するようになりました。自分の言動を振り返ってみると、ふと口にした言葉が「ああ、これは昔、父親が言っていたことと同じだな」ということが、年々増えてきたような気がしますし、父親の存在というものは大きかったんだなということを感じています。

 確かに、一緒にいる時間が長いと、知らず知らずのうちに口ぐせや仕草が似てくるということがあるかもしれませんね。本年度、全国の児童生徒に「私たちの道徳」という教材を配布しているのですが、それをお家の人とも読んでいただいて、家族で語り合っていただきたいということもお伝えしているところです。そのような中で、お父さんの思いや考え、お母さんの価値観などについても、子供さんと対話していただくきっかけになったらなと思っているところです。

 それはよいことですね。そのような対話を大人になったときに思い出してもらえれば、本当にすばらしいことですよね。
 私の父も、些細なことではあるのですが、例えば、「とにかく資料を作るときにはコンポジション(構成)が重要なんだよ」ということを言っていました。父は会社員でしたが、元々絵描きを目指していたこともあり、そういったことを言っていたのだと思います。そのことが、今の私の生活で、何か物を作ったり、メモ書きしたりするときに、構成をまず第一に考えるということで役に立っています。

 正名さんが子供だった頃の道徳の授業について、何か印象に残っていることがあれば教えていただけますか。

正名僕蔵さん 井戸秀二役 ちょうど私が中学生くらいの頃、世の中では「受験戦争」というような言葉がよく取り上げられていたことを覚えています。そのような状況の下で、私も塾に通って受験勉強をしていたのですが、とにかく偏差値を上げる、テストでミスをしないで満点を取る、ということがとても重要視されていたところがありました。つまり、一つの問題に対して一つの回答があって、それを導き出すための知識やテクニックを身に付けるということを常に考えていたような気がします。
 しかし、道徳の授業では、毎回何かしらのテーマに基づき、先生から「このことについてどう思いますか」と投げかけられたときに、その答えは一つではありませんでした。あんな意見もあれば、こんな意見もある。最終的には結論が出ないこともありました。

 「友達はこんなふうに考えているのか」とか「自分だったらこう思うけどな」というようなことを考える中で、自分の本当の心に気付けたり、他の人の考え方に気付いたりできる時間だったということでしょうか。

 そうですね。そういう時間が、私はとても楽しいなと感じていました。常に満点を目指すというのではなく、「なるほどな」とか「でもこう思うけど」というように、自分自身の考えがあっちへ行ったりこっちへ行ったりする、それがとても好きな時間でしたね。一つの問いかけに対して○か×かの判断を下すということだけではなく、正解はいろいろあるということが重要なのだろうと思いました。

 映像を通して感じられるチームワークの良さというのは、そういう工夫があってのことだったのですね。
 最後に、子供たちや先生方に向けてメッセージをいただければと思います。

 ニュースを見ていると、社会には教育をめぐる様々な課題がたくさんあることに気付かされます。子供たちには、相手のことを慮(おもんぱか)るとか、相手の気持ちに立つということをとにかく大事にしてほしいです。一言で言えば、「思いやり」ということもできるでしょうし、「思いやり」の根底には「優しさ」というものがあるのだろうと思います。「優しさ」とか「親切」というと、子供たちにとっては少し照れくさい部分もあるのかもしれませんが、相手の立場になってものを考えるということを、是非実践してもらいたいと思いますね。
 また、先生方は様々なことに対応を求められて、本当に大変でいらっしゃると思います。それを考えると、「めげずに頑張ってください」の一言に尽きます。

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