資料4 当事者団体による読書バリアフリーに関する活動について(個人の活動も含む) ○三宅委員(日本視覚障害者団体連合) ・令和2年度指導者研修会(令和3年2月15日) 【別添1】読書バリアフリー法に関するオンライン研修会の開催について ○見形委員(DPI日本会議) ・全国自立生活センター協議会MLにより各自立生活センターへ啓発リーフレットを周知(令和3年4月30日) ・『読書バリアフリー法で読書が変わる!!』動画を作成し、DPI日本会議ホームページより配信(令和3年度予定) ・全国の国立療養所に入所している筋ジストロフィー患者へ啓発リーフレット周知(令和3年度予定) ・特別支援学校や特別支援学級の子ども向けに動画を作成し、WEB配信(令和3年度予定) ・埼玉県やさいたま市行政に対して啓発リーフレットの周知・研修の提案【図書館とコラボ】(令和3年度予定) ○宇野委員(筑波大学附属視覚特別支援学校、日本弱視者ネットワーク) ・千葉県公共図書館等中堅職員研修会講師:「読書バリアフリー法の概要と運用」(令和2年10月7日) ・雑誌「すべての人の社会(11月号)」に論文寄稿:「読書バリアフリー法推進に向けて」(令和2年10月) ・鳥取県図書館業務専門講座講師:「読書バリアフリー法施行とこれからの公共図書館の役割 だれもが身近に読書を楽しめるように」(令和2年11月20日) ・東京都立中央・多摩図書館障害者サービス研修講師:「読書バリアフリー法と公立図書館の障害者サービス」(令和2年12月1日、10日) 【別添2】図書館研修講演レジュメ ○藤堂委員(認定NPO法人エッジ) ・図書館総合展 オンラインシンポジウム「障害のある人の健康医療情報ニーズに対して図書館は何ができるか―公共図書館に期待すること―」において登壇(令和2年11月4日) アーカイブ:https://2020.libraryfair.jp/forum/2020/f005 【別添3】発達障害者にとってわかりやすい健康医療情報とは ・雑誌「学校図書館」に「学校図書館だからこそできること」を5回連載(令和3年度予定) ・司書向け講座の講師(令和3年度予定) 別添1 令和3年6月15日 読書バリアフリー法に関するオンライン研修会の開催について 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合  組織部長 三宅隆  1.目的 各地域で読書バリアフリー法の基本計画の策定を進めるためには、ユーザーである地域の視覚障害当事者が、自治体等に働きかけていくことが最も効果的である。 そこで、読書バリアフリー法に関する理解を深め、各地域での運動に役立てることを目指し、全国の視覚障害当事者団体向けに標記研修会を開催した。 なお、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、研修会をオンラインでの開催にしたことで、全国の視覚障害当事者団体が参加することができた。 2.開催概要 ・開催名 令和2年度指導者研修会 ・開催日 令和3年2月15日(月) ・参加者 日本視覚障害者団体連合の加盟団体の代表者等 約60名 ・開催方法 Zoomを利用したオンライン開催 ・講師 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部 企画課 自立支援振興室 室長補佐 今井 貴士 様 写真@ 研修会の様子(講師が説明している様子) 写真A 研修会の様子(団体の代表者が研修会について説明している様子) 3.開催内容 (1)講師からの説明 資料を基に、同法の概要と関連事項の説明が行われた。 資料については、事前に本連合で点字版・拡大文字版・テキスト版を作成し、参加者に配布を行った。 なお、当日は、資料の説明に加え、最新の動向についても追加説明があり、直近で発出された自治体宛の事務連絡等の重要な情報の紹介もあった。 そのため、その事務連絡は、後日、参加者に配布を行った。 (2)質疑応答 参加者より同法に関する質疑が行われ、講師より回答を行った。質疑の一部にはユーザー視点の要望も含まれており、省庁担当者の情報収集に繋げることもできた。 ※主な質疑内容 @都道府県に基本計画を策定させるためには、どのような働きかけがよいか。 A同法に関わる支援者の養成が必要ではないか。 B同法を活用し、読書に関する日常生活用具の対象者を広げるべきではないか。 (3)その他 開催終了後、加盟団体の役員等が視聴し、同法に対する理解をさらに深めることを目的に、研修会の様子を記録した動画(DVD版)と音声(デイジー版)を作成し、加盟団体に対して限定配布を行った。 写真B 発行したDVD版とデイジー版 4.開催して良かったこと (1)当事者理解の促進、各地域での運動の後押し 法律や制度に関する難しい内容が丁寧に説明されたことにより、参加者の多くは同法の内容を理解し、参加者からの満足度は非常に高かった。 また、各地域の当事者団体の代表者が参加したことにより、代表者から支部担当者に対して配布資料や記録物の提供が行われ、さらなる周知を行うことができた。 このことにより、各地域で視覚障害当事者が基本計画策定を働きかけていく機運を高めることができた。 5.今後の課題 (1)視覚障害者への更なる周知 様々な視覚障害者に同法の意義等を尋ねると、一般ユーザーに近いほど同法を理解しておらず、自身の読書環境の向上に繋がることを知らない傾向があることが分かった。 特に弱視者(ロービジョン)ほどその傾向は強く、今後、一般ユーザーに近い視覚障害者に対する同法の周知は鍵となっている。 そのため、本連合では、一般ユーザー向けのオンライン研修会の開催等を検討している。 別添2 【図書館業務専門講座資料】 「読書バリアフリー法施行とこれからの公共図書館の役割」 ーーだれもが身近に読書を楽しめるようにーー 筑波大学附属視覚特別支援学校 宇野和博 1. 法成立までの背景と経緯 (1) 人類の繁栄と文字活字 (2) 1970年代の読書権保障の動き (3) 2008年、「教科書バリアフリー」から「読書バリアフリー」へ (4)「 2010年国民読書年」を目指して (5) 2013年、マラケシュ条約採択 (6) 2018年マラケシュ条約批准、著作権法改正 (7) 2019年、読書バリアフリー法成立 (8) 2020年基本計画策定 2. 読書バリアフリー法と基本計画 (1) 求められる公共図書館、学校図書館、大学図書館の障害者サービス(第9条) (2) 縁の下の力持ち(障害者用電子図書館)の問題点(第10条) (3) どうなる?これからのバリアフリー図書製作(第11条第2項) (4) 障害者も本を自力で発売日に読めるようになるか(第12条) (5) 外国との図書データのやり取り(第13条) (6) 視覚障害者以外の読書支援機器補助(第14条) (7) 作る→蓄積する→届ける→支援する(第15条) (8) 期待されるAIスピーカ(第16条) (9) 読書支援コーディネーター(第17条) 3. 今後の課題 (1) 鍵を握る基本計画と予算措置(第6、7、8条) (2) 小さく産んで大きく育てる(第18条) 別添3 (1ページ) 発達障害者にとってわかりやすい健康医療情報とは 藤堂栄子(認定NPO法人EDGE) (2ページ) 自己紹介 ・小学校2年生並みの読み書きの力、忘れっぽい、 ・慶応義塾大学卒、最終学歴教育学修士 ・EU(欧州共同体広報部)、フリーランス通訳者(英語⇔日本語)、Todo Planning(国際イベント企画会社)、NPO法人エッジ(ディスレクシアの啓発、支援とネットワーク) ・二人の子供、息子:タイのチュラロンコン大学教授(ディスレクシア)、娘:金融系企業(軽いASD) (3ページ) 【図】ディスレクシアのイメージ図 (4ページ) ディスレクシアとは ・読み書きの障害 ・スピード、流暢性と正確さがほかの能力に比べて年齢平均よりも著しく劣る ・人口の10%程度いる ・読み書き以外の能力は問題ない ・感覚の異常やほかの発達障害(特にADHD)が併存する場合がある (5ページ) 【図】ディスレクシアのメカニズム 記憶(中央に記載) 音(中央上段に記載) 記号(右下に記載) 意味(左下に記載) ※記憶を音、記号、意味で囲っているイメージ 音から記号へ両矢印? 記号から意味へ両矢印 意味から音へ両矢印 耳から音、音から口へ矢印 目から記号へ、記号から手へ矢印 (6ページ) 私たちの困り感 ・見た目わかられない ・言語によって困難さの出方が違う ・人によって出方が違う ・自分がディスレクシアであると気付いていない大人がほとんど ・学習障害、限局性学習症受け入れない、医療での診断をされても薬も手術もトレーニングもそれほど有効ではないし、有効な具体的な支援や学習方法にたどり着かない (7ページ) 医療情報 ・検診など読み切れずに申し込み損ねる ・問診表質問の意図を間違えはいといいえを間違える ・健康診断胃がん検査一時に多くの情報を与えられると処理しきれないげっぷを堪えながら、右と左がわからない中、「15度右に向いて、あおむけに・・・」 ・検尿や検便順番がわからなくなる (8ぺ―ジ) 医療情報 ・内臓の名前がわからない膵臓、脾臓⇒ 困る ・恥骨と鎖骨を音で間違える⇒ 恥ずかしい ・骨ミンチVS 骨シンチグラム⇒ 怖い ・カタカナばかりだとわからない薬の名前の混乱⇒ 危ない ・診断名がわからない⇒ 怖い (9ぺ―ジ) 情報アクセシビリティ― ・紙だけの情報⇒ 多様な形のわかりやすい情報 ・口頭だけの指示、院内の移動が困難⇒ 図解、色分けなど ・手順⇒ ビデオで手順を説明 ・聴覚情報の弁別が困難⇒ 静かな場所での説明、スピードやトーン ・視覚情報の弁別が困難⇒ 見やすい、図解などを入れたもの (10ページ) 窓口で ○利用方法がわからない ・情報の選択肢が欲しい ・わかりやすい情報 ・窓口の職員の理解と対応 ・簡素化された手順 ○面倒で適当な答えを書く ・代筆 ・PCで入力 ・カードなどで自動入力 (11ページ) ご清聴ありがとうございました 認定NPO法人EDGE 会長 藤堂栄子 認定NPO法人EDGE 理事 大庭亜紀