児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査-用語の解説

1.小学校,中学校及び高等学校における暴力行為の状況

「暴力行為」とは,「自校の児童生徒が,故意に有形力(目に見える物理的な力)を加える行為」をいい,被暴力行為の対象によって,「対教師暴力」(教師に限らず,用務員等の学校職員も含む。),「生徒間暴力」(何らかの人間関係がある児童生徒同士に限る。),「対人暴力」(対教師暴力,生徒間暴力の対象者を除く。),学校の施設・設備等の「器物損壊」の四形態に分ける。ただし,家族・同居人に対する暴力行為は,調査対象外とする。
なお,本調査においては,当該暴力行為によってけががあるかないかといったことや,けがによる病院の診断書,被害者による警察への被害届の有無などにかかわらず,当該暴力行為の内容及び程度等が次の例に掲げているような行為と同等か又はこれらを上回るようなものを全て対象とする。

○「対教師暴力」の例

  • 指導されたことに激高して教師の足を蹴った
  • 教師の胸倉をつかんだ
  • 教師の腕をカッターナイフで切りつけた
  • 養護教諭目掛けて椅子を投げ付けた
  • 定期的に来校する教育相談員を殴った
  • その他,教職員に暴行を加えた

○「生徒間暴力」の例

  • 同じ学校の生徒同士がけんかとなり,双方が相手を殴った
  • 高等学校在籍の生徒2名が,中学校時の後輩で,中学校在籍の生徒の身体を壁に押し付けた
  • 部活動中に,上級生が下級生に対し,指導と称して清掃道具でたたいた
  • 遊びやふざけを装って,特定の生徒の首を絞めた
  • 双方が顔見知りで別々の学校に在籍する生徒同士が口論となり,けがには至らなかったが,身体を突き飛ばすなどした
  • その他,何らかの人間関係がある児童生徒に対して暴行を加えた

○「対人暴力」の例

  • 学校行事に来賓として招かれた地域住民に足蹴りをした
  • 偶然通り掛かった他校の見知らぬ生徒と口論になり,殴ったり,蹴ったりした
  • 登下校中に,通行人にけがを負わせた
  • その他,他者(対教師及び生徒間暴力の対象を除く。)に対して暴行を加えた

○「器物損壊」の例

  • 教室の窓ガラスを故意に割った
  • トイレのドアを故意に壊した
  • 補修を要する落書きをした
  • 学校で飼育している動物を故意に傷つけた
  • 学校備品(カーテン,掃除道具等)を故意に壊した
  • 他人の私物を故意に壊した
  • その他,学校の施設・設備等を故意に壊した

2.小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校におけるいじめの状況等

「いじめ」とは,「児童生徒に対して,当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって,当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」(いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)。(以下「法」という。)第2条第1項)をいう。なお,起こった場所は学校の内外を問わない。
本調査において,個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は,表面的・形式的に行うことなく,法が制定された趣旨を十分踏まえ,行為の対象となった者の立場に立って行うものとする。

3.出席停止の措置の状況

「出席停止」とは,学校教育法第35条又は第49条に基づく措置をいう。なお,この出席停止の制度は,本人の懲戒という観点からではなく,学校の秩序を維持し,他の児童生徒の教育を受ける権利を保障するという観点から設けられているものである。

4.小学校及び中学校における長期欠席の状況等

理由別長期欠席者数については,「児童・生徒指導要録」の「欠席日数」欄及び「出席停止・忌引き等の日数」欄の合計の日数により,年度間に30日以上登校しなかった児童生徒を理由別に調査している。なお,「児童・生徒指導要録」の「出欠の記録」欄のうち,「備考」欄に,校長が出席扱いとした日数が記載されている場合は,その日数についても欠席日数として含める。
理由の選択については,「欠席日数」欄と「出席停止・忌引き等の日数」欄のいずれに計上されているかに関わらず,登校しなかった理由によって選択。
○「病気」には,本人の心身の故障等(けがを含む。)により,入院,通院,自宅療養等のため,長期欠席した者を計上。(自宅療養とは,医療機関の指示がある場合のほか,自宅療養を行うことが適切であると児童生徒本人の周囲の者が判断する場合も含む。)
○「経済的理由」には,家計が苦しく教育費が出せない,児童生徒が働いて家計を助けなければならない等の理由で長期欠席した者を計上。
○「不登校」には,何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により,児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者 (ただし,「病気」や「経済的理由」,「新型コロナウイルスの感染回避」による者を除く。)を計上。
※「不登校」の具体例
・友人関係又は教職員との関係に課題を抱えているため登校しない(できない)。
・遊ぶためや非行グループに入っていることなどのため登校しない。
・無気力で何となく登校しない。迎えに行ったり強く催促したりすると登校するが長続きしない。
・登校の意志はあるが身体の不調を訴え登校できない。漠然とした不安を訴え登校しないなど,不安を理由に登校しない(できない)。
〇「新型コロナウイルスの感染回避」には,新型コロナウイルスの感染を回避するため,本人又は保護者の意思で出席しない者,及び医療的ケア児や基礎疾患児で登校すべきでない校長が判断した者を計上。
○「その他」には,上記「病気」,「経済的理由」,「不登校」,「新型コロナウイルスの感染回避」のいずれにも該当しない理由により長期欠席した者を計上。
※「その他」の具体例
・保護者の教育に関する考え方,無理解・無関心,家族の介護,家事手伝いなどの家庭の事情から長期欠席している者。
・外国での長期滞在,国内・外への旅行のため,長期欠席している者。
・連絡先が不明なまま長期欠席している者。
・「病気」「経済的理由」「不登校」の理由により登校しなかった日数の合計が30日に満たず,学校教育法又は学校保健安全法に基づく出席停止,学年の一部の休業,忌引き等の日数を加えることによって,登校しなかった日数が30日以上となる者。
・新型コロナウイルスの感染の急拡大期に,学校又は教育委員会から推奨あるいは提示されたオンライン学習(オンラインと対面のハイブリッドで学習指導を行う場合を含む。)に参加したことによって,登校しなかった日数が30日以上となる者。
 

5.高等学校における長期欠席者の状況等

高等学校における長期欠席については,小・中学校と同様。

6.高等学校中途退学者数等の状況

退学者とは,年度の途中に校長の許可を受け,又は懲戒処分を受けて退学した者等をいい,転学者及び学校教育法施行規則の規定(いわゆる飛び入学)により大学へ進学した者は含まない。

7.小学校,中学校及び高等学校における自殺の状況

年度間に死亡した児童生徒のうち,警察等の関係機関とも連携し,学校が把握することができた情報を基に,自殺であると判断したものや,警察により自殺と判断されたものについて,調査を実施した件数を計上。

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初等中等教育局児童生徒課