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中学校学習指導要領 (平成元年3月) |
<この中学校学習指導要領は、図表・記号等を省略した概要版です。> 学校教育法施行規則(抄) 第3章 中学校 第53条 中学校の教育課程は、必修教科、選択教科、道徳及び特別活動によって編成するものとする。 2) 必修教科は、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育及び技術・家庭(以下この項において「国語等」という。)の各教科とし、選択教科は、国語等及び外国語の各教科並びに第54条の2に規定する中学校学習指導要領で定めるその他特に必要な教科とする。 3) 前項の選択教科は、地域及び学校の実態並びに生徒の特性その他の事情を考慮して設けるものとする。 第54条 中学校の各学年における必修教科、道徳及び特別活動のそれぞれの授業時数、各学年における選択教科等に充てる授業時数並びに各学年におけるこれらの総授業時数は、別表第2に定める授業時数を標準とする。 第54条の2 中学校の教育課程については、この章に定めるもののほか、教育課程の基準として文部大臣が別に公示する中学校学習指導要領によるものとする。 別表第2 ●備考 1 この表の授業時数の1単位時間は、50分とする。 2 特別活動の授業時数は、中学校学習指導要領で定める学級活動(学校給食に係るものを除く。以下この号において同じ。)及びクラブ活動に充てるものとする。ただし必要がある場合には、学級活動の授業時数のみに充てることができる。 3 選択教科等に充てる授業時数は、選択教科の授業時数に充てるほか、特別活動の授業時数の増加に充てることができる。 4 選択教科の授業時数については、外国語は各学年において105から140までを標準とし、外国語以外の選択教科は中学校学習指導要領で定めるところによる。 ○文部省告示第25号 学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第54条の2及び別表第2の規定に基づき、中学校学習指導要領(昭和52年文部省告示第156号)の全部を次のように改正し、平成5年4月1日から施行する。ただし、平成2年4月1日から平成5年3月31日までの間における中学校学習指導要領の必要な特例については、別に定める。 平成元年3月15日 文部大臣 西岡 武夫 中学校学習指導要領目 次 第1章 総 則 第2章 各 教 科 第1節 国 語 第2節 社 会 第3節 数 学 第4節 理 科 第5節 音 楽 第6節 美 術 第7節 保健体育 第8節 技術・家庭 第9節 外国語 第10節 その他特に必要な教科 第3章 道 徳 第4章 特別活動 第1章 総 則 第1 教育課程編成の一般方針 1 各学校においては、法令及びこの章以下に示すところに従い、生徒の人間として調和のとれた育成を目指し、地域や学校の実態及び生徒の心身の発達段階や特性等を十分考慮して、適切な教育課程を編成するものとする。 学校の教育活動を進めるに当たっては、自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を図るとともに、基礎的・基本的な内容の指導を徹底し、個性を生かす教育の充実に努めなければならない。 2 学校における道徳教育は、学校の教育活動全体を通じて行うものとし、道徳の時間はもとより、各教科及び特別活動においても、それぞれの特質に応じて適切な指導を行わなければならない。 道徳教育を進めるに当たっては、教師と生徒及び生徒相互の人間関係を深めるとともに、生徒が人間としての生き方についての自覚を深め、豊かな体験を通して内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない。また、家庭や地域社会との連携を図り、日常生活における基本的な生活習慣や望ましい人間関係の育成などにかかわる道徳的実践が促されるよう配慮しなければならない。 3 学校における体育に関する指導は、学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に、体力の向上及び健康の保持増進に関する指導については、保健体育科の時間はもとより、特別活動などにおいても十分行うよう努めることとし、それらの指導を通して、日常生活における適切な体育的活動の実践が促されるとともに、生涯を通じて健康で安全な生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならない。 第2 内容等の取扱いに関する共通的事項 1 第2章以下に示す各教科、道徳及び特別活動(以下「各教科等」という。)の内容に関する事項は、特に示す場合を除き、いずれの学校においても取り扱わなければならない。 学校において特に必要がある場合には、第2章以下に示していない内容を加えても差し支えないが、その場合には、第2章以下に示す各教科等及び各学年、各分野又は各領域の目標や内容の趣旨を逸脱したり、生徒の負担過重となったりすることのないようにしなければならない。 2 第2章以下に示す各教科等及び各学年、各分野又は各領域の内容に掲げる事項の順序は、特に示す場合を除き、指導の順序を示すものではないので、学校においては、その取扱いについて適切な工夫を加えるものとする。 3 学校において2以上の学年の生徒で編制する学級について特に必要がある場合には、各教科の目標の達成に支障のない範囲内で、各教科の目標及び内容について学年別の順序によらないことができる。 第3 必修教科及び選択教科の取扱い 必修教科及び選択教科については、次のとおり取り扱うものとする。 (1) 学校においては、必修教科及び選択教科のそれぞれの特質を生かし効果的な指導が行えるよう、学校や生徒の実態を考慮して、これらの教科相互の関連を図りつつその授業時数及び指導内容を適切に定め、各教科等の全体的な指導計画を作成すること。 (2) 各教科のうち授業時数の標準として下限及び上限の時数を示したものについては、下限の時数で履修しうる内容を示しているので、当該教科の授業時数については、このことを考慮して、各学年を見通した計画の下に、適切に定めるようにすること。 (3) 各選択教科(外国語を除く。第5において同じ。)の授業時数については、年間35単位時間の範囲内で当該選択教科の目的を達成するために必要な時数を各学校において適切に定めること。 (4) 外国語の授業時数については、第2学年及び第3学年において、生徒すべてに履修させるものとして学校で定めた授業時数を超えて更に履修を希望する生徒に履修させる授業時数(以下この項において「選択履修に係る授業時数」という。)を設定することができること。この場合、生徒すべてに履修させるものとして学校で定めた授業時数と選択履修に係る授業時数との合計は、外国語の授業時数の範囲内となるようにすること。なお、選択履修に係る授業時数を設定した部分の取扱いについては、この章に定める外国語以外の選択教科の取扱い(第4の(1)を除く。)に準ずること。 第4 選択教科の履修の取扱い 選択教科の履修については、次のとおり取り扱うものとする。 (1) 生徒に履修させる選択教科の数は、第1学年及び第2学年においては1以上、第3学年においては2以上とし、生徒の特性等を十分考慮して、それぞれの生徒に適した選択教科を履修させること。 (2) 各学年における選択教科の種類は、第1学年においては外国語又は第2章第10節に示すその他特に必要な教科、第2学年においては音楽、美術、保健体育、技術・家庭、外国語又は第2章第10節に示すその他特に必要な教科、第3学年においては第2章に示す各教科とし、これらのうちから履修させること。 (3) 外国語については、英語、ドイツ語、フランス語又はその他の外国語のうちいずれか1か国語を履修させることを原則とし、第1学年から履修させるようにすること。 第5 授業時数等の取扱い 授業時数については、次のとおり取り扱うものとする。 (1) 各教科等(特別活動については、学級活動(学校給食に係るものを除く。(3)について同じ。)に限る。)の授業は年間35週以上にわたって行うように計画すること。ただし、選択教科の授業については、学校において特に必要がある場合には、適切な計画の下に35週を下回って行うことができること。いずれの場合にあっても、週当たりの授業時数が生徒の負担過重とならないようにすること。なお、給食、休憩などの時間については、学校において工夫を加え、適切に定めること。 (2) 特別活動の授業のうち、クラブ活動については、学校や生徒の実態等を考慮して、年間を通じて計画的に行うようにすること。また、生徒会活動及び学校行事については、それらの内容に応じ、年間、学期ごと、月ごとなどに適切な授業時数を充てるようにすること。 (3) 各教科等(特別活動については、学級活動及びクラブ活動に限る。)のそれぞれの授業の1単位時間は、50分を常例とし、学校や生徒の実態に即して適切に定めること。なお、各教科等の特質に応じ、指導方法の工夫によって教育効果を高めることができる場合には、各教科等の年間授業時数を確保しつつ、適切な計画の下に授業の1単位時間を弾力的に運用することができること。 第6 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項 1 学校においては、次の事項に配慮しながら、学校の創意工夫を生かし、全体として調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。 (1) 各教科等及び各学年相互間の関連を図り、系統的、発展的な指導ができるようにすること。 (2) 各教科の各学年、各分野又は各領域の指導内容については、そのまとめ方や重点の置き方に適切な工夫を加えるとともに、教材等の精選を図り、効果的な指導ができるようにすること。 2 以上のほか、次の事項に配慮するものとする。 (1) 学校生活全体を通して、言語に対する意識や関心を高め、言語環境を整え、生徒の言語活動が適正に行われるよう努めること。 (2) 各教科等の指導に当たっては、体験的な活動を重視するとともに、生徒の興味や関心を生かし、自主的、自発的な学習が促されるよう工夫すること。 (3) 教師と生徒及び生徒相互の好ましい人間関係を育て、生徒が自主的に判断、行動し積極的に自己を生かしていくことができるよう、生徒指導の充実を図ること。 (4) 生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、計画的、組織的な進路指導を行うこと。 (5) 各教科等の指導に当たっては、学習内容を確実に身に付けることができるよう、生徒の実態等に応じ、学習内容の習熟の程度に応じた指導など個に応じた指導方法の工夫改善に努めること。 (6) 学校の実態等に応じ、教師間の連携協力を密にするなど指導体制の工夫改善に努めること。 (7) 心身に障害のある生徒などについては、生徒の実態に即した適切な指導を行うこと。 (8) 海外から帰国した生徒などについては、学校生活への適応を図るとともに、外国における生活経験を生かすなど適切な指導を行うこと。 (9) 視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図るとともに、学校図書館を計画的に利用しその機能の活用に努めること。 (10)指導の過程や成果を評価し、指導の改善を行うとともに、学習意欲の向上に生かすよう努めること。 (11)地域や学校の実態等に応じ、家庭や地域社会との連携を深めるとともに、学校相互の連携や交流を図ることにも努めること。 第2章 各教科 第1節 国 語 第1 目標 国語を正確に理解し適切に表現する能力を高めるとともに、思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし、国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる。 第2 各学年の目標及び内容 〔第1学年〕 1 目標 (1) 自分の考えを大切にして話したり文章に書いたりする能力を高めるとともに、より適切な表現を目指し、進んで表現しようとする態度を育てる。 (2) 話や文章の内容を正確に理解する能力を高めるとともに、進んで話を聞き、読書に親しむ態度を育てる。 2 内容 A 表現 (1) 国語による表現力を高めるため、次の事項について指導する。 ア 身近な生活に素材を求め、表現しようとすることについて自分の考えをまとめること。 イ 自分の考えに基づいて主題や要旨がはっきり分かるように表現すること。 ウ 自分の考えを正確に表現するために、必要な話題や題材を選び出すこと。 エ 全体の構成を考え、事実と意見、部分と全体との関係を考えて表現すること。 オ 表現しようとする事柄や考え、気持ちにふさわしい語句を選び、文を整えて表現すること。 カ 優れた表現に触れ、その特色に注意して自分の表現の参考にすること。 キ 書いた文章を読み返し、表記や表現を確かめて文章をよりよくすること。 ク 文章の内容や特徴がよく分かるように朗読すること。 ケ 自分の考えや気持ちを整理し、言葉遣いに注意して話すこと。 コ 話合いの話題や目的をとらえ、的確に話すこと。 B 理解 (1) 国語による理解力を高めるため、次の事項について指導する。 ア 話や文章の要点と事柄をとらえ、必要に応じて要約すること。 イ 話や文章に表れているものの見方や考え方を理解し、自分の見方や考え方を確かめること。 ウ 話や文章の構成や筋道を正確にとらえ、内容の理解に役立てること。 エ 語句の意味を文脈の中で正確にとらえ、理解すること。 オ 文章の表現に即して主題を考えたり要旨をとらえたりすること。 カ 情景や心情の描かれているところを読み味わい、自分の感想をもつこと。 キ 場面、経過、論理の展開などに注意して読むこと。 ク 話合いにおけるそれぞれの発言を注意して聞き、話合いの方向をとらえて自分の考えをもつこと。 〔言語事項〕 (1) 国語の表現と理解に役立てるため、次の事項について指導する。 ア 話す速度や音量、言葉の使い方などに注意すること。 イ 語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意すること。 ウ 事象や行為などを表す多様な語句について理解を深め、語彙に関心を持つこと。 エ 文章の中の段落の役割や文と文との接続関係などを考えること。 オ 単語の類別について理解し、指示語や接続詞及びこれらと同じような働きをもつ語句などに注意すること。 カ 話し言葉と書き言葉について理解すること。 (2) 漢字に関する次の事項について指導する。 ア 小学校学習指導要領第2章第1節国語の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)に示す漢字の読みに慣れ、更にその他の常用漢字のうち250字程度から300字程度までの漢字を読むこと。 イ 学年別漢字配当表の漢字のうち900字程度の漢字を書き、文章の中で適切に使うようにすること。 (3) 書写に関する次の事項について指導する。 ア 字形を整え、文字の大きさ、配列・配置に気を付けて書くこと。 イ 漢字の楷書とそれに調和した仮名に注意して書き、漢字の行書の基礎的な書き方を理解して書くこと。 〔第2学年〕 1 目標 (1) ものの見方や考え方を広くし、自分の立場を明らかにして、適切に表現する能力を高めるとともに、表現を工夫しようとする態度を育てる。 (2) 話や文章の内容を正確に理解する能力を高めるとともに、積極的に話を聞き、読書に親しんで自己を豊かにする態度を育てる。 2 内容 A 表現 (1) 国語による表現力を高めるため、次の事項について指導する。 ア 多くの素材を積極的に求め、表現しようとすることについて自分の考えを豊かにすること。 イ 自分の考えを深め、立場を明らかにして、主題や要旨がはっきり分かるように表現すること。 ウ 自分の考えを的確に表現するために、適切な話題や題材を選び出すこと。 エ 事実と意見、中心の部分と付加的な部分などの関係がはっきり分かるように全体の構成を工夫して表現すること。 オ 物事の場面や状況、心情などがよく分かるように、適切な叙述の仕方を工夫して表現すること。 カ 表現しようとする内容と文脈にふさわしい語句を選び、文の形を工夫して表現すること。 キ 優れた表現を求め、その特色をとらえて自分の表現に役立てること。 ク 文章の内容や特徴に応じた読み方を工夫して朗読すること。 ケ 自分の考えや気持ちを、相手や場の状況に応じ、適切な言葉遣いで話すこと。 コ 話合いの方向をとらえて自分の考えをまとめ、その場の目的に沿って的確に話すこと。 B 理解 (1) 国語による理解力を高めるため、次の事項について指導する。 ア 話や文章の展開に即して内容をとらえ、必要に応じて要約すること。 イ 話や文章の内容に含まれているものの見方や考え方を理解し、自分の見方や考え方を広くすること。 ウ 話や文章の中心の部分と付加的な部分とを区別して、論理的な構成や展開を的確にとらえ、内容の理解に役立てること。 エ 文章の展開を確かめながら主題を考えたり、要旨をとらえたりすること。 オ 自然や人物の描写などに注意して文章を読み味わい、自分の感想をまとめること。 カ 事実と意見、説明と描写などの表現の違いに注意して読むこと。 キ 話の要点をとらえながら聞き、話の中心点を的確に聞き取ること。 ク 話合いにおけるそれぞれの発言の共通点と相違点とを聞き分け、自分の考えをはっきりさせること。 〔言語事項〕 (1) 国語の表現と理解に役立てるため、次の事項について指導する。 ア 言葉の調子や間のとり方などに注意すること。 イ 慣用句の表す意味や類義語の意味の違いなどに注意すること。 ウ 抽象的な概念などを表す多様な語句について理解を深め、語彙を増やすこと。 エ 文の中の文の成分の順序や照応、文の組立てなどを考えること。 オ 単語の活用について理解し、助詞や助動詞などの働きに注意すること。 カ 共通語と方言の果たす役割などについて理解すること。 (2) 漢字に関する次の事項について指導する。 ア 第1学年で学習した常用漢字の読みに慣れ、更にその他の常用漢字のうち300字程度から350字程度までの漢字を読むこと。 イ 学年別漢字配当表の漢字を身に付け、文章の中で適切に使うようにすること。 (3) 書写に関する次の事項について指導する。 ア 字形、文字の大きさ、配列・配置などの適不適を判断して、効果的に書くこと。 イ 漢字の楷書や行書とそれらに調和した仮名の書き方を理解して書くこと。 〔第3学年〕 1 目標 (1) ものの見方や考え方を深め、目的や場面に応じて適切に表現する能力を身に付けさせるとともに、表現することによって生活を向上させようとする態度を育てる。 (2) 目的や場面に応じて話や文章の内容を的確に理解する能力を身に付けさせるとともに、積極的に話を聞き、読書を生活に役立てる態度を育てる。 2 内容 A 表現 (1) 国語による表現力を高めるため、次の事項について指導する。 ア 広い範囲にわたって素材を求め、表現しようとすることについて自分の考えを見直したり深めたりすること。 イ 目的や場面に応じて、主題や要旨がはっきり分かるように表現すること。 ウ 目的や場面に応じた表現をするために、効果的な話題や題材を選び出すこと。 エ 意図が相手に伝わるように、根拠を明らかにし、効果的な論理の展開を工夫して表現すること。 オ 内容にふさわしい説明や描写などを考え、適切な叙述の仕方を工夫して表現すること。 カ 書いた文章を読み返し、読み手の立場を考えて表記や表現を検討し、文章をよりよくすること。 キ 文章の内容や特徴を生かして効果的に朗読すること。 ク 相手の立場や受け取り方を考えて自分の話の効果を確かめながら話すこと。 ケ 相手の立場や考え方を尊重し、話合いが目的に沿って効果的に展開するよう話すこと。 B 理解 (1) 国語による理解力を高めるため、次の事項について指導する。 ア 話や文章の展開に即して的確に内容をとらえ、目的や必要に応じて要約すること。 イ 話や文章に生かされているものの見方や考え方を理解し、自分の見方や考え方を深めること。 ウ 話し手や書き手の考えの進め方をとらえ、内容の理解や自分の表現に役立てること。 エ 文脈の中における語句の効果的な使い方について理解し、自分の言葉の使い方に役立てること。 オ 文章を読んで主題を考えたり要旨をとらえたりして、それについて自分の考えをもつこと。 カ 文章を読んで人間、社会、自然などについて考え、まとまった感想や意見をもつこと。 キ 表現の仕方や文章の特徴に注意して読むこと。 ク 話し手の立場や話の根拠を考えながら話の内容を的確に聞き取ること。 〔言語事項〕 (1) 国語の表現と理解に役立てるため、次の事項について指導する。 ア 同音異義語や多義的な意味を表す語句に注意すること。 イ それぞれの語句とその表す意味内容の対応について理解を深め、語感を磨き、語彙を豊かにすること。 ウ 文の中の意味の切れ目と続き方などを考えること。 エ 文章の展開の仕方や文章のまとまり方などを考えること。 オ 敬語についての理解を深め、その使い方を身に付けること。 カ 言葉の役割についての理解を深めること。 (2) 漢字に関する次の事項について指導する。 ア 第2学年までに学習した常用漢字の読みに慣れ、更にその他の常用漢字の大体も読むこと。 イ 学年別漢字配当表に示されている漢字について使い慣れ、漢字を文章の中で適切に使うようにすること。 (3) 書写に関する次の事項について指導する。 ア 目的や必要に応じて適切な形式や文字の書き方を考え、調和よく書くとともに、書写された文字の形、大きさ、配列・配置の調和などについて理解を深めること。 イ 漢字の楷書や行書とそれらに調和した仮名に書き慣れて、読みやすく速く書くこと。 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。 (1) 第2の各学年の内容のA、B及び〔言語事項〕について相互に密接な関連を図るとともに、前後の学年間における系統的な関連にも留意し、各学年にふさわしい学習活動を組織して効果的に指導すること。 (2) 第2の各学年の内容のAの指導については、論理的な表現の基礎的な能力を高めるようにすること。また、内容のBの指導については、話や文章の展開に即して内容を的確に聞き取ったり読み取ったりする能力を高めるようにすること。 (3) 音声言語に関する指導については、文字言語の指導と関連させるだけでなく、広く話題を求め、意図的、計画的に指導する機会を設けるようにし、その際、音声言語のための教材を開発したり活用したりするなどして、指導の効果を高めるよう工夫すること。 (4) 作文の指導に配当する授業時数については、第1学年は35〜55単位時間、第2学年及び第3学年は各学年30〜50単位時間とすること。 (5) 読むことの指導については、読書に対する興味、関心、意欲を高め、読書力を育てて、日常生活における読書活動が活発に行われるようにすること。 (6) 古典の指導については、古典としての古文や漢文を理解する基礎を養い古典に親しむ態度を育てるとともに、我が国の文化や伝統について関心を深めるようにすること。その教材としては、古典に関心をもたせるように書いた文章、易しい文語文や格言・故事成語、親しみやすい古典の文章などを生徒の発達段階に即して適宜用いるようにすること。なお、指導に当たっては、音読などを通して文章の内容や優れた表現を味わうことができるようにすること。 2 第2の各学年の内容の〔言語事項〕については、次のとおり取り扱うものとする。 (1) 〔言語事項〕(1)に示す事項は、内容のA及びBの指導を通して身に付けさせるとともに、国語の特質を理解させるために、ある程度まとまった知識を得させる指導もできるように配慮すること。その場合、事項の取扱いが必要以上に細部にわたったり形式的になったりしないよう注意すること。 (2) 〔言語事項〕(1)に示す事項については、必要に応じて当該学年の前後の学年において取り上げることも差し支えないこと。 (3) 〔言語事項〕(2)のイにおいて書くことを指導する漢字以外に、アにおいて読むことを指導する漢字についても、必要な場合には適切に使うように努めさせること。 (4) 〔言語事項〕(3)に示す事項については、次のとおり取り扱うものとする。 ア 文字を正しく整えて速く書くことができるようにするとともに、文字感覚を養うよう配慮すること。 イ 文字を自ら進んで工夫して丁寧に書く態度を育てるとともに、書写の能力を生活に役立てる態度を育てるよう配慮すること。 ウ 毛筆を使用する書写の指導は各学年で行い、硬筆による書写の能力の基礎を養うようにすること。 エ 書写の指導に配当する授業時数については、第1学年は35単位時間程度、第2学年及び第3学年は各学年15〜20単位時間とすること。 3 教材は、生徒の心身の発達段階に即して適切な話題や題材を精選して取り上げるものとする。その際には、表現力と理解力とを偏りなく養うことをねらいとしながら、次のような観点に配慮する必要がある。 (1) 国語に対する認識を深め、国語を尊重する態度を育てるのに役立つこと。 (2) 思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにするのに役立つこと。 (3) 公正かつ適切に判断する能力や創造的精神を養うのに役立つこと。 (4) 科学的、論理的な見方や考え方を養い、視野を広げるのに役立つこと。 (5) 人生について考えを深め、豊かな人間性を養い、たくましく生きる意志を育てるのに役立つこと。 (6) 人間、社会、自然などについての考えを深めるのに役立つこと。 (7) 我が国の文化と伝統に対する関心や理解を深め、それらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。 (8) 広い視野から国際理解を深め、日本人としての自覚をもち、国際協調の精神を養うのに役立つこと。 4 第3学年における選択教科としての「国語」においては、生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう、第2の内容について、課題学習、総合的な学習、表現の能力を高める学習などの学習活動を学校において適切に工夫して取り扱うものとする。 第2節 社会 第1 目標 広い視野に立って、我が国の国土と歴史に対する理解を深め、公民としての基礎的教養を培い、国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。 第2 各分野の目標及び内容 〔地理的分野〕 1 目標 (1) 世界を大観させる学習を背景に、日本の様々な地域についての理解を深めることにより、地理的な見方や考え方の基礎を培い、広い視野に立った我が国の国土に対する認識を養う。 (2) 日本や世界の各地域における人々の生活には地方的特殊性と一般的共通性のあることに気付かせ、それらを成り立たせている地理的諸条件について考えさせるとともに、人々の生活の地域的特色を理解するための基礎を培う。 (3) 日本や世界には大小様々な地域的なまとまりがあり、それらの地域は相互に関係し合っていることを理解させるとともに、国際社会における日本の立場や役割を考えさせる。 (4) 自然及び社会的条件と人々の生活の関係は人間の活動によって絶えず変化し、それに伴って地域も変容していることに気付かせ、環境や資源と人々の生活とのかかわりについて考えさせる。 (5) 地域調査など具体的な活動を通して地理的事象に対する関心を高め、様々な資料を適切に選択、活用して地理的事象を多面的に考察し公正に判断する能力と態度を育てる。 2 内容 (1) 世界とその諸地域 ア 多様な世界 世界を構成する国々や人々の生活を大観させる学習を通して、世界は様々な地域から成り立っていることを理解させる。 (ア)世界の国々 地球儀や世界地図などを活用し、世界の国々の名称と位置、形状、面積などの学習を通して、世界が様々な国々から構成されていることを理解させる。 (イ)人々の生活と環境 世界の諸地域における人々の生活とその変化の様子を自然及び社会的条件と関連付けて大観させ、世界の人々の生活や環境の多様性に着目させる。 イ 様々な地域 世界の諸地域の中から幾つかの地域や国を取り上げ、それぞれの地域や国の人々の生活の特色が的確に把握できる地理的事象を中心にしてそれぞれの地域や国の特色を理解させ、世界が様々な地域や国から成り立っていることに着目させる。 (2) 日本とその諸地域 ア 世界から見た日本 世界的な視野から我が国の国土の成り立ちや自然、人々の生活の特色を理解させる。 (ア)国土の成り立ちと自然 生活舞台としての地球及びその自然の様子を大観させ、世界の中における我が国の国土の位置、領域の特色と変化及び自然の特色を理解させる。 (イ)日本の人々の生活 現代の日本の人々の生活の様式や行動などに関する地域的特色を、世界の人々の生活と比較しながら理解させる。 イ 身近な地域 身近な地域における諸事象を取り上げ、観察や調査などの活動を通して地理的な見方や考え方の基礎を身に付けさせるとともに、生徒が生活している土地に対する理解と関心を深めさせる。その際、縮尺の大きな地図や統計その他の資料に親しませ、それらの活用の仕方について考えさせる。 ウ 日本の諸地域 日本の諸地域における人々の生活及び地域の特色と動向を、以下の項目を基にして世界や日本の他地域との比較や関連において理解させる。 (ア)自然と人々 地域の自然的条件と人々の生活を関連付けて取り上げ、その地域的特色を理解させるとともに、自然と人々の生活の関係が人間の活動によって変化していることに着目させる。 (イ)産業と地域 主な資源の分布と開発状況や主な産業などを、地域の形成と関連付けて取り上げ、地域の産業を成り立たせている地理的諸条件やそれらが地域において果たしている役割を理解させ、資源の開発や産業の動向が地域の人々の生活と深くかかわっていることに着目させる。 (ウ)居住と生活 人口の分布や動態、村落・都市の立地や機能、地域の文化や伝統などに関する事象を取り上げ、地域の人々の生活の特色を理解させるとともに、都市化や国際化の進展が人々の生活に及ぼす影響に着目させる。 (エ)地域の結び付きと変化 物資や人口の移動現象などを取り上げ、地域は広く日本や世界の他地域と結び付きながら成り立ち、日本や世界の一部としての役割を果たしていることを理解させるとともに、各地域の特色は他地域とのかかわりにおいて変化していることに着目させる。 (3) 国際社会における日本 日本や世界の諸地域の学習成果を生かして広い視野から日本と世界との結び付きを見直し、現代世界を構成する一つの地域としての日本の特色や役割などについて考えさせる。 ア 日本と世界の結び付き 交通、貿易、情報や文化の交流、人々の移動、海外援助など日本と世界の結び付きに関する事項のうち幾つかを日本全体及び世界の諸地域の地域的特色と関連付けて取り上げ、国際社会の中で果たしている日本の役割や国際協力の重要性などについて考えさせる。 イ 日本と国際社会 世界各国のうちから日本と結び付きのある国を幾つかその地域的特色と関連付けて取り上げ、それらの国と日本との相互依存関係や競合関係などに着目させ、世界における日本の地域的特色や役割などについて考えさせる。 3 内容の取扱い (1) 内容の(1)、(2)及び(3)は、この順序で取り扱うものとする。 (2) 内容の取扱いについては、次の事項に配慮するものとする。 ア 日本や世界の人々の生活に対する生徒の興味や関心を高めるような指導に努めるとともに、地域相互の結び付きや地域の歴史的背景に留意して指導内容の構成を工夫すること。 イ 事例として取り上げる地域又は国については、各項目間の調整を図り、一部の地域に偏ることのないようにすること。 ウ 内容の(1)及び(2)のアについては、生徒の発達段階を考慮し、教材の精選に留意して、抽象的で高度な内容に深入りしないようにすること。また、内容の(2)のイ、ウ及び(3)については、生徒の発達段階を考慮し、日本や世界の様々な地域の相互関係や動向にも触れながら多面的に扱うようにすること。 (3) 内容の(1)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アの(ア)については、国別に描かれた地球儀や世界地図の上で読み取れる範囲で指導内容を工夫するとともに、生徒の既得知識を生かしそれらを整理して更に拡充が図れるようにし、主な国の名称と位置を正しく身に付けさせるよう工夫すること。 イ アの(イ)については、簡単な分布図の作成や読み取りなどを通して世界を大観させることができるよう工夫するとともに、各地域の人々の生活を、それぞれの地域固有のものとしてとらえさせるようにし、自然の影響だけで説明することのないよう留意すること。 ウ 内容のイについては、世界の州や大陸を幾つかに区分して設定したまとまりのある地域又は国のうちから三つ程度を選んで取り上げること。この場合、取り上げる地域や国については、それらの地域や国を学習することによって現代の世界を構成する諸地域や諸国の特色が明確になり、かつ、我が国の国土の認識を深める上で効果的であるという観点から選ぶこと。 (4) 内容の(2)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アの(ア)については、内容の(1)の学習を踏まえるとともに、地球儀や世界地図を活用するよう工夫すること。生活舞台としての地球やその自然については基礎的な指導内容で構成し、我が国の自然の特色については諸地域の特色に深入りしないこと。「領域の特色と変化」については、北方領土が我が国の固有の領土であることなど我が国の領域をめぐる問題にも着目させるようにすること。 イ アの(イ)については、内容の(1)の学習成果を生かすとともに、海外生活や海外旅行の体験者などに協力を得るなどして、効果的な学習ができるよう工夫すること。 ウ イについては、指導の観点や学校所在地の事情によって学習の効果を高めることができる場合には、内容の(2)のウの中の学校所在地を含む地域の学習と結び付けて扱ってもよいこと。また、歴史的分野の指導との関連を考慮するとともに、地域の文化や民俗などに関する事象も積極的に取り上げて、自然や産業にかかわる事象だけで地域の特色をとらえさせることのないようにすること。 エ ウの(ア)〜(エ)に示した項目については、学習する地域によって各項目に軽重をつけて扱うよう努めるとともに、各項目の趣旨に留意して、主な地理的事象を選んで取り上げ、複雑な指導内容には深入りしないこと。なお、「地域の特色」については、等質地域と機能地域の両面から考察させるよう配慮すること。 オ ウにおける日本の地域区分については、指導の観点、学校所在地の事情などを考慮して適切に決めること。なお、内容のウで示した項目を基に類似した地域ごとにまとめて指導内容を構成して扱うこともできるものとするが、その際には、各項目について具体例としての地域を適切に選んで取り上げ、それらの地域の特色を多面的に考察させるように工夫するなど地誌的な取扱いに十分留意すること。 (5) 内容の(3)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア ア、イについては、特に地域的特色に留意し、国際化の進展を背景に世界における日本の役割などが大観できるよう工夫すること。 イ アについては、網羅的な学習にならないよう二つ程度の事項を選んで取り上げるとともに、生徒の生活と関連付けて扱うなど抽象的な学習にならないよう工夫すること。 ウ イについては、内容のアの学習を踏まえて、二つ程度の国を選んで取り上げ、国家間の相互関係を多面的に指導するよう工夫すること。 〔歴史的分野〕 1 目標 (1) 我が国の歴史を、世界の歴史を背景に理解させ、それを通して我が国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるとともに、国民としての自覚を育てる。 (2) 歴史における各時代の特色と移り変わりを、身近な地域の歴史や地理的条件にも関心をもたせながら理解させるとともに、各時代が今日の社会生活に及ぼしている影響を考えさせる。 (3) 国家・社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産を、その時代や地域との関連において理解させ、尊重する態度を育てる。 (4) 歴史に見られる国際関係や文化交流のあらましを理解させ、我が国と諸外国の歴史や文化が相互に深くかかわっていることを考えさせるとともに、他民族の文化、生活などに関心をもたせ、国際協調の精神を養う。 (5) 具体的な事象の学習を通して歴史に対する興味や関心を高め、様々な資料を活用して歴史的事象を多角的に考察し公正に判断する能力と態度を育てる。 2 内容 (1) 文明の起こりと日本 人類が、それぞれの地域の自然環境に対応しながら特色ある文明を築き上げていったこと、また、日本列島に住む人々の生活が狩猟・採集から農耕へと発展していったことを理解させる。 ア 文明の起こり 人類が出現し、世界の古代文明が成立したことを扱い、特に、生活技術の発達、文字の使用などに着目させる。 イ 日本人の生活の始まり 縄文文化と弥生文化を扱い、当時の人々の生活の有様に着目させる。 (2) 古代国家の歩みと東アジアの動き 国の統一が進み、大陸の文物・制度を積極的に取り入れて古代国家が形成されたことを、当時の東アジアの動きと関連させながら理解させるとともに、仏教文化が栄えたことや当時の文化に見られる国際的な要素に着目させる。また、奈良・平安の都を中心とした貴族の政治、人々の生活、武士の起こりを理解させるとともに、文化が次第に国風化したことに着目させる。 ア 国の成り立ちと東アジアの動き 古墳文化と大和朝廷による国の統一を扱い、国家の形成過程を理解させるとともに、当時の人々の信仰、中国や朝鮮の情勢、大陸から移住してきた人々が日本の社会の発展に果たした役割に着目させる。 イ 律令国家と遣唐使 聖徳太子の政治、大化の改新、律令の制定を扱い、律令国家が形成されていった様子を理解させる。また、奈良の都や人々の生活の様子、この時代の文化の特色を理解させるとともに、遣唐使の果たした役割に着目させる。 ウ 貴族の政治と文化の国風化 平安京への遷都、摂関政治、武士の起こりを扱い、貴族の政治の特色や武士の勢力の台頭を理解させるとともに、文化が国風化したことに着目させる。 (3) 武家政治の展開とアジアの情勢 鎌倉幕府によって武家政治が始まり、武士の支配が次第に全国に及んで武家社会が発展していった大きな流れをアジアの動きと関連させながら理解させる。また、武士や庶民の生活が向上し、武家文化の形成と庶民文化の芽生えがあったことを理解させる。 ア 鎌倉幕府と蒙古襲来 源平の戦い、鎌倉幕府の成立と推移を扱い、武家の政治及びこの時代の文化の特色を理解させるとともに、武士の生活や宋との文化の交流に着目させる。また、蒙古の襲来とそれが後の幕府政治に及ぼした影響及び鎌倉幕府の滅亡について理解させる。 イ 室町幕府の政治と外交 建武の新政、室町幕府の成立、日明貿易、戦国大名を扱い、室町幕府の政治と外交、応仁の乱の後の社会的な変動を理解させる。 ウ 都市・農村の生活と文化 室町時代の生活と文化を扱い、農業の発達と新しい都市の形成、畿内を中心にした都市や農村における自治的な組織の成立、庶民文化の芽生えとこの時代の文化の特色を理解させる。 (4) 世界の動きと天下統一 ヨーロッパ人が来航した背景及びヨーロッパ文化の伝来とその影響について理解させる。また、織田・豊臣による国内の統一とその当時の対外関係のあらましを理解させるとともに、時代的風潮を反映した文化が創出されたことに着目させる。 ア ヨーロッパ人の来航の背景と影響 ルネサンスと宗教改革、ヨーロッパ世界とイスラム世界との接触及び新航路の開拓などヨーロッパ人の来航とその背景を扱い、ヨーロッパ文化の伝来とそれが我が国の社会に及ぼした影響について理解させる。 イ 織田・豊臣の政治と桃山文化 織田・豊臣による統一事業及び海外との関係のあらましを扱い、政治や社会の大きな変化を理解させるとともに、この時代の文化に対する海外からの影響や武将、豪商などの生活文化に着目させる。 (5) 幕藩体制と鎖国 江戸幕府の成立と統治のための諸政策、鎖国政策の役割、その後の政治のあらましを通じて、幕藩体制の特色を理解させる。また、この時代に各地域で特色ある産業が発達したこと、経済の発展に伴い町人の勢力が増大し、町人文化が都市を中心に形成されたことを理解させる。 ア 幕藩体制の成立と鎖国 江戸幕府の成立、大名の統制、鎖国政策、身分制度の確立及び農村の様子を扱い、次第に幕藩体制が確立していったことを理解させる。また、オランダ、清との交易に触れながら、鎖国政策の影響に着目させる。 イ 産業の発達と町人文化 新田開発や農業技術の発達などによる農業生産の増大、諸産業及び交通の発達を扱い、この時代に各地域で特色ある産業が発達したことを理解させる。また、幕府の学問奨励、町人の台頭などとの関連で、町人文化が形成されたことを理解させる。 ウ 幕府政治の移り変わり 享保の改革、田沼政治及び寛政の改革を扱い、幕府政治の移り変わりを理解させるとともに、商業の発達、百姓一揆などの社会の変動に着目させる。 (6)世界情勢の変化と幕府政治の行き詰まり 欧米諸国の近代社会への発展と海外への進出を背景に、19世紀前半から開国、幕府の滅亡までの我が国の動きを理解させる。また、国内において新しい学問・思想や近代社会への動きが芽生えたことを理解させる。 ア ヨーロッパ近代社会の成立 ヨーロッパにおける市民革命、産業革命、近代科学と文化の発達などを扱い、ヨーロッパの近代社会の成立と海外への進出のあらましを理解させる。 イ 新しい学問・思想と地方の生活文化 学問・思想の発達とこの時代の文化を扱い、蘭学と国学を中心とする学問・思想の新しい動きと教育・文化の広がりや地方の生活文化について理解させる。 ウ 幕府政治の行き詰まりと開国 天保の改革、欧米諸国の接近とそれへの対応、開国と幕府の滅亡を扱い、幕府政治の行き詰まりから滅亡に至るあらましを理解させる。 (7) 近代日本の歩みと国際関係 明治維新とそれ以後の近代日本の発展の過程を、新政府により実施された諸政策、立憲体制の成立及びアジアにおける国際関係などを通じて理解させる。また、近代産業の発展とそれに伴い都市・農村の生活が変化したこと、学問や教育・文化の進歩が著しかったことを理解させる。 ア 明治政府の成立と諸改革の展開 明治政府の成立と廃藩置県、身分制度の廃止、学制の頒布、徴兵令の発布、地租改正、領土の画定などの諸政策を扱い、近代国家の基礎が整えられていったことを理解させる。また、欧米文化の導入と富国強兵・殖産興業政策を扱い、欧米風の生活様式の広がりや近代産業の育成に着目させる。 イ 憲法の制定と議会政治の始まり 自由民権運動の広がりを背景に、大日本帝国憲法の制定、議会政治開始の経緯のあらましを扱い、憲法制定及び議会政治の開始の歴史的意義を理解させる。 ウ 日清・日露戦争とアジアの情勢 当時の国際環境を背景に、日清・日露戦争及び条約改正を扱い、我が国の国際的地位の向上及び大陸との関係のあらましを理解させるとともに、欧米諸国との対等の外交関係を樹立するために国民的関心が払われたことに着目させる。 エ 近代産業の発展と社会や生活の変化 我が国の産業革命の進行を扱い、近代産業が発展し資本主義経済の基礎が固まっていったことを理解させるとともに、社会問題が起こったこと、都市や農山漁村の生活に大きな変化が生じてきたことに着目させる。 オ 近代文化の形成 学問・教育・科学技術・芸術などの発展を扱い、伝統的な文化の上に欧米文化を消化して我が国の近代文化が形成されたことを理解させる。 (8) 二つの世界大戦と日本 第一次世界大戦から第二次世界大戦までの国際情勢のあらましを背景に、その間の国内の政治・経済・文化及び国民生活の移り変わりを理解させる。その際、世界の国々の間の緊密な関係や対立及び二つの大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解させる。 ア 第一次世界大戦と国際関係 第一次世界大戦とその背景にある国際関係、日本の参戦、ロシア革命、戦後の国際協調の動きを扱い、第一次世界大戦前後の国際関係の推移のあらましを理解させるとともに、民族運動の高まり、国際平和への努力に着目させる。 イ 大正デモクラシーと文化の大衆化 政党政治の発達、民主主義の思想の普及、文化の進展を扱い、国民の政治的自覚の高まり、社会運動の展開、都市を中心とする文化の大衆化を理解させる。 ウ 第二次世界大戦と日本 昭和初期から第二次世界大戦の終結までの世界の動きと我が国の政治・外交の動き、中国などアジア諸国との関係を扱い、経済の混乱と社会問題の発生や軍部の台頭から戦争に至る経過を理解させるとともに、戦時下の国民の生活に着目させる。 (9) 現代の世界と日本 第二次世界大戦後の世界の動きのあらまし及びそれと関連をもちながら進められた我が国の民主化と再建の過程や国際社会への参加について理解させる。また、経済や科学技術の急速な発展とそれに伴う国民の生活の変化に着目させるとともに、現代の世界の状況とその中での我が国の役割について考えさせる。 3 内容の取扱い (1) 内容の取扱いについては、次の事項に配慮するものとする。 ア 生徒の発達段階を考慮し、抽象的で高度な内容や複雑な社会構造などに深入りすることは避け、各時代の特色を表す歴史的事象を重点的に選んで指導内容を構成すること。なお、年代の表し方や時代区分についても基本的な理解を得させるようにすること。 イ 国家・社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物に対する生徒の興味や関心を育てる指導に努めるとともに、それぞれの人物が果たした役割や生き方などについて時代的背景と関連付けて考察させるようにすること。その際、身近な地域の歴史上の人物を取り上げることにも留意すること。 ウ 日本人の生活や生活に根ざした文化については、各時代の政治や社会の動き及び各地域の地理的条件、身近な地域の歴史とも関連付けて指導するとともに、民俗学などの成果の活用や博物館、郷土資料館などの文化財の見学・調査を通じて、生活文化の展開を具体的に学ぶことができるようにすること。 (2) 内容の(1)及び(2)については、考古学などの成果を活用して生活の有様のあらましを理解させるとともに、神話・伝承などの学習を通して当時の人々の信仰やものの見方などに着目させるよう留意する。内容の(1)のアの「古代文明」については、その文化的特色に触れる程度とする。 (3) 内容の(3)については、武家政治の展開や土地制度の変化などに関する細かい史実には深入りせず、武士による支配の拡大や生活、文化の特色のあらましを理解させるよう留意する。 (4) 内容の(4)のアについては、ヨーロッパ世界とイスラム世界とのかかわり及びヨーロッパ人が来航した背景を中心に理解させるよう留意する。 (5) 内容の(5)については、幕府の政治組織や政策、町人文化などを通じて、幕藩体制と文化の特色のあらましを理解させるよう留意する。 (6) 内容の(6)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア 「市民革命」についてはイギリスとフランスを、「産業革命」についてはイギリスを中心に取り上げ、欧米諸国がアジアに進出するようになった背景を理解させること。 イ 開国から幕府の滅亡に至る経過については、国際情勢や国内の新しい動きと関連させ、大きな流れをつかませるよう留意すること。 (7) 内容の(7)については、我が国の政治、経済、外交、文化などの各分野で近代化が急速に進んだことを幅広く理解させるよう留意する。オについては、簡潔に扱うものとする。 (8) 内容の(8)については、世界の動きと我が国との関連を重点的にとらえさせるとともに、国際協調と国際平和の実現に努めることが大切であることに着目させるよう留意する。 (9) 内容の(9)については、第二次世界大戦後の世界の歴史の大きな流れと我が国が再出発して今日に至った経過について大観させるよう留意する。 〔公民的分野〕 1 目標 (1) 個人の尊厳と人権の尊重の意義、特に自由・権利と責任・義務の関係を広い視野から正しく認識させ、民主主義に関する理解を深めるとともに、国民主権を担う公民として必要な基礎的教養を培う。 (2) 民主政治の意義、国民の生活の向上と経済活動とのかかわり及び現代の社会生活における個人の役割などについての理解を深めるとともに、社会の諸問題に着目させ、自ら考えようとする態度を育てる。 (3) 各国が相互に主権を尊重し、各国民が協力し合うことによって、世界の平和を維持し人類の福祉に貢献できることを認識させ、国際協調の精神を養うとともに、自国を愛し、その平和と繁栄を図り文化を高めることが大切であることを自覚させる。 (4) 社会的事象を確実な資料に基づいて様々な角度から考察し、事実を正確にとらえ、公正に判断する能力と態度を育てる。 2 内容 (1) 現代の社会生活 ア 個人と社会 家族、地域社会などの機能を扱い、人間は本来社会的存在であることに気付かせ、社会生活における個人の役割とその在り方について考えさせる。また、現在の家族制度の基本的な考え方が個人の尊厳と両性の本質的な平等に基づいていることの意味を理解させ、家族の望ましい人間関係について考えさせる。 イ 現代の文化と生活 国や地方による文化と生活の違いに着目させ、現代の社会生活における文化の働きを理解させるとともに、我が国の文化の伝統に対する関心を深め、文化の継承と創造の意義に気付かせる。 ウ 情報と社会 情報の増大及びその働きが社会生活を変化させていることを理解させ、情報と人間とのかかわりについて考えさせる。 (2) 国民生活の向上と経済 ア 生活と経済 身近な消費生活を中心に経済活動の意義とあらましを理解させる。その際、価格の働きや物価の動き、貯蓄、保険、租税などを取り上げるとともに、現代の生産の仕組みと関連させて社会における企業の役割について理解させる。また、社会生活における職業の意義と役割を考えさせるとともに、勤労の権利と義務、労働組合の意義及び労働基準法の精神について理解させる。 イ 国民生活と福祉 国民生活の向上や福祉の増大を図るためには、雇用と労働条件の改善、消費者の保護、社会保障の充実、社会資本の整備、公害の防止など環境の保全、資源やエネルギーの有効な開発・利用などが必要であることを理解させる。その際、個人や企業などの社会的責任について考えさせる。また、これらに関し国や地方公共団体が果たしている役割を取り上げ、財政収支が国民生活にとって重要な意味をもっていることを理解させるとともに、租税の意義と役割及び国民の納税の義務についての理解を深める。 ウ 経済生活と国際協力 貿易などを通じて経済生活が国際的なかかわりの中で営まれていることについて考えさせるとともに、貿易の意義と役割を理解させる。また、国際的な協力が我が国及び世界の経済の発展にとって大切であることを理解させるとともに、世界には資本主義経済のほかに社会主義経済を建前とする諸国があることについても理解させる。 (3) 民主政治と国際社会 ア 人間の尊重と日本国憲法 人間の尊重についての考え方を、基本的人権を中心に深めさせるとともに、日本国憲法が基本的人権の尊重、国民主権及び平和主義を基本的原則としていることについての理解を深め、日本国及び日本国民統合の象徴としての天皇の地位と天皇の国事に関する行為について理解させる。また、社会生活における取決めの重要性や法の意義に着目させ、民主的な社会生活を営むためには、法に基づく政治が確立されなければならないこと及び法を守ることが大切であることを理解させ、我が国の政治が日本国憲法に基づいて行われていることの意義について考えさせる。 イ 民主政治と政治参加 地方自治の基本的な考え方について理解させ、地域社会における住民の権利や義務と関連させて、地方自治の発展に寄与しようとする住民としての自治意識の基礎を育てる。また、我が国が国会を中心とする民主政治の仕組みをとっていることを理解させ、議会制民主主義の意義について考えさせるとともに、多数決の原理とその運用の在り方について理解を深める。さらに、国民の権利・義務を保障し、社会の秩序を維持するため、法に基づく公正な裁判の保障があることを理解させるとともに、民主政治を推進するためには、公正な世論の形成と国民の政治参加が大切であることに気付かせる。その際、選挙の意義とあらまし及び政党の役割について理解させる。 ウ 国際社会と平和 国家の主権、領土(領海、領空を含む。)及び国際連合などの国際組織や国際交流について理解させるとともに、国家間の相互の主権尊重と協力、各国民の相互理解と協力が平和の維持と人類の福祉の推進にとって大切であることを認識させ、国際社会における我が国の役割について考えさせる。また、日本国憲法の平和主義について理解を深め、我が国の安全と防衛の問題について考えさせるとともに、核兵器の脅威に着目させ、戦争を防止し、世界平和を確立するための熱意と協力の態度を育てる。 3 内容の取扱い (1) 内容の取扱いについては、次の事項に配慮するものとする。 ア 地理的分野及び歴史的分野の学習の成果を活用するとともに、これらの分野で育成された能力や態度が、更に高まり発展するようにすること。また、社会的事象は相互に関連し合っていることに留意し、特定の内容に偏ることなく、分野全体として見通しをもったまとまりのある学習が展開できるようにすること。 イ 生徒が内容の基本的な意味を理解できるように配慮して、専門用語を乱用したり細かな事柄や程度の高い事項の学習に深入りしたりすることを避け、身近で具体的な事柄を通して、政治や経済などについての見方や考え方の基礎が養えるようにすること。 (2) 内容の(1)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アについては、日常経験する具体的な事柄を通して理解させるとともに、我が国における高齢化の進展とのかかわりで自己の生涯を通した生き方について考えさせるよう留意すること。 イ イについては、抽象的な理論の学習に陥ることなく、生徒が興味や関心をもって学習できるよう工夫するとともに、それぞれの国や地方の文化について互いに理解し尊重し合うことが大切であることに気付かせること。 ウ ウについては、マス・メディアなどの発達や働きを取り上げ、情報の重要性及びその適切な活用についても考えさせるよう留意すること。 (3) 内容の(2)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アについては、網羅的で高度な取扱いにならないよう特に配慮し、経済活動の意味と我が国の経済の仕組みや働きについての基礎的な理解を得させるようにすること。その際、身近で具体的な事例を取り上げ、経済活動が様々な条件の中での選択を通じて営まれていることに気付かせること。 イ イについては、我が国における高齢化や都市化、産業構造の変化などの社会の変化と関連させて指導するよう留意すること。「消費者の保護」については、現代社会における取引の多様化や契約の重要性を取り上げ、消費者として主体的に判断し行動することが大切であることを考えさせるよう留意すること。 ウ ウについては、身近で具体的な事例を取り上げて理解させるよう工夫すること。その際、貿易や通貨の交換が日常生活に及ぼす影響などを通して、経済の国際化の進展に関心をもたせるよう留意すること。 (4) 内容の(3)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アについては、日本国憲法の基本的な考え方を中心に理解させるようにし、条文解釈に深入りしないよう留意すること。 イ イについては、指導内容の構成や取扱いを十分に工夫し、筋道立った総合的な理解をさせるよう留意すること。 ウ ウについては、「国家間の相互の主権尊重と協力」との関連で、国旗及び国歌の意義並びにそれらを相互に尊重することが国際的な儀礼であることを理解させ、それらを尊重する態度を育てるよう配慮すること。 (5) 内容の指導に当たっては、教育基本法第8条の規定に基づき、適切に行うよう特に慎重に配慮して、生徒の公正な判断力の育成を目指すものとする。 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。 (1) 小学校社会科の内容との関連及び各分野相互の有機的な関連を図るとともに、地理的分野及び歴史的分野の基礎の上に公民的分野の学習を展開するこの教科の基本的な構造に留意して、全体として教科の目標が達成できるようにする必要があること。 (2) 各分野の履修については、第1学年から地理的分野と歴史的分野を並行して学習させ、その基礎の上に公民的分野を学習させることを原則とするが、学校の実態に即して適切な指導計画を作成することができること。各分野の授業時数については、3学年を見通した全体的な指導計画に基づき、社会科の授業時数に対する割合が、それぞれ地理的分野11分の4、歴史的分野11分の4、公民的分野11分の3となるように配当すること。 (3) 第3学年において下限の時数を超えて授業時数を定める場合には、第2の内容について補充や深化を図るため、学校や生徒の実態に応じ、適切な指導を行うようにすること。 (4) 生徒の主体的な学習を促し、社会的事象に対する関心を一層高めるため、各分野において、第2の内容の程度や範囲に十分配慮しつつ事項を再構成するなどの工夫をして、適切な課題を設けて行う学習の充実を図るようにすること。 2 指導の全般にわたって、資料を選択し活用する学習活動を重視するとともに作業的、体験的な学習を取り入れるよう配慮するものとする。そのため、地図や年表を読みかつ作成すること、新聞、読み物、統計その他の資料に平素から親しみ適切に活用すること、観察や調査等の結果を整理し報告書にまとめることなどの活動を取り入れるようにする。 3 第3学年における選択教科としての「社会」においては、生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう、第2の内容について、分野間にわたる学習、自由研究的な学習、見学・調査、作業的な学習などの学習活動を学校において適切に工夫して取り扱うものとする。 第3節 数 学 第1 目標 数量、図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め、数学的な表現や処理の仕方を習得し、事象を数理的に考察する能力を高めるとともに数学的な見方や考え方のよさを知り、それらを進んで活用する態度を育てる。 第2 各学年の目標及び内容 〔第1学年〕 1 目標 (1) 数を正の数と負の数まで拡張し、数の概念についての理解を深める。また、文字を用いることの意義及び方程式の意味を理解するとともに、数量などの関係や法則を一般的にかつ簡潔に表現し、処理できるようにする。 (2) 平面図形や空間図形についての操作や実験などを通して、図形に対する直観的な見方や考え方を深めるとともに、論理的に考察する基礎を培う。 (3) 変化や対応についての見方や考え方を深め、関数関係を理解し、それを表現したり用いたりする能力を伸ばす。 2 内容 A 数と式 (1) 正の数と負の数の意味を理解し、その四則計算ができるようにする。 (2) 文字を用いることによって、関係や法則を式に表現する能力を養うとともに、簡単な式の計算ができるようにする。 ア 文字を用いること イ 文字を用いた式における乗除の表し方 ウ 一次式の加法と減法 (3) 方程式の意味を理解し、一元一次方程式を用いることができるようにする。 ア 方程式の中の文字や解の意味 イ 等式の性質 ウ 一元一次方程式を解くこと。 〔用語・記号〕 自然数 符号 絶対値 項 係数 ≦ ≧ B 図形 (1) 与えられた条件を満たす図形を見通しをもって作図する能力を伸ばすとともに、平面図形についての理解を深める。 ア 角の二等分線、線分の垂直二等分線、垂線などの基本的な作図 イ 平行移動、対称移動及び回転移動 ウ 図形を条件を満たす点の集合とみること及び条件を満たす図形を作図すること。 (2) 図形をいろいろな操作を通して考察し、空間図形についての理解を深める。 ア 空間における直線や平面の位置関係 イ 平面図形の運動による空間図形の構成 ウ 空間図形の切断、投影及び展開 〔用語・記号〕 弧 弦 回転体 π // ⊥ ∠ △ C 数量関係 (1) 事象の中から伴って変わる二つの数量を取り出し、それらの間の関係を考察してその特徴を明らかにし、関数関係について理解する。 ア 変化と対応 イ 座標の意味 ウ 関数関係を表、グラフ、式などで表すこと。 (2) 比例、反比例の式とグラフの特徴についての理解を深め、数量の関係を考察したり表現したりする能力を伸ばす。 〔用語・記号〕 変数 変域 3 内容の取扱い (1) 内容のAの(1)については、四則計算の可能性を取り上げるものとする。 (2) 内容のAの(2)のウについては、一元一次方程式を解くのに必要な程度の式の計算を取り上げるものとする。 (3) 内容のBの(2)のウについては、断面図や投影図の技術的な面や応用的な面に深入りしないものとする。 (4) 内容のCの(2)については、正確にグラフをかくことを取り上げるものとする。 〔第2学年〕 1 目標 (1) 文字を用いた式を目的に応じて計算したり変形したりする能力を伸ばすとともに、一次不等式や連立方程式について理解し、それらを用いる能力を養う。 (2) 基本的な平面図形の性質についての理解を深めるとともに、図形の性質の考察における数学的な推論の意義と方法とを理解し、推論の過程を的確に表現する能力を養う。 (3) 変化や対応についての見方や考え方を一層深め、一次関数の特徴を理解し、それを用いる能力を養う。また、目的に応じて数を的確に表現したり、統計的な事象の傾向をとらえることができるようにする。 2 内容 A 数と式 (1) 文字を用いた簡単な式の四則計算ができるようにする。 ア 簡単な数式の加減 イ 単項式の乗除 (2) 事象の中に数量の関係を見いだし、それを文字を用いて式に表現し活用する能力を伸ばす。 ア 文字式の利用 イ 簡単な等式の変形 (3) 不等式の意味を理解し、一元一次不等式を用いることができるようにする。 ア 不等式とその解の意味 イ 不等式の性質 ウ 一元一次不等式を解くこと。 (4) 連立一次方程式及びその解の意味について理解し、それを用いることができるようにする。 ア 二元一次方程式とその解の意味 イ 簡単な連立一次方程式を解くこと。 〔用語・記号〕 同類項 B 図形 (1) 平行線の性質や三角形の合同条件を基にして、平面図形の性質を見いだし、それを確かめることができるようにする。 ア 平行線の性質 イ 三角形の合同条件 ウ 三角形や平行四辺形の性質 (2) 図形の相似の概念を明らかにするとともに、三角形の合同条件や相似条件を基にして、図形の性質を見いだし、それを確かめる能力を伸ばす。 ア 相似の意味と三角形の相似条件 イ 平行線と線分の比についての性質 ウ 相似の応用 〔用語・記号〕 対頂角 内角 外角 定義 証明 重心 ≡ ∽ C 数量関係 (1) 数の表現についての理解を深めるとともに、実際の場面で数を適切に用いることができるようにする。 (2) 関数関係についての理解を一層深めるとともに、一次関数の特徴について理解しそれを用いる能力を伸ばす。 ア 事象の中には一次関数を用いてとらえられるものがあること。 イ 一次関数のとる値の変化の割合とグラフの特徴 ウ 二元一次方程式を二つの変数の関数関係を表すものとみること。 (3) 目的に応じて資料を収集し、それを表、グラフなどを用いて整理し、代表値、資料の散らばりなどに着目してその資料の傾向を知ることができるようにする。 ア 度数分布の意味とヒストグラムの見方 イ 相対度数の意味 ウ 平均値や範囲の意味 エ 相関図と相関表の見方 〔用語・記号〕 有効数字 近似値 誤差 度数 階級 3 内容の取扱い (1) 内容のAの(3)などに関連して、計算の手順などを流れ図などに表すことを取り上げるものとする。 (2) 内容のAの(4)のイについては、二変数の連立一次方程式を取り上げるものとする。 (3) 内容のBの(2)のウについては、相似の応用としての高さや距離の測定を取り上げるものとする。 (4) 内容のCの(1)については、2進法などの記数法、〓〓〓の形の表現を取り上げるものとする。 (5) 内容のCの(3)については、日常の事象などに関連した実際の場面に即して扱うよう配慮するものとする。 〔第3学年〕 1 目標 (1) 数の平方根について理解し、数の概念についての理解を一層深める。また、目的に応じた式の変形や二次方程式について理解し、式についての理解を一層深めるとともに、それらを能率的に活用できるようにする。 (2) 直角三角形や円の性質についての理解を深め、それらを図形の性質の考察や計量に用いる能力を伸ばすとともに、図形について見通しをもって論理的に考察する能力を伸ばす。 (3) 関数関係を表現したり用いたりする能力を一層伸ばし、関数の特徴を調べ、関数についての理解を深める。また、確率の意味や標本調査の基本になる事柄を理解し、統計に対する見方や考え方を深める。 2 内容 A 数と式 (1) 正の数の平方根の意味とその必要性を理解し、それを用いることができるようにする。 ア 数の平方根の意味 イ 数の平方根を含む簡単な式の計算 (2) 文字を用いた簡単な多項式について、式の展開や因数分解ができるようにする。 ア 単項式と多項式の乗法及び多項式を単項式で割る除法 イ 簡単な一次式の乗法 ウ 次の公式を用いる式の展開と因数分解 〓 〓 計算式略 〓 〓 (3) 二次方程式とその解について理解し、二次方程式を用いることができるようにする。 ア 二次方程式とその解 イ 因数分解、解の公式などを用いて二次方程式を解くこと。 〔用語・記号〕 根号 有理数 無理数 素数 因数 √ B 図形 (1) 円の性質についての理解を深め、それを用いて図形の性質を考察することができるようにする。 ア 円と直線に関する性質及び二つの円に関する性質 イ 円周角と中心角との関係 (2) 図形の計量に関する性質を理解し、それを用いることができるようにする。 ア 三平方の定理とその応用 イ 扇形の弧の長さと面積及び球の表面積と体積 ウ 簡単な立体図形の相似並びに相似形の相似比と面積比及び体積比との関係 〔用語・記号〕 接線 接点 C 数量関係 (1) 事象の中から関数関係にある二つの数量を取り出し、変化や対応の特徴を調べる能力を伸ばす。 ア いろいろな事象と関数 イ 関数 〓〓〓 ウ 関数のとる値の変化の割合 (2) 多数の観察や多数回の試行によって得られる頻度に着目し、確率について理解する。 ア 不確定な事象と確率 イ 簡単な場合について確率を求めること。 (3) 標本のもつ傾向から母集団のもつ傾向について判断できることを理解する。 3 内容の取扱い (1) 内容のAの(2)などに関連して、自然数を素因数に分解することを取り扱うものとする。 (2) 内容のAの(3)のイについては、実数の解をもつ二次方程式を取り上げるものとする。また、因数分解による解法は、Aの(2)のウに示した公式が利用できる程度のものを取り上げるものとする。 (3) 内容のCの(2)のイについては、樹形図などを利用して起こり得るすべての場合を簡単に求めることができる程度の事象を取り上げるものとする。 (4) 内容のCの(3)については、実験や観測を通して扱うよう配慮するものとする。 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 第2の各学年の目標の達成に支障のない範囲内で、当該学年の内容の一部を軽く取り扱い、それを後の学年で指導することは差し支えない。また、学年の目標を逸脱しない範囲内で、後の学年の内容の一部を加えて指導することも差し支えない。 2 第2学年及び第3学年においては、生徒の主体的な学習を促し数学的な見方や考え方の育成を図るため、各領域の内容を総合したり日常の事象に関連付けたりした適切な課題を設けて行う課題学習を、指導計画に適切に位置付け実施するものとする。 3 第2の各学年の内容に示す〔用語・記号〕は、当該学年で取り扱う内容の程度や範囲を明確にするために示したものであり、その指導に当たっては、各学年の内容と密接に関連させて取り上げるよう配慮するものとする。 4 各領域の指導に当たっては、必要に応じ、コンピュータ等を効果的に活用するよう配慮するものとする。特に、「数量関係」において実験や観測などにより指導を行う際にはこのことに配慮する必要がある。 5 数値計算を行う場面では、必要に応じ、そろばん、電卓等を使用して、学習の効果を高めるよう配慮するものとする。 6 第3学年における選択教科としての「数学」においては、生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう、第2の内容について、課題学習、作業、実験、調査などの学習活動を学校において適切に工夫して取り扱うものとする。 第4節 理 科 第1 目標 自然に対する関心を高め、観察、実験などを行い、科学的に調べる能力と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め、科学的な見方や考え方を養う。 第2 各分野の目標及び内容 〔第1分野〕 1 目標 (1) 物質やエネルギーに関する事物・現象の中に問題を見いだし、科学的に調べる課程を通して、規則性を発見したり、自然現象を説明したりする方法を習得させる。 (2) 化学的な事物・現象についての観察や実験を行い、観察・実験技能を習得させるとともに、身の回りの物質とその変化、化学変化と原子、分子、イオンなどについて理解させ、これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。 (3) 物理的な事物・現象についての観察や実験を行い、観察・実験技能を習得させるとともに、身の回りの物理現象、電流、運動とエネルギーなどについて理解させ、これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。 (4) 物質やエネルギーに関する事物・現象に対する関心を高め、意欲的に調べる活動を行わせるとともに、これらの事象を日常生活と関連付けて考察する態度を育てる。 2 内容 (1) 身の回りの物質とその変化 身の回りの物質についての観察、実験を通して、水溶液の性質、物質の状態変化及び気体について理解させるとともに、物質の性質や変化の調べ方の基礎を身に付けさせる。 ア 水溶液 (ア)いろいろな水溶液を調べる観察、実験を行い、溶質による水溶液の性質の違いを見いだすとともに、実験器具の操作、記録の仕方などの技能を身に付けること。 (イ)物質が水に溶ける様子の観察、実験を行い、水溶液の中では溶質が均一に分散していること及び水に溶けていない物質を分離する方法を見いだすこと。 (ウ)一定量の水に溶け得る物質の重さは物質の種類や水の温度によって違うことを調べる実験を行い、これを利用して溶質を分離できることを見いだすこと。 イ 物質の状態変化 (ア)物質の状態変化についての観察、実験を行い、状態変化によって物質の体積は変化するが重さは変化しないことを見いだすとともに、物質そのものは変化しないことを知ること。 (イ)物質が状態変化するときの温度の測定を行い、純粋な物質の融点や沸点は物質の種類によって決まっていること及び融点や沸点を利用して物質を確かめたり、沸点の違いによって物質を分離できたりすることを見いだすこと。 ウ 気体の発生 (ア)気体を発生させてその性質を調べる実験を行い、気体の種類による特性を見いだすとともに、気体を発生させる方法や捕集法などの技能を身に付けること。 (2) 身の回りの物理現象 身の回りの事物・現象についての観察、実験を通して、光、音、熱、力及び圧力の規則性について理解させるとともに、これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。 ア 光と音 (ア)光の反射や屈折の実験を行い、光が水やガラスなどの物質の境界面で反射、屈折するときの規則性を見いだすこと。 (イ)凸レンズの働きについての実験を行い、物体の位置と像の位置及び像の大きさの関係を見いだすこと。 (ウ)音についての実験を行い、音が空気中などを伝わること及び音の大きさや高さは、発音体の振動の仕方に関係することを知ること。 イ 熱と温度 (ア)水を加熱する実験を行い、水の温度変化は、水に加えた熱量及び水の重さに関係があることを見いだすこと。 (イ)種類の異なる物質を加熱する実験を行い、物質の温度変化は物質の種類に関係があることを知ること。 ウ 力 (ア)ばねに加える力の大きさとばねの伸びの測定を行い、力と伸びの関係を見いだすこと。 (イ)物体の質量と重さの違いについて理解するとともに、力の大きさは重力を基準として表すこと及び力を矢印で表すことができることを知ること。 (ウ)電気を帯びた物体間に働く力についての実験を行い、空間を隔てて互いに作用し合う力があることを知ること。 エ 圧力 (ア)圧力についての実験を行い、圧力は力の大きさと面積に関係があることを見いだすこと。 (イ)水の圧力を調べる実験を行い、水の圧力は水面からの深さに関係があることを見いだすとともに、空気に重さがあることを調べる実験を行い、その結果を大気圧と関連付けてとらえること。 (3) 化学変化と原子、分子 化学変化についての観察、実験を通して、化合、分解などにおける物質の変化やその量的な関係について理解させるとともに、これらの事象を原子、分子のモデルと関連付けてみる見方や考え方を養う。 ア 化学変化 (ア)燃焼の実験を行い、燃焼が酸素と結び付く化学変化であることを見いだすこと。 (イ)酸素以外の物質同士が化合する化学変化があることを実験から見いだすこと。 (ウ)加熱や電流の働きによって物質を分解する実験を行い、分解して生成した物質から元の物質の成分が推定できることを見いだすこと。 (エ)化学変化の前後における物質の質量を測定する実験を行い、反応物の質量の総和と生成物の質量の総和とが等しいことを見いだすこと。 (オ)化学反応に関係する物質の質量を測定する実験を行い、互いに反応する物質の質量の間には一定の関係があることを見いだすこと。 イ 原子と分子 (ア)物質は原子や分子からできていることを理解し、原子は記号で表されることを知ること。 (イ)化合物の組成は化学式で表されること及び化学反応は化学反応式で表されることを理解し、それらは原子や分子のモデルで説明できることを知ること。 (4) 電流 電流についての観察、実験を通して、電流と電圧との関係、電流の働き及び電流と電子の流れとの関係について理解させるとともに、電流と磁界についての初歩的な見方や考え方を養う。 ア 電流と電圧 (ア)回路をつくり、回路の電流や電圧を測定する実験を行い、各点を流れる電流や回路の各部に加わる電圧についての規則性を見いだすこと。 (イ)金属線に加わる電圧と電流を測定する実験を行い、電圧と電流の関係を見いだすとともに、金属線には電気抵抗があることを知ること。 イ 電流の働きと電子の流れ (ア)電熱線を用いて水を熱する実験を行い、発熱量は電流と電圧に関係することを見いだすこと。 (イ)磁石や電流による磁界の観察を行い、磁界を磁力線で表すことを理解するとともに、 コイルの回りに磁界ができることを知ること。 (ウ)磁石とコイルを用いた実験を行い、磁界中のコイルに電流を流すと力が働くこと及びコイルや磁石を動かすことにより電流が得られることを見いだすこと。 (エ)直流や交流の特徴を示す現象の観察、実験を行い、直流と交流の違いを知ること。 (オ)真空放電などを観察し、空間にも電流が流れる場合のあることを確かめるとともに、電流は電子の流れであることを知ること。 (5) 化学変化とイオン 化学変化についての観察、実験を通して、電気分解や中和反応について理解させるとともに、これらの事象をイオンのモデルと関連付けてみる見方や考え方を養う。 ア 電気分解とイオン (ア)水溶液に電流を流す実験を行い、水溶液には電流が流れるものと流れないものとがあることを見いだすこと。 (イ)電気分解の実験を行い、電極に物質が生成することを見いだすとともに、この実験結果からイオンの存在を知ること。 (ウ)電解質水溶液と2種類の金属を用いた実験を行い、電流が取り出せることを見いだすこと。 イ 酸・アルカリ・塩 (ア)酸とアルカリの性質を調べる実験を行い、酸とアルカリのそれぞれの特性が水素イオンと水酸化物イオンによることを知ること。 (イ)中和反応の実験を行い、酸とアルカリを混ぜると水と塩が生成することを見いだすこと。 (ウ)中和反応の実験を行い、過不足なく反応する酸とアルカリの濃度と体積の間の関係を見いだすとともに、これをイオンと関連付けてとらえること。 (6) 運動とエネルギー 運動についての観察、実験を通して、物体に働く力と運動の関係及び仕事について理解させるとともに、エネルギーについての初歩的な見方や考え方を養う。また、科学技術の進歩と人間生活のかかわりについての認識を深める。 ア 力の働き (ア)物体に働く2力についての実験を行い、力がつり合うときの条件を見いだすこと。 (イ)力の合成と分解についての実験を行い、合力や分力の間の規則性を見いだすこと。 イ 物体の運動 (ア)物体の運動についての観察、実験を行い、運動には速さと向きがあることを知ること。 (イ)物体に力が働かない運動についての観察、実験を行い、その物体は等速直線運動をすることを見いだすこと。 (ウ)落下運動についての観察、実験を行い、力の働く運動では、時間の経過に伴って速さが変わることを見いだすこと。 ウ 仕事とエネルギー (ア)仕事の実験を行い、仕事や仕事率について理解するとともに、道具を用いても道具に与えた仕事以上の仕事はできないことを見いだすこと。 (イ)エネルギーに関する実験や体験を通して、物体のもつエネルギーの量は物体が他の物体になしうる仕事で測られることを理解するとともに、エネルギーについての認識を深めること。 エ 科学技術の進歩と人間生活 (ア)日常生活では、科学技術の成果として様々な素材やエネルギーが利用されていることを知ること。 (イ)情報手段としてのコンピュータなどについて、その発展の過程を知ること。 3 内容の取扱い (1) およそ、内容の(1)及び(2)は第1学年、内容の(3)及び(4)は第2学年、内容の(5)及び(6)は第3学年で取り扱うことを標準とする。 (2) 内容の(1)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アの(ア)については、身近な水溶液などを用いて調べ、基礎的な技能を身に付ける程度とすること。 イ アの(イ)については、コロイドは扱わないこと。 ウ アの(ウ)については、結晶の色や形も観察すること。また、重量パーセント濃度にも簡単に触れるが、溶解についての計算には深入りしないこと。 エ イの(ア)については、密度にも簡単に触れること。 オ イの(イ)については、混合物の状態変化には深入りしないこと。 カ ウの(ア)については、異なる方法を用いても同一の気体が得られることも扱うこと。 (3) 内容の(2)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アの(ア)については、全反射も扱うが、屈折率は扱わないこと。 イ アの(イ)については、実像と虚像を扱うが、レンズの公式は扱わないこと。また、像の位置、像の大きさの関係を実験により定性的に調べること。 ウ アの(ウ)の音の伝わる速さについては、空気中を伝わるおよその速さを扱う程度とし、気温などとの関係には触れないこと。 エ イの(イ)については、物質の種類による温度変化の違いを水と比べる程度とすること。 オ ウの(ウ)については、帯電列には触れないこと。 (4) 内容の(3)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アの(ア)については、有機物の燃焼にも触れること。 イ アの(ア)及び(イ)については、化学変化には熱の発生を伴うことがあることにも触れること。 ウ イの(ア)の「記号」については、指導上必要最小限のものにとどめること。 エ イの(イ)の「化学式」の種類は必要最小限にとどめること。また、「化学反応式」については、簡単な化学反応式が書ける程度とすること。 (5) 内容の(4)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アの(ア)の「回路」については、直列の回路及び並列の回路のみを取り上げ、それぞれについて二つの抵抗のつなぎ方を扱う程度とすること。 イ アの(イ)の「電気抵抗」については、物質の種類によって抵抗の値が異なることを扱う程度とし、合成抵抗の式は扱わないこと。 ウ イの(ア)については、電力や電力量にも触れること。 エ イの(ウ)については、レンツの法則、フレミングの法則は取り上げないこと。 (6) 内容の(5)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アの(イ)の「イオン」については、帯電粒子であることを扱う程度とし、原子の構造には触れないこと。 イ アの(ウ)については、現象的に扱う程度とし、イオン化傾向は扱わないこと。 ウ イの(ア)については、イオンの記号として、〓〓〓〓程度を扱うこと。 (7) 内容の(6)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アの(ア)については、水中の物体に働く浮力や物体に働く重力と浮力の関係に触れること。アルキメデスの原理は取り上げないこと。 イ イの(ア)については、物体に力が働くとき反対向きに力が働くことにも触れること。 ウ イの(ウ)については、いろいろな傾きの斜面に沿った運動も扱い、実験を通して規則性を定性的に見いだす程度とすること。 エ ウの(ア)については、摩擦力に抗する仕事も取り上げること。 オ ウの(イ)については、力学的エネルギーのほかに、熱、光、音、電気などのエネルギーも取り上げ、熱放射にも触れること。また、エネルギーは互いに変換し、その総量は保存されることに触れること。 カ エの(イ)については、コンピュータの素子の発展の過程を取り上げる程度とすること。 〔第2分野〕 1 目標 (1) 生物とそれを取り巻く自然の事物・現象の中に問題を見いだし、科学的に調べる過程を通して、規則性を発見したり、自然現象を説明したりする方法を習得させる。 (2) 生物や生物現象についての観察や実験を行い、観察・実験技能を習得させるとともに、植物や動物の生活と種類、生物のつながりなどについて理解させ、これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。 (3) 地学的な事物・現象についての観察や実験を行い、観察・実験技能を習得させるとともに、地球と太陽系、天気、大地の変化などについて理解させ、これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。 (4) 生物とそれを取り巻く自然の事物・現象に対する関心を高め、意欲的に自然を調べる活動を行わせるとともに、これらの活動を通して、自然環境を保全し、生命を尊重する態度を育てる。 2 内容 (1) 植物の生活と種類 身近な植物についての観察、実験を通して、生物の調べ方の基礎を身に付けさせるとともに、植物のつくりと働きを理解させ、植物の種類やその生活についての認識を深める。 ア 植物の生活と体のつくり (ア)校庭や学校周辺の生物の観察を行い、いろいろな生物が様々な場所で生活していることを見いだすとともに、観察器具の操作、観察記録の仕方などの技能を身に付けること。 (イ)いろいろな植物の花の観察を行い、その観察記録に基づいて、花の基本的なつくりの特徴を見いだすとともに、それらを花の働きと関連付けてとらえること。 (ウ)いろいろな植物の葉の観察を行い、その観察記録に基づいて、葉の基本的なつくりの特徴を見いだすとともに、それらを光合成や蒸散に関する実験結果と関連付けてとらえること。 (エ)いろいろな植物の根や茎の観察を行い、その観察記録に基づいて、根や茎の基本的なつくりの特徴を見いだすとともに、それらを根や茎の働きに関する実験結果と関連付けてとらえること。 イ 植物の仲間 (ア)花の咲く植物は、体のつくりの特徴に基づいて分類できることを見いだし、植物の種類を知る方法を身に付けること。 (イ)花の咲かない植物の観察を行い、その観察記録などに基づいて、それらの植物の特徴を見いだすこと。 (2) 地球と太陽系 身近な天体の観察を通して、地球の運動について考察させるとともに、天体としての月、太陽及び地球の特徴について理解させ、太陽系についての認識を深める。 ア 身近な天体 (ア)月、太陽の観察を行い、その観察記録及び地球に関する資料などに基づいて、月、太陽及び地球の特徴を見いだすこと。 (イ)天体の日周運動の観察を行い、その観察記録を地球の自転と関連付けてとらえること。 (ウ)四季の星座の移り変わり、季節による昼夜の長さ、太陽高度の変化などの観察を行い、その観察記録を地球の公転や地軸の傾きと関連付けてとらえること。 イ 惑星と太陽系 (ア)星の観察を行い、その観察記録及び資料などに基づいて、惑星と恒星の違いを知るとともに、惑星の大きさや表面の様子にはそれぞれ特徴があることを見いだすこと。 (イ)惑星の動きを観察し、その観察記録及び資料などに基づいて、太陽系の構造と惑星の公転を関連付けてとらえること。 (3) 動物の生活と種類 身近な動物についての観察、実験を通して、動物のつくりと働きを理解させるとともに、動物の種類やその生活についての認識を深める。 ア 動物の生活と体のつくり (ア)身近な動物の観察を行い、植物と比較した動物の生活の特徴を、体のつくりと関連付けてとらえること。 (イ)血液の循環についての観察を行い、動物の体にはいろいろな物質を運搬する仕組みがあることを、観察の結果と関連付けてとらえること。 (ウ)消化や呼吸についての観察、実験を行い、動物の体には必要な物質を取り入れ、不要な物質を排出する仕組みがあることを、観察、実験の結果と関連付けてとらえること。 (エ)動物が外界の刺激に適切に反応している様子の観察を行い、その仕組みを感覚器官、神経系及び運動器官のつくりと関連付けてとらえること。 イ 動物の仲間 (ア)脊椎動物の体のつくりや殖え方などの特徴を、観察を基に比較、整理し、脊椎動物が幾つかの仲間に分類できることを見いだすこと。 (イ)無脊椎動物の観察を行い、その観察記録に基づいて、それらの動物の特徴を見いだすこと。 (4) 天気とその変化 身近な気象の観察、観測を通して、天気変化の規則性に気付かせるとともに、様々な気象情報を活用した天気の予測の方法について理解させ、天気変化についての認識を深める。 ア 天気の変化 (ア)校庭などで気象観測を行い、観測方法や記録の仕方などを身に付けるとともに、その記録などに基づいて、天気変化の規則性を見いだすこと。 (イ)霧や雲の発生についての観察、実験を行い、そのでき方を気圧、気温及び湿度の変化と関連付けてとらえること。 (ウ)前線の通過に伴う天気変化の観察結果などに基づいて、その変化を暖気、寒気と関連付けてとらえること。 イ 日本の天気 (ア)天気図を作成し、気圧配置と風向、風力及び天気との関係を見いだすこと。 (イ)天気図や気象衛星画像などから、日本の天気の特徴を気団と関連付けてとらえるとともに、天気の予測ができることを見いだすこと。 (5) 生物のつながり 身近な生物についての観察、実験を通して、細胞のレベルで見た生物の体のつくり、親と子のつながり及び生物の進化について理解させるとともに、自然界における生物同士のつながりについての認識を深める。 ア 生物と細胞 (ア)いろいろな細胞の観察を行い、生物の体が細胞からできていること及び植物と動物の細胞のつくりの特徴を見いだすこと。 (イ)細胞分裂の観察を行い、その過程を確かめるとともに、細胞の分裂を生物の成長と関連付けてとらえること。 イ 生物の殖え方と遺伝 (ア)身近な生物の殖え方を観察し、有性生殖と無性生殖の特徴を見いだすこと。 (イ)交配実験の結果の考察などに基づいて、親の形質が子に伝わるときの規則性を見いだすこと。 ウ 生物界のつながり (ア)いろいろな生物の特徴を比較し、生物同士の類縁関係を見いだすとともに、生物が進化することを知ること。 (イ)微生物の働きを調べ、植物、動物及び微生物を栄養摂取の面から相互に関連付けてとらえるとともに、自然界では、これらの生物がつり合いを保って生活していることを見いだすこと。 (6) 大地の変化と地球 大地の活動の様子や身近な地形、地層、岩石などの観察を通して、地表に見られる様々な事物・現象を大地の変動と関連付けてみる見方や考え方を養うとともに、人間の生存の場としての地球について総合的に考察させる。 ア 火山と地震 (ア)火山の形、活動の様子及びその噴出物を調べ、それらを地下のマグマの性質と関連付けてとらえること。 (イ)火山岩と深成岩の観察を行い、それらの組織の違いを成因と関連付けてとらえること。 (ウ)地震の体験や記録を基に、その揺れの大きさや伝わり方の規則性に気付くとともに、地震に伴う土地の変化や災害についての認識を深めること。 イ 地層と過去の様子 (ア)地層の観察や記録を基に、地層のでき方を考察し、重なり方の規則性を見いだすとともに、地層をつくる岩石とその中の化石などを手掛かりとして過去の環境と年代を推定すること。 (イ)いろいろな地形の観察などを通して、大地が変動していることに気付くとともに、それを地球内部の働きと関連付けてとらえること。 ウ 地球と人間 (ア)他の惑星との比較を通して、地球には生物の生存を支える様々な環境要因がそろっていることを認識すること。 (イ)人間が利用している資源やエネルギーには、天然資源、水力、火力、原子力などがあることについての認識を深めること。 (ウ)自然の開発や利用に当たっては自然界のつり合いを考えたり自然の保存や調整を行ったりするなど、自然環境を保全することの重要性について認識すること。 3 内容の取扱い (1) およそ、内容の(1)及び(2)は第1学年、内容の(3)及び(4)は第2学年、内容の(5)及び(6)は第3学年で取り扱うことを標準とする。 (2) 内容の(1)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アの「植物」については、被子植物を中心に取り上げ、裸子植物は簡単に扱うこと。器具を用いた観察では、細胞の構造などについては内容の(5)で扱うので深入りしないこと。 イ アの(ア)の「生物」については、植物を中心に取り上げ、水中の微小生物についても簡単に扱うこと。 ウ アの(イ)の「花の働き」については、受粉によって胚珠が種子になることを扱う程度とし、受精などは、内容の(5)で扱うこと。 エ アの(ウ)については、光合成における葉緑体の働きにも触れること。 オ イの(イ)の「花の咲かない植物」については、代表的な仲間を2〜3取り上げ、花の咲く植物と対比させて扱うこと。 (3) 内容の(2)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アの(ア)の「月、太陽及び地球の特徴」については、形、大きさ、表面の様子などを取り上げ、太陽については、放出された多量の光による地表への影響にも触れること。 イ アの(イ)及び(ウ)については、観察された事実を基に多様な考察を行わせるようにすること。 ウ アの(ウ)については、太陽高度の変化に伴う気温の変化にも触れること。 エ イの(ア)の「惑星」については、主な惑星を2〜3取り上げ、地球と対比させて扱うこと。「恒星」については、自ら光を放ち相互の位置を変えずに星座をつくっている天体であることを扱う程度とすること。 オ イの(イ)の「太陽系の構造」については、内惑星と外惑星の見え方の違いにも触れること。 (4) 内容の(3)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アの「動物」については、脊椎動物を中心に取り上げること。 イ アの(ウ)の「消化」については、消化に関係する1〜2の酵素の働きを取り上げ、それらに対する温度の影響にも触れること。「呼吸」については外呼吸を中心に取り上げ、細胞の呼吸は、簡単に扱うこと。血液の働きと関連付けて腎臓にも触れること。 ウ イの(イ)の「無脊椎動物」については、節足動物や軟体動物を中心に取り上げること。 (5) 内容の(4)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アの(ア)の「天気変化の規則性」については、気温、湿度、気圧、風向などの変化と天気との関係について取り上げること。 イ イの(ア)の天気図の作成については、等圧線を引き、気圧配置の様子を知ることに重点を置くこと。 ウ イの(イ)では、気象に及ぼす海洋の影響についても触れること。 (6) 内容の(5)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア イの(イ)については、一つの形質を扱うものとし、遺伝の規則性は遺伝子を想定して説明できることを扱うこと。 イ ウの(ア)の生物の特徴の比較については、脊椎動物を中心に相同器官や発生初期の胚の類似性も取り上げ、生物の進化については、化石など進化の証拠にも触れること。 ウ ウの(イ)については、生産者、消費者及び分解者の関連を扱い、土壌動物については簡単に扱うこと。 (7) 内容の(6)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アの(ア)の「火山」については、代表的なものを2〜3取り上げ、「マグマの性質」については粘性を中心に扱い、化学組成などには深入りしないこと。 イ アの(イ)の「火山岩」及び「深成岩」については代表的なものを取り上げ、代表的な造岩鉱物にも触れること。 ウ アの(ウ)については、地震の現象面を中心に取り上げること。初期微動継続時間と震源までの距離との関係も取り上げるが、その公式は取り上げないこと。 エ イの(ア)については、地層を形成している代表的な堆積岩も取り上げること。「化石」については、示相化石及び示準化石を取り上げるが、地質年代には深入りしないこと。 オ ウの(ア)の「環境要因」としては、空気、水、土、太陽放射などを取り上げること。 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。 (1) 各学年においては、年間、各分野にそれぞれおよそ等しい授業時数を配当すること。その際、各分野間及び各項目間の関連を十分考慮して、各分野の特徴的な見方や考え方が互いに補い合って育成されるようにすること。 (2) 第3学年において下限の時数を超えて授業時数を定める場合には、第2の内容について補充や深化を図るため、学校や生徒の実態に応じ、適切な指導を行うようにすること。 2 各分野の内容の指導については、次の事項に配慮するものとする。 (1) 観察、実験を重視するとともに、地域の環境や学校の実態を生かし、自然を科学的に調べる能力の育成及び基本的な概念の形成が段階的に無理なく行われるようにすること。 (2) 生命の尊重や自然環境の保全に関する態度が育成されるようにすること。 3 観察、実験、野外観察の指導については、特に事故防止について十分留意するとともに、使用薬品の管理及び廃棄についても適切な措置をとるよう配慮するものとする。 4 各分野の指導に当たっては、観察、実験の過程での情報の検索、実験データの処理、実験の計測などにおいて、必要に応じ、コンピュータ等を効果的に活用するよう配慮するものとする。 5 第3学年における選択教科としての「理科」においては、生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう、第2の内容について、課題研究、野外観察などの学習活動を学校において適切に工夫して取り扱うものとする。 第5節 音楽 第1 目標 表現及び鑑賞の活動を通して、音楽性を伸ばすとともに、音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育て、豊かな情操を養う。 第2 各学年の目標及び内容 〔第1学年〕 1 目標 (1) 音楽表現の豊かさや美しさを感じ取らせるとともに、基礎的な表現の技能を伸ばし、創造的な表現の能力を養う。 (2) 多様な音楽に興味と関心をもたせるとともに、幅広い鑑賞の能力を養う。 (3) 音楽活動の喜びや共通の感動を体験させるとともに、進んで音楽活動をしようとする意欲を養い、音楽によって生活を明るく豊かなものにする態度を育てる。 2 内容 A 表現 (1) 表現の活動を通して、次の事項を指導する。 ア 歌詞の内容や曲想を感じ取って、表現を工夫すること。 イ 豊かな響きをもった歌声や明確な発音に気を付けて歌うこと。 ウ 楽器の基礎的な奏法を身に付け、美しい音色を工夫して表現すること。 エ 声部の役割を感じ取り、全体の響きに気を付けて合唱や合奏をすること。 オ 旋律と和声とのかかわり及び主旋律と他の旋律とのかかわりを感じ取って表現すること。 カ フレーズによる曲のまとまりを感じ取って表現すること。 キ 楽曲を特徴付けている音楽の諸要素の働きを感じ取り、表現を工夫すること。 ク 短い歌詞に節づけしたり、楽器のための簡単な旋律を作って、声や楽器で表現すること。 ケ 自由な発想による即興的な表現や創作をすること。 (2) 表現教材は、次に示すものを取り扱う。 ア 我が国及び諸外国の民謡並びに古典から現代までの作品のうち、平易で親しみのもてるものであること。 イ 歌唱教材は、独唱曲、輪唱曲、二部合唱曲及び三部合唱曲とすること。 イ 器楽教材は、独奏曲、重奏曲及び合奏曲とし、歌唱曲の助奏や伴奏も含めること。 エ 歌唱教材として、次の共通教材を含めること。 「赤とんぼ」 三木露風 作詞 山田耕筰 作曲 「さくらさくら」(合唱) 日本古謡 「花の街」 江間章子 作詞 團伊玖磨 作曲 B 鑑賞 (1) 鑑賞の活動を通して、次の事項を指導する。 ア 楽曲の雰囲気や曲想及び楽曲を特徴付けている諸要素の働きと曲想とのかかわりを感じ取ること。 イ 声や楽器の音色及びその組合せによる響きと効果を感じ取ること。 ウ 我が国の音楽及び諸外国の民族音楽における楽器の音色や奏法と歌唱表現の特徴を感じ取ること。 (2) 鑑賞教材は、次に示すものを取り扱う。 ア 我が国及び諸外国の古典から現代までの作品、郷土の音楽及び諸外国の民族音楽とすること。 イ 鑑賞教材として、次の共通教材を含めること。 雅楽「越天楽」 日本古曲 「春」(「和声と創意の試み」第1集「四季」から) ビバルディ 作曲 「魔王」 シューベルト 作曲 「モルダウ(ブルタバ)」(連作交響詩「我が祖国」から) スメタナ 作曲 〔第2学年及び第3学年〕 1 目標 (1) 楽曲構成の豊かさや美しさを感じ取らせるとともに、表現の技能を伸ばし、創造的な表現の能力を高める。 (2) 音楽に対する総合的な理解を深めるとともに、幅広い鑑賞の能力を高める。 (3) 多様な音楽の学習を通して、音楽活動の喜びや共通の感動を体験させるとともに、主体的な音楽活動の仕方を身に付けさせ、音楽によって生活を明るく豊かなものにする態度を育てる。 2 内容 A 表現 (1) 表現の活動を通して、次の事項を指導する。 ア 歌詞の内容や曲想を味わい、曲にふさわしい表現を工夫すること。 イ 豊かで美しい響きをもった歌声や明確な発音の仕方を工夫して歌うこと。 ウ 楽器の特徴や音色を生かし、曲にふさわしい奏法を工夫して表現すること。 エ 声部の役割を生かし、全体の響きに調和させて合唱や合奏をすること。 オ 旋律と和声とのかかわり及び主旋律と他の旋律とのかかわりを生かして表現すること。 カ 旋律の反復、変化や対照による曲の構成を生かして表現すること。 キ 楽曲を特徴付けている音楽の諸要素の働きを理解して、表現を工夫すること。 ク 歌詞にふさわしい旋律や楽器の特徴を生かした旋律を作り、声や楽器で表 現すること。 ケ 自由な発想による即興的な表現や創作をすること。 (2) 表現教材は、次に示すものを取り扱う。 ア 我が国及び諸外国の民謡並びに古典から現代までの作品のうち、親しみのもてるものであること。 イ 歌唱教材は、独唱曲、輪唱曲、二部合唱曲、三部合唱曲及び混声四部合唱曲とすること。 イ 器楽教材は、独奏曲、重奏曲及び合奏曲とし、歌唱曲の助奏や伴奏も含めること。 エ 歌唱教材として、次の共通教材を含めること。 〔第2学年〕 「荒城の月」(合唱) 土井晩翠 作詞 滝廉太郎 作曲 「夏の思い出」 江間章子 作詞 中田喜直 作曲 「浜辺の歌」 林 古渓 作詞 成田為三 作曲 〔第3学年〕 「早春賦」 吉丸一昌 作詞 中田 章 作曲 「花」(合唱) 武島羽衣 作詞 滝廉太郎 作曲 B 鑑賞 (1) 鑑賞の活動を通して、次の事項を指導する。 ア 楽曲全体の曲想を味わって聴くこと。 イ 楽曲を特徴付けている諸要素の働きと曲想とのかかわりを理解して聴くこと。 ウ 反復、変化、対照による楽曲の構成、声や楽器の音色及びその組合せによる響きと効果を理解して聴くこと。 エ 我が国及び諸外国の音楽について、およその時代的、地域的特徴を感じ取ること。 オ 音楽とその他の芸術とのかかわりを総合的にとらえること。 (2) 鑑賞教材は、次に示すものを取り扱う。 ア 我が国及び諸外国の古典から現代までの作品、郷土の音楽及び諸外国の民族音楽とすること。 イ 鑑賞教材として、次の共通教材を含めること。 〔第2学年〕 「アイーダ」から 第2幕 第2場 ベルディ 作曲 交響曲 第5番 ハ短調 作品67 ベートーベン 作曲 箏曲「六段の調」 八橋検校 作曲 ※尺八曲「鹿の遠音」 作曲者 不詳 ※小フーガ ト短調 バッハ 作曲 ※「ノベンバー ステップス」第1番 武満 徹 作曲 〔第3学年〕 「アランフェス協奏曲」 ロドリーゴ 作曲 長唄「勧進帳」(「旅の衣は…海津の浦に着きにけり」の部分) 四世 杵屋六三郎 作曲 「水の戯れ」 ラベル 作曲 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。 (1) 第2の各学年の内容のAとB並びに内容のAにおける歌唱、器楽及び創作の指導の調和がとれるようにすること。 (2) 第2の各学年の内容のAとB並びに内容のAにおける歌唱、器楽及び創作の指導の相互の関連を図るようにすること。 (3) 第2の第2学年及び第3学年の内容については、第2学年においては音楽の仕組みを理解させることに、第3学年においては総合的に音楽をとらえさせることにそれぞれ重点を置いて扱うなど、学校や生徒の実態に応じ、効果的な指導ができるよう工夫すること。 (4) 第2学年において下限の時数を超えて授業時数を定める場合には、第2の内容について補充や深化を図るため、学校や生徒の実態に応じ、効果的な指導を行うようにすること。 2 第2の各学年の内容の指導については、次の事項に配慮するものとする。 (1) 変声期について気付かせるとともに、変声期の生徒に対しては、心理的な面についても配慮し、適切な声域と声量によって歌わせるようにすること。 (2) 歌唱の指導における階名唱については、移動ド唱法を原則とすること。 (3) 視唱の指導については、小学校における学習の経験の上に立ち、3年間を通じて、2♯、2♭程度までの楽譜の視唱に慣れさせるようにすること。 (4) 器楽の指導については、高音、中音及び低音の声部の均衡のとれた楽器編成を工夫して行うこと。なお、指導上の必要に応じて、弦楽器、管楽器、打楽器、鍵盤楽器、電子楽器、和楽器及び民族楽器を適宜用いること。 (5) 創作の指導については、創造的な活動を重視し、理論に偏らないようにするとともに、創作を記録する方法を工夫させたり、記譜を試みさせたりすること。 (6) 表現の指導については、リズム伴奏、リズムカノンなどのほか、身体的表現の発展としての指揮の活動も取り上げること。 (7) 表現教材には、郷土の民謡を取り上げるようにすること。 (8) 鑑賞教材のうち諸外国の民族音楽については、第1学年においては主としてアジア地域の民族音楽のうちから適切なものを選んで取り上げることとし、第2学年及び第3学年においては広く世界の民族音楽を取り上げるようにすること。 (9) 音楽の記号、用語及び諸要素などについては、表現及び鑑賞の活動を通して理解させるものとし、それぞれの指導のねらいに即し、重点的に取り扱うこと。 3 共通教材については、次のとおり取り扱うものとする。 (1) 歌唱共通教材のうち、第1学年の「さくらさくら」、第2学年の「荒城の月」及び第3学年の「花」については、平易で親しみやすい合唱の形態で指導すること。 (2) 第2学年における共通教材については、次の区分により取り扱うものとする。 ア 下限の授業時数の場合には、歌唱共通教材は学校の実態を考慮して3曲のうち2曲を、鑑賞共通教材は前半の3曲をそれぞれ取り上げること。 イ 下限の授業時数を超える場合には、学校の実態を考慮して、歌唱共通教材は3曲のうち2〜3曲を、鑑賞共通教材は前半の3曲に加えて後半の※印を付した3曲のうち1〜2曲をそれぞれ取り上げること。 4 第2学年及び第3学年における選択教科としての「音楽」においては、生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう、第2の内容について、表現及び鑑賞の能力を高める学習、総合的な学習、課題学習、創造的な表現活動などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。 第6節 美術 第1 目標 表現及び鑑賞の活動を通して、造形的な創造活動の能力を伸ばすとともに、創造の喜びを味わわせ、美術を愛好する心情を育て、豊かな情操を養う。 第2 各学年の目標及び内容 〔第1学年〕 1 目標 (1) 造形的なよさや美しさなどを感じ取り、想像力を働かせて、主題を表現する能力と態度を育てる。 (2) 目的や条件に応じて豊かな発想をし、構想を練り、デザインし制作する能力と態度を育てる。 (3) 自然や造形作品を鑑賞し、そのよさや美しさなどに関心をもち、深く味わう能力と態度を育てる。 2 内容 A 表現 (1) 絵画の表現を通して、次の事項を指導する。 ア 対象のよさや美しさなどを感じ取り、また、経験したことや想像したことを基にして、主題を決めること。 イ 形や色を全体と部分との関係でとらえ、想像力を働かせ、スケッチをするなどして、生き生きと表す構想を練ること。 ウ 表現意図に応じて、材料や用具の特性を生かし、工夫して表すこと。 (2) 彫刻の表現を通して、次の事項を指導する。 ア 対象のよさや立体としての美しさなどを感じ取り、また、経験したことや想像したことを基にして、主題を決めること。 イ 対象をいろいろな角度から観察し、立体としての形などの特徴に気付き、想像力を働かせ、スケッチをするなどして、生き生きと立体的に表す構想を練ること。 ウ 表現意図に応じて、材料や用具の特性を生かし、肉付けや彫りの方法を工夫して表すこと。 (3) デザインの表現を通して、次の事項を指導する。 ア 自然物や人工物の形や色の特徴又は抽象形を基に、配色などを工夫して構成をすること。 イ 身近な環境について、造形的に美しく整えるデザインの構想を練ること。 ウ 伝える目的や条件を考え、伝える内容を形や色で効果的に美しく表すデザインの構想を練ること。 エ 表現意図に応じて、材料や用具の特性を生かし、工夫して表すこと。 (4) 工芸の表現を通して、次の事項を指導する。 ア 用途や材料を基に発想し、図などに表して工芸のデザインの構想を練ること。 イ 制作の条件や意図を生かした制作の計画を立てること。 ウ 制作意図に応じて、材料や用具の特性を生かし、工夫してつくること。 B 鑑賞 (1) 絵画や彫刻の鑑賞を通して、次の事項を指導する。 ア 作者の心情、表現意図、表し方の工夫などに関心をもち、絵画や彫刻のよさや美しさを味わうこと。 イ 絵画や彫刻に親しみ、それらを大切にすること。 ウ 日本の文化遺産としての絵画や彫刻に関心をもち、その表現の特色などについて理解すること。 (2) デザインや工芸の鑑賞を通して、次の事項を指導する。 ア 制作の意図と工夫などに関心をもち、身の回りのデザインや工芸のよさや美しさを味わうこと。 イ 日常生活におけるデザインや工芸の果たす役割について関心をもち、それらを大切にすること。 ウ 日本の文化遺産としてのデザインや工芸に関心をもち、その表現の特色などについて理解すること。 〔第2学年及び第3学年〕 1 目標 (1) 造形的なよさや美しさなどを深く感じ取り、想像力を伸ばし、主題を表現する能力と態度を育てる。 (2) 目的や条件に応じて豊かな発想をし、用と美の調和を理解し、構想を深め、デザインし制作する能力と態度を育てる。 (3) 自然や造形作品を鑑賞し、そのよさや美しさなどを深く味わい、美術と人間とのかかわりに関心をもち、主体的に鑑賞する能力と態度を育てる。 2 内容 A 表現 (1) 絵画の表現を通して、次の事項を指導する。 ア 対象のよさや美しさなどを深く感じ取り、また、経験したことや想像したことを基にして、主題を決め、それを深めること。 イ 空間の感じや動勢などをとらえ、形や色の変化や統一を考え、それらを単純化し、又は強調するなどして、生き生きと表す構想を練ること。 ウ 表現意図に応じて、材料や用具の特性を生かし、表現の方法を選び、工夫して表すこと。 (2) 彫刻の表現を通して、次の事項を指導する。 ア 対象のよさや立体としての美しさなどを深く感じ取り、また、経験したことや想像したことを基にして、主題を決め、それを深めること。 イ 量感、均衡、動勢などをとらえ、形の変化や統一を考え、それを単純化し、又は強調するなどして、生き生きと表す構想を練ること。 ウ。表現意図に応じて、材料や用具の特性を生かし、表現の方法を選び、工夫して表すこと。 (3) デザインの表現を通して、次の事項を指導する。 ア 形や色、材質の機能的な生かし方などを考え、それらを総合的に扱い、美的秩序を意図して構成をすること。 イ 身近な環境について、形や色の生かし方、機能などを考え、美しく整えるデザインの構想を練ること。 ウ 伝える目的や条件について理解し、伝える内容を明瞭に美しく表すデザインの構想を練ること。 エ 表現意図に応じて、材料や用具の特性を生かし、表現の方法を選び、工夫して表すこと。 (4) 工芸の表現を通して、次の事項を指導する。 ア 用途や材料を基に発想し、制作の条件について理解し、機能と美の調和のとれた工芸のデザインの構想を練ること。 イ 材料の生かし方、制作の順序や方法などを総合的に考えて、制作の計画を立てること。 ウ 制作意図に応じて、材料や用具の特性を生かし、制作の方法を選び、工夫してつくること。 B 鑑賞 (1) 絵画や彫刻の鑑賞を通して、次の事項を指導する。 ア 作者の心情、表現意図、表し方の工夫などを感じ取り、絵画や彫刻のよさや美しさを主体的に味わうこと。 イ 日本及び世界の文化遺産としての絵画や彫刻に関心を深め、それらを尊重すること。 ウ 美術と人間とのかかわりに関心をもち、時代、民族、風土、作者などの相違による美術のよさや美しさを味わい、美術が国際理解や親善に果たす役割についても理解すること。 (2) デザインや工芸の鑑賞を通して、次の事項を指導する。 ア 制作の意図と工夫、構想や制作の方法などに関心を深め、身の回りのデザインや工芸のよさや美しさを主体的に味わうこと。 イ デザインや工芸と生活との関連について関心を深め、使う喜びを味わいそれらを尊重すること。 ウ 自然と造形作品との調和に関心を深め、美術の諸活動が環境形成に果たす役割について理解すること。 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。 (1) 第2の各学年の内容のAとB並びに内容のAにおける(1)、(2)、(3)及び(4)の指導の調和がとれるようにすること。 (2) 第2の各学年の内容のAとB並びに内容のAにおける(1)、(2)、(3)及び(4)の指導の相互の関連を図るようにすること。 (3) 第2の第2学年及び第3学年の内容については、生徒の造形的な創造活動の能力の発達等を考慮し平易なものから高度なものへと段階的に扱うようにするなど、生徒や学校の実態に応じ、効果的な指導ができるよう工夫すること。 (4) 第2学年において下限の時数を超えて授業時数を定める場合には、第2の内容について補充や深化を図るため、学校や生徒の実態に応じ、適切な指導を行うようにすること。 2 第2の各学年の内容のAの指導については、次の事項に配慮するものとする。 (1) 表現のための材料などについては、地域にある身近な材料などをも取り上げるようにすること。 (2) 個性を生かし協力して創造することの喜びを味わわせるため、共同で行う創造活動を経験させるようにすること。 (3) 主題の決定から表現の確認及び完成の喜びに至る過程において、主体的に表現を追求する態度の育成を図ること。 3 事故防止のため、特に、塗料、火気、用具などの取扱いや活動場所における安全指導に十分留意する必要がある。 4 校内の適切な場所に鑑賞作品を展示し、随時、鑑賞できるよう配慮する必要がある。 5 第2学年及び第3学年における選択教科としての「美術」においては、生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう、第2の内容について、表現及び鑑賞の能力を高める学習、総合的な学習、課題学習などの学習活動を学校において適切に工夫して取り扱うものとする。 第7節 保健体育 第1 目標 運動の合理的な実践と健康・安全についての理解を通して、運動に親しむ習慣を育てるとともに健康の増進と体力の向上を図り、明るく豊かな生活を営む態度を育てる。 第2 各分野の目標及び内容 〔体育分野〕 1 目標 (1) 各種の運動の合理的な実践を通して、運動技能を高めるとともに運動の楽しさや喜びを味わうことができるようにし、生活を明るく健全にする能力と態度を育てる。 (2) 各種の運動を適切に行うことによって、強健な身体を育てるとともに強い意志を養い、体力の向上を図る。 (3) 運動における競争や協同の経験を通して、公正な態度を育て、進んで規則を守り、互いに協力して責任を果たすなどの態度を育てる。 (4) 健康・安全に留意して運動することができる態度を育てる。 2 内容 A 体操 (1) 自己の身体に関心をもち、体力の現状を理解し、ねらいをもって次の運動を行い、体力を高めることができるようにする。 ア 体の柔らかさ及び巧みな動きを高めるための運動 イ 力強い動きを高めるための運動 ウ 動きを持続する能力を高めるための運動 (2) 自己の体力や生活に応じて、体力を高めるための体操を構成し、活用することができるようにする。 (3) 互いに協力して、計画的に運動ができるようにする。 (4) 集合、整とん、列の増減、方向変換などの行動の仕方を身に付け、能率的で安全な集団としての行動ができるようにする。 B 器械運動 (1) 自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い、その技能を高め、技が円滑にできるようにする。 ア マット運動 イ 鉄棒運動 ウ 平均台運動 エ 跳び箱運動 (2) 互いに協力して、計画的に運動ができるようにする。 (3) 器械・器具を点検し、安全に留意して運動ができるようにする。 C 陸上運動 (1) 自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い、その技能を高め、競技したり、記録を高めたりすることができるようにする。 ア 短距離走・リレー、長距離走及び障害走 イ 走り幅跳び及び走り高跳び (2) 互いに協力して、計画的に練習や競技ができるようにするとともに、勝敗に対して公正な態度がとれるようにする。 (3) 自己の身体の調子や練習場などの安全を確かめ、健康・安全に留意して練習や競技ができるようにする。 D 水泳 (1) 自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い、その技能を高め、続けて長く、速く泳ぐことができるようにする。 ア クロール イ 平泳ぎ ウ 背泳ぎ (2) 互いに協力して、計画的に水泳ができるようにする。 (3) 水泳の事故防止に関する心得を守り、健康・安全に留意して水泳ができるようにする。 E 球技 (1) 次の運動の技能を身に付け、攻防の仕方を工夫するなど作戦を立ててゲームができるようにする。 ア バスケットボール又はハンドボール イ サッカー ウ バレーボール エ テニス、卓球又はバドミントン オ ソフトボール (2) チームにおける自己の役割を自覚して、その責任を果たし、互いに協力して、計画的に練習やゲームができるようにするとともに、勝敗に対して公正な態度がとれるようにする。 F 武道 (1) 次の運動の技能を身に付け、相手の動きに対応した攻防の仕方を工夫して練習や試合ができるようにする。 ア 柔道 イ 剣道 ウ 相撲 (2) 伝統的な行動の仕方に留意して、互いに相手を尊重し、計画的に練習や試合ができるようにするとともに、勝敗に対して公正な態度がとれるようにする。 (3) 禁じ技を用いないなど安全に留意して練習や試合ができるようにする。 G ダンス (1) 次の運動の技能を身に付け、感じを込めて踊ったり、みんなで楽しく踊ったりすることができるようにする。 ア 創作ダンス イ フォークダンス (2) グループで役割を分担し、互いに協力して計画的に練習や発表ができるようにする。 H 体育に関する知識 (1) 運動と心身の働き 運動にかかわりのある器官の働き及び運動技能の発揮・向上と意欲などの心の働きとの関係について理解させる。また、運動の効果について理解させる。 (2) 体力の測定と運動の練習 ア 体力の測定とその結果の活用 体力の測定方法やその測定結果を自己の体力の向上に活用する方法について理解させる。 イ 運動の特性と練習 各種の運動の特性及び運動の練習に関する一般原則や安全について理解させる。また、自然とのかかわりの深い野外の運動の安全について理解させる。 3 内容の取扱い (1) 内容のAからHまでの領域については、次のとおり取り扱うものとする。 ア 第1学年においては、A、B、C、D及びEについては、すべての生徒に履修させること。F及びGについては、これらのうちから一を選択して履修できるようにすること。 イ 第2学年においては、Aについては、すべての生徒に履修させること。B、C及びDについては、これらのうちから二を、E、F及びGについてはこれらのうちから二をそれぞれ選択して履修できるようにすること。 ウ 第3学年においては、Aについては、すべての生徒に履修させること。B、C及びDについてはこれらのうちから一又は二を、E、F及びGについてはこれらのうちから二をそれぞれ選択して履修できるようにすること。 エ Hについては、主として第1学年及び第2学年において、すべての生徒に履修させること。 (2) 内容のAからGまでに示す事項については、各学年において次のとおり取り扱うものとする。 ア Aに示す事項については、すべての生徒に履修させること。なお、Aの(4)の集団としての行動の指導については、内容のB、C、D、E、F及びGにおいても行うこと。 イ Bの(1)の運動については、これらのうちから二又は三を選択して履修できるようにすること。 ウ Cの(1)の運動については、ア及びイに示すそれぞれの運動のうちから選択して履修させることができること。 エ Dの(1)の運動については、これらのうちから選択して履修させることができることとし、泳法との関連においてスタート及びターンも取り上げること。その際、スタートの指導については安全に十分留意すること。なお、水泳の指導については、適切な水泳場の確保が困難な場合にはこれを扱わないことができるが、水泳の事故防止に関する心得については、必ず取り上げること。 オ Eの(1)の運動については、これらのうちから二を選択して履修できるようにすること。 カ Fの(1)の運動については、これらのうちから一を選択して履修できるようにすること。なお、地域や学校の実態に応じて、なぎなたなどその他の武道についても履修させることができること。 キ Gの(1)の運動については、これらのうちから選択して履修させることができること。なお、地域や学校の実態に応じて、その他のダンスについても履修させることができること。 (3) 内容のAからGまでの領域及び運動の選択並びにその指導に当たっては、地域や学校の実態及び生徒の特性等を考慮するものとする。 (4) 自然とのかかわりの深いスキー、スケートなどの指導については、地域や学校の実態に応じて積極的に行うことに留意するものとする。 〔保健分野〕 1 目標 (1) 心身の発達や心の健康及び健康と生活について理解させ、合理的に健康を維持増進することができる能力と態度を育てる。 (2) 健康と環境とのかかわりについて理解させ、健康に適した環境の維持や改善を図ることができる能力と態度を育てる。 (3) 傷害の防止と疾病の予防について理解を深めさせるとともに、応急処置の基礎的技能を習得させ、これらを実践できる能力と態度を育てる。 2 内容 (1) 身体の機能の発達と心の健康について理解させる。 ア 身体の機能は年齢とともに発達し、また、二次性徴は身体の発達とそれに伴う内分泌の働きによって現れること。 イ 知的機能、情意機能、社会性などの精神機能は、生活経験などの影響を受けて発達し、また、思春期においては、自己の認識が深まり、自己形成がなされること。 ウ 心の健康を保つには、欲求に適切に対処するなど心身の調和を保つことが大切であること。また、欲求への対処の仕方に応じて、精神的、身体的に様々な影響が生じることがあること。 (2) 健康と環境について理解させる。 ア 身体には、環境に対してある程度まで適応能力があること。 イ 快適での能率のよい生活を送るための温度、湿度などや明るさ、騒音には一定の範囲があること。また、空気中の二酸化炭素の濃度は室内空気の汚れの指標となり、一酸化炭素は有害で、それぞれ許容濃度が定められていること。 ウ 生命の維持や生活に必要な水は、衛生的な基準に適合するよう浄化され、確保されていること。 エ 人間の生活によって生じた廃棄物は、衛生的に、また、環境を汚染しないように処理する必要があること。 (3) 傷害の防止について理解を深めさせる。 ア 傷害は人的要因や環境要因がかかわって発生するが、多くの傷害は、安全な行動、環境の改善などの対策によって防止できること。 イ 交通事故は人と車輛、道路などがかかわって発生するが、多くの事故は、安全な行動、交通環境の改善などの対策によって防止できること。 ウ 応急処置を適切に行うことによって、傷害の悪化を防止することができること。 (4) 疾病の予防について理解を深めさせる。 ア 疾病は主体や環境の要因がかかわって発生するが、多くの疾病は、それらに対する対策によって予防できること。 イ 喫煙、飲酒、薬物乱用などの行為は、心身に様々な影響を与え、疾病の要因ともなること。 ウ 応急処置を適切に行うことによって、疾病の悪化を防止することができること。 (5) 健康と生活について理解させる。 ア 健康は、年齢や生活環境などに即した適切な運動などの身体活動によって保持増進させることができること。 イ 健康は、年齢、身体活動などに応じて、栄養の質や量などの調和のとれた食事をとることによって保持増進させることができること。 ウ 学習、運動、作業などの活動は、疲労をもたらすが、それは適切な休養などによって回復を図ることができること。 エ 個人の健康と集団の健康とは密接な関係があり、相互に影響し合うこと。また、健康を保持増進するため、地域社会では様々な活動が行われていること。 3 内容の取扱い (1) およそ、内容の(1)は第1学年、内容の(2)は第2学年、内容の(3)、(4)及び(5)は第3学年で取り扱うことを標準とする。 (2) 内容の(1)のアついては、身体機能の発達の順序性などを総合的に取り上げるものとする。また、性差や個人差についても取り上げるものとする。 (3) 内容の(2)については、地域の実態に即して公害と健康との関係を取り上げることも配慮するものとする。 (4) 内容の(3)のウ及び(4)のウについては、包帯法、止血法、人工呼吸法及び運搬法の基礎的方法と傷害や急病の応急処置を取り上げ、実習を行うものとする。 (5) 内容の(4)のイについては、心身への急性影響を中心に取り上げるものとする。 (6) 内容の(5)のウについては、必要に応じて、コンピュータ等の情報機器を使用する場合の影響について取り上げることも配慮するものとする。 (7) 必要に応じて、実験、実習などを取り入れた指導を行うよう配慮するものとする。 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。 (1) 授業時数の配当については、次のとおり取り扱うこと。 ア 各分野に配当する授業時数は、3学年を通して、体育分野260 〜295 単位時間、保健分野55単位時間を標準とすること。 イ 体育分野の授業時数は、各学年にわたって適切に配当するが、第3学年においては、70〜105 単位時間を配当すること。 ウ 体育分野の内容のAからGまでの領域の授業時数は、各運動の習熟を図ることができるよう考慮して配当すること。 エ 体育分野の内容のHの授業時数は、体育分野の下限の授業時数の5パーセント程度を配当すること。 オ 保健分野の授業時数は、第2の3の(1)の取扱いに即して各学年にわたって適切に配当するが、第3学年にある程度まとまった時数を配当すること。 (2) 第1章総則第1の3に示す学校における体育に関する指導の趣旨を生かし、特別活動、運動部の活動などとの関連を図り、日常生活における体育的活動が適切かつ継続的に実践できるよう留意すること。なお、体力の測定については、計画的に実施し、運動の指導及び体力の向上に活用するようにすること。 (3) 第3学年において下限の時数を超えて授業時数を定める場合には、体育分野の内容について定着を図るため、それぞれの生徒の習熟の程度に応じ、適切な指導を行うようにすること。 2 第2学年及び第3学年における選択教科としての「保健体育」においては、生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう、各種の運動の学習、第2の内容に示した健康・安全に関する事項についての課題学習などの学習活動を学校において適切に工夫して取り扱うものとする。 第8節 技術・家庭 第1 目標 生活に必要な基礎的な知識と技術の習得を通して、家庭生活や社会生活と技術とのかかわりについて理解を深め、進んで工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる。 第2 各領域の目標及び内容 A 木材加工 1 目標 簡単な木製品の設計と製作を通して、木材の特徴と加工法との関係について理解させ、使用目的や使用条件に即して製作品をまとめる能力を養う。 2 内容 (1) 木製品の設計について、次の事項を指導する。 ア 使用目的や使用条件に即して、製作品の機能と構造について知ること。 イ 製作品の構想表示の方法を知り、製作に必要な構想図と製作図をかくことができること。 ウ 製作工程と作業計画を知ること。 (2) 木製品の製作に必要な材料について、次の事項を指導する。 ア 木材の特徴とその適切な使用法を知ること。 イ 接着剤や緊結材の特徴とそれらの適切な使用法を知ること。 ウ 塗料の特徴とその適切な使用法を知ること。 (3) 木工具と木工機械の使用法及びそれらによる加工法について、次の事項を指導する。 ア 木工具や木工機械の仕組みと適切な使用法を知ること。 イ 木工具を適切に使い、けがき、切断及び切削などができること。 ウ 木工機械を適切に使い、切断及び切削などができること。 エ 構想図や製作図に基づいて組立てが的確にできること。 オ 木製品の用途に応じた塗装が的確にできること。 (4) 日常生活や産業の中で果たしている木材の役割について考えさせる。 3 内容の取扱い (1) 内容の(1)のイの構想図及び製作図については、等角図、キャビネット図及び第三角法によってかくことを標準とする。 (2) 内容の(3)のア、イの木工具についていは、のこぎりとかんなを重点的に取り上げるものとする。 B 電気 1 目標 電気機器の取扱いや簡単な電気回路の設計と製作を通して、電気回路の構成及び電子の働きと利用について理解させ、電気機器を安全かつ適切に活用する能力を養う。 2 内容 (1) 電気機器の保守の方法について、次の事項を指導する。 ア 電気機器の点検ができること。 イ コードと電気機器及び配線器具との接続ができること。 ウ 屋内配線について知り、漏電、感電、過熱及び短絡による事故の防止がでること。 (2) 簡単な電気回路の設計と製作について、次の事項を指導する。 ア スイッチ、抵抗器、トランジスタなどの電気回路要素の図記号と回路図を知ること。 イ スイッチ、抵抗器、トランジスタなどの電気回路要素の働きと使用法を知ること。 ウ 簡単な電気回路の設計ができること。 エ 部品の配置、取付け及び配線ができること。 (3) 電気機器の仕組み及び電気材料について、次の事項を指導する。 ア 電気機器の回路図の読図ができること。 イ 電気機器の仕組みを知ること。 ウ 導電材料と絶縁材料の特徴を知ること。 (4) 日常生活や産業の中で果たしている電気の役割について考えさせる。 C 金属加工 1 目標 簡単な金属製品の設計と製作を通して、金属材料の特徴と加工法との関係について理解させ、使用目的や使用条件に即して製作品をまとめる能力を養う。 2 内容 (1) 金属製品の設計について、次の事項を指導する。 ア 使用目的や使用条件に即して、製作品の機能と構造について知ること。 イ 製作品の構想を具体化し、製作に必要な構想図や製作図をかくことができること。 ウ 製作工程を知り、作業計画を立てることができること。 (2) 金属材料、接合材料及び工具材料の特徴とそれらの使用法について理解させる。 (3) 金属用手工具と工作機械の使用法及びそれらによる加工法について、次の事項を指導する。 ア 金属用手工具や工作機械の仕組みと使用法を知ること。 イ 金属用手工具を適切に使い、材料の切断、やすりがけ及び折り曲げができること。 ウ 工作機械を適切に操作して、穴あけや旋削ができること。 エ 構想図や製作図に基づいて組立てが的確にできること。 (4) 日常生活や産業の中で果たしている金属の役割について考えさせる。 D 機械 1 目標 簡単な動く模型の設計と製作や機械の整備を通して、機械の仕組みやエネルギーの変換と利用について理解させ、機械を適切に活用する能力を養う。 2 内容 (1) 機械の機構、機械要素及び機械材料について、次の事項を指導する。 ア 運動伝達の仕組みを知ること。 イ 機械要素の特徴と働きを知ること。 ウ エネルギーを動力として利用する機械の仕組みを知ること。 エ 機械材料とその特徴を知ること。 (2) 簡単な動く模型の設計と製作ができるようにする。 (3) 機械の整備の方法について、次の事項を指導する。 ア 整備の目的に応じた分解と組立てができること。 イ 各部の異状の有無の点検と調整ができること。 (4) 日常生活や産業の中で果たしている機械の役割について考えさせる。 E 栽培 1 目標 作物の栽培を通して、作物の生育条件と栽培技術との関係について理解させ、作物を計画的に育成する能力を養う。 2 内容 (1) 作物の栽培計画について、次の事項を指導する。 ア 作物の種類とその生育過程を知ること。 イ 栽培の目的に即した栽培計画を立てることができること。 (2) 作物の栽培に適する環境条件について、次の事項を指導する。 ア 作物の生育と光、温度、水などとの関係を知ること。 イ 作物の生育と土及び肥料との関係を知ること。 (3) 作物の栽培法について、次の事項を指導する。 ア 作物の生育過程に即した管理作業が適切にできること。 イ 作物の病気や害虫について知り、適切な防除ができること。 ウ 環境調節などを利用した栽培ができること。 (4) 栽培と生活との関係について考えさせる。 F 情報基礎 1 目標 コンピュータの操作等を通して、その役割と機能について理解させ、情報を適切に活用する基礎的な能力を養う。 2 内容 (1) コンピュータの仕組みについて、次の事項を指導する。 ア コンピュータシステムの基本的な構成と各部の機能を知ること。 イ ソフトウェアの機能を知ること。 (2) コンピュータの基本操作と簡単なプログラムの作成について、次の事項を指導する。 ア コンピュータの基本操作ができること。 イ プログラムの機能を知り、簡単なプログラムの作成ができること。 (3) コンピュータの利用について、次の事項を指導する。 ア ソフトウェアを用いて、情報を活用することができること。 イ コンピュータの利用分野を知ること。 (4) 日常生活や産業の中で情報やコンピュータが果たしている役割と影響について考えさせる。 3 内容の取扱い (1) 内容の(1)のアについては、入力、演算、制御、記憶及び出力を取り上げるものとする。 (2) 内容の(3)のアについては、日本語ワードプロセッサ、データベース、表計算、図形処理などのソフトウェアを取り上げ、情報の選択、整理、処理、表現などを行わせるものとする。 G 家庭生活 1 目標 家庭生活に関する実践的・体験的な学習を通して、自己の生活と家族の生活との関係について理解させ、家庭生活をよりよくしようとする実践的な態度を育てる。 2 内容 (1) 家族の生活について、次の事項を指導する。 ア 家庭の機能と家庭生活の意義を知ること。 イ 家族の生活と家族関係について考えること。 (2) 家庭の経済について、次の事項を指導する。 ア 家庭の収入と支出を知ること。 イ 物資・サービスの選択、契約、購入及び活用について考え、消費者としての自覚をもつこと。 (3) 家庭の仕事について、次の事項を指導する。 ア 家庭の仕事の種類や内容について知り、計画を立てることができること。 イ 簡単な食事を整えることができること。 ウ 被服計画を考え、適切な着用及び手入れができること。 エ 室内の整備と美化の工夫ができること。 (4) 家庭生活と地域との関係について考えさせる。 3 内容の取扱い (1) 内容の(2)のイについては、内容の(3)のイ、ウ及びエと関連させて指導するよう配慮するものとする。 (2) 内容の(3)の指導については、日常の家庭生活との関連を図るものとする。 H 食物 1 目標 日常食の調理を通して、栄養及び食品の性質と選択について理解させ、青少年にふさわしい食事を計画的に整える能力を養う。 2 内容 (1) 青少年の栄養及び日常食の献立について、次の指導をする。 ア 青少年の栄養の特徴を知ること。 イ 一日に必要な食品の種類と概量を知り、献立を考えることができること。 (2) 食品の性質とその選択について、次の事項を指導する。 ア 食品の栄養的特質を知ること。 イ 米、魚、肉、牛乳、野菜、小麦粉の調理上の性質を知ること。 ウ 食品の品質を見分け、用途に応じて適切に食品を選ぶことができること。 (3) 日常食の調理について、次の事項を指導する。 ア 米を用いて、変わり飯の調理ができること。 イ 魚や肉を用いて、焼き物、煮物又は汁物を作ることができること。 ウ 野菜を用いて、いため物、ゆで物又はあえ物を作ることができること。 エ めん類を用いた調理ができること。 オ 小麦粉を用いた菓子を作ることができること。 カ 食塩、みそ、しょうゆ、さとう、食酢、油脂について適切な取扱いができること。 キ 食品や調理用具の安全で衛生的な取扱いができること。 ク 調理用熱源の適切な取扱いができること。 (4) 適切な食事のとり方及び食事作法について考えさせる。 3 内容の取扱い (1) 内容の(1)、(2)及び(4)ついては、内容の(3)で取り上げる題材との関連を図って指導するものとする。 (2) 内容の(3)の題材については、アからオまでの事項を適切に組み合わせて選定するものとする。 (3) 内容の(3)のカについては、(3)のアからオまでの事項との関連を図って指導するものとする。 I 被服 1 目標 日常着及び簡単な手芸品の製作を通して、生活と被服との関係について理解させ、衣生活を快適にする能力を養う。 2 内容 (1) 簡単な被服の製作について、次の事項を指導する。 ア 被服の構成を知り、製作計画を立てることができること。 イ 製作に適した被服材料の選択ができること。 ウ 採寸及び型紙の活用ができること。 エ 裁断、本縫い及び仕上げができること。 オ 布地や目的に応じた適切な縫い方及び縫い代の始末ができること。 カ 裁縫用具の適切な取扱いができること。 キ ミシンとアイロンの安全で適切な取扱いができること。 (2) 手芸について、次の事項を指導する。 ア 日常生活と手芸品との関係について考えること。 イ 簡単な手芸品の製作ができること。 (3) 生活と被服との関係について考えさせる。 3 内容の取扱い (1) 内容の(1)の題材は、立体構成の基礎について理解させることのできるものを適切に選定するものとする。 (2) 内容の(2)の題材は、ししゅう、編み物または染色のうちから適切なものを選定するものとする。 J 住居 1 目標 住空間の計画及び室内環境と設備に関する学習を通して、快適な住まい方について理解させ、住空間を適切に活用する能力を養う。 2 内容 (1) 家族の生活と住居との関連及び快適な住まい方について理解させる。 (2) 住空間の計画について、次の事項を指導する。 ア 食事、団らんなどのための空間の機能を知ること。 イ 食事、団らんなどに必要な家具の使いやすい形状と寸法を知り、その配置及び空間の使い方の工夫ができること。 (3) 室内環境と設備について、次の事項を指導する。 ア 安全で衛生的な室内の整備の工夫ができること。 イ 室内の空気調節及び騒音防止の仕方を知り、住まい方の工夫ができること。 (4) 家庭生活における資源の適切な使い方と廃棄物の処理について考えさせる。 3 内容の取扱い (1) 内容の(3)については、内容の(2)との関連を図って指導するものとする。 K 保育 1 目標 幼児の遊び、食物及び被服に関する学習を通して、その心身の発達に応じた生活について理解させ、幼児に対する関心を高める。 2 内容 (1) 幼児の心身の発達について、次の事項を指導する。 ア 身体の発育及び運動機能の発達の状態を知ること。 イ 言語、情緒及び社会性の発達の傾向を知ること。 (2) 幼児の生活について、次の事項を指導する。 ア 心身の発達に応じた遊びについて考え、幼児に適した遊び道具の製作ができること。 イ 幼児の食生活について考え、簡単な間食を作ることができること。 ウ 幼児の衣生活について考え、簡単な被服の製作ができること。 エ 発達段階に応じた適切な生活習慣を身に付けさせることの必要性を知ること。 (3) 幼児の発達と環境との関係について考えさせる。 3 内容の取扱い (1) 内容の(1)については、内容の(2)の各事項との関連を図り、具体的な事例を通して指導するものとする。 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。 (1) 学校においては、地域や学校の実態及び生徒の特性等に応じて、第2の内容のAからKまでの11の領域のうちから7以上の領域を履修させるものとする。その際、「A 木材加工」「B 電気」「G 家庭生活」及び「H 食物」の4領域については、すべての生徒に履修させるものとすること。 (2)「A 木材加工」「G 家庭生活」の2領域については、第1学年で履修させることを標準とすること。 (3) 第2の内容のAからKまでの各領域に配当する授業時数については、「A 木材加工」「B 電気」「G 家庭生活」及び「H 食物」の各領域はそれぞれ35単位時間を標準とし、それ以外の各領域はそれぞれ20単位時間から30単位時間までを標準とすること。 (4) 学習活動は、実習を中心として、各領域及び各領域に示す事項が相互に有機的な関連をもち、総合的に展開されるように計画すること。 (5) 第3学年において下限の時数を超えて授業時数を定める場合には、各領域の内容について補充や深化を図るため学校や生徒の実態に応じ適切な指導を行ったり、未修の領 域を履修させたりすること。 2 実習の指導については、次の事項に配慮するものとする。 (1) 用具の手入れと保管、材料の購入と配分などの管理に関する能力を十分養うようにすること。 (2) 衛生や事故防止に十分留意し、服装と学習環境の整備、安全規則の励行などの安全の徹底を図ること。 3 各領域の指導については、知識や技術の単なる習得に終わることなく、習得した知識や技術を積極的に活用する能力を伸長させるとともに、仕事の楽しさや完成の喜びを体得させるよう配慮するものとする。 4 第2学年及び第3学年における選択教科としての「技術・家庭」においては、生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう各領域の内容について学校において適切に工夫した学習活動や地域の実態に即した学習活動を取り扱ったり、未修の領域を履修させたりするものとする。 第9節 外国語 第1 目標 外国語を理解し、外国語で表現する基礎的な能力を養い、外国語で積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てるとともに、言語や文化に対する関心を深め、国際理解の基礎を培う。 第2 各学年の目標及び内容 英語 〔第1学年〕 1 目標 (1) 身近で簡単なことについて話される初歩的な英語を聞いて理解できるようにするとともに、英語を聞くことに親しみ、英語を聞いて理解することに対する興味を育てる。 (2) 初歩的な英語を用いて、身近で簡単なことについて話す事ができるようにするとともに、英語で話すことに親しみ、英語で話すことに対する興味を育てる。 (3) 身近で簡単なことについて書かれた初歩的な英語を読んで理解できるようにするとともに、英語を読むことに親しみ、英語を読んで理解することに対する興味を育てる。 (4) 初歩的な英語を用いて、身近で簡単なことについて書くことができるようにするとともに、英語で書くことに親しみ、英語で書くことに対する興味を育てる。 2 内容 (1) 言語活動 英語を理解し、英語で表現する能力と態度を養うため、次の言語活動を行わせる。 ア 聞くこと 主として次の事項について指導する。 (ア) 語句や文の意味を正しく聞き取ること。 (イ) 質問、指示、依頼、提案などを聞いて適切に応ずること。 (ウ) 数個の文の内容を聞き取ること。 イ 話すこと 主として次の事項について指導する。 (ア) 語句や文をはっきりと正しく言うこと。 (イ) あいさつ、質問、指示、依頼などに適切に応答すること。 (ウ) 伝えようとすることを簡単な文で話すこと。 ウ 読むこと 主として次の事項について指導する。 (ア) 語句や文をはっきりと正しく音読すること。 (イ) 質問、依頼などの文を読んで適切に応ずること。 (ウ) 数個の文の内容が表現されるように音読すること。 エ 書くこと 主として次の事項について指導する。 (ア) 語句や文を正しく書き写すこと。 (イ) 語句や文を聞いて正しく書き取ること。 (ウ) 伝えようとすることを簡単な文で書くこと。 (2) 言語材料 (1)の言語活動は、別表1に示す言語材料のうちから、1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。 〔第2学年〕 1 目標 (1) 初歩的な英語の文や文章を聞いて、話し手の意向などを理解できるようにするとともに、英語を聞くことに慣れ、英語を聞いて理解しようとする意欲を育てる。 (2) 初歩的な英語の文や文章を用いて、自分の考えなどを話すことができるようにするとともに、英語で話すことに慣れ、英語で話そうとする意欲を育てる。 (3) 初歩的な英語の文や文章を読んで、書き手の意向などを理解できるようにするとともに、英語を読むことに慣れ、英語を読んで理解しようとする意欲を育てる。 (4) 初歩的な英語の文や文章を用いて、自分の考えなどを書くことができるようにするとともに、英語で書くことに慣れ、英語で書こうとする意欲を育てる。 2 内容 (1) 言語活動 英語を理解し、英語で表現する能力と態度を養うため、次の言語活動を行わせる。 ア 聞くこと 主として次の事項について指導する。 (ア) 自然な口調で話されたり読まれたりする文や文章の内容を聞き取ること。 イ 話すこと 主として次の事項について指導する。 (ア) 相手の言うことを聞き取って適切に質問したり応答したりすること。 (イ) 聞いたり読んだりしたことについて問答すること。 ウ 読むこと 主として次の事項について指導する。 (ア) 文や文章の内容を考えながら黙読すること。 (イ) 文や文章の内容を理解して、その内容が表現されるように音読すること。 エ 書くこと 主として次の事項について指導する。 (ア) 書こうとすることを整理して、大事なことを落とさないように書くこと。 (2) 言語材料 (1)の言語活動は、別表1に示す言語材料のうちから、1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。 〔第3学年〕 1 目標 (1) 初歩的な英語の文章を聞いて、話し手の意向などを理解できるようにするとともに、英語を聞くことに習熟し、英語を聞いて理解しようとする積極的な態度を育てる。 (2) 初歩的な英語の文章を用いて、自分の考えなどを話すことができるようにするとともに、英語で話すことに習熟し、英語で話そうとする積極的な態度を育てる。 (3) 初歩的な英語の文章を読んで、書き手の意向などを理解できるようにするとともに、英語を読むことに習熟し、英語を読んで理解しようとする積極的な態度を育てる。 (4) 初歩的な英語の文章を用いて、自分の考えなどを書くことができるようにするとともに、英語で書くことに習熟し、英語で書こうとする積極的な態度を育てる。 2 内容 (1) 言語活動 英語を理解し、英語で表現する能力と態度を養うため、次の言語活動を行わせる。 ア 聞くこと 主として次の事項について指導する。 (ア) まとまりのある文章の概要や要点を聞き取ること。 イ 話すこと 主として次の事項について指導する。 (ア) 話そうとすることを整理して、大事なことを落とさないように話すこと。 ウ 読むこと 主として次の事項について指導する。 (ア) まとまりのある文章の概要や要点を読み取ること。 エ 書くこと 主として次の事項について指導する。 (ア) 聞いたり読んだりしたことについて、その概要や要点を書くこと。 (2) 言語材料 (1)の言語活動は、別表1に示す言語材料のうちから、1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。 3 内容の取扱い (1) 言語活動を活発にするために、別表1に示す言語材料以外に、話し手や聞き手の考え、感情などを表現するのに必要な言語材料のうち基本的なものを取り上げても差し支えない。 (2) 別表1に示す言語材料のウの(エ)のbについては、理解の段階にとどめるものとする。 (3) 別表1に示す言語材料のエの(ア)のbについては、理解の段階にとどめるものとする。 別表1 言語材料 ア 音声 (ア) 現代の標準的な発音 (イ) 語のアクセント (ウ) 文の基本的な音調 (エ) 文における基本的な区切り (オ) 文における基本的な強勢 イ 文 (ア) a 単文及び重文 b 複文 (イ) 肯定及び否定の平叙文 (ウ) 肯定及び否定の命令文 (エ) 疑問文のうち、動詞で始まるもの、助動詞can 、do、does、may などで始まるもの、orを含むもの及び疑問詞how 、what、when、where 、which 、who 、whose 、why で始まるもの ウ 文型 (ア) 主語+動詞の文型 (イ) 主語+動詞+補語の文型のうち、動詞がbe動詞で補語が名詞、代名詞及び形容詞である場合並びに動詞がbe動詞以外で補語が名詞及び形容詞である場合 (ウ) 主語+動詞+目的語の文型 a 目的語が名詞、代名詞、動名詞及び不定詞である場合 b 目的語がhow など+不定詞、thatで始まる節及びwhatなどで始まる節の場合 (エ) 主語+動詞+間接目的語+直接目的語の文型 a 直接目的語が名詞及び代名詞の場合 b 直接目的語がhow など+不定詞の場合 (オ) 主語+動詞+目的語+補語の文型のうち、補語が名詞及び形容詞である場合 (カ) その他の文型 a There is及びThere are の文型 b It+be動詞+〜(+for 〜)+to不定詞の文型 c 主語+ask 、tellなど+目的語+不定詞の文型 エ 文法事項 (ア) 代名詞 a 人称、指示、疑問、数量を表すもの b 関係代名詞のうち、主格のthat、which 、who 及び目的格のthat、which の制限的用法の基本的なもの (イ) 動詞の時制のうち、現在形、現在進行形、現在完了形、過去形、過去進行形及び未来形 (ウ) 形容詞及び副詞の比較変化 (エ) 不定詞の、名詞としての用法、形容詞としての用法及び副詞としての用法のうち目的を表すものと原因を表す基本的なもの (オ) 動名詞のうち、動詞の目的語となるもの及びそれ以外の基本的な用法 (カ) 現在分詞及び過去分詞の形容詞としての用法 (キ) 受け身のうち、現在形及び過去形 オ 語及び連語 (ア) 別表2に示す語を含めて、1000語程度までの語 (イ) 連語のうち基本的なもの カ 文字 (ア) アルファベットの活字体及び筆記体の大文字及び小文字キ 符号 (イ) 終止符、疑問符、コンマ、感嘆符などの符号の基本的な用法 別表2 a about across after afternoon again ago all already also always am among an and animal another answer any anyone anything April are arrive as ask at August aunt away back bad be beautiful because become before begin between big bird black blue boat book both box boy bread break breakfast bring brother build building bus busy but buy by call can car card carry catch chair child city class clean close cloud club cold college colo(u)r could come cook cool country cry cup cut dark daughter day dear December desk dictionary different dinner do does door down draw drink drive during each ear early easy eat eight eighteen eighth eighty either eleven eleventh English enjoy enough evening ever every everyone everything eye excuse face fall family famous far farm fast father February feel few fifteen fifth fifty find fine finish first fish five flower fly food foot for forget forty four fourteen fourth Friday friend from fruit game garden get girl give glad glass go good goodby(e) great green ground grow hair half hand happy hard has have he head hear help her here hers high hill him his holiday home hope hot hour house how hundred I if idea important in interesting into introduce invite is it January Japan Japanese July June just keep kind kitchen know lake language large last late learn leave left lend let letter library life light like listen little live long look lose love lunch make man many March May may me mean meet milk mine minute Monday money month moon more morning most mother mountain mouth much music must my name near need never new news next nice night nine nineteen ninety ninth no nothing noon nose not notebook November now October of off often old on once one only open or other our ours out over paper park pen pencil people picture plane play please poor popular pretty put question quickly rain read ready really remember red rice rich ride right rise river room run sad same Saturday say school sea season second see sell send September seven seventeen seventh seventy shall she shop short should shout show sick since sing sister sit six sixteen sixth sixty sky sleep slowly small smile snow so some someone something sometimes son soon sorry speak spend sport spring stand star start station stay still stop store story street strong student study such summer sun sure Sunday swim table take talk tall teach teacher tell ten tenth than thank that the their them then there these they think third thirteen thirty this those thousand three through Thursday time to today together tomorrow too town tree try Tuesday turn twelfth twelve twenty two uncle under understand until[又はtill] up us use useful usually vacation very village visit wait walk wall want warm wash watch water way we Wednesday week welcome well what when where which white who whose why will wind window winter with without woman wonderful word work world worry would write wrong yard year yellow yes yesterday yet you young your yours ドイツ語 〔第1学年〕 1 目標 英語の第1学年の目標に準ずるものとする。 2 内容 (1) 言語活動 英語の第1学年の言語活動に準ずるものとする。 (2) 言語材料 (1)の言語活動は、別表3に示す言語材料のうちから、1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。 〔第2学年〕 1 目標 英語の第2学年の目標に準ずるものとする 2 内容 (1) 言語活動 英語の第2学年の言語活動に準ずるものとする。 (2) 言語材料 (1)の言語活動は、別表3に示す言語材料のうちから、1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。 〔第3学年〕 1 目標 英語の第3学年の目標に準ずるものとする。 2 内容 (1) 言語活動 英語の第3学年の言語活動に準ずるものとする。 (2) 言語材料 (1)の言語活動は、別表3に示す言語材料のうちから、1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。 別表3 言語材料 ア 音声 (ア) 現代の標準的な発音 (イ) 語のアクセント (ウ) 文の基本的な音調 (エ) 文における基本的な区切り (オ) 文における基本的な強勢 イ 文 (ア) a 単文及び重文 b 主文と副文 (イ) 肯定及び否定の平叙文 (ウ) 肯定及び否定の命令文 (エ) 疑問文のうち、動詞で始まるもの、助動詞で始まるもの、oderを含むもの及び疑問詞wer 、was 、welcher 、wo、wohin 、woher 、wann、wie 、warum で始まるもの (オ) 感嘆文 (カ) 基本的な配語 ウ 文型 (ア) 主語+動詞の文型 (イ) 主語+動詞+補語の文型のうち、動詞がsein及びwerdenで補語が名詞、代名詞及び形容詞である場合 (ウ) 主語+動詞+目的語の文型 a 目的語が語又は語群である場合 b 目的語が副文である場合 (エ) 主語+動詞+間接目的語(3格)+直接目的語(4格)の文型 a 目的語が語又は語群である場合 b 目的語が副文である場合 (オ) 主語+動詞+目的語(3格又は4格)+前置詞目的語の文型 a 目的語が語又は語群である場合 b 目的語が副文である場合 (カ) 主語+動詞+目的語+補語の文型のうち、補語が形容詞である場合 (キ) その他の文型 a 非人称動詞の文型 b 主語+bittenなど+目的語+zu不定詞の文型 エ 文法事項 (ア) 性、数、格の基本的な概念 (イ) 定冠詞、不定冠詞及びkeinの基本的な変化と用法 (ウ) 名詞の性及び格数変化の基本的な法則 (エ) 人称の基本的な概念 (オ) 人称代名詞、所有代名詞、疑問代名詞、指示代名詞及び不定代名詞の基本的な変化と用法 (カ) 形容詞の付加語的用法及び比較における基本的な変化と用法 (キ) 基数詞と序数詞の基本的な用法 (ク) 時称の基本的な概念 (ケ) 動詞の時称のうち、現在形、現在完了形及び過去形の基本的な形式と用法 (コ) 分離動詞の基本的な用法 (サ) 話法及び時称の助動詞の基本的な種類、変化及び用法 (シ) 非人称動詞及び再帰動詞のうち、ごく基本的なものの用法 (ス) 命令法の基本的な形式と用法 (セ) 不定詞、過去形及び過去分詞の基本的な変化と用法 (ソ) 副詞のうち、一般副詞、疑問副詞及び様態の副詞の基本的な種類と用法 (タ) 3・4格支配、4格支配、3格支配及び2格支配の前置詞のうち、ごく基本的なものの用法 (チ) 並列及び従属の接続詞のうち、ごく基本的なものの用法 オ 語及び熟語 (ア) 1000語程度までの語 (イ) (ア)の単語を用いて容易に作られる複合語 (ウ) 基本的な熟語 カ 文字 (ア) ラテン文字体の活字体及び筆記体の大文字と小文字( を含む。) キ 符号 (ア) 句読記号のうち基本的なもの、疑問記号及び感嘆記号の用法 フランス語 〔第1学年〕 1 目標 英語の第1学年の目標に準ずるものとする。 2 内容 (1) 言語活動 英語の第1学年の言語活動に準ずるものとする。 (2) 言語材料 (1)の言語活動は、別表4に示す言語材料のうちから、1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。 〔第2学年〕 1 目標 英語の第2学年の目標に準ずるものとする。 2 内容 (1) 言語活動 英語の第2学年の言語活動に準ずるものとする。 (2) 言語材料 (1)の言語活動は、別表4に示す言語材料のうちから、1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。 〔第3学年〕 1 目標 英語の第3学年の目標に準ずるものとする。 2 内容 (1) 言語活動 英語の第3学年の言語活動に準ずるものとする。 (2) 言語材料 (1)の言語活動は、別表4に示す言語材料のうちから、1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。 3 内容の取扱い (1) 別表4に示す言語材料のアの(エ)につていは、基本的なものにとどめるものとする。 (2) 別表4に示す言語材料のエの(ア)、(ウ)、(オ)、(カ)、(ク)、(ケ)及び(コ)に示されている「種類」については内容のオの(ア)に示された語の範囲内で取り上げるものとする。 別表4 言語材料 ア 音声 (ア) 現代の標準的な発音 (イ) 文における基本的なイントネーション (ウ) 文における基本的な区切り (エ) 基本的なリエゾン及びアンシェヌマン イ 文 (ア) a 単文及び重文 b 複文 (イ) 肯定及び否定の平叙文 (ウ) 肯定及び否定の命令文 (エ) 肯定及び否定の疑問文 ウ 文型 (ア) 主語+動詞の文型 (イ) 主語+動詞+属詞の文型 (ウ) 主語+動詞+補語の文型 (エ) その他の文型 エ 文法事項 (ア) 定冠詞、不定冠詞及び部分冠詞の基本的な種類と用法 (イ) 名詞の性及び数の語形変化の基本的な原則 (ウ) 人称代名詞、不定代名詞、指示代名詞、疑問代名詞及び関係代名詞の基本的な種類と用法 (エ) 形容詞の性及び数の語形変化の基本的な原則 (オ) 品質形容詞、不定形容詞、指示形容詞、所有形容詞、疑問形容詞及び数形容詞の基本的な種類と用法 (カ) 自動詞、他動詞、代名動詞、非人称動詞、助動詞及び準助動詞の基本的な種類と用法 (キ) 動詞の時制のうち、直説法現在形、直説法単純未来形、直説法複合過去形、直説法半過去形及び命令法の活用形と基本的な用法 (ク) 副詞の基本的な種類と用法 (ケ) 前置詞の基本的な種類と用法 (サ) 文の要素と語順 オ 語及び熟語 (ア) 1000語程度までの語 (イ) 基本的な熟語 カ 文字 (ア) アルファベットの活字体及び筆記体の大文字と小文字 キ 符号 (ア) アクサン記号及び綴字記号 (イ) 句読符号の基本的な用法 その他の外国語 その他の外国語については、第1の目標に基づき、第2の英語、ドイツ語及びフランス語の各学年の目標及び内容に準じて行うものとする。 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。 (1) 聞くこと、話すこと、読むこと及び書くことの言語活動の指導については、学習段階に応じていずれかの活動に重点を置いても差し支えないが、3学年を通してはいずれかの活動に偏ることがないようにすること。なお、外国語を初めて学習する入門期においては、音声による指導を重視する観点から、聞くこと及び話すことの言語活動を重点的に行わせるようにすること。 (2) 第2の内容の各学年に示す各事項については、生徒の実態等に応じて適切な指導が行われるようにするため、当該学年より前の学年で指導することができること。また、後の学年以降においても反復して指導し、習熟させるようにすること。 (3) 言語材料については、学習段階に応じて平易なものから難しいものへと段階的に指導するとともに、理解の段階にとどめたり表現の段階まで高めたりするなどして効果的に指導すること。その際、学習の基礎の段階では、簡単な構造の文、例えば別表1、別表3及び別表4の文や文型のaに示す事項を主として取り上げ、発展の段階では複雑な構造の文、例えば文や文型に示すbやcの事項を主として取り上げるようにすること。 2 教材は、その外国語を使用している人々を中心とする世界の人々及び日本人の日常生活、風俗習慣、物語、地理、歴史などに関するもののうちから、生徒の心身の発達段階及びその興味や関心に即して適切な題材を変化をもたせて取り上げるものとする。その際には、外国語の理解力と表現力を育成することをねらいとしながら、次のような観点に配慮する必要がある。 ア 広い視野から国際理解を深め、国際社会に生きる日本人としての自覚を高めるとともに、国際協調の精神を養うのに役立つこと。 イ 言語や文化に対する関心を高め、これらを尊重する態度を育てるとともに、豊かな心情を育てるのに役立つこと。 ウ 世界や我が国の生活や文化についての理解を深め、国際的な視野を広げ、公正な判断力を養うのに役立つこと。 また、題材の形式としては、説明文、対話文、物語、劇、詩、手紙などのうちから適切に選択すること。 3 音声指導の補助として、必要に応じて発音表記を用いて指導してもよいものとする。 4 辞書の初歩的な使い方に親しませるように留意するものとする。 5 言語活動を一層活発にするため、教育機器の有効な活用やネイティブ・スピーカーの協力を得ることなどに留意するものとする。 6 各学年において、下限の時数を超えて履修する生徒については、第2の内容について補充や深化を図ったり、言語活動をより深め豊かにするための学習活動を学校において適切に工夫して行わせるようにするものとする。 7 第2学年又は第3学年において、外国語を初めて履修させる場合には、第2の第1学年の内容から履修させるものとする。 第10節 その他特に必要な教材 学校教育法施行規則第53条第2項のその他特に必要な教科は、地域や学校の実態及び生徒の特性等を考慮して、特に必要がある場合に、この章の第1節から第9節までにおいて定める教科のほかに設けることができる。この場合においては、学校の設置者が、名称、目標、内容などについて適切に定めるものとする。 第3章 道徳 第1 目標 道徳教育の目標は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、個性豊かな文化の創造と民主的な社会及び国家の発展に努め、進んで平和的な国際社会に貢献できる主体性のある日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うこととする。 道徳の時間においては、以上の目標に基づき、各教科及び特別活動における道徳教育と密接な関連を図りながら、計画的、発展的な指導によってこれを補充、深化、統合し、生徒の道徳的心情を豊かにし、道徳的判断力を高め、道徳的実践意欲と態度の向上を図ることを通して、人間としての生き方についての自覚を深め、道徳的実践力を育成するものとする。 第2 内容 1 主として自分自身に関すること。 (1) 望ましい生活習慣を身に付け、心身の健康の増進を図り、節度と調和のある生活をするようにする。 (2) より高い目標を目指し、希望と勇気をもって着実にやり抜く強い意志をもつようにする。 (3) 自律の精神を重んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつようにする。 (4) 真理を愛し、真実を求め、理想の実現を目指して自己の人生を切り開いていくようにする。 (5) 自らを振り返り自己の向上を図るとともに、個性を伸ばして充実した生き方を求めるようにする。 2 主として他の人とのかかわりに関すること。 (1) 礼儀の意義を理解し、時と場に応じた適切な言動ができるようにする。 (2) 温かい人間愛の精神を深め、他の人々に対し感謝と思いやりの心をもつようにする。 (3) 友情の尊さを理解して心から信頼できる友達をもち、互いに励まし合い、高め合うようにする。 (4) 男女は、互いに相手の人格を尊重し、健全な異性観をもつようにする。 (5) それぞれの個性や立場を尊重し、いろいろなものの見方や考え方があることを理解して、謙虚に他に学ぶ広い心をもつようにする。 3 主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること。 (1) 自然を愛し、美しいものに感動する豊かな心をもち、人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深めるようにする。 (2) 生命の尊さを理解し、かけがえのない自他の生命を尊重するようにする。 (3) 人間には弱さや醜さもあるが、それを克服する強さや気高さがあることを信じて、人間として生きることに喜びを見いだすように努める。 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。 (1) 自己が属する様々な集団の意義についての理解を深め、役割と責任を自覚し、協力し合って集団生活の向上に努める。 (2) 法の精神を理解し、自他の権利を重んじ義務を確実に履行するとともに、公徳心をもって社会の秩序と規律を高めていくように努める。 (3) 正義を重んじ、だれに対しても公正、公平にし、社会連帯の精神をもって差別や偏見のないよりよい社会の実現に尽くすように努める。 (4) 勤労の尊さを理解するとともに、社会への奉仕の気持ちを深め、進んで公共の福祉と社会の発展のために尽くすように努める。 (5) 父母、祖父母に敬愛の念を深め、家族の一員としての自覚をもって充実した家庭生活を築くようにする。 (6) 学級や学校の一員としての自覚をもち、教師や学校の人々に敬愛の念を深め、協力してよりよい校風を樹立するようにする。 (7) 地域社会の一員としての自覚をもち、社会に尽くした先人や高齢者に尊敬と感謝の念を深め、郷土の発展に尽くすようにする。 (8) 日本人としての自覚をもって国を愛し、国家の発展に尽くすとともに、優れた伝統の継承と新しい文化の創造に役立つように努める。 (9) 世界の中の日本人としての自覚をもち、国際的視野に立って、世界の平和と人類の幸福に貢献するように努める。 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 学校においては、次に示すところにより、道徳教育の全体計画と道徳の時間の年間指導計画を作成するものとする。なお、これらの計画は固定的なものと考えず、必要に応じて計画に弾力性をもたせるものとする。 (1) 道徳教育の全体計画においては、学校における全教育活動との関連の下に、生徒、学校及び地域の実態を考慮して、学校の道徳教育の重点目標を設定するとともに、第2に示す道徳の内容と各教科及び特別活動における指導との関連並びに家庭や地域社会との連携の方法を示す必要があること。 (2) 道徳の時間の年間指導計画においては、道徳教育の全体計画に基づき、各教科及び特別活動における道徳教育との関連を示す必要があること。また、その作成に当たっては各学年における指導内容の配列を工夫するとともに、学年間の関連を図る必要があること。 2 第2の内容については、いずれの学年においてもすべてを取り上げるものとするが、生徒や学校の実態に応じて必要な内容項目を重点的にあるいは繰り返して取り上げたり、幾つかの内容項目を関連付けて指導したりするなどの工夫を行う必要がある。 3 道徳の時間における指導に当たっては、すべての内容項目が人間としての生き方についての自覚とかかわるように留意するとともに、生徒の発達段階を考慮して適切な指導を行うようにするものとする。その際、おおむね、低学年では基本的な生活習慣が定着するよう、高学年では世界の中の日本人としての自覚が深まるよう配慮する必要がある。 4 道徳の時間における指導に当たっては、生徒が興味や関心をもつ教材を開発したり、個に応じた指導を工夫したりするなど、生徒が自ら道徳的実践力を高め、内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮する必要がある。 5 道徳教育を進めるに当たっては、学級や学校の環境を整えるとともに、学校の道徳教育の指導内容が生徒の日常生活に生かされるよう家庭や地域社会との共通理解を深め、相互の連携を図るよう配慮する必要がある。 6 生徒の道徳性については、常にその実態を把握し指導に生かすよう努める必要がある。ただし、各教科における評定と同様の評定を、道徳の時間に関して行うことは適切ではない。 7 道徳の時間の指導は、学級担任の教師が行うことを原則とする。 第4章 特別活動 第1 目標 望ましい集団活動を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団の一員としてよりよい生活を築こうとする自主的、実践的な態度を育てるとともに、人間としての生き方についての自覚を深め、自己を生かす能力を養う。 第2 内容 A 学級活動 学級活動においては、学級を単位として、学級や学校の生活の充実と向上を図り、生徒が当面する諸課題への対応や健全な生活態度の育成に資する活動を行うこと。 (1) 学級や学校の生活の充実と向上に関すること。 学級や学校における生活上の諸問題の解決、学級内の組織づくりや仕事の分担処理など (2) 個人及び社会の一員としての在り方、学業生活の充実及び健康や安全に関すること。 ア 青年期の理解、自己の個性の理解、個人的な不安や悩みの解消、健全な生き方の探究、望ましい人間関係の確立など イ 自主的な学習の意欲や態度の形成、選択教科等の適切な選択、学校図書館の利用、情報の適切な活用など ウ 健康で安全な生活態度や習慣の形成、性的な発達への適応、学校給食など (3) 将来の生き方と進路の適切な選択に関すること。 進路適性の吟味、進路情報の理解と活用、望ましい職業観の形成、将来の生活の設計、適切な進路の選択など B 生徒会活動 生徒会活動においては、学校の全生徒をもって組織する生徒会において、学校生活の充実や改善向上を図る活動、生徒の諸活動についての連絡調整に関する活動及び学校行事への協力に関する活動などを行うこと。 C クラブ活動 クラブ活動においては、原則として学年や学級の所属を離れ、共通の興味や関心をもつ生徒をもって組織するクラブにおいて、全生徒が文化的、体育的、生産的又は奉仕的な活動のいずれかの活動を行うこと。 D 学校行事 学校行事においては、全校又は学年を単位として、学校生活に秩序と変化を与え、集団への所属感を深め、学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこと。 (1) 儀式的行事 学校生活に有意義な変化や折り目を付け、厳粛で清新な気分を味わい、新しい生活の展開への動機付けとなるような活動を行うこと。 (2) 学芸的行事 平素の学習活動の成果を総合的に生かし、その向上の意欲を一層高めるような活動を行うこと。 (3) 健康安全・体育的行事 心身の健全な発達や健康の保持増進などについての理解を深め、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感や連帯感の涵養、体力の向上などに資するような活動を行うこと。 (4) 旅行・集団宿泊的行事 平素と異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、集団生活の在り方や公衆道徳などについての望ましい体験を積むことができるような活動を行うこと。 (5) 勤労生産・奉仕的行事 勤労の尊さや意義を理解し、働くことや創造することの喜びを体得し、社会奉仕の清新を養うとともに、職業や進路にかかわる啓発的な体験が得られるような活動を行うこと。 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。 (1) 学校の創意工夫を生かすとともに、学校の実態や生徒の発達段階などを考慮し、教師の適切な指導の下に、生徒による自主的、実践的な活動が助長されるようにすること。 (2) 生徒指導の機能を十分に生かすとともに、教育相談(進路相談を含む。)についても、生徒の家庭との連絡を密にし、適切に実施できるようにすること。 (3) 学級活動(学校給食に係るものを除く。)については、年間35単位時間程度以上の授業時数を配当するものとし、毎週実施するようにすること。学級活動に配当する授業時数の3分の2程度は第2の内容のAの(2)及び(3)の指導に配当すること。 (4) クラブ活動に充てる授業時数は、クラブ活動のねらいの達成のために必要な時間が確保されるよう、学校の実態等を考慮して、適切に定めること。 2 学級活動については、学校や生徒の実態に応じて取り上げる指導内容の重点化を図るよう配慮するものとするまた、個々の生徒についての理解を深め、人間的な触れ合いを基礎に指導を行うとともに、指導内容の特質に応じて、教師の適切な指導の下に、生徒の自発的、自治的な活動が助長されるよう配慮するものとする。 3 生徒会活動及びクラブ活動については、教師の適切な指導の下に、生徒の自発的、自治的な活動が展開されるよう配慮するものとする。 4 クラブ活動については、学校や生徒の実態に応じて実施の形態や方法などを適切に工夫するよう配慮するものとする。なお、部活動に参加する生徒については、当該部活動への参加によりクラブ活動を履修した場合と同様の成果があると認められるときは、部活動への参加をもってクラブ活動の一部又は全部の履修に替えることができるものとする。 5 学校行事については、学校や地域及び生徒の実態に応じて、各種類ごとに、行事及びその内容を精選して実施するよう配慮するものとする。 6 入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国家を斉唱するよう指導するものとする。 7 学級活動については、主として学級ごとに、学級担任の教師が指導することを原則とし、活動の内容によって、他の教師などの協力を得ることとする。生徒会活動、クラブ活動及び学校行事については、全教師の協力により適切に指導するものとする。 ○文部省告示第33号 学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第54条の2及び別表第二の規定に基づき、平成2年4月1日から平成5年3月31日までの間における中学校学習指導要領(昭和52年文部省告示第156 号)の特例を次のように定め、平成2年4月1日から施行する。 平成元年3月27日 文部大臣 西岡武夫 1 総則 (1) 平成2年4月1日から平成3年3月31日まで(以下「平成2年度」という。)、平成3年4月1日から平成4年3月31日まで(以下「平成3年度」という。)、平成4年4月1日から平成5年3月31日まで(以下「平成4年度」という。)の第1学年から第3学年までの教育課程の編成等に当たっては、中学校学習指導要領(昭和52年文部省告示第156 号。以下「現行中学校学習指導要領」という。)第1章の規定にかかわらず、次の表の第1欄に掲げる年度及び第2欄に掲げる学年の別に従い、それぞれ、第3欄に掲げる中学校学習指導要領(平成元年文部省告示第25号。以下「新中学校学習指導要領」という。)第1章の規定によるものとする。 2 国語 平成2年度、平成3年度及び平成4年度の第1学年から第3学年までの国語の指導に当たっては、現行中学校学習指導要領第2章第1節の規定にかかわらず、その全部又は一部について新中学校学習指導要領第2章第1節の規定によることができる。 3 社会 (1) 平成2年度、平成3年度及び平成4年度の社会の地理的分野、歴史的分野及び公民的分野の指導に当たっては、次の表の第1欄に掲げる分野の別に従い、それぞれ、同表の第2欄に掲げる現行中学校学習指導要領第2章第2節第2の規定に係る事項は省略するものとする。 (2) 平成3年度の第1学年並びに平成4年度の第1学年及び第2学年の社会の指導に当たっては、現行中学校学習指導要領第2章第2節第3の2の規定にかかわらず、新中学校学習指導要領第2章第2節第3の1(2)の規定によるものとする。 4 数学 (1) 平成2年度、平成3年度及び平成4年度の第1学年から第3学年までの数学の指導に当たっては、次の表の第1欄に掲げる年度及び第2欄に掲げる学年の別に従い、それぞれ、同表の第3欄に掲げる現行中学校学習指導要領第2章第3節第2の規定に係る第2欄に掲げる学年の事項は省略するものとする。 (2) 平成3年度及び平成4年度の第1学年及び第2学年の数学の指導に当たっては、次の表の第1欄に掲げる年度及び第2欄に掲げる学年の別に従い、それぞれ、同表の第3欄に掲げる現行中学校学習指導要領第2章第3節第2の規定にかかわらず、同表の第4欄に掲げる新中学校学習指導要領第2章第3節第2の規定によるものとする。 5 理科 (1) 平成2年度、平成3年度及び平成4年度の理科の第1分野及び第2分野の指導に当たっては、次の表の第1欄に掲げる年度及び第2欄に掲げる分野の別に従い、それぞれ、同表の第3欄に掲げる現行中学校学習指導要領第2章第4節第2の規定に係る事項は省略するものとする。 (2) 平成3年度及び平成4年度の理科の第1分野及び第2分野の指導に当たっては、次の表の第1欄に掲げる年度及び第2欄に掲げる分野の別に従い、それぞれ、同表の第3欄に掲げる現行中学校学習指導要領第2章第4節第2の規定に係る事項に、第4欄に掲げる新中学校学習指導要領第2の規定に係る事項を加えるものとする。 6 音楽 (1) 平成2年度の第1学年から第3学年まで、平成3年度の第2学年及び第3学年並びに平成4年度の第3学年の音楽の指導に当たっては、現行中学校学習指導要領第2章第5節の規定にかかわらず、その全部又は一部について新中学校学習指導要領第2章第5節の規定によることができる。 (2) 平成3年度の第1学年並びに平成4年度の第1学年及び第2学年の音楽の指導に当たっては、現行中学校学習指導要領第2章第5節の規定にかかわらず、新中学校学習指導要領第2章第5節の規定によるものとする。 ただし、共通教材の取扱いについては、その全部又は一部について現行中学校学習指導要領の規定によることができる。 7 美術 (1) 平成2年度の第1学年から第3学年まで、平成3年度の第2学年及び第3学年並びに平成4年度の第3学年の美術の指導に当たっては、現行中学校学習指導要領第2章第6節の規定にかかわらず、その全部又は一部について新中学校学習指導要領第2章第6節の規定によることができる。 (2) 平成3年度の第1学年並びに平成4年度の第1学年及び第2学年の美術の指導に当たっては、現行中学校学習指導要領第2章第6節の規定にかかわらず、新中学校学習指導要領第2章第6節の規定によるものとする。 8 保健体育 平成2年度、平成3年度及び平成4年度の保健体育の体育分野及び保健分野の指導に当たっては、現行中学校学習指導要領第2章第7節の規定にかかわらず、その全部又は一部について新中学校学習指導要領第2章第7節の規定によることができる。 9 技術・家庭 (1) 平成2年度の第1学年から第3学年まで、平成3年度の第2学年及び第3学年並びに平成4年度の第3学年の技術・家庭の指導に当たっては、次の表の第1欄に掲げる現行中学校学習指導要領第2章第8節の規定にかかわらず同表の第2欄に掲げる新中学校学習指導要領第2章第8節の規定によることができるものとし、現行中学校学習指導要領第2章第8節第3の1(2)の後段の規定は適用しない。 (2) 平成3年度の第1学年、平成4年度の第1学年及び第2学年の技術・家庭の指導に当たっては、現行中学校学習指導要領第2章第8節の規定にかかわらず、新中学校学習指導要領第2章第8節の規定によるものとする。この場合において、第2のF情報基礎及びG家庭生活は履修させないものとし、第3の1(1)、(2)及び(3)の適用については、第2のI被服、J住居又はK保育を履修させることにより、G家庭生活を履修させたものとみなす。 10 外国語 (1) 平成2年度及び平成3年度の第2学年の英語の指導に当たっては、現行中学校学習指導要領第2章第9節、第2の英語の〔第2学年〕の2(2)ア(エ)の規定に係る事項は省略するものとする。 (2) 平成3年度の第1学年並びに平成4年度の第1学年及び第2学年の外国語の指導をに当たっては、現行中学校学習指導要領第2章第9節の規定にかかわらず、新中学校学習指導要領第2章第9節の規定によるものとする。 11 道徳 平成2年度、平成3年度及び平成4年度の第1学年から第3学年までの道徳の指導に当たっては、現行中学校学習指導要領第3章の規定にかかわらず、新中学校学習指導要領第3章の規定によるものとする。 12 特別活動 平成2年度、平成3年度及び平成4年度の第1学年から第3学年までの特別活動の指導に当たっては、現行中学校学習指導要領第4章の規定にかかわらず、新中学校学習指導要領第4章の規定によるものとする。 ただし、平成2年度の第1学年から第3学年まで、平成3年度の第2学年及び第3学年並びに平成4年度の第3学年については、新中学校学習指導要領第4章第3の4の規定は適用しない。 |
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