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はじめに

 宇宙開発委員会調査部会は、H−2Aロケット6号機の打上げ失敗の原因究明及びその対策について、平成15年11月29日、宇宙開発委員会より調査審議の付託を受けた。
 本部会では、審議付託以来15回の会合を開催するとともに、製造現場等の視察を行い、慎重かつ精力的に調査審議を進め、ここに本報告書をとりまとめた。
 今回の原因究明に当たっては、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(以下「機構」といい、旧宇宙開発事業団を含む。)が行った、打上げ時のテレメトリデータの解析、製造時の記録確認、実証試験及びシミュレーション解析等をもとに、調査審議を実施した。また、今回の事故の原因となった固体ロケットブースタ(SRB−A)を製造したメーカの現地調査では、SRB−Aの開発段階での地上燃焼試験後の状況等を直接確認した。
 なお、今回の調査審議に当たっては、ロケットの設計及び製造に係る商業上の秘密並びにロケットに係る機微な技術及び情報に該当するものが含まれたため、該当部分については、「宇宙開発委員会の運営等について」第13条ただし書に基づき、非公開で審議を行った。
 こうした調査審議の結果、今回の打上げ失敗の直接の原因とその対策について結論をとりまとめたものである。
 また、機構は、環境観測技術衛星(ADEOS−2)「みどり2」の運用断念、H−2Aロケット6号機の打上げ失敗、及び第18号科学衛星(PLANET-B)「のぞみ」の火星周回軌道への投入失敗と事故・トラブルが続いたことから、ロケット及び衛星の確実な開発、打上げ及び運用に向け、機構の内部のみならずメーカを含めた総点検を実施している。特に、H−2Aロケット全体の再点検に当たっては、ロケット全体にわたり内在するリスクを抽出、評価し、的確に反映することとしている。
 今回の事故原因究明の過程を通じ、設計から開発、製造に関する貴重な知見や経験が得られ、整理されたことから、この報告書のとりまとめに当たっては、今後のH−2Aロケットの再点検活動や我が国の宇宙開発活動の信頼性の向上に活かされるように留意したところである。



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