令和8年4月14日(火曜日)13時00分~14時50分
中央合同庁舎第7号館 東館 3階 3F1特別会議室
【総会総括部会合同会議】
(1)教科書検定の改善について(審議要請)
(2)次期学習指導要領の検討状況について
【総括部会】
(1)総括部会長の選任について
青柳委員、梅林委員、海老委員、太田委員、大野委員、小畑委員、片岡委員、上村委員、川端委員、熊谷委員、後藤委員、齊藤委員、佐藤委員、澤田委員、渋谷委員、関委員、田中委員、田邊委員、椿委員、出村委員、永野委員、東委員、室内委員、安良岡委員、山家委員、吉田委員、義永委員、吉村委員
望月初等中等教育局長、三木文部科学戦略官、後藤教科書課長、山本教科書企画官、坂下教育改革調整官、武藤教育課程課長ほか
【椿会長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから教科用図書検定調査審議会総会並びに総括部会の合同会議を開会いたします。
本日は、御多用の中御出席いただき、誠にありがとうございます。本日の出席者は、お配りしております座席表のとおりであり、定足数である過半数を満たしております。
本日の審議会は、対面とオンラインのハイブリッドで開催しており、「教科用図書検定調査審議会の会議等の公開について」第1に基づき、人事に関わる案件を除き公開することとなります。一般の方には、オンラインでの傍聴をお願いしております。また、報道関係者については、あらかじめ申出のあった方に限り会場での傍聴を許可しております。併せて、録音の申出についても許可しておりますので、皆様方におかれましては、御承知おき願います。なお、カメラの撮影につきましては、議事の冒頭まで許可しております。
また、本日は総会・総括部会合同会議の議事の終了後に、総括部会において人事に関わる案件等があり、これについては非公開とさせていただきます。そこからは、報道関係者並びに一般傍聴者の方々には御退席いただくことになりますので、あらかじめ御承知おき願います。
それでは、まず、事務局から、会議運営についての留意事項の説明をお願いいたします。
【山本教科書企画官】 事務局でございます。
本会議は対面とズームによるウェブ会議のハイブリッド方式で開催しております。会場にて御参加の方は、御発言の際は、お手元のマイクのボタンを押して、赤色ランプが点灯した状態で御発言をお願いいたします。マイクをオンにして御発言されている方を、天井に設置されております4台のカメラでズームによるウェブ会議システムに送るシステムとなっております。発言が終わりましたら、再度ボタンを押してマイクオフにしていただくようお願いいたします。Zoomにて御参加の方は、御発言の際は挙手ボタンを押していただき、ミュートを解除してから御発言をお願いいたします。また、発言が終わりましたら再度ミュートにしていただくようお願い申し上げます。
以上でございます。
【椿会長】 どうもありがとうございました。
続いて、事務局から配付資料の確認をよろしくお願いいたします。
【山本教科書企画官】 議事次第の裏面にございますとおり、資料1から7まで、それから参考資料の1から5まで、並びに机上に配付してございます関係規定等を配付させていただいております。不足等ございましたら、事務局にお知らせいただければと思います。
以上でございます。
【椿会長】 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。
それでは、議事に入らせていただきます。
本審議会に対して、文部科学省から審議要請がございます。望月初等中等教育局長から、審議要請の内容と趣旨について、御説明をよろしくお願い申し上げます。
【望月初等中等教育局長】 審議に当たりまして、一言御挨拶と審議の内容につきまして、簡単に御説明いたします。
日頃から、検定の審査業務につきまして、大変お忙しい中お時間を割いていただきましてどうもありがとうございます。また、厳正な検定の審査、そして公正な立場から子供たちに届ける教科書の内容につきまして、客観的に、また、学術的な観点から御意見を頂戴し、この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございます。
対面とハイブリッドを併用しておりますので、着座にて失礼いたします。昨年度の教科書検定の結果が3月に発表されてございます。それが終わりまして直ちの総会というのは、これはあまりほとんどすることがないわけでございますけども、今回改めまして、この時期に総会を開催させていただきました趣旨は、皆さん大体御承知のとおりかと思いますけども、今般、デジタルの形態を含む教科書を、これまでの紙の教科書と同等のものとして取り入れる、そうした法律の改正を国会に提出をしてございます。今回、社会がこうして大きく変化する中において、子供たちのまさに学習の教材の主たる教材である教科書において、より分かりやすく、より学習しやすく、そして、より理解が進むよう、そうしたデジタルのよさのものを取り入れる形での法改正を考えているところでございます。
ただ一方で、このデジタル教科書と一言で言われる観点でも、多くの児童生徒が今デジタル教科書も使っていますけども、実証研究も続けていますけども、いろんな御意見ございます。紙の教科書というものの大切さが失われるんじゃないか、でも、デジタルのこうした時代の変化の中で、よりもっと使っていくべきじゃないか。あるいは、これまでの教育のよさというもの、あるいは一定水準の教育の確保というものを教科書で行ってきたと、そういう趣旨というのが、これからも本当に維持されるのか。デジタルを取り入れることによって、よくなっていく部分もあるけど、その反面懸念点はないのか、そういったいろんなお声あることを承知してございます。
その中において、我々としては、先ほど申し上げましたように、デジタルのよさを取り入れながら、子供たちの学習に、それがより教育の充実になるという観点からこれを入れるというもので、紙をなくして全てをデジタルにしようと、そういう趣旨のものではございません。その観点で、新しいデジタルの形態を含む教科書を、法律改正が認められた場合に、発行者が、いわゆる正規のデジタル教科書をつくっていただくと。その上で教育委員会、ないしは学校が教科書を手に取って使っていくまでのプロセスにおいて、検定の作業、それから採択の作業があり、それから実際、どういうところにデジタルの効果があるのか、あるいはデジタルと紙との融合によって、よりどういう形で学びが変わっていくのか。学校のありようも今変わりつつありますけども、その中で、教科書というものの位置づけを引き続き我が国としての主たる教材としての位置づけにどうそれを活用していくかということを、改めてこの教科書に注目が集まる中、求められているんじゃないかと思ってございます。その中で、この教科書検定につきましては、教科書のまさに子供たちの視点から1つの質を担保しているという、大事な重要な国としての制度でございます。
今回、デジタルを含む教科書につきまして、皆様方にお願いをしたい点について御説明をいたします。教科書に含まれるデジタルの部分につきまして、デジタルの機能、あるいは動画や音声を含めたコンテンツについての審査方法、そして教科書に求められる基本的な構成といった観点、そして検定審査の体制、あるいは訂正申請の仕組みなど、教科書にデジタルの形態を含む場合の検定に係る一連の事項につきまして、御意見を頂戴したいと思ってございます。それに基づきまして、私どもも検定規則あるいは実施細則、あるいは検定基準といった法令を改正いたしまして、そして、よりよい教科書が、学習効果がある教科書が子供たちの手に届くよう、そして教科書の内容についても、公正中立に、そしてより深く学ぶことができるよう、しかも自分自身でも保護者と一緒に学ぶことができるようになる、そういった教科書を目指して、質の高い教科書というものを目指して、制度の改正も行ってまいりたいと思ってございます。
大変恐縮でございますけども、教科書発行者が教科書発行にできる限り早く取り組むことができるようにするという観点から、お忙しい中大変恐縮ですけども、本年秋頃をめどに一定の取りまとめをお願いしたいと思ってございます。併せまして、次期学習指導要領の検討、御承知のとおり進んでまいります。これは、毎回毎回の指導要領の改訂のときにも、教科書上の取扱いについては改めて検討いたしますけども、次期学習指導要領に基づく教科書上の対応につきましても、中教審における審議を取りまとめ次第、追加的に御審議をいただきたいと思ってございます。
以上、私のほうから、簡単ではございますけども、今回のデジタルを含む教科書の制度の趣旨、並びにそれに伴う検定の在り方につきまして、短い時間、大変恐縮でございますけども、お願い申し上げまして、挨拶に代えさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【椿会長】 望月局長、御説明ありがとうございました。教科書検定の改善についての審議要請、謹んで承りました。
今ありましたように、審議要請、デジタルの形態を含む新たな教科書の検定審査についてということ、今年秋をめどに我々が一定の方向性を示すということと承知したところです。改めまして、感謝申し上げます。謹んで承りました。
さて、恐縮ですけれども、カメラ撮影はここまでとさせていただきます。
それでは、続きまして、審議要請に関わる制度改正のポイントや具体的な検討事項について、事務局から説明していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【後藤教科書課長】 失礼いたします。教科書課長の後藤でございます。
椿会長はじめ委員の皆様、今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
まず、教科書へのデジタル活用の現状と今後の方向性について、資料2に基づきまして、御説明をさせていただきます。
まず、資料をめくっていただきまして、1番の現状についてでございます。右下のページ番号の3ページ目を御覧ください。
これまでの経緯をまとめた資料になってございますが、文部科学省におきましては、子供の数が減少していく中で、一人一人の子供の力をいかに伸ばしていくことができるかが我が国の将来にとって重要という認識の基に、できるだけ多くの子供が教科書の内容を、より分かりやすくなったり学びやすくなったとなるようにしていく観点から、デジタルの可能性に着目して数年前から教科書のデジタル化について取組を進めてまいりました。このページの一番上の部分にありますように、現状は紙の教科書のみが正式な教科書という制度でございますので、国の検定を受けた紙の教科書の内容をそのまま電子書籍的に引き写したものを教科書代替の教材ということで、小学校5年生から中3を対象に英語と算数、数学を中心に、資料の中ほどに記載のとおり配布をしてまいりました。
次の4ページ目は、そのイメージをイラストで示しております。
左側の正式な教科書の内容をそのままの形で、構成も崩さずにタブレットなどに引き写して見るということができるという、そういう形でございます。
それでどんないいことがあるのかというのを少し示したのが5ページ目以降でございまして、例えば教科書の細部も拡大して見られたり、タッチペンなどで書き込んだり線を引いたり、また消したり、音声読み上げやルビ振りの機能もございます。
さらに、6ページ目でございますけれども、ネイティブによる英語音読や、教科書紙面上に記載のある図形を回して見てみたり、そういった機能などもありまして、また、7ページ目でございますけども、ほかのデジタル教材やICT機器と一体的に使用することで、学習活動の幅を広げるということができるというものでございます。
こうしたデジタルな教科書代替教材を活用していただく中で、どういう効果があるのか、課題があるのか、把握を進めてきたところでございまして、その状況として、大変恐縮ですが、3ページ目に戻っていただきまして、3ページ目の下段に示しておりますように、学校現場でのデジタル版の使用頻度が高まってきている中で、そして、授業での使用頻度が高まるほど、児童生徒の授業内容の理解度や、主体的な学びに積極的な効果が見られるというようなデータも得られているところでございます。
続いて、ページを進みますが、2番、今後の方向性についてでございます。
9ページでございますけれども、これまでの教科書代替の教材としてのデジタル版を配布、活用してきた取組を踏まえまして、文部科学省として、教科書とデジタルの関係を制度的にどう考えていくか検討を行うために、中央教育審議会におきまして御議論をいただきました。そして、昨年の9月の審議まとめでは、資料の中ほどにございますように、今後の在り方として、教科書内容を児童生徒にとってより分かりやすくしたり、学びやすくしたりするために、教科書は紙でつくらなくてはならないというところから、デジタルも織り交ぜてよいと、デジタルな形態でもよいというように緩和をしていくべきという方向性が示されているところでございます。
併せて、デジタルへのなじみ方につきましては、教科ごとの特性や、小学校の初めのほうなのか高校生なのかと、学年などの状況によっても違いもあるということで、デジタルを含む新しい教科書制度の下での教科書づくりや採択にも参考になるように、国が一定の指針、ガイドラインを示すべきことも求められておりまして、文部科学省として、今後必要な法令改正と併せて、各分野の専門家の方々の知見も得ながら、指針づくりにも取り組んでいくこととしております。
それで、そのために設置しておりますのが、ちょっと資料飛びますけれども、資料の3を御覧いただければと思います。別途お配りしている資料3のデジタルな形態を含む教科書の発行・採択等の指針に関する検討会議、これがその会議でございまして、児童生徒の発達段階や教科特性に照らした教科書の形態の在り方ですとか、紙、デジタルが効果的な学習場面であるとか、児童生徒の視力などの健康への影響などについて御議論いただく予定でございます。今年、こちらでも秋頃までに議論を取りまとめた上で、大臣指針として策定をしていくという予定でございまして、この検討会議は、こちらの検定審議会での議論とも関連するということでございますので、適宜議論状況については御報告をさせていただきたいと考えております。
恐縮です、資料2にまた戻っていただきまして、資料2の10ページ目でございますけれども、中教審で示されました制度改革の方向に沿って、デジタルな形態も含む新たな教科制度に移行する場合の現行制度下との違いを整理してみた資料でございます。
上段は現行制度を示しておりまして、先ほども御説明いたしましたとおり、紙の正式な教科書の内容をそのままの形で電子書籍的に引き写したものを、教科書代替の教材として活用しているというものでございます。そして、現在の紙の教科書にも多数の二次元コード、QRコードが掲載されているという状況がありまして、二次元コードからタブレット端末などで遷移した、飛んだデジタル部分で、補充的な資料や動画、音声などが閲覧できるようになっておりますが、現行制度では、これらデジタルなものは教科書ではなく教材という扱いになっておりまして、教科書検定の直接の対象ではありませんし、義務教育の場合であれば教科書無償の対象外であるという、そういう状態でございます。
下段は制度改正後のイメージになりますが、デジタルな形態なものも正式な教科書として認めていくということになりますので、教科書の形態として、一番左の紙のみでつくる教科書のほか、一番右のようにタブレットの中で電子的に存在する形の全てがデジタルな教科書や、それから、真ん中にあります、例えば各教科の基本的な部分は紙媒体でつくって、その上で理解促進のための動画や音声などのデジタルコンテンツをQRコードを介してひもづけて、紙とデジタル部分が組み合わさった形でつくるということも考えられるところでございます。
このように、教科書のつくり方のバリエーションが増えるということになりまして、つくられた教科書の中から、これまでと同様に、各採択権者においてふさわしいものを採択して使用するということになるイメージでございます。
そして、11ページ目でございますけれども、特に、先ほど御説明した真ん中のパターン、ハイブリッドなパターンの場合には、紙媒体の部分に二次元コードがありまして、そこからデジタル部分に遷移する形が想定されますけれども、現行制度とは異なりまして、二次元コードから遷移したデジタル部分の動画や音声、資料なども教科書の一部として扱うようになりますので、義務教育の教科書無償の対象でもありますし、また、教科書検定の対象として、今後は内容の質保証も図っていくという形になるということでございます。
次の12ページ目は、今後のスケジュールでございます。
中教審の審議まとめでも、新たなデジタルを含む教科書は新たな学習指導要領の実施に合わせて導入していくべきとの提言を受けておりまして、そのことを前提にスケジュール感を考えますと、2030年度から次の学習指導要領が順次スタートすると考えれば、資料の図のとおり、各教育委員会、学校での採択、文部科学省での検定、教科書発行者による教科書の著作・編集の期間も考えますと、2026年度中には法律改正や検定基準、動画、音声コンテンツも含めた著作権の取扱いなどの一連の新たなデジタルな形態を含む教科書に係るルールを決めて提示する必要があると考えておりまして、着実に準備を進めてまいりたいと考えております。
13ページ目は、4月の7日に閣議決定され国会に提出しております今回の法案の概要資料でございます。
1番の学校教育法のところでは、先ほどの説明と重複しますが、これまでの紙媒体を前提とした教科用図書という文言を、改めて教科書としてデジタルな形態も含み得ることとすると、それに伴って、これまで紙の教科書の代わりにデジタル版を使ってもよいとしていた教科書代替の教材の仕組みは廃止をするというようなことなどが入っております。
2番の教科書発行法では、教科書としてデジタルな形態を含むこととなることに伴う発行義務や保証金の仕組みの整備。
3番の義務教育教科書の無償措置法では、デジタルな形態を含む教科書も教科書として無償措置の対象とするということ。
4番の著作権法では、現在も、教科書に小説や写真イラストなどの著作物を使用する場合には、必ずしも著作権者の許諾を得る必要なく保証金をお支払いするといった権利制限の形で教科書に活用できるという仕組みがありますが、今回、デジタルな形態も認めるということに伴いまして、これまでの紙の教科書ではあり得なかった動画や音楽等のコンテンツも、教科書の内容として活用し得るということになりますので、著作権法上の教科書活用の場合の権利制限の仕組みをそういった分野まで拡張するといった内容でございます。施行期日は、次の新たな学習指導要領に向けて、教科書会社が小学校から新たな教科書の編集・著作に入っていく令和9年4月1日を考えております。
以上が、教科書へのデジタル活用に関わる制度改正などの動きを含めまして、背景状況の御説明でございます。
続きまして、今後議論いただきたい資料4でございますけれども、資料4の教科書検定の改善に関する検討課題について説明をさせていただきます。
まず、大きく1番、こちらがメインでございますが、デジタルな形態を含む新たな教科書に対応した検定審査についてというところで、検討課題として、まず、丸1でございますが、文字や図画以外のデジタルコンテンツの審査方法についてでございます。時間が限られておりますので、ややはしょって御説明いたしますけども、この2つ目の丸のところですが、先ほど御説明しました制度改正が実現をした場合、教科書の内容として、動画や音声などの様々なデジタルコンテンツが含まれ得るということになります。そういった場合に、教科書として適切なデジタルコンテンツの内容やふさわしい掲載の在り方について、どのように考えるのかというような点でございます。
また、次の丸でございますが、中教審の審議まとめでは、教科書の一部として位置づけられるものに限定して認めるべきであるとか、また、その次期学習指導要領の検討におきましては、教科書の重点化・分量の精選といった方向性もお示されているというようなことも踏まえた上で、教科書に掲載することが認められる範囲、また、認めるべきではない内容について整理が必要ではないかという点でございます。
また、その下の丸でございますが、学習指導要領において指導することとされている内容が、動画等のデジタルコンテンツのみで掲載をされてしまうということになるとすれば、児童生徒の履修を担保していくという観点や、また、教師による授業づくりや指導の工夫を促すという観点から望ましくないのではないかと。また、その一方で、教科によっては、聞く活動や鑑賞など、必ずしも文字や図画によらず、音声等のデジタルコンテンツのみが掲載される場合も考えられるので、併せて検討が必要ではないということでございます。
ページをおめくりいただきまして、2ページ目でございますが、丸2ですが、今度はそのデジタルの「機能」についての審査方法についてでございます。
中教審の審議まとめでは、このデジタルの機能については、検定審査においては、記述内容との関連性など限定的な範囲で一定の確認を行うにとどめることとするというふうに整理をされております。検定審査は教科書の「内容」を審査するものでございますので、デジタルコンテンツも含めた内容の正確性の審査は、デジタルコンテンツそのものの審査において行うということとして、付随する再生をする機能であるとか、あるいは動かす動作の機能については、それはデジタルの内容ではなくて機能だというふうに整理をして、教科書発行者において適切に作動することを確認すべきものとすることが考えられるのではないかということを記載しております。
続きまして、3ページ目でございます。
3ページ目は、丸3でございますけれども、動画・音声の「内容」、今度は内容に係る審査方法についてということでございます。
分けて記載しておりますが、まずは動画についてでございますけれども、これも2つ目の丸のところですが、中教審の審議まとめにおきましては、動画については、教科書として真に必要なものについて一定の枠組みの下で認めることが適当であると考えられるというふうにされているところでございます。それで、四角枠囲みを飛びまして、一番下の丸でございますが、これらを踏まえまして、さらに動画固有の審査の観点として、以下の論点について検討することが必要ではないかということで記載させていただいております。
まず、アでありますけれども、動画の定義をどのように考えるか。スライドショーやアニメーションを含むものとするか。また、イですけれども、動画が教科書の内容であることを分かりやすく示すことが必要ではないか。ウですが、教科書に掲載される動画総量についてどのように考えるか。次期学習指導要領の検討内容や現行の紙の教科書の二次元コード先に掲載されている教材としての動画の実態、学校種、教科・科目の特性等の観点から検討が必要ではないか。次に、エ、各教科固有の観点で設ける基準があるかということ等、挙げさせていただいております。
続きまして、音声についてでございます。
音声についてでございますけれども、3つ目の丸のところを御覧になっていただきますと、制度改正が実現した場合ですけれども、音声も教科書に含まれるものと位置づけられますが、音声の審査をどのように行うべきか、外国語教育における音声の重要性を十分に踏まえた対応が必要ではないか。例えば、本文との関連を有することに加えて、音声そのものが外国語として通用するかなど、一定の正確性を求めることが必要ではないかとさせていただいております。
他方で、流暢さや一音一音の正確性をどの程度まで確認するかといった点については、児童生徒の発達段階や学習の狙いに応じて、また、実社会では多様な外国語話者による幅広い表現が用いられていることを踏まえて検討すべきではないかとさせていただいております。
続きまして、丸4でございますけども、デジタル部分を含む教科書の構成についてでございます。この構成についても幾つか論点ございまして、2つ目の丸のところに記載しておりますが、教科書は、授業で教師と児童生徒が使用するということを前提とすれば、双方がお互いに該当箇所を教室の中で特定しやすい形式とすることが求められるのではないかと。ですので、デジタル部分においても、系統的・組織的に構成をされているということや、またページの構成が取られているというようなことであるとか、そういった一定の要件が必要ではないかということを挙げさせていただいております。
また、紙とデジタルを組み合わせたハイブリッドな形態の教科書について、デジタル部分がデジタルのよさを生かして作成された上で、紙の部分と同じ内容を補完的にデジタル部分にも掲載するということの可否をどう考えるかといった点についても、検討課題として整理すべき課題として挙げさせていただいております。
5ページ目でございますけれども、5ページ目は、まず丸5、審査手続についてということでございます。
各種の審査手続におきまして、デジタル特有のコンテンツを取り扱うことを踏まえた提出媒体や提出期限についての検討が必要かということでございます。
丸6、その他のところには、まず、訂正申請について記載をさせていただいております。2つ目の丸のところでございますけれども、デジタルな形態を含む新たな教科書においても、紙の教科書と同様に訂正申請によって記述の更新を行うということが適切であると思われますが、印刷・製本をデジタルの場合だと要しないなど、紙媒体とは異なるデジタル部分についての訂正申請の在り方としてどのような点に留意することが必要かということを挙げさせていただいております。
また、検定審査料についてですが、デジタル部分の審査料について、動画や音声などが含まれてくるというふうなことを踏まえて、どのように考えるかということを挙げさせていただいております。
また、審査体制についてですが、これも動画や音声を含むデジタル特有のコンテンツを新たに検定審査の対象とするということが想定される中で、審議会等の体制についてどのように考えるかということを論点として挙げさせていただいております。
ここまでが、大きく1番目の、デジタルを含む新たな教科書に対応した検定審査の在り方に係る議論が必要ではないかと思われる論点についてでございます。
6ページ目でございますけれども、(2)としてその他の教科書検定に関する諸課題についてということで挙げさせていただいております。
誤記誤植などの欠陥を減少させるための編集・校正体制の在り方について、掲載をしております。
現状のところにまとめております。委員の皆様方にとってはもうよく御存じのとおりのことだと思いますけれども、毎年度の検定審査をいただく検定意見の多くは、この2つ目のポチのところに書いておりますけども、正確性及び表記・表現の観点によるものでございます。また、3つ目のポツのところですが、検定済みの教科書の1年間の訂正申請も、箇所数ではおよそ年間3万件に上っております。3万箇所にも上っているというような状況でございまして、その中で非常に欠陥箇所の修正も依然として多いというような状況でございます。教科書検定において、引き続き記述の正確性の確保に努めるということはもちろんですけれども、発行者に、改めて教科書を発行する者としての自覚を促すということとともに、教科書の編集・校正について、検定を経た後についても十分体制を維持していただくというふうなことの必要もあるのではないかということを、現状のところに書かせていただいております。
ということで、検討課題のところでございますが、まず、丸1といたしまして、検定済みの教科書の編修・校正体制の確保というのを挙げさせていただいております。検定審査に際して提出いただく著作編修関係者名簿の中では、著作編修に係る体制が一定程度明確にされているということがあるわけでございますけれども、先ほど御紹介した現状のようなものを鑑みますと、検定済みの教科書の編修・校正体制についても、同じように明確にしていく必要があるのではないかということを、1つ目の検討課題ということで記載をさせていただいております。
また、丸2でございますけれども、教科書発行者における研修体制の充実を挙げさせていただいております。こういったことが重要だということは論をまちませんけれども、昨今実用化が進むデジタルツールを活用した教科書の効果的な著作編修の方法とかについても、例えば教科書協会等が実施する各種研修において取り入れることなどによりまして、教科書の質の向上に寄与することができるのではないだろうかというふうなことで、検討課題ということで挙げさせていただいております。
以上が、資料4、教科書検定の改善に係る検討課題についての御説明でございます。
私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。
【椿会長】 後藤課長、具体的な検討事項等について説明、どうもありがとうございました。
引き続きまして、検討体制と今後の進め方につきましても、事務局から説明をお願い申し上げます。
【山本教科書企画官】 本件に係る今後の検討でございますけれども、教科用図書検定調査審議会運営規則第4条に基づきまして設置されております総括部会において検討いただきたいと思っております。
なお、総括部会に属する委員は、教科用図書検定調査審議会令第5条2項の規定に基づきまして、会長が指名するということとされておりまして、総括部会の委員につきましては、本日配らせていただいております参考資料2のとおり、会長によって指名されておりますので、御覧いただければと思います。
以上でございます。
続きまして、スケジュールにつきましても、続けて説明させていただきます。
当面の検討の進め方につきましては、資料6にございますとおり、本日が総会、それから総括部会合同会議でございますけれども、この後、各部会においても教科ごとの論点等がございますことから御議論いただきまして、また夏頃に、総括部会において各部会の意見を踏まえた検討ということで考えてございます。その後、秋頃には、総括部会において論点整理をしていただきつつ、また、先ほど御説明もありました次期学習指導要領の対応についての検討も、この頃からまたスタートさせていただくと、こういった流れで考えてございます。
以上でございます。
【椿会長】 御説明ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局の説明を踏まえ、意見交換あるいは質疑応答の時間とさせていただければと思います。各委員、御専門の立場あるかとも存じます。御意見頂戴できればと思います。御意見、御質問のある方は、対面参加の方は挙手をお願いいたします。Zoomで御参加の方は挙手ボタンを押していただければと思います。挙手ボタンを押していただければ、私のほうから指名させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。御意見等、いかがでしょうか。
本日は、むしろ第1回ですので、各先生方からこういうことも論点になるのではないかというようなことを、割と自由に御発言いただければと思うところなんですけれども。よろしくお願いいたします。安良岡先生、よろしくお願いします。
【安良岡委員】 失礼いたします。安良岡です。芸術のほうで、専門は音楽のほうでございます。
今お伺いしていて、タイトルが長いので簡単に言いますけど、検討会議さんのほうと教科用図書検定調査審議会のすみ分けということについて、この間の会議でも話題になったんですけれども、我々がやる内容は大体分かったような感じもするんですけれども、つまり、デジタル教科書を現場でどう使うかということもありますし、それから教科書会社がどういうものをつくってくるかということもありますし、今、椿先生のほうから、教科によってこういう点がいいんじゃないかとかというような話もということになってきたときに、どの範囲まで私たちは踏み込んだ話を、例えば音楽だったら言いたいことはいろいろたくさん細かくあるんですけれども、その範囲がちょっとどうなるのかなというのがいま一つ分からないところがなくもなかったです。
それから、これは恐らく検討会議のほうで指針をお出しになさるんだと思うんですけれども、私はとても危惧しているのが、子供たちが、例えばタブレットのような端末を持っていったときにどういうことが起きてくるかということについて心配があります。私のところには中学生の子供がおりますけれども、私立ですけれども、まず、サーフィスを買いなさいと言われて、大体11万ぐらいしたわけなんですけれども、それならその分だけ十分に使われているかどうかというと、甚だちょっと疑問になるようなケースがあって、それに、学校側はそれの使い方について制限はもちろんかけていますけれども、今子供たちはそういったことを擦り抜ける方法を幾らでも知っていますから、結局、学校に持っていってもゲームをやって、先生の見えないところではそういうことをしてしまうというようなこともあったりするということなので、手元に生徒たちが持つものに対しては、どういう考えを持っているかということは、親としては非常に危惧するところであります。
それからもう一つは、先ほど子供たちの視力というようなことのお話がありましたけれども、もう既に報道されているように、ああいった画面とか携帯とかを見るということによって、子供たちの視力が非常に問題があるということがよく報道されていますし、直接的に関係するかどうかは分からないですけれども、アメリカでしたか、SNSの会社のほうに、これによって自分の人生が狂ったというような訴訟を起こして、たしかそっちが勝って9億円の賠償金を払ったとか、そういったようなこともあるので、機器についてどういうふうに扱っていくか、どういった性格のものをやるか、それをどう現場で指導していくかということに対しても、文科省さんのほうからやはり指針がはっきり出ないと、本人たちもそうですし、先生たちもそうですし、親たちもそうですから、機器のことと健康のことと、脳に及ぼすいろんなこともあるというようなことも聞いていますので、ぜひ医療関係の方の意見なども参考にしていただいたほうが、親としてはとても安心するところでありますけれども、その辺はどのようにお進めになるでしょうか。
以上です。
【椿会長】 どうもありがとうございます。本件、検討会議のほうの議論とも相当関係するのではないかと思います。何か事務局側のほうで、お立場等の説明ございますか。
【後藤教科書課長】 失礼いたします。御質問ありがとうございます。
まず、検討会議のほうは、先ほど御説明させていただきました法律改正を含めた新しい制度改正が実現するということを前提に念頭に置きながら、基本的には、いろいろ検討事項ありますけれども、教科書作成のバリエーションが増えるということになりますので、それが例えば主な課題として言えば、子供の発達の段階であるとか、あるいは教科ごとの特性というような観点で、どういった形態の、つまり、紙とデジタルの組合せのあんばいであるとか、そういったものについての一定の考え方を示していくというふうなところが、1つ大きなミッションであり、さらに、これは先生の3つ目の質問とも関わりありますけれども、活用していくに当たっての健康上に及ぼす影響点であるとか、そういったことについて留意すべきような点なんかについても議論をいただいて、それを、教科書を作成する教科書発行者でありますとか、また、教科書を実際採択する教育委員会でありますけれども、そちらにも参考となる指針ということでお示しをする。さらには、活用する学校現場に対しても示していく。そういった指針をつくり上げていくというふうなところが主なミッションというのが、検討会議のミッションだというふうに御理解いただけるといいかなと思っております。当然、そういった内容がどうなりそうかということが、こちらの検定審議会の議論と非常に密接に関係してくるということになると思いますので、状況を見て、また議論がつながるように共有をさせていただきたいと考えているというところでございます。
なお、検討会議のほうでは、いろいろ御指摘いただきまして、幅広く、医師の方も含めて、子供の発達段階、発達心理でありますとか、あるいは認知能力であるとか、そういった観点からも、知見をお持ちの有識者の方にも入っていただきまして、教育の関係者、あるいはデジタルの関係者だけじゃない、そういう幅広い方にも入っていただいた委員構成を取らせていただいておりまして、いろいろな点について御議論いただくというものでございます。
あと、タブレットの使用方法につきましても、今後とも教科書にデジタルを活用していくということになれば、タブレットの活用頻度が上がるということになると思いますので、そのことについての留意というか、先生御指摘のような目的以外の何か使用の仕方をするということがないようにすることをどうしていくかという点で、フィルタリングの問題でありますとか、そういったことについての取組については、これまでも一定やってきているところでございますけども、引き続き、まさにそういったことについても、この検討会議のほうでつくっていく指針の中でも議論されて、また、現場に対して周知していくという中にも入ってくるかなと思っております。
以上でございます。
【安良岡委員】 ありがとうございました。
【椿会長】 どうもありがとうございました。ほかいかがでしょうか。吉村先生、よろしくお願いします。
【吉村委員】 吉村と申します。学校現場の教員であったこと、あるいは今教育行政に関わっている立場の視点でお話をさせていただきます。
まず、本回は検定の基準ということでありますので、これに対しては大変納得できました。そして、この後、現場でいきますと、採択ということを考えた場合に、例えばこれまで1種目であった教科書が、紙のもの、それからデジタルだけのもの、ハイブリッドのもの、つまり、1種であったものが3種類になるということを考えると、単純に採択の研究も1種に関して3倍の労力がいるというふうに考えた場合に、これをどのようにしていくかということは、この会の中でそこまでの範疇で何か議論をされるのかどうかということが質問の1点目です。
それからもう1点は、ちょっと具体的になりますけども、先ほどの頂きました資料4の2ページ、丸2番、デジタル機能の審査方法の3行目でありますけれども、デジタル機能の審査方法に関しては機能でありますので、限定的な範囲で一定の確認を行うにとどめることとあります。これ、大筋、私も賛成なんですけども、ただ、デジタルのよさというのは、例えば操作性であったりですとか、資料の2に具体が載っておりますけども、資料の2の6ページに、10番のシミュレーション機能といいまして、これは本来であれば実物があるんですけども、実物がなくても実物と同等の体験ができるということかと思うんです。仮にこのシミュレーションが、例えば縦方向と横方向しか回転ができないとすると、実際には子供たちの直感的な試行にはちょっと乖離があるわけです。そうしますと、限定的な範囲というのが案外大切ではないかなと。ですから、この範囲というのはどの程度ここで協議されるのかということも大切だなと思って意見として述べさせていただきました。
以上です。
【椿会長】 どうもありがとうございました。この点もいかがでしょうか。検定をやる立場として重要だと思いましたけど、よろしくお願いいたします。
【後藤教科書課長】 失礼いたします。まず、1点目の採択のことでございますが、少し丁寧に御説明させていただきますと、今回制度改正をしますと、今までは教科書は紙でつくらなければならなかったというところから、デジタルを組み合わせてつくってもよかったり、デジタルでつくってもよかったりというふうになって、一義的には教科書をつくっていただく発行者の方にとって、教科書づくりのバリエーションが増えるということでございます。1つの内容の教科書を3バージョンつくってもらうという改革ではございませんで、発行者からしますと、つくり方のバリエーションが増えた中で、今までと同じように、どういうつくり方をすれば、平たく言えば、一番採択してもらえるというか学校で使われる教科書になるだろうかということを考える、つくり方の可能性が広がると、こういう改革でございますので、文部科学省のほうから、少なくとも発行者に対して、同じ内容の教科書を紙でもフルデジタルでもハイブリッドでもつくれということを要請するという考えはありませんので、そういった意味では、採択に当たって見ていただく教科書が著しく増えるということにはならないのではないかと考えます。
あと、今日まさに、今回課題として挙げさせていただきましたが、このデジタルコンテンツというのが、今の紙の教科書にもQRコードが記載されていて、そこから先の教科書扱いではない部分ですけれども、採択に当たっての調査の中では結構見ていられるという実態がありますけども、そういった教科書につける二次元コード、あるデジタルコンテンツの結びつける部分について、教科書の内容の精選という観点も踏まえてどう考えていくかというのも今回課題に入れておりますので、そういった中で、教科書からひもづく、現状の紙の教科書にひもづいているデジタルコンテンツの量というようなところと比較して、議論によっては、もう少し絞り込んでいくという形になる、そのことが採択の負担というところにも関係がしてくるのではないかと考えているところでございます。
2点目の、デジタルの機能の部分の審査ということにつきましては、これはまさに、先生今御指摘いただいたという点が、まさに検定審として御議論いただいていくべき点かなと思いますので、基本的にこの教科書検定のプロセスは教科書の内容をしっかり見ていただくというプロセスだと思いますが、それを中心にしながら、どの範囲でこの機能を見ていくかというときに、きちんと動くかどうか、製品としての教科書が完全であるかどうかをチェックするというのは、それが検定だというのとは違うと思いますので、そういった前提の中で、どこまで見るのが望ましいかというところも、ここでの議論の対象になるかなと思っております。
以上でございます。
【吉村委員】 分かりました。
【椿会長】 どうもありがとうございます。大変重要なコンテンツと機能をどう考えていくか、これは今後いろんな教科で非常に重要なことではないかなと私も思います。どうもありがとうございました。
ほかいかがでしょうか。山家先生、よろしくお願いします。
【山家委員】 山家と申します。社会科で歴史を専門としております。歴史の検定についてちょっとした要望みたいなことを申し上げたいと思って発言をさせていただきます。
歴史の場合、過去の出来事を描写する動画みたいなもの、これはあくまで1例ですけれども、そういったものも、今回のデジタル化の導入によって、検定の対象となる可能性が出てくるのかなと思っております。想像いただけると思うのですけれども、過去についての動画を作成するには、まず絵として表現する、そしてそれを動かすということになりますので、例えば人物であれば、どういう服装をさせるかとか、あるいはどういうふうに動作をさせるかということになるわけですが、いずれもあまりよく分かっていないことですので、不確かな要素がとても多くて、多くの箇所で推定を加えて作成するということになってまいります。
そのような動画を検定するということになりますと、推定がある程度の範囲の中に収まっているかどうかということをチェックすることになるわけですけれども、ある程度の範囲とは何かというのを明確にしなければならなくなります。また、加えて精査してまいりますと、チェック項目に限りがないといいますか、膨大になりますので、作業量としても、時間としても、これまでよりも多くのものが必要となってきます。
ですので、どこまでチェックをするのかとか、チェックをする際の判断基準は何かなどということについて、検定するに当たって事前に検討しておくべきことというのがかなり出てきてしまうのではないかなと思っております。今お話しした動画というのはあくまで1例ですけれども、過去を扱うような科目、教科の場合には、やはりやや特殊な状況があるということを御理解いただきたいと思って発言をいたしました。つまり、教科科目の特性というのをぜひ考慮に入れていただいて、この議論を進めていただければなと思っております。
表現の自由というのを尊重しながら、ある程度の範囲に収めるにはどうしたらいいかというのが、検定を行う際の非常に重い課題なのではないかと常日頃思っておりますけれども、デジタル化の導入によって、課題がより表面化してきてしまうのかなというふうに感じております。
以上です。
【椿会長】 どうもありがとうございます。動画については、かなり大きな問題がある、いわゆるコンテンツとすることに関して、評価観でいろいろな問題があるのではないかというふうに伺いました。全くそのとおりではないか、論点かと存じます。
事務局のほう、何かこの点については御意見ございましたら。よろしい。
【後藤教科書課長】 御指摘どうもありがとうございます。非常に重要な課題だと思います。教科ごとのは特性、よく踏まえて考えていく必要あると思いますので、これは今後検討を進めていく中で、それぞれ部会の議論もありますので、また、ぜひ一緒に相談をさせていただきながら進めたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【椿会長】 どうもありがとうございます。部会の中でもこの種の議論を進めていただければと思います。よろしくお願いします。
すみません、ウェブのほうで手が挙がっておりまして、恐縮でした。太田委員、手が挙がっています。太田先生、よろしくお願いします。
【太田委員】 ありがとうございます。失礼します。太田と申します。よろしくお願います。
資料4ページに記載されている「教科書は授業で教師と児童生徒が使用することを前提」、は当然そうだと思います。一方、教科書のデジタル化の機会を捉えて、生徒の自律的な学びをサポートするものになりうるという点も視野に入れる必要があります。デジタル教科書は、教室で教員と生徒が共有するだけでなく、自宅での学びをこれまで以上に促進するものにするためには、教科書の構成に工夫が必要になります。具体的には、教科書の中に、教室で扱うべきコンテンツと生徒が自宅で自律的に学ぶコンテンツを区別して明示する必要があると思います。具体的には、生徒が一人でできること、教室で、友達がいるからできること、教員がいるからできること、そして、ネーティブ・スピーカーがいるからすべきこと、そのような切り口から教科書のコンテンツや学習活動を分類すべきだと考えます。さもないと、デジタル教科書の便利さゆえに、授業が作業に変わってしまう危険性があります。教科書の各コンテンツをクリックしていくと、次々と指示や説明、模範解答が画面表示され、教員がいなくてもどんどん授業が進んでいく事態になりかねません。事実、デジタル教材と生徒さえ存在すれば、他の生徒と関わることなく、教員とも関わることなく授業を終えることが可能になってしまいます。その対策として、知識・技能の習得は生徒が自律的にできるから家庭学習で扱うコンテンツとして示す、思考力、判断力、表現力、いわゆる、批判的思考力や共感力を伸ばす学習は教員や友達がいないとできないことなので教室で扱うべき活動として示す。つまり、教科書に誰といつする学習活動かを明示することがこれまで以上に求められると感じています。ありがとうございました。
【椿会長】 貴重な意見、ありがとうございます。私自身も同感でございました。先ほどから事務局にも確認を求めていますけども、必要に応じてよろしくお願いします。よろしいでしょうか。ありがとうございます。ぜひその点、議論させていただければと思います。
海老先生、よろしくお願いします。
【海老委員】 よろしくお願いします。芸術のほうで、美術のほうを担当としております海老と申します。よろしくお願いいたします。
ちょっと検定の視点というよりは少しデジタル化ということの視点になってしまうので、少しずれるかもしれないんですけど、今後、美術のほうがデジタル化していくかどうかというのは分からないんですけど、するとして、初めに僕は少し心配に思ったのが、使えるコンテンツに制限が、著作権について、使えるコンテンツについて制限がかかってくる可能性があるんじゃないかというのを考えたんです。
つまり、どういうことかというと、今はデジタルアートというもの自体があるので、それが教科書に載るというのは、アート作品そのものが別に劣化なく載ることになってしまうということについて、先ほど使用については、著作者の意向に関わらず、お金を払って載せることができるというふうにおっしゃっていたんですが、実際そこまで、デジタルアートの人まで、それは波及していけるものなのかなというのが、ひとつ心配がございます。あとは、それはデジタルアートじゃなくて、例えば僕は平面を描いていますけども、平面をウェブに出すときには、出してもらう部署に対して、高精緻でダウンロードできないような制限をかけてもらうということがあるんですが、教科書の場合、できることならば高精緻で見たほうが勉強にはなると思うんですけど、でも、それと著作権を守ることが両立するのかどうかということがちょっと心配であるというのが少し思いました。
それと少し絡んでくるんですけど、今度は逆に、いつまでも教科書って見たいものだと僕は思っているんです。僕は、大学になっても高校の教科書を開いてみたりとかして、こういうのを学んだなというふうにしていたんですけども、前回の会議のときに、3年ぐらいを限度にダウンロードできなくなるとか、見ることすらできなくなるというのがあるので、その辺が、美術としては大丈夫なのかなというのが少し心配な部分です。
それについての、著作権についてのやり方について少し御質問したかったのと、そこから先はちょっと感想になってしまうんですけども、美術の場合は、本物、実在といいますか、実際にあった作品、本当にある、現実的に実現するものというのは結構大事なものになってきて、それを教科書で、写真で見るのはしようがないというふうになってくるけども、だんだん美術や音楽がデジタルコンテンツで見るものというのが推進されるのが少し心配だなという、これはもう心情的な心配だけなんですけれども、これはどの段階でもそう思っていることなんですけれども、これが子供たちにとって美術というのはデジタルコンテンツ、デジタルデバイスで見ることが普通になっていくということの心配は、少し感想としてはあります。これは質問ではないです。
以上です。よろしくお願いします。
【椿会長】 この辺は、先ほどの著作権も含めて、かなりいろいろと検討しなければならない。特にデジタルアーツのお話が今まで俎上に上がっていたかどうかにつきましては、少し事務局のほうから御回答いただけますでしょうか。
【後藤教科書課長】 基本的には教科書に、デジタルも含めて、新しい教科書に掲載していく様々なコンテンツ、御指摘いただいたようなコンテンツも含めて、今回著作権法の一部を改正するということも法案の中に含めて入れておりまして、著作者の許諾を必ずしも得なくても、保証金をその代わりお支払いするという形で、教科書活用できるような仕組みに拡大していくということにさせていただくという内容にさせていただいております。
御指摘あった不正拡散みたいなことについても、これはしっかり予防していくということは当然重要だと思っておりまして、このデジタルを含む新しい教科書について法律改正をお認めいただけましたら、国として、このデジタル含む教科書についての標準仕様みたいなものを併せてつくっていくということもしなければならないと思っておりまして、まさにそういった標準仕様の中で、そういう著作物がデジタルな形で不正に流出していくと、教科書を介してということがないような、防止措置についても一定の要件をかけるということも考えていきたいと考えております。
あと最後、御質問いただいた、後からでも見られるようにするということについては、前回お話しさせていただいたのは、中教審の審議まとめの中では、3年ないし4年ほど、該当の学年を過ぎた後でも、このデジタルな部分についても、アクセスできるというライセンスをきちっと付与していくということが提言されておりますけれども、3年たてば終わりではなくて、むしろ、先ほど御説明した標準仕様をまたつくっていく中で、そこの中で例えばダウンロードをするとか、あるいは印刷機能というのを標準装備させていくというふうなことを求めていくというふうなことについても検討していきたいと思っておりまして、そういった形で、デジタルなところにデジタルにアプローチするのは3年なり4年のライセンス期間中でありますけども、その後も、形を変えて紙なり、あるいはダウンロードするというふうな形で見られるというふうな形が確保できるようにしていきたいと考えております。
【椿会長】 御説明ありがとうございました。海老先生、よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
齊藤委員、手が上がっております。よろしくお願いします。
【齊藤委員】 すみません、失礼いたします。私は特定の教科の専門ではなく、デジタル教科書の実証事業に参画させていただいていた関係で、このたび臨時委員として会議に参加させていただくことになりました。聖心女子大の齊藤でございます。
お話伺っておりまして、非常に重要な論点だと思ったのが、教科書の編集、検定において「正確性」というものをどのように捉えるかという点です。検定の際、歴史の動画のお話にあったように推量を含むコンテンツの場合、「個別のコンテンツの正確性」という観点だけが尊重されますと、どうしても100%ということにはならないので、使用不可になりかねません。やはり、個別のコンテンツの正確性というところとともに、その教科の目標や内容の取扱いに関する指導要領の記載と、授業デザインの有効性と、教科書に含まれるコンテンツの対応の「正確性」という観点が改めて問われるべきという話なのではないかなと思います。デジタル教科書の導入に伴う検定の体制というところが、これから大きな議論の論点になってまいるわけですけれども、教科書の編修や校正を行っていく上で、目標とデザインの具体とコンテンツの対応の妥当性、正確性をどう保証していくのかなというところが重要な論点になってくるような気がいたしました。
以上でございます。
【椿会長】 どうもありがとうございます。これまでの検定に加えて、むしろ授業デザインがこうあるべきだから。内容が誤解を生まない、内容の正確性になるのではないかという意見に伺いました。齊藤委員、そういう形でよろしいですか。
【齊藤委員】 はい。デジタルという新しい形態の導入を子どもたちの学びの質の充実につなぐためには、「授業をつくるうえで、この教科のこういう目標があるから、例えば、一部実証されきれていないようなシミュレーション映像であっても、活用することに意義があるということが明確に示されている場合には、それを使える」ことを保証するような検定体制を、多様なコンテンツを活用できるという文脈の中で考えていく必要もあるのではないかということでございます。
【椿会長】 どうもありがとうございました。これは検定の進め方に対する意見を伺ったと思います。これはぜひ、関係する部会のほうでも議論を進めていただけたらと思ったところです。すみません、事務局、よろしいですか。私はそういうふうに考えたのですが。
すみません、上村先生、遅くなって申し訳ありません。上村委員、よろしくお願いします。
【上村委員】 私は理科にかかる視点からお話をさせていただきたいと思います。まず、理科の固有性ということで考えますと、観察実験を生徒が実際に行うということ、体験できるということが、デジタル教科書の導入によって、実験をしなくても、シミュレーションや動画等が入っているのでやらなくていいというような方向に流れない方向性での審査がなされていくということが必要だというふうには考えております。
一方で、危険な場所での、例えばですけれども、火山の噴火を間近で見るとか、宇宙における実験をシミュレーションでやってみるとか、なかなか今までできない、実際にはできないものをコンテンツ、動画等のQRコードを使ったその先にあるということであれば、非常に有効と考えます。有毒物を扱う実験でこれまで事故が多かったものも、例えばですけれども、デジタル教科書を使っていくことで生徒たちが安全に、体験とまでいかなくても、見ることができるということができるのであれば、有効であると考えます。安易に実験をせず、あるいは観察実験を本物でしない方向に流れないような観点も、教科の審査の中に加味しながら考えていくということが必要かとは思います。
ただ、なかなか登校ができないお子さん、病弱であったり、登校できなかったりというようなお子さんに関しては、自学自習を御家庭で保護者の方とともに理科の学習がある程度できるようになるということに関して言いますと、非常に有効な部分もありますので、その辺りは考えていかなければいけないところと感じております。
あと、前任校では、東京都教育委員会の指定校として、デジタル教科書を先行導入する研究校になっておりました。そこで体験したことでお話をさせていただきますと、デジタル教科書を複数の教科で導入する際に、教員の初期の作業が非常に大変でした。何冊ものデジタル教科書を同時に導入するときに、非常に大変な手間とID、それからパスワードを複数生徒たちに伝えていくということが、非常に大変でした。その導入時の作業については、教科書の審査とは直接に関わるところではないと考えます。ですが、デジタル教科書の導入には、課題であると感じておりますので、その作業手順等についても審査の中にもし含めていただくということも必要であると感じております。
3点目になりますけれども、音声の審査について、気になったところがあります。審査する立場で考えますと、やはり音の審査に関しては、言葉にできるものであれば、プロトコル、文字におろしたもので御提出いただいて、審査するようにしていかないと、なかなか審査が難しいのではないかと考えますので、その辺りも御検討いただければと考えております。
以上、3点になります。
【椿会長】 3点、具体的に御指摘いただきました。これもそれそれぞれ重要な論点で、恐らく理科において、指導要領の中でもこれをやるべきだとなっている活動が、デジタル教材によってなくなることがあってはならないということです。それは、教科書の構成という考え方の中で、我々が議論しておかねばならないことかと思います。音声も含めて、言葉と音声とが必ず対応できるような制約をつけておくことも含めて、これも部会の中でぜひ議論を進めていただけたら良い論点をいただいたのではないかと思います。何か事務局側でもし補足することがあれば。ありがとうございます。よろしくお願いします。
【後藤教科書課長】 ありがとうございます。例えば、理科でデジタルな動画を見ればそれで終わって、実際に実験しなくていいというふうなことを、そういうふうに進めていくということを考えているということが、そもそも制度を導入する趣旨ではありませんので、むしろ、検定審議会での議論ということもありますが、先ほど申し上げました、大臣の指針をつくるための検討会議、こちらはまさに新しいデジタルを含む教科書の活用に当たっての留意点なんかも議論していくということを先ほど申し上げましたが、そういった中で、デジタルを活用して教科書の内容が分かりやすくなったり学びやすくなったりということは大事ですけれども、実験とか、あるいは体験活動のようなそういうリアルな活動というのはしっかり併せて確保していくということの重要性ということを強調していくということの必要性もあるのかなと思ったりします。また、その辺りも併せて検討させていただきたいと思います。
それから、上村先生からあった教員の負担の話も非常に重要な点かと思っておりまして、いろんな発行者がつくるデジタルの教科書をやったときのアカウントの管理とか、登録の負担というところをのお話は、我々もお伺いしておりますので、そういったものが、できるだけ統一的に取扱いができるような形で、うまくそこは我々も現場にとって、あるいは教育委員会にとって、アカウント管理の負担が重くならないような形、軽減できるような形で、教科書発行者ともうまく調整しながら、そういったところについては進めていこうと考えているところでございます。
以上でございます。
【椿会長】 どうもありがとうございます。大変重要な点を補足いただきました。ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。義永先生、手が挙がっていますか。義永委員、よろしくお願いします。
【義永委員】 すみません。家庭科を担当しております義永と申します。
家庭科の中に、住居とか、それから調理とか、そういう部分では非常に動画とかそういうコンテンツが入ってくることというのはすごく分かりやすくなっていいかなと思う一方で、子供の発達に関するような資料が、デジタル、動画が入ってきたときに、子供を撮影するとか、子供の発達の様子が分かるようなものを定義するといったときの肖像権とかは、どのようにしていくのか。今までは写真でしたので、子供の顔が見えない状態でとか、これは載せていいよみたいに許可いただいたものを、写真数枚載せているというような形でつくられていたように思うんですが、動画となると、いろんな角度からとか見え方、全部がうまく隠れるというのはなかなか難しく、隠してしまうと、今度は発達が分からずということになりますので、その辺の兼ね合いなどがやはり議論の中に入ってくるのか、ある程度検討されているのか、いかがでしょうか。
【椿会長】 これも、すみません、事務局のほうからできますでしょうか。
【後藤教科書課長】 御質問ありがとうございます。先生御指摘いただきましたように、今の紙の教科書の写真の場合でも、教科書に掲載するに当たっては、そこに写り込んでいる方の肖像権でありますとか、あるいは写真そのものとしての著作権の関係で、権利者について、事前にきちんと権利の処理をしていただくということを前提にしており、そのことは検定審査のプロセスの中でも一応チェックするということにさせていただいておりますが、今後、動画が導入されていくという場合であっても、当然映り込んでいる方々にとっての肖像権、あるいは動画そのものに対しての著作権の権利との関係はきちっと処理をすることが前提になりますので、そういった形について、事前にしっかりチェックをしていくということが大事だと思いますが、また、そのチェックの仕方などについて、必要があれば、何らかまた新しい手法できちっと権利処理がなされているかということを確認するというプロセスの面で必要なことがあれば、またそれも検討していきたいなと思っております。
以上でございます。
【椿会長】 どうもありがとうございました。いずれにせよ、先ほどありましたように、今後、文科省としてもどういうふうに教科書を使って指導書のような指針を出してくださることの中に、いろいろなことが書き込まれることと承知しました。その流れも、我々じゃ適宜承知させていただければと思ったところです。
さて、まだかなり御意見多々あるとは思うのですけれども、時間の都合で、この辺りで次の議題に移らせていただかなければなりません。本日御発言いただけなかった先生方、委員におかれましては、後日、事務局にメールで意見をお寄せください。それは審議会における御意見として扱わせていただけるということです。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、次の議題に移らせていただきます。
議題1にありました審議要請において、次期学習指導要領に基づく教科書上の対応については、中央教育審議会における審議がまとまり次第、本年秋以降後半の追加的な審議を行うという見通しが示されたところです。これを踏まえて、現時点での中央教育審議会における検討状況を事務局から説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【武藤教育課程課長】 失礼いたします。教育課程課長の武藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
20分ほどいただいておりますので、配付資料に基づきまして、かいつまんでお話ししたいと思います。
次期指導要領に向けた検討状況ということで、1枚おめくりをいただきまして、これが今回の学習指導要領の改訂に関する全体のスケジュールでございます。一番左側、幼小中高と書いてありまして、それぞれのスケジュールになっておりますけれども、全体として言うと、一番左側の中学校の右あたりに書いてございますが、改訂の基本的な方向性というのを、企画特別部会というところで、昨年9月に論点整理という形で取りまとめております。ここで大きな方向性をある程度固めた上で、その下ですけれども、各教科等ごとに具体的な方向性を議論しておりまして、これを今年の夏ぐらいに取りまとめ、それをさらに集約をして、その下ですけれども、審議のまとめという形にした上で、パブコメを経て令和8年度中に答申を取りまとめる形となっております。具体的にこの8年度中というのがどういうスケジュールになるかというのは、まだ分かりませんけども、前回の改訂並みで言えば、その隣の答申というのが前回は12月ぐらいでございました。そして、その後の改訂というのが、前回であれば、その翌年の3月、ちょうど1年ちょっと先ぐらいということが前回のスケジュール感でございました。今回、そのとおりになるかは別として、御参考までということであります。改訂をした後、例えば小学校の欄でいきますと、教科書の著作・編集、検定、採択・供給、使用開始と、こういうふうな流れになります。同じことが中学校でも1年ずれてございますし、高校の場合は、改訂自体も1年ずれて、その後また同じようなプロセスが進んでいくと、これが全体像でございます。
次のページ、これが今回の学習指導要領改訂に向けた検討体制でございますが、教育課程部会の下に企画特別部会というのがあって、その下に18ものワーキンググループを設けて、これが今同時並行的に、精力的な御議論をいただいているところでございます。
1枚おめくりをいただきまして、これが昨年9月に出された論点整理の目次でございます。まず、全体像を見ていただくために左上から申し上げますけれども、まず、指導要領に向けた基本的な考え方。第二章として、質の高い深い学びを実現し、分かりやすく使いやすい学習指導要領の在り方。第三章、多様な子供たちを包摂する柔軟な教育課程の在り方。第四章として、情報活用能力の抜本的な向上と探究的な学びの充実。第五章、「余白」の創出を通じた教育の質の向上の在り方。第六章、豊かな学びにつながる学習評価の在り方。第七章としてその他様々重要な事項を掲げているところでございます。
1枚おめくりをいただきますと、これが論点整理の中で、最初に示しているイメージ図でございます。次の指導要領に向けた検討の基盤ということで、1、2、3とありますが、まず、主体的・対話的で深い学びの実装、まさに現行の学習指導要領で目指しているところがまだ道半ばだという問題意識に基づきまして、ここを引き続き強化していこうということでございます。ただ、その際、丸の2ですけれども、今子供たちの実態が極めて多様になっております。社会的、経済的に厳しい状況にあるお子さんもおられれば、あるいは不登校や不登校傾向とか、あるいは日本語を十分話せないお子さん、あるいは認知等に様々な特性を持っているお子さん等々、本当に多様な子供たちが1つのクラスルームの中にいるということもございますので、丸の1の深い学びの実装は、多様性を包摂する形で行っていきたいと、こういう考え方でございます。
1と2というのは、言わば目標というか理想のようなものですけれども、それが実現可能なものでなくてはならないということで、まさに働き方改革と両立するような教育課程の高度化を図っていきたい。それを支えるものとして、その下の青いところですけれども、高度専門職としての教師だったり、柔軟な教育課程によって余白を生み出すということだったり、あるいはまさにこの検定にも関わりますけれども、デジタル学習基盤をはじめとして、まさに教科書とか教材みたいなところ、あるいは施設というか設備みたいなところ、こういったところ全体で、新教育課程というのを支えていきたいと。こういう中で、その下の段ですが、多様な子供たちの「深い学び」を確かなものにしていくというような方向性を打ち出しているところでございます。
1枚おめくりをいただくと、その上で、もう一つの方向性でございます。
この主体的・対話的で深い学びの実現を通じた、自らの人生をかじ取りする力と、民主的で持続可能な社会の創り手の育成、こういう大方針を掲げた上で、好きを育んで得意を伸ばすという方向性と、当事者意識を持って自分の意見を形成して、対話と合意ができると、こういう大きなくくりで、今後、その教育課程全体の改善を図っていきたいということでございます。
まず、好きと得意のほうですけれども、その下の段の総合と各教科というのがございます。まず、総合学習の中も、これまではグループで探究するという活動がほとんどだったわけですけども、個人の興味とか関心とか思いを、もっと深掘りしていくような、個人探究みたいなものをもう少し割合として増やしていくということも考えておりますし、ここに書いておりませんけども、プレゼンや、あるいはレポートに加えて、例えば作品みたいな、芸術系の科目にも関わるような、少し探究の指し示す内容というか範囲を拡充していくということを考えたいと思っております。それから、その隣に各教科等ということがございますが、各教科等の下から2つ目、教科の中でも、探究的な要素、探究そのものを教科ではなかなかできませんが、探究的な要素を持つ学習活動を充実させていくという方向性、これは、まさに先ほど上村先生から、デジタルによって、例えば実験やらなくなるなんていうことがあってはならないというお話もございましたけども、まさにその指導要領の方向性の中でこういったことも打ち出して、そして教科の議論にも、これを完結させていきたいというふうにも思っているところであります。
そういう中で、元に戻りますと、自分の意見に根拠をもって、他者に表現するような活動の充実であったり、あるいはその上ですけども、興味や関心が広がる教材や学習方法の選択の促進と、こういったことが相互に影響を与えることによって、好きと得意というのを、もう少し重視をしていくという方向性にしたいと思っています。生成AI時代、定型的なことというのはAIがやってくれる時代ですし、言わば人から言われてやるような仕事というのはAIが代替していくという中で、やはり人間に残るものや、残さなければいけないものというのを重視するとすれば、それは好きとか得意とか、これがやりたいとか、夢とか、希望とか、関心とか、そういったものを少し教育課程全体の中で比重を上げていくというような考え方に基づいているものでございます。
それから、右側です。当事者意識を持って自分の意見を形成して対話と合意ができるというところでいきますと、例えば特別活動の中で子供たち主体のルールの形成とか、あるいは納得解の形成、安易な多数決の回避、こういったことを重視していきたいとか、あるいはその隣の道徳で、考え、議論する道徳というのを徹底していくというようなこともございます。この辺りも、教科書の在り方に大きく影響してくるところではないかと考えております。
そして、下から2つ目の帯のところですけれども、個別最適な学びと協働的な学び、これはGIGAスクール以降、打ち出しているものでありますが、多様な子供を誰1人取り残さない視点として位置づけるという方向性、その隣、科学的な知見も生かした効果的な授業方法とか学習方略、ラーニングストラテジーの指導というものも入っております。例えば認知心理学とか学習科学、英語で言えば第2言語習得理論とか、相当アカデミックなエビデンスも蓄積されておりますので、それが学校現場で実装されるようにしていきたいという打ち出しをしておりまして、これも教科書の作り方というかコンテンツに影響を与える部分があるのではないかと、こんなことも思っているところであります。そして、その隣、多様性の包摂ということでいうと、障害とか認知特性を踏まえた様々な調整、ここでいう調整というのは、アコモデーションズの意味でありますけれども、ということでしたり、あるいは心理的な安全性の確保、こういったことを総則的にしっかり書いて、教科でもそれが完結するようにしていきたいということであります。
全体を、その下、先ほども出てまいりましたけども、デジタル学習基盤をはじめとして様々な基盤整備等々が下支えをしていると、こういう全体の構造でございます。
次のページ、おめくりをいただきまして、今申し上げたものの中で1つ非常に大きなところとして、「資質・能力の深まり」と「資質・能力の一体的育成」の可視化、「深い学び」の具現化、こんなことが書いてございます。
左側の絵のほうを御覧いただきますと、知識及び技能というところも、実は一口で言ってもいろいろあるのではないかと。この知識技能のところの一番下のところを見ていただくと、関数の例ですけれども、例えば比例・反比例だったり一次方程式だったり二元一次方程式だったり、いろいろあるわけですけども、これが雲のようなところですが、それが相互に関連づけられて統合的に理解されることによって、その上です、関数を使えば未知の状況を予測できるんだというような、まさに統合的な理解という、ここまで意識して授業をつくっていく、あるいは授業の基盤になる主たる教材である教科書というのが編さんされていくということを目指したいということであります。同じようなことが、その隣の思考、判断、表現のところにも入れまして、これも個別のものと、それが総合的に発揮された姿というのがあるのではないかというようなことを考えております。
一番上のボックスに戻っていただきますと、知識の理解もそれが生きて働くように深く学ぶことが大事であると。まさに左の絵で言うと縦の矢印のところです。それから思考、判断、表現も、未知の状況でも課題解決につなげていくように質を高めることが必要であると。これが、右側の縦の矢印でございます。さらに言えば、2つ目の黒丸で、ある程度の知識・技能なしに思考、判断、表現はできませんし、思考、判断、表現を伴う学習活動をやることなしに、知識の深い理解とか、技能の確かな定着が難しかろうと。これは本当に授業改善を熱心にやられている先生であれば、皆さん、そうおっしゃるわけですけども、それが学習指導要領の形として十分可視化されてこなかったというところに問題意識を持っておりまして、大きく今見直しの議論をしているところでございます。
1枚、2枚、ちょっと飛んで9ページにまいります。
ここから先が、柔軟な教育課程について、調整授業時数制度というものを御提案申し上げております。端的に言うと、下段の論点イメージというところですけれども、今、それぞれの教科に標準授業時数というのが割り当てられておりますが、一定の考え方に基づいて、教科のBとCというところですけれども、一定の考え方に基づいて授業時数を減ずることができて、減じた授業時数を、例えば教科のAに上乗せしたり、あるいは、右から2つ目、特に必要な教科がある場合、今、特定の指定校でしかできませんけども、そういうことを学校の判断でできるようにしていく。さらには、その左側、裁量的な時間ということで、例えば裁量的な時間の下ですけれども、学校が裁量として使える時間の一部を、これは授業改善に直結するような研究とか研修に充てることも含めて、様々なクリエーティブな取組というのを可能にする方向で今検討しているところでございます。ちなみに、今、東京都の目黒区をはじめとして、全国で50校以上、さらに今年度からはプラスで三百校程度、いろんなトライアルをしていただいています。標準授業時数を一部削ってきて、そして削ったものを全部プールすると、例えば45分換算で110コマ程度、余剰の時数が生み出されます。それを踏まえて、様々な創造的な活動をやっていただいているところでございまして、そのようなこれまでの実験的な取組というのを全国化するのが、この調整授業時数制度でございます。このことが、実は後ほど出てきますが、教科書の在り方にも大きく関わってまいります。
続けて10ページでございますが、高等学校段階の柔軟な教育課程の方向性ということで、こちらは単位制を大幅に柔軟化するということでございます。上段、現行制度の青いところの下辺りに、卒業に必要な単位数というのがございます。現行では74単位ですけれども、これを、下段の同じところを見ていただくと、148に倍増すると。倍増するといっても、別に単位自体を増やすというよりは、マイクロクレデンシャルではないですけど、もう少し小刻みに、単位を認定できるような、そういう在り方を考えているところでございまして、そのことによって、例えば教科の1、オレンジ色のところの点線囲みでございますが、減単とか、あるいは増単とか、こういったことをもう少しきめ細かくできるようにするみたいな方向性も検討しているところでございます。
その次のページにまいりまして、また義務教育段階に戻ります。11ページですけれども、下段が先ほど申し上げた調整授業時数ですけれども、それに加えて、2階部分ということで、ここにありますようなグリーンでいろいろと述べておりますけれども、例えば不登校とか、日本語指導とか、特定分野に特異な才能のある子供とか、なかなか全ての子供たちを対象とした、1階部分の教育課程ではなかなか受け止めきれないお子さんたちについて、特別な教育課程の編成を可能とするような、そういった仕組みも併せて御提案しているところでございます。
次、12ページにまいります。若干、今申し上げたことをまとめた紙になります。学習指導要領の構造化、柔軟な教育課程を契機とした教科書等の改善というペーパーでございます。若干重複するところございますけれども、まず、丸の1、学習指導要領自体を構造化していくということでございます。黒いところですが、生成AIが飛躍的に発展する中で、個別の知識の集積にとどまらない概念としての習得とか、深い意味理解とか、あるいは学ぶ意義、社会やキャリアとのつながりを意識した指導が一層重要になってくるだろうと、こういう認識に基づきますと、各教科等の本質的な理解の獲得により重点を置くということ。そして、そのために必要な学習内容を検討や、必要に応じて精選もしていくというような考え方でございます。
それから、右側です。標準授業時数の弾力化ということです。先ほど申し上げた調整授業時数制度というのを仮に導入をするのであれば、その下、2つ矢印がありますが、例えば各教科の標準を下回る時数で指導可能な教科書である必要がある。あるいは、その隣です。中核的な概念、教科の本質的なところというのをよりつかみやすくすると。そのためには、そういう教科書である必要があるということであります。例えば歴史について言うと、鎌倉時代と室町時代、それぞれたくさんの用語があるわけですけれども、それよりも鎌倉と室町を比べてどういうふうな違いがあったのかのような、そういう本質的で重要な理解にもう少し教科指導のシフトを置いていったとしたときに、教科書はどのような在り方であるべきかということでありまして、丸の3でいきますと、現在の在り方は、学習に必要な情報の大半を網羅し、用語、キーワード、とにかくここに入っているという在り方でございますが、その隣、改善の方向性というところでいくと、中核的な概念の獲得に資する重点化、精選、教科書「を」教えるから教科書「で」教えると。そのことによって、その下の赤いところですけども、ある程度余白が出ると。それが探究の時間であったり、あるいは裁量的な時間に充てることができるし、主たる教材に入っていなくても、その下、デジタル学習基盤とか図書館とかいろんなものがインフラとして機能して、サプリメントをしていくと、こういう在り方というのを検討していきたいということでございます。
その次、ちょっとテーマが変わりますけれども、情報活用能力の抜本的な向上という方向性のイメージ図でございます。現状、小中高とありますが、小学校は、各教科等の学習活動を通じて学ぶということ、実は、情報活用能力をしっかりと受け止める教育課程のための時間が時間割上もないという状況です。その隣、中学校は技術・家庭科の中の半分である技術分野のごく一部でやっておるということ。ここは情報化というのが、情報1が必履修になっていると。これが今のイメージでございますが、真ん中辺り、リアルな学びをデジタルで支えるとか、あるいは探究的な学びと連携してやっていくとか、こういった内容からもう一度つくり直していくという検討をしておりまして、例えば左の下の小学校であれば、総合的な学習の時間に情報の領域というのを付加するという方向で検討しております。そして中学校、これは技術・家庭科を家庭科と分離させて、情報・技術科(仮称)ということで今考えているところでございます。小中がそういった形で高度化してくると、当然高校ももう少し深めることができるであろうという全体の設計でございまして、その次のページです。これがちょっと別の観点からお示しをしたものでございますけれども、幼小中高とあって小学校のところ、総合的な学習の時間の情報の領域がくっついていく、その隣、中学校で情報・技術科ができるというような全体の構造の中で、この赤く白抜きになっていることをしっかりやることで、上の段である総合的な学習の時間とか、総合的な探究の時間の、そういう活動がもっと豊かに、かつ効果的に、時には効率的にやっていくことができると。併せて、その下のオレンジのところですけども、各教科等も、さらに豊かな学び、情報活用能力を駆使した学びというのをやっていこうじゃないかと、こういう構造で考えているところでございます。
15ページ、次のページにまいりまして、学びに向かう力と人間性の特質に応じた観点別評価というのも提案をしているところでございます。
従来、この絵でいきますと、学びに向かう力・人間性、右下の辺りですけども、評定まで持っていっておりましたが、なかなか様々課題がある中で、今回の提案としては、評定はしないと、総合所見で書いていくというのを基本にしつつ、かつ、その学びに向かう力・人間性から左側に矢印が出ておりますけれども、仮に思考、判断、表現の過程で、この学びに向かう力というのは非常に積極的に表出されて、見取れた場合には、思考、判断、表現のところに丸をつけるというような形で御提案を申し上げているところでございます。ただ、丸つけるかつけないかというのは本当に現場任せになると、現場の御負担もあるということで、国のほうで、それぞれの教科ごとに、見取るべき姿というのを、ある程度学校現場がそのまま使えるような形で御提示をするというようなことを今検討しているところでございます。
一体どういう姿が見られたら学びに向かう力というのが伸びてきているのかということでありまして、これから検討していきますけれども、そういったものも踏まえつつ、そういう学びに向かう力が伸びていくような、それを見取りやすくなるような授業の設計や、教材のデザインというようなことにも関わってきますので、結果的に、教科書にも一定の影響があるだろうと、このようなことを考えているところでございます。
16ページは飛ばしまして、17ページにまいります。
これは、2月2日に教育課程企画特別部会で配られた資料でございます。資質・能力の構造化の状況を踏まえたさらなる検討の方向性ということであります。
まず、1つ目です。教科書の内容は、統合的な理解、総合的な発揮をつかみ取りやすくなるものに精選をする。分量の在り方については、調整授業時数制度の下で、調整後の時数で十分指導可能なものになるように検討すべきである。一方で、教科書会社からは、そういった教科書が具体的にどういうものになるのかイメージが湧きにくいというようなお声もあるところでございまして、今、各教科等ワーキンググループの中で、そうした新しい教科書の在り方について検討を行うというような方向で今議論をしているところでございます。
3つ目の黒丸の上から4行目、例えば現在の教科書のどういった内容を精選の対象にすることが考えられるのかとか、どういった構成上の工夫が考えられるのか、ある程度教科の専門家の方々にアイデアも出してもらいながら、御参考にしていただけるように考えたいということでございます。
最後の黒丸、調整授業時数制度を活用して標準を下回って時数を設定した後の授業時数でも、教科用図書の内容を取り扱った指導が可能になるための教科書編さんを促すための仕組みづくりについて、検定調査審議会において具体的に検討することとしてはどうか。こういったこともあるので、今日の最初の資料の4につながっているというところでございます。
私からの説明は以上でございます。ありがとうございます。
【椿会長】 武藤課長、御説明ありがとうございました。ただいまの御説明に関しまして、各委員から御質問などあれば、よろしくお願いいたします。太田先生、よろしくお願いします。
【太田委員】 ありがとうございます。御質問という話ですが、意見でもよろしいですか。
【椿会長】 構わないと思います。よろしくお願いします。
【太田委員】 中教審等で学びに向かう力・人間性等の再整理ということが議論されていると武藤課長から説明がありました。資料の6にも資質・能力の深まり、資質・能力の一体化の育成に関する記述があります。このことに関して私が常日頃思っていることがありますが、他に機会もありませんのでこの場を借りてお話しさせていただきます。それはPositive Psychology視点をもつことの重要性です。例えば、スタンフォード大学のCarol Dweckのgrowth mindset、自分は努力すれば何でもできるようになるという考え方を育むという視点です。そのためには教員もgrowth mindsetをもたなければならないという指摘です。人ができることは能力によって固定されているというfixed mindsetではなくて、経験や努力が足りないからできていないだけなのでもっと頑張る必要があると考える心のあり方です。教員の立場からは、生徒の可能性は能力で固定されてはいないので、努力させて伸ばそうという考え方です。あるいは、Angela Duckworthのgritを育むことが重要という視点です。目標を達成するためには最後までやり抜くことが大切なので、その力を育むという視点です。その過程では、もちろん、passion、perseverance、persistence、失敗から立ち直るresilienceが重要な要素になるという視点です。あるいは、自分は努力すれば何でもできると自分の能力を信じる気持ち、つまり、self-efficacyと自分は価値のある人間だと信じるself-worth、self-respectを育むことで自尊心(self-esteem)を高めるという視点です。パフォーマンスを高めて豊かな人生を送るためには、そういうものが必要だと認識させることの重要性です。これらの点について、伸ばすべき資質・能力の整理に加えていただければ、教育の質と成果が変わると思います。どうかよろしくお願いします。
以上です。
【椿会長】 どうもありがとうございます。自己肯定感自体は教育の基本目標だと思っているのですけれども、指導要領側では何か議論、こちらの委員会の意見として指導要領のほうの委員会のほうに伝えていただければと思うところですが、よろしいでしょうか。
【武藤教育課程課長】 ちなみに、今日御説明した資料でいきますと、5ページです。5ページの中で、今太田先生からあったことそのものがここに書いてあるわけではないですが、5ページの、実は下から2つ目の帯の左から2つ目の、科学的な知見も生かした学習方略、ここはさらっと書いてあるんですけれども、かなり詳しい資料も中教審ではお出しをしております。その中に、例えば動機付け、自分で自分の学びを高めていくためにどういうことが考えられるかとか、あるいはメタ認知の攻略だったり、それを先生方が直接的に指導したほうが成果が出ているというようなエビデンスもあったりしますので、そういったことも含めて今議論しているところでございます。
ただ、非常に細かくなってくる部分ではあるので、どういったところまでを指導要領で、どういったところからは解説や指導資料にするか、といった仕分けは必要だと思いますけど、大変重要な点だというふうに認識しております。
【椿会長】 どうもありがとうございます。その種のことがきちんと認識されていくことは好ましいことだと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
ほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
いずれにせよ、私どもも指導要領の改訂の動きを抜きにして、検定のほうの審議もできませんので、引き続きいろいろ情報ありましたらお知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、以上をもちまして、総会並びに総括部会合同会議の議事は終了となります。
最後に、委員の皆様から何か御発言等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本日の御審議、非常に積極的活発な意見交換できたことを感謝申し上げます。先ほど申し上げましたように、今日発言できなかった委員におかれましては、メールで事務局のほうに意見をお送りいただければ、審議会における御意見として扱わせていただきます。
本日の御審議、誠にお疲れさまでした。これをもちまして、合同会議は終了いたします。
冒頭で申し上げたとおり、この後、総括部会を開催いたしますけれども、人事に関わる案件のみを扱うことになりますので、これ以降については非公開とさせていただきます。
総会委員の方で総括部会には所属されない委員の先生方におかれましては、対面出席並びにZoom出席、どちらの場合でも、ここで退席いただければと思います。本日、御出席ありがとうございました。報道関係の皆様方にも、ここで御退出いただければと思います。また、ウェブで傍聴されておられた方につきましても、ここで配信を終了とさせていただきます。
【総括部会長の選任について】
・事務局から、教科用図書検定調査審議会令では、部会に部会長を置き、当該部会に属する委員の互選により選任するものとされている旨の説明がされた。
・部会長に椿委員が推薦され、決定した。
・部会長から、部会長代理については教科用図書検定調査審議会令で部会長が指名することとされている旨の説明がされた。
・部会長代理に佐藤委員が指名された。
―― 了 ――
初等中等教育局教科書課