令和4年度教科用図書検定調査審議会総会(第1回) 議事録

1.日時

令和5年3月28日(火曜日)13時30分~14時37分

2.場所

中央合同庁舎第7号館 東館 3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 令和4年度教科用図書検定の実施状況・審議結果等について
  2. その他

4.出席者

委員

 青柳委員、荒川委員、五十嵐委員、井川委員、江口委員、大池委員、岡崎委員、小方委員、小田原委員、金井委員、金子委員、川窪委員、黒沢委員、氣多委員、斎藤委員、佐藤委員、澤田委員、関委員、中野委員、東委員、挽委員、村上委員、安良岡委員、山内委員、義永委員

文部科学省

 藤原初等中等教育局長、安井教科書課長、廣野教科書企画官 ほか

5.議事録

【五十嵐会長】 定刻となりましたので、ただいまから、教科用図書検定調査審議会総会を開催いたします。本日は御多用の中、御出席をいただきましてありがとうございます。
 本日の出席者は、お配りしております座席表のとおりです。定足数である過半数を満たしておりますことを、御報告申し上げます。
 本日の審議会につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の防止の観点から、オンライン会議で開催をしております。このため、一般の方の会場での傍聴は、御遠慮いただき、オンラインでの傍聴をお願いしております。
 さらに、報道関係者については、あらかじめ申出のありました方に限り、会場での傍聴を許可しております。併せて、録音の申出についても許可をしておりますので、皆様方におかれましては、御承知おきを願いいたします。なお、カメラ撮影につきましては、議事の冒頭まで許可となっております。
 また、本日は、議事の最後に人事に係る案件等があります。これについては、平成21年4月9日の本審議会決定により、非公開となっておりますので、そこからは、報道関係者、一般傍聴者の方々には、御退席をいただくことになります。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、委員の皆様に御案内をいたします。本日御出席の委員の皆様におかれましては、既に御承知のことと存じますが、教科用図書の調査審議に係る案件について、自由闊達な議論を行うため、各部会の審議を含め非公開とされております。本会議において、御発言なさる場合には、部会の審議における個々の意見のやり取り内容が明らかになることのないように御留意いただきたいと、よろしくお願いいたします。
 それでは、藤原初等中等教育局長から、御挨拶をお願いいたします。
【藤原初等中等教育局長】 教科用図書検定調査審議会総会の開催に当たりまして、一言、御挨拶を申し上げます。
 委員の皆様方には、日頃より、教科書検定の実施に多大なる御尽力をいただいておりますことに、この場をお借りして感謝を申し上げます。また本日は、年度末の大変お忙しい中、御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 令和4年度の検定においては、令和6年度から使用される小学校用の図書と、高等学校の主として高学年用の図書について御審議いただきました。学習指導要領が目指す、主体的・対話的で、深い学びの実現に向けて、教科書においても、様々な創意工夫がなされてきていると受け止めております。
 今回の検定を経た新しい教科書によって、児童・生徒の興味・関心等に応じた多様な学習活動が展開され、主体的・対話的で、深い学びの実現に向けた授業改善が進むことを、期待をしております。委員の皆様方の精力的な御審議に、重ねて御礼申し上げます。
 また、文部科学省では、GIGAスクール構想の下、デジタル教科書の活用促進を図っております。中央教育審議会において、紙の教科書と併用を前提として、英語、次に算数・数学を段階的に導入する方向性を示しているところでございます。
 教科書に対する社会の関心は高く、学校教育における主たる教材として、その役割は、非常に大きいものがございます。文部科学省といたしましては、よりよい教科書を児童・生徒に届けることができるよう、また、教科書の採択が、公正・適切に行われるよう、引き続き努めてまいりたいと考えております。
 委員の皆様方におかれましても、今後とも、専門的・学術的な知見に基づいて御審議をくださいますよう、改めてお願いを申し上げまして、簡単ですが、御挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございます。
【五十嵐会長】 ありがとうございました。
 カメラ撮影は、ここまでとさせていただきます。
 それでは、まず事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【廣野教科書企画官】 事務局でございます。配付資料の確認をさせていただきます。
 議事次第にもございますように、資料1といたしまして「令和4年度教科用図書検定結果の概要」、資料2といたしまして「教科用図書検定結果の公開について」、加えまして、参考資料1、2、このほか、検定基準、検定規則等を机上資料として委員の皆様にはお送りしております。万が一、資料の不足等がございましたら、Zoomのチャット機能を使ってお知らせいただきますと、事務担当者から対応させていただきます。よろしくお願いいたします。
 また、傍聴の皆様につきましては、議事の進行に合わせて、資料を画面共有いたしますので、そちらを御覧いただければと思います。なお、会議終了後に、本日の資料1、2と同趣旨の内容を、文部科学省ウェブページにて公開をする予定としてございます。
 配付資料については、以上でございます。
【五十嵐会長】 ありがとうございました。
 では、令和4年度における教科用図書検定の実施状況・審議結果の報告に移ります。委員の皆様は、資料1の令和4年度教科用図書検定結果の概要を御覧いただきたいと思います。
 まず、全体の概要について、事務局から御報告をお願いいたします。
【廣野教科書企画官】 それでは、資料1に沿いまして御説明をいたします。
 令和4年度につきましては、現行学習指導要領に基づく、小学校用の教科用図書の2巡目の検定、及び高等学校の、主として高学年用の教科用図書の初めての検定を実施いたしました。
 申請点数は、小学校用149点、高等学校用78点の計227点でございます。このうち、高等学校英語コミュニケーションⅢ、1点が不合格となっております。また、数学Ⅲで、検定申請が取り下げられた図書が、1点ございました。最終的に225点が合格となってございます。
 教科種目ごとの結果につきましては、2ページ目以降に記載してございます。少し時間を取りますので、御確認いただければと思います。
【五十嵐会長】 ありがとうございました。
 続きまして、各部会から部会の概要について、御報告をお願いいたします。
 まず、第1部会、国語の小方委員から順番に部会ごとに、御報告をお願いしたいと思います。小方委員、お願いいたします。
【小方委員】 第1部会の審議状況について、御報告いたします。
 令和4年度は、国語小委員会を4回、書写小委員会を2回開催し、申請された小学校の国語3者、9点、書写3者、9点、高等学校の国語表現1点の計19点の図書について審議いたしました。
 慎重な審議の結果、全19点について合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。
 小学校の国語では、主語と述語との関係、文と文との接続の関係、比喩、外来語などの説明や例示に、児童にとって理解し難いもの、学習指導要領に照らし、送り仮名や仮名遣いの扱いが十分ではないもの、2次元コードから動画を視聴しなければ、その後の学習に進めず、学習上の支障があるものなどがあり、それらに意見を付しました。
 書写については、誤りや不正確な記述、相互に矛盾している記述、理解し難い表現、誤解するおそれのある表現等の欠陥箇所が見られ、意見を付しました。
 また、高等学校の国語表現においても、単純な誤記や理解し難い記述等が見られ、意見を付しました。
 検定意見を踏まえ、申請者からは、説明や例示を適切なものにするなどの修正がなされました。これらを含め、修正された内容について再度審議を行った結果、19点全点について合格と判定いたしました。
 以上でございます。
【五十嵐会長】 ありがとうございました。
 続きまして、第2部会、社会から江口委員、お願いいたします。
【江口委員】 第2部会より、御報告いたします。
 令和4年度は、小学校小委員会4回、第2部会を2回開催し、検定申請のあった小学校の社会3者、12点、地図2者、2点、計14点の申請図書の審議を行いました。審議はまず、小学校小委員会において行われ、その後、第2部会で最終的な合否の判断をいたしました。
 慎重に審議した結果、いずれの申請図書についても欠陥があると認められましたので、合否の判定を留保し、必要な修正を求め、その後、申請者によって修正された内容を再度審議いたしました。その結果、検定意見に沿った適切な修正がなされたと判断し、14点全てを合格と判定いたしました。
 主な検定意見としては、第3学年では、市の様子の移り変わりに関する統計資料の数値について誤解するおそれのあるもの等に意見を付しました。
 第4学年では、県内の伝統的な祭事の始まった年代について児童が誤解するおそれのある表現等に意見を付しました。また、学習上必要な出典が示されていない資料についても、意見を付しました。
 第5学年では、学習指導要領に示す、森林資源の分布が取り上げられていないものに意見を付しました。また、掲載写真が、特定の商品の宣伝になるおそれのあるものにも、意見を付しました。
 第6学年では、歴史的な部分では、歴史的事実に関し不正確な記述や、児童が誤解するおそれのある表現、我が国の領土に関し、児童が誤解するおそれのある表現等について意見を付しました。公民的な部分では、参議院の議員定数に関する表現や、学習上必要な年次が示されていない資料について、意見を付しました。
 地図においては、歴史上の主な事象と関わる主題図中の表現や、領域に関わる表記について、児童が誤解するおそれがあるとして意見を付しました。
 いずれの箇所につきましても、適切な修正がなされました。
 以上でございます。
【五十嵐会長】 ありがとうございました。
 続きまして、中野委員から、第3部会、算数・数学について、御報告をお願いいたします。
【中野委員】 第3部会より、報告いたします。
 令和4年度は、審議会を6回開催し、検定申請のあった高等学校の数学3点、小学校の算数6者、36点について審議いたしました。今回は、昨年度から引き続き、現在の学習指導要領による高等学校高学年用の数学Ⅲの1巡目の検定と、2巡目となる小学校の算数の検定になります。
 意見の多くは、正確性や表記・表現に関するものでしたが、そのほかに、学習していない内容を含んでおり設問に解答できないなどの学習上の支障に関するものや、発展的な学習内容の区別に関するもの、学習の順序に照らして組織が適切でないものなど、組織や扱いに関する意見を付した図書もありました。
 慎重な審議の結果、全ての図書について合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。
 その後、取下げのあった数学Ⅲの1点を除く38点について、修正された内容を再度審議した結果、38点全点について、合格と判定いたしました。
 以上でございます。
【五十嵐会長】 ありがとうございました。
 続きまして、岡崎委員から、第4部会、理科の御報告をお願いいたします。
【岡崎委員】 第4部会より報告いたします。
 令和4年度は、審議会を5回開催し、検定申請のあった小学校の理科6者、24点について審議いたしました。今回は、現在の学習指導要領による小学校理科の2巡目の検定になります。
 意見の多くは、正確性や表記・表現に関するものでしたが、その他に、学習指導要領に照らして扱いが不適切なものや、発展的な学習内容に関するもの、実験・観察における作業の安全に適切な配慮を求める理科固有の条件に関するものなど、図書の内容の扱い等に関する意見を付した図書も多くありました。
 慎重な審議の結果、全ての図書について合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。
 その後、修正された内容を再度審議した結果、24点全点について合格と判定いたしました。
 以上でございます。
【五十嵐会長】 ありがとうございました。
 続きまして、村上委員から、第5部会、生活の御報告をお願いいたします。
【村上委員】 第5部会より御報告いたします。
 令和4年度は、審議会を計2回開催し、申請された小学校の生活科の図書7者、7点について審議いたしました。
 生活科の教科用図書においては、教材の提示が主として絵・写真などの図版であるため、今回の検定におきましても、それらの正確性はもとより、情操教育上また生活指導上の問題が生じないかといった点には、特に留意いたしました。
 慎重かつ活発な審議の結果、小学校の生活科全7点について、合否の判定を留保し、検定意見を申請者に伝え、必要な修正を求めました。
 その後、修正された内容について再度審議した結果、7点全点について合格と判定いたしました。
 全体的な傾向といたしまして、教科の趣旨を逸脱するような重大な欠陥は見られませんでしたが、発展的な学習内容について扱いが不適切な箇所、車椅子を介助する際の安全面の注意などについてやや配慮を欠いた箇所などが見られ、それらは検定意見として指摘し、適切な修正がなされたところでございます。
 以上でございます。
【五十嵐会長】 ありがとうございました。
 続きまして、荒川委員から、第6部会、音楽、図画工作、芸術の御説明をお願いいたします。
【荒川委員】 第6部会の審議状況について、報告申し上げます。
 令和4年度は、音楽の小委員会を計2回、美術・工芸の小委員会を計2回開催し、小学校用及び高等学校用の図書16点について審議いたしました。また、書道の小委員会を計2回開催し、高等学校用の図書3点について審議いたしました。内訳は、小学校用の音楽2者、6点、図画工作2者、6点、高等学校用の音楽Ⅲ、2点、美術Ⅲ、2点、書道Ⅲ、3点になります。
 検定意見を付した箇所としましては、音楽及び音楽Ⅲにおいては、音楽に関する用語などに、児童・生徒にとって理解し難い箇所や、誤解するおそれのある表現が、また、図画工作及び美術Ⅲにおいては、特定の商品の宣伝になるおそれのある箇所や、図書中の記載に誤りや矛盾する箇所があったこと、また、書道Ⅲにおいて、学習指導要領の内容に照らして扱いが不適切な箇所や、図書中の記載に誤りや矛盾する箇所などの欠陥が見受けられました。
 慎重な審議の結果、まず、19点の全点について合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。
 その後、修正された内容につきまして再度審議し、その結果、19点全点について合格と判定いたしました。
 以上、報告申し上げます。
【五十嵐会長】 どうもありがとうございました。
 続きまして、斎藤委員から、第7部会、外国語の御報告をお願いいたします。
【斎藤委員】 第7部会の審議状況について御報告いたします。
 令和4年度は、小学校の外国語6者、6点、高等学校の英語コミュニケーションⅢ、23点、論理・表現Ⅲ、13点の計42点が申請され、合計16回の部会を開催し、審議を行いました。
 小学校の外国語については、教科となって2回目の検定であり、各発行者の創意工夫が随所に見られる中で、今回も図書の内容が、学習指導要領に照らして適切であるかに、特に意を用いて検討いたしました。中学校の学習内容とされている、発音とつづり字との関係を詳細に扱っていたり、学習指導要領に示す言語活動が、適切に設定されていなかったりしたものに、検定意見を付しました。
 検定意見を踏まえて、修正された内容について審議を行った結果、6点全点について、合格と判定いたしました。
 高等学校の英語コミュニケーションⅢ、論理・表現Ⅲについては、文構造及び文法事項について、言語活動と効果的に関連づけて取り上げられていなかったり、領域別の言語活動が適切に設定されていなかったり、あるいは、授業は英語で行うことを基本とするとされているにもかかわらず、日本語で活動すると誤解するおそれのある表現があったりしたため、検定意見を付したものが多くありました。そのほか、正確性に関わる欠陥も多く、英語の現代慣用によっていない表現や、発音・強勢等についての誤りや、不正確な記述も多く見られましたので、これらについても意見を付して修正を求めました。
 なお、英語コミュニケーションⅢの1点については、英語の現代慣用によっていない表現等の欠陥が多く、慎重に審議を重ねた結果、一定の欠陥数に達しましたので、不合格と判定いたしました。その他の図書については、合格と判定しております。
 以上御報告いたします。
【五十嵐会長】 どうもありがとうございました。
 続きまして、金子委員から、第8部会、保健体育、看護・福祉の御報告をお願いいたします。
【金子委員】 第8部会より御報告いたします。
 令和4年度は、小学校の保健6者、12点、高等学校の福祉2種目2点が申請され、申請図書及び修正表の審議を行うため、保健体育小委員会を2回、看護・福祉小委員会を2回開催しました。
 小学校の保健において検定意見を付した主な記述としては、感染症の流行を反映し、マスクを着用している写真が多く掲載されましたが、それらのうち、運動時に着用しているものや、鼻と口が覆われていないものなど、着用場面や着用方法について児童が誤解するおそれのあるものが、多数見られました。また、感染症の予防に関して、不正確な記述や、心肺蘇生法の手順について、令和2年、2020年のガイドラインの改訂が反映されていない記述が、多く見られました。そのほか、発展的な学習内容であることを明示していない記述も多く見られました。
 高等学校の福祉において、検定意見を付した箇所としましては、大多数が、正確性及び表記・表現の意見でした。本文やイラスト、図表などの記述において、誤りや生徒が誤解するおそれのある表現等の欠陥が見られました。
 慎重な審議の結果、合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。
 その後、修正された内容について再度審議し、その結果、14点全点について合格と判定いたしました。
 以上でございます。
【五十嵐会長】 ありがとうございました。
 続きまして、佐藤委員から第9部会、家庭、情報、農業、工業、商業、水産の御報告をお願いいたします。
【佐藤委員】 第9部会の審議状況について、御報告します。
 当部会では、家庭、情報、農業、工業、商業、水産の各小委員会が、それぞれ担当する種目の審査に当たり、合否の判定も、各小委員会で行うこととしております。なお、今年度の工業、商業の一部種目については、情報小委員会で審議されております。また、水産については、申請がありませんでした。
 本年度は、検定申請のあった小学校の家庭の2点、高等学校の専門教科の21種目29点の申請図書について、それぞれ審査を行いました。
家庭小員会については、小委員会を2回開催し、小学校の家庭2者、2点の審査を行いました。申請図書において、児童にとって理解し難い表現や誤解するおそれのある表現、相互矛盾等の欠陥が多数見られました。また、家族・家庭生活や消費生活・環境等に関する記述では、学習指導要領に照らして、扱いが不適切なものが見られました。
 情報小員会では、小委員会を計2回開催し、専門教科の工業と商業の情報関連科目4種目5点の審査を行いました。申請図書において、誤りや不正確な記述、理解し難い表現等の欠陥が見られました。
 農業小委員会については、小委員会を計5回開催し、専門教科の農業の6種目6点の審査を行いました。申請図書によっては、多くの意見が付された種目、作物、畜産、野菜も見受けられました。申請図書全般としては、誤りや不正確な記述、理解し難い表現等の欠陥が多数見られました。そのほか、出典が明示されていない箇所等の欠陥が見られました。
 工業小委員会については、小委員会を計4回開催し、専門教科の工業の7種目7点の審査を行いました。申請図書において、誤りや不正確な記述、理解し難い表現や、誤解するおそれのある表現等の欠陥が多数見られました。
 商業小委員会については、小委員会を計3回開催し、専門教科の商業の4種目11点の審査を行いました。申請図書全般に、誤りや不正確な記述、理解し難い表現等の欠陥が見られました。また、申請図書によっては、学習指導要領に示す内容の取扱いに照らして、扱いが不適切である箇所、特定の企業の宣伝になるおそれのある箇所等が見られました。
 各小委員会において、申請図書を慎重に審議した結果、いずれの図書も、申請図書の審査におきましては合否の判定を留保して、必要な修正を求めました。
 修正された内容について再度審議をした結果、最終的に全ての図書を合格と判定しました。
 第9部会における審議状況は、以上でございます。
【五十嵐会長】 どうもありがとうございました。
 それでは最後に、澤田委員から、第10部会、道徳の御報告をお願いいたします。
【澤田委員】 第10部会より報告いたします。
 令和4年度は審議会を4回開催し、検定申請のあった小学校、特別の教科道徳の申請図書6者、18点について審議いたしました。
 意見の多くは、正確性や表記・表現に関するものでしたが、そのほかに、学習指導要領の内容に照らして扱いが不適切なものや、学習指導要領の内容との関連が示されていないもの、学習上必要な出典が示されていないものなど、図書の内容の扱いなどに関する意見を付した図書も多くありました。
 慎重な審議の結果、全ての図書について合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。
 その後、修正された内容を再度審議した結果、18点全点について合格と判定いたしました。
 以上でございます。
【五十嵐会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、各部会からの御報告につきまして、御質問等がありましたら、お願いいたします。
 特に御質問等がないようですので、続きまして、令和4年度の教科用図書検定結果の公開につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
【廣野教科書企画官】 教科用図書検定結果の公開について御説明申し上げます。資料2を御覧ください。
 文部科学省では、国民の教科書に対する関心に応え、教科書への信頼を確保するとともに、教科書検定へのより一層の理解を得るため、平成3年度より、検定結果の公開を実施しております。本年度の検定結果につきましても、資料にお示ししておりますとおり、公開することとしております。
 公開会場における公開については、5月下旬から7月にかけて、東京の教科書研究センターをはじめとして、全国7会場で実施をいたします。宮城県、群馬県、石川県、京都府、愛媛県、鹿児島県の各地方会場については、それぞれの府県教育委員会の協力を得て、実施するものです。
 本年度、委員の皆様に御審議いただきました申請図書、見本等の資料を、閲覧に供することとしております。
 なお、令和4年度には、東京会場のほか、福島県、神奈川県、長野県、奈良県、鳥取県、熊本県の各教育委員会の御協力をいただき、公開を実施したことを御報告いたします。
 文部科学省ウェブサイトにおける公開については、検定意見書等の資料を文部科学省ウェブサイトに掲載して公開いたします。より多くの方に検定結果にアクセスいただけるよう、著作権その他の理由により、ウェブ公開が困難な資料を除き、関係資料の多くをウェブサイトにおける公開の対象としております。
 また、国立教育政策研究所教育図書館等における、通年公開も予定しております。
 説明は、以上でございます。
【五十嵐会長】 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関しまして、何か御意見、御質問等がありましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。
 特に御質問等がないようですので、その他の議題に移りたいと思います。
 まず、デジタル教科書について、事務局から御説明をお願いいたします。
【安井教科書課長】 教科書課長の安井でございます。よろしくお願いいたします。御説明資料のほうを画面で共有させていただきます。
 デジタル教科書につきましては、平成30年の学校教育法改正がございまして、設置者、学校の判断で使用ができるようにということで、制度が改正されたところですけれども、この間、文部科学省におきましても、活用に向けた調査研究事業ということで、取組を進めてきたところでございます。
 また、昨年には、中央教育審議会の個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会が設置され、今後のデジタル教科書の在り方について、御審議をいただいておりました。そこでいただいた御提言が、今、御覧をいただいている資料でございます。
 2ページの緑囲みのところは、いただいた御提言の結論的な部分でございます。緑の囲みで示しているところでございますが、今後まだ、通信ネットワークの環境整備の問題ですとか、学校現場の指導の活用充実といった課題もあるわけでございますけれども、そういった状況も踏まえながら、デジタル教科書につきましては、円滑・効果的に活用していくという観点から、教科・学年を絞って、令和6年度から段階的に導入していくということが必要ではないかという御提言をいただいたところでございます。
 具体的には、小学校5年生から中学校3年生を対象に、まず、英語、その次に算数・数学といった教科の、段階的な導入のお考えもお示しをいただいたところでございます。
 また、このデジタル教科書の導入に当たりましては、児童・生徒の学習環境を豊かにするという観点から、紙の教科書とデジタルの教科書を併用しながら学習環境を整備・充実していくというような方向性についてもお示しをいただいたところでございます。
 今後、中教審からいただいたこういう考え方も踏まえまして、文部科学省としても、取組を進めてまいりたいと思っております。
 なお、検定の問題につきましては、学校教育法改正のときから、デジタル教科書と紙の教科書との内容の同一性ということも前提として、紙の教科書で検定をしていただくということでございますので、当面、この中教審のお考えをお示しいただいたところでも、従来の検定の取組ということを前提に考えてございます。引き続き、学校教育の中で教科書が果たしている役割が充実できるように、さらに文部科学省としても、取組をしていきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
【五十嵐会長】 御説明どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に関しまして、何か御質問、御意見がありましたら、お願いいたします。よろしいですか。それでは、どうもありがとうございました。
 冒頭で申し上げましたとおり、これ以降につきましては、人事等に関する案件でもありますので、報道関係者の方々におきましては、御退出を願いしたいと思います。また、ウェブで傍聴していらっしゃる方につきましても、傍聴は、ここで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。
 
【令和5年度の審議予定について】
・令和5年度の審議スケジュールについて、事務局から説明があった。
 
【委員の分属について】
・令和5年度における部会に属すべき委員・臨時委員・専門委員の分属について、五十嵐会長から指名があった。
 
【個別事案報告について】
・以下の事項について、事務局から報告があった。
  大日本図書における不公正事案
  東京書籍における訂正申請
 
【退任者の紹介について】
・令和4年度末で退任する以下の委員について、五十嵐会長から紹介があった。
  小方 伴子委員(第1部会長、国語小委員長)
  金井 光太朗委員(第2部会世界史小委員長)
  黒沢 文貴委員(第2部会日本史小委員長)
  小賀野 晶一委員(第2部会政治経済小委員長)
  宮本 洋子委員(第4部会物理小委員長)
  小田原 修委員(第4部会化学小委員長)
  岡崎 浩子委員(第4部会長、地学小委員長)
  荒川 裕子委員(第6部会長、美術・工芸小委員長)
  山内 豊委員(第7部会)
  挽 文子委員(第9部会商業小委員長)
・退任する委員より挨拶があった。
【五十嵐会長】 以上をもちまして、本日の議事は全て終了いたしました。最後に委員の先生方から、何か御発言がありましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、これをもちまして令和4年度の総会を終了いたします。御協力どうもありがとうございました。

お問合せ先

初等中等教育局教科書課