平成30年度教科用図書検定調査審議会総会(第1回) 議事録

1.日時

平成31年3月26日(火曜日)14時30分~16時00分

2.場所

中央合同庁舎第7号館 東館 3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 平成30年度教科用図書検定の実施状況・審議結果について
  2. 平成30年度教科用図書検定結果の公開について
  3. 高等学校教科用図書検定基準等の改正について
  4. 教科用図書検定調査審議会運営規則の改正について
  5. デジタル教科書の制度について
  6. 会長代理の指名について
  7. その他

4.出席者

委員

相崎委員,飯田委員,鵜澤委員,岡崎委員,小方委員,小柳委員,上沼委員,神村委員,川窪委員,氣多委員,齋藤委員,重原委員,下山委員,高山委員,谷田委員,塚原委員,中野委員,東委員,日野委員,松井委員,三嶋委員,森委員,山内 進委員,山内 豊委員,吉江委員

文部科学省

永山初等中等教育局長,矢野大臣官房審議官,清原主任視学官,森友教科書課長,岡本教科書企画官 ほか

5.議事録

【山内(進)会長】  それでは,所定の時刻となりましたので,ただいまから教科用図書検定調査審議会総会を開会いたします。
 本日は,御多用の中,審議会総会に御出席いただき,誠にありがとうございます。
 本日の出席者は,お配りしております座席表のとおりであり,定足数である過半数を満たしております。
 検定申請された教科用図書の調査審議に係る案件につきましては,原則非公開となっておりますが,一昨年度,審議結果の報告については公開するということにいたしましたので,本日の会議におきましても公開にて行うことといたします。したがいまして,本日は,報道関係者及び一般傍聴希望者に会議の傍聴を許可しております。
 また,報道関係者より録音の申出があり,これを許可しておりますので御承知おきください。併せて,カメラ撮影についても,議事の冒頭まで撮影を許可しておりますことを申し添えます。
 なお,本日は,議事の最後に会長代理の指名がございますが,人事に関わる案件につきましては非公開ということになっておりますので,そこからは報道関係者,一般傍聴者の方々には御退席いただくということになりますことを御承知おき願います。
 なお,自由闊達な議論を行うため,検定に係る部会の審議は非公開とされておりますので,委員の皆様におかれましては,各自の御発言に際し,各部会の審議における個々の意見のやりとりが明らかになることがないように御留意願います。
 それでは,まず,事務局から配布資料の確認をお願いいたします。
【岡本教科書企画官】  それでは,御説明いたします。
 議事次第の次にございます配布資料一覧を御覧ください。本日配布しております資料につきましては,この配布資料一覧のとおりでございます。資料として1番から5番,参考資料1と2の7点の資料がございます。また,委員の先生方の机上には,参考資料といたしまして6点の資料を置かせていただいております。不足等ございましたら,事務局まで随時お知らせいただければと存じます。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございます。
 それでは,矢野初等中等教育局審議官から御挨拶をお願いいたします。
【矢野大臣官房審議官】  初中局審議官の矢野でございます。教科用図書検定調査審議会総会の開催に当たりまして,一言御挨拶を申し上げます。
 委員の皆様方におかれましては,日頃より教科書検定の実施に多大なる御尽力を頂いており,誠にありがとうございます。また,本日は年度末の非常にお忙しい中,御出席いただきまして,重ねて御礼を申し上げる次第でございます。
 平成30年度の検定につきましては,新しい学習指導要領に基づくまさに初めての検定となる小学校用図書164点について御審議を頂いた結果,最終的に全ての図書について合格の決定がなされたところでございます。合格図書につきましては,8月末までに各教育委員会等において採択事務が進められ,平成32年度から使用されることとなります。この検定を経た新しい教科書によって,生徒の興味・関心に応じた多様な学習活動が展開されるものと期待しているところでございます。
 文部科学省におきましては,平成29年5月にお取りまとめいただきました「教科書の改善について(報告)」を受けまして,高等学校教科用図書検定基準等について必要な改正を行ったところでございます。また,学習者用デジタル教科書を制度化する「学校教育法等の一部を改正する法律」等,関係法令が本年4月に施行され,平成31年度から学習者用デジタル教科書を導入することができることとなっているところでございます。
 委員の皆様方におかれましては,今後ともよりよい教科書作りに向けて専門的,学術的な知見に基づいた御審査を頂きますよう,よろしくお願い申し上げます。本日はありがとうございます。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございました。
 それでは,恐縮ですが,カメラ撮影はここまでとさせていただきます。

議題1
【山内(進)会長】  それでは次に,平成30年度における教科用図書検定の実施状況・審議結果に移りたいと思います。
 委員の皆様は,資料1の平成30年度教科用図書検定結果の概要を御覧ください。
 まずは,全体の概要について事務局から御報告をお願いいたします。
【岡本教科書企画官】  それでは,全体の概要について御説明をいたします。
 資料1にございますとおり,平成30年度につきましては,平成32年度より使用されます小学校の新学習指導要領に対応しました初めての教科書の検定を実施いたしました。その結果,検定申請点数164点全てが合格という状況となっております。
 なお,現行学習指導要領に基づきます中学校の3巡目の検定申請が1点ございましたけれども,こちらにつきましては,途中で申請取下げがなされているという状況でございます。
 事務局からは以上でございます。
【山内(進)会長】  ありがとうございました。
 次に,各部会から部会の概要について,御報告をお願いいたします。
 まず,第1部会(国語)の飯田委員から順にお願いいたします。
【飯田委員】  よろしくお願いいたします。
 第1部会の審議状況について,平成30年度は小学校国語の12点,書写の15点,計27点が申請されました。
 小学校国語が5回,書写で2回,計7回の審議会を開催し,審議を行いました。
 小学校国語は,新しい学習指導要領における1巡目の検定でしたけれども,大きな欠陥は見られませんでした。全体に単純な誤記のたぐいとか,誤解するおそれのある記述,理解し難い記述が見られ,意見を付したところです。
 小学校書写については,学習指導要領に照らして扱いが不適切な教材,相互に矛盾している記述,誤解するおそれのある図版などが見られ,意見を付したところです。
 慎重な審議の結果,いずれの図書も合否の判定を保留し,検定意見に従った適切な修正を求めることにいたしました。その後,修正内容について審議した結果,27点全ての図書について,その修正内容が適切であると認めましたので合格と判定したところです。
 以上,御報告いたします。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございました。
 それでは次は,第2部会(社会科)からの報告であります。私から報告させていただきます。
 平成30年度は,小学校小委員会4回,歴史小委員会2回,第2部会を3回開催し,検定申請のあった小学校社会14点,中学校社会(歴史的分野)1点,合計15点の申請図書の審議を行いました。
 審議は,まず,小学校社会及び中学校歴史の科目ごとの小委員会において行われ,その後,部会で最終的な合否の判断をいたしました。
 慎重に審議した結果,小学校社会については,いずれの申請図書についても欠陥があると認められましたので,合否の判定を留保し,必要な修正を求め,その後,申請者により修正された内容を再度審議いたしました。その結果,検定意見に沿った適切な修正がなされたと判断し,12点全てを合格と判定いたしました。
 また,中学校につきましては,申請図書の内容に重大な欠陥があると認められましたので不合格と判定し,申請者に対して不合格理由の事前通知を行った後,申請者より申請取下げの申出があったところであります。
 次に,小学校各学年について御報告いたします。
 第3学年では,地域学習のための図において,児童にとって理解し難い塗色や地図記号等に意見を付しました。
 第4学年では,過去の自然災害について,児童にとって理解し難い表現や誤解するおそれのある表現等に意見を付しました。また,自然体験型学習の写真について,安全について必要な配慮を欠いているものにも意見を付しました。
 第5学年では,我が国の領土について,我が国の立場を踏まえておらず,児童が誤解するおそれのある表現について意見を付しました。また,掲載写真が個別企業の宣伝に当たるおそれのあるものにも意見を付しました。
 第6学年では,歴史的事実に関し,不正確な記述や児童が誤解するおそれのある表現,我が国の領土に関し,児童が誤解するおそれのある表現等について意見を付しました。公民的な部分では最新のものが用いられていなかった統計資料について,今回新たに設けられた,「統計資料については,原則として,最新のものを用いて」いることという基準に基づき意見を付しました。最後に,地図においては,歴史的分野と関わる図表中の表現や領域に関わる表記について,児童が誤解するおそれがあるとして意見を付しました。
 いずれの箇所につきましても適切な修正がなされました。
 以上であります。
 それでは,第3部会(数学)から高山委員より御報告をお願いいたします。
【高山委員】  平成30年度の第3部会の審議内容について御報告いたします。
 平成30年度は,申請された小学校算数の申請図書36点について,申請図書の審査及び修正表の審査として審議会を計6回開催し,審議いたしました。
 今回の学習指導要領は,思考力,判断力,表現力の育成が明記されたこともあり,知識,技能以上に慎重な判断が要されました。
 意見の多くは,正確性や表記・表現に関するものでした。また,組織や扱いに関する意見を付した図書もあり,その結果,章構成の変更がなされたものもありました。
 慎重な審議の結果,小学校算数の申請図書全36点について合否の判定を留保し,必要な修正を求めました。その後,修正された内容について再度審議し,その結果,36点全点について合格と判定いたしました。
 以上でございます。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございます。
 それでは次は,第4部会(理科)から神村委員より御報告をお願いいたします。
【神村委員】  平成30年度の第4部会の審議内容について御報告いたします。
 理科の申請された図書を検定いたします第4部会におきましては,本年度は小学校理科の審議を行いました。それについて御報告します。
 申請された図書は小学校理科24点でありました。これらの図書の審議を行うため,申請図書の審査及び修正表の審査として部会を計7回開催いたしました。
 意見の多くは,検定基準の各教科共通の条件・観点3「正確性及び表記・表現」に関するもので,事実が正確に反映されていない記述のほか,日本語の表現や図,写真の内容に問題があるものなどが見られました。
 ほかには,実験,観察において作業の安全に適切な配慮がされていないとして,理科固有の条件・観点1「基本的条件」で意見を付したもの,方法等について説明不足で児童が自ら活動を行えるよう,適切な配慮がされていないとして,各教科共通の条件・観点2「選択・扱い及び構成・排列」の意見を付したものも少なからずありました。
 慎重な審議の結果,全ての図書について合否の判定を留保し,申請者に対して検定意見に対する修正を求めることにしました。その後,申請者から修正表が提出され,その修正内容について部会において審議し,その結果,小学校理科24点,いずれも合格と判定いたしました。
 以上でございます。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございます。
 それでは次は,第5部会(生活)から三嶋委員より御報告をお願いいたします。
【三嶋委員】  第5部会より御報告いたします。
 平成30年度は審議会を計2回開催し,申請された小学校生活科の図書全8点について審議いたしました。
 生活科の教科用図書においては,教材の提示が主として絵,写真などの図版であるため,今回の検定におきましても,それらの正確性はもとより,情操教育上,また,生活指導上の問題点が生じないかといった点には特に留意いたしました。
 慎重かつ活発な審議の結果,小学校生活科全8点につきまして合否の判定を留保し,検定意見を申請者に伝え,必要な修正を求めました。その後,修正された内容について再度審議した結果,8点全点について合格と判定いたしました。
 全体的な傾向といたしまして,教科の趣旨を逸脱するような重大な欠陥は見られませんでしたが,発展的な学習についての扱いが不適切な箇所,作業に伴う学習における安全面の注意などについて配慮を欠いた箇所などが見受けられ,それらにつきましては検定意見として指摘し,適切な修正がなされたところでございます。
 以上でございます。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございます。
 それでは次に,第6部会(芸術)から齋藤委員より御報告をお願いいたします。
【齋藤委員】  それでは,第6部会の審議状況について御報告いたします。
 平成30年度は,音楽の小委員会を計2回,美術・工芸の小委員会を計2回開催し,小学校用の図書12点について審議いたしました。
 内訳は,音楽6点,図工6点であります。いずれの図書におきましても,新しい学習指導要領における1巡目の検定で,重大な欠陥は見られませんでしたけれども,音楽では,用語や演奏方法の説明などに児童にとって理解し難い箇所,図工では不正確な記述や児童にとって理解し難い箇所などが見受けられました。
 慎重な審議の結果,12点全点について合否の判定を留保し,必要な修正を求めました。その後,修正された内容について再度審議いたしまして,その結果,12点全点について合格と判定いたしました。
 以上,御報告いたします。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございました。
 それでは次に,第7部会(外国語)から鵜澤委員より御報告をお願いいたします。
【鵜澤委員】  第7部会の審議状況について御報告いたします。
 平成30年度は小学校外国語7点が申請され,合計4回の部会を開催し,審議を行いました。小学校外国語は新学習指導要領で教科として導入された初めての教科書検定となるため,学習指導要領や検定基準に基づき,申請図書が適切な内容であるか慎重に審議を行いました。その結果,学習指導要領に示す内容が扱われていないものや,児童がみずから言語活動を行えるよう関連付けが適切に行われていないものなどの欠陥箇所が指摘され,いずれの図書についても修正が必要であるとの審議結果となりました。
 したがって,本部会では合否の判断を留保し,検定意見の通知を行い,適切な修正を求めることとしました。その後,検定意見に従った修正内容に関する修正表審査の結果,7点全ての図書についてその修正内容が適切であると認めましたので合格と判定いたしました。
 以上,御報告いたします。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございました。
 それでは,第8部会(保健体育)につきまして下山委員よりよろしくお願いいたします。
【下山委員】  それでは,第8部会より御報告をいたします。
 平成30年度は,小学校体育科保健10点が申請され,合計2回の保健体育小委員会を開催し,審議を行いました。
 主だった変更点としましては,具体的には,三・四年生では体をよりよく発育,発達させるための運動や食事など,五・六年生では,不安や悩みへの対処としての呼吸法などに関する記述,交通事故,水の事故,学校生活の事故,犯罪被害などによるけがの防止に関する記述が追加・変更され,全体のページ数にやや増加傾向が見られました。
 検定意見を付した箇所のほとんどは,発展的な学習内容であることを明示していないものや,「正確性及び表記・表現」に関するものでございました。とりわけ,主たる記述と課題が適切に関連付けられていない記述箇所が少なからず見受けられ,検定意見を付しました。
 慎重な審議の結果,合否の判定を保留し,必要な修正を説明ました。その後,修正された内容について再度審議し,その結果,10点全点について合格と判定いたしました。
 以上,御報告いたします。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございました。
 それでは次に,第9部会(家庭,技術,情報,農業,工業,商業,水産)につきまして,小柳委員より御報告をお願いいたします。
【小柳委員】  第9部会の審議状況につきまして御報告いたします。
 当部会では,家庭,技術,情報,農業,工業,商業及び水産の各小委員会がそれぞれ担当する種目の審査に当たり,合否の判定も各小委員会で行うこととしております。
 本年度は,家庭小委員会を計2回開催し,小学校家庭1種目2点の申請図書について審査を行いました。
 申請図書において,「正確性及び表記・表現」について不正確な記述,誤解するおそれのある表現,理解し難い表現等,多くの欠陥が見られ,「選択・扱い及び構成・排列」についても少なからず欠陥が見られました。
 申請図書を慎重に審議した結果,いずれの図書も申請図書の審議におきましては合否の判定を留保して必要な修正を求め,修正された内容について再度審議し,最終的には全2点を合格と判定いたしました。
 なお,本年度は,技術,情報,農業,工業,商業及び水産小委員会で審査すべき図書の検定申請はございませんでした。
 第9部会における審議状況は以上のとおりでございます。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございました。
 それでは,第10部会(道徳)につきまして谷田委員より御報告をお願いいたします。
【谷田委員】  第10部会の審議状況について御報告いたします。
 特別の教科道徳の教科用図書の検定は,平成27年3月の学習指導要領の一部改正を踏まえ,平成28年度に小学校用,平成29年度に中学校用の初めての検定がそれぞれ行われたところです。
 平成30年度は,平成29年3月の学習指導要領の全面改正を踏まえ,小学校用図書計24点が申請され,合計5回の部会を開催し,審議を行いました。
 本年度の検定における意見箇所の多くは正確性に関わるもので,事実関係の誤りや図書内での不統一などの誤りが見られるものもありました。
 申請図書の審査の結果,2点については,特段の指摘箇所がなく合格となりました。それ以外の22点については欠陥箇所が指摘され,修正が必要であるとの審議結果となりました。したがって,検定意見を付さずに合格とした2点の図書を除き,残り22点の図書については合否の判断を留保し,検定意見の通知を行い,それに従った適切な修正を求めることとしました。その後,留保した22点について修正された内容を再度審議し,全ての図書についてその修正内容が適切であると認めました。その結果,申請図書24点全てが合格となりました。
 以上,御報告いたします。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございました。
 各部会からの報告につきまして,何か御質問などはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは,特に御質問等がないようでありましたら,次に平成30年度教科用図書検定結果の公開に移らせていただきます。
 資料2につきまして事務局から御説明をお願いいたします。
【岡本教科書企画官】  御説明をいたします。資料2を御覧ください。
 文部科学省におきましては,例年,検定結果に関連する申請図書や検定意見書,修正表,調査意見書,議事要旨等の各種資料を公開展示の形で一般の閲覧に供する検定公開事業を実施いたしております。今年度の検定結果につきましても資料2にございますように,東京会場をはじめとする全国7会場におきまして,5月下旬から7月下旬にかけて公開をする予定といたしております。
 なお,東京会場につきましては,江東区にございます公益財団法人教科書研究センターを会場として予定をいたしております。また,7月以降につきましても,国立教育政策研究所教育図書館等におきまして通年公開を実施する予定といたしております。
 また,全ての教科の検定意見書につきまして,文部科学省のホームページで4月以降に公開をすることといたしております。
 これらのほかに,採択のために各都道府県教育委員会が設置をいたします教科書展示会場におきましても教科書見本が展示をされる予定となってございます。
 事務局からは以上でございます。
【山内(進)会長】  ありがとうございました。
 ただいまの説明に関しまして,何か御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

議題2
【山内(進)会長】  それでは,特に御質問ないようでしたら次に進みます。
 高等学校教科用図書検定基準等の改正について,事務局から御説明をお願いいたします。
【岡本教科書企画官】  御説明をいたします。資料3を御覧ください。
 今般の高等学校教科用図書検定基準等の改正でございますが,「1 改正の趣旨」にございますように,平成29年5月に本審議会でお取りまとめを頂きました「教科書の改善について(報告)」を踏まえまして,平成32年度以降の新学習指導要領に基づく教科書検定の実施に向けて行ったものでございます。
 「2 主な改正の内容」でございますけれども,こちらにございます教科共通の条件の(1),(2),それから教科固有の条件(3)から(5)につきましては,義務の検定基準の改正と同趣旨のものとなってございます。
 高等学校固有のものといたしましては,(6)にございます理数科の新設に伴いまして,理科及び数学科の基準を踏まえ,必要な基準を新設いたしてございます。
 改正内容につきましては,机上に新旧対照表がございますので,適宜そちらを御覧いただければと存じます。
 また,このほかにも学習指導要領の改定等に伴います所要の改正を行ったところでございます。
 施行期日につきましては,3にございますとおり,平成31年4月1日となっておりまして,平成32年度の検定につきましては,改正後の検定基準が適用されるということとなっております。
 事務局からは以上でございます。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございます。
 ただいまの御説明に関しまして,何か御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

議題3
【山内(進)会長】  では,特にないようでしたら,次に進ませていただきます。
 次の事項は,教科用図書検定調査審議会運営規則の改正についてであります。これにつきまして,事務局から御説明をお願いいたします。
【岡本教科書企画官】  御説明申し上げます。資料4を御覧ください。
 今回お諮りいたしますのは,第4条の部会に関する規定でございます。資料,左側が改正案となってございますけれども,その中にございますアンダーラインの箇所が改正の箇所となってございます。
 まず,第4部会につきましてですが,新学習指導要領におきまして新たな教科といたしまして理数科が新設をされたことに伴いまして,検定申請があった際には第4部会において御審議を頂くということの改正でございます。
 また,それに併せまして,今回,改めて科目内容の精査を行いまして,高等学校家庭科の専門科目「公衆衛生」の審議につきまして,より専門分野の近い第8部会において分担いただくこととするための改正内容を盛り込んでおります。これに関しましては,第8部会及び第9部会の分担事項の部分で所要の改正という形を盛り込んでいる状況でございます。
 なお,今回の改正に係ります各担当の部会,小委員会においては,あらかじめこの内容につきましては御審議の上,御了承いただいておりますことを申し添えておきます。
 事務局からは以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございます。以上のとおりであります。
 ただいまの説明に関しまして何か御質問,御意見等がありましたらどうぞ。これは審議事項ということですので,ここで決定ということをしなければいけませんので,どうぞ。
お諮りさせていただきましたけれども,お認めいただいたということでが,よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございます。それでは,本改正案については,原案のとおりで可決ということにさせていただきます。

議題4
【山内(進)会長】  それでは次は,デジタル教科書の制度について,説明をお願いいたします。
【森友教科書課長】  それでは,昨年の国会におきまして成立いたしましたデジタル教科書の制度化を図る学校教育法の改正法,そして関連の省令,告示について御報告をさせていただきます。資料5でございます。
 まず,学校教育法の改正法におきましては,学習者用のデジタル教科書につきまして,文部科学大臣の定めるところにより,教育課程の一部において紙の教科書に代えて使用できるということが規定されております。
 また,視覚障害,発達障害その他の文部科学大臣の定める事由により紙の教科書を学習することが困難な児童生徒につきましては,教育課程の全部におきまして使用できると規定されております。
 ここで文部科学大臣の定めるとされておりますデジタル教科書の要件ですとか,使用に当たっての基準につきましては,その下の2.省令,3.告示で規定されてございます。
 2.省令でございますが,1.デジタル教科書の要件として,紙の教科書との内容の同一性を担保するために,紙の教科書の発行者が紙の教科書の内容を全てデジタル教科書として記録をするということを規定しております。
 また,3.でございますけれども,先ほどの障害の関係でございますが,障害等の事由につきまして,視覚障害や発達障害等の障害,日本語に通じないこと,これらに準ずるものということを規定しているところでございます。
 3.告示の四角囲みの中の教材の使用について定める件におきましては,まず1.(1)のところですが,まずは紙の教科書を主として使用するということで,これにつきましては国会においても御議論ございましたが,紙の教科書が基本だということについては変えておりませんので,そういったことを前提といたしまして,今後,デジタル教科書の効果,影響を本格的に検証しながら,段階的に進めるということでございます。
 したがいまして,法律において教育課程の一部とされていた一部の範囲につきましては,紙が基本,主であるということで,その紙を超えないということで,各教科等の授業時数の2分の1に満たないということで現段階では規定されているところでございます。
 このほか,(2)以下でございますが,紙の教科書を使用できるようにしておくこと。これは何かデジタルの方でタブレット等に故障があったときに,すぐに紙でちゃんとできるようにしていくことといった趣旨でございますが,そのほか,健康保護への配慮,指導方法の効果の把握,改善などについて規定されておりまして,来月4月1日からの施行となっております。
 なお,2枚目には,デジタル教科書の効果的な活用の在り方に関するガイドラインとして,こちらも協力者会議でまさに事例等も含めたガイドラインをお作りして,関係機関に配布しているところでございます。
 以上でございます。
【山内(進)会長】  どうもありがとうございます。
 デジタル教科書の制度につきましては御説明いただきました。何かもし質問がありましたらどうぞ。
 よろしいでしょうか。では,そういうことで次に進ませていただきます。
 次は,次期会長代理の指名ということになります。冒頭で申し上げましたように,これ以降につきましては人事案件でありますので,誠に申し訳ありませんが,報道関係者,一般傍聴者の方々は御退室をお願いいたします。

議題5
会長代理の指名について,以下のように議事が進められた。
1. 会長から教科用図書検定調査審議会会長代理については,教科用図書検定調査審議会令で会長が指名することとされている旨の説明がされた。
2. 会長代理に齋藤委員が指名された。

議題6
【山内(進)会長】  それでは最後に,その他の議題に移らせていただきます。まず,次年度の審議予定につきまして事務局から御説明をお願いいたします。
【岡本教科書企画官】  御説明申し上げます。
 来年度につきましては,平成33年度から使用されます新学習指導要領に対応した初めての中学校用教科書の検定,それから現行の学習指導要領に対応いたしました3巡目の高等学校,主として低学年用の教科書の検定を実施する予定でございます。
 高等学校用の教科書につきましては,新学習指導要領に対応した申請図書の検定が平成32年度に行われることになりますので,平成31年度の現行学習指導要領の3巡目の検定につきましては,現時点で把握する限りでは,申請を希望する発行者はない見込みとなってございます。
 検定申請の受付期間につきましては,4月9日から4月26日としております。各委員のお手元に申請図書が届きますのは,教科によって幅はございますけれども,4月下旬から5月中旬の見込みとなっております。
 また,高等学校につきましては,10月以降に新学習指導要領に対応した主として低学年用の教科書の前倒しの受理を順次行う予定としております。検定年度は平成32年度となりますけれども,関係の委員におかれましては,11月以降に御対応をお願いすることとなろうかと存じますので,その際はよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
【委員の分属について】  
・平成31年度における部会に属すべき委員・臨時委員・専門委員の分属について山内会長から指名があった。
【退任者の紹介について】
・平成30年度末までに退任する以下の委員について,山内会長から紹介があった。
飯田薫委員(第1部会部会長)
日野正輝委員(第2部会地理小委員長)
神村信男委員(第4部会部会長)
塚原康子委員(第6部会音楽小委員長)
鵜澤文子委員(会長代理,第7部会部会長)
下山晴彦委員(第8部会部会長)
河原加代子委員(第8部会看護・福祉小委員長)
相崎冬美委員(第9部会家庭小委員長)
小柳和子委員(第9部会部会長)
吉江由美子委員(第9部会水産小委員長)
谷田増幸委員(第10部会部会長)
・退任する委員を代表して,鵜澤委員より挨拶があった。
【山内(進)会長】  以上をもちまして,本日の議事は全て終了いたしました。
 最後に,委員の皆様方から何か御発言などありますでしょうか。
 それでは,平成30年度の御審議,誠にお疲れさまでありました。これをもちまして今年度の総会を終了いたします。どうもありがとうございました。


お問合せ先

初等中等教育局教科書課