教科用図書検定調査審議会 令和2年度第2部会(第3回) 議事要旨

1.日時

令和2年11月13日(金曜日) 13時30分~18時30分

2.場所

中央合同庁舎第7号館東館(文部科学省庁舎)3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 申請図書の審査
  2. その他

4.出席者

委員

家近委員,池田委員,伊藤委員,井野瀬委員,上野委員,江口委員,大倉委員,小賀野委員,小野寺委員,金井委員,神田委員,熊本委員,黒木委員,黒沢委員,小林(和)委員,小林(正)委員,齋藤委員,白砂委員,髙橋委員,武田委員,田中委員,出村委員,中川委員,野林委員,硲委員,三沢委員,森(公)委員,森(肇)委員,森下委員,山内委員,山家委員

文部科学省

髙橋主任教科書調査官,中前主任教科書調査官,矢吹主任教科書調査官,黒澤教科書調査官,小堀教科書調査官,小宮教科書調査官,鈴木(楠)教科書調査官,鈴木(正)教科書調査官,橋本教科書調査官,藤本教科書調査官,三島教科書調査官,三橋教科書調査官,神山教科書課長,高見教科書企画官,村山教科書検定調整専門官 他

5.議事要旨

1.令和4年度から使用される教科用図書として検定申請のあった申請図書について,審議を行った。(なお,下記の教科書番号(検定合格した図書に付される番号)及び申請者名は,参考までに記載しているものであり,実際の審議の際は,申請者名が分からないようにした上で審議を行っている。)

【中学校 社会(歴史的分野)】
受理番号102-306:(令和書籍)
検定審査不合格とすることが適当とした。(欠陥箇所数合計 605)
・27ページの「六世紀のアラビア半島では、ムハンマドがユダヤ教とキリスト教をもとに、神アラーのお告げを受けたとしてイスラム教を起こしました。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所62番)
・31ページの「支那大陸」について,小委員会での意見のとおり,指摘事項を変更することとした。(欠陥箇所70番)
・65ページの「薨去(皇族が亡くなること)」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所134番)
・85ページの「世界最古のSF作品ともいわれる『竹取物語』」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所189番)
・85ページの「『日本書紀』に続いて『続日本紀』『日本後紀』『続日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三代実録』が編纂されたのもこの時代です。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所190番)
・99ページの「建久三年(一一九二)、…後鳥羽天皇が頼朝を征夷大将軍に任命し、政権を委任しました。ここに鎌倉幕府が成立し、武家政権が誕生しました。」について,小委員会での意見のとおり,指摘事項を変更することとした。(欠陥箇所227番)
・120ページの「一一八五 鎌倉幕府の成立)」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所272番)
・126ページの「琉球国」について,小委員会での意見のとおり,指摘事項を変更することとした。(欠陥箇所291番)
・127ページの「四代将軍・足利義持と五代将軍・足利義量はともに後継者を指名せずに死亡したため、六代将軍はくじ引きによって足利義教が選ばれました。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所294番)
・138ページの「源頼義が京都の石清水八幡宮を移して建てる」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所310番)
・142ページの「1392 能や狂言」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所315番)
・168ページの「一四九四年、スペインとポルトガルはトルデシリャス条約を結びました。これは…両国が世界を二分して支配し、互いの領土を認め合うというものです。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所327番)
・174ページの「大東亜戦争」について,小委員会での意見のとおり,指摘事項を変更することとした。(欠陥箇所334番)
・178ページの「明は朝鮮に出兵したことで東部方面が手薄になり、女真の統一を許したため、」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所340番)
・203ページの「十八世紀に入ると、すべての人は生まれながらに自由・平等であり、そうした基本的人権を尊重する公正な社会を作ろうとする啓蒙思想が盛んになりました。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所380番)
・216ページの「八一八の政変」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所389番)
・224ページの「アメリカ独立(1776)」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所399番)
・228ページの「八月十五日 ポツダム宣言受諾」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所408番)
・231ページの「明治六年(一八七三)に徴兵制を定めて、士族に限らず満二十歳の男子に兵役の義務を課しました。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所418番)
・232ページの「司法卿 江藤新平」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所421番)
・239ページの「領土確定」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所429番)
・254ページの「オスマン・トルコ」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所450番)
・255ページの「当時の駐日トルコ大使のネジアティ・ウトカン氏は次のように語ったといいます。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所451番)
・257ページの「アジアにおいて有色人種で国家の独立を保っていたのは日本を含め、シャム(タイ)とトルコしかありませんでした。」について,小委員会での意見のとおり,指摘事由を変更することとした。(欠陥箇所453番)
・257ページの「トルコ」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所454番)
・273ページの「これを期に、」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所477番)
・281ページの「軍の予算にまで軍が関与できることになり、」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所484番)
・286ページの「昭和十五年は日本にとって特別な年でした。『日本書紀』によると、初代神武天皇即位から二六〇〇年にあたる年だったからです。紀元二六〇〇年を祝うために、国を挙げた祝賀行事が行われました。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所495番)
・289ページの「大神神社蔵」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所505番)
・305ページの「広島に原子爆弾が投下されたことで、一〇万人から一四万人が即死し、」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所521番)
・315ページの「当時、…電話交換業務は、戦闘中でも継続する必要があり、残留組を決め…交換台の前で静かに青酸カリを飲み、…九名が自決しました。…職務に対する責任感を見た…真岡郵便局の殉職者は一九人に上ります。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所528番)
・372ページの「ブラハ」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所579番)
・378ページの「ヘイラート」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所594番)
・379ページの「仏教の伝播」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所595番)
その他の箇所については,そのまま欠陥箇所とすることとした。

【高等学校 地理歴史科 歴史総合】
受理番号102-90(教科書番号706):(帝国書院)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 45)
・52ページの「一方的に決定された州政府による先住民追放決議の停止を求め,先住民は最高裁判所に訴えたが認められなかった。」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見12番)
・181ページの「これは1954年に最高裁判所が「学校における人種差別は違憲」とした判決を受けたもので,教育委員会は,白人と黒人で学校を分けることを廃止した。」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見41番)
その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

受理番号102-91(教科書番号712):(明成社)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 103)
・13ページの「世界の鉄道マイル数」について,意見が出され,検定意見を付すことが適当かどうか,後日部会長が確認することとした。(11月24日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。)(検定意見9番)
・29ページの「世界各国の貿易図」について,意見が出され,検定意見を付すことが適当かどうか,後日部会長が確認することとした。(11月24日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。)(検定意見18番)
・44-45ページの「フランスで七月革命(1830年)、二月革命(1848年)によって第二共和政が成立すると、その影響をうけて各地で革命・独立運動がおこり、次々と国民国家が誕生してウィーン体制は崩壊した(諸国民の春)。」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見28番)
・44ページの「ナポレオン時代のヨーロッパ」について,意見が出され,検定意見を付すことが適当かどうか,後日部会長が確認することとした。(11月24日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。)(検定意見29番)
・46ページの「太政官(だいじょうかん)」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見34番)
・調査意見31番については,小委員会での審査のとおり,検定意見としないこととした。
・59ページの「第一次世界大戦直前のバルカン半島(1913)」について,小委員会での審査のとおり,指摘事由を変更することとした。(検定意見39番)
・94ページの「孤児763名と付き添い39名の計802名を救出した。」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見60番)
・102ページの「「常設国際司法裁判所」,「国際裁判所」,「国際司法裁判所」」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見63番)
・113ページの「この男(ローズベルト)の年来の唯一の希望は」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見70番)
・114ページの「第二次世界大戦犠牲者の推計(人)」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見72番)
・125ページの「1956(昭和30)年の日ソ共同宣言」について,意見が出され,検定意見を付すことが適当かどうか,後日部会長が確認することとした。(11月24日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。)(検定意見78番)
・125ページの「口之島」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見79番)
・168ページの「NAFTA(北米自由貿易協定)」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見99番)
・180ページの「54……/日露和親条約」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見101番)
その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

受理番号102-92(教科書番号710):(第一学習社)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 50)
・表見返の「アマゾン川」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見1番)
・72ページの「1918年のオスマン帝国崩壊」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見16番)
・調査意見18番については,小委員会での審査のとおり,検定意見としないこととした。
・83ページの「1854年の日露和親条約」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見19番)
・205ページの「EUではじまった地域的経済統合は,その後,北米自由貿易協定(NAFTA)…など世界各地域に広がっている。」について,小委員会での審査のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見44番)
・228ページの「エンクルマ……175」について,意見が出され,検定意見を付すことが適当かどうか,後日部会長が確認することとした。(11月26日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。)(検定意見49番)
その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

受理番号102-93(教科書番号711):(第一学習社)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 51)
・表見返②の「アマゾン川」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見1番)
・調査意見16番については,小委員会での審査のとおり,検定意見としないこととした。
・109ページの「第一次世界大戦後のヨーロッパ」について,小委員会での審査のとおり,指摘事由を変更することとした。(検定意見29番)
・191ページの「北米自由貿易協定(NAFTA)」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見49番)
その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

受理番号102-94(教科書番号707):(山川出版社)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 24)
・219ページの「1994年にはアメリカ・カナダ・メキシコのあいだで、北米自由貿易協定(NAFTA)が発効した。」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見23番)
その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

受理番号102-95(教科書番号708):(山川出版社)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 61)
・12ページの「イギリスの小麦輸入元の割合」について,意見が出され,検定意見を付すことが適当かどうか,後日部会長が確認することとした。(11月20日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。)(検定意見5番)
・113ページの「連合国軍最高司令官として太平洋戦争を指揮したマッカーサーは、」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見30番)
・137ページの「安保理の構成国は、常任理事国と6カ国(1965年以降10カ国)の非常任理事国・・・であり、9カ国の賛成によって決議を可決できるとされた。」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見36番)
・138ページの「金本位制」について,意見が出され,検定意見を付すことが適当かどうか,後日部会長が確認することとした。(11月20日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。)(検定意見37番)
・141ページの「日本の占領統治」について,意見が出され,検定意見を付すことが適当かどうか,後日部会長が確認することとした。(11月20日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。)(検定意見41番)
その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。
受理番号102-96(教科書番号709):(山川出版社)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 18)
・31ページの「1857年に出版された」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見8番)
・166ページの「その国の主権者(…民主国家なら議会の多数派)によって承認されることで、」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見18番)
その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることした。

受理番号102-97(教科書番号701):(東京書籍)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 42)
・2ページの「三つ目の歴史総合の特徴は,数多くの「問い」や,その問いにかかわる資料が多く設けられ,本文も問いや資料に関連付けて叙述されるなど,歴史を学ぶ方法が変化したことです。」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見2番)
・11ページの「イギリスの石炭産出量の推移」について,意見が出され,検定意見を付すことが適当かどうか,後日部会長が確認することとした。(11月27日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。)(検定意見4番)
・25ページの「鳥取県農家の労働時間配分」について,小委員会での審査のとおり,指摘事項を変更することとした。(検定意見8番)
・103ページの「中国人はアジア太平洋戦争さなかの1943年,」について,小委員会での審査のとおり,指摘事項を変更することとした。(検定意見23番)
・187ページの「また,モノだけでなくサービスや投資の自由化を進める環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉が進められ,2018年,日本をはじめ11か国で発効した。」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見37番)
・187ページの「北米自由貿易協定(NAFTA)について,小委員会での審査のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見38番)
・189ページの「イギリスは2016年の国民投票でEUからの離脱を決めた。」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見39番)
その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることした。

(以上)

お問合せ先

初等中等教育局教科書課