教科用図書検定調査審議会 平成26年度第2部会(第2回) 議事要旨

1.日時

平成26年11月28日(金曜日) 10時00分~18時00分

2.場所

中央合同庁舎7号館東館(文部科学省庁舎)3階 3F2特別会議室

3.出席者

委員

揚村委員,荒木委員,家近委員,井野瀬委員,上山委員,魚住委員,内田委員,大石委員,金井委員,私市委員,黒沢委員,河野委員,齋藤委員,佐々木委員,鈴木委員,高橋(久)委員,髙橋(基)委員,円谷委員,硲委員,原田委員,日野委員,三嶋委員,森委員,森下委員,山崎委員

文部科学省

青山主任教科書調査官,照沼主任教科書調査官,村瀬主任教科書調査官,遠藤教科書調査官,岡谷教科書調査官,木元教科書調査官,高橋(秀)教科書調査官,高橋(洋)教科書調査官,中前教科書調査官,橋本教科書調査官,三島教科書調査官,三谷教科書調査官,三橋教科書調査官,森上教科書調査官,矢吹教科書調査官,望月教科書課長,梶山教科書企画官,坂下教科書検定調整専門官 他

4.議事要旨

  1.平成28年度から使用される教科用図書として検定申請のあった申請図書について,審議を行った。また, 審議に当たっては,小委員会で議論された意見についての審議も行った。その際,歴史的分野の幾つかの教科書について,学習指導要領や学問的成果等に基づき,生徒が多面的・多角的に考察し公正に判断することができるよう,より一層バランスのとれた記述がされることが望ましいとの意見があった。(なお,下記の教科書番号(検定合格した番号に付される番号)及び申請者名は,参考までに記載しているものであり,実際の審議の際は,申請者名が分からないようにした上で審議を行っている。)

【中学校 社会科(歴史的分野)】
  受理番号26-65:(学び舎)
    検定審査不合格と判定した。(欠陥箇所数合計 273)
    ・13ページの「氷期 地球全体の気候が長期に寒冷化した時期。約200万年前から1万年前までつづいた。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所8番)
    ・72ページの「キリスト教は中国や中央アジアにも広まり,景教とよばれていました。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所73番)
    ・108ページの「1615年,徳川家康が豊臣氏を滅ぼすと,大名たちは,徳川家にそむく気持ちがないことをしめすために,江戸に参勤するようになりました。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所120番)
    ・111ページの「出島の向かいの大きな屋敷が長崎奉行所。その左側は唐人屋敷。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所126番)
    ・126ページの「1722(享保7)年,吉宗は,みずから頭を下げて幕府の困窮を大名たちに説明し」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所134番)
    ・228ページの「中国革命をくいとめる(全体)」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所194番)
    ・281ページの「同時に,航空自衛隊がアメリカなどの兵員を戦闘地域のバグダッドに輸送したことは,武力行使と一体であり,日本国憲法第9条に違反する活動が含まれていると,事実認定しました。」について,意見が出され,欠陥箇所とするかどうか後日部会長が確認することとした。(12月5日までに部会長が内容を確認した結果,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所248番))
    その他の箇所については,そのまま欠陥箇所とすることとした。
 
  受理番号26-68:(自由社)
    検定審査不合格と判定した。(欠陥箇所数合計 358)
    ・2ページの「日本文明の伝統 世界のどの国にも,それぞれの固有の歴史があります。・・独自の文明を育てました。・・自立した独自の文明を築いてきました。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした(欠陥箇所1番)
    ・2ページの「世界でもっとも安全で豊かな日本を築いてきたのです。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所2番)
    ・48ページの「高句麗は,百済の首都漢城(現在のソウル)を攻め落としたが,任那を拠点とした大和朝廷の軍勢の抵抗にあって,半島南部の征服は果たせなかった。しかし,404年,大和朝廷は高句麗と交戦したのち,朝鮮半島から兵を引いた。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所43番)
    ・69ページの「10世紀に入ると,人口が増え,新田が不足したために,班田収授法はいきづまった。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所75番)
    ・71ページの「10世紀末になると,刀伊(満州の女真族)が九州を襲い,」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所79番)
    ・77ページの「院政が始まると,白河上皇は,平氏を中心とする武士団を・・・武士の発言力がしだいに強くなった。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所90番)
    ・81ページの「石塁」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所93番)
    ・89ページの「異国警護番役」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所102番)
    ・155ページの「産業革命は,18世紀なかばにはフランス,ドイツ,アメリカにも広がっていった。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所184番)
    ・156~157ページの「16世紀から18世紀にいたる300年間に,・・・他方,清朝の中国,李朝の朝鮮などのアジア諸国は,軍事技術の発達に関心をもたなかった。日本では,17世紀の初めに成立した江戸幕府が,軍事技術の発達をむしろ抑制して平和な社会をつくっていた。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。
    ・小委員会に提出した欠陥箇所179番について,指摘事項を変更することとした。(欠陥箇所189番)
    ・157ページの「イギリスは,植民地のインド人に麻薬のアヘンをつくらせ,・・・1840年,アヘン戦争が始まった。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所191番)
    ・160ページの「橋本佐内」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所198番)
    ・166ページの「「太政官(新政府)を構成する要人」中,「大隈重信(肥前)(びぜん)」」について,意見が出され,欠陥箇所とするかどうか後日部会長が確認することとした。(12月5日までに部会長が内容を確認した結果,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所204番))
    ・170ページの「わが国が新しい時代に対応する政治体制への切りかえを比較的早くすることができ,朝鮮や清国が遅れたのはなぜでしょうか。・・・ここに,日本が朝鮮や清国よりも早く政治体制を切りかえることができたわけがあったのです。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所206番)
    ・172ページの「その後,ロシア人が樺太に移住し,日本人とロシア人の雑居の地であることを認めさせた。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所207番)
    ・180~181ページの「幕末・明治期の日本人の生き方(全体)」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所217番)
    ・187ページの「「教育勅語」中,「日本古来の道徳・習慣がないがしろにされていることをただすために」」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所223番)
    ・210ページの「「韓国併合」中,「灌漑施設をつくり,,」」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所253番)
    ・212ページの「「三国同盟と三国協商」中,「協商とは,文書での取り決めはしないが強いつながりを示す外交用語」」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所254番)
    ・228ページの「孫文のあとをついだ蒋介石は1919年に国民党を結成したのち,」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所268番)
    ・230ページの「1939年の時点で,満州国は・・タイ,ポーランド,バチカンなど・・承認されていた。」について,小委員会での意見のとおり,欠陥箇所とすることとした。(欠陥箇所275番)
    その他の箇所については,そのまま欠陥箇所とすることとした。
 
  受理番号26-77(教科書番号730):(教育出版)
    合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 20)
    また,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。
 
  受理番号26-80(教科書番号731):(清水書院)
    合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 51)
    ・11ページの「イネも中国南部や朝鮮半島から伝えられて,約5000年前から九州北部を中心に栽培されていた。」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見3番)
    ・27ページの「なかには大王家と婚姻関係をむすび,大きな勢力をもつ一族も出てきた。」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見7番)
    ・36ページの「キャプション中の「〔奈良文化財研究所蔵〕」」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。
    ・124ページの「『御当家令状』」について,意見が出され,検定意見を付すかどうか後日部会長が確認することとした。(12月5日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。(検定意見26番))
    ・227ページの「写真「ヒトラー」中,「1923年。」」について,意見が出され,検定意見を付すかどうか後日部会長が確認することとした。(12月5日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。(検定意見43番))
    その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。
 
  受理番号26-82(教科書番号735):(育鵬社)
    合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 78)
    ・34~35ページの「6世紀になり,新羅が勢力をのばすようになると,・・・・・・百済から,わが国に助けを求める使者がたびたびやってきました。新羅は任那にも進出し,6世紀半ばにはその地域を支配したため,」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見11番)
    ・59ページの「「カタカナの起源」中の「ニ」のもととなる漢字」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見25番)
    ・103ページの「数多くの奴隷が身動きできないほどにつめこまれている。」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見43番)
    ・176ページの「「外国人が見た日本」(全体)」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見58番)
    ・214ページの「主要国の国際連盟への加盟状況」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見65番)
    ・226ページの「「蒋介石による国内統一(北伐)の動き」中の「1927.9 国民政府成立」」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見67番)
    ・調査意見65番について,指摘事項及び指摘事由を変更することとした。(検定意見71番)
    ・256ページの「「東京裁判」(全体)」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見72番)
    ・281ページの「他の国に比べて老舗が多いのは,日本では,人々が安心して暮らすことのできる,穏やかで安定した歴史があったことの反映といえるでしょう。」について,意見が出され,検定意見を付すかどうか後日部会長が確認することとした。(12月5日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。(検定意見78番))
    その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。
 
  受理番号26-85(教科書番号732):(帝国書院)
    合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 70)
    ・74ページの「D 京都の町に現れた公衆トイレ」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見25番)
    ・248ページの「対立を避けるため」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見65番)
    その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

  受理番号26-91(教科書番号729):(東京書籍)
    合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 28)
    ・35ページの「邪馬台国にはもともと男の王がいた」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見1番)
    ・81ページの「和人はこの戦いに勝利し,支配をさらに強めました。」について,意見が出され,検定意見を付すかどうか後日部会長が確認することとした。(12月5日までに部会長が確認した結果,検定意見を付すこととした。(検定意見7番))
    ・180ページの「土地制度の近代化を名目として日本が行った土地調査事業」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見18番)
    ・221ページの「姓名を日本式に改める創氏改名」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見21番)
    その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。
 
  受理番号26-99(教科書番号733):(日本文教出版)
    合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 44)
    ・73ページの「今も残る石塁」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見18番)
    ・81ページの「コシャマインが率いるアイヌ軍が和人の館をおそいました。しかし和人に敗れ,和人の支配はさらに広がりました。」について,意見が出され,検定意見を付すかどうか後日部会長が確認することとした。(12月5日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。(検定意見19番))
    ・259ページ上囲みの「左8行目「ベトナム」」について,意見が出され,検定意見を付すかどうか後日部会長が確認することとした。(12月5日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。(検定意見41番))
    ・265ページの「韓国は「海洋主権宣言」を行って,自国の排他的経済水域を主張するいわゆる「李承晩ライン」を設定し,」について,小委員会での意見のとおり,検定意見を付すこととした。(検定意見42番)
    ・巻末折り込み1の「○倭人,百あまりの小国をつくる」について,意見が出され,検定意見を付すかどうか後日部会長が確認することとした。(12月5日までに部会長が内容を確認した結果,検定意見を付すこととした。(検定意見44番))
    その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。
   

(以上)

お問合せ先

初等中等教育局教科書課