教科用図書検定調査審議会 令和3年度第1部会国語小委員会(第5回) 議事要旨

1.日時

令和3年10月22日(金曜日) 10時30分~18時00分

2.場所

中央合同庁舎第7号館東館(文部科学省庁舎) 16階 16F2会議室

3.議題

  1. 申請図書の審査
  2. その他

4.出席者

委員

小方委員,大池委員,梅林委員,小野委員,菅委員,勝田委員,福田委員,川端委員,佐伯委員
 

文部科学省

加藤主任教科書調査官,小原主任教科書調査官,林教科書調査官,田中教科書調査官,平藤教科書調査官,稲葉課長補佐 ほか

5.議事要旨

1.令和5年度から使用される教科用図書として検定申請のあった申請図書について,審議を行った。(なお,下記の教科書番号(検定合格した図書に付される番号)及び申請者名は,参考までに記載しているものであり,実際の審議の際は,申請者名が分からないようにした上で審議を行っている。)


【高等学校 国語 論理国語】

  ○受理番号103-65(教科書番号 709):(明治書院)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 25)
 ・242ページの「イタリア語経由の英語、フランス語のグラフィティ(graffiti)には、落書きの意味もあるが、「線刻画」という意味もあり、やはり刻み込むという行為に結び付いている。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見15番)
 ・260ページの「思うか思わないかをいくら議論しても、議論は平行線をたどるだけだから、議論に決着をつけるためには、主張を支えるデータをそろえ、その質のよしあしで判断するしかない。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見16番)
 ・335ページの「だが、あまり深いことを考えずにコメントすることをお勧めする。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見22番)
 ・398ページの「こうした微差が重要な意味を持つので、注意して書き分けたい。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見25番)
 ・その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。
 
  ○受理番号103-66(教科書番号 710):(筑摩書房)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 17)
 ・8ページの「(「この教科書で学習するために」4のa) 課題 教材を通して身につけたい課題を示した。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見1番)
 ・239ページの「プディング プリン。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見8番)
 ・305ページの「コミュニケーションにはゲーム性がある。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見9番)
 ・337ページの「(「分節化」の説明) ことばによる恣意的な分節=意味づけによって、人が認識できる「世界」が作られたのだ。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見11番)
 ・その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。
 
  ○受理番号103-69(教科書番号 713):(桐原書店)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 19)
 ・41ページの「それ自体は意味内容を持たないことにより意味を持ち、特定の機能を有する記号。例えば、発言を促されたのに「沈黙」するような場合、「沈黙」自体、何も意味内容を持たないが、「拒否」や「不賛成」の意味を示すとも解釈される。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見3番)
 ・49ページの「また、意識して言葉を発する以上、あえて話さないことも可能だから、その中でうそもつける。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見4番)
 ・49ページの「ただし、その三種類の分節化に合理性はない」について,検定意見を付すこととした。(検定意見5番)
 ・171ページの「プディング pudding(英語)。プリン。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見8番)
 ・383ページの「著作権等 7.主催者は投票者の個人情報を守る義務を有するが、投票結果や理由、創作四字熟語とその説明に対する著作権は主催者に帰属する。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見15番)
 ・その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

【高等学校 国語 文学国語】

  ○受理番号103-73(教科書番号 704):(大修館書店)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 14)
 ・表見返の「(「日本近代文学の作家たち」の図、福沢諭吉) 「経済」「自由」「社会」などの訳語を作る」について,検定意見を付すこととした。(検定意見1番)
 ・226ページの「したがって、作品内の時間の流れに即して、主人公が体験していく順に話の要素を並べていくことで、ストーリーをとらえることができる。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見6番)
 ・231ページの「課題② 「美神」(→158ページ)において、アフロディテの像の高さに矛盾が生じることについて、語りの設定から確認し、その効果を考えてみよう。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見9番)
 ・250ページの「近年は小説を書くAIや、電子書籍の登場で多様化が進んでいる。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見13番)
 ・その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。
 
  ○受理番号103-74(教科書番号 705):(大修館書店)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 4)
 ・調査意見3番について,指摘事項及び指摘事由を変更することとした。(検定意見3番)
 ・その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。
 
  ○受理番号103-76(教科書番号 707):(明治書院)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 29)
 ・11ページの「一方、状況や人物の描写、説明は時間を展開させない。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見1番)
 ・38ページの「『万葉集』のうたは、実を言うと、ほぼうたわれていない。「うたう」のではなく「詠む」と言った。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見5番)
 ・134ページの「「「東京語」の表象の成立」の教材全体」について,検定意見を付すこととした。(検定意見7番)
 ・203ページの「「御幸町通り」の「御幸」の振り仮名「みゆき」」について,検定意見を付すこととした。(検定意見13番)
 ・244ページの「「都市は/を語る」の教材全体」について,検定意見を付すこととした。(検定意見17番)
 ・313ページの「近代ナショナリズムの台頭と共に、国語というアイデンティティや文化的発展の指標となるからこそ、各国・各地域の文学史は掘り起こされてきた。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見22番)
 ・314ページの「「物語と歴史のあいだ」の教材全体」について,検定意見を付すこととした。(検定意見23番)
 ・その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

【高等学校 国語 古典探求】

  ○受理番号103-82(教科書番号 701):(東京書籍)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 5)
 ・調査意見をそのまま検定意見とすることとした。
 
  ○受理番号103-83(教科書番号 702/703):(東京書籍)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 6)
 ・下巻123ページの「(語句と表現)①「而」の置き字としての用法と訓読する用法についてそれぞれ調べよう。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見4番)
 ・その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。
 
  ○受理番号103-84(教科書番号 704/705):(三省堂)
合否の判定を留保することとした。(検定意見箇所数合計 28)
 ・上巻70ページの「(「文法から解釈へ①」歌などにさへ歌へど―助詞「さへ」) 「さへ」には、そのような定子の女房たちのプライドと、新しく来た女房である清少納言の才知を認め受け入れる気持ちがこめられている。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見4番)
 ・98ページの「(古典の扉 「声」を聞く―物語の歴史) 作者は雲林院の菩提講で主に百八十歳を超える老翁二人が見聞きした「歴史」を語る「語り」の場を虚構する。」について,検定意見を付すこととした。(検定意見6番)
 ・188ページの「うたがはし…… (「とだえの橋」は陸奥にある歌枕。)」について,検定意見を付すこととした。(検定意見8番)
 ・201ページの「(古典の扉 平安時代の文学―女性と仮名) 表音文字である仮名は、こまやかな心情や写実といった文学的な表現に適しており、」について,検定意見を付すこととした。(検定意見9番)
 ・その他の箇所については,調査意見をそのまま検定意見とすることとした。


 (以上)

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初等中等教育局教科書課