教科用図書検定調査審議会 平成21年度第1部会(第4回) 議事要旨

1.日時

平成21年10月30日(金曜日) 13時00分~18時00分

2.場所

中央合同庁舎7号館東館(文部科学省庁舎)5階 5F1会議室

3.議題

  1. 申請図書の審査(21-84、21-94、21-96、21-97、21-100)
  2. その他

4.出席者

委員

飯田委員、寺島委員、長谷川委員、濱口委員、松村委員、湯浅委員

文部科学省

小原教科書調査官、加藤(幸)教科書調査官、田中(大)教科書調査官、林教科書調査官、山下教科書調査官、早川教科書企画官、佐々木課長補佐 他

5.議事要旨

1.平成23年度から使用される教科用図書として検定申請のあった申請図書について、審議を行った。

【小学校 国語】

21-84:

  合否の判定を留保することとした。

  • 上巻29頁の「舟に子のひたるき顔や風かほる」の「ひたるき」は「ひだるき」であるという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 上巻53頁の「ただ春の夢のようにはかない。」の「春の夢」は「春の夜の夢」であるという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 上巻53頁の「平家物語」に関する説明は、平家物語について誤解するおそれのある説明であるという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 下巻142~143頁の「風神雷神図」が1枚の絵なのに2枚であるかのように見えるという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • その他の箇所については、調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

21-94:

  合否の判定を留保することとした。

  • 1巻244、245頁の「kwa」「gwa」は、それぞれ「ka」「ga」とは異なるので、一緒の欄に入れるのは誤解するおそれがあるという意見があり、後日部会長が確認することとした。      (3巻252頁、253頁についても同様。) 
  • 1巻246頁の「イェ」「ウェ」などを「日本語の発音にはない言葉」と説明するのは不正確であるという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 3巻68頁の、例文に照らして、「いちばん雨が降りそうなのはどれだと思いますか」という質問は意味が分からないという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 4巻33頁において、「俳句」が学問の欄に入っているが、「文化」の欄に入れるべきではないかという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 4巻120頁の「うつくし」の訳に「とても」を付けるのは不正確という意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • その他の箇所については、調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

21-96:

 合否の判定を留保することとした。

  • 1巻55頁の外来語の例を示す地図において、「英語から」のところで、アメリカを割愛してイギリスのみを示すのは誤解するおそれがあるという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 1巻60頁の「知る」の脚注が不正確であるという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 1巻128頁の「権狐『赤い鳥に投ず』」は、文学碑の写真のキャプションとして理解しがたいという意見があり、後日部会長が確認することとした。        
  • 2巻9頁にあるルビの「ツ」は促音であるのに「ッ」となっていないという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 2巻36頁の「版木で大量に印刷する」という説明について、版木による版本の出版では、さほどの部数は刷られず、「大量の本を出版することができる」という表現は不正確であるという意見があり、後日部会長が確認することとした。      
  • 3巻27頁の「こうした読み方が、自分で随筆を書いてみるという表現につながっていきます」とあるが、わかりにくいという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 3巻43頁に「コンピューター」と「コンピュータ」の2つの異なる表記があるという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 3巻75頁の上の絵と下の本文の絵とで人物が一致していないという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 3巻123頁の「おもろさうし」の説明について、「から」が重複している。また、「百年近くの間に編集された」という表現は理解し難いという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 3巻147頁に「そのあみの間から」とあるが、「下から」ではないかという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 4巻32頁において、俳句と文学を区別しているのは理解し難いという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • その他の箇所については、調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

21-97:

 合否の判定を留保することとした。

  • 1巻110頁の上段の原文「さらなり」の後の句点が、下段の口語訳では読点になっているという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 1巻111頁の下段「灰がち」という口語訳は上段原文のままであり、学習者が理解できないという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 3巻目次8行目の「大久保洋子」のルビは「ひろこ」が正しい。    122頁についても同様という意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 4巻34頁にある俳諧に関する説明が間違っている。また、35頁以降に示されているのは俳諧に取り組む学習活動ではないという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 4巻36頁は連歌の説明として間違っている。例示の用語も誤りであるという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 4巻80頁の「こういった状況に置かれた~決定がなされた。」の一文は日本語の表現として理解しがたいという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 4巻92頁の「和語」に関する「もともと日本で生まれた言葉。」という説明は不正確であるという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • その他の箇所については、調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

21-100:

  合否の判定を留保することとした。

  • 1巻140頁の表(3巻140頁も同じ)の「kwa」「gwa」は、それぞれ「ka」「ga」とは異なるので、一緒の欄に入れるのは理解し難いという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • 2巻49頁の「文研出版」は特定企業の宣伝になるのではないかという意見があり、後日部会長が確認することとした。
  • その他の箇所については、調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

 表紙については、いずれの申請図書についても検定意見を付さないこととした。

 後日部会長に確認するとした点については、11月17日に部会長により内容が確認され、いずれも検定意見を付すこととした。

 なお、第3回において、改めて検討するとしていた以下の箇所については、いずれも検定意見を付すこととした。

21-34:

  • 1巻8頁の「音読をはっぴょうしよう」(1巻19頁、22頁、23頁の「音読を発表する。」)
  • 1巻45頁の「『調べたこと』『考えたこと』について、それぞれ、どの段落に、どのようなことが書かれているでしょう。」
  • 1巻125頁の「( )の中の書き方は、重ねて出してあるもの」
  • 2巻54頁の物語などの組み立てを「解決」→「結び」とする説明
  • 2巻134頁の「有明の月の歌」の挿絵

21-48:

  • 1巻目次3行目の「図書かん」及び8行目「図書館」
  • 1巻86頁の「場めん」及び「場面」
  • 1巻89頁『鳥獣人物戯画絵巻』のキャプションの「高山寺(京都府)より」
  • 1巻119頁の「kinenでは「きねん」になってしまいます。」
  • 1巻119頁の「北大宮」を「kita-Omiya」とする表記
  • 1巻120頁、3巻228~229頁の「kwa」「gwa」
  • 1巻120頁、2巻62頁、4巻62頁の「( )の中の書き方は、かさねて出してあるものです。」
  • 1巻142頁のカレンダーの絵
  • 1巻208頁(脚注)の「はり」を「柱の上に横にわたした板」とする説明
  • 1巻230頁、3巻230頁の「日本語の発音にはない言葉を書き表すときには、次のようなとくべつな書き表し方をすることがあります。」という表現
  • 2巻62頁、4巻62頁の「《 》の中は、特別な発音に使う。」という表現
  • 2巻102頁のリード文「『かぐやひめ』は、日本一古い物語といわれています。」
  • 2巻105頁の「鳥獣戯画」

21-54:

  • 1巻112頁、2巻156頁、3巻140頁、4巻164頁の「kwa」「gwa」
  • 1巻126頁の「なにせむに」
  • 3巻78頁の「なぜかというと、・・・思うからです。」

21-58:

  • 1巻71頁「時数」
  • 1巻97頁の「-は、つなぎ。」の「-」
  • 1巻102頁、2巻105頁の「kwa」「gwa」
  • 3巻116頁の「どの月も一か月は三十日です。」という説明

21-64:

  • 1巻43頁、58頁の「取」という漢字の説明におけるウサギの耳を持つ絵
  • 1巻47頁の「では、」の「、」
  • 1巻96頁の芭蕉の石碑の写真
  • 1巻97頁の「春の生き生きとした風景がうかんできます。」
  • 1巻110頁の「tan ,i」の区切り記号
  • 2巻29頁の「音が少しずつかわっていったものもあるね。」
  • 3巻44頁の「昜」「也」
  • 4巻75頁の「自家用車、できたのか」という例文

  また、会議後に検定意見について検討の必要が生じた場合は、教科書調査官の案について部会長が確認し、決定することとした。

 これに関連し、下記の箇所については、11月17日に部会長に内容を確認した結果、必要な修正等を行うこととした。

21-48

  • 1巻119頁の「kinenでは「きねん」になってしまいます。」について、検定意見を付すこととしたことから、調査意見15番(ローマ字の表記に関する調査意見)については、検定意見としないこととした。

21-94

  • 2巻74頁からの「常用漢字一覧」(4巻74頁からの「常用漢字一覧」も同じ)は、「常用漢字表(昭和56年内閣告示第1号)」とは異なっており、「常用漢字一覧」とするのは誤りであることから、検定意見を付すこととした。
  • 調査意見1番について、複数の指摘箇所をまとめていたが、より適切な検定基準を適用するため、指摘箇所を分割することとした(検定意見1、2、20番)。

21-97

  • 調査意見46番について、より適切な検定基準を適用するため、指摘事由を変更することとした。
  • 調査意見12番について、複数の指摘箇所をまとめていたが、より適切な検定基準を適用するため、    指摘箇所を分割することとした(検定意見12、37、38、56、57、59、65番)。

(以上)

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