教科用図書検定調査審議会 平成21年度第1部会(第3回) 議事要旨

1.日時

平成21年10月16日(金曜日) 13時00分~18時00分

2.場所

中央合同庁舎7号館東館(文部科学省庁舎)5階 5F1会議室

3.議題

  1. 申請図書の審査(21-34、21-48、21-54、21-58、21-64)
  2. その他

4.出席者

委員

田中委員、寺島委員、長谷川委員、濱口委員、松村委員、湯浅委員

文部科学省

小原教科書調査官、加藤(幸)教科書調査官、田中(大)教科書調査官、林教科書調査官、山下教科書調査官、早川教科書企画官、佐々木課長補佐 他

5.議事要旨

1.平成23年度から使用される教科用図書として検定申請のあった申請図書について、審議を行った。

【小学校 国語】

21-34:

 合否の判定を留保することとした。

  • 1巻8頁の「音読をはっぴょうしよう」は、表現が不自然であるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。(1巻19頁、22頁及び23頁の「音読を発表する。」についても同様)
  • 1巻45頁の「『調べたこと』『考えたこと』について、それぞれ、どの段落に、どのようなことが書かれているでしょう。」という設問の表現は、わかりにくいという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 1巻125頁の「( )の中の書き方は、重ねて出してあるもの」と言う表現は理解し難いという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 2巻54頁において、物語などの組み立てを「解決」→「結び」という形ですべて説明できるかのように書かれているのは誤りであるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 2巻134頁の「有明の月の歌」の挿絵について、「有明の月」が満月であると誤解するという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • その他の箇所については、調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

21-48:

 合否の判定を留保することとした。

  • 1巻目次3行目の「図書かん」の表記が、8行目では「図書館」となっており異なっているという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 1巻86頁に、「場めん」と「場面」の2つの異なる表記があるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 1巻89頁の『鳥獣人物戯画絵巻』のキャプションの「高山寺(京都府)より」という表現は理解し難いという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 1巻119頁に「kinenでは「きねん」になってしまいます。」とあるが、このままでも「きんえん」とも読めるのではないかという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。 
  • 1巻119頁の「北大宮」を「kita-Omiya」とする表記は例示として正しくないという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 1巻120頁の「kwa」「gwa」は、それぞれ「ka」「ga」とは異なるので、一緒の欄に入れるのは誤解するおそれがあるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。(2巻62頁、3巻228~229頁、4巻62頁についても同様)
  • 1巻120頁の「( )の中の書き方は、かさねて出してあるものです。」という表現は誤解するおそれがあるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。(2巻62頁、4巻62頁についても同様)
  • 1巻142頁のカレンダーの絵に「一日」が表示されていないという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 1巻208頁(脚注)の「はり」を、「柱の上に横にわたした板」とする説明は不正確であるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。      
  • 1巻230頁の「日本語の発音にはない言葉を書き表すときには、次のようなとくべつな書き表し方をすることがあります。」という表現は説明が正しくないという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。(3巻230頁についても同様)
  • 2巻62頁の「《 》の中は、特別な発音に使う。」という表現は、表の凡例として説明が誤りであるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。(4巻62頁についても同様)
  • 2巻102頁の題名には「竹取物語」とあるのに、リード文でいきなり「かぐやひめは、」とするのは理解し難いという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 2巻105頁の「鳥獣戯画」は、1巻89頁で出てくる書名と異なっているという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • その他の箇所については、調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

21-54:

 合否の判定を留保することとした。

  • 1巻112頁の「kwa」「gwa」は、それぞれ「ka」「ga」とは異なるので、一緒の欄に入れるのは誤解するおそれがあるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。(2巻156頁、3巻140頁、4巻164頁も同様)
  • 1巻126頁の「なにせむに」は、ナニセンニと読まれるのだから、そのように表記すべきであるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 3巻78頁に「一文が長すぎて、意味がわかりにくくなっていないか。」という注意点があるのに、校正をしたことによって、「なぜかというと、・・・思うからです。」と逆に一文が長くなり、わかりにくくなっている箇所があるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • その他の箇所については、調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

21-58:

  合否の判定を留保することとした。

  • 1巻71頁の漢字の例として登場する「時数」は一般的でないという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 1巻97頁の「-は、つなぎ。」の「-」がわかりにくいという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 1巻102頁の「kwa」「gwa」は、それぞれ「ka」「ga」とは異なるので、一緒の欄に入れるのは誤解するおそれがあるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。(2巻105頁についても同様)
  • 3巻116頁の「どの月も一ヶ月は三十日です。」という説明は、太陰暦の説明として誤りであるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • その他の箇所については、調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

21-64:

 合否の判定を留保することとした。

  • 1巻43頁、58頁の「取」の漢字の説明において、ウサギの耳を持つ絵は「取」という文字の成立について誤解するおそれがあるのではないかという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 1巻47頁に「では、」とあるが、他の句点が「,」なのに、ここだけ「、」になっているという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 1巻96頁の芭蕉の石碑の写真について、「何と書いてあるのでしょうか」とあるが、写真の字は良く見えないし、見えても変体仮名であり、判読できないという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 1巻97頁の芭蕉の句に対して、「春の生き生きとした風景がうかんできます。」という解釈は誤りであるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 1巻110頁の「tan ,i」の区切り記号は、右上に付けるのが普通であるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 2巻29頁の「音が少しずつかわっていったものもあるね」というコメントは漢字の説明として誤りであるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 3巻44頁の「意味と音で漢字を楽しもう」という学習において、「昜」「也」が取りあげられているのは不適切であるという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • 4巻75頁の「自家用車、できたのか」という例文は、現実離れしているという意見があり、次の審議会で改めて検討することとした。
  • その他の箇所については、調査意見をそのまま検定意見とすることとした。

 表紙については、いずれの申請図書についても検定意見を付さないこととした。

 なお、第2回において、改めて検討するとしていた以下の箇所については、いずれも検定意見を付すこととした。

【高等学校】

20-6

  • 139頁の坪内稔典の俳人としての名
  • 274頁(脚注)の藤原敏行を「書家」とする記述
  • 275頁(脚注)の式子内親王の生年を「?」とする記述
  • 305頁(脚注)の王維を「宮廷詩人」とする記述
  • 332頁の「主語になれる」「主語になれない」「述語になれる」等の用語
  • 349頁の「陽明学の盛行」の記載位置

20-7

  • 上巻219頁(脚注)の「アニ …反語の形」
  • 下巻19頁の図のキャプション「「阿蘇の史」関連地図」
  • 下巻82頁(脚注)の式子内親王の生年を「?」とする記述
  • 下巻83頁の「作者が明らかな和歌もある、」
  • 下巻83頁の「飴も風も吹かぬに出ずは」の「出」
  • 下巻104頁(脚注)の「「之」は、語調を整える助字。」

【小学校】

21-2

  • 1巻95頁5行目の「にひきは、」の書き出しの位置
  • 1巻128頁2行目の「かかに見せよう」

21-17

  • 4巻19頁の「かん字のれんしゅう」の事例における「みずうみ」「ぬま」

21-22

  • 1巻97頁の「のばすしるし」の事例における「おにいさん」「すうじ」

21-23

  • 4巻26頁の「くるくる」を「ふつう、ひらがなで書きます」とする記述

21-27

  • 3巻56頁の「あんこ」
  • 4巻48頁の「述語がちがっているね。」
  • 4巻77頁の「一つのことばの中で、とくに高く、または強く発音するところを『アクセント』といいます。」

 また、会議後に検定意見について検討の必要が生じた場合は、教科書調査官の修正案について部会長が確認し、決定することとした。

 これに関連し、下記の箇所については、11月17日に部会長に内容を確認した結果、必要な修正等を行うこととした。

21-64

  • 調査意見5、41、44、51、68、75番について、より適切な検定基準を適用するため、指摘事由を変更し、指摘事項を1つにまとめることとした。
  • 調査意見9番及び34番について、より適切な検定基準を適用するため、指摘事由を変更し、指摘事項を1つにまとめることとした。
  • 調査意見18番について、複数の指摘箇所をまとめていたが、指摘箇所を分割することとした(検定意見20、38、79、80番)。

(以上)

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初等中等教育局長教科書課

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