令和3年度教科用図書検定調査審議会総会(第1回) 議事録

1.日時

令和4年3月29日(火曜日)13時30分~14時30分

2.場所

中央合同庁舎第7号館 東館 3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 令和3年度教科用図書検定の実施状況・審議結果等について
  2. その他

4.出席者

委員

 青柳委員,安達委員,荒川委員,家近委員,五十嵐委員,井川委員,江口委員,大池委員,岡崎委員,小方委員,小賀野委員,小田原委員,金井委員,金子委員,川窪委員,黒沢委員,氣多委員,斎藤委員,佐藤委員,白井委員,鈴木委員,関委員,中野委員,東委員,松井委員,宮本委員,森委員,森下委員,安良岡委員,山内委員


文部科学省

 伯井初等中等教育局長,茂里学習基盤審議官,安井教科書課長,廣野教科書企画官 ほか

5.議事録

【五十嵐会長】それでは、定刻となりましたので、ただいまから、教科用図書検定調査審議会総会を開催いたします。本日は、御多用の中、審議会総会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
本日の出席者は、お配りしております座席表のとおりでして、定足数である過半数を満たしております。
本日の審議会につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止を図るため、一般の方の会場での傍聴は御遠慮いただき、オンラインでの傍聴をお願いしております。また、報道関係者については、あらかじめお申出のあった方に限り、会場での傍聴を許可しております。あわせて、録音のお申出についても許可をしておりますので、皆様方におかれましては、御承知おき願いたいと思います。なお、カメラ撮影については、議事の冒頭まで許可しております。
また、本日は議事の最後に人事に係る案件等があり、これについては、平成21年4月9日の本審議会決定により、非公開となっております。そこからは報道関係者と一般傍聴者の方々には御退席をいただくことになりますことを、あらかじめ御承知おき願いたいと思います。
続いて、委員の皆様へ御案内いたします。本日御出席の委員の皆様におかれましては、既に御承知のことと存じますけれども、自由濶達な議論を行うため、教科用図書の調査審議に係る案件につきましては、各部会の審議を含め、非公開とされております。オンライン出席の委員の方々を含め、本会議において御発言される際には、部会の審議における個々の意見のやり取りの内容が明らかになることのないように御留意いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、初めに、伯井初等中等教育局長から、御挨拶をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【伯井初等中等教育局長】皆さん、こんにちは。文部科学省初等中等教育局長をしております伯井と申します。教科用図書検定調査審議会総会の開催に当たりまして、一言御挨拶申し上げます。
委員の皆様方におかれましては、日頃より、教科書検定の実施に多大なる御尽力をいただき、また、本日は、年度末、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
令和3年度の検定におきましては、高等学校の、主として中学年用の図書と、令和元年度及び2年度検定で不合格となり、再々申請となった中学校の図書について御審議をいただきました。その結果については後ほど御報告をいたしますが、最終的に239点の図書について、合格の決定がなされたところです。新学習指導要領が目指す「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて、様々に創意工夫された教科書を子どもたちの手元に届けることができるものと受け止めております。
合格となった図書につきましては、この後、各教育委員会等において採択事務が進められ、令和5年度から使用されることになります。この検定を経た新しい教科書によって、生徒の興味関心等に応じた多様な学習活動が展開され、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善が進むものというふうに期待をしております。委員の先生方、皆様方には、多大な御協力に重ねて御礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。
また、教科書行政に関しましては、GIGAスクール構想により1人1台端末の整備がおおむね完了する中、学習者用のデジタル教科書をどのように活用していくかというのが大きな課題となっております。そうした点につきましては、現在、中央教育審議会において御議論をいただいており、今年の夏を目途に方向性を示すこととしております。文部科学省といたしましては、よりよい教科書を児童生徒に届けることができるよう、引き続き努めてまいります。
 委員の皆様方におかれましても、今後とも専門的、学術的な見地に基づいて御審議をくださいますようお願いを申し上げまして、簡単ではございますが、私からの挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。
【五十嵐会長】どうもありがとうございました。それでは、恐縮ですが、カメラ撮影はここまでとさせていただきます。
では、まず事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【廣野教科書企画官】教科書企画官の廣野でございます。配付資料について確認をさせていただきます。
本日は、資料1といたしまして、「令和3年度教科用図書検定結果の概要」、資料2といたしまして、「教科用図書検定結果の公開について」を御用意しております。また、参考資料1の委員名簿、2の審議会令のほかに、委員の皆様には、検定基準、検定規則等を事前にお送りしております。資料の不備等ございましたら、Zoomのチャット機能を使いましてお知らせいただければと存じます。
また、一般の傍聴の皆様につきましては、議事の進行に合わせて資料を画面共有いたしますので、そちらを御覧ください。なお、会議終了後に、本日の資料1、2と同趣旨の内容を文部科学省ウェブページにて公開をいたします。
配付資料については、以上でございます。
【五十嵐会長】ありがとうございました。
 
議題1
【五十嵐会長】続きまして、令和3年度における教科用図書検定の実施状況と審議結果の報告に移ります。委員の皆様は、資料1の「令和3年度教科用図書検定結果の概要」を御覧いただきたいと思います。まず、全体の概要について、事務局から御報告をお願いいたします。
【廣野教科書企画官】 それでは、全体の概要につきまして御報告をいたします。
資料1の1ページにございますように、令和3年度は、新学習指導要領に基づく高等学校の、主として中学年用の教科書の検定、また、令和元年度検定の再々申請に係る教科用図書の検定を実施いたしました。申請点数は、高等学校用が241点、中学校用1点で、このうち中学校社会(歴史的分野)1点が不合格となってございます。また、年度途中で検定申請が取り下げられました図書が2点ございまして、最終的には242点中239点が合格となりました。
教科・種目ごとの結果につきましては、2ページ目以降に記載してございます。少し時間を取りますので、御確認をいただければと思います。別紙で3枚にまとめてございます資料でございます。
概要についての報告は以上でございます。ありがとうございました。
【五十嵐会長】 ありがとうございました。続きまして、各部会から、部会の概要について御報告をお願いいたします。まず、第1部会、国語の小方委員から、以後、部会順に御説明をお願いしたいと思います。それでは、小方委員、お願いいたします。
【小方委員】それでは、第1部会の審議状況について御報告いたします。
令和3年度は、国語小委員会を計9回開催し、申請された高等学校「論理国語」13点、「文学国語」11点、「国語表現」1点、「古典探究」14点の計39点の図書について審議いたしました。
 慎重な審議の結果、全39点について、合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。
「論理国語」では、主たる記述と適切に関連付けられていない参考の小説教材や、学習指導要領に示す実用的な文章の扱いが適切でないものがあり、それらに意見を付しました。
「文学国語」では、学習指導要領の内容の取扱いにおいて必要に応じて用いることができるとされている評論文の取扱いが適切でないものがあり、意見を付しました。
「古典探究」では、近年の学説状況に照らして適切ではない記述や、漢文の句法について誤解するおそれのある記述があり、それらに意見を付しました。
また、各科目を通じて、全体に単純な誤記の類いや、誤解するおそれのある記述、理解し難い記述が見られ、意見を付しました。
検定意見を踏まえ申請者からは、参考教材を本教材と適切に関連付けるなどの修正がなされました。これらを含め、修正された内容につきまして再度審議を行いました結果、39点全点について、合格と判定いたしました。
なお、申請図書の審議に先立ちまして、昨年8月に文部科学大臣より、「現代の国語」の検定における小説の取扱いに関し考え方を示してほしいとの検討依頼がありましたので、国語小委員会におきまして検討し、「高等学校「現代の国語」に関する教科書検定の考え方等について」を取りまとめました。
以上でございます。
【五十嵐会長】ありがとうございました。では、続きまして、第2部会、社会、地理歴史、公民から、江口委員に御報告をお願いいたします。
【江口委員】第2部会より報告いたします。
令和3年度は、地理小委員会4回、歴史小委員会5回、世界史小委員会4回、日本史小委員会3回、公共小委員会2回、倫理小委員会2回、政治・経済小委員会2回、第2部会を6回開催し、検定申請のあった中学校社会科(歴史的分野)1点、高等学校地理歴史科19点、公民科12点、合計32点の申請図書の審議を行いました。
審議は、まず「地理総合」、「地理探究」及び「地図」、「中学校社会(歴史的分野)」、「世界史探究」、「日本史探究」、「公共」、「倫理」、「政治・経済」を担当する各小委員会において行われ、その後、部会での審議を行い、最終的な合否の判断をいたしました。慎重に審議した結果、いずれの申請図書についても、検定意見に該当する箇所が認められましたので、合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。その後、申請者により修正された内容を再度審議いたしました。
その結果、「地理総合」、「地理探究」、「地図」、「世界史探究」、「日本史探究」、「公共」、「倫理」、「政治・経済」の全点については、検定意見に沿った適切な修正がなされたと判断しました。その結果、31点全てを合格と判定いたしました。また、「中学校社会(歴史的分野)」の1点については、提出された修正表において、なお欠陥が修正されておらず、教科用図書として適切性を欠いていると判断し、不合格と判定いたしました。
次に、主な科目について、今年度の検定の概略を報告します。
「地理探究」では、学習指導要領に照らして、現代世界の諸地域において、主題を設定し地域的特色や地球的課題などを多面的、多角的に考察し表現すること等、内容が適切に取り扱われていないとして意見を付しました。また、縮尺が分からない図について、生徒が自ら活動を行えるよう適切な配慮がなされていないとして意見を付しました。
「世界史探究」では、地図の塗色・範囲や貿易協定をめぐる記述について、生徒が誤解するおそれのある表現に意見を付しました。また、戦中に朝鮮半島から移入した労働者について取り扱う記述で、政府の統一的な見解に基づいていない記述に意見を付しました。
「日本史探究」では、歴史資料や遺構の保存・保全などに関する記述について、学習指導要領に照らして適切に取り扱われていないとして意見を付しました。また、戦中に朝鮮半島から移入した労働者について取り扱う記述で、政府の統一的な見解に基づいていない記述に意見を付しました。
「倫理」では、学習上必要な出典が示されていない引用や、教科書上の記述の表記の不統一について意見を付しました。また、アニマル・シンボリクムを説明する記述や、ロールズの正義の原理の説明に係る記述について、生徒が誤解するおそれのある表現に意見を付しました。
「政治・経済」では、尖閣諸島に関して、日本政府の立場について生徒が誤解するおそれのある表現、竹島について学習指導要領に照らして扱いが不適切な記述に意見を付しました。慰安婦や戦中に朝鮮半島から移入した労働者について取り扱う記述で、政府の統一的な見解に基づいていない記述に意見を付しました。また、マネタリズムの説明や需要曲線の説明について、生徒が誤解するおそれのある表現に意見を付しました。
いずれの箇所についても適切な修正がなされました。
以上でございます。
【五十嵐会長】ありがとうございました。続きまして、中野委員から、第3部会、数学の御報告をお願いいたします。
【中野委員】第3部会より御報告いたします。
令和3年度は、審議会を5回開催し、申請された高等学校の「数学II」3点、「数学III」12点、「数学B」16点、「数学C」13点の合計44点の申請図書について審議いたしました。今回は、主として、新しい学習指導要領による高等学校中学年用の一巡目の検定となりますが、学習実態に合わせて、高学年用の「数学III」も検定対象となっております。なお、「数学III」は来年度も検定対象となっております。
数学の今年度の検定の特徴といたしまして、新しい学習指導要領の新設科目である「数学C」の検定を行いました。意見の約8割は、正確性や表記・表現に関するものでしたが、その他は、発展の区別が適切でない、あるいは、他の科目の内容の関連付けの明示が不十分である、「数学B」や「数学C」では、項目ごとの選択であるにもかかわらず、そのことに配慮がない記述に学習上の支障があるとの意見を付した図書がありました。
慎重な審議の結果、全ての図書について、合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。その後、留保した44点について、修正された内容を再度審議し、全て合格とし、その結果、申請図書全44点が合格となりました。
以上でございます。
【五十嵐会長】ありがとうございました。続きまして、岡崎委員から、第4部会、理科の御報告をお願いいたします。
【岡崎委員】第4部会より報告いたします。
令和3年度は、高等学校の「物理」、「化学」、「生物」、「地学」の審議を行いました。
高等学校理科の申請図書については、「物理」7点、「化学」7点、「生物」5点、「地学」1点が申請されました。これらの申請図書の審議を行うため、分野ごとの小委員会において、申請図書の審査及び修正表の審査を行いました。物理小委員会を計2回、化学小委員会を計8回、生物小委員会を計8回、地学小委員会を計2回開催いたしました。
本年度は、学習指導要領改訂後の一巡目の検定となります。全体としましては、意見の大多数が観点3の正確性及び表記・表現の意見でした。教科の特性としては、理科は、科学的・専門的知識の記述が多く見られるところですが、これらについて生徒が理解しやすい内容になっていないものが多数見受けられ、意見が付されました。
また、観点2の選択・扱い及び構成・排列の意見も付されましたが、学習指導要領の改訂により、新たに取り扱うこととなった内容についての扱いが不適切であったり、発展的な学習について適切に扱われていなかったりといった意見が比較的多く見受けられました。
慎重な審議の結果、申請図書全てにおいて判定留保とし、申請者に対して検定意見に対する修正を求めることにしました。その後、申請者から修正表が提出され、修正内容について、各小委員会において審議した結果、全ての図書において適切な修正がなされたとして、合格と判定いたしました。
以上で、第4部会の報告を終わります。
【五十嵐会長】ありがとうございました。では、続きまして、東委員から、第6部会、芸術の御報告をお願いいたします。
【東委員】第6部会より御報告いたします。
令和3年度は、音楽の小委員会を2回、美術・工芸の小委員会を2回、書道の小委員会を2回、計6回開催し、高等学校用の図書11点について審議しました。内訳は、「音楽II」4点、「美術II」2点、「工芸II」1点、「書道II」4点です。
検定意見を付した箇所としては、「音楽II」では、音楽に関する用語などに、生徒にとって理解し難い箇所や、誤解するおそれのある表現、「美術II」や「工芸II」では、学習指導要領の内容に照らして扱いが不適切な箇所や、図書中の記載に誤りや矛盾する箇所、「書道II」では、学習指導要領の内容に照らして扱いが不適切な箇所や、図書中の記載に誤りや矛盾する箇所などの欠陥が見受けられました。
慎重な審議の結果、11点全点について、合否の判定を留保し、必要な修正を求めました。その後、修正された内容について再度審議し、その結果、11点全点について、合格と判定いたしました。
以上でございます。
【五十嵐会長】ありがとうございました。続きまして、斎藤委員から、第7部会、外国語の御報告をお願いいたします。
【斎藤委員】第7部会の審議状況について、御報告いたします。
令和3年度は、高等学校用図書「英語コミュニケーションII」を24点、「論理・表現II」17点の計41点が申請され、合計11回の部会を開催し審議を行いました。昨年7月から10月にかけて、申請図書の審査に関する部会を開催しました。その結果、いずれの図書についても欠陥箇所が指摘され、修正が必要であるとの審議結果となりました。したがって、本部会では、合否の判断を留保し、検定意見の通知を行い、それに従った適切な修正を求めることにしました。検定意見に従った修正内容に関する修正表審査は、昨年12月から本年2月にかけて行いました。その結果、41点全ての図書について、修正内容が適切であると認めましたので、合格と判定いたしました。
本年度も新しい学習指導要領における第一巡目に当たる検定であり、申請図書の内容が学習指導要領に照らして適切であるかに特に意を用いて検討いたしました。学習指導要領との関連では、「英語コミュニケーションII」、「論理・表現II」ともに、文構造及び文法事項について、言語活動と効果的に関連付けて取り上げられていなかったり、領域別の言語活動が適切に設定されていなかったりしたため、検定意見を付したものが多くありました。そのほかに、正確性に関わる欠陥も多く、英語の現代慣用によっていない表現や、発音、強勢等についての誤りや不正確な記述も多く見られましたので、これらについても検定意見を付しました。
以上、御報告いたしました。
【五十嵐会長】ありがとうございました。続きまして、安達委員から、第8部会、保健体育、看護・福祉につきまして、御報告をお願いいたします。
【安達委員】第8部会より御報告いたします。
令和3年度は、高等学校福祉2種目2点が申請され、申請図書及び修正表の審議を行うため、看護・福祉小委員会を3回開催しました。
検定意見を付した箇所としましては、大多数が観点3の正確性及び表記・表現の意見でした。介助の手順を示すイラストや引用されている図表、本文の記述などに誤りや不正確な記述、理解し難い表現等の欠陥が認められました。
慎重な審議の結果、合否の判定を保留し、必要な修正を求めました。その後、修正された内容について再度審議し、その結果、2点全点について、合格と判定いたしました。
以上でございます。
【五十嵐会長】ありがとうございました。続きまして、佐藤委員から、第9部会、家庭、情報、農業、工業、商業、水産につきまして御報告をお願いいたします。
【佐藤委員】第9部会の審議状況について御報告いたします。
当部会では、家庭、情報、農業、工業、商業、水産の各小委員会が、それぞれに担当する種目の審査に当たり、合否の判定も各小委員会で行うこととしております。なお、今年度は、家庭、工業、商業の一部種目については、情報小委員会で審議されております。また、水産については、申請はありませんでした。本年度は、各小委員会を計25回開催し、検定申請のあった高等学校の34種目53点の申請図書について、それぞれ審査を行いました。以下、各小委員会における審議状況を御報告します。
家庭小委員会については、小委員会を計4回開催し、専門教科家庭の「保育基礎」、「ファッション造形基礎」、「フードデザイン」3種目5点の審査を行いました。申請図書において、正確性及び表記・表現について、不正確な記述や理解し難い記述、誤解するおそれのある表現等の多数の欠陥が見られました。
情報小委員会に関しては、小委員会を計5回開催し、共通教科情報及び専門教科情報の図書3種目5点及び専門教科家庭、工業、商業の情報関連科目5種目8点の審査を行いました。申請図書において、主に観点3の正確性及び表記・表現について、誤りや不正確な記述、理解し難い表現等の欠陥が見られました。
農業小委員会に関しては、小委員会を計4回開催し、専門教科農業の「草花」、「栽培と環境」、「農業機械」、「生物活用」4種目4点の審査を行いました。申請図書によっては、多くの意見が付された種目、「草花」、「栽培と環境」、も見受けられました。申請図書全般としては、主に観点3の正確性及び表記・表現について、誤りや不正確な記述、理解し難い記述の欠陥が多数見られました。そのほか、観点2の選択・扱い及び構成・排列についても、出典が明示されていない箇所等の欠陥が見られました。
工業小委員会に関しては、小委員会を計9回開催し、専門教科工業の「電子機械」、「建築設計」、「土木施工」など、14種目16点の審査を行いました。申請図書において、主に観点3の正確性及び表記・表現について、誤りや不正確な記述、理解し難い表現や誤解するおそれのある表現等の欠陥が多数見受けられました。また、申請図書によっては、選択・扱い及び構成・排列について、特定の商品の宣伝になるおそれのある箇所が見られました。
商業小委員会に関しては、小委員会を計3回開催し、専門教科商業の「マーケティング」、「商品開発と流通」、「グローバル経済」、「財務会計I」、「原価計算」の合計5種目13点の審査を行いました。申請図書全般に正確性及び表記・表現について、誤りや不正確な記述、理解し難い表現等の欠陥が見られました。また、申請図書によっては、選択・扱い及び構成・排列について、特定の企業の宣伝になるおそれのある箇所、発展的な学習内容であることが明示されていない箇所等が見られました。
各小委員会において申請図書を慎重に審議した結果、いずれの図書も申請図書の審査におきましては合否の判定を留保して、必要な修正を求めました。申請が取り下げられた商業の2点を除き、修正された内容について再度審議し、最終的に取り下げられた2点以外の全ての図書を合格と判定いたしました。
第9部会における審議状況は、以上のとおりでございます。
【五十嵐会長】どうもありがとうございました。各委員の先生方から御報告をいただきました。
それでは、各部会からの御報告につきまして、御質問、御意見がございましたら、お願いしたいと思います。挙手のボタンがありますので、御使用いただければ幸いです。いかがでしょうか。
 
議題2
【五十嵐会長】特に御質問等がないようですので、次に、令和3年度の教科用図書検定結果の公開に関する議事に移らせていただきます。資料2につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
【廣野教科書企画官】それでは、教科用図書検定結果の公開について御説明申し上げます。資料2を御覧ください。
文部科学省では、国民の教科書に対する関心に応え、教科書への信頼を確保するとともに、教科書検定へのより一層の理解を得るため、検定結果の公開を実施しております。今年度の検定結果につきましても、資料にお示ししておりますとおりに公開することとしております。
まず、公開会場における公開につきましては、5月下旬から7月にかけて、東京の教科書研究センターをはじめとして、全国7会場で実施をいたします。福島県、神奈川県、長野県、奈良県、鳥取県、熊本県の各地方会場につきましては、それぞれの県教育委員会の協力を得て実施するものでございます。2ページになります。本年度御審議いただきました申請図書や見本等の資料を会場において閲覧に供することとしております。
なお、令和2年度には、新型コロナウイルス感染症を踏まえ、公開会場における公開を中止いたしましたが、令和3年度においては、感染防止に配慮しつつ、東京会場のほか、青森県、栃木県、富山県、滋賀県、山口県、大分県の各教育委員会の協力をいただきまして、公開を実施しましたことを御報告いたします。
2ポツにございます文部科学省ウェブサイトにおける公開につきましては、検定意見書や修正表等の資料を文部科学省ウェブサイトに掲載して公開いたします。より多くの方に検定結果にアクセスいただけるように、著作権その他の理由によりウェブ公開が困難な資料を除きまして、関係資料の多くをウェブサイトにおける公開の対象としてございます。3ポツにございます国立教育政策研究所教育図書館等における通年公開につきましても、予定をしてございます。
説明は以上でございます。
【五十嵐会長】ありがとうございました。ただいまの説明に関しまして、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。特に、御質問等がないようですので、続きまして、その他の議題に移らせていただきます。
 
【令和4年度の審議予定について】
・令和4年度の審議スケジュールについて、事務局から説明があった。
 
【委員の分属について】
・令和4年度における部会に属すべき委員・臨時委員・専門委員の分属について、五十嵐会長から指名があった。
 
【退任者の紹介について】
・令和3年度末で退任する以下の委員について、五十嵐会長から紹介があった。
家近亮子委員(第2部会世界史小委員長)
森公章委員(第2部会)
森下直貴委員(第2部会倫理小委員長、公共小委員長)
鈴木恵美子委員(第9部会家庭小委員長)
白井美由里委員(第9部会部会長代理、商業小委員長)
・退任する委員より挨拶があった。
 
【五十嵐会長】以上をもちまして、本日の議事は全て終了いたしました。最後に、委員の先生方から何か御発言等ございましたら、お願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、本日の審議はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。
 

お問合せ先

初等中等教育局教科書課