令和2年度教科用図書検定調査審議会総会(第2回) 議事録

1.日時

令和2年12月2日(水曜日)15時15分~16時00分

2.場所

中央合同庁舎第7号館 東館 3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 教科書検定制度の改善について(報告案)
  2. その他

4.出席者

委員

   安達委員,荒川委員,荒木委員,家近委員,五十嵐委員,井川委員,岡崎委員,小野寺委員,金子委員,上沼委員,川窪委員,氣多委員,河野委員,斎藤委員,重原委員,鈴木委員,高山委員,東委員,松井委員,宮本委員,森下委員,柳委員,山内 進委員,山内 豊委員

文部科学省

   萩生田文部科学大臣,瀧本初等中等教育局長,神山教科書課長,高見教科書企画官 ほか

5.議事録

【五十嵐会長】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、教科用図書検定調査審議会総会を開催いたします。本日は、お忙しいところ総会に御出席をいただき、ありがとうございます。

本日の出席者は、お配りしております座席表のとおりで、定足数である過半数を満たしております。

本日の会議は、原則公開となります。新型コロナウイルス感染症拡大の防止を図る必要がありますため、一般の方の会場での傍聴につきましては御遠慮をいただき、オンラインでの傍聴をお願いしており、あらかじめお申出のあった報道関係者の方に限り、会場での傍聴を許可しております。録音の申出につきましても、これを許可しております。

また、カメラ撮影につきましては、会議冒頭の配付資料の確認が終了するまでの間はあらかじめ許可をしております。また、本日の会議で報告がまとまった場合は、私から文部科学大臣に報告書の手交を行いますため、そのときはカメラ撮影を許可することといたします。その際、会場に人の出入りがございます。委員の皆様におかれましては、あらかじめ御承知のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

それではまず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

【高見教科書企画官】 本日の配付資料でございますが、お手元の議事次第にございます資料1といたししまして、「教科書検定制度の改善について(報告案)」が主な資料になります。また、参考資料といたしまして、検定基準、検定規則等につきましては、特にオンラインの先生方には事前にメールでお送りさせていただいているところでございます。もし不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。

【五十嵐会長】 ありがとうございました。

大変恐縮ですが、カメラ撮影は、一旦ここまでとさせていただきます。

それでは、議事に入りたいと思います。「教科書検定制度の改善について(報告案)」は、前回の総会にてお配りしました「検討事項」を基に、各委員からの御意見を踏まえて整理したものになっております。各委員の先生方には事前に御覧いただいておりますので、既にお目通しをいただいていることと存じますが、事務局からその概要について御説明をお願いいたします。

【高見教科書企画官】 それでは、資料1番、「教科書検定制度の改善について(報告案)」につきまして御説明を申し上げます。先ほどの総括部会に御出席の委員の先生方におかれましては、説明が重複する部分がございますけれども、御容赦いただければと思います。

それでは、報告案の1ページを御覧ください。本年9月17日、文部科学大臣より教科書検定手続の改善方策について、及び教科用図書検定基準の改正について審議要請がございました。これを受けまして、9月17日の総会において、総会の下に本件について中心的に審議する総括部会が設置されました。その後、各教科の申請図書について審議する各部会におきまして本件についての審議を行うなど、部会に所属する委員の皆様の意見集約を図っていただき、それを基に総括部会において審議を深めていただき、その結果を本報告案としてお示ししてございます。

報告案の2ページを御覧ください。1番、教科書検定手続の改善方策について、(1)新型コロナウイルス感染症対策としての教科書検定手続の改善方策でございます。これまで検定申請に当たりましては、対面による申請書等の提出、審査料の納付を行ってきたところ、新型コロナウイルス感染症の感染予防対策を徹底する観点から、また、ICTの発展を踏まえた行政手続の簡素化の観点から、教科用図書検定規則実施細則を改正いたしまして、申請書等については郵送での提出も可能とするとともに、検定審査料については納入告知書による納付に切り替える方向で調整を進めることが適当であるということで改善の方向性をまとめてございます。

次に、(2)社会情勢の変化を適時反映するための手続の改善方策、①ウェブページアドレス、二次元コードが参照させる内容についてでございます。紙の教科書におきましても、動画や音声等を含めて教科書の内容と関連のある様々な教材にアクセスするためのURL、QRコード等が紙面に掲載される例が最近多く見受けられます。このため、文部科学省においては、教科用図書検定基準上に、申請図書中にURLやQRコードを掲載する場合の基準を新設いたしました。これは、3ページの上の辺りに書いております。

その上で、URLやQRコードが参照させる内容は教科書そのものではないという位置づけでございますけれども、教科書の内容と密接な関連を有する情報として最新の情勢を反映させる有用な手法であるために、URLやQRコードで参照させる内容を変更しようとする場合には、あらかじめ文部科学省に報告することとする規定を置くことが適当であると改善の方向性をお示ししてございます。

次に、②教科書の訂正に係る周知の方法についてでございます。発行者が検定済み図書の訂正を行った場合、検定規則第15条第3項に基づきまして、速やかに当該訂正の内容を学校長や所管の教育委員会等に通知することとされております。ですが、検定済み図書の1年間の訂正の件数は、箇所数で2万5,000件を上回るというのが現状でございます。加えて、発行者ごとに通知の方法も様々でありますので、学校現場に過度の負担をかけずに、必要な事項を確実に、かつ分かりやすく周知するにはどうしたらよいかという点について御検討をいただきました。

これにつきましては、まず訂正の内容について発行者のホームページにおいて公表することが適当とした上で、学校現場において必要性の高いものを優先的に確認できるようにするなど、ホームページ上の掲載の仕方について各発行者において工夫することが望まれるとしています。その際、発行者ごとに掲載の仕方が多様になり、学校現場等において支障が生じないよう、文部科学省から各発行者に対してホームページ掲載の留意点を示していくことが必要としています。さらに、訂正内容を確実に学校現場等に周知する観点から、発行者においてホームページに掲載した旨を学校現場等に対して一斉に通知する方法や時期について文部科学省において示すことが望まれるとしてございます。

次に、(3)申請図書等の適切な情報管理のための改善方策です。現行制度上、文部科学省が申請図書の検定審査の結果を公表するまでは、当該申請図書や当該申請図書の審査に関する資料等の内容を適切に管理しなければならないとされています。一方で、申請者が適切な情報管理を行わなかった場合、特段の対応は制度化されていません。そのような中、令和元年度に検定申請を行った発行者が、文部科学省による申請図書の検定審査の結果公表前に、自らの申請図書に関する情報を外部の者に対して公表し、その結果、当該年度の検定に係る調査審議を行う上で静ひつな環境の確保が困難となる事案が発生いたしました。

改善の方向性を御覧いただければと思います。検定規則第7条第2項、こちら、脚注の7番におつけしておりますけれども、こちらにおいて、文部科学大臣は、図書の検定、採択、発行に関して文部科学大臣が別に定める不公正な行為をした申請者による同じ種目の申請図書について、当該不公正な行為が認められたときから直近の一の年度に限り、検定審査不合格の決定を行うという旨が規定されてございます。

文部科学大臣が別に定める不公正な行為につきましては、同じく脚注の8におつけしておりますけれども、細則に規定がされております。具体的には、検定審査終了前の申請図書を採択関係者に対して開示し、対価を伴う意見聴取を行ったことが認められた場合などが列挙されております。脚注8の①から④の事由になります。

6ページを御覧いただければと思います。この①から④に追加をする形で、文部科学省による検定審査の結果公表前に申請図書等の内容を当該申請者以外の者の知るところとすることその他検定審査の結果公表前における当該申請図書等の情報管理が不適切であることにより、検定審査に重大な影響を及ぼしたと認められた場合というのを追加することが適当であるというふうにしてございます。また、発行者に加えて著作編修関係者に対しても適切な情報管理を徹底する観点から、「著作編修関係者名簿」に、適切な情報管理のための対策を講じたかどうか確認する欄を設けることが適当であるとしてございます。

次に、(4)検定審査不合格に関する手続の改善方策、①不合格となる申請の範囲の明確化といたしまして、18行目の辺りを御覧いただければと思います。現行の検定規則第7条第2項は、検定審査合格後の採択の時期に不公正な行為が行われることを想定した規定ぶりでございますので、この規定を改正しまして、27行目の辺りに書いてございますけれども、申請者が検定審査不合格となった後に不公正な行為をし、その後、年度内または翌年度の再申請を行った場合には、4年後等の次のサイクルの申請ではなく、当該再申請がなされた図書について不合格決定を行うこと、また、申請者が検定審査中に不公正な行為をした場合に当該検定において不合格とすることが明確となるように検定規則の改正を行うことが適当であるとしてございます。

なお、不公正な行為といたしましては、先ほど御紹介しました5ページの脚注8の①から④に加えまして、検定審査に重大な影響を及ぼしたと認められるような情報の不適切な管理を想定しております。

次に、②不合格図書の再申請回数の上限の設定等です。近年、教科書として求められる水準に遠く及ばない図書が申請されてきております。教科書の編集や校閲に係る部分について検定が利用されているような事態が生じています。このような申請図書が検定審査不合格となった場合でも、現行制度上、再申請できる回数に上限はございません。加えて、不合格図書の2回目の再申請についても、重大な欠陥がなく、欠陥箇所数が著しく多くなければ年度内に再申請することができる仕組みとなってございます。

これに対しまして、発行者に対して申請図書の質の向上を促す観点から、また、同一種目に関する検定申請の受理は基本的には4年に1度行うようになっているといったことも踏まえまして、不合格図書の再申請は2回までとすることが望ましいとしてございます。また、年度内の再申請は、義務教育諸学校用教科書に関して、採択の前年に行われる検定において不合格となった場合に特有の仕組みでございますので、2回目の再申請の期間は翌年度とすることが適当であるとしてございます。

なお、発行者による申請図書の誤記や誤植、校正漏れ、こういったものを低減する方策につきましては従来より課題とされてきておりますけれども、発行者及び文部科学省において引き続き有効な方策を検討していくことが求められるとしてございます。
次に、(5)その他関連する制度等の改善方策、①についてです。新元号の制定や市町村合併に伴う市町村名の変更等、近い将来に客観的事情が変更されることが確実である事項の書き方については、申請図書中でどのように記述しておけばよいかについて細則上明確にすることが求められるといたしまして、その上で、客観的事情の内容というのは、これは絞るべきという御意見を多数いただきましたので、限定的に列挙することが望ましいとしてございます。

次に、②権利処理済みであることの確認でございます。申請図書に使用する写真や資料等につきましては、適切に権利処理がなされた上で申請がなされているとの前提で審査を行ってきているところ、適切な権利処理がなされないまま申請がなされるケースが増加しております。

これに対して、申請時の添付資料である「出典一覧表」におきまして、権利処理済み等の状況を確認することが適当であるとした上で、25行目の辺りですが、あくまで写真や資料の権利処理は発行者において責任を持って行うべきであるとの前提は変更せずに、申請時にいま一度発行者において、権利処理が済んでいる、または権利者との間で調整がつく見込みであるということを確認してもらう趣旨であるとしてございます。さらに、29行目の辺りですが、権利者との間で調整がつく見込みであった写真や資料につきまして、調整がついたことの確認方法及び調整がつかなかった場合の対処方策につきましては、文部科学省において検討した上で明示していくことが求められるとしております。

次に、③検定における申請書等のデジタル化でございますけれども、これにつきましては、9ページの改善の方向性を御覧いただければと思います。検定においても可能なものからデジタル化を進めるべきであるとした上で、ただし、文部科学省及び発行者において紙ベースでの申請を前提とした検定システムが構築されていることから、本格的な検定のデジタル化については、今後文部科学省において発行者と協議の上で対応案を作成した上で、本審議会において改めて確認を行うことが必要としてございます。

④押印廃止につきましては、24行目、政府全体の動きを踏まえて、教科書検定においても行政手続の簡素化を進める観点から、押印制度を抜本的に見直すべく、文部科学省において押印が必要な手続を洗い出し、廃止する方向で細則の必要な改正を行うことが適当であるとしています。

検定手続の見直しに関することは以上でございまして、次に、10ページと11ページにおきまして、検定基準に関する改正事項を挙げてございます。(1)①児童又は生徒が資料の読み取りや活用を的確に行うことができるようにするための検定基準の見直しとして、今後児童生徒に言語能力や情報活用能力の育成を図ることが重要であるという議論が中教審でなされておりますけれども、その中で、「教材自体についても、資料の内容を適切に読み取れるような工夫を施すべきである」とされたことを受けまして、15行目ですけれども、検定基準の引用資料に係る規定について、「児童又は生徒が資料の読み取りや活用を的確に行うことができるよう」との趣旨が反映されるように規定を見直すことが適当であるとしてございます。

②学術用語集の位置付けでございます。11ページの上の辺りでございますが、表記の基準として学術用語集が原則的な取扱いとなっているところ、11ページの3行目、現在は大半が絶版となっており、また、最新の学術動向が反映されていないとの指摘もあるところです。このことを受けまして、各部会等において御議論をいただきまして、8行目、用語・記号等に関する表記の基準としての原則的な取扱いは改めるべきであるとの意見が分野横断的に多数でございました。その上で、学術用語集に代わるものにつきましては、用語・記号等の拠り所が一通りに定めることが難しい分野も多く見られたという状況でございます。結論としては、学術用語集の原則的な取扱いは改めまして、必要に応じて参照できるようにする取扱いとするということが望ましいとした上で、何をもって適切な用語・記号等の拠り所とするかにつきましては、分野ごとに学術動向を見極めながら判断していくことが適切と考えられるとしてございます。

最後の12ページを御覧ください。「おわりに」といたしまして、1つ目の段落では、文部科学省における検定規則、細則、検定基準の速やかな改正、運用を望むこと。2段落目では、発行者に対しまして、本報告を踏まえて、教科書の著作・編集に当たっていただきたいという旨。3段落目は、本審議会として、教科書検定制度に係る様々な要請に応えて、教科書検定に対する国民の信頼を高めるため、今後とも専門的な調査審議を徹底して行い、公正な検定審査を行っていくこととするとして締めくくってございます。

私のほうからの報告案の御説明は以上になります。御審議のほどよろしくお願いいたします。

【五十嵐会長】 御説明どうもありがとうございました。それでは、ただいま事務局から御説明のありました報告案につきまして、御質問、御意見をいただきたいと思います。御感想あるいは将来に向けての御提案などでも結構ですので、御自由にお願いしたいと思います。いかがでしょうか。御意見がある方はどうぞ。山内先生、お願いいたします。

【山内(豊)委員】 山内豊と申します。総括部会でお話しさせていただいたことと重複する部分があるかもしれません。失礼いたします。

報告案の8ページから9ページに、検定のデジタル化についての改善の方向性について記載されています。教科用図書の検定の現状を考え、今後の検定のデジタル化につきまして、将来的にこのようなデジタルによる検定システムが出来るのがよいのではないかという意見を述べさせていただきたいと思います。

現在の教科用図書の検定の流れとしましては、教科書会社から文科省へ紙の申請図書が提出されまして、文科省から審議委員へ申請図書が届きます。審議委員は、申請図書を調査して文科省に送り返します。そして、審議会でいろいろと議論され、検定意見書が作成されます。この流れで大きな問題になることを2つ感じております。1つは、外国語、英語の特徴かもしれませんが、教科内容の本文そのものに加えまして、英文本文あるいは練習問題の音声の面のチェックも同時にしなければいけないということがございます。音声のチェックをするときには、紙の教科書に対応するCDの音声を選んで、その部分を聴いていくということになりますので、かなりの時間と手間を要することになります。

また、2番目の問題としまして、修正表の作成とそのチェックというのがあります。審議した教科用図書の修正表を作成するという手順では、発行者の方々が紙の申請図書を切り貼りしまして修正表を作成するというプロセスを取っておりまして、これには多大な時間と手間がかかっております。

このような現状を解決する1つの方法として、文部科学省の教科用図書検定専用のウェブサイトを立ち上げて、そこに審議会委員、教科書調査官、文科省の事務局スタッフの方だけがIDとパスワードでアクセスをして、その中身を閲覧して共有できる。そして、コメントをデジタルの形でコメントとして書き込める。そういうような巨大な共有フォルダーシステムを構築することによって、かなり作業が能率的に、また簡素化できるのではないかと考えます。

イメージとしましては、文科省の検定専用のウェブサイトにアクセスします。IDとパスワードを入れると、小学校、中学校、高校というふうに分岐がありまして、例えば小学校を選択すると、そこから算数、国語、英語というような形で選択ができるようになります。その中で紙の教科用図書と同じ内容が閲覧できる。しかも、コメントをデジタルでつけることができる。コメントは、いつ誰が書き込んだのか、それが明瞭に分かるようになっていまして、そのコメントに対してほかの委員とか、あるいは文科省のスタッフの方がさらにコメントを書き込めるようにする。こういうふうな形の共有システムを作ることで、検定に参加するメンバー全員が同時に検定に関する情報を共有できるわけです。

コメントを種類別に色別にするということも可能だと思います。例えば誤植や内容的に誤りを含む部分、学習者に誤解を与える不明確な部分、学習指導要領に対して不適切な部分、このように、問題となる部分に分類番号をつけてコメントを記入すると、それが色別に表示されます。さらにそれぞれの種類のコメントが全体で幾つあるのかというのがデジタルで自動的に集計できるようになりますと、例えば誤りがついたコメントの数を自動集計して、誤りの数が一定以上超えた場合には、その申請図書は不合格の候補になるというような自動的な設定も可能なのではないかと思います。

英語で文字、音声、画像を一緒に扱うというような場合には、このような形のデジタル検定システムがあることで、現在の紙の申請図書と音声CDを突き合わせるという手間もかなり省けることになります。

また、このような形でデジタル編集できれば、修正表を検討するときも、修正表だけに着目するのではなくて、修正表の修正部分が該当教科書の全体の中でどのような位置づけになっているのか、全体も見通しながら審議していくということもできると思います。

もちろんこのような検定のデジタルシステムを構築して活用するというのは、長期的な視点、段階的な視点が必要だと思います。まずは教科書検定の仕組み、ウェブサイトのセキュリティなど専門家を集めたプロジェクトチームが編成されて、詳細な設計・構築を行って、その後、幾つかの学年、幾つかの科目で実際に試してみて、実際の検定に活用していく。このようなプロセスが必要ですので、恐らくすぐ来年というのではなく、令和6年とか次期の学習指導要領の改訂の時期にわたる長期的な視点でのサイト構築、システム構築と運用が必要となると思われます。

以上のような、検定に参加するメンバーが情報を共有して更新していける教科用図書デジタル検定システムを構築・運営することで、現在の紙版中心での検定作業も円滑にできるようになります。将来的に教科書はデジタルを中心に進めるということになった場合に、デジタル教科書を検定するときにもこのシステムを大いに活用することができるのではないかと考えております。僭越ですが、このように御提案させていただきました。いかがでしょうか。

【五十嵐会長】 山内先生、ありがとうございます。教科書検定作業におけるデジタル化の具体的な将来の展望について語っていただきました。大変参考になると思います。ありがとうございます。

そのほか委員の先生方、いかがでしょうか。今日は会場に重原委員もおいでになっていますが、重原先生、何かございますか。

【重原委員】 御指名がありましたので。今御意見いただいたんですけれども、デジタル教科書ということと、検定におけるデジタル化というのはちょっと意味合いが違うと思うんですね。デジタル教科書の場合だったら、利便性だけを考えるんじゃなくて、例えば幼少の頃からデジタル教科書を見ていたら目が悪くなるんじゃないかというような、副次的といいますか、そういうインパクトも考えた上で進めなきゃいけないことだと思います。

一方、検定におけるデジタル化といいましたら、これは論点は2つだと思うんです。1つは利便性です。いかに検定を楽にして、その作業量を減らすかというようなこともあると思います。もう一つは、非常に大事なことで、セキュリティだと思います。今御提案があったんですけれども、文部科学省のホームページにアクセスして検定作業を進める。これはデジタル化の非常に行き着く究極の形だと思うんですけれども、この場合はちょっとセキュリティが心配だと。私はむしろ何かCDの形で渡されて、そのCDの中には、とあるプログラムと、それから、本検定対象になる出版社から来た教科書に相当する内容が入っている。検定作業をするときには、まずプログラムが各自のパソコンで走らされて、そのプログラムの上で検定作業を個人的に進めていく。そうやると、セキュリティも結構安心じゃないかと。ただ、その場合はプログラム作りというのは結構大変な作業になる。もちろんホームページでもそうだと思います。今お聴きしながらそんなことを考えておりました。

【五十嵐会長】 データ管理ということも大変重要なことだと思います。御指摘をいただき、ありがとうございました。

そのほか、委員の先生方、何かございますでしょうか。

高山先生、先ほどの総括部会で、学術用語の用語集について御指摘いただきましたけれども、それについてもう一度御発言いただけますか。

【高山委員】 ありがとうございます。高山です。先ほどの総括部会でも少しお話しさせていただいたんですけれども、学術用語集が今は参照しにくくなっているということで、原則的な取扱いを改めて、必要に応じて参照できるようにするという取扱いにするという、そういう案なんですけれども、教科書を扱う際にというか、教育に携わる方々は教科書をやはり拠り所にする場面というのが多くあると思いますので、そういうやっぱり参照できるものを全体バージョンとして、学術用語集は昭和22年に文部省と各関係学会が協議の上制定されたということですから、それのぜひ新しいバージョンができるといいなと私は思いますし、先ほど山内先生のお話を聴きながら、このような学術用語集も、従来の形とは違って、デジタル化に即したもの、そういうものが出来るといいのではないかなと、そのように思いました。

僅かですけれども、以上です。

【五十嵐会長】 御意見ありがとうございました。

そのほかいかがでしょうか、委員の先生方。特にございませんか。どなたかいらっしゃいますか。よろしいですか。それでは、御意見をいただくのはこれまでといたします。

本日いただきました貴重な御意見等につきましては、今後、本報告を制度改正あるいは実際の運用に反映していく際に、文部科学省において十分に活用していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、本報告案につきましては、特に修正を行わず、本審議会における報告として了承することでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【五十嵐会長】 特に御異議がないようです。では、皆様の御承認をいただきましたので、本報告案を本審議会の報告とさせていただきます。文部科学省におきましては、この報告を踏まえて、必要な制度改正等を進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

では、本日の総会で取りまとまりました報告を萩生田文部科学大臣にお渡ししたいと存じます。報道関係のカメラの撮影をこの時点から許可いたします。

(報告の手交)

【五十嵐会長】 どうもありがとうございました。

萩生田文部科学大臣から一言御挨拶をいただきます。よろしくお願いします。

【萩生田文部科学大臣】 文部科学大臣の萩生田光一でございます。委員の皆様には本当にありがとうございます。

教科書は、児童生徒の教育に極めて重要な役割を果たす主たる教材であり、これまでも児童生徒によりよい教科書が提供されるよう、随時、教科書検定をはじめとする教科書制度やその運用の改善を図ってきたところです。

本審議会に対しては、本年9月、教科書検定制度に関し、「教科書検定手続の改善方策について」及び「教科用図書検定基準の改正について」の2点について、御審議をお願いしました。委員の皆様におかれましては、大変短い期間に集中的に御審議をいただき、とりわけ五十嵐会長兼総括部会長には議論の取りまとめを行っていただき、ただいま本審議会の報告をまとめていただきましたことを心より感謝申し上げます。

文部科学省としては、今回御提言いただいた報告を踏まえ、今後、教科用図書検定規則や検定基準などについて、必要な制度改正を速やかに行ってまいりたいと思います。教科書発行者に対しては、本報告を踏まえ、今後当省において改正する検定規則や基準に基づき、創意工夫を生かして教科書を著作・編集していただくことを期待しております。

委員の皆様におかれましては、引き続き、本審議会において教科書検定への御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げて御挨拶にしたいと思います。ありがとうございました。

【五十嵐会長】 ありがとうございました。

続きまして、議題2、その他、何か事務局からございますでしょうか。

【高見教科書企画官】 今後の審議会の日程につきましては、必要に応じまして事務局より日程調整をさせていただきたいと存じます。引き続きよろしくお願いいたします。

【五十嵐会長】 ありがとうございました。

以上をもちまして、本日の議事は全て終了いたしました。これで教科用図書検定調査審議会総会を閉会いたします。

先に萩生田大臣が御退席をされます。皆様、その場でお待ちください。

どうもありがとうございました。

(萩生田文部科学大臣 退席)

【五十嵐会長】 それでは、これで終了したいと思います。皆さん、どうもありがとうございました。
 


 

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