「教科書検定の見直し」に関する意見(社団法人全国高等学校PTA連合会)
20全高P連発第27号
平成20年5月20日
教科用図書検定調査審議会総括部会
部会長 杉山 武彦 殿
社団法人全国高等学校PTA連合会
会長 髙橋 正夫
このことについて、当団体にも意見を求められましたことについて、感謝いたします。
高等学校の保護者の立場から意見を述べさせていただきます。
1.検定手続きの改善方策について
- 「検定手続きの透明性の一層の向上」については、検定が実施されること、およびその趣旨・目的、全体の計画は公開されるべきであるが、「静ひつな環境における公正・中立な審議の確保」が大切であるので、その点の整合性が求められる。また、その関係の説明は保護者たち(一般)にもわかるように平易にしていただきたい。
- 「専門的見地からのきめ細やかな審議の確保」に当たり、いわゆる学識経験者ばかりでなく、学校現場の経験豊かな人材の活用が望まれる。教科書の記述方法・内容が、教科書で学習する子どもたち(子どもは検定に参加できない)にとってどうなのかの視点を求めたいからである。
- 「教科書記述の正確性の確保」について
高校生ともなると、特に社会科・国語などでは、見解の異なるもの、複数の学説などは、そのことを示して生徒が自ら判断したり、数説あることを認識したり、将来の課題であると受け止めたりさせるように記述を考慮されたい。
2.新しい教育課程の実施に対応した教科書の改善方策について
新教育課程に対応した教科書に求められる内容・記述・体様のあり方については、審議要請事項に挙げられて、今後審議されることに基本的に賛同する。
- 基礎的・基本的な知識・技能の習得にこそ、繰り返し学習が必要である。
- 児童生徒が、学習を尊重する、学習内容を大切にする態度が養えるような教科書を求めたい。
- 資料編を別冊で求めるのではなく、教科書に必要な資料は記載されるべきである。
- 演習編も同じく別冊でなく、演習問題も教科書に盛り込まれてあることが望ましい。
- 教科書という冊子だけでなく、教師により教示されるDVDなどが今後検討されるのではないか。
- 日本の文化(例:漱石・鴎外 若菜集)、世界の文化を正しく伝えるとともに、創意工夫の大切さに気付かせる教科書の原点を見直していただきたい。