宗教法人審議会(第141回) 議事録

1.日時

平成13年6月20日(水曜日) 午後1時30分~

2.場所

霞が関東京會舘 シルバースタールーム

3.議題

  1. 会長の選出について
  2. 最近の宗務行政について(報告)
    1 宗教法人に関する事務処理状況等について
    2 情報公開法の施行状況について
    3 個人情報の保護に関する法律案について
    4 「法の華三法行」に係る裁判の状況等について
    5 宗教法人「明覚寺」の解散命令請求について
  3. その他

4.出席者

委員

手島会長、磯貝委員、大石委員、岡野委員、黒住委員、氣多委員、小林委員、内藤委員、野崎委員、長谷川委員、湊委員、宮崎委員、芳村委員

オブザーバー

(文化庁)
 佐々木長官、銭谷次長、遠藤文化部長、戸渡課長、加藤宗教法人室長、その他関係官

5.議事録

1.開会

○ 宗務課長
 それでは、委員の先生方もおそろいでございますし、時間となりましたので、ただいまから第25期宗教法人審議会の初会合を開催させていただきたいと存じます。
 25期初会合ということで、会長が空席でございますので、後ほど会長を選出していただくまでの間、私、宗務課長をしております戸渡と申しますが、私のほうで便宜上、進行役を務めさせていただきたいと存じます。
 初めに、佐々木文化庁長官から、一言ごあいさつを申し上げます。

○ 文化庁長官
 失礼します。委員の先生方におかれましては、第25期宗教法人審議会の委員を、お忙しい中、お引き受けいただきましたことに対しまして、厚く、まず御礼申し上げます。
 本日は、第141回の宗教法人審議会でございます。ご出席を賜りまして、まことにありがとうございます。
 宗教法人審議会は、文部科学大臣の諮問機関として、宗教法人法により、その権限に属せられた事務を審議するとともに、所轄庁が宗教法人法に定める権限を行使するに際し、留意すべき事項に関し、文部科学大臣に意見を述べることをその任務としているところでございます。
 また、審議会は宗教法人制度の運用に当たり、宗教団体の宗教の特性、慣習等を考慮し、憲法に定める信教の自由を保障する大きな機能を果たすものとして、宗教法人法の支柱の1つを成しているところでございます。
 昨今、一部の宗教法人による事件などがマスコミの話題を集めております。そういった中で、宗教や宗教法人制度に対する関心もまた高まっているわけでございますが、文化庁として、宗務行政の適正を期すためには、委員の皆様方の大所高所からのご意見、あるいはそれぞれの専門の立場からのご意見なども賜りまして、遺憾なきよう期してまいりたいと思っているところでございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 冒頭、お話がございましたように、本日は第25期の宗教法人審議会の最初の会合でございますので、まず審議会の所掌事務等についてご説明申し上げた後に、会長のご選出をお願いしたいと存じております。その後、最近の宗務行政について、何点かご報告をさせていただきたいと思っております。皆様方におかれましては、よろしくご審議をお願いいたしまして、簡単ではございますが、冒頭のごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○ 宗務課長
 それでは、本日の配付資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元、封筒の中に、本日の資料を配付させていただいてございますけれども、1枚目をめくっていただきますと、配付資料の一覧があるかと存じます。
 資料番号1が、第25期宗教法人審議会委員の名簿でございます。1枚物でございます。
 それから資料2-1が宗教法人法の抜粋の資料、資料2-2が宗教法人審議会の規則でございます。それから資料2-3、これも1枚物でございますが、宗教法人法により宗教法人審議会の意見を聞かなければならないとされている事項の一覧を整理した資料でございます。それから資料2-4が宗教法人審議会の議事等について(申合せ)の1枚物の資料でございます。
 資料3が、宗教法人の現状と題します2枚物の資料でございます。
 資料4が、宗教法人書類提出状況の1枚物の資料でございます。
 資料5が、情報公開法施行後の状況についてと題します3枚物の資料となってございます。
 それから資料6-1が、個人情報の保護に関する法律案のポイント解説という資料で、全体で13ページある資料でございます。それから資料6-2が、個人情報の保護に関する法律案の本体の資料でございます。これは最終のページまでが40ページございます。ちょっと厚くなっておりますが、その資料でございます。
 それから資料7が「法の華三法行」の裁判の状況等についての資料でございまして、3枚物でございます。
 それから資料8が、宗教法人「明覚寺」解散命令請求の状況についてと題します資料で、2枚物となってございます。
 最後に資料9といたしまして、前回、第140回宗教法人審議会の議事録を配付させていただいておりますが、この議事録につきましては、既に前期の各委員にご確認をいただきまして、現在、公開の手続を進めているもので、既に確定しているものでございます。
 以上が配付資料でございますが、不足の資料等がございましたら、事務局のほうにお申しつけいただければと存じます。よろしいでしょうか。
 続きまして、それでは第25期宗教法人審議会委員のご紹介をさせていただきたいと存じます。新任の方もおられますので、配付資料1の名簿順に、ご出席の皆様方のご紹介をさせていただきたいと存じます。

(委員名読み上げ)

 次に、宗教法人審議会に関します法令、所掌事務及び議事等に関する申し合わせにつきまして、簡単にご説明をさせていただきたいと存じます。
 資料2-1から2-4でご説明させていただきたいと存じますが、まず、資料2-1をごらんいただきたいと存じます。
 宗教法人法に宗教法人審議会の所掌事務等が規定されているわけでございますけれども、その所掌事務につきましては、先ほど長官のほうから申し上げましたとおり、法律の規定により、その権限に属させられた事項の処理と、それから所轄庁が権限を行使するに際し留意すべき事項に関して、文部科学大臣に意見を述べるということとされております。委員につきましては、20人以内の構成で、任期は2年とされております。
 それから、会長につきましては第74条に規定がございますが、会長は委員が互選した者について、文部科学大臣が任命するとされてございます。
 また、宗教法人審議会の運営の細目につきましては、一番下でございますが、77条によりまして、宗教法人審議会の議事の手続、その他運営に関し必要な事項は、文部科学大臣の承認を受けて、宗教法人審議会が定めるとされているわけでございます。
 この規定を受けまして、資料2-2でございますけれども、宗教法人審議会規則が定められてございます。
 宗教法人審議会規則におきまして、審議会の運営に関し必要な事項が定められているわけでございますけれども、主な点といたしましては、第6条でございますが、「会議は総委員の5分の3以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない」とされてございます。
 また、第7条で、「会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる」とされてございます。
 また、15条でございますが、この規則本体につきましては、先ほどの第7条の規定にかかわらず、総委員の過半数の賛成がなければ変更することができないものとするという規定となってございます。
 それから、資料2-3が、宗教法人法により宗教法人審議会の意見を聞かなければならないとされている事項でございます。大きく6つの種類があるわけでございますけれども、まず第1番目が、所轄庁たる文部科学大臣による規則等の不認証の決定ということで、宗教法人の規則の認証、あるいはその変更の認証というものに関しまして、認証できないという旨の決定をしようとする場合には、宗教法人審議会の意見を聞かなければならないとされてございます。
 それから、大きな2番目でございますが、所轄庁による報告徴収・質問ということで、宗教法人法上、宗教法人につきまして、公益事業以外の事業の停止命令、認証の取り消し、解散命令の請求の事由というものに該当する疑いがあると認められるときには、所轄庁が宗教法人に報告を求め、質問することができるわけでございますが、その報告徴収・質問をしようとするときには、事前に宗教法人審議会の意見を聞かなければならないとされているところでございます。
 それから、3番目が、所轄庁による公益事業以外の事業の停止命令ということで、宗教法人が行っておられます公益事業以外の事業、いわゆる収益事業等と呼ばれている事業の領域についてでございますけれども、その事業について、不適正な部分があるということで停止を命じようとするときには、事前に宗教法人審議会の意見を聞かなければならないとされてございます。
 4番目が、所轄庁による規則等の認証の取消しということでございます。宗教法人の規則認証等につきましては、認証後1年以内に限りまして、認証の基礎となった事項等に誤りがあったという場合は取消しが可能という規定があるわけでございますけれども、そういった取消しをしようとする場合には、事前に宗教法人審議会の意見を聞かなければならないとされてございます。
 それから5番目が不服申立て(審査請求又は異議申立て)に対する文部科学大臣の却下以外の裁決又は決定ということでございます。規則の認証等に関しまして、所轄庁の処分に不服があった場合には、文部科学大臣に対しまして審査請求又は異議申立てというものができるわけでございますけれども、それがあった場合に、却下以外の決定、裁決をしようとするときには、事前に宗教法人審議会の意見を聞かなければならないということとなってございます。
 最後が、収支計算書の作成を免除する基準となる収入額を定めるときでございます。
 収支計算書の作成については、宗教法人法上、その作成義務があるわけでございますけれども、当分の間、一定の収入額が寡少な法人については、それを作成しないことができるという規定がございます。その一定の額というものを定めようとするときには、宗教法人審議会の意見を聞かなければならないとされているわけでございます。
 なお、現在、この額は、年間の収入額が8,000万円以内のものについては収支計算書の作成をしないことができるという規定になっているところでございます。
 それから資料2-4でございますが、宗教法人審議会の運営の議事の公開・非公開等について定めているものでございまして、本審議会において決定をいただいている申合せでございます。審議の公開・非公開等につきましては、1にございますとおり、議事録、これを原則として公開するということで、ただ、行政処分及び不服審査に係る審議は、2にございますとおり、議事要旨という形で公開をするということとされてございます。会議そのものにつきましては、信教の自由等に配慮し、今後も非公開とするという決定がなされてございます。
 議事録及び議事要旨の作成、公開方針につきましては、4に具体的に書いてございますけれども、特に(2)にございますとおり、議事録等に記載する委員の意見につきましては、これは匿名の形で記載をするということとなってございます。また、(4)にございますとおり、議事録等は事務局において作成をし、原則として全委員に送付するなどしてその確認を得た後、速やかに公開をするということで、現在、インターネット上のホームページ等で公開をしているところでございます。
 また、6にございますとおり、本審議会の会議資料につきましては、不服審査等に係る資料を除きまして、原則として公開をすると。ただし、検討中の答申・報告書の原案など、本審議会において非公開とすることが適当であると認めるものについては非公開とするという定めとなっているところでございます。
 簡単ではございますが、以上でございます。
 続きまして、定足数の確認をさせていただきたいと存じます。
 ただいま、ご説明申し上げましたとおり、宗教法人審議会規則第6条によりまして、総委員の5分の3、これは12名でございますが、12名以上の出席がなければ、議事を開き、議決することができないとされているわけでございます。
 本日は20名の総委員中、13名の先生方にご出席をいただいておりますので、定足数を充足しているということを確認させていただきます。

2.議事

(1)会長の選任について

(2)最近の宗務行政について

○ 宗務課長
 引き続きまして、会長の選出に入らせていただきたいと存じます。
 宗教法人法第74条第2項に、「会長は、委員が互選した者について、文部科学大臣が任命する」とございますので、互選をお願いしたいと思います。互選の方法につきましては、これまでの例から申し上げますと、学識経験者の委員の中から推薦で選出をされているということでございます。
 以上でございますが、どなたか、ご推薦等のご発言はございませんでしょうか。

○ まことに僭越でございますが、お許しをいただきまして、今期も委員としてお世話になることに相成りました立場から、会長のご推薦を申し上げたいと存じます。
 ただいまもお話にございましたように、従来より、当審議会の会長は学識経験者の先生方の中から選出されております。そのようなことから、当審議会の委員として長いご経験をお持ちになり、しかも幅広い研究活動をされております、九州大学名誉教授の手島孝先生を、私はご推薦申し上げたいと存じます。
 以上でございます。

○ 宗務課長
 ありがとうございます。
 ほかに……。

○ 私も今のご推薦に全く同感でございます。24期で同じく委員をさせていただきまして存じ上げているわけでございますが、ぜひとも手島孝先生に会長をお引き受けいただきたいと思って、ご推薦申し上げます。

○ 宗務課長
 ありがとうございます。
 ただいま、お二方の先生方から、手島委員に会長をお願いしてはというご発言がございましたけれども、もし、ご異議がなければ、手島委員が互選されたものとしてよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○ 宗務課長
 ありがとうございます。
 それでは、手島委員に会長をお願いいたしまして、あとは会長先生にお願いを申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは先生、最初に一言、ご就任のごあいさつを……。

○ ただいま、ご推挙いただきました手島でございます。不肖、非才ではございますが、会長の責務を全うできますよう努めますので、皆様方のご協力を切にお願いいたします。
 申し上げるまでもございませんが、当審議会は、何人に対しても信教の自由を保障した日本国憲法第20条を受けて、宗務行政の適正を期するために設けられております。先ほど、長官もふれられましたように、設置を定めた宗教法人法の第71条の第4項には、宗教団体における信仰、規律、慣習等、宗教上の事項について、いかなる形においても調停し、または干渉してはならないと明確に規定されております。私どもは使命の重大さを十分に自覚し、職責の遂行に万事、遺憾なきを期したいと存じます。重ねて、皆様方のご協力をよろしくお願い申し上げます。

(一同拍手)

○ それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は、審議事項はございませんようです。報告事項として、最近の宗務行政についてということでございます。事務局から5件、報告事項がございます。
 まず、宗教法人に関する事務処理状況等について、報告願います。

○ 宗務課長
 それでは、資料3をごらんいただきたいと存じます。
 まず、宗教法人に関する事務処理状況ということで、宗教法人の現状等を含めてご報告させていただきます。
 資料3にございますとおり、宗教法人の数等でございますが、これは若干古い数字で恐縮でございますが、平成11年12月31日現在の数字でございます。12年分につきましては、現在調査の回収と集計中ということで、この数字が最新の数字になるわけでございますけれども、文部大臣所轄の宗教法人につきましては、包括宗教法人が385、単位宗教法人が594ということで、合わせまして文部大臣の所轄しております宗教法人は979法人となってございます。
 同じく、都道府県知事が所轄しております宗教法人、これは包括宗教法人が26、単位宗教法人が18万1,930ということで、合計いたしまして18万1,956法人。
 文部大臣所轄、都道府県知事所轄の法人を合わせますと、全部で18万2,935法人が宗教法人としてあるということでございます。
 宗教法人の系統別の内訳でございますが、左下にございますとおり、神道系が46.8%、仏教系が42.5%、キリスト教系が2.2%、諸教と呼ばれております部分が8.5%という状況になってございます。
 また、信者数でございますけれども、信者数は各宗教法人の申し出により集計をしている数でございますが、信者数につきましては神道系が49.6%、仏教系が44.8%ということで、両方とも約1億人近い数値となってございます。それからキリスト教系が0.8%、諸教が4.8%という状況となってございます。
 めくっていただきまして、2枚目でございますけれども、宗教法人数のこの10年間の推移でございます。平成11年は18万2,935でございますが、一番この10年で多かったのは平成6年でございまして、当時の宗教法人数が18万4,288ということでございますので、当時から比べますと約1,300法人強が減少したという形になってございます。
 3といたしまして、宗教法人認証事務処理件数、平成3年から12年の件数について、整理をしてございます。
 設立、規則変更、合併、それから解散という部分、この部分までが所轄庁が認証等を行う部分でございます。一番右に解散命令という欄がございますが、ここは所轄庁の申請等に基づきまして、裁判所のほうで決定を下している数、それから認証等を必要とせず、一定の事項が生じました場合に自動的に解散となっている部分、この数を記入しているのが一番右の欄でございます。
 平成12年につきましては、設立された法人は文化庁関係で1、都道府県で82となってございます。また、規則の変更、これは住所の変更をはじめといたしまして、議決機関等内部組織の変更、あるいは事業の追加といったような形で規則変更を行いましたのが、文化庁関係で67、都道府県全体で1,607となってございます。
 また、合併、それから解散、これは宗教法人数が減少する要因になる事項でございますが、こちらは文化庁関係でそれぞれ5件と2件で、都道府県では139件と95件の認証をしているということになってございます。
 また、解散命令でございますけれども、これにつきましては、解散命令の決定が出た件数でございますが、文化庁関係で1件、都道府県関係で28件となってございますが、この解散命令は、ほとんどが不活動を理由といたしまして、裁判所のほうで解散の命令決定が出たという内容でございます。
 引き続きまして、資料4をごらんいただきたいと存じます。
 宗教法人法第25条によりまして、宗教法人につきましては毎年度、この備付け書類の写しをご提出いただくことになっているわけでございますけれども、その提出状況を整理した資料でございます。
 文部科学大臣所轄の宗教法人につきまして、平成12年中に提出期限が来たものの状況でございますが、これは既に確定している数字でございます。
 総法人数が989法人、提出法人数が967法人ということで、提出率は97.8%。22法人が未提出でございますが、そのうち17法人は不活動状態であるということで、活動中で提出をいただいていない法人が5件ということで、この5つの法人につきましては、裁判所に対しまして、過料事件であるという旨の通知書を発送したという状況となってございます。
 それから、都道府県知事所轄分につきましては、現在、各都道府県において引き続き督促中ということでございまして、5月末現在の状況でございますが、法人総数が18万2,696法人、うち既に提出いただいている法人が17万2,951法人ということで、現段階での提出率が94.7%、過料事件通知等の発送件数は464件となってございます。
 今後の処理が進みますと、この過料事件の件数も増える形になろうかと思いますけれども、現段階では以上のような状況でございます。
 簡単でございますが、以上でございます。

○ どうもありがとうございました。
 ただいまの事務局からの報告について、何かご意見、ご質問等ございましたら、承りたいと存じます。

○ 資料4の未提出法人は、昨年が5件で、都道府県関係というのが半分以下に減少していますね。1つは上の5件、5件というのは内容的には同じものであるかということで、もう1つは下のほうが半減以下になっている、その実質的な理由が、もしわかりましたらお願いできますか。

○ 宗務課長
 文部科学大臣所轄の5件、5件につきましては、これは同じ法人でございます。2年引き続いて同じということでございます。
 それから、下の過料事件通知の発送件数でございますが、これは現在、平成12年中提出期限分でございますけれども、まだ今、督促事務を各都道府県でやっているということで、最終的に、今残っている法人については、この過料事件通知を発送する件数がかなり出るのではないかと思います。そういう意味で、現段階は途中でございますので、今後、最終処理に向けては、この件数は増えるであろうと。ただ、最終的に前年度と同じくらいになるのか、若干減るのか、見通しは立ってございませんが。まだ途中段階でございますので、この件数でございますが、さらに増えるのかとは思います。

○ よろしゅうございますか。

○ はい。

○ ほかに、ご意見、ご質問、ありませんでしょうか。
 それでは、次に移らせていただきます。
 次に、事務局から、情報公開法施行後の状況について報告を願います。

○ 宗務課長
 それでは、資料5をごらんいただきたいと存じます。
 情報公開法施行後の状況についてと題する資料でございますが、正確な法律名で申しますと「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」という法律が公布され、成立いたしまして、この平成13年4月1日から施行されてございます。いわゆる「情報公開法」と呼ばれておりますが、この概要でございますけれども、1にございますとおり、開示請求ができる者は、これには特段の制限はございませんで、何人も請求をできると。また、請求に当たっては、その開示を求める目的というものを明らかにする必要はないとされているわけでございます。
 開示請求の対象となる文書でございますが、これは行政機関の職員が職務上作成し、または取得した文書であって、組織的に用いるものとして行政機関が保有する文書が対象とされているわけでございます。
 開示・不開示の取扱いの法令上の規定でございますけれども、3に書いてございますとおり、行政機関が保有する文書は、不開示情報が記録されている場合を除いて、原則開示しなければならないということになっております。
 それで、不開示情報に該当するものといたしましては、個人に関する情報、あるいは法人等に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等の権利その他正当な利益を害するおそれがあるもの、これは不開示情報に該当するということが、法令上、規定されてございます。
 この法人の関係で、法人等の権利という記述の部分の「権利」には、憲法上の権利でございます信教の自由というものが含まれるということにつきましては、平成10年当時、この法案審議等が行われておりました国会において、総務庁長官のほうから、その旨、答弁等がされているということになっているわけでございます。
 以上の法律に基づきまして、この4月から法律が施行されまして、開示請求が各省庁に対してなされたという状況にございます。
 宗務課関係につきましては、1ページの下にございますが、9件請求がございまして、うち4件につきまして、開示・不開示の決定を行ったと。5件につきましては、現在審査中という状況になってございます。
 文化庁の取扱いについてでございますけれども、文化庁のほうでは、宗教法人法第25条第4項の規定により提出されました事務所備えつけ書類の写し、その他いわゆる非公知の事項が記載されている文書につきましては、当該書類を開示することによりまして、自由な宗教活動を妨害するための材料や、あるいは宗教法人の自律的な運営に干渉するための材料として使われ、当該法人、あるいはその関係者の信教の自由が害され、不利益が生じるおそれがあるということで、情報公開法に規定する不開示情報に該当するということで、不開示の取扱いとするという方向で臨んでいるところでございます。
 なお、宗教法人の規則及び認証書、これらにつきましては、所轄庁が法令に適合しているかどうかということを審査をいたしまして、その合法性を確認する行政行為の結果であるということ、また、宗教法人は法令及び規則に基づいて業務及び事業運営を行わなければならないということ、また、規則は組織の根本規範でもあるということで、規則及び認証書につきましては不開示情報には該当しないと考えられることから、開示を原則考えております。
 ただ、規則及び認証書の中には、印影あるいは責任役員等の個人の氏名といったような、個人を識別することができる個人情報が含まれているということから、このような非公知の事項である部分については不開示ということで、塗りつぶしました上で開示をするという、いわゆる部分開示という取扱いで臨んでいるところでございます。
 この取扱いにつきましては、各種会議等を通じまして各都道府県等にも周知・説明しているところでございまして、各都道府県においては、既に情報公開条例等に基づきまして情報開示等が行われているわけでございますが、この宗教法人に関します取扱いについては、都道府県所轄、あるいは文部大臣所轄の間でそごが生じないようにということで、周知を図っているという状況でございます。
 2ページ以下、参考で書いてございますが、ちなみに文部科学本省及び文化庁における開示請求及び決定の件数でございますが、6月1日現在で、文部科学本省につきましては全体で428件、うち全部開示、あるいは部分開示が行われたのは合計で147件、不開示の決定が23件という状況となってございます。文化庁につきましては23件、全部開示が3件で部分開示決定が6件。以上のような状況になっているところでございます。
 簡単ではございますが、以上でございます。

○ ただいまの事務局からの報告について、何かご意見、ご質問等がございましたら承りたいと存じます。

○ 資料5の1ページの2の、請求件数と決定件数に関してですけれども、これは文化庁の宗務課に関係するものだけの数のように思われますが、それでよろしいかということと、それから、各都道府県の知事が所轄になっているところの数字は集計されていないかどうかということが2番目。3番目は、宗教法人法第25条4項に基づく提出書類に関するものが3件ございまして、決定件数のほうはそれが入っていないようですので、これはまだ結論が出ていないということなのかどうかという、この3つについてご質問させていただきたいと思います。

○ 宗務課長
 すみません、説明が不十分で大変恐縮でございます。
 2に書いてございます、この請求件数9件、決定件数4件というのは、宗務課、文部科学省文化庁の宗務課のほうへの請求があった件数及び宗務課のほうで決定した件数が、それぞれ9件と4件ということでございます。
 それで、決定件数4件というのは、6月8日現在までに開示・不開示の決定を行ったものが4件ということでございまして、残りの5件につきましては、現在受け付けた上での審議中ということでございます。で、25条4項に基づく提出書類に関するものが3件ございまして、これにつきましては、今審議中で、まだ開示・不開示の決定をしていない状況にあるということでございますが、1カ月以内にその旨を決定するということになっておりますので、近々、決定を行うことになるかと思いますが、先ほど申し上げましたとおり、25条に基づく提出書類に関しましては、不開示の決定を行う方向になることと思います。
 都道府県の状況につきましては、大変恐縮でございますが、各都道府県の情報公開条例に基づく開示請求等の件数については、調査・集計等を行っておりませんで、ちょっと具体的な数字は持っておりません。
 ただ、各種会議等での情報交換等では、そういう請求があるというような話は聞いておりますけれども、取扱いとしては先ほど申し上げました取扱いと同じで、規則あるいは認証を示す部分については、個人等がわからない形で開示をすると。ただ、提出書類等については、これは開示をしないと、そういう原則で、各都道府県等取り扱っているという状況は承知しております。

○ 将来というか、これから集計されるおつもりでいらっしゃいますでしょうか。

○ 宗務課長
 その辺につきましては、また各都道府県で記録があるかどうかというのもあるかと思いますけれども、各都道府県等含めて、どういう状況にあるかは把握するように努めたいと思います。

○ ぜひ、お願いしたいと思います。

○ もう一点、質問よろしいですか。
 私、ちょっと聞き逃したのかもしれませんが、この請求件数の数え方なのですが、請求件数と対象の公文書というのは、必ずしも数が一致するはずの性質のものでは、ほんとうはないんですけれども、これはたまたま、請求件数と対象文書が同じというふうに理解してよろしいんでしょうか。

○ 宗務課長
 対象文書で規則が書いてございますが、分類として規則の関係という意味で書いてございます。例えば、規則に関するものは請求件数が3件となっておりますが、実は、1件の中に複数の法人についての規則をまとめて請求したというようなものも入っておりますので、その対象となった文書数とその件数とは必ずしも一致しない、むしろそれ以上になっているという関係にあるかと思います。
 ちょっと、そこら辺の、請求の件数と文書、1対1対応に分けるかどうか等を含めて、初めのところに必ずしも明確な基準がないものですから、そこは1件で1つの法人の1つの文書を指定している場合もありますし、2つをやっている場合もありますが、それでも受け付けてしまっているという部分もありまして、ちょっとそこは、今きちんと一定の基準でという状況にはなってございませんけれども。

○ 決定の件数という場合の、その件数が……。

○ 宗務課長
 件数……、請求は文書で行いますので、その文書で出てきたものを1件ということで数えてございます。開示請求の出た文書を、1件として勘定しているということでございます。

○ はい、わかりました。

○ 今のご質問に関係しますけれども、2ページの参考のところで、文化庁のこの数字、この中には宗務課の分は入っていないんですね。

○ 宗務課長
 この中には宗務課の分も入ってございますけれども、集計日が、実は文化庁全体のは6月1日現在で、宗務課の分は、一番最新のということで6月8日現在まで入ってございまして、その1日から8日の間に出てきたようなものも入ってございますので、ちょっと件数的には、必ずしも一致しない部分もありますが。
 不開示決定が、文化庁では0件になっているのに、宗務課では1件となっているから……。

○ 宗務課長
 これはちょうど、1日の後、8日までの間に決定した文書を出したものがありまして、それがこちらに入っているということでございます。

○ ほかにございませんでしょうか。どうぞ。

○ 1ページの一番最後の、宗教法人審議会の会議、議事録だと思いますが、この不開示をされた理由を参考までに。どういう意味で不開示だと。議事録は原則として公開ということですが、どういうことであったのか、今後の参考のために理由を教えてください。

○ 宗務課長
 宗会の議事録等につきましては、これは原則として不開示。宗会の議事録でございますので。
 これは宗教法人審議会の議事録ではなくて、特定の宗教法人、宗教団体が持っております、いわゆる宗会と呼ばれる、そこの議事録を持っているだろうから開示してくれという請求があったと。それについては、必ずしも所轄庁のほうに提出するものでもございませんし、たまたま持っているものがあったとしても、それはいわゆる不開示情報で、法人の権利その他正当な利益を害するおそれがあるということで、不開示決定をしているということでございます。だから、宗会議事録、ちょっとわかりにくくて恐縮ですが、宗会議事録ということで、特定の法人の……。

○ 略語ではないんですね、宗会というのは。何かの略語なんですか。

○ 宗務課長
 そこの法人が持っております、責任役員会とは別の宗教関係の会議のことを宗会と呼んでおりますものですから……。ちょっとほかに使い方がなくて、宗会議事録としてございますが、その議事録の開示ということでございます。

○ はい、わかりました。

○ ほかにございませんでしょうか。

○ よろしいですか。今のでちょっと思いついたんですが、その宗会議事録のことなんですが、これは情報公開法で言うと、例えばあの規定で言うと、要するに任意提供の情報という形でこちらに来ているんでしょうかね。法定の義務ではないので、それをたまたま任意提供という形で、情報公開法の枠組みで言うと、そういうことになって、それは第三者云々というのではなくて、任意提供でこういう状況のもとに提供されたので、提供しないということなのか、あるいは第三者の権利云々と先ほどおっしゃった点がポイントなのか。どちらなんでしょうか。

○ 宗務課長
 これは、いわゆる不開示にする要件としては、個人の権利、利益を害するという以外に、任意提供という部分がございまして、この宗会議事録につきましては、実質的にも害するおそれがあるという部分と、任意提供のものでもあるし、両方の理由で不開示という決定をするという考えで臨んでおります。

○ はい、わかりました。

○ ほかにございませんか。
 それでは、3番目に移ります。個人情報の保護に関する法律案について、事務局から報告を願います。

○ 宗務課長
 それでは、資料6-1及び6-2に基づきましてご説明をさせていただきたいと思います。
 個人情報の保護に関する法律案でございますけれども、この法律案につきましては、前回の審議会におきまして、国会に提出される前の検討段階の状況でご説明をさせていただいたところでございますけれども、法案はその後整理をされまして、現在開会中の通常国会に提出をされてございます。その法案の内容につきまして、若干、前回ご説明させていただいた内容から変更されている点等もございますので、改めてご説明をさせていただきたいと存じます。
 本法案は、高度情報通信社会の進展に伴いまして、個人情報の利用というものが著しく拡大しているということにかんがみまして、個人情報の適正な取扱いに関し、基本原則、それから施策の基本となる事項、個人情報を取り扱う事業者の義務といったようなものを定めることによりまして、個人情報の有用性というものには配慮を示しつつ、個人の権利・利益を保護するということを目的として提案されているものでございます。
 資料6-1でご説明させていただきたいと思いますが、まず1ページ目をごらんいただきたいと存じます。
 法律が対象としている情報及び事業者等の範囲でございますけれども、この法律が対象としております個人情報は、生存する個人に関する情報というものを対象としつつ、特に検索できるように体系的に構成されたもの、これを個人情報データベースと呼びまして、この個人情報データベースを事業のように供する者、これは個人情報取扱事業者と呼ばれておりますが、こういった個人情報取扱事業者が個人情報データベースを事業の用に供する場合には、一定の義務を課して、個人情報の取扱いを適正なものとするという内容が中心となってございます。この個人情報取扱事業者に係る義務につきましては、利用目的による制限、あるいは安全管理措置、第三者への提供の制限、開示・訂正・利用停止といったようなことが、個人情報取扱事業者が守るべき義務ということで、法律の中に規定されてございます。
 こういった個人情報データベース等についても、事業の用に供するわけではない者、一般の私人、あるいは政令で定める小規模な事業者といった者については、法律上の義務という規定は係らないわけでございますけれども、個人情報を取り扱う基本原則というものに基づきまして、個人情報の適正な取扱いというものに努めなければならないということで、努力義務が課されるという形が大きな枠組みとなっているところでございます。
 このすべての者に課される基本原則の内容でございますけれども、これは次のページ、2ページでございますが、基本原則として5つ書いてございます。
 「個人情報を取り扱う場合は、いかなる者であろうと、以下の基本原則に則って適正な取扱いに努めなければならない」とされてございます。1つは、利用目的による制限ということ、それから、違法な形で取得してはならないということで、適正な取得ということ、また正確性の確保ということで、最新の内容に保つようにと。安全性の確保という原則においては、漏えい等のないようにという配慮をしなければいけないということ。それから透明性の確保ということで、この個人情報の取扱いに本人が適切に関与し得るような配慮というものに努める必要があると。
 これが、法律全体を貫く、何人に対しても求められる基本原則ということで、法律上、規定されているわけでございます。
 それから、先ほど申しましたが、個人情報取扱事業者に係る義務の具体的内容につきましては、4ページをごらんいただきたいと存じますが、先ほど申しました基本原則を踏まえて、個人情報取扱事業者については、さらに個別的に、義務という形で義務規定が法律に盛り込まれているということでございます。利用目的はできる限り特定しなければいけないとか、偽り、その他不正の手段によって取得してはならない、内容は最新に保つように努めなければならない、それから安全管理のために必要な措置、あるいは従業員の必要な監督というものを行わなければならないということ。それから、透明性の確保ということで、保有している個人データの開示・訂正、あるいは利用停止というものについて、適切にしないといけないということ、また、苦情があった場合には、適切かつ迅速な処理に努めなければならないということが、個人情報取扱事業者の義務という形で規定をされているわけでございます。
 それで、資料の9ページをごらんいただきますと、このような個人情報取扱事業者の義務につきまして、どういう形でその実効性を担保するかということでございますけれども、本人等から苦情が寄せられた場合には、この個人情報取扱事業者が、まず誠意を持って苦情の処理に当たるということが求められるわけでございますけれども、この苦情については、直接その事業者を所管する主務大臣に苦情等が寄せられた場合には、主務大臣のほうで事業者から報告を聴収する。必要な場合には勧告、あるいは命令というものを出して、個人情報の取扱いについての是正を進めるということが、主務大臣の権限として認められるという形になってございまして、この勧告・命令等に従わなかった場合には、罰則が設けられているという形になってございます。
 以上が、この法案の原則となる枠組みでございますけれども、宗教活動、あるいは報道、学術研究等、それから政治活動といった4分野につきましては、全体を通じましての例外規定が設けられてございます。これにつきましては、資料の12ページをごらんいただきたいと存じます。
 「適用除外の考え方について」というものでございますが、報道、学術研究、宗教、政治という4分野につきましては、憲法で保障された自由との調整を図るという観点から、個人情報取扱事業者の義務に関します、先ほど申し上げました義務規定の適用を除外するということが、法律に明記されてございます。ただ、基本原則は適用されるわけでございますので、個人情報の適正な取扱いというものを確保するための、自主的な取り組みということは、この4分野についても求められるわけでございます。
 特に、宗教活動に関連いたしましては、この図にございますとおり、宗教団体が行う宗教活動につきましては、この個人情報取扱事業者の義務等の規定は全面的に適用を除外するということになってございます。ただ、除外される一方、自主的な取り組みの推進というものと、取り組みの内容の公表ということが求められているわけでございます。
 あわせまして、除外は宗教団体が行う宗教活動についての除外でございますけれども、配慮規定という形で、宗教団体以外、例えば個人が行うような宗教活動につきましては、主務大臣による勧告・命令というようなものを行うに当たりまして、信教の自由というものを妨げないように配慮しなければならないという配慮規定があわせて置かれておりまして、あわせまして、宗教活動については実質的にその信教の自由が害されることのないようにするという形で規定が整備されているところでございます。
 今後のスケジュールでございますが、それは13ページにございますとおりですけれども、この通常国会にこの法案が提出されてございますけれども、現在のところ、国会での審議入り、趣旨説明、質疑等は行われてございません。現在のところ、この法案については、継続審議という形で次の国会に諮られる形になる可能性が高いという状況となってございます。なお、この法律は、民間分野の個人情報の取扱いについて定める内容となってございまして、行政機関の個人情報の取扱いについては、昭和63年に既に保護法があるわけでございますけれども、それを含めて必要な見直し等を行って、次の、平成14年の通常国会に提出をして、義務規定等を含めて15年から施行したいというのが現段階のスケジュールの大まかな予定でございます。
 資料6-2は、その法案本体でございます。特に、先ほど申しました適用除外規定は、この資料6-2の33ページでございますけれども、「第6章  雑則」といたしまして、33ページに第55条としてございます。ここで書いてあるわけでございます。
 ここにございますとおり、「個人情報取扱事業者のうち次の各号に掲げる者については、前章の規定は適用しない」。前章というのは、先ほど申し上げました義務規定が書いてある章でございますが、前章の規定は適用しないという形になってございます。
 宗教活動につきましては第三号で、「宗教団体が行う宗教活動(これに付随する活動を含む。)の用に供する目的」で取り扱う場合は、前章の規定は適用しないということで、適用除外が規定されております。
 前回、ご報告申し上げましたときには、宗教活動とだけなっておりまして、括弧書きの中、「これに付随する活動を含む。」という記述はなかったわけでございますけれども、その後の法案の整理という中で、一号、二号にございます報道、あるいは学術研究との並びを考えましたときに、宗教活動、それから政治活動の2つにつきましては、いわゆる既にある法律でございます宗教法人法、あるいは政治資金規制法上の規定するところに従って、この宗教活動あるいは政治活動が解釈されるおそれがあるわけでございますけれども、一号、二号との関係でいきますと、それよりももう少し一般的な用語として、広く活動を含むという形に一号、二号はなっておりますので、それと比べてバランスを欠くような解釈がないようにということで、括弧書きに「これを付随する活動を含む。」ということを加えまして、既にある法律の定義と同一ではないということを明確化してバランスを図ったという修正が行われております。ここでご報告をさせていただきたいと思います。
 非常に雑駁で恐縮ですが……。

○ どうもありがとうございました。
 前回、ご報告いただいたのですが、まだ法案のままで国会に滞っているようでございます。その間、今お話のあったように、若干の修正もなされております。
 何かご質問なり、ご意見なりございましたらどうぞ、承りたいと存じます。

○ すみません、不勉強で。この資料の12ページで説明された配慮規定というのは、これは法案で言うとどこに……。

○ 宗務課長
 法案で言いますと、資料6-2の25ページの第40条でございます。
 「主務大臣は、前三条の規定により個人情報取扱事業者に対し報告の徴収、助言、勧告または命令を行う場合においては、表現の自由、学問の自由、信教の自由及び政治活動の自由を妨げることがないよう配慮しなければならない。」という形で、主務大臣が権限を行使するに当たって、そういった自由を妨げるような形での権限行使をしてはならないという旨を、法律上、明記しているという形となっております。

○ ほかにございませんでしょうか。
 あらかじめしっかり勉強しておられるならともかく、今ここで見たばかりでというのはちょっと無理かもしれませんが……。
 いかがでございましょうか。
 それでは、ご意見、ご質問ございませんようでしたら、次に移らせていただきます。
 次は、「法の華三法行」の裁判の状況でございますが、これについて事務局から報告をお願いいたします。

○ 宗務課長
 それでは、資料7をごらんいただきたいと存じます。
 「法の華三法行」の裁判の状況等についてでございますけれども、まず、「法の華三法行」につきましては、前代表役員の福永法源ら教団幹部が、同法人を訪ねた相談者から修行代等の名目で金銭をだまし取ったということで詐欺罪に問われて、逮捕・起訴等が行われてございます。その起訴等につきましては、1.起訴の状況にあるとおりでございまして、5月から7月10日にかけまして、平成12年に逮捕等が行われまして、結局、最終的に一連の事件で起訴された教団関係者は、福永前代表役員らを含めまして15名ということになってございます。
 この15名につきましての刑事事件の公判でございますけれども、逮捕されたものの罪状の認否、認めるか認めないかといったものによりまして、幾つかのグループに分かれておりますが、既に判決が出ているものといたしまして、平成12年10月17日に、教団の元職員の市ノ瀬被告について判決が言い渡され、懲役1年6カ月、執行猶予3年が確定してございます。
 それから、中心でございます福永前代表役員ら10名に関しましては、起訴された後の段階で、福永法源ら4名は起訴事実を否認して無罪を主張する一方、教団ナンバー2の李被告ら6名は起訴事実を認めるという形となりまして、審理が分離されて進んでございます。福永法源、それから李ら6名、それぞれ分離して進んでございますが、現段階でもまだ、公判で罪状の立証等が続いているということで、いつの時点で結審するかという見通しは、現段階では立っていない状況にございます。
 それから、起訴されました者のうちの残り4名でございますけれども、これは全面的に認める者、あるいは大筋で認める者等が含まれているわけでございますが、2ページにございますとおり、2人につきましては判決が出ております。1人は河村被告でございますが、これにつきましては平成13年5月8日に、懲役3年、執行猶予4年というものが出まして、これは確定をしております。もう1人の松本治代につきましては、判決の日がはっきりしておりませんが、懲役3年、執行猶予5年の判決が出たのでございますが、検察側が控訴しているという状況になってございます。
 それから、「法の華三法行」につきましては、民事事件があわせて各地で提起をされてございます。そこに書いてございますとおり、福岡、秋田、大阪、東京等、各地で提起をされてございます。全国で約1,200人が、請求総額約70億円の損害賠償を求めるという形で、民事訴訟が提起をされているということで、大体の判決におきましては、ほぼ原告側の請求、満額に近い額を認めるという形で、民事事件の判決も相次いで出ているという状況となってございます。
 なお、この「法の華三法行」につきましては、平成12年12月4日に「法の華」の足裏診断などで金を取られた被害者が、教団と前代表の福永被告らに対する破産申立てを行いまして、東京地裁から、渋谷区の土地や預金などの保全処分というものが、昨年の12月4日に認められてございます。それで、破産の本体のほうにつきましては、この13年3月29日、1時半に、東京地裁のほうで破産の宣告がなされまして、宗教法人法第43条の規定によりまして、破産宣告と同時に宗教法人「法の華三法行」は解散という形になっております。
 したがいまして、解散命令請求等を文化庁が行うまでもなく、3月29日の時点で宗教法人「法の華三法行」は解散という形になってございます。
 それで、先ほどちょっと申しそびれましたが、松本治代に対します判決は5月18日に出ておりまして、検察側が控訴をしているという状況でございます。
 簡単でございますが、「法の華三法行」の裁判の状況等について、以上でございます。

○ ただいまの事務局からの報告について、何かご意見、ご質問等ございましたら承ります。
 ございませんでしょうか。ほかにご意見、ご質問等ございませんようでしたら、最後になりますが、宗教法人「明覚寺」解散命令請求の状況ということで、事務局から報告をお願いいたします。

○ 宗務課長
 それでは、資料8をごらんいただきたいと存じます。
 宗教法人「明覚寺」の解散命令請求の状況についてでございます。
 この宗教法人「明覚寺」と申しますのは、和歌山県に主たる事務所を持っておりました、単立の宗教法人でございますが、この明覚寺系列の名古屋別院であります満願寺というところを中心といたしまして、全国にわたって霊視商法詐欺事件を行ったということで、これまでに代表役員らを含む11人が詐欺罪で起訴されて、既に8名に有罪判決が出されて確定していると。ただ、現代表役員、それから前代表役員ら中心人物3名は、現在控訴をしておりまして、名古屋高裁で審理中という状況の事案でございます。
 民事の関係につきましては、既に平成11年4月の時点で、明覚寺側は和解金約11億円を支払いまして、被害者等とはすべて和解が成立しているということで、民事上の争いはない状況になってございます。
 この法人につきましては、現代表役員の西川らは、まだ控訴をして争っているわけではございますけれども、平成11年7月の地裁段階の判決におきまして、多数の明覚寺所属の僧侶らによって、組織的・計画的かつ継続的に実行された大規模な詐欺事案と認定されていること、さらに、同判決の中で、宗教法人が宗教活動の名のもとに組織を挙げて行った大規模な詐欺事案として全国的に強い関心を呼び、宗教活動や宗教法人のあり方などを改めて問い直す契機となるなど、社会に与えた影響も大きいといった指摘もなされているということを踏まえまして、文化庁では解散命令を請求する事由に該当するということから、平成11年12月16日に解散命令の請求、申立てを和歌山地方裁判所に行ったわけでございます。
 その後、先方からの意見書の提出等ございまして、現在もまだ和歌山地方裁判所でこの審理が継続しているという状況にあるわけでございますけれども、文化庁といたしましては、既にこの解散命令請求事由に該当するということについては審理を尽くしているので、できるだけ早急に決定をお願いしたいということで、裁判所のほうにお願いをしているところでございますし、この6月中には、最終的な主張をまとめた書面でございます第二準備書面というもの、及びそれに関連する証拠書類等を提出いたしまして、早期の結審と解散命令の決定というものを裁判所に求めていくという方向で進めてまいりたいと思っているところでございます。
 以上でございます。

○ ただいまの事務局からの報告について、何かご意見、ご質問等ございませんでしょうか。ございましたら承りたいと存じますが。
 特にございませんでしょうか。特にご質問等なければ、本日の議事につきましては以上でございます。
 これ以外に何か、ご質問なりご意見なりがございましたら承りたいと思いますが。

○ 関連してのことなんですが、会議資料2-4にある議事録の公開等については原則があって、会議資料についても原則的に公開というのがあるんですが、今お話に出た資料7、8のような類については、これは非公開ということになるのかという点と、この会議資料の公開・非公開の決定については、会長はそこに関与されないのかどうか。
 例えば、議事録等の確認については我々も関与しますけれど、会議資料についての、出すかどうかという点の判断というのは、専ら宗務担当でおやりになる。したがって会長は関与されないのか、あるいは形式上そうだけれども、実質上は相談なさるということなのか、どうでしょうか。

○ 宗務課長
 会議資料につきましては、議事等の申合せにございますとおり、不服審査に係る資料を除き、原則として公開となってございますので、不服審査に係る資料については公開しないという前提で、もし公開する部分があれば、その都度ご議論していただいてお決めいただくと。
 ほかの資料については、原則公開ですので、特に非公開にしたいというようなことについてご議論なければ、請求があれば出していくということになるのかと思います。
 資料7と8でございますけれども、これにつきましては、情報としては、既に新聞等に載っている状況を整理したといったものでございますし、明覚寺につきましては、今後提出するということで、これも聞かれれば答える内容でもございますので、求められれば特に公開をしても構わないのではないかと思っておりますが。

○ その場合、会長の関与は……。

○ 会長として心得なければならないことについてご質問いただきましたが。
 その場合には、会として非公開にするかどうかということを諮ることがあり得るということなんでしょうか。

○ 宗務課長
 そうでございますね。

○ わかりました。

○ どうぞ。

○ 中間法人法との関係でちょっとお尋ねしてご意見をお伺いしたいと思いますが、現在、私どものような仏教既成教団では、都市開教ということで、ゼロから大都市へ出てきて法人を設立できるように、一生懸命頑張っている人がいるわけですけれども、そういった人たちが法人を設立するまでに、自己資金、あるいは教団からの応援を得て、土地を買って建物を建てている場合に、抵当権が設定されておりますと、事実上、宗教団体として活動を始めましても、設立の規則認証が事実上不可能ということになっております。
 そうすると、早く法人格を取りたい人が、中間法人で法人格を取るということを考えるかもしれませんと。税制上は優遇はないということになりそうなふうに聞いているのですが、人格なき社団と同じ扱い、現在のところは非法人の宗教団体も、人格なき社団ということで宗教法人と同じ扱いをされておりますので、その点はいいんですけれども、中間法人も人格なき社団と同じような取扱いを法人税法上されると、宗教法人法による法人にはなれないけれども、とりあえず中間法人になっておくというような団体が出てくるのかなという気もいたしておりまして、その辺は、一方では土地・建物に抵当権がついているような場合には、事実上、宗教法人になるのは不可能にもかかわらず、中間法人法では相当緩やかな準則主義ですので、なれてしまうということになると、その2つの関係はどういうふうになるのかということについて、ちょっと教えていただきたいと思いますが。

○ どうぞ。かなり専門的、実務的なご質問になりましたが。

○ 宗務課長
 ちょっと今、正確な資料を持っていないので、正確にはまた整理してご報告したいと思いますが……。
 中間法人法につきましては、この6月15日に公布されて、1年以内に施行日を決められて施行ということで、中間法人と申しますのは、いわゆる同窓会とか、いわゆる公益、財団・社団等の公益を目的とした公益法人とは言えないけれども、会の性格上、やはり会としての財産を持つとか、そういう形で法人格を持つことが適当と思われるもの、これについて法人格を認める道を開くということで考えて、法案が出たのが中間法人の法律でございます。
 中間法人につきましては、そういう同窓会しかなってはいけないという制限はありませんので、宗教活動を行う団体が中間法人法で中間法人格を持つということは、法律上は否定されていないという形になってございます。
 ただ、中間法人につきましては、今のところ税制上の特別の取扱い等はございませんので、法人の名義で財産を持つことはできますけれども、中間法人になったからといって、財団法人あるいは宗教法人と同じような税法上の取扱いが行われるということにはならないということでございます。

○ 各宗派で非法人のお寺という形のものが、そういう規則のひな型みたいなのがございまして、結構あるわけなんですけれども、そういった非法人のお寺が中間法人になりたいというようなことになって、中間法人からまた宗教法人に切りかえるというようなことが、起きるかどうかわかりませんけれども、抽象的には考えられるので、そういう場合にはどうなるのかなということを、ちょっと考えているんですけれども。

○ 宗務課長
 法令上は、中間法人から宗教法人になることは禁止されていないので、そこは可能ですけれども、果たして、中間法人に一旦なった上で、宗教法人になるメリットを、どこにお考えになるのかということなんだと思うんですけれども。
 法人名でとりあえず財産をお持ちになりたいと、個人名ではなくて、そこはきちんと分けた形でお持ちになりたいという場合には、中間法人にとりあえずなって、というのはあるかとは思いますけれども、法人名できちんと持ちたいということであれば、そこは当初から宗教活動をやっておられるわけですから、宗教法人法によって、宗教法人格を取っていただくのがよろしいのではないかと思いますけれども。

○ そうですね。ただ、非法人のお寺、寺院というのは、なかなか税務署が社団、人格なき社団として認めなくて、個人の所得だというようなことで、相当難儀をすることがありますので、そういう意味で中間法人になりたがるということはあろうかと思います。
 中間法人と人格なき社団が宗教法人になるメリットというのは、固定資産税とか非課税になるという、金銭的なことを申し上げれば、そういうことになろうかと思いますので、ひょっとしたらそういう流れは起こるんじゃないかなというような気も、私個人としてはしているのですけれども。

○ どうもありがとうございました。
 何か、それについてほかに……。

○ 宗務課長
 その辺については、実際上どう起きるかというようなことについては、またちょっとご意見を聞きながら、問題があるのかないのか、整理をしてまいりたいと思います。その辺についてはまた、次回にでもご報告をいたしたいと思います。

○ 難しい問題があるというご指摘があったと思います。
 ほかにございませんでしょうか。
 それでは、特にご発言がなければ、本日はこれにて閉会といたします。
 どうも長時間、ご協力ありがとうございました。

午後2時56分閉会

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