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最近の宗務行政について、事務局から報告いただくことになっておりますけれども、まず、宗教法人の事務所備付書類の提出状況についてご報告願います。 |
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宗務課長 それでは、関係資料、資料の9と10でございます。
まず資料の9は、「文部大臣所轄宗教法人書類提出状況」でございます。
文部大臣所轄宗教法人について、平成11年中提出期限分の書類提出状況につきましては、以下にあるとおりでございまして、宗教法人979法人のうち、提出法人数は957法人ということで、提出率は97.8%、前年と同率でございます。
なお、不活動法人等を除く、提出いただけなかった法人に対しましては、過料事件通知を裁判所に送付させていただいておりますが、その件数は、平成11年は5件でございます。
なお、平成12年中に提出期限分が参ります分につきましては、現在、督促等の事務処理を行っているというところでございますので、また後日状況がまとまりましたら、ご報告させていただきたいと存じます。
それから資料10が、都道府県知事所轄の宗教法人の書類提出状況でございます。こちらはまだ、平成11年中提出期限分につきましても、現在、督促等の事務処理というものを行っておる段階でございますので、途中経過ということで、7月末現在で集計いたしました状況でございますが、宗教法人総数が18万2,895法人、提出いただいておる法人が17万5,329法人ということで、7月末時点での提出率は95.9%という、95%を超える高い提出率となってございます。所轄の宗教法人のうち不活動と考えられる法人等を除きます全法人から提出済みの県が34県ございます。この34県は、処理が終了しておるということでございます。それから、参考の2のところでございますが、それを除きます残りの13都府県につきましては、現在、過料通知の発送準備等を含め督促等の事務処理をいまだに継続して行っている県ということでございます。なお、3点目に書いてございますが、7月末日現在までに過料事件通知書を発送した件数は、合計で882件という件数となってございます。前回は1,178件であったということで、最終的にどの程度の数字になるかどうかというのはこれからの状況によるわけでございます。
なお、全体の傾向といたしましては、平成11年中提出期限分につきましては、各都道府県でも2回目の提出に当たるということもございまして、丁寧な督促事務を行うということと同時に、初年度よりは過料事件通知の発送等を速やかに行うという方向で事務が進められているというのが全体的な状況ではなかろうかと思います。
12年中につきましては、まだ報告できる状態でございませんので、また後日、状況がまとまりましたらご報告をさせていただきたいと思います。
簡単ではございますが、以上でございます。 |
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どうもありがとうございました。
ただいまのような状況ですけれども、この点につきまして、何かご質問ございませんでしょうか。
傾向としては、だんだん提出率が非常に上がってきているという、そういうように理解していいわけですね。 |
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宗務課長 都道府県知事所轄宗教法人の初年度の提出率も96.1%ということで非常に高かったわけです。残りは、不活動等で連絡がとれない法人が多いものですから、そう急激に上がるというものではなく、前回と同程度の提出率というような傾向かと思います。 |
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同じ宗教法人が10年度も11年度も出していないのか。 |
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宗務課長 文部大臣が過料事件通知を発送した件数は、平成10年が3件で、11年が5件ということでございますが、10年と11年につきましては、2年続けて過料事件通知の対象になった法人もございますし、10年のときはご提出いただけなかったけれども、11年にはご提出いただいているという法人もございまして、引き続いて提出しない法人と、提出していただいた法人と入れかわったりはしてございます。3件がそのまま11年の5件の中に含まれているというわけではありません。 |
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過料事件について裁判で争っている宗教法人があると聞いているんですが、そういった進捗状況などは把握しておられるのでしょうか。 |
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宗務課長 過料事件につきましては、通知関係で裁判所のほうで争っておられるというふうに承知していますが、地裁のほうで判断が出た後、現在、高裁のほうで争っているというように聞いております。直接の当事者ではないわけですが、どのような形で進行しておるかということについては、いろいろな報道等に載る範囲では把握等に努めておるところでございます。まだ高裁のほうでの判断は出ていないと承知しております。 |
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裁判所で係属している件数については? |
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それは1件だけでございます。過料事件通知を送られて、過料を支払わない、制度自体に反対であるというようなことで地裁のほうに即時抗告されたのが1件だけでございます。 |
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ほかに。よろしかったですか。 |
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はい、ありがとうございました。 |
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そうしましたら、この件は以上で終わらせていただきまして、さらにまた事務局のほうから個人情報の件で報告していただきたいと思います。 |
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宗務課長 それでは、恐縮ですが、資料11の「個人情報保護基本法制関係」につきまして簡単にご説明させていただきたいと思います。
我が国におきましては、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律というものが昭和63年に制定されており、公的部門における個人情報保護というものの措置が講じられたわけでございますが、民間部門における個人情報につきまして、従来は業界団体等によるガイドライン策定というもので保護が図られてきておったわけでございますけれども、平成11年に高度情報通信社会推進本部のもとで個人情報保護についての検討が開始されまして、平成11年11月には「我が国における個人情報保護システムのあり方について」という中間報告がまとめられたわけでございます。その報告の中で、全分野を包括する基本法を制定することが必要であるという提言が行われましたのを受けまして、その基本法制定のための法制化専門委員会というものが設けられまして検討が続けられてきているという状況がございます。
その法制化専門委員会におきましては、今年の6月にそれまでの議論をまとめまして「個人情報保護基本法制に関する大綱(中間整理案)」を公表して関係団体等からの意見聴取等を行いながら、この9月末から10月初めにかけて大綱というものをまとめるということで現在検討が行われているわけでございます。
大綱の概要でございますが、資料11を1枚めくっていただきますと、1といたしまして大綱案(素案)の章立てを整理してございます。大綱案の全体構成はこちらに掲載しておるとおりでございますけれども、「目的」といたしましては、高度情報通信社会が進展していく中で、個人情報の適正な利用というようなものが図られて、個人の権利・利益を保護するということを目的とするということで、この大綱を定めるということでございます。全体構成といたしましては、3の「基本原則」のところで、ここでは個人情報を取り扱うものすべてを対象とした基本的な理念を努力規定ということで定めてはどうか。それから4番目の「個人情報取扱事業者の義務等」というところでは、個人情報データベースといったものなど電算処理等をする事業者に関連する義務規定というものを置いている。それから、政府及び地方公共団体の措置ということで、政府においては、個別法の制定や基本方針の策定等を進めると同時に、4の「個人情報取扱事業者の義務」というものについて、違反等をしているような場合には、主務大臣が改善の指示等をすることができるということにしてはどうかというようなことで、「主務大臣の指示」というものが含まれている。それから最後に「罰則」ということで、そういった指示に従わないような場合に、最終的には何らかの行政罰といったようなものなどを考えてはどうかといったことで、全体、この7章によって構成するということで議論が進んでおるというところでございます。
大綱の詳細につきましては、9月22日に開かれました法制化専門委員会に提出されました大綱案の素案修正版というものを2でつけてございますので、また詳しくはごらんいただければと存じますが、この点につきましては、4の「事業者の義務」という点に関して、いろいろ報道、それから学問の自由、それから宗教の分野等について調整が必要ではないかということで、現在その点についての議論等が行われている状況でございます。
資料の3をごらんいただきたいと存じますが、この資料11の3番目の付せんのあるところでございますけれども、「報道、宗教、学術等分野との調整について」という資料がございます。これは、この9月8日の法制化専門委員会で配布された資料でございますけれども、憲法が保障する「信教の自由」というものなどと、人格尊重の理念の下に保護されるべき個人情報の取り扱いに関する規律というものの調整の仕方については、以下の方法が考えられる、ということで、大きく4つの整理の考え方が示されてございます。
1は、法の対象から全面的に適用除外をするという考え方、それから2は、章立てごとのまとまりごと、つまり個人情報取扱事業者の義務といった章ごとに適用除外を検討するという考え方、3は、各条文ごとに検討して、適用除外が適当と考えられる条文について適用除外をしていくという考え方、4点目は、各条文の保護法益として明確化するということで、例えば「業務に支障がある場合は適用除外」といったような文言の中で読んでいくという考え方、この4つの考え方が示されて検討が現在行われておるわけでございます。
この点につきましては、現在、私どもが承知しております状況といたしましては、法制化専門委員会の中でのご意見としては、2あるいは3という形で考えてはどうかといったような意見が多く出ておるというような報道がされてございます。
それから、報道機関につきましては、基本原則の部分も含めて全面的に適用除外とすべきだという意見書を報道関係機関が提出したという報道等がされていると承知をしてございます。
現在、私どもといたしましては、適用除外というものを求めていく場合には、宗教界あるいは宗教法人・宗教団体等で自主的あるいは統一的な何らかのガイドラインあるいは指針というようなものを作成するということが一方で求められるわけでございますけれども、「信教の自由」の重要性ということにかんがみまして、報道・学術分野と同様の適用除外の方法をとっていただきたいということで担当部局等に対して働きかけを行っておるところでございます。
これからの審議といたしましては、9月29日、明日でございますが、明日法制化専門委員会で実質的な最終審議というものがあった後、10月の初めごろにも大綱が確定する予定と承知してございます。その後、法案の策定作業に入りまして、平成13年の通常国会に法案を提出してご審議いただく。実際の施行は、平成14年の4月からの施行を目指しているという状況でございます。
簡単でございますが、以上のような状況でございます。 |
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どうもありがとうございました。
この個人情報保護法との関連について今ご説明いただきましたけれども、ご質問、ご意見等ありましたら、頂戴したいと思います。いかがでしょうか。
ヒアリングは、6月30日に文部省に対してヒアリングが行われていますが、ヒアリングは1回だけですか。 |
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宗務課長 ヒアリングにつきましては、文部省は2回ヒアリングがございました。ちょっと日にちを忘れましたが、中間報告が出る前と中間報告が出た後の6月30日の、この2回ヒアリングがございました。その中で、文部省のほうでは、公開の原則あるいは開示・訂正等の原則につきましては、各宗教団体における宗教活動というのは非常に多様であって、個人情報を取り扱っている部分もある。そこで、その開示あるいは訂正等を求められた場合に、その教団等における宗教活動そのもののあり方を変えざるを得ないようなことが生じるおそれがあるので、宗教活動の関係については適切な適用除外の検討をいただきたいという旨のご説明を申し上げたということでございます。 |
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ご質問ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
では、次に進ませていただきます。 |