国立研究開発法人審議会(第38回) 議事録

1.日時

令和8年5月19日(火曜日14時00分~16時00分)

2.場所

文部科学省3階3F1特別会議室(対面参加の場合)及び Web会議形式(オンライン参加の場合)で開催

3.議題

  1. 今後の主務大臣評価において留意すべき事項等について
  2. 令和8年度の審議の進め方について
  3. その他

4.出席者

委員

千葉会長、河野会長代理、浅沼委員、伊藤委員、城戸委員、久世委員、中田委員、新堀委員、日野委員、ベントン委員、本間委員

文部科学省

西條科学技術・学術政策局長、俵科学技術・学術総括官、近藤研究開発戦略課長、髙橋科学技術・学術戦略官、西川人材政策課課長補佐、仲科学技術・学術戦略官付補佐、近藤科学技術・学術戦略官付係長

オブザーバー

野呂未来工学研究所主席研究員

5.議事録

【千葉会長】  それでは、定刻となりましたので、これより第38回文部科学省国立研究開発法人審議会を開会いたします。暦の上では夏となりました。毎年どんどん早くなっているような気がするのですけれども、気温が上がってまいりました。お暑い中、今年度初回となる本審議会にオンラインも含めてお集まりいただき、ありがとうございます。
 本日の議題は、お手元の議事次第のとおりでございます。
 本日は、議事は全て公開にて行います。
 それでは、議事に入る前に、事務局から説明をお願いします。
【仲科学技術・学術戦略官付補佐】  事務局です。本日の総会は、文部科学省国立研究開発法人審議会令第6条第1項に定める会議開催の定足数である過半数を満たしていることを御報告いたします。
 本日の配付資料につきましては、配付資料一覧のとおりとなっております。資料は、文部科学省のウェブサイト上に掲載してございますが、会場では資料を印刷して配付しております。資料1―1から資料3及び参考資料1から参考資料6―2まではお手元に配付しておりますので、不足等がございましたらお知らせください。なお、参考資料7―1から参考資料8までは、黄色いファイルに入れて机上に置いております。黄色いファイルは必要な際に御覧いただけますが、追加で必要な際は事務局にお声がけください。
 また、本日のハイブリッド形式による会議の開催に当たりまして、委員の皆様にお願いがございます。会場にお越しの委員におかれましては、御発言の際にお手元のマイクのスイッチを押していただき、マイクがオンとなった後に御発言ください。また、御発言を終えられましたら、マイクのスイッチを再度押していただき、マイクをオフにしていただきますようお願いいたします。
 オンラインで御参加の委員におかれましては、カメラはオン、マイクはオフの状態としてください。御発言の際には手のマークの挙手ボタンを押していただき、会長に御指名されましたら、マイクをオンにして御発言ください。御発言後はマイクをオフにしていただくとともに、再度挙手ボタンを押して挙手を取り消すようお願いいたします。
 以降は会場・オンライン共通となりますが、会場及びオンライン上で聞き取りやすいように、御発言の都度お名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。また、御発言の際に資料を参照する場合には、資料番号、ページ番号又はページ内の該当箇所などをお示しいただくなど御配慮いただければ幸いです。
 なお、オンラインの通信状態等に不具合が生じるなど続行できなかった場合、会長の御判断によって審議会を一時中断する可能性がありますので、あらかじめ御了承ください。
 続きまして、4月1日付で事務局出席者に人事異動がございましたので、紹介させていただきます。
 科学技術・学術総括官ですが、井上の後任として俵が着任しております。
【俵科学技術・学術総括官】  俵です。よろしくお願いします。
【仲科学技術・学術戦略官付補佐】  続きまして、科学技術・学術戦略官は、伊藤の後任として髙橋が着任してございます。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  よろしくお願いします。
【仲科学技術・学術戦略官付補佐】  事務局からは以上です。
【千葉会長】  ありがとうございました。
 それでは、議事に入ります。議題1は、今後の主務大臣評価において留意すべき事項等についてです。3件説明を聴取し、その後にまとめて質疑応答の時間を取ります。
 まずは、科学技術・学術政策局研究開発戦略課より説明をお願いします。
【近藤研究開発戦略課長】  研究開発戦略課より御説明させていただきます。資料1―1に基づきまして、本年3月27日に閣議決定いたしました科学技術・イノベーション基本計画の概要について御報告させていただきます。
 1ページ開いていただいて2ページです。基本計画は、科学技術・イノベーション基本法に基づきまして5年ごとに策定されております。1996年に第1期の基本計画が策定されてから昨年度、第6期までの概要は、資料に記載のとおりでございます。
 基本計画の特徴の一つといたしまして、5年間の政府投資目標を定めている点でございます。第6期基本計画中の政府投資目標30兆円に対し、実績では43.6兆円ということで達成しております。一方で官民合わせた研究開発投資につきましては、2024年度までの4年間の実績として86.3兆円にとどまっており、目標の120兆円を下回る見込みとなっております。
 次に、3ページを御覧ください。第7期基本計画の全体像をお示ししております。科学とビジネスの近接化、あるいはAIと科学の融合、国際的な科学人材の獲得競争の激化という現状認識、そして我が国の課題として、既に皆様御案内のとおり、トップレベル論文指標のランキングの下落、あるいは博士号取得者数、研究開発投資の伸び悩みといった点を整理させていただいております。
 中段にございますとおり、目指すべき未来社会としまして、科学技術・イノベーションの強化によって好循環を生み出し、豊かで安全・安心な社会を目指すということを示した上で、これを実現するための基本方針として、下段にあるように、科学技術・イノベーション政策の転換、あるいは推進システムの刷新を掲げまして、科学技術を国力の源泉とする方針を示しております。具体的な政策の柱といたしまして六つの柱を掲げておりますが、これらのうちの最も根幹に位置するものとして、『知の基盤としての「科学の再興」』という方向性をお示ししているところでございます。
 4ページ目以降に具体的施策を4、5、6ページ、3ページにわたって掲載させていただいております。本日は詳細、個別の施策の紹介は割愛させていただきますが、例えば国立研究開発法人の改革につきましては、4ページの右下にあるとおり、国家的課題への対応を中長期目標に位置付けること、あるいは研究施設・設備の戦略的な整備・更新等に向けて裁量を持って支出ができる仕組みを検討する、あるいは一番下にあるとおり、大学や企業との連携を進めるために十分なセキュリティ対策を担保したオフキャンパス機能の提供、人材育成等の取組を実施することが記載されているところでございます。
 初年度となる令和8年度予算としては、政府全体として6.3兆円を措置しておりまして、文部科学省としても、国立大学運営費交付金や各研究開発法人の運営費交付金含め約2.1兆円を科学技術予算として措置しているところでございます。文部科学省としては、来年度以降もしっかりと予算確保に努めてまいりたいと考えておりますが、措置されている令和8年度予算あるいは過年度の補正予算等で措置された事業をもって、AI for Scienceの取組など科学の再興の実現に向けまして関連する事業を進めていく所存でございます。
 本日の御紹介は以上とさせていただきますが、引き続き有識者の先生方あるいは現場の研究者の皆様との対話を図りながら、関連する事業をしっかりと推進してまいりたいと考えております。
 私からの説明は以上とさせていただきます。
【千葉会長】  ありがとうございました。では続いて、事務局より説明をお願いします。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  続きまして、資料1―2日本成長戦略会議における国立研究開発法人に関する検討状況について御説明いたします。
 資料1―2の2ページ目を御覧いただければと思います。昨年11月に、更なる経済成長を実現するために、総理を議長とします「日本成長戦略会議」が発足いたしました。このページの左にありますけれども、AI・半導体、造船、量子等17分野に関するワーキンググループ、そしてその上に戦略分野分科会が設けられました。また、右側にございますけれども、分野横断的課題への対応ということで、特に文部科学省に関連が深いものとしましては、まる2にございます人材育成、また、まる1にございます新技術立国・競争力強化、これらの分科会等で議論が行われているところでございます。
 3ページ目を御覧いただければと思います。分野横断的課題への対応の方向性ということで、これは4月22日の成長戦略会議の資料からのものでございます。新技術立国・競争力強化のパートにおきまして、新技術立国の実現とグローバル市場の獲得、経済安全保障の強化、「技術で勝ってビジネスでも勝つ」新技術立国の実現の文脈の中で、この赤囲みの(3)のところでございますけれども、研究開発法人等の技術シーズの徹底した社会実装を実現ということで、国家的課題への対応という国研のミッションを明確化し、プラットフォーム機能を強化・セキュアなオフキャンパス機能の提供、産業技術総合研究所によるベンチャーキャピタルへの出資業務の追加、その他、国研等の研究開発に係る調達手段の運用柔軟化を検討、老朽化した研究施設・設備の戦略的整備・更新に向けた制度的対応等が盛り込まれているところでございます。
 4ページ目でございます。同じく人材育成のパートにおきましても、「成長分野」を牽引する科学技術人材・クリエーティブ人材の育成というパートにおきまして、この赤囲みのところでございますけれども、産業イノベーションを牽引する研究大学群の形成や国立研究開発法人の機能強化ということで、特に(b)のところでございますが、17の戦略分野に対応した大学や国立研究開発法人のプラットフォーム機能の強化ということで、企業や大学等に対する研究施設・設備、専門人材の知見、セキュアな環境を担保したオフキャンパス機能等の提供等が盛り込まれたところでございます。
 5ページ目でございます。これは4月27日に開催されました第5回日本成長戦略会議人材育成分科会において文部科学大臣が取りまとめました「人材育成システム改革ビジョン」の中で、成長分野を牽引する人材育成に向けて、新たな研究大学群の形成や国立研究開発法人のプラットフォーム機能の強化を進めていくことと取りまとめられたところでございます。
 具体的には、強い経済の基盤となるのは優れた科学技術力との認識の下、2月の総理の施政方針演説で打ち出されました、基礎研究を含めた科学技術研究の基盤を強化し、イノベーションを通じた経済成長や国際的地位の確保を達成する「新技術立国」の実現に向けて、人材育成、活躍を促し、研究成果の社会実装の好循環を作り出すことを目的に、この図の主に右側でございますけれども、戦略分野ごとに国研に求めるプラットフォーム機能を政策文書等で位置付け、民間企業・大学等に対して、国研の有する研究施設・設備、先端的な大型施設、研究データ、専門人材の知見、セキュアな環境を担保したオフキャンパス機能等の提供を通じたプラットフォーム機能の構築・強化、また、これらを通じて、国研が中核となって企業・大学・行政の協働を促進し、研究成果の徹底した社会実装により戦略分野の成長を実現することを目指すものとしております。
 また、図の左側部分ですけれども、大学群の形成につきましては、17の戦略分野等において、高い研究力を有し、それらの研究開発、社会実装や人材育成を通じて我が国の産業競争力・研究力強化への貢献を狙うものとして、経済産業省とも連携し検討を進めているところでございます。
 これらにつきましては、今後、例年、通常国会の会期末頃に閣議決定されております「成長戦略」に盛り込まれていくことになると承知しているところでございます。以上が1―2の説明でございます。
 続きまして、資料1―3でございます。これについては多少簡略化して御説明いたします。今年度評価作業を行っていただくに当たって参考資料的な位置付けでございますけれども、一つ前の第6期の基本計画のうち国立研究開発法人に関する主な記述を抜粋させていただいたものでございます。
 5ページ目以降は、「統合イノベーション戦略2025」、これは年次戦略でございますけれども、このうち国立研究開発法人に関連する主な記述について抜粋させていただいたものでございます。量子技術、フュージョンエネルギー、マテリアル等、項目別に国研に関係するところについて抜粋させていただいております。
 取りあえず、説明は以上でございます。
【千葉会長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について質問、御意見等ございましたら、御発言をお願いします。研究開発戦略課の近藤課長は、議題1の終了後に退席されますので、第7期基本計画に関する御質問はこの議題にてお願いいたします。
 それでは、オンラインの委員も含めていかがでしょうか。では、伊藤委員、どうぞ。
【伊藤委員】  東京大学の伊藤です。御説明どうもありがとうございました。イノベーション等の創出には異分野の交流がやはり重要だと思っておりまして、このプラットフォーム機能の構築強化というのは非常に重要だと私も認識しております。
 そういう中で、トップダウン的に提供するということと、もう一つはやはりボトムアップ的なものをどうやって拾っていくかというのがすごく重要だと思っておりまして、それ自身が国立研究開発法人の中でどう生かされるかというのが重要だなと思っています。JAMSTECが私の担当ですけれども、ぜひJAMSTECでもそういうボトムアップ的なものを拾い上げるような仕組みを作っていきたいと思っておりますが、この点何か文科省さんの方でお考えとかがありましたらお聞かせいただけると非常にありがたいです。
【近藤研究開発戦略課長】  ありがとうございます。今お示しいただいているのは、日本成長戦略会議の方の資料のここのプラットフォーム機能のことでしょうか。
【伊藤委員】  今画面でお示しいただいているようなものです。
【近藤研究開発戦略課長】  各国立研究開発法人はやはり運営費交付金の中で研究開発を進めているというところで、中長期目標に従って行う研究開発、あるいはボトムアップ的に行う研究開発も重要だと思っています。これは国研に限らず大学もそうだと思いますけれども、ボトムアップの研究開発とトップダウンの研究開発のバランスが非常に重要だと思っています。中長期目標を定める議論の中でその辺を考慮して、各国研の中で方向性を示していただくということが必要なのかなと思います。
【俵科学技術・学術総括官】  ありがとうございます。今ここで見ていただいているものは、これ自体は、研究開発法人が持っている機能を幅広く大学の研究者の皆さんも含めて活用してもらうことが大事であると。特に研究開発法人の場合はセキュアな環境が比較的確保できているので、そういった環境を生かしていきたいということでここに示しているというのがこの内容になります。
 今、先生から、トップダウンとボトムアップ、両方大事だろうという話があって、それは研究を実際に行っていくに当たっては、トップダウンだけではなくて、研究開発法人においてもやはりボトムアップの考え方が大事だと思うので、実際の研究の場としての研究開発法人においてどういった形で研究を進めていくかということについては、今、先生からいただいたようなトップダウンの要素とボトムアップの要素、両方あると思いますので、それをうまくミックスさせた形で進めていくというのが大事だろうと思います。
 それはまた今後、個々の研究開発法人においてどのように研究を進めていくかという中でも議論があると思いますので、是非、JAMSTECにおいても、そういったことが大事だということも言っていただきながら、法人の中での研究の進め方の中に生かしていきたいと思います。
【伊藤委員】  ありがとうございます。
【千葉会長】  よろしいでしょうか。それでは、日野委員、お願いします。
【日野委員】  御説明ありがとうございました。東北大学の日野でございます。
 今の伊藤委員へのお答えの中でも引用がありましたけれども、何度も同じようなキーワードが出ております。それは「セキュアな環境を担保したオフキャンパス機能等の提供」。例えば今、資料1―2の4ページ目を見ていたりするわけですけれども、ちょっと具体的なイメージがよく分からない。今の説明で、我々の立場で言うと、研究開発法人にあるリソースを大学法人の研究教育に生かすということに道筋を開こうとしてくださっていると思うのですが、それそのものは今までもそれなりに達成できていたわけですけれども、どの辺にどのように力を入れて実現、強化していこうとしているかというようなところを、やや具体的なイメージも交えて御説明いただければ幸いでございます。よろしくお願いします。
【俵科学技術・学術総括官】  ありがとうございます。これは全体の方針としては、今、先生からいただいたように、ここに書いてある内容をベースにして具体的に進めていこうと。やはり研究開発法人においてもそれぞれ持っている役割・機能あるいは体制が違うと思いますので、現状、それぞれの研究開発法人が具体的に検討を進めているところになります。この方針を踏まえながら、また、研究開発法人のそれぞれの役割やこれからの計画を踏まえて具体的にどのようにしていこうかと考えているところなので、まだこれから具体的な取組を考えるという、そういう段階かと思います。
【日野委員】  ありがとうございます。これからということであれば、例えば先ほど伊藤委員がJAMSTECの名前を挙げておりましたけれども、ほかにも大学と密接な関係がある法人がたくさんございますので、そういうところで実際、現在進行形で協力をやっているような中から、特にどこに力を入れていけばいいかというようなプランをどんどん打ち込んでいけばいいと、そんなイメージだと思っておればよろしいですか。
【西條科学技術・学術政策局長】  局長の西條でございます。御質問ありがとうございます。
 正にこれから、当然、各法人にどういう形でこういった取組をしていただくかというのは議論していくということではございますけれども、御指摘がありましたように、もう既に例えば半導体分野におきましても、研究開発法人の方がいわゆるハブとなって、これは逆に言うと、大学にいる方をクロスアポイントメント等で集め、そこに民間も入ってくるという形です。
 特に先端分野になりますと、どうしてもセキュアな環境を作っていくというのはなかなか大学では難しいところもあると思いますので、そういった意味ではそこに人が集まるような、正にプラットフォームを提供する、そこにはセキュアな環境があるという形で、逆に社会に押し出していくことを加速するというようなことをやれるのではないかと。もう既に一部で取り組み始めておりますけれども、そういったところが具体的なイメージになるかと思っております。
 17分野を中心に今後力を入れていくということですので、そのような場合において、よりそれぞれの分野において強みを持つ国研がこのような環境を提供していき、そこに政府としても資金を投入していくという考え方になろうかと思っております。
【日野委員】  ありがとうございます。国研がハブとしての機能を強化していくのだということだと理解しました。ありがとうございます。
 以上です。
【千葉会長】  ありがとうございます。では、会場から久世委員、その次、ベントン委員にお願いします。
【久世委員】  御説明ありがとうございます。第7期の基本計画、資料1―1の2ページと3ページについて質問させてください。
 まず、2ページです。第6期では、官民研究開発投資が、120兆円の目標に対して86.3兆円とお伺いしたように思います。かなり下回っていますが、その主な要因分析がありましたら教えてください。
 これに対し、3ページの第7期では、政府目標が60兆円、官民目標が180兆円となっています。官民目標180兆円は、かなりチャレンジングな値ですが、180兆円の実現性はいかがでしょうか。投資額のKPIは、最終目標ではなく、基本計画の六つの柱を実現するための手段やトリガーです。しかしながら、数値目標も重要ですので、その2つについて教えていただけますか。
【近藤研究開発戦略課長】  私からまず、事実関係をお答えさせていただければと思います。
 まず、86.3兆円は4年間の実績です。2025年度の数値はまだ確定値が出てないのでそこに追加されますが、4年間で86.3兆円なので、120兆円は下回る見込みということを申し上げさせていただきました。その原因分析というところはまだできていません。
 次に目標として180兆円を掲げた根拠というところですが、皆様に御案内のとおり、研究開発投資について、我が国は過去からそんなに大きく上がってきていない中で、中国、米国などはどんどん投資を増やしているというところをもって、この主要国と比べて小さいことを踏まえて、意欲的な数値を設定したというところでございます。また、GDPの見通しに対する割合とかそういうところも考慮しながら、このような数値目標を設定させていただいているということでございます。
【西條科学技術・学術政策局長】  局長の西條でございます。今、近藤課長からも説明があったとおり、事実関係はそうでございます。
 今回この180兆円の官民目標というところについては、相当、経済界ともお話はさせていただきました。先日経団連さんも、新科学技術戦略という形で総理にも手交していただきましたけれども、かなり経済界もやはりこのようなところへの投資の重要性を前面に押し出していただいています。一応目標値では、今回は第7期基本計画中の180兆円がありますけれども、2040年には年間で50兆円。180兆円でいえば、5で割れば36兆円でございますけれども、2040年にはそれを上回るような投資を目標とすべきと。これは官民なので当然官としても努力をしなければいけないのですが、そういったかなり野心的な提案はいただいています。
 背景としては、これは経済産業省で昨年の5月に2040年の産業構造という形で提言も出していただいていて、その中でやはり国内投資を相当増やしていくという目標値も掲げられておりますので、政府全体の大きな動きと軌を一にしてこういう形で進めていくという形で経済界も共鳴をしていると思います。
 今回の基本計画の中でも大分訴えていますけれども、基礎研究力を含めて科学とビジネスの近接化、かつ、そういったものがすぐ国力に直結するという認識の下で、やはりここの投資をしっかりと行う。これは投資だけでなく、もう一点大きいのはシステム改革が必要だと。これも我々の方でも訴えさせていただいていますが、質と量をしっかりと変えていくことによって、やはり国家戦略としての科学技術を前に進めていくということを官民共に前に押し出していこうということがこの数値的にも表われているというところが我々の考え方でございます。
【久世委員】  大変よく分かりました。ありがとうございます。
【千葉会長】  今の特に数字のことについて私もいろいろ考えていることがあるのですけれども、特に企業さんにとって巨額のお金を出すというところのモチベーションって、もちろん投資したものがどれぐらいで回収できるかとかいうのはあります。今まで日本はそうやって経済成長してきた経験があるのですけれども、これからかなり安全保障も含めて、要するに、そこに資金を投入しないと日本の基盤そのものが揺らいでしまって、その結果、経済成長が進まないというような、そういうものがたくさん出てくると思います。
 ですから、そういうところにちゃんと資金を投入して、まず足場固めをする。これは人材の育成もそうなのですけれども。そういうところに対する意識を高めていってもらうというのは、特に文部科学省とか、そういうところを所掌しているところが積極的に発信していくべきことかなと思っていますので、是非、皆さんと力を合わせてこういう目標に向かっていければと思っています。これは全て私の私見でございます。
 では、続いて、ベントン委員、お願いします。
【ベントン委員】  どうもありがとうございます。ベントンです。博士人材の育成についてお聞きします。国際的に、日本の技術力のレベルはどんどん下がっています。その一つの大きい要因は博士人材が少ないことです。この問題はとても複雑で、包括的な対策が必要だと思います。企業もなかなか博士人材をふさわしい待遇で雇用しない、また使いきれていない。親の反対の問題もあります。そもそも、大半の高校生も博士への道があり得ることも知らない。とても複雑な問題で抜本的な対策が必要だと思っています。第7期の基本計画と第6期の基本計画では、博士人材の育成の促進計画の違いはどのようなものですか?
【近藤研究開発戦略課長】  ありがとうございます。まず、KPIの設定のところについては9ページを御覧いただければと思います。博士入学者数、博士号取得者数を、今現状では1万5千人前後のところを2030年度に2万人にするというのを数値目標として掲げさせていただいています。これに向けて今、博士課程学生への経済的支援だとか、大学院の施策とかを総合的に推進しているところですので、KPIとしてはこういう目標を定めさせていただいているというところが第7期の新しい点となります。
【ベントン委員】  そのKPIを達成するためには何か新しい政策はあるのでしょうか。
【西川人材政策課課長補佐】  担当課の人材政策課でございます。今回目標と掲げている2万人の関係でございますけれども、今説明があったとおり、これまでの博士人材の、今正に学生として在学中の方もそうですし、多様なキャリアパスの確保というところもございますし、そういったところは引き続き行ってまいります。それ以外にもやはり博士課程の学生さんの研究者としての活躍を促進するということで、例えばリサーチアシスタントとしての雇用とか、ティーチングアシスタントなどの形で、これまでの通常の既存の支援以外にも、研究者として更に活躍できるような支援も行っていければと考えてございます。いずれにしましても、博士人材の多様な場での活躍というところが一つキーワードになってくると考えてございます。
【ベントン委員】  そうですよね。もちろん、大学だけで全ての博士人材を雇用し切れないので、企業や経団連の努力と理解が必要です。それがないと博士人材の雇用は進まないです。
【西川人材政策課課長補佐】  はい。当然、経済産業省含めて、企業の方でも活躍を促進するというところもございますので、これまでも、例えば博士人材の活躍の事例を広げるということでロールモデルの事例集とか、あるいは博士の方々の活躍の場を、お互い好事例を情報交換するような博士フェスといったようなイベントの形で博士をプレーアップするような取組も行っているところでございます。
【ベントン委員】  分かりました。
【千葉会長】  ベントン先生、ありがとうございます。非常に重要なところの御指摘だと思います。要するに、今の延長でもっと頑張れと言うだけでは、数字は多少伸びたとしても、実質的な大きな成果にはなりにくいだろうということ、これはまずみんなが認識しなきゃいけないと思います。
 先ほど国研との連携というのもありますけれども、これは一つのやり方で、国研の場合は社会実装のところまでかなり近いところをやっていくということで、そういうところに博士の人材が一緒に勉強して博士を取っていくとか、企業さんも巻き込んでいくとかということ。要するに、大学教授の後継者を育てるという今までの考えからかなり踏み込んだところに行かないと、人数もそうですし、日本の国力を上げていくというところにつながっていかないだろうと思うわけです。ですから、では、これからの博士とはどういうものかというところからしっかりと皆さんで定義して考えて、そしてそれにかなった教育とか研究体系を作っていくということを、かなりスピード感を持ってやることが重要かなと思っています。
【ベントン委員】  この問題を解消しないと、今後も、日本の世界的立場はのびるより、少しずつ下がっていくと思うので、是非お願いしたい。
【千葉会長】  そこがすごく重要なところですよね。
【ベントン委員】  はい。お願いします。
【千葉会長】  私もそう思っています。貴重な御意見ありがとうございます。どうぞ、中田委員。
【中田委員】  ありがとうございます。JAMSTEC担当の中田です。JAMSTECだけではなく、いろいろな国研がそれぞれ特徴的な大型な施設を持っています。資料1―1の4ページに、「研究施設・設備の戦略的な整備・更新等に向けて裁量を持って支出できる基盤等の仕組みを検討」とありますけれども、それが具体的にどういうものなのかということと併せて、更新できる仕組みだけではなくて、やはり絶対的な費用をきっちりと積んでいくということが重要だと思うので、その辺についてもどのような戦略をお持ちなのか教えてください。
【近藤研究開発戦略課長】  ありがとうございます。これは基本計画の本文の前段部分に何が書いてあるかというと、自らの収入の増加分や多元的に構築した収入を蓄積ということで、外部資金を念頭に置いた記述になっています。
 ただ、中田先生がおっしゃるように、各法人の運営費交付金あるいは施設整備費を増やしていかないと老朽化した施設の更新もままならないと思いますので、これは各法人でしっかり予算確保できるように所管課と相談しながら進めていくということかと思います。
【中田委員】  ありがとうございます。その辺後押しできるように参加できればと思っております。
【千葉会長】  それでは、よろしいでしょうか。もしよろしければ次の議題に進みたいと思います。
 それでは次に、議題2に入ります。議題2は令和8年度の審議の進め方についてです。2件説明を聴取し、その後にまとめて質疑応答の時間を取ります。それでは、事務局より説明をお願いします。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  それでは資料2ー1を御覧いただければと思います。本審議会の本年度の予定、審議の進め方について御説明申し上げます。
 2ページをお開きいただき、令和8年度の欄を御覧いただければと思います。今年度につきましては、毎年行っていますけれども、所管8法人の実績評価に加えて、JSTについては見込評価、そしてJAMSTECにつきましては期間実績評価、そしてJAEAにつきましては、この4月に理事長が再任されましたので中間評価を行うという年に本年度はなってございますので、よろしくお願いいたします。
 3ページにつきましては、今説明したことが文字で出ております。
 4ページが具体的なスケジュールでございます。中ほどの審議会の欄を御覧いただければと思います。本日、評価の進め方ということで今年度第1回目の審議会を開催させていただきました。
 8月上旬に2回にわたって、先ほどの8法人の業務の実績評価に加えまして、JSTの見込み評価等について御審議いただきます。8月末、これは例年と一緒でございますけれども、業務の実績評価等の決定をし、総務省の独立行政法人評価委員会等による点検が開始されるということでございます。
 そして、年明けぐらいに第4回目の審議会を開催し、JSTの次期中長期目標案について御審議いただくという予定でございます。その後、総務省独立行政法人評価委員会や財務省との協議等を経て、JSTに係る次期中長期目標を決定していくというようなスケジュール感になっております。
 5ページ以降につきましては、昨年の第6期が開始するときの会合、昨年4月の会議で丁寧に説明させていただいたところでございまして、これについては詳細な説明は割愛させていただきたいと思っております。
 12ページ以降については、例のS・A・B・C・Dの評価の意味合いとかこの辺を資料として用意しておりますけれども、今後の今年度の評価に当たって手元の参考資料として御活用いただければという趣旨でスライドをつけさせていただいております。
 続きまして、資料2―2でございます。これにつきましては、この審議会が平成27年に設置されて以降の議論されてきた評価の在り方や指標の観点についてメモとして引き継いできたもの、まとめられてきたものということでございまして、法人の評価や運営についての意見でございます。これらにつきましても、今後始まる、6月辺りでしょうか、各法人における自己評価を行う際の視点として、あるいは各部会における主務大臣評価の効率的・効果的な審議に役立てていただきたいという趣旨で本日も配付させていただいております。
 これまで言われてきた話として、研究開発者のモチベーションを下げない、更に上げる、チャレンジさせるような評価プロセスの工夫であるとか、あるいは長期テーマのプロセス評価についての工夫の話。2ページでございますけれども、先週も理研のサイトビジットがございましたけれども、サイトビジットについては現場と評価をつなぐということで非常に大事であるとか、こういった御指摘をいただいているところでございます。これまでいただいてきたものについて、例えば5ページでございますけれども、年度評価と見込評価等の関係について等、こういった項目別にまとめているものでございます。これも、今年度評価していただくに当たって御参考にしていただければということで資料として用意させていただきました。
 そして、最後でございますけれども、資料2―3でございます。これは昨年7月のJST部会で久世部会長からも御指摘いただいたと引き継いでおりますけれども、業務の実績に関する評価、大臣評価書の見やすさといいますか、そういった点がもうちょっと工夫できないのか、ということもございました。1が従来の様式でございます。これを3ページ目ですけれども、こういった形で、左側は法人作成の自己評価書を別添とし、よりフォーカスを当てるべき右側の主務大臣による評価を記載する欄を拡充し、見やすさの改善とともに全体のページ数の削減にもつなげるということで工夫させていただいたところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
【千葉会長】  ありがとうございます。それでは、ただいまの説明について御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。
 どうぞ、河野委員。
【河野会長代理】  日本製鉄の河野でございます。御説明いただきまして、ありがとうございます。ここのところ、評価の項目の中でやはり社会実装というキーワードがかなり出てきています。もちろんビジネスと基礎研究の接点が多くなっているということで社会実装というのが非常に重要になってくるというのは重々理解しているのですが、例えば評価に当たって、その意味、定義というのがかなり分野によっても曖昧といいますか、なかなか定量化はしにくいと思うのですけれども、指標がちょっと曖昧だなというところがあります。その辺りは、例えばこんなものだと社会実装としてうまくいったとか何かそういった事例を幾つか出していただくと、評価の方はやりやすいかなということを思うのですけれども、その辺りはいかがお考えでしょうか。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  法人によって大分社会実装の具体例というのが異なってくるのかなとも思いますけれども、これまでの評価でも、具体例を挙げながらやっているところですが。
【仲科学技術・学術戦略官付補佐】  事務局の仲です。今、戦略官が申し上げましたとおり、分野ごとにそれぞれ状況が異なっておりますので、8法人で統一したラインはちょっと引きづらいというところがございます。社会実装というのは、要するに、研究開発した結果が社会に生かされているかどうかというところになると思いますので、その点に関しては実績を各法人から聞き取る際に具体例等を説明していただいて、それを評価上どのように扱うかというところを委員の皆様に御検討いただくのがよろしいかと思います。
 特に宇宙みたいなところはもう完全に実用化に根差した活動が行われておりますけれども、材料分野とか量子になりますとやはり学術的な部分が多いので、それを社会実装しましたというときに分かりにくいと。やはり社会実装というふうにはなかなか第三者の目線で分かりづらいので、そういったところがうまく説明できれば、社会実装の業績が上がったと見ることも可能だと思います。その辺につきましては、各部会の委員の皆様の中で御検討いただいて、その結果を総会に上げていただければ、皆様で御納得いただく結果が出るのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
【河野会長代理】  分かりました。どうもありがとうございます。タイムラグとか時間的なスパンとかも多分分野ごとに違いますので、部会ごとでまずそういった議論を審議の前に何か協議するという場があってもいいかなと思います。ありがとうございました。
【千葉会長】  本間委員、どうぞ。
【本間委員】  福島医大の本間です。御説明ありがとうございました。今の点と関連しまして、QSTの方では、多分いろいろな企業からの資金投入がどのくらいあったでしょうか、それから知財という観点から、特許を何件取得、あるいは海外国移行何件という、そういった細かい数字が出ていたかと思います。それから、外部資金をどれだけ獲得したかという、そういういろいろな評価指標があると思いますので、個人的には、社会実装というのは研究側の立場としてはものすごく道のりというものが目新しく、また、険しく大変だということを、多分、普通の研究者はすごく実感していると思いますので、そこをサポートする仕組みというのもお教え頂きたく、国立研究開発法人として成功例をどんどん発信していただきたいというふうに思います。ありがとうございます。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  ありがとうございます。そういった点も踏まえまして対応できればと思います。
【千葉会長】  ほかいかがでしょうか。新堀委員、どうぞ。
【新堀委員】  東北大学の新堀でございます。
 担当はJAEAでございます。資料の2―2に法人評価に関する項目というのがございます。1ページ目ですね。(1)のところでございましたが、このお話と、先ほどその前段で、資料1の例えば1―2で日本成長戦略会議の資料を見せていただいた中で、5ページ目には国研の役割といったものも明確に記載されています。特にイノベーションの創出と言う話もよく出てまいります。
 今の御質問にも関連すると思いますが、資料2―2に書いてある評価に関する事項という中に、イノベーションの創出というものを、行間を読むといいますか、そういったものを見ながら評価をしていくことかなとは思いつつも、先ほどの資料1―2とそれからこの資料2-2の法人に関する、評価に関する事項といったことが直接的には結びついていないようにも思います。何か事務局の方で補足していただくとありがたいのですが、いかがでしょうか。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  ありがとうございます。
 資料の2―2につきましては、これまでの議論の蓄積ということで整理された性格のものでございまして、資料の1―2につきましては、今正に議論して、もちろん急に降って湧いてきた話では当然ございませんけれども、そういった形で特に国研については、プラットフォーム機能の発揮という辺りをフォーカスしてやっているところでございまして、当然、更に進んでいく段階で、評価の段階で、また資料2―2にあるような視点を更に発展させるような形で、そのような視点も取り入れながら対応していく必要があるかなとは思っております。
【新堀委員】  そうしますと、資料1―2の5ページ目にある国研の役割といったものは、当然意識に置きながら、この資料2―2にある今までの評価、そういったものも加味しながら評価をさせていただくと、そういうような理解でよろしいということですね。
【仲科学技術・学術戦略官付補佐】  事務局の仲です。御質問ありがとうございます。
 先ほど戦略官からも申し上げましたとおり、委員会の中で出てきた意見をまとめたのが資料2―2でございます。この内容自体は修正しないとかそういう問題ではございませんので、新たにできました基本計画等も踏まえて内容を見直していくことも考えておりますので、今、新堀先生からいただきました御意見を踏まえまして、ちょっと事務局で内容を修正した上で、また皆様に御展開したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【新堀委員】  ありがとうございます。以上です。
【千葉会長】  大事な点の指摘をありがとうございます。
 ほかいかがでしょうか。どうぞ。久世委員、どうぞ。
【久世委員】  まず、資料2-3の評価書の簡略化は、JST部会の意見として挙げさせていたただきました。1ページと3ページを比べますと、かなり評価の方を中心に思い切った簡略化をしていただき、部会の意見を十分反映いただき、ありがとうございます。
 質問は資料2-1に関してです。これもJST部会で議論があり、評価の基準がBであるのに、かなりAに寄ったような評価が多くなっているのではないかということでした。今回、困難度を導入し、評価基準を達成していても困難度が低い場合は、それはAとしないということだと理解しました。
 また、目標設定時には困難度は高くても、評価時に下がっていたら、評定を一段引き上げないということだと思います。ただ、この困難度自体の客観性が、難しくなっているのではないでしょうか。そこの客観性の担保に関して、どのように考えられていますか。
【仲科学技術・学術戦略官付補佐】  事務局の仲です。
 御指摘の点は非常に難しい問題だと我々も考えておりまして、特に、その時点での困難度が、数年経てば別に困難度が高くなくなることもあります。そういった点につきましては、法人自体がいろいろ考えた上で設定しているという面がございます。
 それにつきましては、なかなか我々事務局の方で困難度の設定が適切かどうかについて判断するのは難しく、客観的な、いわゆる第三者目線では分かるのですが、専門分野から見てどうかというところはなかなか判断しづらいところがありますので、その辺につきましては、是非、各部会の皆様で御検討いただければありがたいというふうに考えております。
 特に、今おっしゃられたとおり、困難度が実際どうだったかという部分を評価の際にもちょっと加味いただいて、設定した当時は困難度が高いと思われていたとしても、技術の進展によって低くなったとした場合にはAにするかBにするかというところを御議論いただければなというふうに思っているのですけれども、そちらでいかがでしょうか。
【久世委員】  分かりました。そうしますと、評価対象は、研究が主題とする先進技術や基礎技術ですね。技術課題自体の困難度もありますが、最近のAIのように研究を支援する道具立てが進化すると、研究プロセスの困難度がかなり変わってくるように感じています。
 したがって、研究テーマそのものだけでなく、AI for Scienceの範疇かもしれませんが、研究プロセスの変革の動きと連携しないと評価が難しいと考え、お伺いしました。
【仲科学技術・学術戦略官付補佐】  ありがとうございます。正に御指摘のとおりだと思います。その点も含めまして、法人にきちっと説明していただけるように連絡したいと思いますし、それを踏まえまして皆様の御意見も随時いただければありがたいと思います。
【久世委員】  ありがとうございます。
【千葉会長】  すごく重要な視点ですね。一般論かもしれないですけれども、研究、自分が取り組んでいることについてのレベルを上げていくというのは、当然、最大限の努力をして、レベルを高くして、そこにAIを使ってもっと加速して、これは間違いなく高いレベルを目指していくというアクティビティになるのですけれども、問題はその外ですね。
 例えば、その研究者じゃないところ、あるいは海外がもっと早く進んでいたら、自分のところは一生懸命やっているようですけれども、実は相対的には下がってしまうということですよね。この辺りというのは結構いろいろな視点でお互いに指摘し合いながら進めないと、本人はすごく高いレベル、あるいは自分の機構は高いレベルだと言っていても、海外はもっと早く進んでいることもあります。この点、こういうところをしっかり見ていくというのが、実は日本の基盤力をつける、強化する上でもすごく大事な点じゃないかなと思いますので、私も久世委員の御指摘は非常に本質的なところではないかなというふうに思いました。
 ほかいかがですか。よろしいでしょうかね。
 それでは、次に進みたいと思います。そうしましたら、議題3に入ります。議題3はその他です。事務局が毎年行っている調査の結果の説明を聴取し、その後に質疑応答の時間を取ります。それでは、事務局より説明をお願いします。
【近藤科学技術・学術戦略官付係長】  
 それでは、「国立研究開発法人における知的財産の創造等に係る取組状況に関する調査」の調査結果概要を御説明いたします。本日は、特に好事例や今後の方向性に重点を置いて御説明をさせていただきます。
 1ページを御覧ください。調査の背景です。知的財産基本法などの下、研究成果を創造・保護・活用する知的創造サイクルの推進が図られており、これを支える人材の確保や知的財産マネジメントの強化が重要となっています。
 知的財産は国研にとって研究成果を社会的価値へと転換するための中核的な仕組みであり、産学官連携やイノベーション創出の基盤となるものです。国研は高度な研究成果の創出や社会実装への橋渡しといった役割を担っており、知財は研究成果を社会実装へとつなぐ手段として重要な位置を占めています。
 本調査では、各国研の取組を分析し、国立研究開発法人審議会における審議に役立てていただくとともに、国研の事例等を整理することを目的としております。
 3ページを御覧ください。自ら研究開発を行う国研と研究開発支援機関を対象に文献調査、アンケート、ヒアリングを実施しました。本日の説明では、文部科学省所管の国研の取組を中心に御説明いたします。
 4ページです。自ら研究開発を行う国研について、創造、保護・管理、利活用、組織・人材、マネジメント等の5つの観点で調査を行いました。
 5ページを御覧ください。知財の創造に関しては、組織内外の連携が進んでいます。特に知財、産学連携、スタートアップ支援部門の一体化や複数企業とのオープンプラットフォームといった取組が見られます。
 6ページです。インセンティブの設計としては、研究者個人への報奨金制度が整備されているものの、研究現場への還元は限定的です。
 7ページです。出願判断プロセスは合理化が進んでいます。
 8ページです。(7)のとおり、ノウハウを一元的に管理している国研が複数ありました。
 9ページです。(4)のとおり、知財のオープン・クローズ戦略を考慮したマネジメントが定着しつつあります。
 10ページです。(8)のとおり、国研発スタートアップへの支援の制度の整備が進んでいます。
 11ページです。多くの国研で知財に係る専任部署が整備されていますが、職員数や専門人材に関しては幅があります。また、研究者への人事評価への知財創出等の反映は一定程度行われています。
 12ページです。また後ほど触れますが、特許出願数や知財収入等の数値は国研間で大きく差があります。
 13ページです。国際標準化の活動については遅れており、生成AI等の活用についても導入は限定的です。
 14ページを御覧ください。論文数は研究者数に比例する一方で、特許件数や知財収入は実用可能性や活用状況等に左右されるため、研究者数との単純な相関は見られません。これは知財が量ではなく質や戦略に左右される可能性を示しています。
 15ページです。原単位分析では効率に差が見られましたが、ここで重要なのは、各機関が研究分野やミッションが大きく異なるという点です。したがって、分野特性を踏まえた多面的な評価が必要であると考えられます。
 16ページを御覧ください。ここからは好事例です。
 一つ目は、研究現場への還元の仕組みについてです。JAEAでは、企業との共同研究等において技術貢献料を計上し、原則として全額を研究現場に配分しています。これにより研究成果の活用が研究現場に直接還元されることで、知的財産の活動へのインセンティブ向上につながっています。
 二つ目は、研究成果の事業化を見据えた外部人材の導入です。NIMSでは、企業や経営の実績を有する外部人材を活用し、研究シーズの発掘や社会実装に向けた可能性の検討を行っています。これにより研究と事業の橋渡し機能が強化されています。
 17ページです。利活用の観点では、農業・食品産業技術総合研究機構における知財ミックスや理研における特許のパッケージ化など、複数の知財を組み合わせて価値を創出する取組が進められています。これにより、個々の技術の強みを補完し、実用化や事業化につながりやすい形での活用が図られています。
 18ページです。NIMSにおいて、スタートアップの資金制約や将来の不確実性を踏まえ、新株予約権の活用を含む柔軟な条件設定を行うためのメソッド化が進められています。
 ページが飛びまして22ページです。JSTの好事例として、新技術説明会や大学見本市を通じて共同研究やライセンスの創出につなげているほか、目利き人材育成プログラムが国研等にも展開され、人材面での基盤強化にもつながっています。
 24ページを御覧ください。共通する課題としましては、研究者の意識と知財マインドとの間にギャップが見られることに加え、知財や事業化を担う人材の不足が挙げられます。また、資金的な制約や企業ニーズとのミスマッチにより、研究成果の活用が十分に進まないといった課題も見られました。
 25ページです。総括として、これらの背景には、知財マネジメント体制の不足という構造的な課題があると思われます。
 26ページを御覧ください。海外では「知識の価値化」という考え方が提唱されています。これは従来の特許を中心とした活用に加えて、データやノウハウ、標準化などを含めて知識全体を活用するという考え方です。こうした動きは研究成果の価値を高める観点から進められており、同様に社会実装が求められる国研においても、特許に加えてデータやノウハウ等を含めた知識の活用が重要となります。
 27ページです。提言として7点ございますが、次のページより御説明いたします。
 28ページを御覧ください。1.研究戦略と知財戦略の連動では、研究段階から出口、すなわち、実用化や活用を意識し、知財戦略を組み込むことが求められます。
 2.知財と産学連携の一体化では、知財と共同研究や企業連携を一体として進めることで、成果の社会実装につなげることが求められます。
 3.発明発掘の早期化では、研究の早い段階から有望な発明を見いだし、適切に権利化や活用ができるよう支援体制の強化が求められます。
 4.研究者インセンティブの再設計では、知財活動への参加を促すため、評価や報酬の仕組みを見直すことが求められます。
 29ページです。さらに、5.ポートフォリオ管理では、保有する特許や知財を全体として捉え、出願、維持、活用を戦略的に最適化することが求められます。
 6.人材確保では、知財や事業化を担う専門人材を確保・育成することが求められます。
 7.国際展開では、海外を見据えて知財を戦略的に活用し、グローバルな展開につなげていくことが求められます。
 以上のように、知財を単なる権利ではなく研究成果の活用、社会実装につなげるための取組が求められます。本調査からは、各国研において制度の整備が進んでいる一方で、知財の活用の在り方には差が見られることが分かりました。今後は、特許に加えて、データやノウハウ等を含めた知財全体を戦略的に活用し、研究成果の社会的・経済的価値の創出につなげていくことが重要になると考えられます。
 説明は以上です。ありがとうございました。
【千葉会長】  ありがとうございました。
 それでは、今年度の状況というのはどうなっているでしょうか。
【仲科学技術・学術戦略官付補佐】  事務局です。
 本年度の調査につきましては、今、事務局の方で幾つか案を考えております。その案を皆様に御提示して、御意見を踏まえて調査する大枠を決めていきたいと思っておりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
【千葉会長】  ありがとうございます。
 それでは、この知財関連、いろいろ御意見とか御提案とかあるのではないかと思いますが、委員の皆様、いかがでしょうか。伊藤委員、どうぞ。
【伊藤委員】  どうも御説明ありがとうございます。
 資料で言うと28ページ、29ページに今後の取組に関する提言が書かれていて、七つどれも正に重要だなというふうに感じたのですけれども。特にこの中で私が感じているのが、3番の発明発掘体制の強化と、それと関係するのですが、6番の知財専門人材の確保・育成というのはセットになっていると思っています。
 海外とかを見ていると、学会に、知財関係の人たちが普通に参加していてプロモーションしてくれる。これはすごい基礎研究なんじゃないですかと。特に基礎研究を行っている人は、自分がどんな知財を持っているのかよく認識できていないことが多いと思うのですけれども、知財関連の方々がちゃんと学会とかに来てプロモーションしてくれるというのは海外だと多いと感じています。
 そういう人材育成を是非していただきたいなというのと、国立研究開発法人の中でも、是非、そういう人材が入れるような仕組みを文科省さんに考えていただけるとすごくいいのではないかなというふうに思っております。その辺もしお考えがあればお願いしたいなと思いますが、いかがでしょうか。
【近藤科学技術・学術戦略官付係長】  ありがとうございます。
 1点目の人材育成に関しましては、先ほど簡単に触れさせていただきましたが、JSTにおける人材育成プログラムとして目利き人材育成プログラムというもの、またINPIT(独立行政法人工業所有権情報・研修館)でも研修を実施していますが、そういった人材育成の取組は一応行われております。特に、国研の担当者からヒアリングなどする中では、この目利き人材育成プログラム、とても受けてよかったという話は聞いておりまして、こういった制度において人材育成はされておりますので、そういった方々が学会の専門的な場にもどんどん出ていけるような風潮ができていくといいのかなと考えております。
 また、2点目の国研での人材の確保ですけれども、これもヒアリングをしていく中で、国研によってかなり体制は差があるなというところはありました。例えば、国研の担当している技術分野がある程度限定されたりしていますと、それぞれの分野を見られる人材を配置できる一方で、守備範囲が非常に広かったりする場合ですと、それぞれの分野に担当を置けずに、専門というよりは全般を見る形になってしまっているといったものもあります。また、職員数の配置に関しても、国研の組織規模に対してある程度の割合でしか配置できていないのかなというところもあります。
 生成AIの活用が限定的といった話を先ほど御説明させていただきましたが、そういったシステムを使うことで、現在の知財の専任部署で担当している職員の業務量が緩和できるのではないかと考えられまして、今後、そういった活用が進むなどで運用の改善などによる業務の効率化によって、現行の体制でも専門分野の職員の配置なども可能になると思われますし、もしくは、知財収入の増加などによって知財部門にも収入の一部が配分されることがありましたら、体制の増強などもできていくのかなとは考えております。
【伊藤委員】  ありがとうございます。
 AIの導入で効率化というのも一つだと思うのですけれども、前段のお話にもありましたが、博士人材をどう使っていくかというところで、博士人材としてすごい活躍の場が知財関係でもあるのではないかなというふうに思っているので、その辺も是非強化していただけるといいかなと思っております。よろしくお願いします。
【千葉会長】  中田委員、どうぞ。
【中田委員】  ありがとうございます。
 元々国研にいた立場からすると、今日見せていただいたこの資料自体が非常にいいものだなと思っています。自分のところにない、こういうものを取り入れたいとか、そういう思いをいっぱい抱かせてくれるようなものだったと思うのですけれども、更にもう少しこれ深掘りして聞きたいとか、そういうことが可能になるようなちょっとした仕組みみたいなのを作っていただけるといいなと思いました。ありがとうございました。
【近藤科学技術・学術戦略官付係長】  先生のおっしゃる深掘りというのは、例えば、こういった観点について今年度や来年度調査を行うべきということでしょうか。
【中田委員】  失礼しました。そういうこともありますけれども、それ以上、もう少しこの中身について知りたいというようなときに、どこにどう問い合わせたらいいのみたいなところも含めて教えていただけるといいなと思いました。
【近藤科学技術・学術戦略官付係長】  承知いたしました。検討してまいります。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  補足ですけれども、これ自体は、プレゼン資料で別途本文がございますので、そこに多少なりとも詳しい記述があります。
【中田委員】  ありがとうございます。文科省所管法人以外のところにも非常に参考になると思いますので、よろしくお願いいたします。
【千葉会長】  ほかいかがでしょうか。どうぞ、河野委員。
【河野会長代理】  日本製鉄の河野でございます。
 こちらからの要望という形になるのですけれども、もちろん知財にたけた人材の育成というのも大事だと思うのですが、今回のスコープとはちょっと外れるかもしれませんけれども、国際標準化のところが実は日本ってすごく弱くて、一部、産総研さんはその専門家を育成されていると思うのですが、こういった動きは国研ならではできる仕事だと思いますので、少し分野も広げて、各分野でそういった国際標準化を進められるような人材の育成というのはやっぱり必要じゃないかなと。
 それぞれ分野ごとに国際標準化委員会みたいなのが国際的にあって、そこに人員を投入するであるとか、そういった動きも検討していただくといいのではないかなというふうに思いました。
 以上です。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  ありがとうございます。
 標準化について、政府としても、文部科学省を超えて、文部科学省ももちろん連携してですけれども、内閣府の方で国家標準戦略を昨年取りまとめていて、国全体としてやっていこうという機運がございます。あと、今回の第7期の基本計画の中でも、知財の話と標準化戦略の推進ということで一体的な記述になっておりまして、標準化政策の推進についても記載させていただいているところでございます。
【河野会長代理】  ありがとうございます。
【千葉会長】  ほかいかがでしょうか。久世委員、どうぞ。
【久世委員】  これは本当に非常に重要なポイントだと思います。
 この中で一番重要だと考えるのは、26ページにある海外の動きに対する話題で「知識の価値化」です。ここは非常に重要で、我々の会社でも同様の試みをしています。知財と言うと日本の場合、特許と捉えられがちですが、ノウハウやデータも知財です。ここに、四つのポイントが記載されていますが、特に三つ目の多様なステークホルダーとの共創を推進するためのツールは大切です。
 下の表にある主な出口が、ライセンス収入、スタートアップ設立だけではなくて、共同研究や共同開発に基づく知財契約であるJRA(Joint Research Agreement)やJDA(Joint Development Agreement)、さらにはコンソーシアム形式も目指すべきです。研究開発費もパートナー企業からもらう進め方が海外では少なくありません。日本の場合、企業、国の研究所、大学で、これが、なかなか浸透していません。このような知財の活用は非常に重要だと思います。
 そのためには、人材育成が不可欠です。既存の知財部に所属する知財の専門人材も必要ですが、技術の目利きと事業開発ができる人がいないと、効果的に知財をうまく活用できません。世界中のステークホルダーと交渉して、そこから資金を獲得できるような人です。
 これができる人材開発が重要です。関連があるのは、16ページのNIMSにおける客員起業家のプログラムです。これは、起業が目的ではあると思いますが、起業だけではなく、知財を活用して、いかに世界中のステークホルダーを巻き込みながら新しい事業を開発していくことを推進できる人材の育成が重要となっています。これらについて、何か議論されていますか。
【野呂未来工学研究所主席研究員】  ありがとうございます。
 この知識の価値化につきましては、欧州の方で結構盛んに言われていまして、長らくサイエンスは強いけれどもイノベーションは弱いと言われているところで、知財や標準化ということについて捉え直しをしましょうというような一連の運動と言ってもいいのかなと思うのですが、そういう中で培われているものになります。
 その中にあっては、正に研究者であったり、事務スタッフであったり、行政官であったり、企業の方であったり、いろいろな方がこういう「知識の価値化」という考え方を共有して、新たな気持ちで進めていくということが必要なのかなということで、それぞれ人材養成という観点で見た場合、意識の転換というのですかね、認識の転換みたいな、そういうところから始めていくというところが必要なのかと思います。
 EUの方でも、つい2か月前ですかね、3月末に有識者を集めてワークショップを開いて、知識の価値化の評価や指標というのをどう考えていったらいいだろうかみたいなところを議論して文書としてまとめられていて、それは調査報告書にまとめてあるので後で御覧いただければと思います。そういうような潮流が特に欧州の方ではあったりしますので、そういったところは日本の方でも参考になるのではないかなと思っている次第です。
【久世委員】  ありがとうございます。
 IBMもこの知財を活用した共同の研究開発、および、知財ビジネスを長年やっています。半導体材料や半導体製造装置の共同研究開発を、日本の企業と20年以上前から実施しています。最近の動きですと、半導体のRapidus、それから量子コンピューターも東京大学と慶應大学などと、その仕組みを使って進めています。契約形態は、それぞれで違いはありますが、基本は、お互いの知財を比較し、そのギャップを資金、人的リソース、装置などのモノで補填します。日本の大学や企業がどのような契約しているのかが参考になるかと思います。
 以上です。
【千葉会長】  伊藤委員。
【伊藤委員】  ありがとうございます。
 今の同じページで26ページ、私もすごく重要だと思っていたのですけれども。欧州の海洋関係の例ですとMercator Ocean Internationalがこの知識の総合化というか社会実装も含めてデータとソフトウエアとどうつなげていくかというのをすごく一生懸命やっていて、一つの成功例だと私は思っています。
 日本でもやはりその辺の意識改革をして、社会全体がどうデータを使うのか、そのデータをどうインフラまで持っていくかというのはすごく重要なところだと感じております。その意味で、文科省さんの方でも、そういう意識改革を経済界とかも含めてできるような仕組みを是非作っていっていただけるとありがたいなと思っていますし、これはデジタルツインをどのように社会実装していくかというところだと思っていますので、JAMSTEC部会としても、できるだけそこは力を入れて進められるようにできればいいなというふうに思っております。よろしくお願いします。
【千葉会長】  ありがとうございます。
 本間委員、どうぞ。
【本間委員】  本間です。いろいろ御説明ありがとうございました。
 知財に関しては、最初に提示された強い経済の実現に向けては、新技術の研究及び社会実装を担う人材の育成が成長戦略として大事である、こちらですね、こちらに記載されたとおりですけれども。知財というのは、その基となる基礎研究というものがあってこそ初めて知財として権利化され、そして、日本国内だけではなく海外国へ移行して、それぞれの適する国で権利化されるという最終目標というものがあると思います。
 ただ、それぞれのシーズによって、適する国、あるいは、国ごとにまた権利化へ至るまでのいろいろな方策が異なるという、そこまで踏み込んだ知識を持つ人材というものを我が国として育てる必要もあると思います。
 ですから、単に弁理士資格があるということだけではなく、目利き的なところまでの高いレベルの人材というものが非常に重要で、例えば大学の立場としては、スタートアップをするのかあるいはライセンシングに注力するのかという分かれ道のところで非常に迷うといいますか、どうしたらいいのだろうというような、各段階で判断の難しいところもあります。なので、そういった意味で、知財の社会実装というそこを本来の達成目標とするのであれば、高いレベルの人材育成ということが非常に重要であると思います。
 そういう意味では、文科省的には、学部あるいは大学院のレベルでこういった教育の仕組みもつくること、今、私は個人的には大学院の講義のときにこういうことを話したりしていますけれども、システムとして大学院教育のあるいは学部の中で理系では入れた方がいいのではないかというふうに思いました。ありがとうございます。
【千葉会長】  ありがとうございます。大変重要な御指摘だと思います。
 人材育成のお話、委員の先生方、今、幾つかいただきましたけれども、前段で、例えば博士を2030年度には2万人、2040年度には人口比で3倍というと、かなり大きな目標ですけれども、先ほど私も申し上げましたように、博士の人材の中身のところの概念を日本全体で変えなければいけないと思っていて、今言われたような知的財産とかそれから事業化に持っていくところは、かなりこれからの新しい博士だったら担えるし、担わなければならないのではないかなと思うのです。
 要するに、論文をたくさん出そうというのはありますけれども、それはそれで、特にそこに集中したい博士というのはもちろんいていいのですが、そうではない力強い仕事をする博士というものをもっと明確に日本全体で人材像を明らかにしていく。それを、大学ももちろん大事ですけれども、大学だけではその育成は難しいと私は思っていて、学位を出すのは大学でしょうが、その教育というのは、日本全体でいろいろな層が集まってやらないと難しいだろうなと思います。それでどうやって世界標準、国際標準をつくるのだと。国際会議の場にも博士課程のときから出ていってもらうとか、そういうこともする必要がある。
 それも、もちろん修士から上がった博士だけではなくて、企業の若手の職員ですね。私の印象ですけれども、もし違ったら久世委員にしかられるかもしれないですが、大企業もある段階で今の事業だけではうまくいかなくなってきて、また新しいことをやらなければならない。そうすると、これまでの人材というのをかなり作り変えて、生まれ変わらせていかなければならないかと思うのです。それが要するにリスキリングの本質的なところで。じゃあ、何をやれる人になっていくのか、どんな新しい事業を引っ張ってくれる人に変身してもらうのだろうというようなことが必ずニーズとして出てくる。
 そうすると、博士3倍は別にすごく無茶な数字ではなくて、OECDの先進国は大体そういうレベルでやっているわけで、日本の定義が狭過ぎるのではないかなと思うのです。ですから、そこをブレークしていって国力とつなげていくというのはすごく重要で、これは正に文科省が中心に号令をかけていくところかなというふうに私は認識しています。どうも。私の考えを言っただけですけれども。
 そのほかいかがでしょうか。大体よろしいですかね。非常に重要なポイントを意見交換していただけたかなと思っています。
 それでは、最後に、事務局から連絡をお願いいたします。
【仲科学技術・学術戦略官付補佐】  事務局です。
 長時間にわたりまして、御審議いただきましてありがとうございました。今回の議事録につきましては、事務局にて案を作成し、各委員に御確認いただいた後、ウェブサイトにて公表いたしますので、よろしくお願いいたします。
 また、次回は8月上旬頃の開催を予定しております。独立行政法人通則法に基づきまして、6月までに各法人が昨年度の実績報告書を出してまいりますので、それを受けて各部会で御検討いただいた結果を8月上旬に皆様に御審議いただく予定です。
 事務局からは以上でございます。
【千葉会長】  それでは、これで第38回文部科学省国立研究開発法人審議会を閉会いたします。どうもありがとうございました。

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(科学技術・学術政策局研究開発戦略課評価・研究開発法人支援室)