国立研究開発法人審議会(第29回) 議事録

1.日時

令和6年5月15日(水曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省3階3F1特別会議室(対面参加の場合)及び Web会議形式(オンライン参加の場合)

3.議題

  1. 令和6年度の主務大臣評価の進め方について
  2. 今後の主務大臣評価において留意すべき事項等について
  3. その他

4.出席者

委員

栗原会長、中川会長代理、浅見委員、五十嵐委員、伊地知委員、古城委員、横田委員、折茂委員、国崎委員、三枝委員、篠藤委員、髙橋委員、ベントン委員、山本委員、鈴木臨時委員

文部科学省

西條大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、髙橋科学技術・学術戦略官(制度改革・調査担当)、仲科学技術・学術戦略官(制度改革・調査担当)付補佐 ほか

5.議事録

【栗原会長】  定刻となりましたので、これより第29回文部科学省国立研究開発法人審議会を開会いたします。
 本日は現在14名の方が御出席で、あと1名御参加の予定ということで、15名の委員及び臨時委員に御出席いただき、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 本日は、会場とオンラインのハイブリッド形式で開催いたします。オンラインの通信状態等に不具合が生じるなど、続行できなかった場合、審議会を一時中断する可能性がありますので、あらかじめ御了承ください。
 本日の議題ですけれども、お手元の議事次第のとおりでございます。
 また、本日の審議会は全て公開で行います。YouTubeで同時配信されているということでございます。
 それでは、まず、事務局より配布資料の確認や注意事項の説明をお願いいたします。
【仲科学技術・学術戦略官付補佐】  事務局です。
 本日の配付資料につきましては、配布資料一覧のとおりとなっております。メイン資料4つ、参考資料が15個あります。
 会場では、資料を紙で配布しておりますので、不足等ございましたら事務局にお知らせください。
 なお、江川委員が、一身上の都合により委員を辞任されましたことを御報告申し上げます。参考資料1に反映しております。
 ここで、科学技術・学術政策担当の大臣官房審議官として、西條が着任しておりますので、御挨拶させていただきます。
【西條大臣官房審議官】 この4月1日で、大臣官房審議官科学技術・学術政策局担当で着任いたしました、西條でございます。本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、第5期の国立研究開発法人審議会の2年目の初会合ということになります。この後、事務局のほうから御説明ありますけれども、令和6年度は、理研及びJAXAの7年にわたる中長期計画目標の最終年度ということになりますので、見込評価と次期中期目標の策定の作業、こちらのほうがございます。また、理研とJAXA以外の6法人につきましても、年度評価がございますので、委員の先生方には専門的知見を生かして御意見をいただければと考えてございます。
 また、最近の政府の動きといたしましては、皆様も御存じかもしれませんが、昨年2月のCSTI本会議における総理の指示を踏まえまして、本年3月に内閣府CSTI事務局を中心に、国立研究開発法人の機能強化に向けた取組について、関係府省の申合せが策定されたところでございます。
 この中では、国研における研究セキュリティ・研究インテグリティの一層の強化、こういった点が課題として挙げられておりまして、国研が国家的重要課題や国際共同研究に取り組みつつも、健全な研究基盤としての機能が損なわれないということ、この重要性が増しております。
 こうした点を踏まえつつ、国立研究開発法人が社会の中で、その期待される責務を果たしていくことができるように、各界を代表する審議会の皆様、先生方に忌憚のない御意見をいただけたらと考えておりますので、引き続き、どうかよろしくお願いいたします。
【仲科学技術・学術戦略官付補佐】  ありがとうございます。
 本日のハイブリッド形式による会議の開催に当たりまして、委員の皆様にお願いがございます。会場にお越しの委員の皆様におかれましては、iPadのカメラは常時オンとしてください。音声につきましても、iPadのマイクとスピーカーを御利用いただきたいと思いますので、基本的にはオフにしていただいて、御発言の際にミュートを解除してお話しください。
 オンラインで御参加の皆様におかれましては、カメラはオンの状態、マイクはオフの状態にしてください。御発言の際には、手のマークの挙手ボタンを押して、指名されたらマイクをオンにして御発言ください。御発言後は、再度、挙手ボタン押して挙手を取り消すとともに、マイクをオフにしてください。
 会場、オンライン共通のお願いとなりますが、会場及びオンライン上で聞き取りやすいように、御発言の都度、お名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。また、御発言の際に資料を参照する場合には、資料番号、ページ番号等の箇所をお示しいただくなど、御配慮いただけますよう、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上となります。
【栗原会長】  御説明ありがとうございました。
 それでは、議事に入ります。議題1は、令和6年度の主務大臣評価の進め方です。まず、資料1-1及び資料1-2について、事務局より説明をお願いいたします。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  事務局でございます。戦略官の髙橋でございます。
 議題1、令和6年度の主務大臣評価の進め方につきまして、資料1-1、1-2に従いまして、御説明申し上げます。
 資料1-1は、国立研究開発法人審議会についてという資料になります。令和6年度に行う研発審の評価等の、主にスケジュールと進め方について、御説明を申し上げたいというのが資料1-1。それから資料1-2でございますけれども、こちらにつきましては、これまで毎年、審議会を開くたびに評価の在り方について、様々、委員の皆様方から御意見を賜ってきたものをずっと毎年書き溜めてきた資料でございまして、これまでも年に1回か2回、これの説明をさせていただいて、また新たな御意見をいただきながら固めていったというものでございます。資料1-2については、研発審における各法人の評価の在り方について、委員の皆様方の横の相場を作るような、そういった資料になっているかと思っております。
 では、資料1-1を御覧いただきたいと思います。
 まず、1ページですけれども、国立研究開発法人制度についてということでございまして、この審議会で評価の対象とする法人の範囲を定めているということになります。独立行政法人、国全体で87ございますけれども、その87のうち、国立研究開発法人、これが政府全体で27ございまして、文科省の中では8法人ということで、8法人が当審議会での評価の対象となっているというのが1ページ。
 2ページ目でございますけれども、これも審議会の制度の説明でございますけれども、独立行政法人通則法に基づきまして、国立研究開発法人審議会が文科省に設置がされているものでございます。この審議会の下に、8つの国立研究開発法人にそれぞれ対応した部会が設置されております。委員の先生方、部会長や部会長代理ということでお入りいただいているかと思います。
 この審議会の使命でございますけれども、上から3つ目ということになりますが、国立研究開発法人に関しまして、(1)中長期目標の策定、(2)業務実績の評価、それから、(3)業務組織全般の見直しに当たって、科学的知見等に即して主務大臣に助言という3つの役割を制度上、果たしていただいているところでございます。8つの部会が左下、それから、右下にありますのが目標評価のサイクルということで、今申し上げたことが、このサイクルで毎年進められているというものでございます。
 それから、3ページでございますが、今年度の審議会での審議事項でございます。端的に申し上げますと、理研とJAXAを除く6つの法人については、いわゆる年度評価を行うということが予定されております。それから、理研とJAXAにつきましては、毎年度の年度評価とともに、7年間の中長期目標期間が今年度で終了ということになりますので、今年度、7年間を振り返っての見込評価を行うことを予定しているところでございます。見込評価を行う年には、併せまして、次期中長期目標を今年度策定していくという段階に入りますので、中長期目標の策定をしながら、それに対する審議を、この審議会で行っていただくということになります。
 見込評価の後に、次期中長期目標に向けての業務・組織全般の見直しを行いますので、そのプロセスの中で、審議会でもまた御意見を賜ることになろうかと思っております。ということで、行うこととしてこれらが定まっているということでございます。
 ただ、理研、JAXA以外の6つの法人につきましても、中長期目標の変更ということが発生する可能性がありますので、その場合には、合わせて案について御検討いただくことになろうかと思います。
 次に、4ページでございますけれども、少し長いスパンで見たときにということになりますが、本年度は令和6年度で、青い線で囲まれている部分になります。青い囲みのところで、理研とJAXAについてはピンク色、見込評価と中目・中計の見直しが今回あるということになりますので、これについての審議をお願いすると。それ以外は、いわゆる年度評価を行っていただくということになります。
 ちなみに、令和7年度、翌年度には、理研とJAXAの7年間終了した後の、見込評価の後のいわゆる7年間を振り返っての最終的な期間実績評価が行われるということになっております。
 それから、次に5ページでございますが、今年度のスケジュールの具体的なものになりますが、一番上に6部会、2部会、審議会、文部科学大臣と横に主体が書いてあります。下に令和6年4月以降の今年度の日程が書いてあるということになります。
 まず、この審議会で言えば、夏の総会、審議会に向けまして、年度評価と見込評価を行っていくということで、まず、年度評価が想定されている6つの部会については、表の左上のほうになりますけれども、今度の7月ぐらい、部会を1、2回、場合によっては3回開くこともあるかもしれませんが、部会で年度評価を固めていただいて、それが7月末から8月の頭に予定している審議会のほうに上がってくるということになります。
 それからJAXAと理研の2つの部会につきましては、左から2番目ということになりますが、大体6部会と同じスケジュールですけれども、年度評価のみならず、見込評価の案につきましてもまとめていただいて、それが夏の審議会のほうに上がってくるという予定でございます。
 今、この審議会、研発審としては、8つの部会から上がってくる評価の案につきまして、2回ほど開催の予定をしております。昨年度は、8つの法人とも年度評価だけだったのですけれども、今年は見込評価もございますので、2回ほど開催機会を確保しようと考えているところでございます。文部科学大臣が業務の実績評価を決定するということが8月中に行われる予定であります。
 これが評価のほうですけれども、今度、秋の終わりから冬にかけて、次期中長期目標についての審議をしていただくことになります。確実に審議いただかなければいけないのが理研とJAXAということで、次期中長期目標の案を部会で秋の終わりから冬の頭ぐらいにかけまして御議論いただいた上で、これもまだ日程決まっていませんけれども、年末から年始にかけて研発審を開催いたしまして、中長期目標の案について御審議を賜り、文部科学大臣が、年度内に次期中長期目標を法人単位で示すということを予定しているところでございます。
 先ほども申し上げましたが、2部会以外の6つの部会についても、中長期目標の変更などがあれば、適宜、この同じタイミングで、冬のあたりに審議会に各部会から変更案が上がってくるということを予定しているところでございます。
 それから、6ページでございますが、これは評価の具体的な作業の進め方ということで重複いたしますので、割愛をさせていただこうと思いますが、部会、それからこの審議会を経て、大臣が決定をするというのが評価。それから、次期中長期目標についても、同じように部会から審議会、そして大臣の決定ということで、こういうスケジュールとなっているところでございます。
 それから8ページでございますけれども、これは総務省に置かれている独立行政法人評価制度委員会においての審議のイメージということで、例年、このような形で行っておりますので、参考にお示しをしているものでございます。
 それから、9ページが具体的なSABCD評価についての基準ということで、これも毎年御覧いただいているところですけれども、お示しをしているところでございます。
 10、11ページは、具体の例ということで、これも昨年出させていただいていますが、物材機構と理化学研究所の例を出させていただいております。
 それから12ページでございますが、これは平成31年に評価指針の改定が行われて、評定基準の見直しがなされたときに、いわゆる困難度の高い目標の設定について基準が見直されたということで、それについての記載でございます。昨年度も同じ資料を出させていただいておりますが、確認的に申し上げますと、下線を引いているところですけれども、評定基準に困難度の視点を導入いたしまして、困難度が高い目標が達成されたときには、初期の目標を上回る成果を上げた場合の評定であるA以上の評定となるようにしたというのが一つ。
 それから、下のほうの下線でございますけれども、最初から困難度が高いと想定されていて、それが達成されたという以外に、困難度が高いと設定されていなかったけれども、評価の時点において達成が困難であったということが判明した項目についても、評定の一段階引上げを考慮するということが一つ。
 それからもう一つは、目標を設定したときには困難度が高いとされていた項目であっても、評価の時点で達成が困難なものではなかったことが判明した場合には、評定の一段階引上げを認めず、困難度が高くない場合と同等の評定とするよう調整するということで、こういったことが掲げられておりますので、御紹介をさせていただきます。
 あと、新しい評定の基準については、指針の改定後、直近の新目標期間の開始時から適用ということになりますので、理研とJAXAについては、今度の中長期目標から困難度の設定が入ってくるということになります。
 4ページの表に戻っていただきますと、令和3年度から、新しい評価指針改訂版になっていますので、令和3年度以降に作られた中長期目標については、新しい基準で策定がされているということになります。
 資料1-1は以上です。
 それから、資料の1-2でございますけれども、こちらについては、先ほど申し上げたとおり、この審議会におきまして、評価の在り方について、様々に大きな視点で御議論いただいたものを蓄積したものでございます。こちらも去年の同じ時期に説明させていただいたものに、昨年1年間の中で出た御意見を赤字で追加をさせていただいているところでございます。時間もないので、簡単に御説明申し上げたいと思います。
 まず、1ページでございますけれども、先ほど申し上げたとおり、法人の評価や法人運営についての意見を整理し、まとめたものであるということで、今後、各法人における自己評価をする際の視点としてこれを提供するとともに、各部会において、効率的、効果的な審議に役立てられるようまとめたものであるということが、この資料の意義になります。部会長、部会長代理の先生方の集まりである当審議会において、各部会の間の横の並びを取るというような意味もあろうかと思います。
 それから、具体的な話になりますが、1ページの下のほうで、法人の評価に関する事項ということで、まず、総論が示されておりまして、主に下線の部分が大事なところになろうかと思っております。1ページの一番下ですが、評価軸については、是非自分たちで考えてほしいというのは、法人でもしっかり考えてほしいということ、部会でも考えていただきたいということが指摘されています。
 それから、2ページにまいりまして、上から2つ目に赤字がございます。これは去年の審議会で出た意見だと思いますが、評価でCとなった項目などについては、他法人でも参考といただくことが必要ではないか、共有するような何か取組のようなものが必要ではないかということ。それから、上から4つ目の丸で、エンカレッジするような評価がされるとモチベーションが上がって、より評価を通じて、正のスパイラルになっていくのではないかということ。
 それから、5つ目の丸ですが、本審議会では、ミッションを超えて非常にすばらしい成果が出たら、ミッションを超えた大きな活動ということで評価をしてきたということ。それから6つ目の丸ですけれども、長期性、不確実性といった研究開発の特性にも留意しながら、達成度に加えまして、その先の計画、展望、あるいは課題を将来に向けて、どう取り組んでいくのかという観点も評価の中に取り込んで法人評価を行うということではないかという点。
 それから、3ページにまいりまして、一番上ですけども、理事長のマネジメント、リーダーシップに関しまして、理事長との対話、地道な努力というのが理事長にも、現場の人々にとっても、現場の方々にとってもあるべき姿であろうということ。マネジメント、リーダーシップの発揮のためにも、現場の経営力、企画力、戦略的能力も評価していきたいと。組織の中の人々の育成と、研究運営能力、リーダー養成、次世代養成も大事だということが指摘されています。
 それから、次に今年度見込評価が入ってまいりますので、3ページの真ん中以下で、年度評価と見込評価との関係についてということで、今日、ここも御議論になると思っておりますが、年度評価の積み上げと見込評価との関係ということですが、1つ目の下から3つ目の丸になりますが、中長期の後半になって極めて顕著な成果が出ていれば、見込評価時は最終年度の成果が中長期目標期間の評価になってもいいのではないかという御議論が、ある部会であったと。単に7年間の平均で見られてしまうと、それでいいのか。各法人共通のベースとしてこのような議論をしておくことが大事ではないかということ。
 それから、下から2番目の丸ですが、最終年度がSで、ほかの年度がAやBの場合に、平均で見るとSではないと評価されてしまうのはいかがかという御意見、到達レベルがすばらしいから、期間全体としてSと見ていくということがあってもいいのではないかという御意見。
 それから3ページの一番下ですけれども、研究成果は平均で見るのではなくて、最後にすばらしい成果が出たときには最後の評価を中心に見ていったらどうかということでございます。
 それから、4ページにまいりまして、S評価、A評価の考え方についてということで、これも毎年御議論いただいているところだと思いますが、4ページの一番下の丸になりますが、高いレベルの評価、SやAを何年もの間、長期継続して達成している研究所、研究チームについては、現状に満足することなく、更なる高みを目指し、かつ世界の強豪に対しての競争優位性を更に確実なものにしていくために、評価軸の見直し、工夫、評価の明確化に取り組んでいく必要があろうということ。
 それから、5ページでございますけれども、上から2つ目の丸で下線が付いていますが、ずっとSとかAとかで来ると下方硬直性につながりやすいことを意識したほうがいいのではないかということ。
 それから、上から3つ目でございますけれども、SやAの評価については、基礎基盤研究と実装研究の位置付けというものを意識して議論をしていくべきだろうと。基礎基盤研究については、新しい分野や新しいパラダイムが生まれることにどうつながっているのか、それから、実装研究については、どのように企業の動きのきっかけを作っていったかということを協議していったらどうかということでございます。
 それから、次の上から4つ目の丸ですが、これは基礎基盤研究ということで、新しい領域が開かれて世界的な研究の潮流を作り出した、新たな学理が構築される契機になったというような画一的なインパクトも評価していくべきだろうと。それから、実装のほうについては、下から2番目の丸になりますけれども、社会実装には様々な機関との連携が必要で、法人だけでは実現できないものもあると。なので、そのための人材や研究資源、資金を関係機関の中でどのような負担にしていくのかについての方向性など、今後の持続可能性の担保までできている場合にS評価ではないか、という御意見をいただいております。
 それから、6ページでございますけれども、赤字、上から2つ目ですが、社会実装の観点で言うと、標準化や規格化というところをどこがリードしていくのかということも重要であって、こういったところを法人がリーダーシップを取って国際社会の中でやっていただくことも一つ重要なのではないかという御意見。
 それから、赤字のところを中心にいきますと、下から3つ目になりますが、AIの利用に伴う倫理的な課題などが、外部環境の変化やリスクの対応についての小項目になりますが、指摘をされております。
 それから、下から2番目で、部会側から、計画が始まって三、四年たちましたけど、どうですかというような話を、SABC評価とはまたちょっと違う形で議論していったらどうかという御意見が昨年あったところでございます。
 7ページの一番下の赤字がございますけれども、様々な外部要因が急速な社会変化をもたらして計画どおりに進まないということもある中で、7年間でどう対応できたのだろうというようなことを、法人共通の問題意識として振り返っておくことで、研発審での議論に役立っていくだろうという御意見があったと。
 それから、8ページでございますけれども、今度、法人運営に関する事項ということで、上の4つは研究インテグリティについてのこれまでの御意見がまとまっています。それから、下半分のほうはコンプライアンスの観点で、しっかりと見ていかなければいけないということがまとめられております。
 それから、9ページですけども、上の2つは、いわゆるダイバーシティの関係、女性研究者の割合だとかダイバーシティの観点での御意見というのがまとめられております。
 それから、9ページの下3つは総合知について、それを進めていくというような観点で、その記載がなされているところでございます。
 ということで、資料1-1で主に今年度何をするか、1-2については、評価を行っていくに当たっての審議会としての考え方をまとめたものについて、御紹介をさせていただきました。
 私からは以上でございます。
【栗原会長】  ありがとうございました。
 それでは、今の御説明に対して、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。最後に意見交換の時間も設けられているので、特に資料1-2に関してはそこでも良いと思いますが、特にこんなところを議論したいという御意見などがあれば、出していただければ、後半の議論の参考になるかと思いますので、よろしくお願いいたします。また、具体的な進め方についてのスケジュール等、御質問いただければと思います。よろしくお願いします。
 山本先生、どうぞ。
【山本委員】  名古屋大学の山本です。私はJAEA部会の取りまとめを仰せつかっております。
 資料1-1で、6ページ目と7ページ目に、審議の進め方のイメージということで、今年度、JAEA部会は、次期中長期目標と関係ない年度になりますが、6ページ目に従ってやるのですけれども、基本的には実績、つまりは令和5年度の実績を評価するという内容になります。ただ、実績評価の本来の目的は、評価して、それを次につなげようということになるわけで、実態としては、こういうところはこういうふうにしたほうがいいですねというアドバイスはもちろんするのですけれども、審議会の建て付けとして、実績評価というところだけにミッションがとどまっているように見えて、そこは前から若干違和感があったんです。
 そこのところ、建て付けについて、文科省で、あるいは別のところで議論があれば教えていただきたいなと思います。私からは以上です。
【栗原会長】  ありがとうございました。これに関しては何かお答えありますか。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  戦略官、髙橋でございます。研発審の大きな役割がいわゆる実績評価、年度評価、7年間を振り返っての見込評価や、7年間振り返っての期間実績評価ということになります。
 部会で評価の案がまとまって、この審議会総会に上がってくるわけですけれども、その際、部会において、あるいは審議会総会において、御意見を賜って、そこで修正が入ったり、入らない場合ももちろんありますけども、そこの御意見を各法人がそれぞれ持ち帰っていくことに実際にはなると思います。また、そこでの意見を踏まえて、最後、文部科学大臣としての毎年の評価というのを定めてまいりますので、定めていく中で当然、審議会の中で出た御意見などが、ここに反映されていっていると、そういうつくりになっているんだろうと考えております。
 あまりお答えになっていないかもしれませんが、制度としては、そういう形になっているところでございます。
【山本委員】  ありがとうございます。名大の山本です。今のお話は十分理解できるんです。
 それで、6ページの内容を見ますと、結局、実績評価にとどまっているんです。この部会の役割が。それで、実績評価を見て、その次のアクションとしてどういうことをすればいいかということをアドバイスするというのが、ここからは明示的に読み取れない気がしているんです。そこに、若干もやもや感が前から残っていたということで、実態としては、確かに来年度以降、そういうようにすればいいですねということは、意見としては出しているのですけど、それが正式なものとして法人に伝えられる構造になっていない気がしていて、そこに引っかかりがありますという意見になります。
 私からは以上です。
【栗原会長】  今の御意見ですが、実際に評価表の中には、部会からの指摘事項を記載する欄があります。それですから、少なくとも、評価表としては、そういうものがまとめたものとして法人に渡されるはずです。それに対して、各法人からは、昨年度の指摘事項に対する対応も御報告いただいています。それで、それはもう部会で、そういう観点を丁寧に対応していただくということは、それは望ましいことかと、一般論として思います。この審議会では、そういうような対応でずっと来ていると理解しております。
【山本委員】  名大の山本です。ありがとうございます。
 実態としても、昨年から私、その取りまとめを仰せつかっているんですけど、それをやるようにしています。それが、部会の正式なミッションとして位置付けられているのであれば心置きなくできるという、そこの確認をしたかったということになります。なので、今の会長の御発言だと、それを是非やってくださいということなので、問題ないというふうに受け取りました。以上です。ありがとうございました。
【栗原会長】  もちろん前年度の活動を評価していただいた上での指摘だと思いますので、今、ご紹介いただいた評価についての指摘事項の中で長期的な視点で見て、法人の長期的なミッション・活動がより高みに行くようにすることが、評価の大きな目的であるというふうに意見交換でも出ていると思います。そういう点も御覧いただいて、いろいろな観点、この指摘事項は10年間近く、第1回審議会からの意見交換のまとめを積み上げてきているものですので、皆さん、委員の方が気になっているところが、これを見ると解消されたとおっしゃる方が従来も多いので、私も見直すと、ここまで書いてあると思うことも毎年していてもありますので、御覧いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 ほかに御質問ありますでしょうか。それでしたら最後の意見交換の時間、そこで意見交換を、またさせていただければと思います。山本先生、ありがとうございました。
 では、次の議題2に移ります。まず、今後の主務大臣評価において留意すべき事項等について、事務局より御説明をお願いいたします。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  戦略官の髙橋でございます。議題2につきまして、今後の主務大臣評価において留意すべき事項ということで、科学技術・イノベーション基本計画とか統合イノベーション戦略2023とか、その他の政府で、これまで国研の評価を中心に示されてきたものの御紹介というのが、この説明になろうかと思います。
 まず、資料2-1でございますけれども、第6期の科学技術・イノベーション基本計画及び統合イノベーション戦略2023のうち、国立研究開発法人に関連する主な記述でございます。それぞれ下線を引いたところが主なところになります。1ページでございますけれども、⑤国立研究開発法人の機能、財政基盤の強化というところで、下線の部分を読みますと、国は国立研究開発法人がその責務を果たし、研究開発成果の最大化に向けて効果的かつ効率的に業務運営やマネジメントを行えるよう各法人等の意見も踏まえつつ、運用事項の改善に努める。国立研究開発法人が民間企業との共同研究の推進と財政基盤の強化に取り組めるよう必要な取組を推進する。さらに、特定国立研究開発法人については、世界最高水準の研究開発成果を創出し、イノベーションシステムを強力に駆動する中核機関としての役割を果たす、ということで、ここは総論的な記述になります。
 それから、1ページの一番下ですが、国立研究開発法人の中長期目標で、総合知の積極的な活用を位置付けるということの記載がございます。
 それから、2ページにまいりまして、真ん中辺りですけれども、ここは研究インテグリティについてしっかり取り組むということが真ん中の下線に書いてあるところでございます。
 それから、2ページの一番下の下線でございますけれども、国立研究開発法人の研究開発成果がスタートアップや事業会社等とのオープンイノベーションを通じて事業化され、新たな付加価値を継続的に創出するサイクル、好循環を形成するということが記載されています。
 3ページにまいりまして、若手研究者の話ですけれども、国立研究開発法人において、競争的研究費や企業の共同研究費から研究に携わる者の人件費の支出を行うとともに、それによって確保された財源から、組織のマネジメントにより若手研究者の安定的なポスト創出を行うことを促進するというような記載がなされているところでございます。
 それから、5ページ以下が、統合イノベーション戦略2023でございますが、基本計画の内容をより具体的に、その年度その年度で記載しているものでございますので、説明としては割愛させていただきます。
 その上で、資料2-2でございますけれども、こちらは令和6年3月29日に、内閣府CSTI事務局でおまとめになられて、各省の申合せということでセットされた文書の概要ペーパーでございます。本文につきましては参考資料15として付けてございますので、後ほど御覧いただければと思っております。
 資料2-2に戻りまして、国立研究開発法人の機能の強化に向けて研究力を最大限にしていくためにということでまとめられたペーパーで、これが直近の国立研究開発法人に関する政府の文書ということになります。
 一枚おめくりいただいて、1ページでございますけれども、国研の機能強化に向けた取組の必要性ということで、1ページは問題意識が記載されているところでございますけれども、問題意識と書いてあるところの「しかしながら」という辺りですが、3つポツがありまして、この辺が問題意識ということになります。民間企業や外国の研究機関との人材確保、競争の激化、それから研究マネジメント業務等を担う人材、PM人材の不足、それから、企業との共同研究等の成果の社会実装の推進と、こういったところが国立研究開発法人の機能強化に向けて取組を進めていかなければならないときの問題意識ということでございます。
 こういったことを進めなくてはならない中で、いくつかの具体的な課題を踏まえて、国研における研究セキュリティ、インテグリティの一層の強化が必要であろうということが問題意識でございます。
 令和5年2月にCSTI本会議における総理指示を踏まえまして、内閣府を中心に検討が進められ、各法人へのヒアリング等を踏まえて、国研協とも意見交換を行いながら、関係府省申合せとしてまとめられたものが参考資料15ということになります。
 その上で、2ページでございますけれども、項目を取り出すと、2ページの一番上に①から④とありますが、これが項目だと思っていただければと思います。そして、それぞれの項目について、3ページ以下にまた説明があるということになります。
 書かれている1つ目は、①柔軟な人事給与の仕組みによる多様な人材の確保、これを進めるということ。それから、②各法人の連携協力による研究マネジメント人材の育成、それから、③が研究成果の知的財産の適切な管理、④が研究セキュリティ、インテグリティの取組ということになります。
 この4つについて、3ページ以下になりますが、3ページが人材の話ということで、優れた人材確保、育成のための取組ということで、柔軟な人事給与の仕組みを設けて、多様な人材の確保に努めていくことが大事だと記載されております。一番上になりますが、年棒制の導入、多様な財源の活用、新たな職種の設置、クロスアポイントメントや在籍出向など、多様な人材の確保に向けた取組を支援奨励するということ。
 それから、2つ目のポツで、職員の給与設定について、国家公務員との比較ということだけではなくて、類似事業を行う民間企業等との比較を通じて、優秀な人材を獲得するために必要な給与水準が設定されているかという観点も重視することが必要だろうということが記載をされております。
 それから、下半分にまいりまして、研究マネジメント人材の育成ということで、各国研が国研協を通じて研修等の情報を法人間で共有し、他法人の実施する研修の活用や研修の共同企画実施等に取り組む、そういったことでマネジメント人材を育成する。それから、外部研修も活用し、民間団体が行っている研修情報の共有などに努めるというようなことが記載をされているところでございます。
 それから、3つ目にありました知財については、4ページにあります。共同研究等の活性化と社会実装に資する知財管理ということで、産学官連携の共同研究強化のためのガイドライン等で整理された取組を着実に推進していくということで、取組例が示されてございます。
 2つ目のポツ、知財マネジメント、事業化戦略を描いていくこと。それから、3つ目のポツ、契約形態を選択や知財の帰属など柔軟な取扱い、これが可能となるような配慮していくということ。それから知財の関係の専門人材の育成、確保を行う。利益相反の規定の明確化など、関連規定の整備を行っていくということが知財関係で記載されています。
 最後に、5ページになりますけれども、研究セキュリティ・インテグリティの確保・徹底ということでございます。多様なパートナーとの国際共同研究を進めることは不可欠である一方で、健全な研究環境の基盤が損なわれたり、研究者が意図せず利益相反等に陥る可能性を避けることも必要であると。そのため、国研は国家的な重要課題に取り組むとともに、諸外国からの信頼を損なわないよう、研究セキュリティ・インテグリティに係る取組を行っていくということが記載されています。これが上から3つ目の矢印で、ここは当審議会に関わってくるところだと思うのですが、研究セキュリティ・インテグリティの確保は研究者が安心して研究できる環境を守るためにも不可欠であると。取組の実効性を高めるため、特定研発をはじめとして、国研の中長期目標・中長期計画においても、研究セキュリティ・インテグリティのテーマというものをしっかりと明確に位置付けるということが必要ということが記載されています。
 政府は国研協と協力しつつ、ソフト、ハード両面からの必要な支援を行うということでございます。具体の取組は下に書いてあるとおりですけれども、右側の研究セキュリティの部分だと思いますが、機微技術の管理の徹底、それから、不正競争防止法による保護を見据えた秘密管理体制を徹底するということ、それから、情報セキュリティの対策の徹底ということで、サイバーセキュリティ系の対応もしっかりと行っていくというようなことが記載されており、これらを中長期目標や中長期計画においても明確に位置付けるということが、3月29日の取りまとめの中では記載をされているところでございます。
 最近の状況を御紹介させていただいたものでございます。私からは以上です。よろしくお願いいたします。
【栗原会長】  どうもありがとうございました。
 ただいまの説明について、御意見、御質問ありましたら、よろしくお願いします。浅見委員、お願いします。
【浅見委員】  どうも御説明ありがとうございました。質問は、研究人材のところで、研究マネジメント人材等の育成というところを御説明いただいたのですけれども、実際には、3ページでプログラムマネージャーの育成というようなことで御説明いただいたのですが、この辺が、視点として、例えば社会実装に近い部分については、プログラムマネジャーみたいなイメージというのがあって、そこが非常に大事だということは分かるのですけれども、もう一つ、その前に基礎基盤研究をどういう形で進めて、最終的なイノベーション力とか競争力とか、そういうものの発揮につなげるかということで、言葉としては、リサーチアドミニストレーターとか、そういう言葉が前々からはあるんですけれども、実際に日本の中で、リサーチアドミニストレーションということで、あまり実効的に効果を上げるような活動というのをされているのかというのは、前々から疑問に感じているところがございまして、この辺、研修とかも整備しながら、そういう人材育成に努めるということで考えたときに、その2つの考え方とか、実際に研修を実効あるものにするようなところをどういうふうにして考えていくのかというようなところについて、今なされている議論とか方向性とかがございましたら聞かせていただきたいんですけど。
【栗原会長】  事務局のほうからお願いします。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  髙橋でございます。
 これポンチ絵ですので、具体的には参考資料15の9ページ以下辺りが人材育成のまとめの部分になっております。ぱっと見た感じですけれども、いわゆる社会実装の部分ももちろん、その前提となる基礎研究の部分についても、両方対応していくことになるんだろうと思います。
 また、人材育成のための取組については、主に例示ということになっていますが、11ページ以下にいくつか例示がなされていて、JSTの目利き人材育成プログラムについての記載でありますとか、あるいは、国研協と連携して行っていくとか、あるいは、NEDOにも同様な人材育成のための講座などが設けられているというような記載がございますので、そういったところを、今後充実させていきながら、育成に努めていくということなのだとは思います。そういう形でまとまってきたと理解しています。
【浅見委員】  ありがとうございました。それで、確かにそういう形で進めていくというのはすごく大事なので是非お願いしたいのですけれども、昨日、NIMSのサイトビジットで少し議論があったんですけれども、国の重要な先端技術、例えば量子技術であるとか、AIの活用であるとか、これが重要であるというのは、これは当然あるのですけれども、そのためにどういう研究をしていくのか、それをどういうダイレクションを、例えばマネジメントする立場の人がはっきりしていくのかということについては、必ずしも十分な議論をいろいろなところで、法人間であるとか政府との関係性とかの中で議論されているような感じがしなかったものですから、具体的なものを取り上げて、そこの研究のアドミニストレーションなのか、ダイレクションなのかはあれですけども、そういうのをどう進めていくのかみたいなことについては、できるだけ機会を取り上げて、是非活性化させていただきたいなと思いましたので、コメントさせていただきます。よろしくお願いします。
 私からは以上です。
【栗原会長】  ありがとうございました。今の新しい研究分野の振興という点は、科学技術・学術審議会などの、もう少し総合的な議論をやる場もあると思うので、実際にはそういう多面的な推進というのは文部科学省の中でもいろいろな場で議論されているとは思います。そういうものが、研発法人審議会の委員にも、知見としてシェアできると、今のような御質問には答えやすいのかと、また、観点も、委員が共有できやすいのかと思います。事務局でも、今のような御意見を踏まえ、御検討いただけるといいと思います。よろしくお願いします。
 ほかに御質問等ありましたら。伊地知委員、お願いします。
【伊地知委員】  よろしいでしょうか。伊地知です。
 資料2-2、それから参考資料15に関連して、この議事以降、今後の主務大臣評価において留意すべき事項ということで少しお伺いしたいのですけれども。この資料、申合せ自体は3月29日にできたということで、そうすると、まず、昨年度を対象とした業績評価においては、ここに記載されている内容が、直接的な意味では対象ではないということでよろしいのかどうか。それから、そうした場合に、恐らく、まだこれを踏まえて、各法人に通達等が出されていないのではないか。特に資料とかがないので、そう思われるのですが、そうした場合に、今後の例えば2法人に対する見込評価ではどう取り扱うのか。なぜかというと、今年度が対象になるからです。それから、その2法人に関しては、次の中長期目標の設定に関する議論があるのでよろしいかと思うのですが、他の6法人に関してはどのようになっていくのかといったところをどのように見ておいて、この審議会、あるいは各部会の中で、今後の議論のために準備しておいたらよろしいのか。そういったところを少し御教示いただければと思います。
【栗原会長】  事務局のほうからお願いします。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  事務局でございますけれども、参考資料15あるいは資料2-2についての扱いということですけれども、これ、3月29日ですから、ひと月半ぐらい前にまとめられたものですので、今、現時点での国としての考え方、国研に対する考え方をまとめたものという、そういう性格のものだと理解をしています。
 その上で、本審議会での評価などにどう関わってくるのかということだと思いますけれども、こういう動向があるということで、法人でいろいろお考えになったり、あるいは法人の所管課のほうでお考えになったり、あるいは、この審議会の前提ということであれば部会のほうで、これを踏まえていろんなことをお考えになられると思いますので、そういった中で、この内容の問題意識が自然に反映されてくるという、そういう性格のものではないかと思っております。
 この申合せについてはオープンですので、内閣府とかのホームページに載っているので、皆さん知っているというような状態になっています。
 それから、これを踏まえると、2法人については次期中長期目標計画を策定するときにこういった中身のことなどが踏まえられてくると思いますし、また、他の6法人についても、先ほど申し上げたとおりなのですけども、こういった関心を、関係府省申合せですので、国で持っているということを踏まえた形での評価書の案であるとか、あるいは自己評価をされるわけですから、その中で自然に反映されていくような部分が恐らくあるのだろうと思っております。
【栗原会長】  どうもありがとうございました。まず、中長期目標にはなるべくこういう点が反映されると望ましいということと、あとは、評価の中でもこういう観点も、委員としては心に留めて評価いただきたいということ理解いたしました。ここに出ている観点は、今、突然出てきたものではなく、従来から言われていることが大部分ですから、やはりこういう点を少し意識しながら評価していくということでよろしいのではないかと私は受け止めております。法人の皆さんにはこういう点も踏まえて、活動があれば是非御報告いただきたい。さらに、どういう形で展開するのか、部会の場も使って議論をしていただきたいと思いますけど。
【伊地知委員】  よろしいですか。伊地知です。
 基本的に、今後に向けた議論というのは非常に重要かと思うのですが、ただ、いわゆる基準として設定されて、後出しじゃんけん的に過去のことが評価されるということにはならないように気を付けたほうがよろしいかと。そこで、過去のことと今後のことというのは、それなりに意識して区分けをしておいたほうがいいのではないかというように思いました。
【栗原会長】  分かりました。バツをつけるようなものではないと私も思います。これは明示されているわけではないので。将来に向け、プラスのほうへ議論するための観点だということで、委員としては理解していったらいいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、ほかに御質問等あればお願いします。
【五十嵐委員】  よろしいですか。
【栗原会長】  五十嵐委員、お願いします。
【五十嵐委員】  五十嵐です。
 今のお話に関係するのですけども、先ほどの資料2-2のところで、1ページ、問題意識の中で、産総研の情報漏えいとJAXAに対するサイバー攻撃の話があって、かなり喫緊の問題なんだろうなと思っていまして、そこで研究セキュリティと研究インテグリティが出てくるのですけれども、私、産業界にいますので、産業界の立場からすると、端的に言うと、デュアルユースの話になってきます。もう宇宙と防衛とか、海洋と防衛、ある意味、デュアルユースの典型的な例なのですけれども、そういう中で、今年の国会でセキュリティ・クリアランス法案が通って、特定機密だけではなくて、民間が持っている情報に関してもクリアランス制度を作るという法律が決まって、これからいろいろ決まっていくと思うのですけれども、そういう中で、さっきのJAXAとかJAMSTECとか、ああいうところが民間との共同開発も含めて、どういうクリアランス制度といいますか、それを自分たちで考えて作っていくかだと思うのですけれども。でも、そういうのが、先ほど伊地知先生からのお話にあったような、ある一定の8法人につながるようなガイドラインみたいなものというのですか、何らかの基準みたいなものを発信したほうがいいんじゃないかなと、実は私もそういうふうに思っているんですが、その辺はどうなんでしょうか。特にJAXAは、来年新しい中期目標を作っていくのですよね。そういう中で必要なのではないかなと思ったのですけれども、何かもしお考えがあれば。
【栗原会長】  いかがでしょうか。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  事務局でございますけれども、セキュリティについての考え方は政府として既にまとめられているものもあるでしょうし、これからまとめられていくものもあると思いますので、全体として進められていくものだと理解しています。
【栗原会長】  五十嵐委員の御質問は、割と具体的なアクションとして何か標準的なものがあったほうがいいのではないかというような御提案かと思うのですけれども。
【五十嵐委員】  例えば、さっきのデュアルユースの観点から、民間が持っている防衛的な情報、今度のセキュリティ・クリアランス法案で、ある種の認可を得た人でないと研究できないというふうになっているわけですけども、先端的な機微技術を扱っている研究機関ですから、ここだけはみたいな、そういうガイドラインみたいなものがあったほうがと思ったのですけれども、特に去年、学術会議もセキュリティ・クリアランスの見解を出していて、それは各研究機関の自立性とか独立性、そこを保ちながら各研究機関でもってガイドラインを作るべきだという話なのですけれども、それよりもうちょっと上位の、ここだけはみたいなところがあったほうが、ガイドラインのガイドラインみたいなやつが、ガイドラインを作る上でのガイドラインみたいなものがあったほうがいいのではないかなというふうに思っているのですけれども。文科省の国研としての。
【栗原会長】  文科省として、何かお考えというか、御検討になっているところがあるかどうかという御質問でしょうか。
【五十嵐委員】  はい。
【西條大臣官房審議官】  どうもありがとうございます。審議官の西條です。
 多分、ちゃんとまとめてお話をしたほうがいいと思いますけれども、もともと貿易管理、当然法令遵守という意味での貿管令とか、この辺のガイドラインについては、国立大学、国研に対してちゃんとガイドラインができていまして、それに伴って体制整備だったり体制を整えなきゃいけないということはガイドラインとして示されております。これは、経産省が主ですけど、それを受けて文科省のほうと一緒にやっている。毎年、それに対してはどのくらいできているかというアンケートとかも取りながらチェックをしている。
 今回、インテグリティの部分も入ってきて、ここの部分も、19ページ以降にもインテグリティのところが書いてありますけど、あれを受けて、やってくださいという中身については示してはいるというところになります。
 今回、法案の部分については、いわゆる国の持つ、国家として持つ秘密ということになって、研究機関そのものが持っているものというのは、直には対象にはなりません。ならないのですけれど、今後なり得る可能性、いわゆる民間企業がそこのほうでなるのと同じように、国立研究機関が、国の機関、あれを持たざるを得ないというようなときにはなり得るというところは当然あり得るのですが、いわゆる共同研究をやる国研だから、それが全部なるということにはならないということにはなっています。
 ただ、今どうしてもそこは御指摘のとおり、セキュリティ、インテグリティの部分というのはかなりシビアな形になってきていますので、そこの部分については、しっかりと対応していただくということで、今回多分、この取りまとめのときは、私、いなかったのですけれども、特にそこについては中長期計画の中でもしっかりと定めてくれというような強いお願いをしているところは、こういった流れの中に対応して、先ほど申し上げたようなガイドライン、出ているものもありますし、方向性というのは出しておりますので、そこを踏まえて対応してほしいということで、今回もこういった形での申合せということになっていると思います。
 多分、各法人ごと、取り扱っている領域も異なるところがありますので、恐らくそこの特性はよく見ながら考えていただいたほうがいいとは思いますけれども、おっしゃるように、ベースになるところは大分一緒だと思いますので、その辺はガイドラインだったり通知だったりというものをベースに、一応対応していただくということになろうかと思います。
【五十嵐委員】  よく分かりました。ちょっと先走ってしまって。民間としては、デュアルユースの観点からすると、JAXAとJAMSTECに関しては、これは民間が持っている機微情報みたいなものを共有化して共同研究していくときに、ある程度のガイドラインが必要で、それは多分これから決めていくと思うのですけれども、そういうときにそういうことになると思いますので、よろしくお願いします。
【栗原会長】  どうもありがとうございました。非常に難しいところではありますが、御意見、御説明ありがとうございました。
 ほかに御質問等ありますでしょうか。
折茂先生、どうぞ。
【折茂委員】  よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 ちょっと1点、コメントさせていただきたいと思います。
 研究分野ですとか、あるいは技術分野によって在り様というのは違ってくるかと思うのですけれど、例えば研発法人というのは、その研究分野を代表する研究機関であると思えます。そういう意味で、今回に関しましては、もちろん法人評価でございますので、その法人がどう活躍しているかというのは非常に重要な指標だと思うのですが、その研究分野全体を見たときに、日本全体の技術分野、研究分野がどう上がってきているかと、底上げしてきているかという、そういった法人のミッションを少しオールジャパンの観点で見たときに、どういった役割を果たしているかというところも今後重要になってくるのかなとも思っております。そういった法人だけではなくて、その法人が日本全体に対して、あるいは状況によっては上回ると、世界に対してどうポジティブな影響を及ぼしているかという、そういった観点での評価というのがあってもいいのかなと思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。
【栗原会長】  ありがとうございます。これは委員間で意見交換するような話題かと思いますけれども、当然、研究成果最大化というのは、1法人にとどまることではなく、法人間、さらに産学官と、活動のいい形での連携というのは、正に今、折茂先生の言われたような観点になると思いますので、これは、従来から成果の最大化というのは広く見て、最終的には、国力あるいはそれこそ世界の知だったり、また研究力の向上のためにというだけではなく、全体に社会がよくなるようにということ、大きく言えばそういうことだと思います。そのような観点で従来も議論してきたと私は理解しております。成果の最大化は、非常に幅広い言葉だというふうに捉えております。
【折茂委員】  栗原会長、ありがとうございます。決してローカルにその法人だけということではなくて、広がりというところも含めて。
【栗原会長】  もちろんだと思います。
【折茂委員】  私自身、そういった気持ちで対応させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【栗原会長】  そういう観点、今までも皆さん御評価になっていると思いますけれども、改めて部会のほうで、そういう観点をシェアしていただきまして、よろしくお願いいたします。
 中川委員、どうぞ。
【中川会長代理】  中川です。
 今の話は、プラスの方向に向いている話としては評価ということでしやすいのですけれども、最後の研究セキュリティ、インテグリティの話というのはマイナスがないようにするということの評価、とても難しいなというふうに思っていて、逆に、Bだと評価しているんだけど、それはなかったのでいいことなんだけどみたいなことが、どうやっていけば、こういうことをちゃんとやっていただいて、かつ全体の研究をもっとよくしていくというための評価の仕方というのは、多分、こういうのがより求められてきているからこそ、法人のほうからこういうことに工夫していることみたいなことをできるだけ吸い上げて、それでまた研発審のほうで協議していく、また皆さんに戻していくみたいなことを、例えば、こういうものが動きやすさということはより意識して、私たちが各部会で拾い上げていく、ないし、各部会で作っていただく資料とかの中に、これだけ評価に入れるか入れないかという話、難しいところですけど、でも、そういうのをやっていかないと追いついていかないというか、そういうことになってしまってから、何でだみたいな話をするのは難しいなと思っていて、私たちとしてはポジティブに評価することを目的にしているのですが、ネガティブなことを避けるために何をやっているかみたいなものを拾いたいなと。メディア的に言うと、何かあってから伝えるのはけしからんというのを、すごくよくやっている。なので、そうじゃないように、どうやってやっているかという工夫を、是非各部会でも拾い上げて、それで事例共有していけるといいかなというのは、聞いていて思いました。
 ちょっと感想めいたお話なのんですけれども、各部会に対しても、事務局のほうからそういう視点で、是非、これまで動いていくときに、横で参考になるようなものを上げてもらうような形で言ってもらえると、部会運営もしやすいのかなと思いましたので、ちょっと気になったところです。
 以上です。
【栗原会長】  今日は、部会担当の皆さん、文科省の担当の方々も聞いていらっしゃるので、新しい課題に関しては、現状の把握と今後の方向性についての議論というか、少し御意見を述べられると部会としてもいいだろうと、そういう観点も含めて資料等を御準備いただければ委員のほうとしてはありがたいので、よろしくお願いいたします。
【西條大臣官房審議官】  1つよろしいでしょうか。
 審議官の西條ですけど、今の、特に研究セキュリティ、インテグリティの部分については、ある意味、組織としてのマネジメントをする上で非常に重要なお話にはなってきますので、そういった視点で見ていただくとともに、恐らく、もちろん何か起こるということを防ぐというのもあるのですが、それはなぜかというと、ある意味、研究環境をちゃんと維持してやって、ある意味、研究者をちゃんと守るというか、組織として守るというための策として、こういったものをしっかりとやっていく、整備をしていくということになると思いますので、そういう意味では、何かとこの手の話は規制だとかネガティブなほうに見えがちですが、言い方はあれなんですけど、どちらかといえば、その環境をしっかり整えて、よりしっかりとした研究、その研究も、ある意味しっかりと成果につなげていける環境作りのためにも、こういったものが、今、いわゆる社会から求められている、世界でも求められているというところで対応をという視点でも、是非見ていただければというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。
【栗原会長】  ありがとうございました。先ほども国際的な信頼のためにということもありますけど、社会との信頼関係のためにというようなことで前向きに捉えていきたいという御意見をいただいて、ありがとうございます。
 ベントン委員、お願いします。
【ベントン委員】  ベントンです。よろしいでしょうか。
 資料2-2を見まして、本当によかったと思いますけど、2ページ目に、問題意識が、民間企業のコラボがかなりトップに出て、あるいは企業との共同研究もトップに出て、今まで、これがすごく日本はまだまだ足りないところだったというふうに思います。日本の企業、大学のせいだけじゃない、日本の企業もなかなか、日本の大学にお金出さない、アメリカほど、あるいはヨーロッパほど出してないということで、今、文科省が考慮してきたことは、重視したことはとてもいいと思います。でも、指摘するだけでなかなか難しいと思うんです、文科省だけでやるのは。これで進めるのは、あるいは大学法人、やはり企業は経済産業省ですね、税制の免除とか、かなり影響してくるのですけれども、1つの省庁だけでは、これがなかなか進みづらいと思うんです。是非、国の各省庁と合わせて、これを進めてほしいと思います。
 例えば、去年、東大とシカゴ大学、100億円のクアンタムの研究をやりましたし、筑波もワシントン大学と大型研究やりますけど、全部外国の企業がかなりファンドしてくれるので、文科省が一つ一つの政策で変わることができるのは難しいと思うのですけれど、ぜひ省庁を超えて、日本企業の意識を整えていただきたいというふうに思います。
【栗原会長】  ありがとうございました。
 あと、国崎委員どうぞ。
【国崎委員】  すみません、国崎です。ありがとうございます。
 先ほどのセキュリティの件で、研究セキュリティの件に戻ってしまうことは恐縮なんですけれども、JAXAであったり産総研の事例があって、ともすると、こういうことが起きたということでセンセーショナルに社会に伝わっていくということがあるんですけれども、大切なのは、環境を整えるというお話もありましたけれども、なぜそれが起きてしまったのかということと、それから、それを受けてどのような対策をしたのかという情報こそ、横展開で皆様が共有していくことによって、そこからそれをどのように評価していくのかということにもつながっていくのかなというふうに思いました。
 ですので、現状、産総研なりJAXAのほうで具体的にどのような対策をどのような連携をもって進めているのかというような情報共有というものは可能なのでしょうか。それについて教えていただきたいなと思いまして、手を挙げました。
 以上です。
【栗原会長】  いかがでしょうか、今の情報共有の話。
【西條大臣官房審議官】  文部科学省の審議官の西條です。ありがとうございます。
 どういった対応を取ったかというのは、本件については、恐らく科学技術・イノベーション推進事務局のほうで取っていると思います。
 それと、先生おっしゃるとおり、いわゆるこういったものについては、ヒヤリハット的なものも含めて、情報共有というのはすごく大事だと思いますので、どこに何が隠れているのかというのはなかなか、最低限整えなければいけないというものは、当然ガイドラインとかで示されるのですが、実際の運用の中で何が起こってくるのかというのは、恐らく事例を見るのが一番勉強になりますし、また、それに対してどういう対策を取るというのは1つのベストプラクティスみたいな形になると思うので、そこは少し横展開が図れるというのは、この部会もそうでしょうけども、全体として、正に研究セキュリティ、インテグリティをどうやっていくかという点では、そういったいい事例、よい事例の横展開というのは恐らくやってもいると思いますので、その辺はまた、どの機会になるのか分からないですけども、御紹介できるようにしたいと思います。
【栗原会長】  よろしくお願いします。特に、いろんな法人と共有できると法人も考えやすいと思います。ここでの議題ではないのですけれど、関連するのでちょっと発言させていただくと、先ほどの指摘事項のところの2ページの、評価でCとなった項目については、他法人でも参考とすることが必要ではないかと1行で書いてあるのですが、これについても、どのようにフォローして対応しているのかということを、是非翌年度、部会で把握していただいて、確認していただいて、審議会等に報告いただくことで、他法人の参考になるようなように、むしろ今言われたとおりで、フォローアップをどうしているかということが重要だと思います。どういうふうに改善してよい形に持っていったとか、どのような気がつかない課題があったかということを共有いただけると非常に有効かと思っております。補足させていただきました。ありがとうございました。
 ほかにも何か。髙橋委員、どうぞ。
【髙橋委員】  髙橋です。JAXA部会を担当しております髙橋です。
 今JAXAは、実は2022年度の評価において、研究不正の事案ですとか、それからH3ロケットの延期並びに失敗と、イプシロン6号機の失敗等もございまして、特に技術的な問題については、もういろいろな査察をしているわけですけども、部会並びに大臣評価においても、マネジメントレベルでの問題があるのではないかということで、実際、マネジメント改革を促すような、そういった評価が行われまして、昨年から随分JAXAがマネジメントレベルの改革ということで取り組んでまいりました。
 したがいまして、このマネジメントレベルの改革については、恐らく他の法人にも共通するような課題があるかもしれませんので、文科省の方へのお願いですけれども、JAXAが取り組んできたというか、今、取り組んでいる最中ですけれども、マネジメント改革の内容も1度お話する機会があればと思いますけれども、いかがでしょうか。
【栗原会長】  部会担当者の方がいらっしゃれば、一般論でお話しいただければと思いますが、よろしくお願いします。
【池田宇宙開発利用課課長補佐】  宇宙開発利用課の池田と申します。
 今、髙橋委員のほうから御紹介のありました、JAXAのマネジメント改革委員会の検討の報告書につきましては、先日の宇宙開発利用部会で御説明させていただきまして、JAXAとして、職員、若手も含めて、一体となって組織全体の構造的な問題ですとか文化的な問題について議論をし、その中で出てきた問題について一つ一つアクションプランを作っていくということになっております。
 正に髙橋先生がおっしゃったように、ややもすれば、ほかの法人にも、もしかしたら機能し得るノウハウ、ないし知見が蓄積されているということもあるかもしれませんので、この場であまり長く説明するつもりはないのですけれども、御参照いただくということは大変有意義なのかなというふうに思います。
 以上です。
【栗原会長】  いろいろな、特に大規模な設備とかの開発における課題、注意事項等出てくるのではないかと、一般的な、シェアできるものが、他法人にとっても有効な情報があるのではないかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 ほかに。髙橋委員、今のはそれでよろしいですか。
【髙橋委員】  結構です。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【栗原会長】  それでは、古城委員、お願いします。
【古城委員】  国際状況も変わり、国内の状況もいろいろ予測がつかない形で変わっているという状況で法人の評価をしていくということなのですけれども、例えば為替レートの非常に大きな変動とか、あと、物価の上昇とか、そういった研究環境を取り巻く非常に厳しい状況が出てきていると思うのですけれど、そういうのは、法人評価の中で、どういうふうに取り扱ったらいいのか。つまり、例えば国際交流をやるにしても、非常にやりづらくなっているというのはあると思うんですよね。そうすると、目標は掲げているけれども、一生懸命やろうとしても、そういった外的な状況で非常に難しいというような状況が出てきていないとも限らないので、そういったのはどういう形で評価すればいいのかというのは、何か御意見があれば伺いたいというふうに思います。
【栗原会長】  具体的な御意見、おありですか。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  事務局の髙橋ですけれども、例えば国際交流の観点であれば、コロナのときに海外に調査に行けないとか、あるいは海外から招くこともできないというような状況があって、そのときにどう評価したかとかという、多分そういったときのケースが、1つ参考にはなるのではないかなと思います。ですので、進めるに当たっての負の要因が外的にあったということだと思うのですけれども、そういったところを加味していくということになるのだろうと思います。
【栗原会長】  コロナ禍ではやはりいろいろな困難があって、それぞれの法人がそういう中でどう工夫したかという、そういうことも随分御報告があって、そういう観点から、評価を上げた場合もあると思い出しました。よろしいでしょうか。
【古城委員】  分かりました。そうしますと、どのぐらいそういうことに、そういう環境変化があっても工夫したかとか、そういうのもポジティブに評価していくということでよろしいでしょうか。
【栗原会長】  はい。
【古城委員】  分かりました。
【栗原会長】  ほかに何か御意見ありますでしょうか。
 そうしたら、議題2はこれで、大分幅広く議題2で議論させていただいているので、議題3ももう始まっているような感じではありますが、議題2についてはここで終了して、議題3に移りたいと思います。
 これまでの説明や議論を踏まえて、全体としての意見交換の時間といたします。全体を通じて御質問や御意見ありますでしょうか。8つの部会事務局からも、これもすでに陪席いただいた方に今御回答いただいたところですけれども、必要に応じて御発言いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 何か、特に指摘事項の、先ほど資料1-2について御説明がありましたが、これは繰り返しこの会で議論されている観点なので、部会が始まりますと、こういう多面的な観点で、皆さん、議論いただきたいということですが、何か御意見あれば、是非よろしくお願いします。ベントン委員から手を挙げてらっしゃいますか。
【ベントン委員】  すいません、私の先ほどの発言はここでしたほうがよかったと思いますので、もう一つお聞きしたいのですけれども、産学連携を日本で進めるには、今のままでやってくださいというと、日本の企業、なかなか難しいのですれけど、この間、JSTに視察訪問したときに橋本理事長も言っていましたけど、やはり文科省と経産省、企業は経産省を見ていますので、協力しないとなかなか難しいと言っているのですけれども、文部科学省のほうで、本当に産学連携を進めるインセンティブとか、企業側に対して、今何か考えてらっしゃるんでしょうか。
【栗原会長】  大分幅広い質問かと思いますけど。
【浅見委員】  いいですか。NIMSで議論されている例について御紹介しますけど。
【栗原会長】  あまり個別にならないように、一般論としてお願いします。
【浅見委員】  NIMSでも同じような議論があって、今までのようにNIMSの活動範囲の中で産業界とどうこうというふうに閉じているとなかなかやりにくいということもあって、最近、2年ぐらい前になるんですか、産総研がAISolという組織を作って、研究成果の社会実装をかなり専門にやる、独立した会社になっているんですか、それを始めていますけども、そこはあまり個別にということではなくて、NIMSと、それから産総研も合わせた形で、そういうAISolみたいな機関を利用して、NIMSの研究成果も、そういうところを通じて社会実装につなげられないかということで、かなり共通の活動を始めようということでもう動き始めていますので、そういう連携に対する取組みたいなものは十分評価の中で議論もできるし、それからこういう場で紹介もできるのではないかなというふうに思っています。
【栗原会長】  ありがとうございます。全般的に非常に産学連携は推進されているので、かなり進んでいると私は感じているのですが、諸外国にという比較軸は、ベントン委員のどのくらいということの基準や形が少し違うのかもしれないですけども、全般的なお話として、何か事務局のほうからおありでしょうか。
【西條大臣官房審議官】  審議官の西條でございます。ありがとうございます。
 今、会長からお話あったように、昔に比べるとということではあるのですけれど、産学連携について、私も担当の課長をやっていたことがあるのですが、正直2001年くらいから産学連携というところを、政府の政策の中心に置きながらやってきて、ようやく最近であればかなり産業界、これは大学含めてでございますけれども、産業界との連携なんか、先ほどお話のあった東大との100億とか、ああいったものまで出てくるような、大型の組織と組織の連携というのも今できてきているような状況にはなっております。
 ただ、そこは御指摘のとおり、アメリカなんかと比べると、十分かというとまだ不十分なところがあるというところもあって、そこにつきまして、先ほどもお話ありましたけれども、これは文科省だけではなく、経産省や、ある意味旗振りである内閣府の総合科学技術・イノベーション会議のほうも旗振りになって、こういったものについての支援策だったり、制度の改正だったり、税制上の優遇措置とか、そういうところも含めて対応は取っております。
 ですので、あと国研という意味で見ると、先ほどNIMSの話もありましたが、私もNIMSの担当課長をやっていたのですけれども、正にオープンイノベーションということで、いろんな企業が、基礎的で共通でできるようなところについては、こういった国研をうまく活用してやるというような新しい取組とかもいろいろとやらせていただいているので、そういったところを、よりこれから充実させていくというところは、我々のほう、政府としてもしっかりと後押しをしていきたいと。これは文科省に限らず、政府全体として後押しをしていきたいというふうには考えているところです。
 ちょっと総論的な話で申し訳ありませんが、そういった形で今進めているというところでございます。
【栗原会長】  ありがとうございました、御説明いただきまして。ベントン委員、よろしいでしょうか。
【ベントン委員】  もちろん、私の質問は大きい質問で、今すぐ答えるものではないと思いますけど、やっぱり意識ですね。皆さんおっしゃったように、最近もそうですけど、まだまだ諸外国に比べて全然産学連携の度合いが、全然比率がすごく低いと思うので、少しずつ、少しずつといってもあれなんだけども、今、着実に進めていただきたいと思います。ありがとうございます。
【栗原会長】  ありがとうございました。先ほど、研究マネージャーの話もありましたけれども、少し、かなり総合的な課題なので、スピード感でいえば、あるテーマに対して必要な研究者をいかに速やかに集めて、新しい連携体制を作るというようなところも、今、正に進めていらっしゃるところだと思うので、全体がいい形で進むように、いろいろな観点で、評価の機会にも産学連携に対してのリクエストや指摘をするなど、よろしくお願いします。
【三枝委員】  三枝です。
【栗原会長】  よろしくお願いします、三枝先生。
【三枝委員】  ありがとうございます。
 今のベントン先生のお話の一部分にもなるのですけれども、産学連携で人材を育成していく、しかも国立研究開発法人もそこに一緒に参画していくことが非常に必要な例としまして、最近、内閣府や文科省からの情報に基づく報道発表などを見ていきますと、内閣府等で博士人材を大幅に強化するというお話を伺っています。2040年頃までにかなり今までよりも大幅に増やすのだと、そういう人材が必要とされている。それは確かにそのとおりだと思うのですが、過去にポスドクをたくさん増やしながら大学や国立研究開発法人の中でその方々を十分に吸収できなかったために、ある年代のポスドクの方が、どうしても安定した職業に就けなかったという時代はあったかと思います。
 私としましては、これを繰り返してはいけないので、大学で博士号取得者を増やしていただいた後に、企業はその方々を十分に吸収できるように、十分な産学連携を早くから進める必要があると思いますし、今日話題になっております国立研究開発法人でも、本当にクラシックな、いろんな創造性の高い研究をやるというような方のほかに、研究所全体のマネジメントを含めて支える人材、一例を挙げれば、高度な情報セキュリティの保全のようなことができるような人たちなども含めて、それから、重要だけれども、なかなか人材育成できていないといったところもありますが、そういう博士号を持って、様々な職種でプライドを持って働いていただく方々をしっかりと育成する、そしてそのためには国研も頑張るんですけれども、これは多分研発法人強化だけで何とかなるものではないので、各関係府省庁、それから大学、産業界も、これから博士人材を増やす施策がうまくいけば年々増えてくると思いますので、その方々がしっかりと、よい立場で仕事に就けるように、かなり意識して取り組む必要があるかなと思いました。そういうところを各法人も、今から準備して人材を育成すると、マネジメント人材も含めて育成するという視点を強く持つ必要があるかなと思いました。
 以上です。
【栗原会長】  人材育成について広範囲な御意見いただいて、どうもありがとうございました。博士人材、これから産業界でも求められてくると思います。今、人材不足ということで、今後、人の取り合いもあるかと思うので、いい人材を社会が育てていけられるように、研発法人にも頑張っていただきたいという意見でした。ありがとうございます。
 それでは、次、篠藤委員。
【篠藤委員】  篠藤です。ありがとうございます。
【栗原会長】  よろしくお願いします。
【篠藤委員】  時間も残り少なくなってきましたので、私から2つほど、今後のお願いといいますか、お話ししたいと思います。
 まず一つは、先ほどからお話しされています資料2-2のところですけれども、各部会で各法人の取組を拾い上げていくというようなお話がありましたが、今後部会では、各法人から説明を受けていろいろな資料を提供していただくと思いますが、その中で、各法人が取り組んでいる内容を積極的に資料の中に盛り込んでいただくような工夫をお願いできたらと思います。例えば、先ほどから出ております研究セキュリティ・インテグリティの辺りでしたら、これは各法人がリスクとして捉えて、それに対する対応を講じていらっしゃると思います。ですので、そういった取組を教えていただければと思います。
 もう一つは、資料1-2です。7ページの一番上の丸になります。業務運営の効率化はBしかつかないというところです。業務運営の効率化に関しては、研究開発を行っていく土台となる、基礎となる部分の話だと思いますので、最近は環境も大きく変わっておりますし、結構重要度が上がっていると私は感じております。ですので、ここに関しましても、積極的に各法人から取組をいろいろと教えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
【栗原会長】  どうもありがとうございました。特に運営的なところ、なかなか隠れてしまうところなので、そういうところも積極的に資料を出していただきたいという御意見、ありがとうございます。
 ほかにありますでしょうか。横田委員、お願いします。
【横田委員】  ありがとうございます。横田です。
 一つだけ、去年の部会内で出たことをお話しします。例えば施設をオープンにして稼働率を上げることは、高く評価される、そこにはセキュリティ上のはっきりした規制がない。ただ、将来の国のことを考えると大丈夫なのかという御意見がありました。そのときは御意見として承ったんですけれども、そういう事項はどういうふうに持ち出したらいいのか私どもも悩んだので、もし何か方針があったら教えていただきたいのです。この委員会の範疇からは逸脱しているから、そんなことは考えなくていいという考え方もあると思いますし、あるいは話だけは出しておいたらという考え方もあると思うのですけれども、その辺は。
【栗原会長】  コンフィデンシャルな成果をどう取り扱うかという話でしょうか。
【横田委員】  評価というよりは、別のところで決めるべきことがあるのではないかというお話です。具体的に言っていいかちょっと分からないので、ここでは避けます。
【西條大臣官房審議官】  文科省審議官の西條ですが、こちらの理解だと、いわゆる施設をどんどん使ってもらいましょう、民間にも使ってもらいましょうということでオープンにする、それの実績が上がるということ自体は、その施設を使っていただくということでいいのだけれども、そこに、正直なところ、機微的な技術もあるのに、それをどんどんそうやって広げていくことという視点で見たときに大丈夫かというような御意見があったということでよろしいでしょうか。
【横田委員】  はい、誰にでも施設を活用していただいていいのかという話です。
【西條大臣官房審議官】  それぞれの施設においてどう考えるかということに多分なると思います。そのときに、今回のように、いわゆるセキュリティの問題とかが注目されている中で、一定のルールを本来でなければ設けなきゃいけないのに、それもなくオープンにやっているということについては、将来に向けて何か困ったことが起こるんじゃないかという御指摘あれば、それは一つの御指摘、恐らく評価の中でそういう御指摘をいただくというのはあるかと思います。
 ただ、一方で、正直どんどんオープンに使ってもらいたいというものであれば、その施設の機微度にもよるというところで御議論をしていただくしかないかなというところだとは、個別のものについて、そこは逆に言うと、組織としてちゃんとそういう意識を持ってやっているのかというところを評価の中で聞いていただいて、考えていませんでしたという話になると、これはどうしたものかねという御意見が出てもおかしくありませんし、こういう施設でこういう考え方なのでこんなにオープンにしていますということが的確に示されるのであれば、そこは先生方いろいろな御意見あると思いますけれども、そういったところで見ていただくのかなというのが見方かなというふうに思います。
 一般論的に言うとそんな感じだと思いますけど、よろしいですか。
【栗原会長】  どうもありがとうございました。そのとおりだと思います。
 ほかにございますでしょうか。
【中川会長代理】  中川でございます。
 前回もたしか申し上げたと思うのですけれども、資料1-2のところの3ページ目、頭にある、理事長のマネジメント、リーダーシップに関するところで、平成28年度に1度マネジメントの調査を丁寧にやっていて、それはいろんな意味で皆さんの議論のベースになっていると思うのですが、皆さんと交代をし、それから中長期計画を一旦ぐるっと回ったところで、もう一度この視点について何かフォローをしたような、現代化するような形で調査していただけると、各法人、どんな苦労をしているかとか、我々、評価するところ、向こう側に全部あると思うのですけれど、それはやっていただけるようなことは考えていらっしゃるのかどうかというのを、前、たしかちらっとお伺いしたと思うのですが、今後は予定されているかどうか、もし考えていないようでしたら、そういうこともやっていただけるとありがたいなと思うんですけれども。
 以上です。
【栗原会長】  事務局、お願いします。
【髙橋科学技術・学術戦略官】  今の中川先生からおっしゃられた観点での調査というのは、今後、御報告できるかと思います。
【中川会長代理】  ありがとうございます。
【栗原会長】  それでは、どこかで御報告いただけるものと思っておりますので。
 ほかにございますでしょうか。
 私、今回、資料1-2のまとめを見て少し気になったのは、最終年度の評価を重視する考え方というところにいろいろな考え方が出ているんですけども、最終年度がSが付けば全体としてはいいのではないかという議論に大分重みが置かれてしまっていて、これは積み重ねで何かをやっていくときに、最終年度Sであれば期間評価Sでしょうけれども、個別研究の積重ねのような領域もあるわけで、そういうところでたまたま最終年度Sが出ても、それは全体平均するべきで、その内容については、是非部会で、どういう場合に平均ではないのかというところは議論していただいて丁寧におやりいただければと思いました。前回、平仄をそろえるような議論も大分ありましたけど、あまり今度そろえることに気持ちがいくと機械的になりがちではないかと思って少し心配になりましたので、今回、申し添えさせていただきます。
 ほかに何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、大体時間でもございますので、ここで議題3を終了したいと思います。
 それでは、最後に、事務局から連絡をお願いいたします。
【仲科学技術・学術戦略官付補佐】  事務局です。
 今回の議事録につきましては、事務局にて作成した案を皆様に御確認いただいた上でホームページで公表させていただく予定です。次回は7月30日火曜日の開催を予定しております。開催時間等の詳細につきましては、後日、事務局より御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
【栗原会長】  どうもありがとうございました。今日も変わらず活発な御議論、ウェブで御参加の皆さんも会場で御参加の皆さんもいただきまして、本当にありがとうございました。それでは、これで閉会いたします。どうもありがとうございました。
 

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