国立研究開発法人審議会(第18回) 議事録

1.日時

令和3年1月13日(水曜日)13時00分~15時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 中長期目標の変更について
  2. 文部科学省国立研究開発法人審議会における評価にあたって示された指摘事項のまとめについて
  3. その他

4.出席者

委員

栗原会長、中川会長代理、浅見委員、五十嵐委員、ヴィ-ツォレック委員、江川委員、古城委員、佐々委員、篠藤委員、髙橋委員、永井委員、山口委員、山田委員、小林臨時委員、角南臨時委員、松田臨時委員
 

文部科学省

板倉科学技術・学術政策局長、梶原大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、佐野科学技術・学術戦略官(制度改革・調査担当)、植田評価・研究開発法人支援室室長補佐
 

5.議事録

【栗原会長】 定刻となりましたので,これより文部科学省国立研究開発法人審議会(第18回)を開会いたします。
【植田評価・研究開発法人支援室室長補佐】 全員,そろいましたので,よろしくお願いいたします。
【栗原会長】 分かりました。本日は,16名の委員及び臨時委員に御出席いただき,定足数に達していることを御報告申し上げます。
本日は,新型コロナウイルス感染防止のため,オンラインで開催いたします。通信状態等に不具合が生じるなど,続行できなかった場合,審議会を一時中断する可能性がありますので,あらかじめ御了承ください。
また,本日の審議会は公開にて行います。議題は,お手元の議事次第どおりでございます。
次に,議事に入る前に,事務局に人事異動があったとのことですので,事務局より御報告をお願いします。
【植田評価・研究開発法人支援室室長補佐】 前回審議会以降,事務局に人事異動がございました。ここで紹介をさせていただきます。
企画評価課長として,塩田が着任しております。
【塩田企画評価課長】 塩田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【植田評価・研究開発法人支援室室長補佐】 次に,科学技術・学術戦略官として,佐野が着任しております。
【佐野科学技術・学術戦略官】 佐野でございます。よろしくお願いいたします。
【栗原会長】 どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
それでは,配付資料の確認とオンライン会議の注意事項の説明を事務局よりお願いします。
【植田評価・研究開発法人支援室室長補佐】 本日の配付資料については,一覧のとおりです。
本日の会議は,前回に引き続き,新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からWebexにて開催とさせていただきます。Webexによる会議開催に当たり,事前にお伝えしておりますとおり,委員の皆様にお願いがございます。通信の安定のため,発言を除き常時マイクはオフとしていただきますよう,お願いいたします。なお,栗原会長におかれましては,常時マイクをオンとしていただけますよう,お願いいたします。
通信状態等に不具合が生じるなど,続行できなかった場合,審議会を一時中断する可能性があります。この場合,委員の皆様に御迷惑をおかけしますが,接続を切らずに,今のように,皆様,お待ちいただければ幸いです。
御発言の際には挙手ボタンを押して御連絡ください。栗原会長におかれましては,参加者一覧の画面を常に開いておき,手のアイコンが表示されている委員を指名していただくようお願いいたします。万が一,挙手ボタンがうまく押せない場合は,実際に手を挙げていただくか,マイクをオンにしてお名前を仰(おっしゃ)っていただきますようお願いいたします。
また,発言の際にはミュートボタンを外して御発言ください。万が一,ミュートボタンが外れない場合には,チャット機能にて全員宛(あ)て,御意見をお送りください。チャットのタブは,参加者タブの下部にございます。傍聴者の方々におかれましては,チャット機能を使用しないよう御留意ください。
本審議会には,議事録作成のため,速記者が参加しております。速記者のために,御発言の際はお名前から御発言いただけますようお願いいたします。
トラブル発生時は電話にて事務局まで御連絡ください。
【栗原会長】
それでは,議事に入ります。
議題1は,中長期目標の変更についてです。今回は6法人について,中長期目標の変更がございますので,まずは簡単に事務局から説明をお願いします。
【植田評価・研究開発法人支援室室長補佐】 今回,中長期目標の変更を予定しているのは,NIMS(物質・材料研究機構),NIED(防災科学技術研究所),理化学研究所(理研),JAXA(宇宙航空研究開発機構),JAMSTEC(海洋研究開発機構),JAEA(日本原子力研究開発機構)の6法人でございます。
主な変更の内容につきましては,NIMSはマテリアル戦略策定に伴うデータ中核拠点の構築に関する業務の追加,理研は量子コンピュータ研究の中核拠点の構築に関する業務の追加,NIED,JAXA,JAMSTEC及びJAEAは,法改正を受けた出資業務の追加となっております。
各法人の変更案については,本審議会後,1月26日に開催されます,総務省独立行政法人評価制度委員会への諮問及び財務省との協議を経て,確定となります。なお,特定研発であるNIMS及び理研については,特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法に基づき,総合科学技術イノベーション会議へも今後,諮問を行うこととなっております。NIMS及び理研の変更内容については,担当の事務局より御説明いたします。NIED,JAXA,JAMSTEC及びJAEAについては,変更内容が共通であるため,まとめて当方より御説明いたします。
【栗原会長】 ありがとうございます。では,まず,NIED,JAXA,JAMSTEC及びJAEAについて,総会事務局より説明をお願いいたします。
なお,質疑応答については,全法人の説明の後にまとめて行うことといたしますので,よろしくお願いします。
それでは,御説明をお願いします。
【植田評価・研究開発法人支援室室長補佐】 総会事務局でございます。
私からは,参考資料1,資料1-1,参考資料2及び参考資料3を使って御説明いたします。
まず,今回の中長期目標の変更の背景を,参考資料1を使って御説明させていただきます。
1枚目に,研究開発法人による出資の拡大について,制度の変遷として,科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(旧研究開発力強化法,以下活性化法)改正の経緯をまとめております。平成25年,JSTを含む3法人において法人発ベンチャーに出資が可能となりました。平成30年の改正で,出資可能な事業者の種類と出資可能な法人が拡大となりました。具体的には,法人発ベンチャー,ベンチャーキャピタル又はファンド,成果活用等支援法人として,TLO機能に加えて,共同研究の企画あっせん等を行う法人に対象が拡大いたしました。また,出資が可能な法人も22法人になりました。文科省の法人では,NIMS,QST及び理研が追加されました。今般,令和2年の改正,今年の4月に施行予定でございますが,成果活用等支援法人で,研究開発を実施できる旨が明確化されました。また,出資可能な法人が更に拡大し,22法人から27法人になりました。
2ページ目を御覧ください。出資が可能な法人及び,それぞれの法人で認められている出資先について,一覧でまとめてございます。今回,新たに追加された部分は赤字になっております。NIED,JAXA,JAMSTEC及びJAEAにおいて,新たに出資が可能となりました。NIED,JAMSTEC及びJAEAは法人発ベンチャーへ,JAXAは更にベンチャーキャピタルと成果活用等支援法人へも出資が可能となります。NIMSについては,これまで法人発ベンチャーのみに出資が可能でしたが,今回,成果活用等支援法人にも出資ができることとなりました。
3ページ目と4ページ目は,根拠条文として法律と施行令をそれぞれ記載しております。このような法改正を受けて出資業務が追加となる旨,今回,各法人の中長期目標に反映させることとなります。
中長期目標の主な変更についてですが,資料1-1,2-1,3-1,4-1は法人名のみが異なる,ほぼ同じ内容の資料となっておりますので,資料1-1を用いて説明させていただきます。
NIED,JAXA,JAMSTEC及びJAEAの中長期目標の変更についてですが,目標変更の背景,必要性及び法改正の概要については,御説明差し上げたとおりです。目標変更の内容ですが,研究開発の成果の最大化,その他業務の質の向上に関する事項の中で,法人ごとにふさわしい箇所に,その法人の研究開発の成果を活用する成果活用事業者,いわゆるベンチャー企業への出資を行う旨追加で記載いたします。また,ベンチャー企業以外のベンチャーキャピタル,成果活用等支援法人への出資を可能とする場合等という表現となっております。
次に,参考資料2を御覧ください。出資に関する記載以外に,もう1点,各法人に共通する変更事項として,人材確保・育成に関する記載の追加がございます。
独立行政法人の目標策定に関する指針が平成31年3月に改定され,直近の目標改定若しくは変更のタイミングで,法人において人材確保・育成方針を策定している旨,目標に記載することとされました。
一方,国立研究開発法人に関しては,独法指針の改定より前の平成20年から研究開発力強化法に基づき,人材活用等に関する方針の策定を行っておりました。そのため,国立研究開発法人に関しては,それらの従来策定していた方針に基づいて,法人内の人材確保・育成を行っている旨,今回目標に書き込むということになっております。
次に,参考資料3を御覧ください。今回の変更については,事前に各部会にて御審議を頂いておりますが,部会から頂いた報告事項に関して,本資料に取りまとめております。NIMSと理研に関しては,後ほど担当事務局より御説明いただくかと思いますが,3,4ページ目に関して,私より簡単に御紹介いたします。
目標案の修正のあった部会はございませんでしたが,委員からの御意見として,まず,3ページ目のJAXA部会では,民間のファンドを活用する方がうまくいくのではないか,法人のシーズをどのように社会還元するのかという視点が重要,出資には適切な人材が必要といった御意見を頂きました。
また,4ページ目のJAMSTEC部会からは,業務の追加に伴ってリスク管理やガバナンスの強化が必要,出資等の方針や基準を明確にして公開することや評価,チェック体制の構築が必要といった御意見を頂いております。
各法人の目標の改正文案に関しましては,会議資料の枝番号が2になっている資料が,それぞれ新旧対照表になっておりますので,そちらを御覧ください。
総会事務局からの説明は以上でございます。
【栗原会長】 ありがとうございました。
それでは,次にNIMSについて,説明をお願いいたします。
【石橋参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付課長補佐】 NIMS部会担当事務局のナノ材担当参事官付の石橋と申します。よろしくお願いいたします。
NIMSの中長期目標の変更につきまして,資料5-1を基に御説明をさせていただきたいと思います。
出資の拡大につきましては,総会の事務局から説明をさせていただいたとおりでございます。また,現在,内閣府で検討中のマテリアルに関する政府戦略につきまして,来年度から運用開始となりますので,それに対応した記載をさせていただいております。
また,参考資料3を御覧いただきたいと思います。NIMS部会で御審議いただきました委員の先生方から,DX(デジタル・トランスフォーメーション)の状況の認識について,DXが加速しているという認識だけでは不足している点や,社会的な要請としてのDXについての加速に対して,我が国がかなり遅れてしまっている点を明確に認識することが重要であるという御指摘を頂いているところでございます。
変更の詳細につきましては,資料5-2が新旧対照表になっておりますので,そちらを御参照いただければと思います。こちらでは細かく御紹介はしませんが,資料5-1で御説明いたしましたとおり,出資の拡大やマテリアル戦略の策定に対応した業務の追加について変更しているところでございます。そのほかは,総会事務局から案内がありましたとおり,人材活用等に関する方針について記載をしているというものでございます。
NIMS部会事務局からは以上でございますが,栗原先生,何かもし補足等がございましたら,よろしくお願いいたします。
【栗原会長】 今の点について,特にNIMSのデータ中核拠点については,モニタリング指標として,利用者の利用状況,利用数ということだけが上げられていますが,拠点を作るということで法人がデータを測定したり,利用の形を考えたりという立ち上げのプロセスに尽力されているので,そういうものをもう少し評価指標に入れられないか,事務局と議論を行いました。しかし,拠点の立ち上げに際しての活動が多様であることから,結局モニタリング指標には入れず評価時に報告いただくことになりましたので,その旨付け加えさせていただければと思います。
何かこれについて,石橋さんの方から,更に御紹介等がありましたらお願いします。
【石橋参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付課長補佐】 ありがとうございます。国内の大学や他の研究所からデータを集め,NIMSにおいて,データの中核拠点を作ろうということになっております。拠点の構築に当たっては,どのような成果につながっていくのかといったプロセスについても,部会等で評価いただきたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【栗原会長】 ありがとうございました。
先ほどの4つの法人に関する事務局からの説明について,担当の部会事務局や部会から何か補足があれば,お願いします。よろしいでしょうか。
よろしければ,続いて理研について,説明をお願いいたします。
【渡邉基礎研究振興課長】 基礎研究振興課の渡邉でございます。
では,私の方から理研の中長期目標の変更について御説明したいと思います。資料6-1を御覧いただければと思います。
昨今の情勢や政府文書などを踏まえまして,理研において量子情報科学,また,データサイエンス等の推進に対応するため,目標の変更をしたいと思っております。
主な内容でございますけれども,量子コンピュータ研究領域の設定につきましては,量子技術は非常に重要な技術でございまして,昨年1月には,量子イノベーション戦略が策定されたところでございます。その内容も踏まえて,量子技術イノベーション拠点の形成を進めていきたいということで,理研も対応していく予定でございます。内容は量子コンピュータ研究開発や量子制御・観測技術,量子計算プラットフォームの構築や,人材育成を実施した上で,超電導量子コンピュータ研究拠点というものを整備していくといったものになります。
それに加えまして,更に我が国の内外の大学研究拠点,企業を結び,研究成果の共有や普及等を促進する国際ハブ機能を担っていこうということで,小さい図でありますけれども,中ほどの左側に量子技術イノベーション拠点のイメージを載せております。理研としては,このような中核になっていきたいと考えております。
次に,情報統合本部の新設に関して,最近,ICTやDXというような研究方法論の変革が進行しておりますが,理研においてもオープンサイエンス,データ駆動型研究に対応するために,研究データ基盤の構築に加え,情報科学研究や,情報科学の知見を用いた組織・分野的横断的な取組を推進していこうということで,今回の中長期目標の修正をしたいと考えております。
主な変更点はその2つですが,そのほか,活性化法に基づく人材育成というものも追記を行っております。これらの変更につきましては,新旧対照表にありますとおり,3ページ目に,データ基盤と情報環境の強化,そして,8番に量子コンピュータについて記載しております。そして,5ページ目には人材育成について記載をしております。そして,6ページ目に政策体系図を載せておりますが,これは科学技術基本計画を科学技術・イノベーション基本計画に改称することに伴う変更でございます。
また,評価軸につきまして,7ページにございますけれども,項目として,研究データ基盤の構築等による情報環境の強化と量子コンピュータ研究を追加しております。また,評価指標として,ICTを駆使した研究開発成果の最大化,イノベーション創出の促進に係る取組状況,また,モニタリング指標として,研究データの収集管理,利活用の状況を追加するという変更をしたいと考えております。
また,中長期目標の変更案につきましては,理研部会で議論いたしましたが,主な内容は,参考資料3の2ページにございます。こういった御議論を頂いた上で,必要な修正を図り,本日の資料として御説明をさせていただきました。
詳しい内容等につきましては,是非永井先生の方から補足をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【栗原会長】 それでは,永井先生,お願いいたします。
【永井委員】 部会長の永井でございます。
今回の理研部会ですが,主な変更点であります,量子技術の対応とデータサイエンスの推進に係る議論を行いました。
まず,量子コンピュータ研究では,社会的課題解決よりも基礎研究の要素が強いものですから,そうした研究活動の現状を踏まえて用語の修正を行っております。
それから,もう1点,情報統合本部を置くわけですけれども,情報統合本部は,これまでも理研全体の情報セキュリティに係る取組を行うとともに,戦略センター及び基盤センターの両方に関係する情報科学研究を行っております。非常に所轄が広いので,横断的な位置づけとなる,本部としておいております。研究の評価はもちろん両方のセンターを意識して評価するという配慮が必要という議論が行われました。今後,変更案が了承されましたら,令和3年度以降の活動に反映していきたいと考えております。
以上です。
【栗原会長】 ありがとうございました。
それから,今回,別添1の理研の政策体系図の中で,特定研発としての使命に関する図を記載いただいております。最近の部会においては,特定研発としての使命という観点での評価について,議論がありました。こういう明確な定義を時々読み直しすということも必要ではないかと思っております。
それでは,本件について御質問,御意見等がありましたら,御発言いただきたいと思います。委員の皆様,よろしくお願いします。
【浅見委員】 浅見ですけれども,よろしいでしょうか。
【栗原会長】 よろしくお願いします。
【浅見委員】 NIMSと理研の中長期目標の関係についてですけれども,NIMSの方で,我が国のマテリアルデータの基盤となる中核拠点をNIMSが中核となって整備していくということと,理研の方で,データサイエンスに関わる研究データの共有を推進していくために,理研の中で情報統合本部を作っていくということと,これらの目的からすると,研究に関わるデータをどう共有していくかというところで,共通する部分もあるのではないかと思います。国全体として,こういう研究に関わるデータをどう共有していくか,あるいはセキュリティをどう図っていくかということについて,両法人共通して議論したことなどがもしあったら教えていただきたいと思います。
【栗原会長】 これは担当の事務局の方からお願いできますでしょうか。
【渡邉基礎研究振興課長】 基礎研究振興課の渡邉でございます。理研といたしましては,法人内におけるデータ共有の在り方であったりとか,今回は情報科学の研究そのものについてもちゃんと取り組んでいこうということで,まずは法人内部でのデータ基盤や,そういったデータを用いた研究開発を進めていきたいと考えております。
先生御指摘のように,こういった流れについては,国全体としても是非取り組んでいくべきであろうと思いますし,国としても,そういった方針が出されつつあると認識しております。法人の枠を超えた議論についても,是非積極的に取り組んでいくべきと考えております。
【栗原会長】 NIMSのサイトビジットのときに,データ拠点で,データ処理に関して,理研のAIPセンターで開発された情報処理技術がなければできなかったと伺ったことがあります。
現状でも必要なところでは,ある程度,そういった取組は進んでいるのだと理解しておりました。今後,浅見委員の御意見にあったように,より効果的な取組となっていくと良いのではないかと思います。御意見,ありがとうございました。
ほかに何かありますか。
【浅見委員】 今後の話だと思いますが,今,栗原先生がおっしゃったような,今後,これを国としてどう戦略的に進めるかということについての議論は,両法人共通してやっていかないといけないことですので,そこは是非留意して進めるべきだと思います。是非よろしくお願いいたします。
【栗原会長】 では,担当の皆様,その点を両法人にお伝えいただければと思いますので,よろしくお願いします。
ほかに何か御意見,御質問等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
特にないようですので,それでは,本件については,原案の内容でよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【栗原会長】 では,原案の内容で決定させていただきたいと思います。どうもありがとうございます。
それでは,次に,議題2に入ります。第3期審議会においては,国立研究開発法人の法人運営や評価手法の在り方について幅広く御議論いただいたところです。これまで委員より御指摘いただいた事項については,事務局が整理したペーパーを作成し,部会の審議にも役立てていただきました。前回の審議会後には更に委員に追加で意見聴取を行いました。そこで新たに提出された意見も含め,今後の法人運営や評価に引き続き役立てていただくべく,事務局の方でより分かりやすくペーパーを再構成していただいております。
それでは,事務局より本ペーパーについて,説明をお願いいたします。
【植田評価・研究開発法人支援室室長補佐】 事務局より資料7について説明させていただきます。
当資料の構成は,1ページ目に本資料の位置づけやまとめの要素を書き出した頭紙,2ページ目が目次,3ページ以降が,これまで委員の皆様から頂いた具体の御指摘を集約したものとなっております。なお,参考資料4は本資料と内容は同じでございますが,昨年8月に実施いたしました,第17回総会から追加された点について,赤字で記してございます。
1ページ目を説明させていただきます。1ページ目は,本資料の位置づけについて主に記載しています。本審議会は制度が発足した平成27年以来,研究開発成果の最大化という共通の目的の下,評価の在り方や観点について,意見交換を行っており,本まとめは,第3期審議会において示された指摘事項を整理したものであることや,平成25年度にまとめられた有識者懇談会の報告書において,目標に対する過去の達成度評価に終始するのではなく,先を見越した評価がより重要であると指摘されたこと,文部科学省の評価基準において,当審議会では,個別法人の評価にとどまらず,目標の策定や評価と密接不可分な事項についても検討すべきとされており,このまとめが,それに資するものとなっていることについて記載しております。
また,本まとめのポイントといたしまして,これまでの審議会の議論で,法人評価は良いところを更に進展させて,遅れている点を改善することが目的であるという意識が共有されたこと,法人のミッションや特性を意識した評価が必要であること,また,定量的な成果はもとより,プロセスの評価も重要であるということ,画一的ではない多面的な評価や客観的にも分かりやすい視点での具体的な活動や評価が重要だとされてきたことを紹介させていただいております。また,本まとめが,最も基礎になる各法人における自己評価を行う際の視点を提供するとともに,主務大臣の評価の効率的・効果的な審議に役立てられることを期待される旨,記載しております。
最後の段落ですが,本まとめの中には,先ほどの多面的ということとも関連いたしますが,部分的には矛盾する内容も記載されていること,また,中長期目標の計画の策定から最終年度までの一巡にも現在至っていないことからも,法人評価の在り方というものは,依然としてプロセスの途中であり,引き続き議論が必要であることを記載しております。
3ページ目以降に記載してございます,具体の指摘事項は,分量が多くなってございますので,冒頭にて本資料の位置づけとまとめの要素を記載させていただきました。
次に,2ページ目を御覧ください。
これまで委員の皆様から頂いた御指摘を事務局にて集約した,3ページ目以降の内容の目次となっております。法人の目標の策定,運営,自己評価,主務大臣評価という一連のプロセスで項目をつけております。御覧いただくと分かりますが,皆様に自由に御議論いただいた内容やメールにて頂いた御意見の要素を余すことなく盛り込んだ上で,便宜的にグループ分けしてタイトルを付けたものとなりますので,必ずしも系統だった項目になっておりませんが,全体の構成を分かりやすく示すために目次を付けさせていただきました。
では,3ページ目を御覧ください。これまで頂いた御指摘は10ページにわたる資料となります。本日は,前回の総会以降に委員の皆様にメールにて頂いた御意見を中心に,資料の順にごく簡単に紹介させていただきます。
まず3ページ目ですが,法人の目標策定に関する指摘事項の項目で,高い目標を設定するべきではないか,明確な目標を設定するべきではないかといった御意見を頂いております。
4ページ目でございますが,最初の丸は,目標の策定に関して,審議会で,より議論の時間を割くべきではないかといった御意見を頂いております。(2)は法人運営に関する指摘事項となりますが,評価を見据えた法人運営という観点から,3つ目の丸,この点については,これまでも多く御議論いただいているところでございますが,定量的な指標による成果の把握や評価だけでなく,研究開発の定性的な観点とうまく合わせて評価をするべきでないかということでありますとか,その次の丸ですが,定性的な観点であっても,measurableな評価を行う必要があるということ,また,その際には評価を曖昧にしてはならないということに留意すべきといったことなどの御意見を頂いております。
5ページ目にまいります。こちらは,夏の時点で皆様に頂いた御意見となりますが,財務運営や財源の多様化,外部連携,人材の雇用,育成に関する御意見を頂いております。
6ページ目でございますが,アウトリーチ活動,トラブル対応について御意見を頂いております。6ページ目の最後には,新しい観点として,リスク管理と安全管理について,両者を実施している法人というのが,研究成果の最大化に不可欠な組織力が備わっているものではないかとの御指摘を記載しております。
7ページ目にまいります。法人の評価に関する指摘事項になりますが,まず,法人評価全般に関し,評価の効率化やKPIの設定,プロセス評価について御意見を頂いております。KPIにつきましては,法人に共通するKPIがあってもよいのではないかということや,法人がきちんとアピールすることが重要ではないかといった御意見を新しく頂きました。
8ページ目にまいります。評価の作業としては来年度以降がメインとなりますが,新型コロナウイルス感染症の影響を考慮した評価について,御意見を頂いております。また,その他のところですが,法人の自己評価が非常に詳細であるため,法人評価とギャップが大きいのではないかといった御指摘を頂いております。
次に,(2)の自己評価に関する指摘事項として,まず,自己評価が非常に重要であるということと,法人の評価を実施する外部評価に関しての御指摘を頂いております。
9ページ目にまいります。こちらは評価の根拠や手法についてですが,複数の観点からバランスを考慮して自己評価を行うことが重要であるといったことや評価書の構成について,御指摘いただきました。
(3)主務大臣評価に関してですが,最初の丸は夏の審議会でも議論になりましたが,自己評価と異なる評定を付ける場合については,丁寧な審議が必要であるとされております。
10ページ目ですが,評価の大くくり化について,また,次の点につきましては,夏の審議会でも御議論いただきましたが,特定研発におけるS評定について,御指摘いただいております。また,CSTIの特定研発についての評価や,目標策定についての考え方を抜粋して紹介しております。
次に,評価軸,評価指標に関しての指摘事項ですが,状況に応じて柔軟に対応するべきではないか,などの御指摘を頂きました。
11ページにまいります。法人の特色に応じた評価軸について,現在の評価軸は一般的過ぎるのではないかという御意見を新しく頂きました。また,評価の仕組みに関して御指摘いただきました。具体的には,中間評価の在り方についてであるとか,効率的な評価の仕組みについて,また,評価期間について,例えば,3年ではどうかといった御指摘を頂きました。
最後に,サイトビジットに関して,非常に重要であるということと,サイトビジットの内容や,結果の研発審や部会間での共有について御指摘を頂いております。
以上が内容の御紹介です。冒頭でも御説明させていただきましたが,委員の皆様から,このように多様かつ多面的な意見を頂戴いたしました。大変長くなりましたが,事務局からの説明は以上でございます。
【栗原会長】 ありがとうございました。委員の皆さんから出た御意見が網羅的に入っていますので,もう少し簡略になると良いとも思いますが,多面的な評価ということもあるので,余り整理し過ぎずに,分類してリスト化しているというのが現在の状況だと理解しています。
それで,何かこれについてご質問や御意見等がありましたら,是非御発言をお願いいたします。御自分の意見が,少しニュアンスが違って書かれているであるとか,あるいは,もう少しこういう書き方の方が良いのではないかということもあれば,是非お願いいたします。
【佐々委員】 佐々ですけど,よろしいでしょうか。
【栗原会長】 どうぞ。
【佐々委員】 まとめていただいて,大変いいものを作っていただいたと思っております。この審議会でずっと議論している方々は内容をよく分かっていると思いますが,例えば,これを今度,次期の部会にも新しいメンバーが入ってきますので,こういったものを共有して,より良い審議ができるように活用させていただきたいと思います。非常によいものを作っていただいたと思っております。
1つ質問ですが,これはおおむね冒頭の部分にも書かれていますが,第1期からずっと積み重ねてきたものと理解してよろしいでしょうか。そこだけ教えてください。
【栗原会長】 従来はこのようなメモの形ではなくて,指摘事項がリストになっていまして,各取組を実行している部会,実行していない部会のようなリストと,評価についての意見のリストとがありました。例えば,従来ですと,ロードマップを作っているところはどこか,ある法人はロードマップの作り方が弱いとか,そういうことも入っていましたが,今回は,どちらかというと,評価の在り方や観点,法人運営の点に絞って,前回や前年度の審議会で頂いた意見や,それまでの意見をまとめたものだと私は理解しています。それでよろしいでしょうか。
【佐々委員】 どうもありがとうございます。いろいろ活用させていただきたいと思います。更に発展,充実させていただければと思います。ありがとうございました。
【ヴィーツォレック委員】 イリス・ヴィーツォレックですがよろしいでしょうか。
【栗原会長】 どうぞ。
【ヴィーツォレック委員】 コロナウイルスの影響による評価の仕組みの変化について,議論したいと思います。ヨーロッパの現状を見ると,日本もいろいろなことがあると思います。特に国際的な交流に関しては,コロナウイルスの影響が大きいと思いますが,今後の評価の仕組みに何か具体的な変化があるのかどうかなど,文部科学省の方に何か具体的な考えがありますでしょうか。
【植田評価・研究開発法人支援室室長補佐】 イリス先生,大変貴重な御意見どうもありがとうございます。先生のおっしゃるとおり,国際研究であるとか,いろいろな面について,研究で影響を受けることが予想されておりますが,御質問いただいた評価の仕組み自体をどのように変えるかという点につきましては,事務局で承知している限りは,コロナを受けて大きく仕組みを変えるといったことには現在なっておりません。今回の資料7の9ページ目に入れさせていただいたとおり,審議会で皆様に意見を頂いておりますが,新型コロナの影響を踏まえて評価する際に,こちらの審議会や部会できちんと留意をして,評価をしていかなければならないということを今回,まとめさせていただいております。仕組みという意味では大きな変更はないという認識でございますが,評価をするに当たって留意する点という意味では,資料の8ページに留意事項として,出社できないであるとか,テレワークの対応であるとか,そういった様々な影響を評価に加味するなど,柔軟な対応が必要ではないかということで,今回,まとめさせていただいております。
【栗原会長】 これは,今後評価をするときに,こういう部分に関しては,目標に対して,どのように法人が活動したかとか,できなかったところをどう補ったかとか,そういうことをきちんと聞いて評価してくださいというメッセージだということですよね。
【植田評価・研究開発法人支援室室長補佐】 そのとおりでございます。
まず,法人の自己評価からスタートになると思いますが,先ほど申し上げたような点を踏まえて,来年度以降の評価を行っていただくということで考えております。
【栗原会長】 イリスさん,これで大丈夫ですか。
【ヴィーツォレック委員】 現状を知りたかったのですが,いつまでコロナウイルスのパンデミックが続くかどうか分からないので,難しいですね。国際的な交流に関しては,戦略とか,評価の仕組みをどのように変えるべきかどうか,何か考えがあれば非常に助かると思います。
【栗原会長】 イリスさんが特におっしゃりたいのは,国際交流の部分が困難になっているから,そこに対してもう少し戦略的に考えて,何とか進められる方向性を見いだしていただきたいということですね。
【ヴィーツォレック委員】 そうですね。文部科学省の方に,何かデータがあれば,大学に関してはデータがあるかもしれないのですが,いろいろな団体に関しても,国際的な交流にどんな影響を与えているのかというデータがあれば、評価のときにも役に立つと思います。
【栗原会長】 そういうデータは,例えば,NISTEP(文部科学省科学技術・学術政策研究所)では集めていらっしゃらないのでしょうか。
実際,国際交流がどのぐらい影響を受けているかとか,あるいは,今後,研究者の受入れ等に対して,どういう可能性があるとか,そういう点に対して,もう少し具体的な情報があると関係者は助かるのではないかということを今,イリスさんはおっしゃって,私もそうだと思います。現場はすごく手探りだと思います。外国から研究者をいつ招聘できるとか,可能としてどのぐらい待機をしなくてはいけないのか,特例はどういうときにあるのかとかですね。
【植田評価・研究開発法人支援室室長補佐】 事務局でございます。
現在,コロナウイルス感染症の拡大に関して,研究活動にどのような影響がもたらされているかという研究は,すぐにこの場で御紹介することができないのですが,今後,来年の夏に,法人の評価をする際に,何か活用できそうなものがございましたら,事務局の方から皆様,部会の方にも共有するようにさせていただこうと思います。
【栗原会長】 ありがとうございます。よろしくお願いします。イリスさん,どうもありがとうございました。
ほかに何か御意見ありますでしょうか。
【松田臨時委員】 いいですか。
【栗原会長】 どうぞ,お願いします。
【松田臨時委員】 NISTEPの中期計画の委員会に参加をした際に,コロナの話が出て,具体的にどういった調査を行うかというところのレベルまでは到達していないものの,私以外の参加された委員の方からも,コロナが研究に与えた影響,例えば,フィールドリサーチに行けなくなってしまったことによって,特に海外から来られている研究者の方々に調査ができなくなってしまったとか,これは逆に文科省側の話ということをNISTEP側にはしておりますけれども,今年度の予算を来年度に繰り越しできないという問題をどのようにしたら良いかとか,また,もう少し深刻な問題ですけれども,特にPh.D.とかポスドクの学生さんは研究ができないことによって,実は結構いろいろな研究室でメンタルの問題が起きているとか,そういったことについて,NISTEP側である程度フォローしてほしいという話が出ていたということを報告させていただきます。
【栗原会長】 ありがとうございます。あと,今は山田先生,小林先生が手を挙げていらっしゃいますが,山田先生は途中で御退席ということなので,どうぞお願いします。
【山田委員】 どうもありがとうございます。
審議会の議論を注意深く整理していただきありがとうございます。全部を見られているわけではないので,2点,私の誤解があるかもしれませんが,意見を述べさせていただきます。
1つは,研究開発法人間の協力について,協力することによって,相乗効果によって非常に法人の活動が進んだという点を評価していきたいということを私自身発言しておりますし,栗原会長も何度かそれについて触れてこられたと思います。それについては,少し見る限りは,5ページ目に外部連携という形で書いてはありますが,民間活力やアカデミアの連携という形に矮小化されており,研究開発法人間の協力について触れられているわけではないということで,そういう意味で,正直申し上げて不足を感じるというところです。それが1点目です。
2点目が,10ページ目にある,特定研発のS評価に関するコメントについてです。評価する側,される側の両方が問題意識を持ち,という点に関して,特に評価される側の評価の利用,あるいは,期待について,是非我々の審議会の議論にフィードバックしていただきたいということがあります。これは別に特定研発のS評定についてだけのことではないと思いますので,その点強調されてはいかがですかということです。
以上です。
【栗原会長】 ありがとうございました。特に法人間の連携,先ほどの情報の連携もそうですし,放射光に関する理研とQSTの連携など,ここでも御紹介してきたと思いますが,その点は確かにこのまとめでは余り出ていないので,どこかに入れられたらと思います。ありがとうございました。
それでは,小林委員,いかがでしょうか。
【小林臨時委員】 小林です。
二,三,指摘したいと思います。まず,1つは4ページ目の最後2つの丸の部分です。ここで,定量的な評価と定性的な評価の組合せという話が出ていますけれども,上の丸では,定性的な評価をちゃんと入れましょうということを書いている一方,今回新しく追加された下の丸のところで,定性的な観点を入れる理由を,数字に固執することを緩和するためであってと,やや矮小(わいしょう)化しており,書きぶりが定性的評価に対して後ろ向きになっているといった印象を受けます。
定量的な評価というのは,普通はタイムラグがあって,評価としては良い面もあるけれども,評価の判断をするのに遅れが生じるということもあります。専門的な判断としての定性的な評価というのはそれなりに意味があるので,数字に固執することを緩和するためであるとだけ言うのではなく,定性的な評価がそういうことにも貢献する旨も表現すると良いのではないかと思いました。書きぶりの問題だと思います。
それと, 5ページ目を見ていただけますか。まず,財務運営や財源の多様化のところですが,これは単純な問題ですが,1行目の「固定経費を擁する」の「擁する」は多分字が違うのではないかと思います。
それと,次に大規模ファンドと中規模ファンドの話が出ていて,これは全く賛成するところです。ただ,一方で,現実問題として、中規模ファンドが多数,研発法人に適した形で存在しているのかどうかという問題も併せて考える必要があります。法人に対して一方的に要求するような書き方でいいのかどうかというのは疑問があるところです。実際にどうかというのは細かく調べてみないと分かりませんが,最近の状況では,中規模ファンドは意外に少ないのではないかと思います。
最後は質問に近いのですが,次の6ページで,トラブル対応というのがあります。トラブルと言っているものが一体何なのかというのは,場合によっては,誤解される可能性もあるのではないかと思います。今後,例えばいろいろな人たちに伝えていくときに正しく理解される表現になっているかどうかというのは疑問があるところです。
以上です。
【栗原会長】 ありがとうございました。今の点,実は私も気になっておりました。特に最後のトラブル対応の記載は,外に出さないように,というような表現もあって,意図と違ってとられる可能性があると思いますが,これは事務局の方から何か説明はありますか。
【植田評価・研究開発法人支援室室長補佐】 事務局でございます。
こちらはJAEA部会の方からの御意見をまとめたものでございますが,もし佐々先生,こちらの記載ぶりに関しまして,何か事務局の方の記載ぶりで誤解を与えるような印象がありましたら,補足等をお願いできますでしょうか。
【佐々委員】 佐々です。よろしいですか。
【栗原会長】 どうぞ。
【佐々委員】 これは確かにJAEA部会の審議において出た意見の1つでして,もともとのコメントというのは,様々な設備を毎日のように扱う施設では,高い研究成果を上げていながらも,何らかのトラブルや小さな事故はあるわけですが,十分な対策をとって大きな事故を防げていても,そういった小さな事故によって減点されてしまい,せっかく研究成果を上げているのに高い評価に結びつかない,といったことになってはいけない,というものでした。もちろん安全は最も大事で,事故を起こしてはいけませんが,現場を萎縮させないように,しっかりとやるべきことをやるということも念頭に置いてほしいということで,発言をしたものです。
今回,「(1つ上のポツに関連して)」というところを事務局の方で追加していただいたと思いますが,トラブル対応という,非常に分かりづらい言葉を,安全管理とリスク管理について分けてまとめ,その上で,成果最大化に不可欠な組織力ができていれば,それも評価するのが大切であるということで,事務局の方でまとめていただいたと思いますが,結論部分もよくまとまっていると思います。
ただ,先ほど懸念された,外に出ないというのはどういう意味か分かりませんけども。
【栗原会長】 トラブルが起きても影響を最小限にするというところです。トラブルが起きても影響を最小限に食い止めることに注力しつつ,となっていますが,トラブルが,今おっしゃった事故ではなく,例えば,研究不正みたいなトラブルの場合,この書きぶりだと合わないのではないかと思いました。
【佐々委員】 JAEAは御存じのように,いろいろなものを扱っていて,ちょっとした事故のようなものはあり得るわけで,そのあたりのことを書いているので,研究不正のようなものを想定して書いていませんでした。
【栗原会長】 ここでトラブルと書いてしまうと,先ほど小林委員のおっしゃったように,どういうトラブルかということが分からずに一般化して捉えられてしまい,影響を最小限にということがよく分からなくなるのではと思います。これは何を対象にして書くかで大分違うのではないでしょうか。今おっしゃった事故対応のようなことであればよく分かります。
【佐々委員】 そうですね。逆にそのあたりに焦点を当てて, 2つの丸をひとまとめにして,安全管理とリスク管理というのを十分注意しながら,その上で,体制をきちんと作った上で,委縮しないでしっかりやるようにという形でまとめてもらったらどうでしょうか。
【栗原会長】 ありがとうございました。小林先生,今の2つ合わせて,表現を少し改めてきちんと管理するというところに主眼を置きつつ,今佐々委員のおっしゃったようなところにも配慮しながら,事務局の方で改定していただくということでお願いできたらと思いますが,よろしいでしょうか。
【小林臨時委員】 はい,支持します。
【中川会長代理】 中川です。トラブル対応とすると幅広くなってしまうので,見出しを「事故対応と安全・リスク管理」という表現にすれば,今皆さんがおっしゃっていることが表現できると思いますが,いかがでしょうか。ここはこちら(委員)で決めてしまった方がいいような気がしますが。「事故対応と安全・リスク管理」でいかがでしょうか。
【栗原会長】 私は良いと思いますが,ほかの委員の先生方,いかがでしょうか。
(「賛成」の声あり)
【栗原会長】 どうも中川委員,ありがとうございます。
あとは,ファンドの部分に関して,代案は何かありますか,小林先生。
【小林臨時委員】 代案はないのですが,できれば,こういう現状を,研発法人等の現状を踏まえて,あるいは,実はこれは大学にとっても重要な問題なのですけれども,大規模ファンドだけではなく,中規模ファンドを充実していくことを審議会としても求めていくことで整合性を取るというのが一番良いと考えます。ただし、そこまでここに書けるかどうかというのはよく分かりません。
【栗原会長】 分かりました。では,これは委員の方で,そういった状況をよく踏まえるよう認識するということでよろしいでしょうか。
【小林臨時委員】 取りあえずはそれで良いと思います。
【栗原会長】 それから,その前の定性的な指標のところ,従来,定性的な評価に関しては,私は具体的な説明と意見を申し上げていました。measurableとなると,定量的に測れるということになるのですが,例えば新しいことを始めるときに,数字がきちんと出てくるか,最初からmeasurableというわけにはいかないように思います。measurableというのは分かりやすくて良いのですが,プロセスを評価する中で,定性的にでないと表現できないこともあるのではないかと思います。
例えば,時間が半分になったなどといった加速のようなものまで入れれば,確かに全部measurableにできないこともないのかもしれませんが,ここはこのように書いてしまうとシンプルになり過ぎてしまい,なかなか難しいのではないかと思いました。評価を曖昧にしてはならないということは良いのですが,例えば,定性的な評価であっても,measurableな観点をなるべく生かすなり示すなりして,法人の多様な活動を具体的に評価できるようにすべきであると,そう書いたらどうかと思いますが,いかがでしょうか。もう少し良い表現があれば,もちろんいただければと思います。
定性的な観点であってもとしてしまうと,観点の話になってしまいますが,定性的な評価の観点がいろいろある中で,measurableな観点もなるべく含めるようにとすると,少し広くとらえられるかと思います。これを御提案いただいた委員もいらっしゃると思うので,その点に関してはいかがでしょうか。
【五十嵐委員】 今のmeasurableとは違う観点ですけれども,私も先ほど,栗原先生がおっしゃったように,measurableというのと定性的なというのは分けて書き直した方が分かりやすいかと思いました。それで,よろしいでしょうか。
【栗原会長】 はい。
【五十嵐委員】 私からは,2点確認したいのですけれども,よろしいでしょうか,私の方のお話をしてしまって。
【栗原会長】 結構です。
【五十嵐委員】 measurableの話はどうされますか。
【栗原会長】 ここに書かれている部分に関しては,気持ちは皆さん,違わないと思います。measurableと書かれた委員の方も,定性的ならば何でも良いということではなく,分かりやすく具体的な観点で評価することが重要であるという思いも込めて書かれたものと思うので,そういうところを踏まえて書き直したらどうかと思いますが。
【五十嵐委員】 本当におっしゃるとおりですね。要するに,定性的な観点が大事であって,定性的であってもある程度measurableな方がいいですよねということでしょうから,うまく書き直すのは私も賛成です。
【栗原会長】 よろしいですか。ほかの委員の方で,では,この話をまず終わらせて,それからお願いします。
【五十嵐委員】 はい。
【栗原会長】 今の点,いかがでしょうか。「定性的な観点」を「定量的な観点」に書き換えてしまうと,せっかく定性的と言っている意味が少し薄まってしまいますし,ですが一方で,定性的だということで曖昧だと困るということもあると思うので,ここは両方からのコメントを意識して書き直すということで進めさせていただければと思います。よろしいでしょうか。
(「結構です」の声あり)
【栗原会長】 では,次の観点,五十嵐委員,お願いします。
【五十嵐委員】 ありがとうございます。5ページ目の,先ほど小林委員から話があった,財源の多様化のところですけれども, 2つ目の丸のところで,例えばSIPは社会実装を目指すので,いわゆる短期的なものであると。研発法人,文科省系のところは,これと基礎研究、つまり長期的な研究をバランスよく行うのが大事であると,これはよく分かります。その後の下線部ですけれども,資金の多様化を図り,民間資金などの導入に努める,これは短期的ですよね。最後の「財源の多様化が重要である」というところ,これは要するに民間資金とか,そういったものとのバランスを取りながら,研究の多様化を図ることも重要ということでよろしいでしょうか。
【栗原会長】 この意見をお出しになった委員の方がいらっしゃれば,是非意見をお願いします。
【五十嵐委員】 社会実装を目指すというのはやはりすごく大事で,文科省の研発法人もその視点が大切と思うのですが,そうすると,どうしても長期的なこと、例えば若手の基礎研究資金の充実などよりも,短期的な取組にシフトしがちであると。ただ,最後のところで財源の多様化を図ることも重要ではないかと。これはそうは言っても,長期,短期,いろいろなバランスを取った研究をやるべきですと,そういうことでよろしいのですよね。少し分かりにくいかと思ったので。
【栗原会長】 これは長期的な観点が大事だと言いつつ,短期的な努力もしてくださいということを言っていますが,同じ丸の中に入っているので,それを分けた方がいいのかと思いますけれども。
【五十嵐委員】 おっしゃるとおりです。
【栗原会長】 2つの丸を少し整理して,長期的な観点での安定的な資金の確保と,法人の活動を活発化させるための多様な資金の獲得という形で分けたらどうかと思いますけれども,今の御意見はそういうことかと思いました。
【五十嵐委員】 おっしゃるとおりです。そう思います。それが1点目です。
もう1点は,6ページ目のアウトリーチ活動のところですけれども,ここは私が意見を出したと思いますが,アウトリーチ活動というのは,いわゆる科学技術コミュニケーションと考えてよろしいのですよね。一般の方々とコミュニケーションを取ることによって,彼らがどういう課題意識を持っているかと,そこから研究が始まるので,研究自体の発展にも役立つということだと思います。その後の,対象の設定の仕方,発信後における一般の人からの反応,こういったところもとても大事で,実際にアウトリーチをした後,一般の人がどのように反応するのかを分かっていないことも多いのではないかと思います。こういった視点が大事であるというのは,全くそのとおりだと思います。ただ,科学技術コミュニケーションという,コミュニケーションをきちんと取るべきだというニュアンスが,文章からうまく伝わってこなかったのですが,委員の皆さんはいかがでしょうか。
一般の人との科学技術コミュニケーションには2点ポイントがあると思っています。若手、特に子供たちの興味を掻(か)き立てて,研究者に育ってほしいということが1つと,もう1つは例えば,コロナであれば,正しく恐れること,そこのところをもう少し科学的に発信できたら良いのではないかと思います。かなりここは大事なところだと思いますが,少し表現が簡単かなと思いました。私からは以上です。
【栗原会長】 そうしますと,何か改定案はおありですか。
【五十嵐委員】 案はないのですが,科学技術コミュニケーションとか,Science For Society、社会のための科学とか,そういった言葉が入るとよりよくなるかと思いました。
【栗原会長】 広く推進されているような概念を入れるということですね。
【五十嵐委員】 はい。
【栗原会長】 ありがとうございます。
【五十嵐委員】 以上です。
【栗原会長】 ありがとうございました。ほかに何か,今の点に関してでも,ほかの点に関してでもありますでしょうか。
佐々委員,お願いします。
【佐々委員】 8ページの法人の自己評価に関する指摘事項と書かれているところですが,資料の方はよろしいでしょうか。
【栗原会長】 (2)ですね。
【佐々委員】 1つ目の丸に自己評価の共通の考え方を定めてはどうかとありますが,評価のやり方に絶対に正しいというものはないわけで,各法人が工夫しながら評価することがとても大事だと思いますので,共通の考え方を定めるというのをここに書くのはどうかと思います。
それからもう1点,次の丸に,専門的視点からの意見に限定してはどうかと書かれていますが,あえて限定するとまで書かなくて良いかと思いました。要は,審議会や各部会で議論するに当たっても,法人がどういう考え方で自己評価し,どういう第三者評価を求めているかということを十分理解した上で,当審議会の中で,研究開発の大きな方向性が国民から求められているものか,中長期目標に合っているか,といったことをみていくということで,うまく両方の評価の良いところを生かしながらやっていくというイメージになるのではないかと考えています。
以上です。
【栗原会長】 ありがとうございます。なかなか難しいところだと思います。この審議会としては,ある程度,横串も通したいとと思っており,そういう考え方が1番目の丸のところに反映されているのだと思いますが,共通の考え方と書くと,狭く感じるので、例えば,自己評価ではこういう事項は必ず評価してくださいもあるかもしれませんが,事項と考え方は少し違うかもしれないので。何か御意見ありますか。
【中川会長代理】 栗原さん,よろしいですか。中川ですけれども。
【栗原会長】 中川さん。
【中川会長代理】 考え方を定めると言いますと,決めることになりますが,これは次の第4期に当たってどんなことを議論していけばいいかということを残していくということでもある。とすると,自己評価の共通の考え方を引き続き議論していくのは大事なことだと思います。また,審議会の場では,各部会で議論した評価の結果だけではなく,各法人が自己評価をどういうやり方でやっていたかということも共有いただいて,こういう自己評価のやり方があるのかといったことを皆で認識して考え方を整理しています。考え方を定めるということではなく,考え方を引き続き議論していくことが大事ではないか,くらいでしょうか。定めてはどうか,というところのイメージは多分そういうことではないかと思います。
【栗原会長】 その後の指摘事項を見ると,達成度を見るためのKPIやプロセス評価の視点といったものは,総論としてこういうものを入れた方が良い,というものと思います。
ただ,例えば成果とともにプロセスも評価しましょうと言えば,これは共通の考え方ですが,おっしゃったように,今もこれは正にやっているわけですけれども,共通の考え方を引き続き議論し,まとめ,提示していくとか,この審議会としては,そういう役目はあるかもしれませんね。
例えば,このメモもそうです。ここでは、多面的な活動があるから,多面的な視点を記載するということで余り縛りを設けていないわけです。今はむしろ幅を広げて,良い活動をより進めてくださいというふうに申し上げていますが,それは,今まで何期も議論を積み重ねてきて,こういう考え方がいろいろ出てきているわけですから。
どうぞ,江川先生,お願いします。
【江川委員】 今,栗原先生がおっしゃったことと少し関連しますが,今回,こういった形で幅広い御意見を集約して,ざっと目を通したところ,それぞれ非常に意義のある妥当なポイントが指摘されておりますし,それぞれ取り入れてほしいと思います。それから,横串を通していくということも大切だと思います。
ただ一方で,こういう評価の議論を積み重ねていくと,更に改良していこうということで,どうしても項目が増えてしまったり,より複雑になってしまったりで,結果的に本来の研究等に割く時間が減ってしまうというふうになることを懸念しております。
今回せっかくこういう文書を作ったので,今,栗原先生がおっしゃったように検討を続けていくということでいいかとは思います。でも,これだけは共通でやるという最低限のものを決めた後はそれぞれの法人に応じて,自分たちに合ったものをやっていくという形にしないと,全ての項目について全部網羅的にやらなければいけないというふうになって,結果的に負担が多くなることを少し懸念しております。
と申しますのも評価だけではなくて,活動という面でも,本来の研究だけではなくて,アウトリーチだとか産学連携だとか,あるいは今回出資事業というのが加わって幅が広がっています。それぞれ意義のあることですし,やっていけばいいと思いますけれども,できるようになったから必ずやらなきゃいけないとか,評価項目があるからやっていないとバツがつくみたいな形になっていくと,結果的にもともと一番重要な研究に割く時間が少なくなってしまうことを懸念しますので,是非ある程度の原則は定めるけれども,できるだけそれぞれの法人の特徴を踏まえ,フレキシビリティがあるような形で,評価ができると良いと思います。
以上です。
【栗原会長】 ありがとうございました。今おっしゃったようなことを,前文に少し書けるといいですかね。前文のどこかに効果的・効率的な評価という言葉を入れて,これを適切に使っていただきたいというような言葉を入れたらどうかと思います。ありがとうございます。
これは全部やってくださいということではありませんし,かなり重なっているようなことも多いので,実質的には量はないのですけども,それぞれニュアンスが少しずつ違うのであえて整理せずに,むしろ網羅的にしているところです。今おっしゃっていることはよく分かります。貴重な御意見ありがとうございました。
ほかに何かおありでしょうか。
【篠藤委員】 篠藤です。よろしいでしょうか。
【栗原会長】 はい,どうぞ。
【篠藤委員】 今の8ページのその他のところですけれども,1つ目の丸のところの意味がよく分からなくて,下線の引いてあるところですが,この「相当に主観的な評価になっている」というのは,この法人評価のことを言っているのか,また,法人評価のことを言っているとしたら,これは非常に問題になると思うので,この意図を少し御説明いただけたらと思います。
【栗原会長】 ありがとうございます。この御意見を出された方,どなたか,この点について御説明いただけるのであればお願いします。
これはどこの部会から上がってきたとかというのは分かりますか。これはどなたの御意見でしょうか。御説明いただいて,もし多少分かりにくい形であれば,分かりやすい形にするというのもあると思います。
【植田評価・研究開発法人支援室室長補佐】 事務局でございますが,こちらは事務局が山口先生から頂いた御意見を反映させていただいたものになりますが,もし可能でしたら,山口先生,御意見いただけますでしょうか。
【山口委員】 山口です。この意見の趣旨は,法人の自己評価を踏まえて,それぞれの委員が評価していきますけれども,法人の評価と各委員の評価が比較的合致する場合と,それから法人の評価と,各委員の評価が相当ばらけてしまうような場合とがあります。そういうときの議論の中で,どうしても各々のある程度主観的な判断というものが中心になってきて,各委員の評価のばらつきや,自己評価とのばらつきがうまく表現し切れていないと,そういう趣旨でコメントしております。
【栗原会長】 もし,そういう御趣旨であれば,まとめにおいて委員間の意見に違い・ギャップが大きい場合もあるので,その場合には法人と委員との間の質疑等を十分に行うとか,そういう形にしたらいかがでしょうか。それぞれ部会では法人側と評価に当たってはかなり質問,回答という形で十分に状況の把握ができるように努力されていらっしゃると思います。いかがでしょうか。
【山口委員】 これはコメントとしてこう書いたというもので,最終的にどういう形で文章になるかというところまで十分に練り込んでいるものでもないのですけれども,今のようなそういうギャップについての分析が必要である,あるいは分析が望ましい,そういう形でも結構かと思います。
【栗原会長】 この点に関しては今御質問になった。
【篠藤委員】 篠藤です。
【栗原会長】 そうですね,いかがでしょうか,何かもう少しほかの言い方もありますか。
【篠藤委員】 今,御説明いただいたような内容でいいと思います。ギャップをそのまま放置されているようなイメージで捉えてしまい,やはり修正が必要だと思いましたので,書きぶりを変えていただければと思います。
【栗原会長】 では,そのように検討したいと思います。
ほかに御意見ありますでしょうか,浅見委員,お願いします。
【浅見委員】 別の観点で確認したい点になりますが, 10ページの主務大臣評価に関する指摘事項という項目の最後のところに,(参考)とあって,その考え方の位置づけのところで,特定法人は産学官の人材・知・資金を結集し,イノベーションシステムを強力に駆動する中核機関である。また,国家戦略に基づいてイノベーションの基盤となる世界最高水準の成果を創出するとともに,成果の普及及び活用を促進することが求められている,と書かれていて,これは非常に大事なことだと思いますけれども,これはどういう目的でここに記載したのかというのを確認させていただきたいと思います。評価全体にも関わるところなので,ここに参考として記載されているのが少し分かりにくいかなと思いました。
そこを確認させていただきたいということと,もう一つ,イノベーションというのはやはり基盤となる世界最高水準の研究開発成果というのも大事でしょうし,その普及や活用,社会実装をうまく進めていくというのも大事だと思います。ただ,例えば研発法人発のベンチャーへの出資が,イノベーションにとにかくダイレクトにつながっていくのだ,などと捉えられかねないようなところも心配しています。出資をしたからイノベーションの促進をしている,というふうに流れてしまうのも少し心配だなということがありますので,この辺,両面の考え方が大事だということを何か位置づけとして伝えられたらなと思いましたが,その辺いかがでしょうか。
【栗原会長】 今の点,これはそのすぐ上の丸の,特定研発におけるS評定の付け方に関する指摘事項についている参考だと思いますが,ここに問題意識をお持ちということ,「変化に合わせて絶えず議論を行う必要がある」と書いてあって,これに関しては大事だということを先ほど御意見いただいたところですが,今の浅見委員の御意見によれば,このような法人のミッション実現のためには,イノベーションの基盤となる成果の蓄積とか,世界最先端の成果の蓄積や,社会のニーズに合わせた社会に対する技術還元が非常に重要であり,そういう活動を丁寧に評価するとか,そういう言葉を入れるということでしょうか。
【浅見委員】 すみません,確認したかったのは,S評定として評価するには,ここをちゃんと見て,これに合致していればSだよという意味でこの記載が置かれたのだとするとSの適否に限定されてしまうではないかということです。この課題はSのときだけということではなくて,法人評価全般について大事なことだと思ったものですから。
【栗原会長】 もちろんそうです。
【浅見委員】 ですから,ここだけで限定されてしまうということではないのかなというのが質問の意図でした。
【栗原会長】 分かりました。昨年度の理研の活動に対する総合評価がSにならなかったのは,特定研発としての期待はもっと大きいという部会の意見からだったので,それがここに入ってしまっているのですけども。
【浅見委員】 それは今のご説明で理解いたしました。ただ,今回,各法人中長期目標のところで,わざわざイノベーション促進という言葉を入れて,そのためにこれこれの改定をしました,としていますので,特定研発のS評価に限定した話ではないのかなと思ったものですから。
【栗原会長】 そうすると,そういう丸を一つ増やした方がいいだろうということですよね,今回の改定に合わせて活動が広がる。
【浅見委員】 そうですね。イノベーションをどう考えるかということは,法人としての目標を決めていくという点からも,また,こういうことを考えて評価していくという基準としても大事ですので,そうした全体的なところが伝わるように,位置なのか,一言書き加えるのか,そういうことが必要ではないかと思った次第です。
【栗原会長】 貴重な御意見ありがとうございます。
そろそろ終了時刻が近づいていまして,あと何かこのことだけは言っておきたいということがあれば,お一人,お二人はお伺いできるかと思いますが。
永井委員,お願いします。
【永井委員】 先ほどの外部資金のことですけども,私が発言したかもしれません。理研の場合は大型研究費がたくさんありますけれども,若手,中堅はいずれ独立しないといけないので,科研費等,研究費をちゃんと獲得してくださいという議論をしたことがあります。それも一つの評価のポイントと思います。
以上です。
【栗原会長】 ありがとうございます。全員の活動が非常に大事だという御意見,ありがとうございます。
ほかには何かこれだけは言っておきたいということがあれば。
【中川会長代理】 会長,よろしいですか,一言だけ,中川でございます。
【栗原会長】 はい。
【中川会長代理】 冒頭の御指摘にもありましたが,次年度,メンバーが入れ替わって新しく部会がスタートするときに,この内容について各部会できちんと共有する時間を持ちましょうということは,共有しておいた方がいいと思いますけれども,いかがでしょうか。
【栗原会長】 ありがとうございます。そのとおりだと思います。これについては皆さん,御同意いただけると思いますが,いかがでしょうか。先ほどほかの委員もおっしゃっていましたが,継続的にこの審議会に出ていらっしゃる委員は,考え方がいろいろ蓄積していきますけれども,新しい委員の方もいらっしゃると思うので,そういう方々と是非部会で共有をお願いしたいと思います。それを共有事項にさせていただきたいと思いますが,よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【栗原会長】 それでは,時間が来ましたので,本議題は終了します。大変多くの御意見を頂き,ありがとうございました。本日の議論を踏まえた,本ペーパーの取りまとめに関しましては,会長一任とさせていただければと思いますが,よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【栗原会長】 いろいろな御意見ありがとうございました。
それでは,最後に事務局から連絡をお願いいたします。
【植田評価・研究開発法人支援室室長補佐】 事務局でございます。
今後,JSTにおきまして,通常国会にて審議予定の国立研究開発法人科学技術振興機構法改正,そちらと令和2年度第3次補正予算決定に伴い,大学ファンドの創設,運用業務等の追加に係る目標変更がございます。
現在,目標変更案を鋭意作成中であり,2月初旬頃に本審議会にて書面にて御審議いただく予定でございます。開催時期については栗原会長と相談の上,決定次第御連絡いたします。ということで,第3期,残り少なくなってまいりましたが,委員の皆様には,まだお願いすることがございますので,引き続きよろしくお願い申し上げます。
一方で,第3期の今審議会の実開催という意味では,本日が最後となりますので,事務局を代表して,大臣官房審議官の梶原より御挨拶申し上げます。
【梶原大臣官房審議官】 文科省の審議官の梶原です。本日も大変有意義な御議論を頂きまして,ありがとうございました。
皆様からこれまでの御審議の際に頂いた御意見をまとめたものが,更にブラッシュアップされていいものになってきて,それが次に引き継げる状況になったのではないかと思います。
また,皆様におかれましては,平成31年の4月から2年間にわたり,本審議会及び部会で熱心な御議論を頂き,誠にありがとうございました。
平成31年の3月に行われた独法の目標策定指針及び評価指針の改定により,年度評価の重点化や,評価書の記載事項の簡素化等,法人評価の実効性を高めるような見直しが図られました。
そして,こうした動きも踏まえて,審議会ではJAMSTECの期間実績の評価,それから,JAEAの中間評価,そして各法人の年度評価及び中長期の目標変更などについて審議いただきました。また,文部科学省所管の研発法人の運営や評価等に関する法人の横断的な主要事項の取りまとめなどに,御尽力いただきました。
来期におきましても,皆さんに築いていただいたこの道筋を基に,研究開発法人の活性化,発展に取り組んでまいりたいと考えております。重ねまして,委員の皆様にはこれまでの御尽力に感謝いたしまして,私の最後の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
【栗原会長】 ありがとうございました。
それでは,これで閉会いたします。本日も大変活発な御議論を頂いて,メモもより充実したものになりました。本当に皆さんどうもありがとうございました。今期,本当にお世話になりました。お礼申し上げます。それでは,閉会いたします。
 

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