国立研究開発法人審議会 量子科学技術研究開発機構部会(第27回) 議事録

1.日時

令和4年12月9日(金曜日)15時00分~17時00分

2.場所

ハイブリッド開催(文部科学省 研究振興局会議室)

3.議題

  1. 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構が達成すべき業務運営に関する目標(中長期目標)(案)及び評価に関する評価軸等(案)について
  2. 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の今後の方針について
  3. その他

4.出席者

委員

栗原委員(部会長)、山田委員(部会長代理)、秋元委員、有馬委員、金子委員、神納委員、小板橋委員、沈委員、本間委員、松前委員、山崎委員

文部科学省

迫田量子研究推進室長、山村量子研究推進室係長、正岡量子研究推進室係員、内野研究環境課長補佐他

5.議事録

【栗原部会長】 それでは、定刻になりましたので、第27回量子科学技術研究開発機構QST部会を開催いたします。本日はお忙しい中、御出席いただき、ありがとうございました。
 全委員が、山崎委員はウェブで御参加だと伺っておりますけれども、御出席になっていらっしゃって、過半数の定足数を満たしております。
 本日のQST部会において、QSTが達成すべき業務運営に関する目標(中長期目標)(案)及び評価に関する評価軸等(案)について御議論いただき、最後に、QSTの平野理事長、茅野理事より、QSTの今後の方針について発表いただく予定です。こちらは非公開議題となっております。
 次に、議題に先立ちまして、事務局より配付資料の確認等について説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
【正岡係員】 栗原先生、ありがとうございます。
 本日、事務局を務めさせていただきます量子研究推進室の正岡と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、配付資料の確認をさせていただきます。本日はペーパーレスの観点から、紙の資料配付はしておりません。お手元にタブレットが一つずつございます。事前にメールで配付させていただいた資料全てダウンロードしておりますので、御確認いただけますと幸いです。こちらのタブレットの開き方になっておりますが、左上のボタンを押していただいて、開けたら、上にスワイプをしていただくと、本日の資料が表示されております。こちら、資料、参考資料のファイルと、本日のスケジュール、議事次第の2つのPDFが入っております。この時点でよろしいでしょうか。
 では、よろしいということで、次に行きます。こちら、御覧いただきますと、資料のフォルダを押していただきますと、資料1から5まで入っております。一旦戻っていただいて、参考資料のフォルダを押していただきますと、参考資料1から10までが格納されております。この時点で資料に不備等がございましたらお知らせください。
【栗原部会長】 よろしいですか。それでは、ありがとうございました。ただいまの説明について御質問等ありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
【正岡係員】 すみません。もう一点、審議の注意点についてお話しさせていただきます。
 2点ございまして、まず御出席いただいている皆様には、お手元のタブレットで資料を御覧いただきながら御審議いただくこととなっております。御説明あるいは質疑応答の際には、資料番号とページ数を明示してからお話しいただきますようお願いいたします。また、御発言の際には挙手をお願いいたします。栗原部会長に御指名いただき、速記録の都合もございますので、名乗ってから御発言いただくようにお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【栗原部会長】 それでは、ありがとうございました。御質問等ありましたらお願いします。
 よろしければ、議題1、「国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構が達成すべき業務運営に関する目標(中長期目標)(案)及び評価に関する評価軸等(案)について」に入ります。事務局より御説明をお願いします。
【迫田室長】 量研室長の迫田でございます。本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。この委員会も2年が節目ということでございますとともに、第1期終了の最後の会議ということで、今までたくさんお世話になったということもあり、または、本当にリアルで人間らしい会議をしたほうがいいかなと思いまして、フェース・トゥ・フェースで実開催させていただいたところでございます。山崎委員は残念ながら、本日、体調不良ということで御出席はかなわなかったんですけども、多くの方々にお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、資料2に基づきまして御説明させていただきます。中長期目標の本体でございます。前回お見せして、御意見をたくさんいただきまして、そこからの変更点、御指摘を踏まえてどのように修正したのかというところをピックアップしまして、御説明差し上げたいと思います。
 まず1ページ目でございます。目次のところでございます。おめくりいただいて、こちらのほうは人材の育成・確保というところです。3の1ポツのほうに、各項目にも人材育成がありましたということですので、個別の人材育成との違いを、やはり差異を明確にすべきではないかという御指摘をいただきました。ですので、人材の育成・確保(組織全体の取組等)という、括弧で組織全体の取組ということを明確化いたしました。そこが1点目でございます。
 3ページ目をおめくりいただければと思います。3ページ目の緑のところは後ほど御説明を差し上げます。まず黄色のところでございます。エネルギー分野にも大変貢献し得る技術であるということで、量子論的生命現象の解明・模倣、例えば人工光合成であったり、または、アンモニアの合成であったり、そういった生命現象を使えば低エネルギーでできるのではないかという御意見いただきましたので、こちらについても、すみません。3ページ目のところでございます。3ページ目の最後のところに、黄色塗りで、「また、これらの技術の応用として環境エネルギー分野等への貢献も探索する」ということで、ここの生命現象の解明・模倣の中に、幅広いエネルギー、環境と分野と、また、その他の分野にも貢献し得るということも記載させていただきました。
 そして、次の修正点でございます。9ページ目でございます。こちらはNanoTerasuの話なんですけれども、NanoTerasuには、地域パートナーとして、民間主体で構成されました、民間企業中心で構成されました一般財団法人光科学イノベーションセンターというところがございます。こちらのほうが基本建屋であったり、用地等を整備して、また、法人が加速器等の整備をそれぞれ分担し、整備を推進するということで、役割分担を明確化することを記載させていただきました。
 また、その際、後段にも、「地域パートナーが整備を進めるビームラインにおいては、民間企業等による利用を中心に想定されている」ということで、このビームライン、まず、QST保有のビームラインはQSTでしっかりと運用していくと。また、地域パートナーが整備を進めるビームラインにおいては、民間企業等のこの地域パートナーが中心になって活用していくと。利活用、共用していくというような役割分担を書きました。
 当然NanoTerasu全体の運用については、QSTが責任を持って運営していくといったところでございます。ですので、役割分担はまだ明確に、かちっと決まっているところではないんですけど、今、書ける範囲のところで、役割分担のところを明記したというところでございます。
 あとは、9ページ目の2ポツ目の産学官の連携による研究開発成果の社会実装等の推進の黄色塗りのところです。「他の量子拠点との連携を推進し、研究開発成果の最大化に努める」ということで、ここは量子技術イノベーション拠点、量子生命拠点と量子機能創製拠点、2つQSTは持っているというか、担っておりますけれども、10拠点全体でありますので、ほかの9拠点ともしっかり連携しながら、「研究開発成果の最大化に努める」ということを記載させていただいております。前回、ほかの拠点と連携すべきではないかという御意見をいただきまして、その旨を反映させていただきました。
 9ページ目の人材育成のところの下でございます。(組織全体の取組等)ということで、先ほど、明確に個別の分野の人材育成との差別化というか、差異を明確にしたというところでございます。
 その下のところでございます。人材育成の中ですけれども、前回、委員の方から内部の人材育成のことに触れていないではないかという鋭い御指摘をいただきまして、内部の人材育成がすっかり抜け落ちていたということでございまして、人材の育成・確保に資する各種プログラム等の積極的な実施によって職員の能力向上を図るなど、研究開発成果の最大化等を担う優れた人材の育成に努めるということを記載させていただきました。
 プログラムが、留学であったり、省内の様々な技術的なものであったり、その他の分野のプログラムもたくさんありますので、「各種プログラム」と、若干限定しない形で書いております。
 中目に関しては、以上、こういったところが前回のコメントの修正となります。
 あと、指標に関しての御議論を踏まえて修正した箇所がございますので、こちらも紹介させていただきます。指標については、資料4をお開きいただけたらと思います。資料4につきまして、5ページ目をお開きいただければと思います。資料4の5ページ目でございます。黄色塗りのところです。NanoTerasuの評価指標のところでございます。こちらは法人が整備するビームラインの想定する仕様の達成状況も入れてはどうかというコメントいただきましたので、こちらのほうはこのように反映させていただいております。
 次の6ページ目をおめくりいただけますでしょうか。6ページ目でございます。産学官の連携による研究開発成果の社会実装等の推進の部分でございます。こちらにつきましては、先ほどほかの量子技術イノベーション拠点との連携ということでございますので、こちらのほうも、評価の視点、または、評価指標ともに追加させていただきました。
 次が6ページ目の下でございます。この下に国際共著論文も書くべきではないか。国際協力の推進の箇所にモニタリング指標として追加すべきでないかという御指摘いただきましたものも、ごもっともな御指摘だということで、「国際共著論文数」ということをモニタリング指標に記載させていただきました。
 次に、7ページ目でございます。人材の育成・確保の箇所です。こちらは先ほど御説明しましたとおり、内部の人材育成のところについて追加したことに伴いまして、評価の視点、また、評価指標ともに、内部の職員の能力向上等に関する記載を加えました。また、アウトリーチだったり、教育だったり、実施したときの効果みたいなことを検証しないのかとかそういったような御意見ございましたので、参加人数とともに満足度みたいなところも記載させていただきました。様々なアンケートを取ったり、大体、研修であったりイベント後に、アンケートを取って、フィードバックをする、品質をしっかりと確かめるということが大体よくなされているかと思います満足度ということで、この品質を見るということで明確化したといったところでございます。
 といったところが修正ポイントでございます。その他御意見をいただいたところがございます。SDGsに対応する目標を明確化すべきでないかという御意見もいただきました。こちらについては、中期目標の中にこの目標に対応するということを一つ一つ書くと、ビジーになりますので、資料1の概要のポンチ絵のところに、どの目標に貢献するのかといったところ、SDGs目標のカラフルな目標のブロックを示させていただいたという次第でございます。
 もう一つ放射線の被ばくの観点は宇宙被ばくも入れるべきではないかという御意見がございました。こちらのほうは計画のほうに入れて、宇宙被ばくにもしっかりと貢献するといったところで対応したいと考えております。
 また、Model-based Systems Engineering、MBSEを加えるべきではないか、アプローチも盛り込むべきでないかと御意見ございました。こちらのほうは手法の一つでございますので、こちらも計画のほうに盛り込む方法でQSTさんと調整したいと考えております。
 あと、経済的社会インパクトももう少し書き下すべきではないかというところがございました。ただ、一方で、中目にまた書き始めるとビジーになってくるというところございますので、計画の方、または、自己評価の際にも、こういった経済・社会的インパクトを自己評価のときの報告に記載するなどしまして、明確化するということで対応したいと考えてございます。
 以上となります。
 すみません。目標にまた戻らせていただけたらと思います。目標について、私、説明し忘れた箇所がございました。規制庁関連のところです。放射線被ばくから国民を守るための研究開発社会システム構築という箇所でございます。目標の7ページ目をお開きいただければと思います。こちらは規制庁のほうで、規制委員会で議論しているということでございましたので、前回は空欄でお示しさせていただきました。今回、ある程度固まってきたということですので、こちらのほうで示させていただきたいと思います。
 2ポツの(1)につきましては、放射線影響に係る研究、そして、福島復興支援ということを記載しております。技術支援機関として、放射線による健康リスクの評価に係る知見を充実するための研究等を進めていく、また、人材育成も進めていく、また、低線量放射線被ばくによる人の健康への影響について、より信頼性の高い被ばくリスクモデルの構築に資する研究を行う。または、環境中の放射線核種の動態等々、正確な把握・評価に取り組み、放射線防護・規制の向上に資する科学的な知見を創出するということを書いております。
 また、国際機関との緊密な連携も進めていき、国際議論に貢献する知見の提供に取り組むなど行っております。
 次の8ページ目でございます。こちらは福島県です。福島の復興のところはやや、福島の国際教育拠点が来年度から発足しますので、そういった関係機関と連携等を行っていくということで、また、分かりやすい情報発信していくということで貢献していくということを書いております。一部、福島関係の環境動態をモニタリングしている部署があちらのほうに移管されてしまうということもございますので、関係機関との連携等により、しっかりやっていくというところを記載させていただいております。
 (2)が被ばく医療に係る研究でございます。技術支援機関として、人体の線量評価手法の開発・高度化を含む被ばく医療に関わる研究の推進、または人材育成に取り組んでいるところであったり、また、基幹高度被ばく医療センターとして、支援センターとして得られた経験・成果をさらに発展させていくといったことを書いております。
 また、線量評価手法の開発・高度化について、しっかりと社会実装を見据えて、物理学、生物学的評価指標の最適化・標準化を進めて、原子力災害医療体制の機能強化にも貢献していく。また、国内外の様々な機関との連携、共同研究を促進することにより、診断、治療の高度化につながる研究を行うところも記載しております。
 (3)は、規制庁の単管のところでございますけど、基幹高度被ばく医療センター、または、指定公共機関及び技術支援機関として、原子力災害対策の向上と人材育成を行うといったことを記載しているところでございます。
 以上、こちらのほうが、規制庁との共管の部分ということになります。
 こちらのほうが以上の説明となりますけど、先ほど少し緑字のところを省略させていただきまして、緑字のところについて、ここは少し御相談というか、特に本日御議論いただきたいところがございます。
 まず、私が着任する前からしっかりと年度目標みたいな、年度ごとに具体的な目標を設定して、しっかりとマネジメントを進捗管理するようにといった御意見が、総務省独法評価委員会の方から指摘が何回かあったといったところがございまして、こちらのほうも、やはり中長期目標にもその旨、しっかり反映するようにといったコメントが届いております。こちらに対応するために、研発法人なもので、具体的に書けるところはどこかというところで、QSTさんとも相談しながら記載を今考えているところなんですけども、なるべくこういったところには、確かに中長期目標などで対応すべきかなと思いつつも、数字でどこまで縛ってしまうのか、柔軟性をなくしてしまうのかというところです。この2つの両面を考えなければいけないということで、少し悩んでいるところではございます。
 中期目標の3ページ目に、数値目標を明確に書いているところが実は4か所ほどございまして、1か所目が3ページ目でございます。こちらのほうは量子生命拠点です。本年にも建物が建って、華々しくこれから活発に産学官連携も含めて、研究も含めてしっかりと本格的に量子生命の研究を進めていくといったところでございます。こちらについて「令和11年度までに20件程度の企業連携を構築し」と記載させていただいております。この令和11年度というのが、この第2期の終わる年度ということになります。こちらは20件と書いておりますけど、今現状はどうなのかというところが、お手元の一枚紙のこのグラフ資料になります。この期間中の推移を示したものでございます。第1期中の推移でございます。量子生命拠点については、今、どのぐらい企業連携構築数があるかということでございます。第1期中に3件であったというところでございまして、第2期は20件ということを書いていますけど、20件という数字が、これは妥当性があるのかどうか、または結構高い数字ではないかとか、様々な御意見ありますけども、お聞かせいただければ幸いでございます。
 次の数字のポイントでございます。5ページ目をお開きいただければと思います。中期目標の5ページ目でございます。こちらについては、量子機能研究開発の拠点です。量子機能創製拠点のところでございます。こちらについては、令和11年度までに10件程度の企業連携ということで、先ほど、生命拠点は20件だったんですけど、こちらは10件となっています。やはりマテリアルメーカー、量子マテリアルと、なかなか数はそこまで多くはないというところございまして、さすがに20件というと難しいかなと。10件程度かなというところで、こちらについては示させていただきます。
 第1期中、では、どんな数字だったのかということにつきましては、今年度発足したばかりですので、09ということになっておりますので、こちら、10件といったところが妥当かどうかというところを少しできればと考えております。
 次が9ページ目をお開きいただければと思います。9ページ目について、(2)の産学官の連携による研究開発成果の社会実装等の推進の箇所でございます。こちらは本当に研究成果が出口である産業界につながっていく一番重要な指標なのかなと思いますけれども、こちらについては、企業との連携・共同研究等による収入額を10%程度増額するということを書いております。こちらについては、どのぐらい収入額が増加しているのかというところ。収入額の一覧表がございまして、景況感、様々なものにも左右されやすいところなんですけど、順調に増額はしておりますけども、令和2年度、3年度、4年度は横ばいといったところになっておりまして、第1期はやはり立ち上げたばかりだったので少なかったところもあるんですけど、どんどんイノベーションハブも本格化していき、増えていったというところがございます。
 第2期は、これが横ばいとなっても結構いい数字になるのかなと考えております。ここは妥当な数字かなと思いつつも、さて、ここについての先方の企業の景況感の作用にもよるところもありますので、ここをいかに設定するかというところは悩ましいなと考えているところもあります。
 また、2番目でございます。イノベーションハブにおける年間参画企業数を20%程度増加させるといったところでございます。こちらについては、この表の右上にございますイノベハブ、参画企業数と書いておりますけども、この線のところがフローです。年度の参加企業数、イン・アウトがいろいろありますので、それを重複も全部排除して、ストックベースで判断したのが、この棒グラフのところになります。
 令和2年度までは増えてはいるんですけど、それ以降、横ばいといったところですけども、ここを20%程度増やしていくというところでございまして、こちらのほうもどこまでこの数字が妥当なのかどうかというところを諮ることができたら、議論できたらと思っております。
 若干、事務局から、もう少しマクロな視野で見ると、実は前半のほうに量子生命拠点が、先ほど20件、企業連携数を目指すといったことを書いていました。量子機能創製拠点も10件と書いていましたけども、最終的には量子機能であれ、生命であれ、その他の部分であれ、産学官連携した結果が、(2)の産学官連携の収入額であったり、または年間参画企業数のところに反映されるのかなというと、ここだけでもいいのではないかなという気持ちにもなってきたりもするんですけど、一方で、量子生命拠点、量子機能創製拠点という国の拠点ではあるので、重要な産学官の連携の役割を担う、または、研究開発の役割、または、国際連携の役割も担っているところもございますので、切り出しで、先ほどの量子機能創製拠点については10件、量子生命については20件と設定しておりますけど、そこの設定もあり得るかなというところも思っています。
 こちらについてどこまで書くべきなのか、また、数字は妥当なものなのかどうか、少しディスカッションできればと思っております。
 私からの説明は以上となります。ぜひ御審議いただければと思います。よろしくします。
【栗原部会長】 どうもありがとうございました。ただいま御説明あったのは、まず前回の部会で出た御意見に対する対応、大変丁寧に御対応をいただきありがとうございました。また、数値的なゴールとして、今、グリーンの色付けでお示しいただいた達成目標の書き方、拠点で分けて件数を書く、あるいは全体で目標を立てるべきかなど、考え方や具体的な数字についても御意見あればいただきたいという2点でございます。どちらからでもいいんですが、まず、分けて議論したほうが良いと思いますので、全体について、御対応いただいたこと、あるいは前回は気がつかなかったけれど、今回、意見や気がついたというところに対して御意見いただければと思います。それが一旦、ある程度終わったら、2点目の数値目標について御意見いただければと思います。まず、全体についていかがでしょうか。
 有馬委員、どうぞ。
【有馬委員】 有馬です。前回SDGsについて、まずコメントしましたけど、これは大変分かりやすくなっております。17個のうち、どれが主に貢献することがよく分かる。それから、NanoTerasu、きちんと、もともと言った3本のビームラインの性能に関してはちゃんと査定するというところが明確になったので、基本的に、私は指摘した部分、それから、ほかの方が指摘した部分も含めて、非常によく対応されているなと思いましたので、私としては結構です。
【栗原部会長】 ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますでしょうか。どうぞ、山田委員。
【山田部会長代理】 山田です。今ちょうど有馬先生がおっしゃられた点で、修正された資料4の5ページ目のところ、黄色でマーカーしているところで、「ビームラインの想定仕様」とありますけれども、この想定というのは、こう書かれれば、要するに幾つだというのはもう共有できるんですか。人によって誤解が生じるということはないですか。主語がないのでね。
【迫田室長】 誰が想定したか。
【山田部会長代理】 そう。誰がどこでいつ。要するに、コミュニティーというのは、この分野の方で共有されているんだったらいいんですけど。
【迫田室長】 分かりました。これは書きぶりを工夫させていただいて。
【内野課長補佐】 研究環境課でございます。基本的には、国が設置するビームラインの仕様というのは、量研のほうで設定して、それがちゃんと満足されるような形で開発を進めていると思っています。あとは、どう使っていくかということになるので、今回の評価軸というのは量研が達成すべき、あるいは量研がちゃんとできているかをチェックするものになるので、主語は量研ということになると思います。
【山田部会長代理】 分かりました。
【内野課長補佐】 なので、特段そこは書かなくても、この文書の性質上、量研が達成すべき目標であるというのは自明になるのかなと思っています。
【山田部会長代理】 数値目標の話が出ているので、例えば具体的に書けないものかなと思ったわけですけどね。様々なパラメータがある。
【迫田室長】 具体的な数値。
【内野課長補佐】 ここは数値化ではなくて、評価指標なので。
【迫田室長】 とすれば、モニタリング指標にスペックを書くかという手もあるけど、でも、さすがにやり過ぎると細々という。
【内野課長補佐】 それは独法評価だと、細か過ぎますよねということかと思います。それがしっかりその実現できているということが、これでチェックできればよろしいのかなと思っています。
【迫田室長】 どうでしょうか。
【山田部会長代理】 この種の専門ではないので。要するに、仕様は数値でないと言われると、私は非常に違和感がありますね。仕様というのは数値だと思いますので。
【迫田室長】 ここのモニタリング指標に細々と数値が書けないので、この評価指標の中で、そういったいろいろなスペックも含めて、仕様の中の数字も含めて達成状況を見るというところでいかがですか。それか、想定仕様の数値目標の達成状況で、モニタリング指標に加えるというのも、1行割くとして。
【山田部会長代理】 結果として、評価のレベルが、人によって標準の場所が違うと困ると思っただけです。
【迫田室長】 仕様というのは数値のかっちりしたものであって、モニタリング指標にカテゴライズすべきではないかというような御意見ですか。
【山田部会長代理】 一番はっきりするのは、数値があれば、皆さん、それから上か下かという評価ができるんですけど、そういうものにそぐわないというんでしたら、要するに、評価がぶれないように、標準点を何か分かるようにしてほしいなということですね。
【内野課長補佐】 この文書はこういう指標を見てきましょうねという評価軸を定めているものなのですね。実際に評価するときに、では、こうこうこういう数値はこれだけ達成できましたというのは、その次の年に、業務実績を評価するときの報告書の中に表われてくるものなんです。なので、御指摘のような数値というのは、業務実績の報告書の中には入ってきますけれども、こちらの評価軸というものには、あくまで、こういう文書を見ますよということを位置づけて、それを次の年の評価のときに、具体的な数値を羅列して見ていくということになるので、ここに細かくいろいろ書いていくというよりは、こういうものを見ていきますというのを決めていくということだと思います。
【迫田室長】 ごめんなさい。そのときに、評価指標というのは、定性、定量も含めて、大きな指標ですけど、そのうち、一部モニタリングできるような数値指標というのがあったらモニタリングに加えましょうというのが今回の評価軸の概念ですということであれば、例えばビームラインの想定仕様の実現状況と評価書にあるんですけど、そのうち、数字というものがあればモニタリング仕様に書くし、また、想定仕様の実現状況自体が数値であれば、この下のほうに、モニタリング指標に数値というのを1行加えるだけで行くというような。
【内野課長補佐】 ちょっと宿題として。
【栗原部会長】 これはビームラインで出てくる光だけだったら比較的単純に規定できるけど、使うところの仕様みたいなものまで、ある程度含めてビームラインとすると、そんな簡単に仕様にならないと思うので、多分その辺りが非常に迷っておられるところだと思うんですね。
 どうぞ。沈先生。
【沈委員】 岡山大学の沈です。最近、実はNanoTerasuをつくっている方からの講演をお聞きしたことがありまして、指標はあります。彼らが想定されている指標あります。だけど、ここで書くのは確かに、非常に細かい技術指標ですので、ここで書く必要はないかなと思いますけれども、非常に細かい技術指標を幾つか書くと、実は達成できない可能性があると。これは2段階で想定されていまして、最初はビームの発散角度ですね。何度というのは、最終的に想定されているものはすぐには達成できないという話を聞いたことがありまして、だから、ここで本当に評価するときに、その指標に照らし合わせて評価すればいいのであって、ここで書くことではないかなと思います。
 以上です。
【栗原部会長】 あとは、そのときの性能そのものの絶対評価と言うか、研究のレベルとか、世界中のビームラインと対比して発表いただくとか、そういうことで評価できるような気がしますけれど。
【迫田室長】 単なる数値ではないような御意見を聞いてきたので、やはりモニタリング指標で、単なる数値を羅列して、それだけではなくて、やはり上のほうの評価指標で実現状況というような、想定仕様の実現状況というような形で、あれですかね。または、想定仕様等の実現状況とか、ほかとの困難度とかも含めて、少しここは、ここだけというか、元の記載プラス想定仕様等なのか、ここは担当課と相談いたしますけど、そんな形の表現でとどめておくというところでよろしいですか。
【栗原部会長】 宿題とおっしゃったので、より具体的な形で技術を捉えるということを工夫されると、それなりのものが出てくるかもしれないので、皆さんで目標の共通イメージを持てると、一緒に働くには良いと思うので、適当な形を御検討いただくようお願いいたします。
【迫田室長】 はい。また事務局で検討させていただきます。
【神納委員】 よろしいですか。神納です。これは言うべきか、言わざるべきか、なかなか。ですから、忘れていただいても結構なんですが、1ページ目に政策体系というのがございますよね。政策体系における法人の位置づけ及び役割。これは経済安全保障法制というのが入ってきていますよね。それは入れられるのか、入れられないのかというのをお聞きしたいと思います。不適切であれば落としていただいても結構なんですが、何せ5,000億円というような、将来的に5,000億円という大きな枠組みになりますし、そこからQSTさん、お金をいただく。それがまた外部資金獲得の成果になったりするので、入っていたほうがいいのではないかなという気がちょっとしております。
【迫田室長】 そうですね。こちらのほうは、どちらかというと、本当にQSTと密接に関連のある政策に絞って書いています。書き始めると切りがないといいますか。こちらのほうは、若干ひもづいて、例えば何とかイノベーション、ごめんなさい。量子技術イノベーションセンター未来ビジョンとか、量子未来社会ビジョンとか、QSTを名指しで、指定を戦略の中でしていますので、そういったような、若干の明確に関連があるようなところを拾っていくといったところでございまして。
【神納委員】 了解いたしました。どうもすみません。
【迫田室長】 すみません。忘れないです。
【栗原部会長】 ほかにございますでしょうか。
 マイナーな点なんですけど、すみません。それでは、3ページの一番下の丸なんですが、「量子論的生命現象の解明・模倣」というところで、量子論的はどこにかかるのかと気になります。「量子論的生命現象」だと難し過ぎるのではないかと思うので、これは磁力とか何かそういう話もあったと思いますが、これが「量子論的な解明」でしたら、そういうふうに書いたほうがいいと思いますが、それはいかがでしょうか。
【迫田室長】 生命現象量子論的解明・模倣か、今の書きぶりか。
【栗原部会長】 量子論的生命現象を研究するんだと読まれてしまうと、大変難しい限られた対象になってしまうので。誤解があると後で大変だと思います。量子論的解明だと私は内容を見て思いますので。
【迫田室長】 ありがとうございます。私もそう思いますが、専門家の御知見から、平野理事長、いかがでしょうか。
【平野理事長】 具体的には、ここの3ページのところでしょうか。
【迫田室長】 3ページの題名のところです。量子論的生命現象。
【栗原部会長】 そうです。最初の頃は、量子論的生命現象というのも確かにいろいろ考えられるという話もあったと思うんですけど、それだけが対象だとやはり。
【平野理事長】 おっしゃるとおり、究極的には量子論的な立場から生命の謎を解きたいというのが究極の目的です。
【栗原部会長】 いや、私が申し上げているのは、生命現象の量子論的解明・模倣と、言葉の順番を変えたほうがいいのではないかという提案で、量子論的を取ってくださいという話では全くありません。
【平野理事長】 生命現象の量子論的解明。
【栗原部会長】 解明・模倣のほうが幅が広くてよろしいのではないかと。
【平野理事長】 確かにおっしゃるとおりですね。生命現象を量子論的な観点から解明する。
【栗原部会長】 先生のおっしゃっているのはまさにそこです。
【平野理事長】 量子論的観点に加えて、量子科学技術の観点から明らかにするというような内容なんですけどね。
【栗原部会長】 生命現象を解明する。
【平野理事長】 要するに、量子科学技術で新しい現象を見るということと、量子論的な観点から、生命現象を追求するという趣旨がよりわかるように修正してもらった方が良さそうですね。
【迫田室長】 はい。修正でよろしいでしょうか。
【栗原部会長】 ここは語順を変えていただいたほうが。
【平野理事長】 量子論あるいは量子技術の観点からの解明・模倣とか。
【栗原部会長】 というふうにタイトルをするか。
【平野理事長】 量子論と量子技術と両方加えたほうがいいかもしれませんね。後者は、量子センサとか、最新の量子科学技術の測定技術を使って、生命現象を観ることにより、新しい現象を発見できるということですね。
【栗原部会長】 そういうことですね。
【迫田室長】 量子の論理と理論と量子技術という技術。
【平野理事長】 量子論的な観点から生命現象を解明することが究極の目的です。
【栗原部会長】 そうすると、タイトルは割とコンパクトに。例えば量子論的というのを解明とか模倣に入れて、文章の中に、今、平野先生のおっしゃったような量子論的な観点からというような、もう少し説明を広げていただくのがいいのかと思いますけど、先生いかがですか。
【平野理事長】 よろしくお願いします。
【栗原部会長】 中身が物すごく技術的になっているのをもう少し広げて、量子論的な観点から生命現象を見るという言葉をきちっと書き込んでいただくと。
【迫田室長】 分かりました。では、題名は、「生命現象の量子論的解明・模倣」にして、本文の中に、量子技術的な観点または量子論的な観点で解明・模倣していくという形で。
【栗原部会長】 それでよろしいでしょうか。
【迫田室長】 はい。反映させていただきます。ありがとうございました。
【栗原部会長】 ありがとうございました。広がりました。
 はい、どうぞ。
【山崎委員】 よろしいでしょうか。本日、申し訳ありません。賛成です。今回の目標は、量子科学を利用した生命現象の解明というのが一つの軸になっていると思います。生命における量子現象の解明とともに、量子科学の技術を使った生命現象の解明というのでいいかと思いますが。
【栗原部会長】 ありがとうございます。御賛成の御意見で、文章の中にやはり少し、もうちょっと観点を広げて、量子科学技術で研究するだけではなくて、そういう観点から生命を見るという、今の理事長の御意見を理解できるような中身に変えていただくということをお願いするということでまとめさせていただければと思います。ありがとうございました。
【山田部会長代理】 山田です。今のところに乗っかってしまって申し訳ないんですけど、また専門外で。今の栗原先生と平野理事長のやり取り、非常によく分かったところです。そこで、バイオミメティクスが2回言葉として出てきて、すごくハイライトされていて、これを中心にやられるように読めてしまうんですが、今の御議論とバイオミメティクスとの親和性が私はあんまり感じられない。申し訳ないです。素人意見です。
【栗原部会長】 私が答えるものでもないのですが、私は若い頃はバイオミメティクスを研究していまして、生命現象の中にはやはり分からないものがたくさんあって、これが量子科学技術をより使うと、より分かるかもしれない。分かったところが模倣できて、新しい材料とか新しい機能につながればバイオミメティクスになるんですけど、この中で2回出てくるのがいいかどうかとか、量子論的な観点から生命現象を見るという言葉を入れていくと、整理されて、1回でもいいのかもしれませんし、全体の流れとしてまとめ方を考えていただくのでいかがでしょうか。
【迫田室長】 承知です。分かりました。ありがとうございます。こちらは多分、「バイオミメティクス(生物模倣技術)の元となる」を取っても意味が通じるところかなと思います。生物機能の解明であったり、また、これを活用したバイオミメティクスの技術開発とすればいいのかなと。すみません。我々事務局が、若干これを重複させてしまったところがございます。
【栗原部会長】 あと、細かいこと言い出すと限りないんですけど、これは「物性等の解析技術」と書いてあるんですけど、やはり物性・機能ではないかとか、気になりました。ただ、やはりこれだけの長いものですので、大きな観点がきちっと入っていれば、先ほど言われたような量子論的な観点から生命現象を見るというような言葉がきちっと入っていることが大事かなと思います。
【迫田室長】 はい。ありがとうございます。
【栗原部会長】 ありがとうございました。
【神納委員】 神納ですけど、やはりバイオミメティクスがあると、一般企業としては、付き合いやすくなるというのも御了解ください。
【栗原部会長】 はい。ありがとうございます。言葉はぜひ残す必要があるということですね。
【神納委員】 ええ。これがあると、物すごくお付き合いしやすくなるんですね。
【平野理事長】 この表題の模倣ということですよね。
【神納委員】 そうです。模倣して、何か製品につながるんですね。
【栗原部会長】 新しいいろいろコンセプトが出ると大変良いと思います。
【平野理事長】 ぜひ量子論的生命現象の解明というのは、この文章の中に入れていただきたいと思います。
【栗原部会長】 それでは、ほかにございますか。どうぞ。
【松前委員】 松前でございます。資料2のところで、先ほど御説明いただきました一枚の紙のことでちょっと教えていただきたいと思います。数字のことで教えていただきたいと思いますが、それぞれ予想の数値というか、量子生命拠点で、今、3件の連携する会社があるところを20件の目標、また、量子技術のほうは10件の目標と立てられていると思うんですけれども、もともと、その20件、例えば1個目の話であると20件というところを見積もった根拠というか、その連携可能である会社さんの数というのがどれだけあって、そのうち、何%ぐらいが可能であると見込んで20件になっているのかとか、先ほどの話だと、今、3件で20件の目標とか、そういうようなお話に受け止めたので、どういうふうに考えればいいのかなというところを教えていただければと思いました。
【迫田室長】 ありがとうございます。後ほどQSTさんからも補足していただきたいんですけど、私の理解からして、量子生命科学技術については結構活発で、興味を示している企業さんが結構あります。ただ、実際に興味を持っているだけではなく、そのうち幾つぐらいが本格的に採用してくれるかとか、単に意見交換をしただけでは連携に含まないようにしたいと思っていまして、そういった観点から、20件ぐらいというところがあるのかなと思っています。
 ただ、一方で、量子技術というと、ここ7年間を見ますと、もう全然違う地平になっているんじゃないかというところもありますので、ここの数値目標は、今は設定で20ぐらいを設定はしていますけども、今後の進展次第では、下方修正、情報修正等もあり得るのかなと思いますけど、今のところ20としています。
 マテリアルについては、ここは結構、私もいろいろなダイヤモンドメーカーとか、今、四、五社ぐらいあったり、または超偏極の会社が1社とか、大体合計すると、興味がありそうなところが10社ぐらいあるのかなというところで、主要なところがあるのかなと捉えておりまして、ただ、それ以外もあるかもしれないんですけども、今、聞いておりますところが大体、十数社ぐらいというところがございますので、10件というところになっています。
 ここの様式のセンサよりも少し量子機能創製は難しくて、私も材料メーカーさんに、どうですかとお聞きするんですけど、そもそもセンサができていないのに材料を作るもへったくれもないでしょうみたいな話は、まだ早いのではないかとか、若干ディレイしてくるのかなというところですので、今の十数社ぐらい、ポテンシャルのあるところがそのぐらいあって、そのうち10社ぐらいがしっかりと連携してくださるのかなというところで、もう少し精緻に分析しなければいけないところもあるんですけども、かなり未来が見えにくい市場ではございますので、そういったところで20、10としているところでございます。
【松前委員】 ありがとうございます。
【栗原部会長】 もう後半の課題について御意見いただき始めているので、ほかにも何かあれば、ぜひ。どうぞ、本間先生。
【本間委員】 本間です。今のところと関連して、資料2の3ページの20件程度の企業連携。連携というのは、企業への導出とは違いますよね。共同研究のレベルということですよね。
【迫田室長】 そうです。「件」と書いているんですけれども、これは「社」にする方法もあったんですけど、例えば複数社が参加して、1件というカウントもあると思うんですね。サプライチェーン上、材料とビーム照射する企業がコラボレーションして、一つのアウトプットをするというときはそれを1件と捉えましょうということで考えております。
【本間委員】 すみません。続けていいでしょうか。後半の緑でハイライトいただいたところと併せて、感想といいますか。やはり知財という観点からの意見として申し上げたいと思いましたのは、やはり企業と連携して知財を確保する。そこはとても大事なことですけれども、それをさらに守る、それから、進化させて、知財を強化する。さらに、国際化の土俵に出す、それを継続、維持するというのは非常にお金のかかることですよね。しかも、どういうふうな知財戦略を持って、それを出していくかということも、それはもうまさに研究者の領域を超えた知財コーディネーターの、あるいは弁理士というような、いろいろな方のチームワークというか、協力がないとできない。
 まさに資金と人の、それを確保した上でできることだと思いますので、例えば、具体的な数を決める、それから、中長期的な戦略としてそれを実現するための資金、それから、人的なそういうサポート体制があるのかということも含めて議論していかないと、どんどん出してくださいというそこで終わってしまう可能性があると思います。研究者としては、そこで終わってしまうと、後のサポートがないと疲れることになりますし、がっかりするということ。それは今、恐らく全国のアカデミアで起きていることではないかと思いますので、知財を最後まで守るということがいかに大変かとみんな実感していますので、感想として申し上げます。
【迫田室長】 ありがとうございます。この拠点では産学官連携であったり、また、知財、マネジメント、戦略といったものも役割として担っておりまして、今、その体制が充実しているかどうかは別として、しっかりとここについては役割を果たすべく必要な人員を措置していくといったところは支持したいというか、この目標にしっかりと書き込みたいと思います。
【秋元委員】 よろしいですか。国立がん研究センターの秋元です。今のに関連してなんですけど、これは1)のところで20件という目標が書かれていますけども、その下に、2)のところで、がんの認知症、その他の研究開発というところがありますので、私は読んでいて、この研究開発はかなりゴールが見えづらいところがあって、上にはいわゆる数値目標があるんですけども、この2)のところには、いわゆる具体的な数値目標というのが書かれていなくて、多分、1)のところがシーズの企業との連携で、共同研究するというのが見えやすいかなと思うんですけど、この2)に関しては、やはり数値目標なり、もう少し明確なゴールというか、プロセスを明確にするような数値設定があってもいいような気がするんですけど、その辺はいかがでしょう。
【迫田室長】 こちらは今のところ、拠点というところに限定して書いておりまして、その他のところを書き始めるともう切りがなくなってくるというところもありますので、例えば最後のほうで、これも全部の研究に全て書き込むとビジーになるのと、企業連携がありきになって、縛ってしまうのかなというところがありまして、今回、数字を入れたところは国が指定する拠点ですね。産学官連携を特にやってくださいねという拠点に限定したというところがございます。
 では、ほかのところはどこで担保しているんですかといいますと、最後のページのところの受け入れ額であったり、企業連携数のところで担保しているというつくりになっています。
【秋元委員】 それぞれで、いわゆる研究費なり、評価をされているということですか。
【迫田室長】 そうです。
【秋元委員】 1)、2)、研究それぞれに分けてやっている。それはどこかを見ると分かるんですか。
【迫田室長】 そこの9ページ目です。9ページ目のところに、これは法人全体の企業との連携であったり、そういったところで見ていくというところで読むと。当然内訳も、各部門でどんなものがあったかというところの集積ですので、そういったところは見えると思うんですけれども。
【秋元委員】 すみません。ちょっとくどいようですけど、拠点形成のところの件数というのと、それ以外の拠点と関係ないところでの評価というのは、つまり、分けて評価する。
【迫田室長】 今は拠点のところの評価をするというところが一つ、前半は拠点に限定したものです。後半のところの数字は、拠点も全部、今度は法人全体としての連携の数となります。ですので、法人全体の連携数については、後半の9ページのところで判断するというようなつくりになっています。なので、冒頭御説明いたしましたけど、9ページだけでも、法人全体として企業とどう連携したかということは説明できるので、前半のところがなくても、出口さえしっかりしていればという論もあるんですけども、今回、なぜ前半のところにあえて書いたのかというのは、産学官連携を担う重要な拠点なので、あえて、こちらのほうは明確にしましょうということで、書いているところでございます。
 ただ、そこまで書くべきなのかなとか、ほかの法人の目標を見ましても、あまりそこまで明確に書いていないところも多くございますので、こちらについては、事務局としても、総務省からの指摘で、今回、数字は大分明確化しているんですけども。
【秋元委員】 分かりました。それぞれの研究開発のモニタリングの、いわゆる評価するときに、多分それがないとモニタリングできないのではないかなと思ったので、確認させてもらったんですけど。
【迫田室長】 当然そちらのそれぞれのところには産学官連携のモニタリング状況というのは書いているんですけども、明らかに具体的な数値の目標を掲げたというところは、この2件ということになります。
【秋元委員】 分かりました。
【栗原部会長】 数値目標があると、数値目標に対して達成度が非常によかったとか、足りないという判断の一つの目安としては分かりやすいということで、数値目標を入れたほうがいいのではないかという議論と、だけど、数字だけではないので、もう少し、私はよく数値目標だけではなくて定性的にもきちっと書くべきだと。むしろ定性的なほうが、具体的であれば大事なのではないかと。その辺りのバランスをどうするのかという観点と、もう一点は、シンボリックな拠点2つに関しては、ゴールをきちっと設定して、走っていただいて、あとは、それも含めた法人全体のパフォーマンスを見るというのでいかがかというこの提案に対して、委員の皆さん、どう思いますかということを今問われているので、自由に御発言いただければと思います。
 沈先生。
【沈委員】 沈です。2つの拠点は、20件プラス10件で、30件増やすということですけれども、最後の全体は、収入は10%程度増加で、参画企業数は20%増加というのは、ほとんど2つの拠点で賄っているんですか。
【迫田室長】 ここの金額は、1件当たりどういう金額になるのか、アンノウンなところもありますので、ここについては、20件プラス10件が賄うのかどうかとか、そこは分からないところですけど、全体で10%、いずれにせよ10%はいるらしくて。
【沈委員】 金額はそうですけども、参画企業数が20%程度増加というのは、今の現状だと3件ですね。2つの拠点として3件ですよね。これは30件まで増やすということは、企業数を大幅に増加しますよね。
【迫田室長】 すみません。私はちょっと、説明が大変、きっちりつながってこないんですが、これはイノベハブと、またちょっと違うあれですかね。制度での参画企業数というところが20%程度増加するというところですので、若干、ここのイノベハブというのは特にあれですね。ハブを設けて、イノベーションの競争のハブを設けて競争するところですので、若干ちょっと、ここは……。
【沈委員】 違うんですか。
【迫田室長】 違う文脈です。私は全体と言いましたけど、そこが違うというところですね。イノベハブについては、今、34件ほど、第1期は累積すると、パートナーとしてあります。第2期は、そこを20%増加でしたら49というところですね。これは法人全体の取組となりますので。
【沈委員】 そうすると、その2つの拠点の中で、イノベハブに参画する企業数も含まれて20件と10件というふうに。
【迫田室長】 そうですね。イノベハブ……。
【沈委員】 を含めてですかね。2つの拠点。
【迫田室長】 あれですね。機能創製の件数も込み込みで出すと。でも、確かに超えてしまいますね。ここは重複がないというふうに。茅野理事、ここは重複がないと言ってよろしいんですかね。量子機能創製拠点の共同研究もイノベハブを利用する場合もあると思うんですよね。
【茅野理事】 利用する場合もあります。
【迫田室長】 ありますよね。なので、オーバーラップするところもあるというところですね。ただ、しないものもあるというところですね。
【茅野理事】 しないものもありますね。必ずしもイノベハブだけではない。
【迫田室長】 そうですか。すみません。なので、オーバーラップするところも一部あり、ないところもあるというところですね。すみません。私の説明が間違っていました。
【栗原部会長】 そうすると、これは全体ではなくて、もう一つ違うカテゴリーの中でのもう一つのものですよね。
【迫田室長】 イノベハブの。そうです。
【栗原部会長】 ということだと、どういう御意見になるかということですね。
【沈委員】 ありがとうございました。
【栗原部会長】 山崎委員、どうぞ。
【山崎委員】 山崎ですが、数値目標を掲げられているというのは非常にいいことだと思うんですが、数値の内容を見てみると、例えばこれは経産省の産総研の目標みたいな気がしまして、文科省の量研であれば、企業連携に限らずに、例えば、国際的な連携とか、国内の連携にしてしまって、定性的に企業との連携を進めると。企業との連携で、最後のほうに、共同研究費というのがありましたけれども、もしそれを書くのであれば、10%、20%ではなくて、2倍くらいの目標を掲げるのがいいのではないかと思います。いかがでしょう。
 もし文科省と量研の立場を守るのであれば、そういうお金とかにはこだわらずに、国際的な連携とか、国内の研究拠点としての役割、大学との連携も含めて、それでトータルで目標を掲げて、それで企業との連携についての金額というのは、定量的な値ではなくて、定性的に書いていくということがあってもいいような気がします。
【迫田室長】 ありがとうございます。事務局から御質問ですけど、先ほど2倍にすると言ったのは、何を2倍にするという。
【山崎委員】 企業からの収入ですね。後半にある、企業との連携、共同研究等による収入額を10%程度増額するというところですね。
【迫田室長】 これを先ほどおっしゃったように、企業との連携というよりも、国際であったり、国内の大学との連携のほうが、そちらを定量的にしたほうがいいのではないか。企業との連携についてはあまり書かないほうがいいのではないかという御提案だったんですけども。
【山崎委員】 やるべきだとは思うんですが、定性的な言い方をしたほうがいいのではないかと。
【迫田室長】 そこを収入額を2倍にするということは、具体的に言うと200%にするという数字を示すことになるんですけど、そこは。
【山崎委員】 それは反対なんです。もし、どうしてもこの収入額を言うのであれば、10%というのは非常に目標が低いと感じるんですけど。
【迫田室長】 なるほど。でも、そういったものは書かないほうがいいという御意見ですね。
【山崎委員】 書かないほうがいいと思います。
【迫田室長】 分かりました。2倍に書くべきではないということですね。
【山崎委員】 そうです。
【栗原部会長】 書くなら2倍ぐらい書くんだろうけど。
【山崎委員】 書くんだったら2倍ぐらい書く。10%はちょっと志が。
【栗原部会長】 だったら書かないほうがいい。
【山崎委員】 書かないほうがいいと思います。
【迫田室長】 だったら書かないほうがいい。なるほど。いかがでしょうか。事務局も正直悩みまして、今の評価体系ですと、120%を超えればS評価とか、それが100から120だと、目安ですけども、A評価です、100はB評価ですとなるんですけども、20%増加して、それを達成したとしても、B評価になってしまうので、ちょっと厳しいかなというところもあったりですね。かといって、では、書くんだったら2倍ぐらいでしょうと言われたら、2倍達成しても、200%達成してもB評価となってしまうので、若干苦しいところはあるのかなというですね。
【栗原部会長】 分母にもよると思いますけれども、今期も随分頑張っていらっしゃるので、そこ、来期が2倍と言われて。どうですかね。ただ、こういう数字をこういう場で議論するということ自体も意味があるような気がします。それによって、次のフェーズをどう考えて推進していくかから、最終的にどういう数字にするかと、現在のパフォーマンスを数字で出して量研の皆様に考えていただき、それで、次のゴールが数値化できるものなのか。数値はちょっとしばらくおくなら、その次のときには、どの部分だったら数値化できるかというのを少しずつ考えてもらって、できるところとできないところと、あるいは定性的にアピールしたいところを具体的に把握していただくということはよろしいのではないかと思うんですけども、これも今の答えになっていないんですけども。有馬先生、どうぞ。
【有馬委員】 有馬ですけれども、私はまず、初めのほうの拠点に関しては、企業との件数で書くことは、どちらかというと反対です。やはりQSTとしては、どのフェーズにあるかで違うんですけども、個々の小さい企業連携をたくさんやって、オープンクローズが難しくなるようなことで苦労するというよりは、どちらかというと、理想的にはむしろコンソーシアムみたいな大きな感じでやって、オープンなところをかなりやって、頑張ってやっていただくというほうが。だけど、その場合、件数が少なくなっちゃうんですね。今の話。そういうふうに件数を多くするためにバラバラやると働いてしまうのは、大変まずいのではないかと思っている。という意味で、件数に関しては思います。そうではなくて、評価のときに、こんな大きな取組でやっていますよと言っていただくことが堂々とやっていただくような評価の形にするのが、件数に関してはいいのではないかと思います。
【迫田室長】 なので、「より多くの企業と連携し」というような文言にここのところはしておくというのは1案ですかね。
【有馬委員】 そうですね。しかも、それはやはり、非常にクローズな、最後のところに行くわけではないので、基礎的なところにまずやるので、そこをちゃんと分かるような形で、書きぶりはお任せしますけどもというのが、私が何となくこういう国立研究開発法人の、特に文科省側でやるときの基本的な姿勢であってほしいなということがありますということですね。
【迫田室長】 ありがとうございます。
【栗原部会長】 どうぞ。
【金子委員】 金子です。今の有馬先生の意見と同じなのですが、基本的に、例えば何か一つNVセンタとかを提供したとしても、間接的に貢献するということも多分あると思うんですね。ある大学さんに提供したものをさらに企業というようなことでやられているケースとかもあったりするかなと思うと、そうすると、直接やる連携数だけではなくて、それが基になって波及効果が広がっているというケースもあるかと思いますので、そういう意味では、そういうことをきちんと逆に見ていけるような形のほうがいいのかなと思いますので、必ずしも直接的にQSTさんとやっているケースだけではなく、より広く、業界のところに影響を与えているということを見ていけるような指標にしたほうがいいかと思います。
【迫田室長】 ありがとうございます。
【栗原部会長】 小板橋委員、お願いします。
【小板橋委員】 小板橋です。基本的に、有馬委員、金子委員に賛成です。あと、もう一つ事務局側の姿勢をお伺いしたいんですが、総務省に言われたから数値目標を設定するとおっしゃっていたのがちょっと引っかかっています。文部科学省として、国研の位置づけというものを、中長期目標なので、数年のものではありますけれども、具体的な結果を求めるのか。それとも基礎研究からしっかりやるんだ、サイエンスを支えていくんだという立ち位置にするのか、その辺り文部科学省はどうお考えなのか。そこがはっきりしてくるとこの議論も、QSTの立ち位置というのも見えてくるのかなと思いました。
【迫田室長】 文科省としましては、それは、意見が出たのは総務省の有識者会議なんですね。我々は、結論、どちらもありだと思っています。なので、こういった、ちょっと悩みがありますということで御審議にかけているというところです。どちらの気持ちもあります。やはり中期目標なので、普通に、企業からすると売上げ目標であったり、そういったものは、株主説明するために、明確にするわけであって、法人である限り、そんなものをやらなきゃいけないという論も確かにあります。
 ただ、一方で、研発法人の特徴、なぜ5年が7年間になったのかというのは、これはやはり柔軟性を持たせて、将来不透明な科学技術ですから、特に量子技術は、なかなか設定しづらいところもあるというところで、どちらも正論なところがあるのかなというところで、皆さんからの御意見をお聞きして、最終的にはこちらのほうで意見を踏まえて修正しますけども、少し皆様の御感触、御意見といったものをお聞きしたいなと。総務省からはしっかり明確に示すようにという御意見が来ていることは事実であります。これを何も、文科省が、いやいや、定量的な目標は一切ありませんというのも根拠というか、正当な理由がないところもありまして、そこの御意見を情報としてもいただきたいというところでございます。
【小板橋委員】 では、いいですか。小板橋です。私としては、先ほど事務局がおっしゃった後者のほうに賛成です。やはりサイエンスなので、遊びの部分がないと、やはり面白い結果は出にくいと私は思っておりますので、あまり数値でがちがちに縛ったりすると、先ほど有馬委員がおっしゃっていたように、字をいじって逃げるということもできなくはなくなって、つまらない研究にもなってしまうかもしれないし、つまらないところに労力をかけさせてしまうことにつながりかねないので、そうならないようにできる限り、科学者の方々に自由な発想で、楽しく仕事をしていただくことが最終的にはいい成果につながるのではないかと思っております。
【迫田室長】 ありがとうございます。
【栗原部会長】 ありがとうございます。ただ、別に定量的な評価を逃げているわけではなく、例えば評価軸(案)ですか。評価軸等についてのモニタリング手法の中には、明確に、今おっしゃっていたイノベーションハブにおける年間参画企業数とか、企業からの共同研究の受入金額や共同研究件数というものをモニターして評価する。質的・量的状況も考えるということが明確に書いてありますので、そういう手法は、きちっとモニターして評価しますということは非常に明確だと理解しています。
 そこで、ここに、通常20とか10と入れるかどうかということに対して、どういう数字が妥当かとか、なかなか分からないところで入れるのがいいのか、このモニタリング指標を1期、きちんと見て、その次にはもう少しにいい目標が立てられるようにという目標を立てるという考えもあるかもしれないという気もしますが、どうですか。どうでしょうか。
【迫田室長】 どうしましょうか。これは全てにおいて、前半の10件、20件は消去かなと。後半は残すか否か。後半ももう、例えば収入額の増加に努めるとか、または企業参画数の増加に努めるというふうに、数値目標は書かないという手もございます。前半は、もう3人、4人、オブジェクションというか、ありましたけど。
【栗原部会長】 私は、実は、前半の数値は意外と難しくなくやれるのではないかと思っているところもあるので。
【迫田室長】 栗原先生、そうなんですか。
【有馬委員】 だから、そういう発想になってくるのがまずいというふうに僕は思いますね。達成できるかどうかを先に決めてから、数値目標を決めてと、順序が変わってしまいますよね。そうではなくて。いや、僕は、企業との連携をやることはとてもいいことだと思っている。ただ、そのやり方が、細かいのをたくさんにする方向にドライブするようになるというのは非常にまずいと。
【栗原部会長】 でも、有馬先生、ここに書いてあるのを見ると、イノベーションハブにおける年間参画企業数もモニターするので、決して細かくしたいなんて、この計画の全体を見るとなっていないんですよ。
【有馬委員】 いやいや、そうじゃなくて、初めの20件、10件というのがそちら側に変えるということですね。
【栗原部会長】 はい。だから、そういう中で、ここだけ特化して、特定の数字を出すよりは、モニタリング指標とかそういうところで、少し全体的に見ていくほうが良いのではないかというのはいかがですかね。
【有馬委員】 栗原先生のおっしゃるとおりです。ちゃんとモニターはすると。質的なところもちゃんと見るということを。栗原先生がずっとおっしゃっている質的なことが大事だということですね。
【迫田室長】 なので、結論、全てにおいて、数字は差し控えるという形が。10、20、20%、10%というのは、例えば企業数増加に努めるという程度にとどめておいて、あとは評価の際にモニタリング指標で、質的なことも含めて、困難度も含めて評価していくという方針で。という議論なのかなと。
【栗原部会長】 まとめるとそういうのもあるかなと、そういう感じなんですね。
【迫田室長】 皆さんの意見を集約するとですね。それか、どこか、やはりこの数字は絶対押さえておいて、残したほうがいいというような御意見があれば残すという手もありますけども、今の御意見を集約すると、事務局としては、消去したほうがいいのかなと。あえて書かなくてですね。
【山崎委員】 確認ですが、よろしいでしょうか。
【栗原部会長】 どうぞ。
【山崎委員】 山崎ですが、後半の、企業からの資金の10%というのは、毎年毎年10%ですか。それとも。
【迫田室長】 これは全中長期目標期間中のものに対して10%増という意味合いです。
【山崎委員】 そういうことですね。分かりました。私は書かないほうがいいと思うんですけれども、前半の部分の件数に関しては、企業の件数ではなくて、国際連携とか国内の大学も含めて、企業も含めて、その数にしたらどうでしょうか。
【迫田室長】 ただ、どうでしょうか。その数字の意味するところは連携すればいいかと。なぜ企業が書いているか。先ほど有馬先生から、いろいろな質の段階のレベルの連携があるということだったんですけど、連携というのは、一般としては社会実装の研究成果をしっかりと社会経済に貢献し得るという出口のところを抑える意味でも、重要なものかと思ったんですけども、国内大学との連携を数値にしてしまうと、その意味は何を意味するところなのかというところが、数値目標を設定するときに結構難しいかなと思ったんです。こちらはいかがでしょうか。
【栗原部会長】 委員の方々、いかがですか。
【秋元委員】 ちょっといいですか。聞いていて、がんセンターも国立研究開発法人ですけど、毎年、数値目標というのはそれぞれ決めてやっているんですが、そのときは、例えば、臨床研究額という基準があって、例えば論文数というのは、それに応じて基準がありますよね。それに対して、研究開発法人としてそこに達成を、ちゃんと維持しているかどうかというような明確な根拠があって、数値目標を決めて、それに対して、毎年評価していると思うんですけど、今の議論を聞いていると、ある領域は数値目標を置いて、あるところは置かない。でも、今の議論で行うようにしようかという話になってみたり、数値目標を置く本当の根拠というのが見えていなくて。逆に、QSTさん自らが、例えばこの領域に関してはこういう数値目標を置くべきだという明確なところがあった上で、ここに反映しているのかというのが、今、議論を聞いていて、見えなかったんですけど、その辺りはどうなんでしょうか。
【栗原部会長】 だから、私はモニタリング指標をきちっとやって、その上で考えるべきではないかという意見になるんですね。
【迫田室長】 なので、それぞれ自己評価のときに物差しがあって、法人から、それぞれの状況によって違いますので、きめ細かに数値目標を、設定できないものもあるかもしれない、できるものがあるかもしれないです。または、状況が変わるかもしれないということもありますので、ここに書くというところが、やはり今の御意見を聞いているとなかなか、書かずに、しっかりと評価のほうでやっていくところがいいのかなというところがあります。
【栗原部会長】 それがある程度、積み重なっていくと、本当のターゲットとしての目標が立てられるので、今、適当な数字を与えると、どちらにとっても大変になると。評価もしにくいですよね。
【迫田室長】 またあれですね。きちっとした根拠が難しいというところもあってですね。
【栗原部会長】 ごめんなさい。ちょっと言い過ぎだったです。
【迫田室長】 いや、ここは反省ではないですけど、やはり事務局としてなかなか、そういうような定性的な形、根拠がなかなかつくりにくかったというところもあった中で、こういった件数を設定してしまっているところがあります。ただ、やはり、お聞きしていると、なかなかこれはもう疑問しか。ここは疑問の意見が多かったんですね。踏まえて、修正します。
【栗原部会長】 今回、モニタリング指標を拝見しますと、山崎委員の言われたようなことも全部、数をモニターするという形になっています。そこで、あまり丸めてしまうよりは、一つずつきちっと活動を見ていくという形でいかがでしょうかと思いますが。
【迫田室長】 分かりました。
【神納委員】 神納ですけど、私は栗原先生の御意見に賛成です。そうでないと、件数ばかり稼いで、質がすごく低いものが出てくる可能性はあるので、やはりこういうトップの、しかも物すごく最先端の部分の研究というのは点数で評価すべきではなくて、例えばトップ10%論文何件というようなモニタリング指標のところで評価するのが妥当かなと考えております。
 以上です。
【栗原部会長】 でも、それを積み重ねていけば、次には数値目標が立てられるかもしれないですね。
【神納委員】 例えばもう1件でノーベル賞を出るようなものが出てしまうと、話が全然変わってしまいますし、くだらないものをたくさん集めて、件数だけやっても、本当に役には立たないですよね。件数を稼ぐために参加してくれと言われるような話は、企業のほうもあまりうれしくないので。
【栗原部会長】 皆さんの意見は大体集約しましたので、法人の皆様にも、こういう議論を踏まえて、いい活動になるように御尽力いただくということでよろしくお願いしたいと思います。
【迫田室長】 ありがとうございます。

── 了 ──

(研究振興局 基礎・基盤研究課 量子研究推進室)