国立研究開発法人審議会 量子科学技術研究開発機構部会(第26回) 議事録

1.日時

令和4年11月15日(火曜日)15時00分~17時00分

2.場所

オンライン

3.議題

  1. 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構が達成すべき業務運営に関する目標(中長期目標)(案)について
  2. 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の評価に関する評価軸等について(案)
  3. その他

4.出席者

委員

栗原委員(部会長)、山田委員(部会長代理)、秋元委員、有馬委員、金子委員、神納委員、小板橋委員、沈委員、本間委員、松前委員、山崎委員

文部科学省

迫田量子研究推進室長、山村量子研究推進室係長、正岡量子研究推進室係員他

5.議事録

【栗原部会長】 それでは、定刻になりましたので、第26回量子科学技術研究開発機構QST部会を開催いたします。本日はお忙しい中、御出席いただきまして、どうもありがとうございます。
 全委員が出席されていると伺っております。それで過半数の定足数を満たしております。
 また、議題1、2の審議における事実関係等の質疑対応のため、QSTの皆様にも御出席いただいております。本日のQST部会においては、原子力規制庁との共管部分を除いたQSTが達成すべき業務区分に関する目標(中長期目標)(案)及び評価に関する評価軸等についての案を御議論いただく予定です。
 次に、議題に先立ちまして、事務局より配付資料の確認等について説明をお願いいたします。
【正岡係員】 栗原先生、ありがとうございました。
 文部科学省量子研究推進室の正岡と申します。本日、事務局を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 資料を共有いたしますので、少々お待ちいただけますと幸いでございます。今、議事次第を共有させていただいておりますが、御覧いただけますでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。こちらに共有させていただいている議事次第のとおり、資料及び参考資料を事前にメールで配付しております。本日の配付資料といたしましては、こちらの資料1から5、参考資料1から10まで配付しておりますので、不備等ございましたら、事務局まで御連絡ください。この時点で、よろしいでしょうか。不備等はございませんでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、大丈夫ということで、続きましてウェブ会議システムについての御説明をさせていただきます。ウェブの通信を安定させるために発言時以外は、原則音声はミュートで、映像はオフにしていただきますようお願いいたします。御発言の際は音声と映像をオンにして、発言の意思を示していただくか、挙手ボタンがございますので、挙手ボタンをお使いください。本日、栗原先生に司会を務めていただきますけれども、司会のほうで指名をいたしまして、速記録の都合もございますので、名乗ってから御発言いただくよう、よろしくお願いいたします。
 なお、会議中に接続等の不良によりウェブ会議から退室した場合には、会議から退席したものといたしますので、その後、回線が復帰されましたら、その時点から出席という扱いにさせていただきます。
 こちら、本日のスケジュールを画面に共有させていただいております。本日の審議内容ですが、議題の(1)においては、目標の策定に係る今後のスケジュールについてと中長期目標(案)について、議題2におきましては評価に関する評価軸等について、3つ目がその他事務連絡とさせていただきます。こちらで1時間20分程度を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。それぞれの議題につきまして、まず事務局から御説明をさせていただきまして、その後、審議という流れになっております。
 すみません、タイムキーピングに関しても御説明させていただければと思います。今、タイムキーピングの画面をお示しさせていただいております。こちら、画面で見えますでしょうか。
【栗原部会長】 見えております。
【正岡係員】 ありがとうございます。こういうふうにタイマーをセットしております。今、10分からスタートさせていただいておりますこちらのタイマーを御覧いただきながら、タイムキーピングとして進めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局からは、以上でございます。
【栗原部会長】 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、何か御質問等ありましたら、お願いいたします。皆さん、タイマー、見えていらっしゃいますでしょうか。
 特にございませんでしたら、それでは、議題1、「国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構が達成すべき業務運営に関する目標(中長期目標)(案)について」に入ります。事務局より御説明をお願いいたします。
【正岡係員】 栗原先生、ありがとうございます。こちら、資料1を共有させていただいております。御覧いただけますでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、御説明させていただきます。まず、次期中長期目標(案)の策定におけるスケジュールについての御説明をさせていただきます。こちらの上部の枠内を御覧ください。こちらに記載がございますとおり、今期の中長期目標期間における本法人の評価結果及び活動実績を基に見直し内容について8月26日に文部科学省、原子力規制委員会、両者の連名で作成しております。こちら等の政策文書を踏まえ、QST部会として次期中長期目標(案)を作成するという流れになってございます。
 詳しいスケジュールに関しましては、こちらの下の表にございます上段を御覧ください。既に終えたところではございますが、7月13日に開催しました第25回文部科学省QST部会及び8月4日に開催されました研究開発審議会において見直し内容を御審議いただき、8月26日に先ほども申しましたとおり、文部科学省と原子力規制委員会の連名で見直し内容を公表しております。その見直し内容を基に次期中長期目標(案)を事務局のほうで作成いたしまして、本日及び12月9日の文部科学省QST部会で御審議いただきます。
 この際には、原子力規制委員会及び原子力規制委員会のQST部会におきましても、並行して審議を行っております。本日は原子力規制委員会との共管部分を除いた目標(案)等について御審議いただきます。本日の議論でいただいた御意見を基に事務局のほうで修正させていただきまして、12月9日には原子力規制委員会との共管部分も含め、再度御審議いただくこととなっております。
 これらの審議結果及び12月16日に開催されます独立行政法人評価制度委員会においての審議を基に、来年1月中旬に研究開発法人審議会にて次期中長期目標(案)についての御審議をいただき、総務省、財務省とも調整を経まして、2月中には主務大臣決定をする予定となっております。
 事務局からは以上でございます。
【栗原部会長】 ありがとうございました。
 ただいまスケジュールについて御説明いただきましたけれども、御質問等ありましたら、お願いいたします。今回と12月のQST部会の位置づけを御説明いただいたものと思います。委員の皆さん、よろしいでしょうか。
 特にありませんでしたら、次に第2期中長期目標(案)の御説明をお願いいたします。迫田室長からです。
【迫田室長】 はい。量子研究推進室長の迫田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、資料2から4まで続けて説明をさせていただきます。まず、資料2でございます。最初に次期中長期目標策定に当たっての基本的考え方でございます。こちらにつきましては、夏に見直し方針をまとめましたことを踏襲して作ったものでございます。政策的な動向の変化であったりとか、また、社会的な動向の変化がございました。例えば国家戦略に基づく量子技術イノベーション拠点としての役割としては、量子未来社会ビジョンという戦略が4月に策定されまして、今までは量子生命拠点としてQST、指定されていたところなのですけれども、追加で、量子機能創製拠点としても追加を受けました。こういった量子技術の拠点としての役割が増大しているといった状況がございます。
 また、がん、認知症等克服であったり、健康寿命延伸等に向けた予防・診断・治療が一体的に統合した、そういった患者視点の対策も重要視されているということもございまして、こういった今まで培ってきた技術を使って健康・医療戦略に基づく健康長寿社会の実現に向けて取り組むことが必要となっているといった状況でございます。また、放射線影響、被ばく医療に係る公的機関としての役割としては、中核拠点としても指定されておりまして、引き続き継続的に取り組む必要がある。また、人材育成もしっかりとしていく必要がある、こういったところでございます。
 また、第1期期間中にカーボンニュートラルであったり、また、SDGs等もしっかりと取り組みましょうということで政府、また、社会全体においてこういった動きが特に重要性も高まっております。こういったところに対してQSTが取り組んでいく重要性も高まっているというところかなと考えています。また、東北地域に次世代放射光NanoTerasu、今、整備をしておりまして、無事に運用開始が再来年度に行われるということでございまして、こういったところもしっかりと活用していって、最先端の研究成果を生み出していく。または産学官が一体となって、新しい産業づくりにも貢献していく、そういったところが期待されているのかなと考えております。
 こういったことを踏まえまして、第1期中期期間において各研究開発分野において成果を創出してきたところなのですけれども、これをさらに統合的に捉えて、また、社会全体もSDGs等、経済、社会、環境が一体となった持続可能な社会づくりをしていくことが求められておりますので、こういった総合的な研究成果を統合してSDGs等の社会要請に応えていく必要がある、こういうところを捉えております。
 こういったことを踏まえまして2ページ目でございます。次期中期目標(案)の構成をどうしていくのかというところでございます。こちらについてはI.に政策体系において法人の位置づけ及び役割を定めた上で、Ⅱ.には期間が書いていまして、事前のとおり7年としたいと考えております。そしてⅢ.には研究開発の成果の最大化その他業務の質の向上に関する事項として、1番目に研究開発の肝となる量子科学技術等に関する研究開発として、3本柱を捉えておりまして、健康長寿社会、また、量子技術に関する基盤的研究開発、そして核融合エネルギー、そして4番目に異分野連携・融合による萌芽・創成的研究開発を位置づけております。
 また、2ポツ目に、これは規制庁が専ら所掌する事項になりますけれども、放射線被ばくから国民を守るための研究開発と社会システムの構築を位置づけております。こちらにつきましては、今、原子力規制庁のほうで議論をしておりますので、本日は省略させていただきます。そして3.に研究成果の最大化のためには単独のQSTだけではなくて、産業界、または他の機関、国際機関も含む他機関との連携がかなり重要になってくるということでございますので、こちらの関係機関との連携推進も位置づけております。4.には研究開発の成果の最大化を支えるための種々の取組としまして、人材またはアウトリーチ活動、研究環境のデジタル化、DX化を進めていきましょうとか、施設、設備の利用促進といったことを書いております。
 Ⅳ.には業務運営の効率化に関する事項としましてマネジメント等を書いているところでございます。そしてV.には財務内容の改善に関する事項、また、Ⅵ.にはその他業務運営に関する事項として挙げております。
 以上のような構成で、次期中長期目標の構成を考えております。
 3ページ目に第1期との違いについて記載をしております。どのように第1期と比べて変わったのかというところでございます。まず、1番目の研究開発の成果の最大化その他業務の質の向上に関する事項ですけれども、右側、第1期につきましては、6本柱がございました。この柱を3本の柱に、左のほうに、4本の柱に統合しようと考えております。先ほど申し上げました健康長寿社会、また、経済成長に資する量子コンピュータ等の量子技術に関する基盤的研究開発、そしてカーボンニュートラルと核融合エネルギーの実現に向けた研究開発という3本柱とともに、これを横串でつなげるような4つ目の柱として異分野連携・融合による萌芽・創成的研究開発という4本柱に再編成をしていくといったことを考えております。
 第1期では、柱が詳細だったのですけれども、もう少し大括り化をして所内の連携も深めていく。先ほど申し上げました経済、環境、社会の統合的な持続可能性の実現といったところに、より貢献していくために横串を刺しながら統合的に取組を進めていくといったところを重要視してこの項目にしております。2.につきましては、本日の御議論のスコープ外となりますけれども、これは放射線被ばくから国民を守るための研究開発と社会システムの構築ということで、こちらにつきましてもやはり重要性が高まっているといったところもございますし、また、規制庁としてしっかりと責任を持って推進していただくという観点から、責任の所在も明確化するために項目として独立させたといったところでございます。
 次が3.のところでございます。こちらは関係機関との連携推進ということでございまして、連携をしっかりと明確にするために、こちらのほうも引き続き独立をさせたといったところでございます。国際協力または産学官の連携による研究開発の推進を幅広く捉えて、左のほうに、第2期のほうに移してきたといったところでございます。また、NanoTerasu、官民地域パートナーシップによる次世代放射光、こちらはやはり産学官連携のフラッグシップ、象徴的な取組が行われることを期待しまして、特別にプレイアップして項目として出しております。こちらが第1期との違いとなります。
 4.につきましては、人材育成確保の取組と、あと積極的な情報、アウトリーチ活動といったところをしっかりと明確化したとともに、研究環境のデジタル化、活用促進、昨今、研究のDX化、機械学習であったり、またはクラウドでデータベース化して相互にデータを利用できるような環境づくりをして研究開発を効率的に進めていく、また、コロナ禍を踏まえて遠隔で操作できるようにしていく仕組みも必要となるということでございまして、こちらのほうも研究環境のデジタル化、活用促進、DX関連として特に力を入れていくべき項目として独立させました。そして施設及び設備等の利活用促進、こちらのほうはスライドさせております。
 Ⅳ.のところでございますけれども、こちらのほうに特に情報セキュリティー対策、情報システムの整備・管理等、昨今、重要視されています。こちらのほうも特出しして記載をしているといったところでございます。
 以上、このような形で第1期から第2期のほうに研究開発を大括り化したり、また、横断的なフュージョンが起こったり、また、第2期期間中にも新しい研究開発が横断する分野を推進することによって、創成的・萌芽的な研究が行われるような仕組みとしております。そして、第2期で生み出したものがまた第3期につながればいいのかなという思いも込めて、こういった項目としております。
 具体的な項目が4ページに書いてございます。先ほど申し上げました3本柱、健康長寿社会、そして量子コンピュータ等の量子技術に関する基盤的研究開発、そしてカーボンニュートラル等の核融合エネルギーの実現に向けた研究開発の3本柱で捉えております。生命科学の研究につきましては、量子生命科学に関する研究開発、そして、がん、認知症の革新的な診断・治療技術に関する研究開発、そして人材育成・確保といった3つの項目を掲げております。量子生命科学と、あと、がん、認知症等の革新的な診断・治療技術に関する研究開発を一体となって捉えて健康長寿社会の実現に貢献していくといったような、1つの項目にぶら下げることによって量子生命科学というやや新しい分野と、あと既存の重粒子線治療であったり、また、TRT治療等の既存の取組をしっかりとフュージョンさせて予防・診断・治療の一体的な取組を行っていく、そういった観点で書いております。
 真ん中の量子技術に関する基盤的研究開発でございます。こちらにつきましては、量子機能創製拠点、高崎が中心になるところではございますけれども、量子機能創製拠点として新たに指定されたことに伴って高機能材料・デバイスの創製に関する研究開発に力を入れていくということとともに、また、最先端のレーザー技術とその応用に関する研究開発ということでJ-KAREN等もビームライン、高度化しておりますので、そういったところをしっかりと使いながら研究産業に貢献していくといったところを書いています。また、人材育成・確保については、しっかりと量子マテリアル等の研究開発を支える人材を育成していき、これから経済成長を牽引していく量子技術を支える人材育成の核となって取組を進めていくといったところも記載をしております。
 また、核融合エネルギーの実現に向けた研究開発としましては、ITER研究の推進とともに、また、JT-60SAも稼働させながら、しっかりと先進的なプラズマ研究開発を行い、ITERに貢献していくということであったり、またはBA活動による新しい原型炉設計に向けたシミュレーションであったり、材料照射炉等の工学実験等も行っていくといったところも書いております。また、これを支える人材育成、共同研究やアウトリーチを通じた核融合というと長期的なスパンでの人材育成といったところも重要になりますので、次世代の核融合研究者の育成・確保も記載しております。また、巨額の投資も必要になる分野ですので、社会連携活動、各ステークホルダーの理解を得るためにアウトリーチ活動、社会連携活動も特に実施していくということで書き込んでおります。
 また、この3本柱をつなぐ、下のほうにありますけれども、横串の柱として萌芽・創成的な研究開発、部門間連携の促進をしていくといったことも書いております。部門間連携を通じた異分野の連携・融合による革新的な研究開発であったり、また、若手研究者の自由な発想、若手研究者が元気になるような、そういった研究開発も支援していくような仕組みづくり、こういったことも記載をしております。
 次のページをお開きいただければと思います。この規制庁関連の原子力規制委員会で今審議しているものは省略させていただきます。この下に関係機関との連携促進ということで、次世代放射光、官民地域パートナーシップによる次世代放射光の整備と、また、活用していくといったことも書いておりまして、次に産学官の連携による研究開発の社会還元の推進、また、国際協力の推進といったことを書いております。特に産学官の連携に関しては、人材配置、あるいは研究者のみならず、そこの周辺を、社会と技術をつなぐ人材の配置も含めて強化していくといったようなことも記載しております。
 右側に研究開発成果の最大化に向けた基盤的取組でございます。人材育成・確保につきましては、これは各核融合であったり、健康医療であったり、各分野においても人材育成を記載していたのですが、ここでは分野横断的な人材育成または量子科学技術全体として、QST中核としてこの分野全体の人材育成に貢献していくという観点から、やや横断的な分野全体の人材育成のことを記載しております。例えば大学、ほかの研究機関から受入れによって若手研究者の育成・確保をしていったり、また、クロアポ等を活用して研究活動も活性していく、または体制も充実していくといったことを書いております。
 また、積極的な情報発信またはアウトリーチ活動もしっかりと行っていく。また、アウトリーチ活動自体が人材育成にも貢献するので、ここでも人材育成も意識しながらアウトリーチ活動をしていくといったことも記載しております。そして3番目にデジタルプラットフォームの構築、活用促進、そして施設及び設備等の活用促進といったことが書かれております。
 といったようなことでございまして、6ページ以降は個別の各委員会で出た指摘事項の対応状況でございますけれども、こちらのほうは時間の都合により省略させていただきます。こちらが資料2の概要となります。資料3につきましては、これは中長期目標の今申し上げました項目を詳細に書き下したものですので、時間の関係から、こちらのほうも省略させていただきます。本日いただいたコメントを踏まえて、また修正をさせていただきながら、また、項目ぶりも修正させていただいて、12月にまたお出ししたいと思います。
 次に資料4でございます。資料4につきましては、これは総務省からオーダーでございまして、最終的には総務省の独立行政法人の委員会のほうにお出しする資料ですけれども、現状の課題、強み、弱み、そして環境変化等を踏まえて中長期目標を策定しているのかという説明資料でございます。強みとしましては、量子生命分野の開拓であったり、重粒子線がん治療装置の長年の成果であったり、長年の放射線に関する蓄積であったり、また、昨今では量子技術基盤、量子機能創製拠点等の量子マテリアル等の知見、こういったものが強みかなと。また、弱み・課題につきましては、産学連携、これからしっかりとやっていかなければいけない。またはアウトリーチ等、人材育成もしっかりとやっていかなければいけないといったようなところも踏まえて課題として認識した上で、中長期目標を策定したい。
 また、環境変化につきましては、量子コンピュータ等をはじめとする国際競争の激化であったり、またはカーボンニュートラル等の実現のための取組の重要性の高まり、または、重粒子線がん治療の保険収載の拡大であったり、または次世代放射光の運用開始の予定などがあったところを踏まえて目標を策定しているというようなところを説明した資料でございます。中長期目標の内容につきましては、3本柱プラス横断的取組をしますということをしっかりと書いているものでございます。こちらにつきましては、最終的には総務省の審議会の参考資料として提示する予定でございますので、御参考でありますけれども、提示させていただきます。
 以上となりますが、駆け足になりましたが、大変恐縮ですけれども、私からの説明は以上とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
【栗原部会長】 どうもありがとうございました。
 丁寧に御説明いただきまして、大きな基本的な考え方と、それから、具体的な対応について主だった項目について御説明いただきました。それでは、ただいま説明があった第2期中長期目標(案)について議論を進めます。御意見、御質問がある委員の方は御発言ください。手を挙げていただければと思います。よろしくお願いします。
【秋元委員】 すみません、秋元なのですが、よろしいでしょうか。
【栗原部会長】 はい。どうぞ。
【秋元委員】 先ほど中長期目標のところで組織、いわゆる新しい中計では、幾つか項目を変えたり、または整理したりされているようなのですが、それに相応するようなQST内の分野の統廃合とか、それからあと組織改編というのがどうなされているのかというのを教えていただけますでしょうか。
【迫田室長】 ありがとうございます。こちらについては、まず独法の制度の今の仕組みとしまして、まずは目標を2月までに決めてから、その後に独立行政法人のほうで具体的な計画、これは組織も含めて、人事も含めて計画を策定していくということになりますので、今後、目標が決まり次第、組織もそれに応じて、必要に応じて再編していく、また、本当に抜本的なそういった組織再編でなくても運用で改善していくなど考えているところでございます。これにつきましては、茅野理事からも何か補足等ございますでしょうか。
【栗原部会長】 補足がございましたら、お願いいたします。
【茅野理事】 QSTの茅野でございます。今、量研室長からも御説明がありましたように、これからこれを受けて組織改編するわけですけれども、既に御存じのように第2期の中心となる量子科学関係のところでは、量子生命研究所もできますし、それから、量子機能創製のほうでは、量子機能創製研究センター、高崎のほうに第2期に先んじて組織づくりをやるなど既に第2期に向けた取組をやっておりまして、これも中長期目標計画の策定と並行してさらに組織改編、進めていくつもりでございます。
 以上です。
【秋元委員】 ありがとうございます。すみません、もう1回よろしいでしょうか。先ほど異分野連携とか融合という話もありましたけれども、これ、組織改編と若干関連するのですけれども、QST内のいろいろな分野、部署を超えた連携なのか、それともQSTと、さらにほかの、いわゆる施設も含めた連携を意図されているのかというのは、どっちなのでしょうか。
【迫田室長】 量研室の迫田からお答えさせていただきます。こちらについては、組織の再編ありきではなく、組織を再編することを目的にするのではなくて、取組をしっかりと個々、個別した上で連携させていきましょうということをうたっておりまして、各組織では、まずしっかりとやりましょうということをうたっておりまして、組織をまず全部連携しましょうということまでは、意識はしていないというものでございます。ただ、一方で、この4.の異分野連携・融合による萌芽的・創成的研究開発といったところは、単独の部署を強化するためにしっかりとした組織を設けるか否かといったところは、ここは今後の議論次第かなと思っております。
 以上でございます。
【秋元委員】 ありがとうございました。
【栗原部会長】 それでは、続いて有馬委員、山田委員、神納委員、お願いします。まず、有馬委員、お願いします。
【有馬委員】 ありがとうございます。大きな方針のところから、まずお伺いしたいことがあるのですけれども、一番初めにカーボンニュートラル、SDGsということが書いてありますけれども、SDGsって持続可能な開発目標で、御存じのように17の目標、ゴールがあって、169のターゲットがあるわけですけれども、要するに合い言葉としてはいいのかもしれませんけれども、QSTがその中でどれに貢献しようとしているのかというのは、やはりもう少しちゃんとやったほうがいいような気がします。SDGsの中に例えば貧困とか、陸を豊かにとか、どれも少しQSTのやることと関係ないようなことも幾らでもあるので、その中のどこをやりたいのかというのがもう少し分かるほうがいいかなというのが、私が思うところ。
 それから、カーボンニュートラルに関して言うと、その3本柱の中でカーボンニュートラル2050に対して核融合というのがありますが、私の理解で、本当にそういう目標でいいのか。つまり、2050年までのカーボンニュートラルに役に立つように核融合をやるというふうなことを本当に考えるのか、私の理解では、もう少し長期で2050年カーボンニュートラルは、まあ、何らかほかの手段で頑張って、だけど、それはある意味、中期的につなぐようなものがあって、核融合というのはもう少し長い目で見たときの出番があるような手段ではないかと思ったりもしますし、つまり、目標、合い言葉と合わせるというのは大事なことではありますが、だけど、ここの次期の中長期の目標設定の中で、そういうふうに合い言葉だけでやっていいのかどうかというところに疑問があるところもあるということを思っているので、そこの辺をお伺いしたいと思っています。
 以上です。
【迫田室長】 ありがとうございます。SDGsに関しましては、確かに全目標にすべからく満遍なく貢献するといったことは確かに不可能な場合もございますし、また、以前に、前回にQSTのほうから提出したときにSDGs、対応するSDGsの目標も対応をお示ししているかと思いますので、そういった点も含めて、どの目標に対応するのかというところは、お示しできたらと思っております。
 ただ、一方で、取組をしていくうちに、例えば貧困といったところもキーワードで言いますと、例えば1次産業の植物イメージングによって、また、放射線育種によって食糧不足、飢餓を克服するような貧困の解消に貢献するような、そういったような貢献もあるかもしれないので、なるべくコアとなる目標は提示しつつも、では、そのほかの目標には貢献しませんよというふうにならないようにすることが重要ではないかなと思っております。
 カーボンニュートラルにつきましては、おっしゃるとおりでございまして、核融合のこのスケジュールの軸と合わない可能性もございますけれども、一方で、ここで言うカーボンニュートラルといいますのは、核融合は早期に実現すれば、そこに実現するといったところもございますし、また、昨今、核融合技術からスピンアウトした年度評価、実績評価でも高かったリチウム回収の技術であったり、あと、ああいうサーキュラーエコノミーとか、こういうような技術もございますので、ここにスピンアウト、スピンオフで貢献していくというところも概念として捉えているところでございます。
 または、スピンフォトニクスであったりとか、これ、高崎研のほうでEVの電池の電極の材料づくりもしたりしていますので、こういったところもカーボンニュートラル等に貢献するのかなということで、長期的なスパンでも考えているし、また、短期的なスパン、カーボンニュートラルでも貢献していくという姿勢を明確にするために、今のところ、カーボンニュートラルというふうなところも出しております。
 以上でございます。
【有馬委員】 このページのカーボンニュートラル、私も大賛成で、カーボンニュートラルでNanoTerasuとか、そういうのを使うとか、そうなんですけれども、その3本柱を入れたところが次のページか、次の次のページにあるのですけれども、そこの核融合のところにカーボンニュートラルを目指すというのがいいのかどうかというのがちょっとよく分からないなと。
【迫田室長】 そうですね。ここは私も悩みまして、今のところ、ここにはカーボンニュートラルと入れずに持続可能な環境エネルギーというふうに入れております。
【有馬委員】 要するに、ここではなく――ここでなくって変な言い方だな。意図はよく分かったので、私はそこで結構です。
 以上です。
【迫田室長】 ここも悩みながら、表現ぶり、核融合などで、そのタームが合わないので、もう少し深遠な広い視野を持った目標かなということで、持続可能な環境エネルギーということにはしております。
 以上でございます。
【栗原部会長】 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。核融合については、私も同感なのですけれども、技術としての検討がより具体的になっていくということが大事かなと思っています。今回、こういう形でまた再定義されていくのは、いい形に展開するといいなと思っています。
【迫田室長】 ありがとうございます。
【栗原部会長】 それでは、次、山田委員、お願いします。
【山田部会長代理】 ありがとうございます。今の言葉を引き取りますと、今見せられているページで、従来は核融合に関する研究開発が、ここでは「核融合エネルギーの実現に向けた研究開発」になっておりますので、こういった取組が明示的になった新しい中期目標、大変分かりやすくなっていると思います。核融合に限らず、この3本柱のほかの2つについても取組がよく分かり、評価する側としてもポイントがよく分かるような形にしていただいたと思います。
 それで、質問は、ここにありますように各分野において、この3本柱それぞれにおいて、それぞれに人材育成・確保が必要であると。例えば量子生命科学についてはスタート台は何とか作ったので、これからどうやってそこのアクティビティを本当の柱に育てていくかというような観点であるとか、平野理事長がたしか年度末に人材育成のためには基礎基盤のサイエンスとしての魅力と、あと社会的な価値を両方訴えていかないといけない。そこでは治療というのがキーワードですよというようなことをおっしゃっていたので、ここでも治療というのが入っていますし、核融合も長期の人材育成が必要だというのは言うまでもないことで、それで、人材育成・確保という言葉がここに入っていて、一方、新旧対照表の、その前のページで4.の(1)に「人材育成・確保」と同じ言葉が出てきているんですね。だから、各項目において人材育成・確保が必要だということは言うまでもないのですが、この目標のこの構成として同じ言葉が使われていることについて整理をいただきたいと思いました。
【迫田室長】 ありがとうございます。こちらにつきましては、人材育成はどこかで固めて論ずることもありかなと思ったのですけれども、やはり各分野によって、量子生命であったりとか、これは3年前に設立して、これから新棟も今月に無事でき上がって、産学官がワンルーフで集まって人材育成も含めて行っていきますということであったりとか、なので、人材育成図を先に行っているのかなと思っております。
 例えばもう一つは、量子技術に関する基盤的研究開発、量子機能創製拠点、できたばかりですので、これからどのように育成していくのかという、若干まだプリミティブなフェーズであったり、核融合エネルギーの担い手については、これは長期的にしっかりとやっていかないといけないということで、それぞれ特色、独自の取組が必要かな、きめ細かな取組が必要かなということで、こちらの各分野に対応した人材育成は各分野のほうに入れ込んでおります。
 一方で、4.の(1)の人材育成については、各分野に個別にならないような横断的な人材育成であったりとか、所内の一般的な人材育成であったりとか、また、対外的に連携大学院による若手の育成であったりとか、あとクロスアポイントメントであったりとか、こういった横断的な人材育成を4.のほうに書いておりまして、評価の際にもこういった視点で、前者は独自で、また、後者は、4.の(1)は横断的な視野でやっているかというところをしっかりと見ていくということになろうかと思います。よろしくお願いします。
【山田部会長代理】 評価の際にも、その辺、整理して発表いただくなり、こちらの評価書についても何か準備していただくなりしていただけるといいと思いますね。
【迫田室長】 はい。承知しました。
【山田部会長代理】 恐らく混乱すると思いますので。
【迫田室長】 分かりました。承知しました。あと、目標とともに、また計画のほうもこういった考え方、フィロソフィーに基づきまして計画を策定していただこうかなと思っていますので、混乱がないように努めてまいります。ありがとうございます。
【山田部会長代理】 時間も限られていますけれども、この2.のところは先送りでいいんですか、今回。
【迫田室長】 2.のところは、先送りといいますか、来月に規制庁の文案が固まりましたら、お出しする予定でございます。こちらで専ら見るべき、あっちの専管ではなくて共管の対象になりますけれども、専らあちらの所掌ということになりますが、一部福島復興への貢献であったり、そういったところは我々の所掌となりますので、こちらについては御確認いただくことがあるかなと考えております。いずれにしましても、12月に御提示させていただきます。
【山田部会長代理】 では、12月にしたいと思いますけれども、一言だけ、旧のほうは「福島」という言葉があったのですが、新のほうは中期目標の文書のほうにさえ「福島」という言葉がないので、その辺どうなのかなというのが、私、ちょっとクエスチョンマーク、12月に議論させていただければと思います。
【迫田室長】 はい。分かりました。こちらのほうも、どのように、どちらかというと、もう先んじて申し上げますと、これ、福島復興の拠点が、教育研究拠点が福島のほうにこれからできる予定でして、一部放射線モニタリングの部署とかQSTから移管している部分もございますので、こちらとの関係で福島復興関連については、あちらに移管しながら、ただ、一方で移管したからといって全体を俯瞰した研究開発であったり、または低線量による放射線の研究といったものを引き続き全国レベルで行ってまいりますので、QSTはそういった活動に貢献していくという趣旨の文章をお出しする予定でございます。
【山田部会長代理】 ありがとうございます。
【栗原部会長】 ありがとうございました。
 次には神納委員、お願いします。
【神納委員】 神納です。先ほどのカーボンニュートラル、有馬先生がおっしゃったとおりなのですが、私もこの核融合一本やりというのもどうかなと思っております。実際にエネルギーの世界を見渡してみると、燃料というものが非常に重要になってきまして、特に航空機などは、エアバスなどは液体水素ができると言っていますが、ほとんどの人たちはSAF――Sustainable Aviation Fuelといった炭化水素系のFuelが必須だという結論になっていますし、さらに船ではアンモニアをエンジンで燃やす、そういうふうな方向になってくるということで、決して水素社会一辺倒ではないというアプローチが必要になってくると思います。
 そこで問題なのは、そういうふうなものを今はバイオチップなのか、要するに木くずなどを燃やしてガス化して、それをFischer-Tropschという方法で炭化水素を合成しているんですけれども、それとかアンモニアを御承知のHaber–Bosch法という500℃、350気圧ぐらいといったすごいエネルギーを使う方法で合成しているわけですね。そこを何とか生命を使って、まあ、要するに微生物ですよね。それを使って合成するような研究をぜひ量子生命科学の領域で実施していただきたい。
 量子イノベーション拠点の構想、これは理研さんが中核になっているのですが、それを見渡しても、そういう産業界からの強い熱望であるフューエルを例えば空気中の二酸化炭素とか、空気中の窒素とか、そういうふうなものから循環的に製造するというものは何もなくて、やはりQSTさんの量子生命科学研究所でぜひ手がけていただきたいもののような気がしております。
 それと、被ばく医療についてなのですが、これも原子力規制庁のニーズに応えるという以外に、これは宇宙時代の被ばく医療というのが、被ばく科学というのがあるかと思うんですよね。それをぜひ入れていただければと思います。
 私からはこの3点でございます。以上です。
【迫田室長】 ありがとうございます。量子生命については、バイオミメティックテクノロジーということで、今、中長期目標にも、案にも明記しておりまして、これは意識しておりますのは人工光合成であったりとか、今、ダイレクト・エア・キャプチャとか、お話がありましたけれども、こういったDACといったものをもう少しバイオミメティクス技術を活用して効率的にできないかどうかといったところも意識して書いております。こちらについては、例えば何でしょう、目標にバイオミメティクスって、結構、体制、様々な意義があると思いますので、目標に書き込むのか、または計画に書き込むのか、そこは後日調整したいと考えております。
 あと、エネルギー関係につきましては、先ほどアンモニア等、様々な、まだまだエネルギーの多様性というか、あるかなというところもございましたけれども、こういった観点につきましては、例えばEVの、今、電極材料の開発とか、高崎研のほうでも精力的に行っておりますので、こういったところもエネルギーにしっかりと貢献して、エネルギー、持続可能な環境エネルギー化をカーボンニュートラル社会に貢献していく、そういった取組を随所にしっかりと書き込んでいきたいと考えております。ありがとうございます。
 あと、宇宙時代の被ばくの関係について、ありがとうございます。とても現場が元気になりそうな御意見かなと思いますので、こちらについては記載を検討していきたいと考えております。こちらは規制庁との関係、様々調整が発生しますので、定かなことは申し上げることは、今の段階ではできないところはありますけれども、しっかりと、何といいますか、この領域を盛り上げる意味から、意義がある書きぶりかなと思いますので検討したいと考えております。
 以上でございます。
【神納委員】 ありがとうございました。
【栗原部会長】 ありがとうございました。
 では、山崎委員、お願いします。最後の御質問ということで、お願いします。
【山崎委員】 山崎です。よろしくお願いします。短くコメントを1点だけ、量子科学技術に関することで、拠点として量子生命の拠点と量子機能創製拠点という2つをQSTの中に持つということで、ぜひ頑張っていただきたいということと、あと日本の中には量子拠点が10個前後あります。ぜひ拠点間の、ほかの拠点との協力関係を進めるということが一言あるといいなと思いました。特に量子機能創製拠点に関しましては、非常に多くのところとインタラクションを持つと思っておりますので、よろしくお願いします。
【迫田室長】 ありがとうございます。とても重要な視点かと思います。拠点、今、10拠点ほど指定されておりまして、そのうち一角をなすのが量子生命拠点と、あとは量子機能創製拠点、この2つを合わせて1拠点と我々呼んでいますけれども、かなりどちらも重要な位置づけですので、特に機能創製については全てのコンピュータ、センシング、通信と基盤となる材料を供給していくという観点から、様々な機関と連携して初めて価値を生み出すという観点から、とても連携、重要かと思いますので、しっかりとここは中長期目標のほうにも書き込んでいきたいと思いますし、あとは、政府戦略のほうでもしっかりと10拠点、連携しましょうということもうたっていますので、こちらのほうも書くだけではなくて、実行的に、自主的に実行していきたいと思います。ありがとうございました。
【山崎委員】 ぜひよろしくお願いします。
【栗原部会長】 ありがとうございました。
 先ほどの3.の(2)のところの産学官の連携というところ、今後とも非常に期待も大きいところだと思いますので、そこのところをより詳しくお書きいただけるということで理解いたしました。
【迫田室長】 はい。ありがとうございます。
【栗原部会長】 それでは、時間もありますので、本日いただいた御意見については、事務局でお取りまとめの上、第2期の中長期計画に適切に反映していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【迫田室長】 はい。ありがとうございました。
【栗原部会長】 次に議題2、「国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の評価に関する評価軸等について(案)」に入ります。事務局より御説明を続いてお願いいたします。
【迫田室長】 ありがとうございます。迫田から説明させていただきます。資料5でございます。こちら、評価軸と関連する評価指標、モニタリング指標を示したものでございます。評価軸につきましては、各この目標の文書に準拠して、それぞれのパラグラフであったり、一塊ごとに評価の視点といったものを書いたものでございます。右側の評価指標といったものは、右側の評価指標はどっちかというとアウトカム的な指標を示しておりまして、最終的にどういった、定量的、定性的ともにどういった視点で測るのかといったことを書いております。モニタリング指標は、どちらかというとアウトプット指標になりやすいところはあるのですけれども、必ずしもアウトカム指標でもないというところでございまして、実際に例えば論文数であったりとか、そういったアウトプットみたいなモニタリングできる指標を掲げたものでございます。
 前の目標期間、第1期と比べますと、しっかり各項目に対応した評価軸、そして評価軸に対応した評価指標及びモニタリング指標となるように、今回、大分パワーアップというか、充実をさせたものでございます。といいますのも、なかなか評価軸であったり、評価指標モニタリング指標が少ないがために評価の自己評価、QSTの自己評価と大臣評価で割れてしまったりとか、そういったことが起きないようになるべく評価の視点といったものをそろえたほうがいいのかなということで、やや丁寧に第1期よりも書き込んだというのが全体のフィロソフィーでございます。
 1つ目が健康長寿社会の実現、生命科学の革新に向けた研究開発でございます。こちらにつきましては、評価軸としては3つほど生命科学に関するインパクトの高い評価を生み出しているのかどうかということと、あと、マネジメントがしっかりと適切に図られているかどうか。そして、産学官連携、共創を誘発する場の形成によって、しっかりと社会実装の橋渡しになる研究開発をしているかどうか。そして人材育成をしているかどうかといったような4つの視点で評価軸を構成しております。これに応じまして評価指標もしっかりと経済・社会的インパクトの高い研究成果が創出されているかどうか、また、マネジメントがしっかりと実績が出るかどうか。そして、研究成果の社会実装、他の企業との共同研究など産学官連携をしっかりしているかどうか。そして人材育成も行っているかどうかといった4つの評価指標に対応させております。
 これに応じて下のモニタリング指標、こちらはどちらかというとアウトプット指標といったようなものになります。優れた成果を創出した研究課題数であったり、Top10%論文数であったり、そういったものを掲げております。また、企業からの共同研究の受入金額・共同研究件数、そういったものも指標として記載をしております。また、知財の創出・確保・活用の質的量的状況、人材の育成・確保の質的量的状況といったところも記載をしております。こちらは人材の育成・確保の、例えば量的状況だけでもよかったのですけれども、やはり人材でも濃淡が、単にイベントに参加して、出前授業に参加して人材育成を受けましたという方と1年間がっつり研究所内で研修を受けた方とは質的な人材育成の質も違うだろうということで、若干、質的量的といったところも記載をさせていただいております。
 このモニタリング指標と評価指標、今、対応していると申し上げましたけれども、すみません、説明の過程でミスリードなことを申し上げましたけれども、研究開発マネジメント、取組の実績といったものは、ややモニタリングでは測れないというところもございますので、こちらは省略をさせていただいております。あくまでも定性的な目標になるのかなということで、こちらのほうはモニタリング指標にダイレクトに反映していないという状況になります。どちらかというとマネジメント、取組の実績があって優れた成果を創出した研究開発であったり、企業からの共同研究、知財の創出、人材育成もできるのかなということで、やや横断的なこととして書いています。
 加えて申し上げますと、では、何で4つあるのかということですと、評価指標の3.の社会実装、民間企業との共同研究のところで、これに対応したものがモニタリング指標、2つほどございます。共同研究の受入金額であったり、知財の創出状況といったところで、この2つが民間の関係に対応するものでございます。こちらが量子生命の分野なのですけれども、以下も、がん、認知症であったり、また、量子技術であったり、そういったところが同じように、同様に対応するものでございますので、省略をさせていただきます。大体このセットのところを書いているものでございます。
 あとは、萌芽・創成的、3ページ目でございます。萌芽・創成的研究開発及び部門間の連携につきましては、こちらは法人全体の各部門が連携し、法人全体が一体となり異分野の連携・融合による研究開発を積極的かつ戦略的に推進しているかどうか。また、若手研究者の自由な発想を生かして、若手が生き生きと活躍できるような、そういった研究開発を推進しているかどうか。また、マネジメントといったものは、こういった横断的研究、創成的研究を行うためのマネジメントが適切に行われているかどうかといったこの3つを行っております。特に3番目とかは、第1期は理事長のリーダーシップの下で、こういった部門を盛り上げてきた、積極的に推進してきたというところもございますので、こちらも重要かなと思っております。
 評価指標は、これに応じて3つほど指定しておりまして、異分野の連携・融合による研究開発、そして若手研究者の研究開発マネジメントの取組の実績ということで評価指標を設定しております。そして下にモニタリング指標として研究課題数、異分野の連携・融合による研究課題数、また、若手研究者による独創的な研究課題数ということで、こちらの数を記載させております。
 原子力規制委員会の次の項目については検討してございますが、省略させていただきます。
 次に4ページ目でございます。こちらは関係機関との連携推進でございます。官民地域パートナーシップによる次世代放射光NanoTerasuの整備等によるものでございます。こちらは、まず整備、高度化にしっかりと取り組んでいるかどうかが1つの視点。2つ目が、作ったはいいが、これをしっかりと活用しているかどうか、利用促進、成果の創出にしっかり着実に取り組んでいるかどうかといったところをうたっております。評価指標としましては、整備の状況、高度化の状況、そして2つ目が利用促進、成果の創出の状況ということで、この2点を評価指標として、モニタリング指標については外部機関の利用件数であったり、または外部機関との連携の件数といったことを書いております。
 2つ目が産学官の連携による研究開発成果の社会実装の推進ということで、こっちは3つ視点があるかなと考えています。産学官の連携による研究開発の推進があるかどうか、そして産学官の共創を誘発する場づくり、そういったことができているかどうか。また、研究成果の社会実装に向けて積極的な取組を推進しているかどうかという入り口から出口まで、しっかりとカバーする評価軸としております。これに応じて評価指標も連携による研究開発の状況、また、共創を誘発する場づくり、社会実装の実績といった3つを設定しております。モニタリング指標も、これは上とかぶるかもしれない。受入金額・共同研究件数であったりとか、または知財の創出・確保・活用の状況、また、研究成果を事業活動において活用し、または活用しようとする者への支援に関する取組の実績ということをしっかりと書いております。
 先ほど研究事業者を、産業界を支援するような、そういった支援員も、バックアップ員も重要だということを申し上げましたけれども、こういった参入障壁をなるべく低くするような、より多くの産業界に参加していただけるような、そういったところを図るようなことも書いております。
 また、国際協力の推進ができているかどうかということでございます。国際協力の質的状況、評価指標に設定して、モニタリングも協力取決めの締結の実績等を指定しておりますし、またはJSPS、外国人研究者招聘事業等、国際交流に関わる様々な制度を活用して交流したかどうかであったりとか、受入人数または海外に派遣したような数を実績として示す。または国際会議の開催の実績などもモニタリング指標として加えております。
 次が最大化を支えるための横断的な取組でございます。人材の育成・確保につきましては、先ほど横断的な視点での人材ということでございます。評価軸が3つございまして、外部機関からの受入れ等を行っているかどうか、また、クロアポ制度等の種々の制度を活用して研究活動の活性化を促進しているかどうか。また、若年層向け、中高生等を含めて将来の量子科学技術を担うような人材育成も行っているかどうかといったような3つの評価軸を置いて、評価指標もそれに応じた指標としております。
 あとは、積極的な情報発信、アウトリーチ活動でございます。こちらにつきましては、多様な研究機関の研究成果の活用、研究活動の促進をするために多様な手段を用いて積極的に情報を発信しているかどうかということであったり、また、国民の理解を深めるために、また、次世代人材育成にも貢献するため、様々なSNS等も活用しながら、分かりやすい情報発信をしているかどうかといったことも定めておりまして、評価指標もそれに応じた、モニタリング指標もそれに応じた指定をしております。
 研究環境のデジタル化及び活用促進でございます。こちらは研究環境をしっかりデジタル化するとともに、それをしっかりと利活用、十分にできているかどうかといったところを記載して、評価指標もそれに応じたものを設定しているものでございます。
 施設及び整備等の利活用の促進につきましても、こちらにつきましてもしっかりと法人内外の利活用が促進できているかどうか。中核機関、量子科学技術の中核的な組織でございますので、先ほどの量子技術拠点のみならず、全体としてしっかりと施設及び整備の法人内外の利活用促進ができているのかというところも評価軸として見ていきたいと考えてとります。評価指標、モニタリング指標も同じくこれに応じたものを指定しております。
 その他の関連する事項としましては、業務運営の効率化を図るための取組を行っているかどうかであったりとか、また、昨今、重要性が増しております最新の情報セキュリティー対策を踏まえた対策推進計画の策定であったり、ルールの改定、またはしっかりとそれに基づいて取組を実施しているかどうかというところも記載をしております。そして、女性の活躍、多様性も含めた戦略的な人事またはワークライフバランス等もしっかりと記載をしているといったところでございます。
 その他関連する事項としましては、こちらの様々な指標がある中でマネジメント上、特に重要なものを今回掲げているといったところでございます。様々な法人を見ますと、ほかの法人の状況を見ますと、こちらのほうは省略して書いていない法人もございますけれども、QSTに関しては特に重要だと思われる運営上の事項について記載をさせていただいたというところでございます。
 評価軸、評価指標、モニタリング指標につきましては、以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
【栗原部会長】 ありがとうございました。
 それでは、今の御説明、評価軸案及び指標案について議論を進めたいと思います。御質問、御意見等ありましたらお願いいたします。有馬委員、神納委員、手を挙げていらっしゃるのでしょうか。その順番でお願いします。
【有馬委員】 有馬です。よろしくお願いします。これは少し細かいことをお話ししたいと思いますけれども、NanoTerasuのところがありますけれども、NanoTerasuはちょうど建設が終わって運転に入るというところで、その評価指標の1番目が整備及び高度化等の状況ということで、これはとても大事なので、モニターする指標になるのかどうか分かりませんけれども、QSTが3本のビームラインを御担当されるので、その3本ごとにそれぞれ装置の目標というのが必ずあるはずで、それを達成できているかどうかというのは、必ずモニターというか、チェックはしておいていただきたいと思っています。つまり、高輝度光源ならではのことができるシステムができたかどうかというのは、やっぱり少し大変大事なことだと思いますので、モニタリング指標で利用状況が書いてありますけれども、その前に、その装置がちゃんとできたどうかというのを入れていただければと思います。
 以上です。
【迫田室長】 ありがとうございます。モニタリング指標のほうに3本の装置目標を達成しているかどうかというところをしっかりと入れていきたいと思います。また、評価指標なのかもしれないですけれども、いずれにせよ、少しこの装置目標、ブレークダウンして検討してまいりたいと思います。ありがとうございました。
【栗原部会長】 それでは、次、神納委員、お願いします。
【神納委員】 さっき、研究のデジタル化という話がございました。それで、単にデジタルにするだけではなくて、特にIFERC関係なのですが、これ、システムを検討されるというか、構築していくようなアクティビティだと思うんですよね。それで、Model-Based Systems Engineering――MBSEというアプローチをぜひ入れていただきたいと思います。ITERでも結構、そういうところが問題になったという話も聞いておりまして、最新のデジタルDXを用いた開発というのは、Model-Based Systems Engineeringになってくると思いますので、ぜひその辺りをよろしくお願いします。
 以上です。
【迫田室長】 ありがとうございます。こちらはセキュリティーのほうに入れるという――ごめんなさい。DXのほうですかね。
【神納委員】 ええ。DXのほうですよね。
【迫田室長】 分かりました。こちらのほうは指標というよりも重要なアンテナかと思いますので、どうしましょうか、目標にも書き込んだほうがいいのかしらという。
【神納委員】 そうですね。目標に書き込んでいただければと思います。
【迫田室長】 はい。分かりました。こちらのほうは、これ、目標なのか、Model-Based Systems Engineeringと若干、手段というか、具体的な手段でもあるので、計画に盛り込むか、いずれかのレベルで書き込みたいと思います。ありがとうございました。
【神納委員】 ありがとうございます。
【栗原部会長】 それでは、秋元委員、金子委員、小板橋委員の順番でお願いします。秋元委員、どうぞ。
【秋元委員】 人材育成・確保のところなのですけれども、これは記載されている内容が、どうも人材確保というか、外部からの人材確保が主になっているような印象で、多分、研究開発の成果の最大化と考えるとやっぱり、内部の人材の育成というところに一定の評価がないと、なかなか中長期的なところが進まないのではないかという気がしているので、多分、QSTの中にも、いわゆるキャリアラダーのような、各部署、研究者のいわゆる内部での昇進を含めたキャリアラダーというのは多分あるのだろうと思うのですが、恐らくそれを1つの評価の形で、定期的な形でした上で、それがどの程度実施されているかというのもモニタリングの指標になり得ると思うのですが、多分、そうしないと人材育成のところが少し視点が欠けているのではないかなというのが今見た印象なのですが、その辺、いかがでしょうか。
【迫田室長】 ありがとうございました。確かにおっしゃるとおり、内部の人材育成がすっぽり、どちらかというと前の3本柱のところで内部人材を育成しているのかなと捉えていたのですけれども、御指摘のとおり、何か横並びで人事制度、人材制度を含めて相対的に底上げのための内部人材育成といった視点は抜けていましたので、こちらのほうは記載を検討したいと思います。ありがとうございます。
【秋元委員】 お願いします。
【栗原部会長】 今の点は、実際には萌芽・創成的研究開発のところの若手研究者による研究課題提案とか、そういうところと多少オーバーラップするところがあるので、どういうふうに考え方を立てておくのかというところがあるかなと思います。
【迫田室長】 はい。分かりました。若手研究者の萌芽的との関係も含めて整理をしていきたいと思います。ありがとうございます。
【栗原部会長】 内部からの提案、人材育成というのも非常に大事だと思うので、よろしくお願いいたします。
 それでは、金子委員、お願いします。
【金子委員】 ありがとうございます。私のほうは、産官学連携による研究開発成果の社会実装の推進のところなのですけれども、こちらのほうは、NanoTerasuは光科学イノベーションセンターと一緒に推進していく形になるかと思うと、QSTの役割と、そちらの光科学イノベーションセンターとの役割分担みたいなところも含めて、何が本当のQSTのほうの成果なのかというところをある程度明確にしておいていただいて、光科学イノベーションセンターとの、本当に一緒になってやっていくから全部一緒でいいんですということであれば、その辺りどういうふうな形で進めていくのかというところを明確にしておいてもらったほうがいいかなと思うのが1点。
 もう1点が、広報のところに関してなのですけれども、上のところの中学生、高校生を含めて将来の量子科学技術を担う人材の育成・確保に貢献といったときに、やっぱりああいう研究をしてみたいなと思うような広報ができているかどうかによって、その若い方たちというか、学生の皆さんがそっち方面に興味を持ってもらえるかどうかというところもあるかと思うので、そのアウトリーチ活動の中のモニタリングがプレスリリースの件数とか、施設公開の件数や参加人数というところになっているのですけれども、本当に単に国民向けに分かりやすい情報、やっていることを知っておいてねというレベルのことなのか、本当にそこでそういう研究に興味を持ってもらえる人たちが増えたのかどうかというところが何か分かる方法がないものかしらと思って、すみません、こうすればいいという提案まではできないのですけれども、人材を確保していくためには魅力ある職業であるということをいかにアピールできるかなというところをぜひ考えていただけたらと思います。
 以上です。
【迫田室長】 ありがとうございました。NanoTerasuのイノベーションセンターとの役割分担については、まだオンゴーイングで検討しているかと思いますので、役割分担を明確にした上で評価が適切にできるような仕組みを検討したいと思います。
 あと、広報についてはおっしゃるとおり、結局、中高生なので将来の結果が分かるまでは7年、第2期が終わってしまうかもしれないというところもあって、なかなかモニタリングといったものが難しい分野ではあるのですけれども、パッと私、ジャストアイディアとして思ったのが、例えばイベントに参加した中高生に対して満足度評価とか、結構、アンケート調査をしたりして、本当にこのプログラムが、効果があったかどうかというのは検証するところも結構よくありますので、単なる中高生のモニタリング指標に参加人数だけ書いているのですけれども、ここは質的量的状況みたいなところも書き込みたいと考えております。ありがとうございました。
【栗原部会長】 ありがとうございました。
 それでは、小板橋委員、お願いします。
【小板橋委員】 健康長寿社会の実現や生命科学の革新に向けた研究開発のところなのですけれども、評価指標で経済・社会的インパクトの高い先進的な研究開発成果の創出状況と書かれているので少し申し上げたいのですが、実際のデータとして例えば認知症は自然減していくことは皆さん御存じだと思うのですけれども、先進国では減ってきていて、途上国での病気として問題視されている現状で、日本はまだ増えているのですけれども、そういう全体の疫学的な状況の中でどれくらいインパクトがある研究開発ができているのかという視点ってすごく大事だと思うんですよね。
 がんに関しても、3人に1人が死ぬと言われていたものが、今は4人に1人と言ったほうが近いような状況になってきていて、5大がんの5年生存率が非常に数字が改善している。その改善しているところでどんな治療法が貢献しているのかというのは、すぐ出せるわけですよ。認知症をやるとしても、認知症の自然減に貢献している。リスク因子、そこがもう既に予防につながるのですけれども、それと含め、疾患としてのアルツハイマー病にどう対応するかとか、いろいろ細かい話も出てくるのですけれども、全体としてこういう疾患がどれくらい日本の国民の負担になっていて、それがシミュレーションとして今後どういうふうになっているのかというのをしっかり見た上で、その中にどれだけ貢献できるのか、この部分は貢献したのかということも言おうと思えば言えるのではないかなと、その論文数だけではなくて。
 少し難しいと思うので、モニタリングとしては論文数とかでもいいと思うのですけれども、そういう全体的な疾病の動向といいますか、何かそういうのもとても大事な、視野に入れていただいて、その中でどこに貢献できるのかというところを何か言っていただけると、すごくいいかなと思いました。
 以上です。
【迫田室長】 私、全く同じ気持ちでして、評価指標に関してはアウトカムという指標として捉えておりまして、モニタリング指標は、あくまでもアウトプット、数えやすい数字というところで捉えております。論文数だけでは、それが本当に経済・社会にインパクトがあったかどうかというのは分かりませんし、また、経済・社会、年齢構成も疾病の状況、どんどん変わっていきますので、これに合わせてインパクトが高いかどうかというのは、測ることが重要かと思っていますので、ただ、これって数字に直ちに出せるものではない。
 本当にやろうとしたら、多分、何か経済学を用いながらやっていかなければいけないところもあるかもしれないので、評価指標のところで経済的・社会的インパクトというふうにさらりとまずは書かせていただいて、あとはこの評価のところでしっかりと何かQSTさんのほうに、これがどれだけインパクトがあったかどうかといったところを論文だけではなくて、定性的にはなるんですけれども、経済・社会的インパクトがあったかどうかを説明していただいて、その後に皆様に評価していただくということを考えております。いただいた視点は、大変重要な視点ですので、経済・社会のインパクトといったところをしっかりと重視した評価にしていきたいと考えております。ありがとうございました。
【小板橋委員】 よろしくお願いします。ありがとうございます。
【栗原部会長】 ありがとうございます。
 評価全般に言えるのですけれども、数値化できるものだけでなくて、できるだけ言葉で具体的な成果を評価できるというのは大事なことだと思いました。どうもありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。沈委員、どうぞ。
【沈委員】 沈です。どうもありがとうございました。私のほうでは国際協力のモニタリング指標について、評価指標は国際協力の質的量的状況でよいですけれども、モニタリング指標の国際機関との協力取決めって、国際機関というのは本当の国際機関ですかね。国際原子力機関とか、そういう機関であって、外国の研究所とかは数えられるのでしょうかね。
【迫田室長】 これは外国の研究所も含むものです。ごめんなさい。これ、国際機関と言うと、WTOとか、WHOとかそういう、ちょっと小さくなってしまうので、分かりました。国際機関、また、国外の研究、国外の機関等とか、もう少し幅広に読めるようにしたいと思います。ありがとうございます。
【沈委員】 はい。よろしくお願いします。ここでモニタリング指標は、先ほど室長も言われたとおり、JSPSの外国人研究者受入れとか、それもあったほうが、それから、今では国際共著論文数もよく言われるのですけれども、そういうものは入らないのでしょうかね。
【迫田室長】 分かりました。そちらも入れておきます。JSPSの外国人研究者招聘事業とか、こちらのほうはいろいろと国際研究交流に係る――5ページの上に制度等の活用実績というふうに入れております。国際共著論文数は、私、観点がなかったので、ここは記載をしたいと思います。ただ、国際共著論文って結構カウントできそうでしょうか。こちら、モニタリング可能かどうかというところがあれですけれども、茅野さん、いかがでしょうか。
【茅野理事】 いや、カウントしようと思えばできますけれども、大変そうだなと思いながら伺っていますが。
【沈委員】 大学では今、国際共著論文数は必ず指標としてカウントするようになっています。
 以上です。
【迫田室長】 はい。それでは、量研室長としては、心は痛みますけれども、しっかりと、適正な数字を出すために、では、国際共著論文数を出していく方針でいこうかなと思います。よろしくお願いします。
【沈委員】 はい。お願いします。
【栗原部会長】 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでしたら、私、1点お伺いしたいのですけれども、人材育成のところですけれども、放医研時代からQSTは放射線の専門家や指導者養成というところで非常に医学応用だけではなくて、放射線防御や事故対応についての研修をたくさんやってこられていて、今もやっておられると理解しているのですけれども、それは今回議論しない、規制庁との共管部分に出てくるのでしょうか。
【迫田室長】 おっしゃるとおりでございまして、規制庁の部分に出てくるものでございます。また、こちらにつきましては、規制庁の議論が一通り一段落した後に、12月に御提示させていただくことになろうかと思います。人材育成は入っておりますので、その形でよろしくお願いします。
【栗原部会長】 重要だと思っていますので、特に私たちのように東日本の記憶がまだ非常に強いものにとっては、震災後の研修等も含めた放医研の貢献というのは大きなものがありますので、引き続きそういう医学研究にしても、防御にしても大事な部分だと思います。よりよく評価されるような形で評価軸の中に入れられていることが大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。
【迫田室長】 はい。ありがとうございました。
【栗原部会長】 それでは、もしほかに御質問等なければ、本日いただいた御意見は事務局でお取りまとめいただきまして、第2期中長期提案における評価軸及び指標に適切に反映いただけますようにお願いいたします。
 委員の皆様には、いろいろ御意見をいただきまして、ありがとうございました。これまでの全体を通しての質疑等に対して、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、以上で予定した議題は終了となります。事務局より連絡事項等があればお願いいたします。
【正岡係員】 ありがとうございます。事務局でございます。本日は長時間にわたり御議論いただき、ありがとうございました。事務局より1点連絡事項がございます。次回、第27回QST部会の日程に関しましては、12月9日の金曜日、15時開始、文部科学省の会議室において2時間程度と予定しております。こちらに関しては、後日、メールにて詳細をお送りいたします。本日に引き続きQSTの達成すべき業務運営に関する目標の案及び評価に関する評価軸等についての案の審議を行います。
 以上でございます。
【栗原部会長】 ありがとうございました。
 次回は本当に久しぶりの対面ということで御計画になっているようですので、それまであまり状況など変化してまたウェブとならないようにと希望しておりますけれども、その折にはどうぞよろしくお願いいたします。
 以上、御説明、ありがとうございました。時間もほぼ予定どおりということで、委員の皆様の御協力にお礼申し上げます。
 それでは、これにて第26回量子科学技術研究開発機構部会を閉会します。長時間の御議論、本当にありがとうございました。これで閉会いたします。ありがとうございました。

── 了 ──

(研究振興局 基礎・基盤研究課 量子研究推進室)