国立研究開発法人審議会 量子科学技術研究開発機構部会(第8回) 議事録

1.日時

平成30年7月5日(木曜日)13時00分~18時00分

2.場所

文部科学省 15階 科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の業務の実績に関する評価の進め方について
  2. 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の平成29年度実績評価について(法人からのヒアリング)【非公開】
  3. その他

4.出席者

委員

栗原委員(部会長),金子委員,神納委員,小板橋委員,櫻井委員,沈委員,本間委員,松前委員,山崎委員

文部科学省

西山量子研究推進室長,廣瀬量子研究推進室長補佐,田川振興戦略官付補佐,阿南開発戦略官付補佐 他

5.議事録

【栗原部会長】  それでは,定刻になりましたので,第8回量子科学技術研究開発機構部会(以下,QST部会)を開催いたします。
 本日は,8名の委員に御出席いただいております。山田部会長代理は御欠席で,書面の御質問を頂いておりますが,櫻井委員は途中から御参加,途中退席の予定です。
 また,議題2のヒアリングのため,平野理事長をはじめとする量子科学技術研究開発機構(以下,QST)の皆様にも御出席いただいております。お忙しい中,御出席いただきまして,どうもありがとうございます。
 本日の会議ですが,議題1及び議題3は公開で行い,議題2は,未発表の研究成果等が含まれるため,当部会の運営規則に基づき,非公開という形で進めさせていただき,詳細な議事録についても非公開とさせていただきます。
 それでは,本日の議題に入らせていただきます。まず,事務局より配付資料の確認をお願いします。
【廣瀬室長補佐】  事務局でございます。配付資料の確認をさせていただきます。
 お手元の資料を御確認ください。本日ですが,議事次第のとおり,資料1から3-3及び参考資料が1-1から参考資料6までを配付させていただいてございます。参考資料はかなり多い量となってございますので,ファイルにとじてございます。資料等の不備がございましたら,議事の進行中でも問題ございませんので,事務局まで御連絡をお願いいたします。
 以上でございます。
【栗原部会長】  ありがとうございます。
 それでは,何か不備等ありましたら,御連絡をよろしくお願いします。
 それでは,議題1に入ります。評価の進め方について,事務局より説明をお願いいたします。
【廣瀬室長補佐】  事務局より御説明いたします。資料1を御覧ください。QSTの29年度実績評価の進め方について,御説明をさせていただきます。
 本資料ですが,共管省庁である原子力規制庁と調整をして作成してございます。
 まず29年度評価でございますが,皆様御承知のとおり,独法通則法及び独法評価に関する指針(「評価指針」)に基づいて行いたいと考えてございます。
 また,評価の目的でございますが,2ポツのところにありますとおり,評価指針でも定められておりますが,「研究開発成果の最大化」という国立研究開発法人の第一目的を踏まえまして,QSTにおける「研究開発成果の最大化」と「適正,効果的かつ効率的な業務運営」との両立の実現につながるように評価をしていきたいと考えてございます。
 また,QST部会の役割でございますが,評価に際し,第三者の立場から,社会的見識,科学的知見,国際的な水準等に即しまして適切な助言を頂きたいと考えてございます。また,研究開発成果の最大化や,先ほどの目的で申し上げた効果的かつ効率的な業務運営の確保に向けて,運営の改善につながるような御提言も併せてお願いできればと考えてございます。
 次のページをおめくりください。2ページ目になります。3ポツのQST部会の進め方でございます。29年度評価を進めるに当たり,図に示してございますが,文部科学省,規制庁で各2回ずつ29年度評価に向けてQST部会を開催し,QST部会の先生方の方から,その評価に関しまして助言を頂きたいと考えてございます。また,最終的な評価,評定につきましては,文部科学省,また,共管部分に関しましては,原子力規制と調整の上,両主務大臣に諮って決定をしていきたいと考えてございます。
 3ページ目を御覧ください。次に,評価の考え方でございます。29年度評価は,先ほど申し上げた通則法及び評価指針,またQSTの中長期目標等々を踏まえまして,QSTの自己評価を基にして実施をしていきたいと考えてございます。
 まずは,評定の考え方でございます。4-1,評定の基準にありますとおり,評定の区分はSからDの5段階で行います。また,3ページ目の表に書いてありますとおり,Bが標準の評定になってございます。そのため,SやAなど,B以外の評定をつける際は,その理由を明確にする必要がございます。
 おめくりいただきまして,4ページ目になります。先ほど申し上げました項目別評定をつけるに当たっての留意事項について,ここに記載させていただいてございます。大部にわたりますので詳細は省きますが,上から4つ目のポツにありますとおり,評定につきましては,どのような理由で何に重み付けを行い,それを踏まえて,どういった判断によって評定に至ったかといったことを,分かりやすい形で目標の内容に応じて定量的・定性的な観点から明確に記述する必要がございます。
 そのため,本日のヒアリングにおきましては,是非,評価に当たって不明な点がございましたら,御質問いただき,評定の理由を明確につけるために,是非御活用いただきたいと考えております。
 資料5ページ目に移ります。4-3でございます。評定の基準に関しまして,最上級のSとする場合の判断につきまして,特に記載させていただいてございます。評定を最上級のSとする場合には,質的・量的に充実した成果・実績を有することが必要になります。そのため,Aという評価では不十分であり,S評価とすべきという判断を法人としてされた理由に関しまして,QSTの方から,今回のヒアリングの含め,十分に御説明を頂きたいと考えております。
 その上で,文部科学省の評価におきましては,5ページにも示しておりますS評価の評価指針に掲げられた事例及び,おめくりいただきまして,7ページ,別紙と右方に付いておりますが,このように,これまでの業務実績評価における国立研究開発法人のS評価の事例を別紙で付けさせていただいておりますが,こういったものの例を参考にしまして,S評価とすることが適切であるかどうかといったところを判断していきたいと考えてございます。
 別紙に関しまして,ここで一度御説明をしたいと思います。この別紙は,文部科学省の法人になりますが,これまでの業務実績評価においてS評価とした事例になってございます。研究開発に係る事務・事業におきましては,JAXA,防災科研,NIMSの3例,また,研究開発以外の例としては,NIMSの1件を挙げさせていただいてございます。
 まず,研究開発に係る事務・事業に関するS評価の例としまして,JAXAの宇宙安全保障の確保がございます。本評価ですが,ロケットが昔は3か月に1回ぐらいのペースで上げていたというものを,5か月に5基,連続でオンタイム打ち上げを初めて実現したということや,打ち上げ成功率を世界最高レベルに維持したといったことを達成するとともに,これらの実績を踏まえ,国として保有すべき柔軟かつ着実に人工衛星を軌道に運ぶことができる宇宙輸送システムといったものを,単なる研究成果ではなく,きちんとシステムとして完成したという点が高く評価されて,S評価に至ったと考えています。
 また,防災科研の事例でございますが,こちらは平成28年4月に発生した熊本地震におきまして,これまで防災科研で研究開発をしていた被災状況の一元化をするためのシステムを実際の現場で活用することにより,被災情報を一元化にまとめるということで,重要な役割を果たすことができたという事例です。こちらも研究開発成果を現場に生かし,さらに,それを被災者の役に立てたというところを高く評価して,Sとなっているものでございます。
 また,NIMSの3つ目の例でございますが,こちらは,世界トップレベルの研究成果を発揮したということとともに,これを使った技術に関して,国内企業との計測技術センターを設立し,産学連携で国内企業の技術の底上げをしっかりとつなげるための仕組み,こういったものもきちんと行ったというところが評価されて,S評価になったものと考えてございます。
 また,研究開発成果の事務・事業におきましては,NIMSの広報・アウトリーチ活動の推進というものがございます。こちらも数値目標を,中長期目標で掲げられたもの以上に達成するとともに,質的にも,例えば,YouTubeにおけるそういった動画の質等々においてもかなり優れたものがあるということで,S評価につながったと考えております。
 このような事例も参考にしつつ,評価指針のS評価の事例も見ながら,今回の実績評価におきまして,S評価とすることが妥当であるかというところを御判断するための御説明や議論を是非していただきたいと考えてございます。
 最後に,おめくりいただきまして,6ページ目になります。4-4,共管業務に関する評価の考え方でございます。QSTは,実施する業務のうち,放射線の人体への影響及び放射線による人体の障害の予防,診断及び治療に係る業務につきましては,文部科学省と原子力規制庁の共管となってございます。よって,この共管業務の評価に当たりましては,両主務大臣が所掌する事務の役割分担及び観点を踏まえて,各省庁が各々評価を行うという必要がございます。
 文部科学省における事務の分担,また,重視すべき評価の観点でございますが,文部科学省は,設置法上,基盤的な研究開発というものを所掌してございます。これは,科学技術に関する共通的な研究開発に関することとなってございます。これを踏まえ,文部科学省のQST部会では,放射線の医学利用,その他,文部科学省が所掌する政策に資する成果が創出されているのかどうかといった観点を重視して,是非御議論いただきたいと考えてございます。
 以上でございます。
【栗原部会長】  ありがとうございます。
 ただいまの説明について,御質問等ありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 大変丁寧に御説明いただいて,どうもありがとうございました。
 ないようですので,それでは,平成29年度実績評価は,ただいま御説明があった方針に基づいて進めていただければと思います。評点の基準というものです。

(議題2 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の平成29年度実績評価について(法人からのヒアリング)(非公開))
(議題2終了,傍聴者入室)

【栗原部会長】 最後に,議題3,その他について,事務局から1点御報告があると伺っております。こちらは,未発表の研究成果等に係る事項ではないため,これより議事を公開いたします。傍聴希望の方がいらっしゃいましたら,入室を許可いたします。
 それでは,事務局から御報告をお願いいたします。
【大榊補佐】  それでは,文部科学省から,資料3-1,3-2,3-3につきまして御報告をさせていただきます。
 資料3-1を御覧いただければと思います。報道発表という形で,「次世代放射光施設官民地域パートナーシップ具体化のためのパートナー選定等について」というプレス発表をお配りさせていただいてございます。
 経緯といたしまして,本年の1月に,科学技術・学術審議会の量子ビーム利用推進小委員会におきまして,新たな軟X線向け高輝度3GeV級放射光源,次世代放射光施設でございますが,この整備ですとか政策的意義等について,有識者会議でおまとめいただきまして,その結果を踏まえまして,文部科学省で1月から3月まで,官民地域パートナーシップのパートナーの具体化ということで,地域及び産業界のパートナーの募集をかけてございました。その結果,3月に1件提出がございまして,その結果を3月から6月までの間,量子ビーム利用推進小委員会の方で調査検討を行っていただきまして,その結果を6月28日に取りまとめてございます。
 その取りまとめた報告書が,資料3-2,3-3にございますので,まず資料3-2の結果の概要について御説明させていただければと思います。
 こちらのちょっとカラフルな資料を御覧いただければと思いますけれども,右上の方に資料3-2と書いてございます裏をおめくりいただきますと,1月から3月まで募集を行った結果出てまいりました提案,その概要につきまして書いてございます。これについて,少し御紹介をさせていただきます。
 提案者でございますが,一般財団法人光科学イノベーションセンターを代表機関といたしまして,宮城県,仙台市,国立大学法人東北大学,一般社団法人東北経済連合会による5者連名での御提案を頂いてございます。
 この提案の特徴といたしましては,この光科学イノベーションセンターが主体となって,各者連携して,強固な官民地域パートナーシップを構築するということで,次世代放射光施設の整備用地,候補地でございますけれども,下の方にイラストを描いてございますけれども,東北大学の青葉山新キャンパス内に整備をすることとしてございます。
 下のカラーの写真を御覧いただければと思いますが,この灰色の丸のところ,ここに青葉山新キャンパスの地図がございますけれども,この写真のところに放射光施設を建設するという計画でございます。
 右上の方を見ていただきますと,財源負担に関する官民地域の役割分担ということで,1月に出していただきました報告書におきましても,官民地域パートナーシップにより整備・運用を分担して行うということになってございまして,全体の整備額,整備費用の概算総額でございますが,360億円程度ということになってございます。このうち,想定される国の分担としましては,最大200億円程度,それから,パートナー側,コミットメントされた提案者の分担ということで,最大170億円程度ということとなってございます。
 主に国としましては,加速器,ビームラインを整備することといたしまして,それ以外の整備用地ですとか,基本建屋,研究準備交流棟といったようなものにつきましては,パートナー側が整備していくという計画になってございます。
 彼らの提案によりますと,産学官金の集積状況,リサーチコンプレックスの形成につきまして,まず宮城県,また仙台市,それぞれからコミットメントを頂いてございまして,各種の優遇政策を活用した支援ですとか,開発助成金の創設といったような,地域側の支援が期待されるところでございます。
 また,大学としましては,この放射光施設の建設候補地の隣にサイエンスパークゾーンというのを設けてございますが,ここに放射光を利用する企業の拠点を設置できるような用地を整備するという計画となってございます。
 戻っておめくりいただきまして,右上に資料番号の付いている概要の方を御覧いただければと思いますが,こうした御提案を踏まえまして,3月から6月まで有識者会議で調査検討を行っていただいた結果でございます。
 ポイントのところの赤字でございますが,文部科学省の募集要領,これは1月に出してございますが,この募集要領に掲げられた要件を満たす具体的な提案がなされていると判断したところでございます。
 真ん中の方に調査検討の結果が書いてございまして,募集要領には,主に3点要件を掲げてございます。
 パートナーが整備する主要施設,この詳細な要件を満たす施設等を整備するという計画になっているということ。
 それから,(2)でございますが,産学官金の集積状況とリサーチコンプレックスの形成加速ということで,リサーチコンプレックス形成が加速されるような産学集積がなされていること,また,その将来の発展ビジョンをもって具体的な計画を進めるということが示されているということが要件となってございます。
 また,(3)でございますが,財源負担に関する官民地域の役割分担ということで,パートナー側がコミットメント,また財源負担の見込みを示すことが要件として掲げられてございました。
 右側にその結果を書いてございますが,提案内容でございますが,具体的かつ意欲的であり,文部科学省が募集要領で示した要件を満たしていると判断いたしました。全体として,パートナーとして選定するのにふさわしい提案がなされていると評価できるということとしてございます。
 また,下の方に留意事項ということを書かせていただいてございますが,下の留意事項にございますように,次世代放射光施設を中核とした産学官金の一体的な集積が一層図られるよう,更に計画を具体化していくということ。
 また,今後,提案者において,民間企業からの加入意向の表明が更に増加するように積極的に取組を進める必要があり,また,資金調達が進まない場合等も想定しまして,様々なケースを想定して,これに対応できるようリスク管理に取り組むこという留意事項を付けてございます。
 この結果を踏まえまして,資料3-1でございますが,文部科学省として,以下のことを決定したということでございます。
 おめくりいただいた資料3-1の別紙のところにございますように,7月3日,一昨日付けで,「官民地域パートナーシップ具体化のためのパートナー選定等について」ということで,文部科学省から発表してございます。
 下の方にございます丸3つを御覧いただければと思います。文部科学省として決定した事項を3点書かせていただいてございまして,官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の推進に関しまして,先ほど申し上げました一般財団法人光科学イノベーションセンターを代表機関とする5者につきまして,これをパートナーとして選定することといたしました。
 また,次の丸でございますが,次世代放射光施設の整備・運用の検討を進める国の主体であるQSTとパートナーとの間で,この整備・運用に関する詳細を具体化するための検討・調整を開始することといたしました。
 また,上記の検討・調整結果を踏まえまして,文部科学省として,次世代放射光施設の整備に係る概算要求に向けた検討を行うという,この3点を決定したということでございますので,御報告をさせていただきます。
 以上でございます。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
 それでは,ただいまの説明について,何か御質問等ありましたらお願いいたします。
 QSTの方が御質問になってもいいのかもしれません。
【吉田部長】  これの官に相当するところを我々が受けようということになりますので,次の評価のときには,ここのところも御報告できればと思っております。
【栗原部会長】  それでは,御質問はないようですので,ありがとうございました。
 事務局から,その他連絡事項はございますでしょうか。
【廣瀬室長補佐】  ありがとうございます。2点連絡事項がございます。
 まず1点目ですが,次回は,8月1日水曜日10時からを予定してございます。本日のヒアリングを踏まえまして,部会として29年度評価の取りまとめを予定してございます。詳細につきましては,後日,事務局よりまた御連絡をさせていただきたいと思ってございます。
 2点目は,資料送付に関してです。本日お配りした資料に関しまして,郵送を御希望の先生方におかれましては,封筒にお名前をお書きいただきまして,その上に資料を置いていただけますようお願いいたします。
 以上です。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
 それでは,これで第8回の量子科学技術研究開発機構部会を閉会いたします。大変遅くまで,どうもありがとうございました。委員の皆様,QSTの皆様,どうもありがとうございました。

お問合せ先

科学技術・学術政策局 研究開発基盤課 量子研究推進室

(科学技術・学術政策局 研究開発基盤課 量子研究推進室)