国立研究開発法人審議会 量子科学技術研究開発機構部会(第4回) 議事録

1.日時

平成29年6月23日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 15階 科学技術・学術政策局 局1会議室

3.議題

  1. 部会長及び部会長代理の選出について(非公開)
  2. 部会の運営について
  3. 国立研究開発法人審議会について
  4. 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の概要等について
  5. 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の業務の実績に関する評価の進め方について
  6. その他

4.出席者

委員

栗原委員(部会長)、山田委員(部会長代理)、金子委員、神納委員、小板橋委員、櫻井委員、沈委員、本間委員、松前委員、山崎委員

文部科学省

上田量子研究推進室長、橋本量子研究推進室室長補佐、

オブザーバー

 中村雅人 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 理事

5.議事録

【橋本室長補佐】  それでは、時間になりましたので、始めたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 第4回量子科学技術研究開発機構部会を開催したいと思います。
 事務局の量子研究推進室で室長補佐をしております橋本です。本日は、お越しいただきありがとうございました。
 本日は、第2期最初の開催でございますので、部会長をお選びいただくまでの間は、事務局の方で進行させていただきます。
 本日の配付資料につきましては、一覧のとおり配付しておりますので、不備がありましたら事務局までお知らせください。また、お配りしている資料につきましては、机上に配付している端末によって閲覧いただくことも可能な形としております。操作方法につきまして、御不明な点がございましたら、事務局までお知らせください。
(議題1「部会長及び部会長代理の選出」について(非公開))
(議題1終了、傍聴者入室)
【橋本室長補佐】  それでは、議事を進行したいと思います。先ほど栗原委員が部会長に、山田委員が部会長代理に選出されました。栗原部会長及び山田部会長代理におかれましては、一言御挨拶いただけますでしょうか。
【栗原部会長】  それでは、栗原の方からまず一言申し上げます。この国立研究開発法人制度とも、できてまだ短く、上の国立研究開発法人審議会も第2期が始まったところですし、この量子科学技術研究開発機構も発足されて新しいということで、そういう意味ではすごく先が楽しみな部会だと思いますので、それぞれ新しい制度あるいは機構の活動がよりいい形で進むように、評価を実施するこの部会としても少しでもお役に立てばと思いますので、皆様委員の方々におかれては、それぞれの御知見を生かしたいろいろな御意見、是非活発に出していただきますようにお願いいたします。
 非常に幅広い分野があるということで、うまくまとめられるかどうかということは課題だと思うのですが、これからいろいろな意味で活発な議論をしていただき、普通の運営ではなくてよりいい運営というのが求められていると思いますので、そういう意味で、評価も、アクティブな評価や前に向かっての評価も大事だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【山田部会長代理】  部会長代理に御指名いただきました山田でございます。栗原部会長を支えて、十二分にお手伝いさせていただければと思っております。
 量子科学技術研究開発機構は、昨年度発足したばかりということで、これからいろいろ新しい何かこの意気揚々としたこともある反面、いわゆるインターフェースであるとか、トランザクション、要するに手続とかでいろいろ難しいこともあるかと思いますが、そのあたりをうまくマネージされているかどうかということが、1つの観点だと思います。
 それと、各分野からお持ちのいろいろな評価では、自慢話を我々聞くことになるわけですが、是非そのステークホルダー側から見て、コンピテンシーがいかなものであるかということを、是非外側からの社会からの目で我々は議論したいと考えております。
 よろしくお願いいたします。
【橋本室長補佐】  ありがとうございました。
 それでは、以降の議事につきましては、栗原部会長からお願いできますでしょうか。
【栗原部会長】  それでは、早速ですが議題2に入ります。「部会の運営について」、まず事務局から説明お願いいたします。
【橋本室長補佐】  はい。私の方から、資料2-1から2-3までまとめて説明させていただきたいと思います。
 今回、期が変わったことと、それからこの部会メンバーも一新されたということがありますので、運営規則ですとか、この部会運営するに当たって必要なことを、最初に確認しておきたいと思います。
 まず、最初の運営規則について、資料2-1をごらんください。簡単に御説明いたしますと、第1条につきましては、この部会の運営手続については、先ほどあった資料1-3にあるもののほか、この資料2-1で定めるところによるものとするということが定められております。
 第2条におきましては、書面による審議、具体的には、例えばメールなどを使った審議を行うことができるということの旨が記載されております。
 それから、第3条においては、委員・臨時委員に量研の役職員、あるいは利害関係者がいた場合には、その方には議決権がないということを規定しております。なお、現状で、委員の皆様につきましては、利害関係者などに該当する方がいらっしゃらないということを、事前に確認させていただいております。
 第4条においては、。量子科学技術研究開発機構の一部の業務につきましては、文部科学省と原子力規制委員会の共管ということになっておりますので、必要がある場合には、原子力規制委員会の方から、推薦される有識者に出席いただくということも可能であるということを規定しております。
 次の第5条においては、会議は公開を原則としておりますが、人事に関する案件や評価に関する案件などについて、必要に応じて非公開とできるという旨が記載されております。
 第6条においては、規則にない事項で手続などを定める場合、必要がある場合には、部会として定めることができるという旨、規定されているものでございます。
 次に資料2-2。議決権の特例等についてでございます。先ほど、運営規則にあった利害関係者の方が、具体的にどのような方かということを第1条に記載しております。
 それから、第2条には、定足数の計算につきまして、議決権を有しない委員・臨時委員がいる場合には、その人数に含めないということが規定されています。
 それから、資料2-3は、量研機構部会の公開に関する規則を定めるものでございます。基本的に先ほどの運営規則において、会議の公開の詳細については、別に定めるというようにしておりまして、その詳細を定めるものとなってございます。会議の傍聴登録ですとか、資料及び議事録の公表など、一般的な事項が規定されているものでございます。
 これらの内容につきましては、親会である研究開発法人審議会、それから、ほかの部会につきましても同様のものとなってございます。
 事務局からの説明、以上でございます。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
 何か御質問等ございますか。
 御質問等なければ、これは従来のこの部会の運営の規則とも整合するものだというふうにうかがっていますので、案のとおり決定することとしてよろしいでしょうか。
 それでは、異議なしというように思いますので、こちらの規則等について、案のとおり、決定させていただきます。よろしくお願いします。
 次に、議題3「国立研究開発法人審議会について」です。今回から初めてこの審議会に携わられる方も多いため、審議会の役割等について、事務局から引き続き説明お願いいたします。
【橋本室長補佐】  はい。資料3に基づきましては、国立研究開発法人審議会の制度につきまして、御説明させていただきます。
 1枚おめくりいただくと、国立研究開発法人というものは、どういう制度かというものを、まとめたものでございます。真ん中のところに図がございますが、左側に国があって、企画立案部門、実施部門とあって、その右のところに3つの箱がございます。一番上に「国みずから主体となって直接実施しなければならないもの」、その下に「民間の主体に委ねた場合、必ずしも実施されないおそれがあって、実施されないときには、国民生活及び社会経済安定などに支障を生じるもの」、一番下に「委ねることが可能なもの」とございますが、一番上は国が行い、一番下のところは民間が実施するというもので、その真ん中の部分については、現在88法人が存在する独立行政法人が行うことになっております。
 この独立行政法人というものがさらに3つの類型に分かれておりまして、この下の枠に記載されているように、中期目標管理法人、国立研究開発法人、行政執行法人と3つのタイプに分かれておりますが、今回この部会で評価いただくのは、この国立研究開発法人の1つである量子科学技術研究開発機構ということでございます。
 この国立研究開発法人というのは、研究開発に係る事務・事業を主要業務としまして、研究開発成果の最大化を目的とする法人を指しております。文部科学省が所管する法人においては8法人がこの国立研究開発法人に該当しておりまして、全府省で28の国立研究開発法人が存在するという状況にございます。
 こちらの国立研究開発法人審議会ですが、一番上のところにございますように、独立行政法人のルールを定める独法通則法というのがございまして、そちらに基づきまして、文科省に国立研究開発法人審議会を設置しております。この国立研究開発法人審議会というものの下に、文科省が所管する8つの国立研究開発法人それぞれにつきまして審議する部会を設置しているということで、こちらの部会がこの2番目のところに関わっているところでございます。
 この国立研究開発法人審議会というものは、何をやることになっているかでございますが、中長期目標の策定、それから業務実績の評価、組織業務全般の見直しに当たりまして、主務大臣に助言するということが求められているものでございます。
 具体的に目標・評価の設定のサイクルをどのようにしているかということが、下の段にまとめられております。基本的には、中長期目標というものを主務大臣、文科省ですと文部科学大臣が、法人に対して指示をするということで、7年間の中長期目標というものを指示します。その中長期目標に従いまして、法人の方で中長期計画というものを策定します。これは、中長期目標の期間に合った計画を定めていただきます。
 さらにそれをブレイクダウンした年度計画を法人の方で作成することとなっておりまして、今回、この年度計画に基づきまして、年度評価を行うということが、今回こちらの部会でお願いしたいことでございます。
 今回の評価の進め方をまとめたものがこちらですが、今月末に法人の方から自己評価書を提出していただくことになっております。この自己評価書が法人から届きましたら、各委員に事前にお送りいたします。その後、7月7日に第5回の量研機構部会を開催し、法人から自己評価に係るヒアリングを行いたいと思います。
 第5回部会で頂いた意見を集約いたしまして、第6回を7月21日に開催させていただきまして、ここで、評価案に係る意見を取りまとめていただければと思ってございます。
 国立研究開発法人審議会の方には、8月の初めに部会長から、部会での議論を説明いただきまして、審議会としての意見を決定するということを予定しております。最終的には、この国立研究開発法人審議会の意見を踏まえまして、文部科学大臣、量研機構の場合は、原子力規制委員会もございますので、文部科学大臣及び原子力規制委員会による決定をするという流れでございます。
 続きまして、評価に関する基準についてでございます。こちらは、研究開発に関する評価の基準をまとめたものでございまして、この下の表にございますように、S、A、B、C、Dという評定をしていただくことになるんですが、基本的な考え方としては、Bが標準でございまして、このBよりも顕著な成果が出ているというふうに考えられるものはAと。さらに、特に顕著な成果の創出、将来的な特別な成果の創出の期待などが認められると、Sにしていただくというふうにしておりまして、そこの下のところに、じゃあどういうものかということを記載しております。
 例えば、一番最初のところでは「世界で初めての成果や、従来の概念を覆す成果などによる当該分野でのブレイクスルー」ですとか、「世界最高の水準の達成」ということが書いております。
 それから、2つ目のところでは「産業・経済活動の活性化に貢献するようなもの」が評価軸ということであれば、「当該分野での世界初の成果の実用化への道筋の明確化」といったようなぐあいです。こういった特に顕著な成果があるというように評価できるものについては、Sと付けていただいて、そこまで至らなければAで、Bが標準で、一層の工夫や改善などが必要だと考えられるならC、抜本的な見直しを求められる必要があるというよふうに判断したものについてはD、といったぐあいになってございます。
 具体的に、平成27年度の評価のときにはどういうものをSにして、どういうものをAにして、どういうものをBにしていたのかということを、こちらは文部科学省が所管している別の国立研究開発法人でございます物質材料研究機構の例でございます。例えばSのところにございますのは、一番上のところにもありましたように「世界初、世界最高水準の特に顕著な成果が数多く得られている」ということが書いてあって、その主な研究成果のところで、具体的に例えば(1)のところですが、「高温超伝導体を用いた固体NMRシステムについて、世界最高磁場を達成」や、2のところにございますが「従来から飛躍的(100倍以上)の輝度を安定して実現」、あとは実用化につながるといった観点だと、この(3)のところで、「工業用濾過フィルターへの運用につながることが期待される」と、こういった研究成果が得られているということをもって、特に顕著な成果が多く得られているということでSという評価をしているということでございます。
 それに対してAのところですが、上のS評価が得られたものに比べると、世界初や世界最高水準では必ずしもないような形になっておりまして、「顕著な成果」を出したものだということで、Aという評価にしているとなります。
 一番下のBのところですが、これについては特に顕著な成果というものが見られるものではなく、着実に取り組んでいるということで、いわゆる標準だということでBという評価をしているといったぐあいになってございます。
 その次のページですが、研究開発以外の事務及び事業についての評定基準というのがございまして、必ずしも研究開発の部分だけではなくて、研究開発以外の部分についても評価を頂くことになってございますが、その場合の評定の考え方というのが、同じようなS、A、B、Cを付ける形になりますが、研究開発とは基準の定め方が異なっております。
 こちらの場合でも、Bが標準でございまして、そのBに対してAは初期の目標を上回る成果を得られていると認められるかどうかと記載されています。SとAの違いについては、よく議論になりますが、Sのところは「量的にも質的にも上回る顕著な成果」に記載されておりまして、例えば、定量的な指標がある場合だと、A及びSともに120%以上の成果が得られている場合と記載されていますが、定量的な量だけではなくて、質も含めて顕著な成果が得られていると言えるものがSである、という基準になってございます。
 以上、資料3の説明でございます。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について、御質問等ありましたら、お願いいたします。
【山田部会長代理】  よろしいでしょうか。
【栗原部会長】  はい、どうぞ。
【山田部会長代理】  質問ではなくて、この件に関わって、先般6月1日にこの親委員会の国立研究開発法人審議会があって、そのときに御担当の中川審議官がおっしゃったことを、ここでお伝えしておく方がいいと思うんです。評価に関わることなので。
 ファクトとして、研究開発法人の評価ではAが多いというのが事実となっておりまして、それが、例えば文科省内とか、あるいは総務省でまたその評価を再評価されるわけですが、そこの段階において「いかがなものですか」というようなことが出てくると聞いています。
 それで、そのためには、Aである、Sであることを、本当にファクトをもって、具体的に、外から見ても「なるほど、これは顕著な成果だね」という説明をする責任が私たちにはあるということですので、そういう形の評価を進めていかなければいけないというメッセージがありましたので、お伝えしておきます。
【橋本室長補佐】  ありがとうございます。
【栗原部会長】  私は、それにその場でコメントしたのですが、やはり研究は、どちらかというと、世界初とかそういうような意味で具体的な評価がしやすいので、どうしても研究開発法人でAやSが多くなっても、それは妥当なのではないかと。むしろそれ以外のところでBばかりというのは、むしろ問題ではないかと。ほかの部分に対しても、活動を活発にしていただいて、Bフラットではない活動もしていただくことも大事ではないかと、私はコメントいたしました。
 私も申し上げようと思ったのですが、これですぐに何か評価が変わるというものではないと思うのですが、例えば研究以外のところでAやSが付いている例ですが、物材機構で、マテリアルズの、本当に物理現象とか、材料の性質を一目で分かるようなビデオを作られて、YouTubeで非常にアクセス数が多くて、JAXAに続くアクセス数だそうで、マテリアルズ、なかなか材料地味なんですが、そういう活動をしておられるとか、そういうのが、やはり評価高くなっています。
 全部がそういう活動にするのは大変なんでしょうが、何かそれぞれの組織で、そういうことを考えてもいいのではないかと思っているところもあって、その場ではそのように意見させていただきました。
 私たちだけが一生懸命しゃべるのも何なんですが、このことに関しては、法人の方から資料を出していただけないと、外部が納得できる評価というのは、大変この部会としても難しいと思いますので、そういう状況だということをよく踏まえて、研究の状況・進度については、丁寧に御報告いただければ幸いです。
 ただ、研究である以上は、多分全部世界初なので、世界初の基準も大変大事だと思いますので、逆にやたらにAやSを付けると、どうしてこんな評価しているんだと、この部会自体も言われるので、そこの部分を踏まえて、客観的によろしくお願いいたします。とお願いしようと思っていたところでした。
【松前委員】  部会長、よろしいでしょうか。
【栗原部会長】  はい。
【松前委員】  今、部会長のお話を聞いて、分かったなと思ったんですが、研究開発以外の評価のSとかAとかっていうのが、どういうものがあるのかなというのが、今疑問に思っておりまして、今開発について、いろいろYouTubeで流すとかいうのは、それは研究を補助するためにやっている事務とか事業ということで、それをSとして評価されているということで。
【栗原部会長】  はい。という例があったと。
【松前委員】  そういうことですね。あと、会計とか予算とかあるかと思うんですが、そういったものでも、Sとかの事例とかがあれば、また教えていただきたいと思います。
【橋本室長補佐】  事例、調べてみます。
【栗原部会長】  できれば、文科省から、研究開発以外のところでもそういう高評価の例があったときに、法人間の横展開も少しやっていただけると、評価をしている人たちにとっては、やりがいがあるんじゃないかと思います。
【橋本室長補佐】  なるほど。分かりました。ありがとうございます。
【栗原部会長】  それは、上の国立研究開発法人審議会で言ったらいいことですね。
【山田部会長代理】  はい。
【栗原部会長】  今のような御意見が出てくるといいですね。
 ほかに何か御質問とか御意見とか、おありでしょうか。
【小板橋委員】  放医研も評価の対象になるのかなと思ったので、ちょっと一言。医療であると、世界初であることは余り重要ではなくて、みんなが標準的に治療を受けられるかっていう、均てん化ですとか、そこもとても大事になるので、やっぱり研究は、世界初はとても重要なの分かるんですが、医療の面での見方というのも大事なのではないかなと思いました。
【栗原部会長】  そういう例では、前、保険の対象になったというのが、評価させていただいたことがあります。
 ほかに何かおありですか。
【神納委員】  済みません。1つ、よろしいですか。
 研究の世界ですと、インパクトが大きいという意味で、世界初とかそういうふうにどんどん先の方に行くんですが、ある分野が、ごっそり日本の、例えば量子計測の部分でもごっそり抜けているところもあるわけですよね。そういうところをリカバーできたというのは、余り成果にならないんですか。
 例えば、量子計測の面でいくと、時計は物すごく光格子時計で進んでいますが、それ以外のものはごっそり抜けている部分があって、そういうものがリカバーできたというのも、重要ではないかなと思っておりますので、そういうところも考慮いただけるとどうかなと思います。
【栗原部会長】  今回、多分後で出てくると思うんですが、それぞれのいろいろな法人の活動について、いろいろ意見をまとめているような場もあるので、そういうところでは、少し大所からの御意見も頂けるといいのではないかと思います。
【橋本室長補佐】  先ほどの神納先生から頂いた御意見なんですが、先ほど私から説明させていただいた資料の4ページ目の下のところに、類することが書いてありまして「我が国において政策的に重要であるが、人材不足となっている分野に対し、多数の優れた研究者や技術者の育成、活躍促進に係る取組の実施など」とこういうのもSの対象としてあるので、これは、かなり類するものなのかなと思われます。
【神納委員】  了解いたしました。
【栗原部会長】  ありがとうございます。
【金子委員】  よろしいでしょうか。
【栗原部会長】  はい。
【金子委員】  それぞれ御専門がおありで、私なんかだと、やっぱり偏ったところしか分からないという意味では、出していただく資料に、よそと比べてどうなのかというところを明確にしていただけると、その研究のすばらしさとか、そういうことが明確になるかと思いますし、専門じゃない、それこそ国民の方たちにとっても、分かるレベルのすごさというのを示していただけると、大変評価する側としてはありがたいなというふうに思っておりますので、以前原研の評価委員をさせていただいたときに、こんなことをやりましたというふうに出されていたんですが、それがすごいのかどうなのかというところが、やはり比較がないと分からないというケースもございましたので、そのあたりのところを、是非説明を頂けるようお願いいたします。
【栗原部会長】  ありがとうございます。大変貴重な御意見だと思います。
 ほかに、どうぞ。
【櫻井委員】  中長期計画や年度計画が、適切に設定されているかどうかというところは、この審議会では評価対象ではないんですか。
【橋本室長補佐】  評価のサイクルとしては、今回もう既に中長期目標が定められていて、もうスタートしていて、2年目に入っているので、1年目に評価を頂くという形にはなっています。長い目で見ると、7年目に次期中長期目標を策定するに当たっての、見直し評価というのを実施します。この場面で、この部会で議論したこ内容が反映されて、次の中長期目標を作っていくといったことになりますので、そういった部分で関わってくるかなと思います。
 ただ、既に定められている中長期目標や中長期計画そのものを、この部会で今すぐ評価するということは、必要があればあり得るのかなとは思いますが、今の段階では、特に想定はしないということです。
【栗原部会長】  年度計画については、全然ここでは意見をしないんですか。
【橋本室長補佐】  年度計画は、扱いとしては、法人の方で作成したものを、主務大臣に届出するという形になっています。それに対して中長期計画については、主務大臣は認可するという形になっていますが、基本的な全体の仕組みとしては、部会で議論した内容が、中長期目標を策定するとき反映されるということになっているので、その中長期目標の基に作られる中長期計画、年度計画については、部会で議論して決めていく形にはなっていないということです。
【栗原部会長】   ほかには、何かございますか。
【本間委員】  ちょっと印象ですが、やはりこういう時系列の目標設定というのがあって、それに基づいてSあるいはA、世界で初めてとか、目で見える成果を評価することはもちろん非常に大切な項目ではあるんですが、中長期目標に向かって、今現在は仮に足踏み状態のように見えるが、やはりここに的確な方向性を持って今進めているところも光を当てて評価するというのは、やはり実際に法人の中で働く研究者の評価、あるいはそういう方たちを鼓舞するという意味でも、とても大事なことではないかと思うので、そういう評価もできるといいなというふうに思っております。
【栗原部会長】  ありがとうございます。
 ほかに、何か御意見ありますか。
 では、ほかにないようでしたら、次の議題に移ります。次は、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構についてです。量研機構の中村理事より御説明いただけるということで、よろしくお願いいたします。
【中村理事】  はい。ありがとうございます。量子科学技術研究開発機構の理事をしております中村でございます。本日は、まず法人の概要と、それからもう一つ。今回我々どういうふうに自己評価をしているかという評価の状況について、お時間を30分ほど頂けると聞いておりますので、お手元の資料に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 この資料、1ページ開いていただきますと、目次にありますが、後ほど御説明しますとおり私どもQSTは昨年度4月にできたばかりですので、過去の法人がどんなことをやってきていて、それをどう引き継いできたのかということも法人の活動の1つとして御紹介させていただきたいと思います。
 さらに、新たな法人として発足しましたが、我々新たなものとして、何を作ろうとしているのか。まだ1年目ですので、成果が出ていないところもたくさんあります。ただ、その中でもこういうことまではできました、あるいは、こういうことはこれから出てきそうですということを、御紹介をさせていただきたいと思っております。
 さらにもう1ページ開いていただきまして、3ページ目でございます。QSTと私ども自らを呼んでおります。非常に長いものですから、略称では量子科学技術研究開発機構の一部分をとりまして、理事長の弁で言いますと、「理研」を目標に「量研」というふうに二文字で呼ぶことにしています。最初は「量研機構」と呼んでいたんですが、それでも長いということで、今は「量研」と呼んでおります。
 英語の頭文字では、QSTということで、英語自身は表紙のところにありますようにNational Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology でございますが、このQuantumとScience and Technologyを取って、QSTと呼んでおりますので、これからは名前を紹介するときには、「量研」あるいは「QST」と呼ばせていただきたいと思います。
 この量研でございますが、放射線医学総合研究所という研究所に、日本原子力研究開発機構の2つの部門、量子ビーム科学研究部門と核融合エネルギー研究開発部門と、この部門が平成27年7月1日の法律改正に伴いまして、統合されてできた法人でございます。平成28年4月1日に発足ということでございまして、まさに今回御評価いただくのが、法人としての1年目の評価でございます。昨年の評価は、その前年度でしたので、放医研の評価、あるいは日本原子力研究開発機構の評価として行っており、量研としては今回が初めての評価ということになります。
 私どものこの法人でございますが、発足をしまして、日本地図にありますように、緑のところにある放射線医学総合研究所、これを放射線医学研究開発部門と呼んでおります。この部門と、それから青の部門、量子ビーム科学研究部門、それからオレンジの部分、核融合エネルギー研究開発部門。この3つの部門を従える機構として発足をしてございます。
 それぞれ、研究所を持ってございまして、放射線医学研究開発部門は、千葉にありまして、研究所は1か所でございます。量子ビームの研究開発部門につきましては、研究所が2か所ございます。高崎にあるのが、高崎量子応用研究所。それから、関西と書いていますが、住所で言うと京都府でございまして、京都と奈良の県境にございます。そこに関西光科学研究所がございます。関西光科学研究所の場所は木津川市なんですが、そことは別に播磨にも事業所を持っている状況でございます。
 それから、核融合の研究開発部門でございますが、この部門は大きな研究所は2か所ありまして、茨城県の那珂核融合研究所、それから青森県の六ケ所村にあります六ケ所核融合研究所でございます。今までは全くそれぞれ独立して研究しておったわけですが、新しい機構となりまして、この全部で5か所の研究所が、それぞれの成果を上げるとともに、これからは融合したことによって、新たな研究を生み出そうと今努めているところでございます。
 その分野としましては、緑のところは、医学・生命科学、それから青のところは、材料科学、それからオレンジのところはエネルギーということが、これまで中心でありました。その基礎となるのは、様々な量子ビームを持っていることでございまして、これを使って成果を出してきているわけでございます。
 そこに例が幾つかありますが、私ども持っているものとしまして、左側のところにあります重イオン加速器HIMACと書いておりますが、ここは炭素線を出しまして、これでがんの治療を実際に行っているものでございます。あるいは、右側の方に行きますと、イオン照射研究施設TIARAとありますが、様々な核種をビームとして出しまして、材料の開発等に使っているものがございます。このような様々な量子ビームを出す装置、これが私どもの共通の財産というふうに考えてございます。
 この財産をどういう分野に使っていこうかということですが、このページにありますように、広い意味では、量子ビームを使うということで、量子科学技術と呼べる分野なのではないかなと考えておりまして、それがエネルギーの分野にも使えるであろう、あるいは、最先端の放射線医療・診断にも使えるであろう、それから、新産業の創出、イノベーションにも使えるであろう、とこういう間口の広いところにトライをするつもりで研究開発を進めている法人でございます。
 ただ、量子科学というと、まず出てくるのが、例えば量子暗号とか時計とかいうような話であると先ほどおっしゃられましたが、私どもそこについては、まだ研究の基盤があるわけではございません。今、中長期目標、中長期計画では、この分野をまずしっかりやっていこうというところから始めておりまして、その基礎となるのが量子ビームであろうということでございます。
 具体的な組織構成でございます。本部が千葉にありまして、灰色の部分でございますが、理事長が1名、理事が3名、監事は非常勤が1名に常勤が1名で、役員全部で6名。本部機構に124名。それから放射線医学研究開発部門、青でございますが、こういう構成になってございます。この中の四角に病院と書いてございます。放医研は病院機能を持ってございます。具体的にはベッドを100持っております。100床というふうに呼んでおりますが、100のベッドを持っておりまして、実際に治療も行っております。それから、放射線に関する基礎的な事項。例えばDNAの損傷メカニズムですとか、そういうものも研究しております。量子ビーム科学研究部門。ここは288名でございます。核融合の研究開発部門、365名ということで、全体で常勤の職員は1,200名と、こういうような規模の研究機構でございます。
 それから、予算についても概略を御説明申し上げますと、運営費交付金につきましては、平成28年度は247億円でございます。それから、施設整備費補助金というものがありまして、国庫ベースの一般会計の部分が249億円あります。これ以外に国から補助金を頂いてございます。補助金3つ書いてございますが、これは全て核融合関係の補助金でございます。これが平成28年度ですと290億円ということでございまして、平成28年度は全体では539億円でございます。予算につきましては、また後ほど少し御説明申し上げたいと思います。
 このようなQSTでございますが、法律上の業務としましては、ここに書かれておりますようなことが、その業務の範囲として定められてございます。1つ目が量子科学技術に関する基礎研究。量子に関する基盤的研究開発。2番目が放射線の人体への影響。放射線による人体の障害の予防、診断、治療。それから放射線の医学的利用に関する研究開発。3つ目に成果の普及活用。それから施設の共用。それから研究者・技術者の養成、資質の向上というものでございます。
 この法律の業務範囲を踏まえまして、年度計画を定め、その年度計画の中で、今回評価をしていただくにあたりましては、評価の単位というものを定めて、私ども、自分たちで自己評価をしたところでございます。
 これにつきましては、お手元の資料の5-4に、既に私どもが定めていただいている評価軸というものが書かれてございます。これとともにごらんいただけると分かりやすいと思ってございます。まず一番最初に「萌芽・創成的開発領域」というのがございまして、この部分について、しっかりやられているのか。それについて、評価軸、それから評価指標、モニタリング指標はこういうものですと与えられてございます。
 それから、その次の2番目には「革新的医学利用等のための研究開発領域」というのがありまして、この部分についてをどんなふうな評価軸で評価するのか。評価指標は何かと、こういうふうに既に頂いてございます。
 次のページ以降、書いてありますとおり、3つ目が「放射線影響・被ばく医療研究」。4つ目が「量子ビームの応用に関する研究」。それから5つ目が「核融合」。その後に幾つかあるものをまとめて、評価単位としてございます。まずは、「国際協力」、「産学連携」。それから「公的研究機関として担うべき機能」。これは、少し分かりにくいので、右側の方をごらんいただいた方が分かりやすいかと思いますが「高度被ばく医療支援のためのセンターとして、公共からの期待に応えるような役割を担ってください」ということや、それから「福島復興再生への貢献」、こういうものが、この公的研究機関として担うべき機能に含まれてございます。それから「人材育成」、それから「施設の共用」というものを、この6つ目の枠に収めてございます。
 最後に7番と書いておりますのは、どこの研究機関も同じですが、「法人共通」としまして、業務の運営の効率化ですとか、予算、収支計画、このようなものが定められておりまして、これを7番目の評価単位としております。
 次回には、具体的に私どもがどういうふうに自己評価をしたのかという結果をお示しさせていただきますが、その内容は、この7つに分けて御説明することになってございます。
 次のページでございます。まず、それぞれの研究部門では、私どもどんな研究をしているのかを、簡単に御紹介したいと思います。先ほど申し上げましたように、ここで御紹介するのは、昨年度の御紹介というよりは、QSTの御紹介をさせていただきますが、少し過去のものも含めて御紹介させていただきたいと思います。
 まず、放射線医学研究開発部門でございますが、重粒子線を用いたがんの治療の研究をしてございます。ここのグラように書いてありますように、毎年着実に診療の実績を上げてきてございまして、これまでに患者としましては、1万人の治療をしてきている状況でございます。まずは臨床試験として行っている部分がありまして、それから先進医療として認められたものについては、先進医療として診断をするということでございます。
 いずれもこの重粒子線、具体的には炭素線でございますが、これを用いてがんの治療を行えるかどうか、その実績がいいかどうかを研究成果として出し、さらにそれが先進医療として認められ、その中で、昨年のトピックの1つとしましては、骨軟部腫瘍と言われるがんがありますが、このがんについては、保険収載が昨年認められたところでございます。これについては、昨年度の実績として、また後ほど詳しく御説明させていただきたいと思います。
 それから、写真ではガントリーというきれいな写真が入っておりますが、治療施設について、お医者さんからは「患部に適切に放射線を当てたい。そのためには、患者さんの位置を動かせるようなベッドを作るべきじゃないか」ということで、ほかの治療方法ではそういうものはありまして、非常にお医者さんの評判がいいということでした。重粒子線についても、同様のものを導入しましょうということで、今回私どもは超伝導の技術を用いた回転ガントリーを作ってきたわけですが、ちょうど昨年出来上がったところでして、もしも放医研に来ていただく機会があれば、是非ともこれは最新のものとして、見ていただきたいなと思っているところでございます。
 それから、その左の下のところに、光・量子イメージング技術を用いた疾患診断研究とございますが、ここでは特に、PETという画像診断装置がありますが、これを用いて、これは放射性薬剤を体に入れまして、その薬剤からの放射線を外から撮ることによって画像化し、これを診断に役立てるというものでございますが、新たな装置そのものの開発や、新たな機能を検出できるような薬剤を見つける。これによって、例えば、タウたんぱくと言われるような脳の神経細胞の壊死を引き起こすようなたんぱく質があるんですが、これがたまってくると、もしかしたら鬱病ですとか、あるいはアルツハイマー病ですとか、そういうのにつながるというようなたんぱく質を特定し、そのたまっているぐあいをちゃんと画像にして見ることができるような研究をしてございます。
 さらに右側の方では、放射線を当ててがんを治療するためには、外から放射線を当てるわけですが、薬剤に放射線を組み込んで、それを体に打ち込むことによって、がんに直接薬を届ける。RIを届けるというような治療法も研究をしている。こういうような研究所でございます。
 それから、その次のページでございます。放射線影響・被ばく医療研究の分野でございます。こちらは、放射線がどんなふうに人体に影響を与えるのか。特に環境の放射線が、低線量のものがどんな影響を与えるのか。こういうことも含めて、基礎的な研究をしているところでございます。ただ、この下の被ばく医療研究というのは、最近少し話題になったところだと理解をしておりまして、先日、報道されました日本原子力研究開発機構で、プルトニウムを吸入するような事故があったというときに、どれだけ放射能を体の中に入れてしまったのか、あるいは、入れたものをどうやったら早く排出することによって、内部被ばくを減らすことができるのか、こういうことを私どもで研究しておりますので、被ばくした方を今回5人受け入れて、入院をしていただき、プルトニウムを体外に排出するための治療をさせていただいております。
 それから、評価単位のその次にありますのが、量子ビームでございます。量子ビームにつきましては、先ほど研究所が2つあると申し上げました。この2つ、それぞれ特徴ある研究をしておりますので、それぞれ分けて御紹介をしております。
 まず、高崎でございますが、ここは様々なイオンのビーム。それぞれガンマ線、中性子線、このようなものを当てて材料開発をする。あるいは、生物に当てる場合には、生物系の材料を開発する。あるいは、育種をするというような研究をしてございます。ここで御紹介をしておりますのは、セシウムを捕集するような材料を作り上げたというもので、これを製品としては、蛇口に付けて、水道水の中にあるセシウムを捕るカートリッジに組み上げて製品化できましたので、これを御紹介しておりますが、このような材料研究をしているということ。
 それから、その下のところでは、物質の改変をいたしまして、企業とともに材料開発をしている例を挙げてございます。ここではダイハツさんと共同で研究しております白金フリーの膜。電解質膜の研究をしているものを御紹介をしております。ここには御紹介をしておりませんが、さらにナノ粒子でNVセンターと呼んでおりますが、非常に量子効果を用いて、計測に使えるものができないかという研究をしております。この辺についてもまた、詳しい説明の際には、最新のデータとして御紹介させていただきたいと思います。
 それから、その次のページは、関西光科学研究所でございます。こちらの方につきましては、レーザーを使っての研究ですとか、それからSPring-8という理研が持っております播磨の大きな放射光施設がありますが、そこに専用のビームラインと私ども独自の装置を持っておりまして、ここで研究をしてございます。レーザーにつきましては、ここでお示ししてありますのは、内閣府の戦略的イノベーション創出プログラム、SIPで実施をしているものでございまして、これは何かと言いますと、レーザーでトンネルの中を検査するものでございます。今までは、打検と言いますが、実際にたたいてみて、その音で測るという方法があったわけですが、レーザーを打って、レーザーの振動で測るということで、今までは研究室の中でそれができるということをやっておりましたが、昨年は屋外に出て実証をしてございます。さらにちょうど今日ですが、模擬トンネルを使って実証をするということもやっておりまして、研究が着実に進んでいる状況でございます。
 それから右側の方も、量子ビーム、SPring-8の装置を使いまして、その場観察によって、実際にどんなふうに原子が積層していっているのかというのを、検出するようなことをしてございます。
 それから、その次の核融合についてでございます。核融合につきましては、左側の上にありますように、日本とEUとロシアとアメリカと中国と韓国とインド、この7つが共同で、フランスで大きな装置ITERと呼ばれる核融合の装置を共同で作っている大きなプロジェクトがございまして、これの日本側の主たる研究機関として活動をしてございます。
 核融合そのものにつきましては、真ん中のところにありますように、大きなエネルギーを、それも安全に生み出すことができるという特徴があり、このために国際協力が1980年代から始まっているものでございます。小さな装置からだんだん大きくなっていって、今はITERという大きな装置を建設している最中でございます。
 ただ、このITERという装置だけではなくて、下の方にありますように、プラズマの特徴を調べるためには、大きな装置だけではなくて、もっと機動的に動ける装置が必要ということで、日本にありますJT-60という装置の改修を今しておりまして、それによる研究も進めようとしております。右側にあります横に長いところは、これは中性子源の大容量の加速器でございます。これは125ミリアンペアを目指すということで、研究をしておりますが、ここに国旗が書いてありますように、それぞれの国で作った装置を、六ケ所村に持って来て組み立てているという状況でございます。
 ここでは、加速器の本体だけ書いておりますが、当然その裏側には電源系ですとか、冷却系ですとか、そういう補助設備も含めまして、各国が機械を持ち寄ってくる。それは、とりもなおさず、機械そのものがJISの規格だけではなくて、ヨーロッパの規格ですとか、そういうものがそのまま持ち込まれて、日欧共同して作るという作業でございます。なかなか難しい作業をやることによって、国際協力の1つの姿を表しているんではないかと思いますし、その結果が核融合というエネルギーに結び付いていくんだと考えてございます。このような研究をしているところでございます。
 ただ、ここまでは、まさにこれまでやってきたものを中心に御説明しましたが、ここからはQSTになって新たに始めたことを中心に御紹介したいと思います。放医研、量子ビーム、核融合。第一感、印象を持たれるのは、恐らく「全くばらばらなものだよね」ということではないかと思います。ただ、理事長が着任しまして、そのリーダーシップをもって、我々QSTの職員みんなが、1つに基本理念を共有し、さらにそれで行動をともにしていこうということで、まず基本理念や行動規範を定めました。
 さらに、その次のページにありますように、QSTの未来戦略というものを定めました。これは、職員のコメントも集めまして、みんなで作ったものでございます。この中では、新たな分野を打ち立てるんだと。「調和ある多様性の創造」というキーワードの下に、量子エネルギー理工学を打ち立てる。あるいは、量子材料・物質科学を打ち立てる。量子生命科学を打ち立てる。量子医療・医学を打ち立てるということで、我々が今持っている能力を使って、新たなものをみんなで組み上げようじゃないかということをうたい上げております。
 その方向として、まずは萌芽的研究。あるいは、未来ラボというように、足元を固める仕組みを作っていこうと。さらに3ポツでは、イノベーションハブとして、この足元を固めたものを、産学連携で外に打ち出していく仕組みを作ろうということを書いております。
 さらに4番では、放医研の病院でございますが、量子医学・医療の研究開発病院として位置付けて、新たな研究テーマに取り組もうというようなこと。このように、全体では10か条、ここに書いてあるとおりでございますが、研究開発の方向性。さらに7、8、9のあたりですとマネジメントの在り方として新たなものに取り組もうというもので、方向性を定めました。
 この図がそれを表しております。これが、その次のページにありますように、新たな研究開発を既に生み始めていることを、少し御紹介をしたいと思いますし、これが次回以降、昨年度の実績として御紹介する中で、特に訴えたいところの概要になっております。
 まず最初にあります、内用療法のところですが、先ほど放射性薬剤を体に届ける治療法と申しましたが、高崎ではRIを作る技術がありました。そこで、アスタチンという名前の物質なんですが、アルファ線を出すRIを作り出し、それと放医研の薬剤に組み込むという技術を一緒にしまして、下のところにありますように、アスタチンが入っておりますMABGという薬にして、これを、マウスに投与してみたところ、非常にいい成績が出ているという状況でございます。
 これにつきましては、私どものところは単科病院でして、このまま放医研で人にまで打つことも検討しましたが、結論としては外と協力して実施しようということで、福島県立医大の方へ技術移転をして、これからさらにこの研究を進めていこうと考えてございます。
 それから、その次に御紹介をしたいのは、脳機能の画像化の部分でございます。やはり画像化についても、私ども能力はあったわけですが、それだけではなくて、放医研の生体イメージング、PETの技術と関西研にありますレーザーの技術、これを組み合わせることによって、マルチフォトンレーザー顕微鏡というものがありますが、そこにPET機能を組み込むことによって、マルチフォトンレーザーPET顕微鏡という新しいものを生み出そうと、今プロジェクトを立ち上げたところでございます。
 それから、先ほど申し上げましたように、基礎的なところとして、理事長ファンドに基づきまして、萌芽的な研究、創成的な研究ということで、それぞれの部門にいる研究者の方々にお互いの研究紹介をさせ、共同研究、あるいは融合した研究をしてもらうということを始めております。さらにその中で将来のQSTを担っていくような研究については、バーチャルなラボを作る形で研究も始めました。さらにその中で有力なものについては、民間との協力も「QSTイノベーション・ハブ」という名前の下で、始めたところでございます。
 具体的には、萌芽、創成は、それぞれ、理事長裁量ファンドで20件、7件始めました。さらに未来ラボについても、7件の未来ラボを作り、さらに大学等との包括協定もここに書いてある大学と協定を結びました。その上に、イノベーション・ハブということで、現在3つのイノベーション・ハブを立ち上げております。1つが、先端高分子機能性材料ということで、高崎を中心に民間企業と一緒に新たな材料の開発を始めようとしております。それから、量子イメージング創薬ということで、トレーサーを新たに見つけようという分野。それから、次世代のMRI、それから、薬剤を開発しようという分野。ここも企業とともに作業を始めたところでございます。
 それから、量子メスプロジェクトということで、企業とともに次世代の放射線治療装置を開発しようというプロジェクトも立ち上げました。特に一番最後のものについては、現在放医研にある重粒子線治療装置、これをごらんいただきたいと思いますが、120メートル×65メートルで320億円掛けた大きなものでございます。日本で放医研が1機目でしたが、これはすばらしいということで、自らで導入をしてくれたところが、例えば佐賀県ですとか、兵庫ですとか、あるいは神奈川で既に作られて、現在既に5機運転をしております。
 ここは群馬大学の例を書いていますが、新しいものは大分小さくなりました。ただ、小さくなったんですが、まだ大きいということで、右側にありますように、さらなる小型化。それから今までは重粒子線を中心にやっておりましたが、ほかの核種を使うことによって、治療効果が上げられるんじゃないかということで、核種の多様化も目指して、研究開発プロジェクトを立ち上げようと、声を掛けたところ、ここの写真にございますように、三菱電機、日立製作所、東芝、住友重機械、このような会社が賛同してくれまして、共同研究の参画について、包括協定を結ぶことができました。これをこれからも進めていきたいというのが、御紹介のトピックになるかと思います。
 これ以外に、公的研究機関として担うべき機能というものがありまして、それぞれ実績の御紹介を今後していきたいと思ってございます。
 最後に、このようなことをやっている私どもが、自己評価をしたわけですが、その体制について、御紹介をしたいと思います。自己評価書につきましては、その次のページにありますように、このような体制を私ども作りました。一番下にありますのが、特に青い矢印の流れでございますが、ここは研究評価ということで、研究自身のよしあしを評価していただく、どちらかというと専門的なアカデミックな分野の評価でございます。
 ここでお願いする評価につきましては、研究の評価に併せてマネジメントの分野もありますので、それを合わせて全体の評価とした機関評価を、現在まとめているところでございます。この機関評価につきましては、自己評価委員会を作りまして、評価書を取りまとめている最中でございます。
 ただ、この自己評価委員会。最終的には自己評価ですので、理事長、あるいは理事といったQSTで評価をすればいいわけですが、外部の目が入った方がよりよい評価になるだろうということで、次のページにありますように、外部委員が11名、内部の理事と理事長で4名という、こういうメンバーで自己評価を行ったところでございます。
 この評価内容は今まだまとめているところでございまして、最終的には6月30日までに取りまとめて、国に報告するとともに、先生方にお示ししたいと考えてございます。
 概要だけ申し上げますと、ここにありますように、1から7つの項目に分けて、それぞれがどうであったかを評価いたしました。今まとめているもののアブストラクトにありますが、全体の総合評定はAと付けてございます。Aになった理由としては、それぞれの1から7つの項目について、個別に評価した結果、ここにありますようにSですとかAですとかありまして、結論といたしまして、総合的に勘案した結果、年度計画における当初の目標を上回る成果が得られているということで、評価をしたものでございます。
 この内容につきましては、次回以降個別に、先ほど御指摘ありましたように、なぜそういうふうに思ったのかということを、ファクトをもって御説明させていたければと思ってございます。
 最後は、参考資料でございます。評価単位ごとの主な指標を載せてございます。それぞれの予算がどういうものであったのか。それから研究者の数はどれぐらいなのか。論文はどんな状況なのか。知財はどんな状況なのかというのを数字で載せてございます。
 それから、その次が「研究にどれだけ予算を使ったのか、その効率性が大事じゃないか」ということを、私どもの内部評価のときにある委員から言われまして、最近追加で作ったものでございますが、この濃い色の部分は、いわゆる国費ベースでございます。それで薄い青の部分は、自己収入でございます。自己収入の中でもヨーロッパ割譲資金と書いておりますが、要は核融合のためにヨーロッパから手当てをしていただいている予算。それから、病院収入が大きな部分になっていますが、自己収入として病院の収入として挙げている部分。それとともに、大きな国費を頂いてございまして、これを使って、私ども、事業を行っているところでございます。
 それぞれの部門ごとに分けたものが次でございまして、先ほど御説明しました1ポツから7ポツの評価単位ごとに、萌芽創成にはどれぐらい。それから放医研の関係が2番と3番。それから量子ビーム分は4番。それから5番が核融合関係。あと6番、7番というふうな、こういうような執行の状況にあるということでございます。
 それから最後に本部の規模ということで、若干手前味噌なことを書かせていただいておりますが、もともと放医研と、それから原子力機構が統合をしたというものでございます。統合をしQSTになりまして、新規に本部という機能が追加になったという状況でございます。それぞれ何とか人のやりくりをして、以前よりは大分本部機能が小さい中で、これだけの活動をして1年目を過ごしたということで、数字を紹介させていただいてございます。
 済みません。以上、少し長くなりましたが、QSTの概要を御紹介させていただきました。それぞれの実績については、また別途御説明させていただきたいと思いますが、新しくできた法人でございます。今までやってきたことを踏まえて、それを確実に実施するということで、年度計画を実施しましたし、さらに理事長のイニシアチブを持って、新たなQSTのコアとなるものを何にするのか、そういうものを昨年は打ち立てました。さらにそれに対して、芽を育てようとしているところでございます。そのようなものを御評価いただければと考えてございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
 ちょっと時間限られておりますが、ただいまの御説明について、御質問等ありましたら、お願いいたします。
【山崎委員】  よろしいですか。
【栗原部会長】  はい。
【山崎委員】  どうもありがとうございました。量子科学技術という言葉自体なんですが、量子科学というのは、ここ四、五十年ずっと日本でもやられてきていて、その目標というのは先に見えない夢の研究ということでやられてきたいた研究が、ここ十年ぐらいになって、やっとゴールが見えてくるような、それでもまだ明らかではないんですが、ぼやっと見えてきた段階だと思っています。そういう状況で、QSTが、量子科学技術、という名前を冠した研究所ができたというのは、非常に嬉しいんですが、一方で、量子科学のどこまでを視野に入れて、研究所としてやっていくのかというところが見えなくて、それは日本全体の量子科学に対する取組がまだよく明確ではないということに、原因があるんじゃないかと思っています。
 是非、QSTの方で評価をさせていただくわけですが、その中で評価の対象ではないかもしれないんですが、日本という大きな枠組みの下でのQSTの位置付けみたいなことを説明していただくと、評価する場合でも、私としては、是非エンカレッジして日本の本当の意味でのハブになっていただきたいというふうに思っていますので、そういう材料になるのではないかというふうに思っています。
 是非、よろしくお願いいたします。
【中村理事】  最初に私の方から。今私どもの立場から言いますと、この法人、法律でもって作っていただきました。この法人自身につきましては、中長期目標ということで、政府の方から、この法人がやる範囲を示していただいておりますので、私どもとしては、まずはそこを評価していただきたいと思っております。
 この中で見ますと、先ほど少し申し上げましたが、量子暗号は入っていません。そういうふうに入っていないものは確かにあります。一方では、材料開発では、幾つか入っていますし、そこでは量子ビームを使うことによって、この量子科学技術の部分が開けそうだということですので、ここは前向きに我々やっていきたいと思っています。
 あるいは、生命につきましても、今までは分子生物学というのは、随分花開いてきましたが、材料は既に分子の領域ではなくて、量子の領域を使って世の中動いています。生命科学についても、量子の技術を使っての科学技術が花開くんではないかと私どもは今考えています。うまくいくかどうか分かりませんが、量子生命科学という分野を打ち立てて研究開発をしてみたいと思っていまして、この7月には国際シンポジウムを幕張で開くことも考えております。
 ここの中長期目標に与えられている範囲の中においては、できるだけ量子科学として出来る範囲は広く取ってトライをしていきたいと考えてございます。
【橋本室長補佐】  私の方から1つ補足させていただきますと、今中村理事から説明あったとおり、今は中長期目標に基づいて研究をしていただいているわけですが、ただ、この法人を、この量子科学技術研究開発機構として発足させたときは、目的としては、別に今ある放医研とか、高崎研、関西研の範囲に縛られて研究をやってくださいと言っていることはなくて、広く量子科学技術のワークにおけるプラットフォームになるということを目指してやってくださいと。とはいえ、何もないものをいきなりやるということはできないので、中長期目標としては、もともとあるものをベースにして、しっかりここをやってくださいという形にはなっていますが、当然将来的にはどんどん量子科学技術のプラットフォームとして、量研機構、やれることというのをどんどん可能性として広げていただくということを期待しております。
【栗原部会長】  今回お聞きして、非常に全体としての活用をインテグレーションしたプレゼンテーションをうかがうことができたというふうに思いました。前年は個別に御説明いただいていたというところがすごくあって、両方融合というのが、それに付け足しという感じだったのが、全体をどうイメージするかというのを、非常に明確に説明いただいたと思っています。私は。
 ほかにございますか。
 私が評価者の立場からひっかかりましたのは、自己評価が全部A以上だという点なんですが、これ従来Aが標準だったということで、現場の方はAでないと少し気持ちが悪いというような印象があるのかもしれないんですが、標準がBにシフトしたということを、現場でもきちっと受け止めていただきたいというようなところが、この独法評価の全体として非常に強くありまして、実際にやるときに、こういうA以上しか付けないという評価になりますと、課題とされる可能性が非常に大きいと思います。全体のシステムとしては、現場の御気分もよく分かるんですが。以前はAが標準でしたが、今はBを標準に考えるということで、目標の120%まではBに入るということで、大分基準が変わっているので、そこを自己評価委員会の方で適切に受け止めていただけているのかなと少し心配になるところがございます。
 一応コメントで、私どもは今度それを少し読み替えていかなければいけなくなると思います。できれば少しずつ軸も合っていった方が、アピールしたい点は、よりアピールしていかないといけないということもあると思いますので、今後ですが、よろしくお願いいたしたいと思います。
【中村理事】  はい。
【栗原部会長】  ほかに何かありますでしょうか。
 少し時間押していますので、非常に丁寧に御説明いただいて、ありがとうございました。もし何か御質問があれば、後ほど事務局の方へお寄せいただいて、次回以降のところで回答頂くなり、今後、評価をするに当たって、こういうところは是非聞いておきたいということがあれば、次回以降の評価の場に、そういうところも御説明いただくということあると思うので、よろしくお願いいたします。
 では、事務局の方へということでよろしいでしょうか。
【橋本室長補佐】  はい。
【栗原部会長】  では、よろしくお願いします。
 それでは、次の議題に移ります。次議題5です。国立研究開発法人。今の量研と言いなれるように努力したいと思います。
【中村理事】  ありがとうございます。
【栗原部会長】  「量研の業務の実績の評価の進め方について」ということで、評価の進め方の案について、事務局より説明お願いいたします。
【橋本室長補佐】  資料5-1から5-6に基づきまして、説明させていただきます。私もまだ量研とは言いなれていないので、量研機構とつい無意識に言ってしまうんですが、なるべく量研と言うように意識していきたいと思います。
 資料5-1、先ほど中村理事からも御説明ありましたが、5-1は中長期目標。5-2が、それに基づいて作られた中長期計画。資料5-3が中長期計画に基づいて作られた年度計画となってございますが、これらについて、今この場で詳細説明するわけではございません。次の資料5-4が、量研機構における評価軸になります。こちらの評価軸は、中長期目標を策定したときに併せて策定しておりまして、基本的には、この評価軸に沿って御評価いただくということになります。
 資料の左の方の2列は基本的に中長期目標の目次に沿ったものが書かれてありまして、具体的な評価軸や評価指標は右側2列ということになってございます。
 資料5-5と資料5-6が、評価結果を最終的にこの部会としてまとめていただく書類になります。
 まず資料5-5の方の構成を簡単に御説明したいと思います。まずおめくりいただいて、1枚目の裏側ですが、ここでは、今回は年度評価をどのように進めたかということを記載することになってございまして、例えばどのようにヒアリングを実施したかとか、そういったことを書くというものになっています。
 次の2ページ目のところが、総合評定になります。総合評定は、その後のページにある個別の評価項目についての評価を踏まえた上で総合評定を行うということになります。
 3ページ目が、項目別の評定を総括する総括表になります。今年は、平成28年度の評価になりますので、仮としてBを並べているところです。
 4ページ以降が、個別の項目ごとの評価になってございまして、一例として「量子科学技術に関する萌芽・創成的研究開発」というのを記入しています。4ページでは、基本的には論文数、トップ10%論文、予算額、決算額といったデータをまとめるという形になっております。
 具体的な評価につきましては、その次のページです。5ページ目、6ページ目のところにございますが、項目別に、5ページ目の左側から順番に説明しますと、大本になった中長期目標には何が書かれているか、次の列に中長期計画ではどう書かれているか、それに基づいて年度計画では何をどう書かれているか。というのが分かるようになってございます。
 先ほど御紹介した評価軸についても、この項目にはどういう評価軸で評価いただくことになっているかということを4列目のところに記載してございます。これに基づきまして、法人の方でその自己評価をやっておりますので、自己評価書が出てまいりましたら、どのような自己評価になされたということを、この真ん中のところの2列に記載するということになります。
 その上で、一番右の部分が、主務大臣、文部科学大臣による評価を行う部分へ、最終的な評価を記載いただくようになります。ここの部分の記載について、第2回のヒアリングなど踏まえてこの部会で御議論いただきまして、評価を行っていただくことになります。評定を付けるだけではなく、部会長からもありましたように、外部から見て、なぜ、例えばSを付けるならば、明確にSを付けるだけの理由があるということを、しっかりとここに書き込む必要があります。そういったことが、この理由のところに求められることになってきますので、ただ単にBとかAとかSとか付けるだけではなくて、ここをしっかりと理由のところを書き込むということが重要になってくるということでございます。
 資料5-5での方は、詳細な評価が書き込まれたものになるわけですが、今年から、資料5-6のように、サマリー版を新たに作るということになっています。こちらについても、詳細な評価を進めながら、資料5-6の分のまとめ方についても相談させていただければと思ってございます。
 基本的には、こういったこの2点をまとめていくということで、これから評価お願いできればと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
 何か御質問等ありましたら。
 作業としては、自己評価のデータを頂いた上で。
【橋本室長補佐】  そうですね。6月末に。
【栗原部会長】  今回の全体として御説明を頂いたものを、それぞれの項目に対して御説明いただいて、それに対して、こちらが評価させていただくということになります。
 もしかしたら、私のさっきのは言い過ぎで、全ての項目にA以上というような評価をするような活動実績がおありなのかもしれないですが、一般論としては、少しちょっと高いかなという印象があったので、そういうことを申し上げさせていただいたのですが、AとSについては、上の国立研究開発法人審議会に、そこのところを切り取って報告しなければいけないというのが今年のやり方でして、これが従来ないことなんですが、資料の5-6のような、こういうサマリー表もこれと同時に提出すると。この全体の細かいものと一緒に提出するということになっています。
 もちろんS、Aだけじゃなくて、C、Dの場合もそうなんですが、そういうことなので、この進め方について、何か御質問あれば、是非。あるいは御意見あれば。
【山田部会長代理】  質問というか、新しく委員になられる方もいらっしゃいますし、私自身の確認という意味なんですが、具体的にやることの資料5-5の5ページ目の一番右の欄を書き込んでいくということですね。
【橋本室長補佐】  そういうことです。
【山田部会長代理】  我々がやらなければいけない。これについては、あらかじめエクセルの表かワードか何か書き込める形で送っていただけますか。
【橋本室長補佐】  なるほど。分かりました。
【山田部会長代理】  それと、これは放医研の評価と、原子力機構の評価のやり方、若干、時間といいますか。進め方が違ったんですが。放医研の場合は、1日で済ませたので、その場で書きましたよね。これを。旧原子力機構の場合は、範囲が大きかったので、3日ぐらい掛かったので、後日ということだったんですが、今回どういうふうになりますか。
【橋本室長補佐】  基本的には、その場で書き込んでいただければと思っておりまして、今回考えているのは、今日もタブレット用意しておりますが、多分手書きで書くよりもパソコンで直接入力した方が早いということもあると思うので、どちらでもやれるように準備しておいて、その場である程度書いていただき、ただ、その場で書き切れないところは、後日送っていただくという形でもいいのかなというようなイメージはしております。
【山田部会長代理】  その後日というのは、どれぐらい。リーディングタイムあるかということなんですが。
【橋本室長補佐】  なるほど。
【山田部会長代理】  大変厳しいということをおっしゃっていいと思いますが。
【栗原部会長】  私いろいろなやり方の委員会に出ているが、その場で書かせてもらうというのは、意外と効率的かなと思ったり。
【山田部会長代理】  結局。
【栗原部会長】  と思っていて。ただ、打ち込める人も打ち込めない人もいるかなと思うので、手書きも認めていただけるとありがたいんじゃないかなと思いますが。
【橋本室長補佐】  それはもう。はい。
【栗原部会長】  その場でやると、だんだん疲れてくるときがありまして。入力全部するのは、大変なんではないでしょうか。人によっては早い遅いもありますし。
【山田部会長代理】  人によって違います。
【橋本室長補佐】  今実務的なところを確認していたんですが、この量研の場合は共管である原子力規制委員会の方の評価とすり合わせをしないといけないというのが生じます。7月7日にヒアリングを開催した後、7月21日の間にその調整をしないといけないのが実務的課題としてありまして、そういう意味だと、7日ヒアリングした後、1週間だと結構しんどいなというのが正直ありまして。例えば3日ぐらいでその場で書き切れなかった分を出していただけるとありがたいなというのが、正直なところでございます。
【栗原部会長】  今回、この資料の5-6というのをまとめなければいけないということで、この裏側の方は、今までの表をそのまままとめれば出せると思うんですが、この表側の方は、少し追加事項になっているので。
【橋本室長補佐】  そうですね。
【栗原部会長】  できればコメントに関しては、なるだけその場で書いていただいて、これを、期間を少し置いても出させていただけるような形で、主にはやったらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
【橋本室長補佐】  承知しました。
【栗原部会長】  これは、3日でいいのか、もう少しあった方がいいですか。
【山田部会長代理】  いやいや、すぐでいいと思います。
【栗原部会長】  すぐで、でも忘れずに。
【山田部会長代理】  3日と言わずに。
【橋本室長補佐】  そうですね。分量的には、資料5-5をまとめる方が、作業時間がかかるので。5-6の方は、それほど作業量が大きくないのかなと思います。
【栗原部会長】  でも、もちろん5-5についても、何かお気付きの点とかあれば、3日間ぐらいは認めていただいて。
【橋本室長補佐】  それはもちろん。
【栗原部会長】  よろしいですか。
【山田部会長代理】  はい。
【栗原部会長】  では、そういう形で進めるということで、よろしくお願いします。
 ほかに何か。
【山田部会長代理】  済みません。評価の次回の部会の資料も、今日みたいに昨晩じゃなくて、もう少し早く送ってください。
【橋本室長補佐】  分かりました。
【金子委員】  そうですね。それでいくと、いつぐらいに事前に資料が入るかによって、例えばの話ですが、書面上ではここまで書ける分。当日ヒアリングさせていただいて、確認したい部分とかが出てくるかと思うので、そういう意味では、自分がメモをとっておいたものを、一旦持って来て、そこに追記するという形を採らせていただくと、より効率的かなと。1から全部打ち込むのではなくてと思うので。そのあたりも、例えば先に、メールなどで送付させてもらったものを入れておいていただくとか。そうしていただけると、大変ありがたいかなと思います。
【橋本室長補佐】  分かりました。ありがとうございます。
【栗原部会長】  それでは、資料を準備いただく方々には、大変ですが、多分そちらの方々に御協力いただけないと、事務局だけでは事前送付はなかなか難しいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 他に何か御質問等あれば。
 よろしいでしょうか。
【橋本室長補佐】  ヒアリングに先立ちまして、今回新しくメンバーに加わっていただいた方も多いので、サイトビジットということで、メール御案内しておりますが、放医研の方に、7月4日にサイトビジットを予定しておりますので、よろしくお願いします。実際見ていただいた方が評価もしやすいと思いますので。とりあえず今年末の放医研からということなんですが、放医研だけではなくて、高崎とか関西研のほかの部門ありますので、来年以降、順次ほかのところも回れるといいかなと思っております。
【栗原部会長】  それでは、本日の議題は全て終了しましたので、上田室長から御挨拶いただければと思います。
 いらっしゃったところで早速申し訳ないですが、よろしくお願いします。
【上田室長】  終盤で遅れて来ましたことをお詫び申し上げます。説明、御議論あったと思いますが、量研機構、昨年度出発して、私どもとしては、よりいい方向に進んでほしいと思っておりますので、どうぞ御検討、御指導のほど、よろしくお願いします。
 今日はありがとうございました。
【栗原部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは最後に、事務局から事務連絡等ございましたら、よろしくお願いします。
【橋本室長補佐】  今回の議事録につきましては、事務局にて案を作成しました後に、各委員に配っていただきまして、ホームページに公表させていただきますので、よろしくお願いします。
 それから、本日の配付資料につきまして、郵送を希望される場合には、お手元の封筒にお名前を記入の上、机上に資料を残しておいていただければと思います。後日事務局から送付いたします。
 以上でございます。
【栗原部会長】  それでは、どうも、御説明ありがとうございました。
 今日は、いろいろ、特に量研について、詳細な御説明いただいて、よく事前の準備に大変参考になったと思います。ありがとうございます。
 それではこれで閉会いたします。皆さん、ありがとうございました。

―― 了 ――

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