参考資料2 文部科学省所管の独立行政法人の評価に関する基準

平成27年6月30日
文部科学大臣決定
平成29年4月1日
一部改定

1 本基準について

1 本基準の位置付け

 本基準は、通則法第28条の2第1項に定める「第32条第1項、第35条の6第1項及び第2項並びに第35条の11第1項及び第2項の評価」に関
する「独立行政法人の評価に関する指針」(平成26年9月2日総務大臣決定)を基に、文部科学省所管の独立行政法人の評価において必要な基準を定めるものである。

2 本基準を策定する目的及び策定の基本的考え方

 本基準は以下の考え方の下に策定されたものであり、これに基づき評価を実施する。
(1)法律、閣議決定及びその他政府の種々の改革方針において、法人が取り組むべきとされた事項に関する実施状況について評価を行うとともに、法人の業務等に係る国会審議、会計検査、予算執行調査等の指摘事項への取組状況についても評価を行う。

(2)主務大臣の下でのPDCAサイクルを十分に機能させるという制度改正の趣旨を踏まえ、法人の業務実績評価(独立行政法人評価制度委員会や政独委が指摘した事項を含む。)に加え、関連する国の政策評価、行政事業レビュー及び行政評価・監視の結果を活用して評価する。

(3)評価は、評価単位(※)に合わせて行う項目別評定(以下「項目別評定」という。)と、項目別評定を基礎とし法人全体を評価する総合評定によって行う。
※「独立行政法人の目標の策定に関する指針」2の3(3)、3の4(3)及び4の2(3)の評価単位を示す。

(4)評価は、目標及び計画で掲げる指標を基準とする絶対評価によって行うものとする。なお、研究開発に係る事務及び事業については、研究開発業務の特性等を踏まえ、適切な評価軸に基づき評価を行う。

(5)評価に当たっては、各法人の事務及び事業の特性に十分に配慮し、なぜその実績に至ったかについて外部要因の影響やマネジメントの課題等を含む要因分析を行い、業務の改善につながるような実効性のある評価を実施する。
 また、その際、政府の政策実現への寄与など、法人の目的やその業務の質の向上の観点に留意するとともに、社会経済情勢の変化や技術の進歩等を踏まえる。

(6)評価に当たっては、独立行政法人制度創設の趣旨を踏まえ各法人の事務及び事業の特性に十分に配慮し、業務が効果的かつ効率的に実施されているかどうかの視点を常に持ち、その業務がどれほどの投入資源を費やしているかについて業務の成果・効果と対比して評価する。

(7)評価に当たっては、早急な財務内容の改善など、法人個々に対する社会的要請をも踏まえる。

(8)評価に当たっては、法人が通則法第32条第2項、第35条の6第3項及び第4項、第35条の11第3項及び第4項に基づき作成する、自ら評価を行った結果を明らかにした報告書(以下「自己評価書」という。)を活用して評価する。

(9)主務大臣による評価は、法人の業務運営の改善のほか、組織及び業務の全般にわたる検討、新中期目標の策定に活用されることが求められていることから、極めて重要である。簡素・効率的で実効性の高い目標管理・評価の仕組みの下、法人の評価を適正かつ厳正に行い、評価結果に基づき業務の改善を促すことにより、評価の実効性を確保する。

(10)従来、文部科学省独立行政法人評価委員会が自ら設定していた評定区分、総合評定の方法、評価の結果の様式等を、総務大臣の方針に基づき他府省との間で標準化し統一性を向上させることにより、他法人や過年度実績との比較可能性を高めるとともに、目標・計画の実施状況、進捗状況及び達成の状況を標準化された評価書で明らかにすることにより、国民にとって分かりやすい評価を実現し、透明性の確保・国民への説明責任の徹底(見える化)を図る。

(11)通則法第32条第4項、第35条の6第7項及び第35条の11第6項の評価の結果(以下「評価書」という。)は、目標の達成状況及び計画の実施状況とそれに対する評価を分かりやすく記載し、公表する。

3 本基準の適用範囲

 本基準の適用範囲は次のとおりである。

(1)中期目標管理法人

  1. 通則法第32条第1項第1号に定める、各事業年度の終了後に実施される、業務の実績の評価(年度評価)
  2. 中期目標期間における業務の実績の評価(中期目標期間評価)
  1. 通則法第32条第1項第2号に定める、中期目標期間の最後の事業年度の直前の事業年度の終了後に実施される、中期目標期間の終了時に見込まれる中期目標の期間における業務の実績の評価(見込評価)
  2. 通則法第32条第1項第3号に定める、中期目標期間の最後の事業年度の終了後に実施される、中期目標の期間における業務の実績に関する評価(期間実績評価)
    (注)日本私立学校振興・共済事業団法第26条第1項により準用される通則法第32条第1項に基づく同事業団の助成業務の実績の評価については、「2 中期目標管理法人の評価に関する事項」の規定を適用する。

(2)国立研究開発法人

  1. 通則法第35条の6第1項第1号に定める、各事業年度の終了後に実施される業務の実績の評価(年度評価)
  2. 中長期目標期間における業務の実績の評価(中長期目標期間評価)
  1. 通則法第35条の6第1項第2号に定める、中長期目標期間の最後の事業年度の直前の事業年度の終了後に実施される、中長期目標期間の終了時に見込まれる中長期目標の期間における業務の実績の評価(見込評価)
  2. 通則法第35条の6第1項第3号に定める、中長期目標期間の最後の事業年度の終了後に実施される、中長期目標の期間における業務の実績に関する評価(期間実績評価)
  3. 通則法第35条の6第2項に定める、中長期目標期間の途中において通則法第21条の2第1項ただし書で定める法人の長の任期が終了する場合の、当該任期の末日を含む事業年度末までの期間(中間期間)における業務の実績の評価(中長期目標期間中間評価)


2 中期目標管理法人の評価に関する事項

1 総論

 中期目標管理法人は、国民向けサービス等の業務の質の向上を図ることを目的としていることから、業務の質の向上と業務運営の効率化の両立を促す評価が重要である。
 そのため、評価においては、中期計画の実施状況について、中期目標の達成及び達成見込みについても留意する。
 また、業務運営上の課題についても留意し、当該課題を検出した場合には、改善方策についても提示する。また、過去の評価において示した改善方策の対応状況についても適正に評価する。
 中期目標管理法人の実施する研究開発に係る事務及び事業の目標策定において、「独立行政法人の目標の策定に関する指針」2の4(4)に基づき国立研究開発法人の研究開発の成果の最大化に関する事項の規定を準用した場合には、国立研究開発法人の評価に関する事項の規定を準用して項目別評定を行う(国立研究開発法人審議会に係る事項を除く)。その際、「国立研究開発法人」を「中期目標管理法人」に、「中長期目標」及び「中長期計画」を「中期目標」及び「中期計画」に読み替えることとする。ただし、その場合においても総合評定については中期目標管理法人の規定に基づく。

2 評価体制

(1)評価を行う部署

 政策実施機関としての中期目標管理法人の業務の実績の評価に当たっては、政策に関する責任の一貫性及び評価の的確性を確保するため、法人を所管する課室が中心となって評価を実施する。
 また、評価の客観性を担保するため、大臣官房政策課評価室で評価結果を点検する。

(2)外部有識者の知見の活用

 中期目標管理法人の評価等にあたっては、外部有識者の知見の活用を図らなければならない。外部有識者の知見を活用する事項は、以下に定める。
○ 中期目標の策定及び変更(第29条第1項)
○ 中期計画及び中期計画の変更についての認可(第30条第1項)
○ 中期計画の変更の命令(第30条第3項)
○ 年度評価、見込み評価、期間実績評価(第32条第4項)
○ 評価結果に基づいて命ずる、法人が講ずべき措置(第32条第6項)
○ 中期目標期間終了時の所要の措置についての意見(第35条第1項)
 ただし、法人を所管する課室及び大臣官房政策課評価室が、外部有識者の知見の活用を要しないと認めた事項については、これを不要とする。

3 各評価の目的・趣旨・基本方針

 各評価は、以下の目的・趣旨・基本方針に基づき行う。

(1)年度評価

  1. 評価対象年度以降の業務運営の改善に資することを目的とする。また、評価結果を役職員の処遇等に活用すること等についても留意する。
  2. 各事業年度における業務の実績について、中期目標管理法人による自己評価の結果を踏まえ、中期計画の実施状況等に留意しつつ、法人の業務の実施状況を調査・分析し、その結果を考慮して各事業年度の業務の実績の全体について総合的な評定を行う。
  3. 目標・計画の達成状況にかかわらず、法人全体の信用を失墜させる不祥事が発生した場合は、当該評価項目だけでなく法人全体の評定に反映させるなど、当該年度における中期目標管理法人のマネジメントの状況にも留意する。
  4. 予測し難い外部要因により業務が実施できなかった場合や、外部要因に対して中期目標管理法人が自主的な努力を行っていた場合には、評定において考慮する。

(2)中期目標期間評価(見込評価、期間実績評価)

1 見込評価

  1. 評価の結果を中期目標期間終了時の中期目標管理法人の業務の継続又は組織の存続の必要性その他その業務及び組織の全般にわたる検討及び新中期目標の策定に活用することを目的とする。    
  2. 中期目標期間終了時の直前の年度までの業務の実績及び中期目標期間終了時に見込まれる業務の実績に係る自己評価の結果を踏まえ、中期目標管理法人の中期目標期間の終了時に見込まれる中期目標の期間における業務の実績を調査・分析し、中期目標の達成状況等の全体について総合的な評定を行う。
  3.  評価の結果を踏まえ業務及び組織全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、業務の廃止若しくは移管又は組織の廃止その他の所要の措置を講じ、新中期目標を適切に策定するよう留意する。
  4. 「3(1)年度評価」の3及び4については、見込評価においても準用する。その際、「年度」を「中期目標期間」と読み替えることとする。

2 期間実績評価

  1. 中期目標の変更を含めた、業務運営の改善等に資することを目的とする。また、評価結果を役職員の処遇等に活用すること等についても留意する。
  2. 中期目標期間終了時において、中期目標期間全体の業務の実績に係る自己評価の結果を踏まえ、中期目標管理法人の中期目標期間に係る業務の実績を調査・分析し、中期目標期間における中期目標の達成状況の全体について総合的な評定を行う。
  3. 見込評価時に使用した中期目標期間終了時の実績見込みと実績とに乖離がある場合には、期間実績評価時にその原因を分析するとともに、中期目標等の変更の必要性について検討する。
  4. 「3(1)年度評価」の3及び4については、期間実績評価においても準用する。その際、「年度」を「中期目標期間」と読み替えることとする。

4 自己評価結果の活用等

(1)通則法第32条第2項に基づき作成する自己評価書は、国民に対する説明責任の履行及び中期目標管理法人の自律的な業務運営の改善への活用等を目的とする。あわせて、主務大臣が行う評価のための情報提供に資するものとする。

(2)中期目標管理法人は、主務大臣の評価に必要なデータやその分析結果を明らかにした客観性のある自己評価書を作成する。

(3)年度評価及び中期目標期間評価において、客観性を考慮しつつ自己評価書を十分に活用し、効果的かつ効率的な評価を行う。中期目標管理法人から質の高い自己評価書が提出され、かつ、それについて十分な説明責任が果たされている場合は、自己評価書を最大限活用し、当該自己評価書の正当性の観点から確認すること等を通じて、適切かつ合理的に評価を行う。

(4)中期目標管理法人の業務実績及び目標・計画の達成状況について自己評価書等により把握・分析し、法人業務の政策・施策への適合性、法人の長のマネジメントの妥当性など、政策責任者としての視点を持ちながら評価を行う。

(5)中期目標管理法人は、上記の主務大臣の評価の円滑化に資するよう、自己評価書の作成に当たって、以下の点に努める。

  1. 本基準の(2の3)「各評価の目的・趣旨・基本方針」、(2の5)「評価の単位の設定」及び(2の6)「評価の方法等」(法人として実施可能なものに限る)を踏まえ、中期目標、中期計画及び年度計画で定められた指標について目標・計画と実績を比較した評価を行う。
  2. 中期目標管理法人の有効なマネジメントに資するよう、業務運営の状況について、十分な資料に基づき客観的かつ具体的に記述する。
  3. 業務実績、目標・計画の達成状況及び中期目標管理法人内のマネジメントの状況等について、評価において十分に説明し得るよう、可能な限り最小の単位で評価を行う。その際、自己評価書の作成が法人の過度な負担とならないよう配慮しつつ、当該自己評価を適正に行うための評価単位を統合したものが主務大臣が行う評価単位と整合するよう留意する。
  4. 自己評価において業務運営上の課題を検出した場合には、具体的な改善方策などについても記入する。
  5. 自己評価及び主務大臣による評価において検出された業務運営上の課題に関する改善方策が示されているものについては、次年度以降の自己評価書においてその実施状況を記入する。

5 評価単位の設定

 項目別評定は、「独立行政法人の目標の策定に関する指針」に基づき、原則、中期目標を定めた項目を評価単位として評価を行う。
 なお、中期目標期間における実績評価(見込評価)の結果、当該期間に設定した目標の項目について改善が必要とされた場合は、当該評価結果を次期中期目標期間における目標の項目の設定に適切に反映させる。
 より的確な評価を実施するため、上記の考えに基づき設定した単位をより細分化した単位で項目別評定を行う場合がある。

6 評価の方法等

 目標・計画と実績の比較により、目標・計画の達成及び進捗状況を的確に把握するとともに、業務運営上の課題を的確に把握し対応を促す観点から、以下の方法等により評価を行い、評価の実効性を確保する。

(1)評価の手順及び手法

 原則、以下の手法による。

  1. 中期目標管理法人に対し、評価において必要かつ十分な資料の提出を求める。
  2. 評価に当たって中期目標管理法人の長からのヒアリングを実施するほか、監事等からも意見を聴取するなど、役員等から必要な情報を収集し、法人の実情を踏まえた的確な評価を実施する。
  3. 目標・計画(予算)と実績(決算)の差異についての要因分析を実施する。
  4. 業務実績と成果(アウトプット)・効果(アウトカム)の関連性等を明らかにした上で評価する。
  5. 定量的な成果実績(アウトプット指標)と資源投入量(インプット指標)の対比により、成果実績1単位を生み出すためにどれだけの資源投入が必要とされたか(アウトプット単位当たりのインプット)を把握し、効率性の観点からも評価する。その際、できるだけ事業等のまとまりごとの財務情報等を活用する。
  6. 過去の関連する政策評価、行政評価・監視及び行政事業レビューの結果を活用する。
  7. 業務の特性に応じ、企業会計的手法による財務分析、経年比較による趨勢分析等の財務分析を行う。
  8. 同一法人の過去の実績との比較・分析を行う。
  9. 複数の施設・事務所で同種の業務を行っており、全体の評価を行うだけでは業務運営上の課題を把握しがたい場合には、施設・事務所ごとの業務実績を把握し、計画に対する比較・分析を行う。
     上記のほか、必要に応じて以下に掲げる事項その他評価の実効性を確保するための手法を適用する。
  1. 中期目標管理法人に対する現地調査
  2. 同業種の民間企業との比較・分析

(2)評価の視点

 別途総務省行政管理局長が示す「目標策定の際に考慮すべき視点」等を参考にし、業務の質の向上、業務の効率化、財務内容の改善等の観点から、それぞれの業務の特性に応じた評価の視点を設定し、中期目標管理法人に対して業務運営の改善等を促すような評価を行う。
 また、「国の行政の業務改革に関する取組方針~行政のICT化・オープン化、業務改革の徹底に向けて~」(平成26年7月25日総務大臣決定)において、法人に対しても国の行政機関の取組に準じて業務改革に取り組むよう要請されているところであるため、同方針の要請を踏まえた目標の取組状況についても業務改革の推進の観点から適正に評価を行う。
 さらに、「独立行政法人における調達等合理化の取組の推進について」(平成27年5月25総務大臣決定)において、「各法人がPDCAサイクルにより、透明性・外部性を確保しつつ、自律的かつ継続的に調達等の合理化に取り組むとともに、主務大臣がこれをチェックする枠組みを整備し、政府全体として調達等の合理化を推進することとする。」とされており、同決定を踏まえた目標の取組状況についても合理的な調達の観点から適正に評価を行う。

7 項目別評定及び総合評定の方法、評定区分

(1)年度評価

1 項目別評定
   1 評定区分
    ア 原則として、S、A、B、C、Dの5段階の評語を付すことにより行う。
    イ 「B」を標準とする。
     ・ 各評価項目の業務実績と評定区分の関係は以下のとおりとする。

S:中期目標管理法人の活動により、中期計画における所期の目標を量的及び質的に上回る顕著な成果が得られていると認められる(定量的指標においては対中期計画値(又は対年度計画値)の120%以上で、かつ質的に顕著な成果が得られていると認められる場合)。

A:中期目標管理法人の活動により、中期計画における所期の目標を上回る成果が得られていると認められる(定量的指標においては対中期計画値(又は対年度計画値)の120%以上とする。)。

B:中期計画における所期の目標を達成していると認められる(定量的指標においては対中期計画値(又は対年度計画値)の100%以上120%未満)。

C:中期計画における所期の目標を下回っており、改善を要する(定量的指標においては対中期計画値(又は対年度計画値)の80%以上100%未満)。

D:中期計画における所期の目標を下回っており、業務の廃止を含めた抜本的な改善を求める(定量的指標においては対中期計画値(又は対年度計画値)の80%未満、又は主務大臣が業務運営の改善その他の必要な措置を講ずることを命ずる必要があると認めた場合)。
     

・ なお、「財務内容の改善に関する事項」及び「その他業務運営に関する重要事項」のうち、内部統制に関する評価等、定性的な指標に基づき評価をせざるを得ない場合や、一定の条件を満たすことを目標としている場合など、業務実績を定量的に測定し難い場合には、以下の要領で上記の評定に当てはめることも可能とする。

S:-

A:難易度を高く設定した目標について、目標の水準を満たしている。

B:目標の水準を満たしている(「A」に該当する事項を除く。)。

C:目標の水準を満たしていない(「D」に該当する事項を除く。)

D:目標の水準を満たしておらず、主務大臣が業務運営の改善その他の必要な措置を講ずることを命ずる必要があると認めた場合を含む、抜本的な業務の見直しが必要


2 項目別評定の留意事項

ア 評定を付す際には、なぜその評定に至ったのかの根拠を合理的かつ明確に記述する。

イ 目標で設定された難易度の高い項目に限り、評定を一段階引き上げることについて考慮する。ただし、評定を引き上げる場合は、評定を引き上げるにふさわしいとした根拠について、量的及び質的の両面について、具体的かつ明確に記述する。

ウ 最上級の評定「S」を付す場合には、中期目標管理法人の実績が最上級の評定にふさわしいとした根拠について、量的及び質的の両面について具体的かつ明確に記述する。具体的には、質的な面として、
     ・ 法人の自主的な取組による創意工夫
     ・ 目標策定時に想定した以上の政策実現に対する寄与
     ・ 重要かつ難易度の高い目標の達成
     等について具体的かつ明確に説明する。

エ 「C」及び「D」を付す場合には、改善に向け取り組むべき方針を記述する。なお、問題点が明らかになった段階においては、具体的かつ明確な改善方策を記述する。

オ 目標策定の妥当性に留意し、目標水準の変更が必要な事項が検出された場合にはその旨記載する。

カ 評価の基準において各業務に対し評定を行うため具体的な目安を示す場合には、「B」が標準となるよう設定する。

  

   2 総合評定

 総合評定は、記述による全体評定を行うとともに、項目別評定及び記述による全体評定に基づき、評語による評定を付して行う。
 総合評定を行うに当たっては、項目別評定を基礎とし、政策上の要請等、全体評定に影響を与える事象等を加味するとともに、各項目別評定の分布等に基づき、これを総合的に勘案して評価を行う。


1 記述による全体評定

 記述による全体評定は、項目別評定を踏まえ、総合的な視点から以下の事項を記述する。

ア 項目別評定の総括

・ 項目別評定のうち重要な項目の実績及び評価の概要
・ 評価に影響を与えた外部要因のうち特記すべきもの
・ 事業計画及び業務運営等に関して改善すべき事項及び方策特に、業務改善命令が必要な事項についてはその旨を具体的かつ明確に記述する。
・ 目標策定の妥当性について特に考慮すべき事項等

イ 全体評定に影響を与える事象

・ 法人全体の信用を失墜させる事象など、法人全体の評定に影響を与える事象
・ 「独立行政法人の目標の策定に関する指針」2の1(2)の「法人全体を総括する章」において記載される法人のミッション、役割の達成について特に考慮すべき事項
・ 中期計画に記載されている事項以外の特筆すべき業績(災害対応など)

ウ その他特記事項

2 評語による評定

ア 評語による評定は、項目別評定及び記述による全体評定を総合的に勘案して行う。
イ 評定は、S、A、B、C、Dの5段階の評語を付すことにより行う。
ウ 各評価項目の業務実績と評定区分の関係は、以下のとおりとする。

S:中期目標管理法人の活動により、全体として中期計画における所期の目標を量的及び質的に上回る顕著な成果が得られていると認められる。
A:中期目標管理法人の活動により、全体として中期計画における所期の目標を上回る成果が得られていると認められる。
B:全体としておおむね中期計画における所期の目標を達成していると認められる。
C:全体として中期計画における所期の目標を下回っており、改善を要する。
D:全体として中期計画における所期の目標を下回っており、業務の廃止を含めた抜本的な改善を求める。

3 総合評定の留意事項

ア あらかじめ重要度の高い業務とされた項目については、総合評定において十分に考慮する。

イ 法人全体の信用を失墜させる事象が生じた場合には、その程度に応じ項目別評定を基礎とした場合の評定から更に引下げを行う。特に、法人組織全体のマネジメントの改善を求める場合には、他の項目別評定にかかわらず是正措置が実施されるまでの期間は「A」以上の評定を行うことは不可とする。

ウ なお、「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」に属する項目で重要度を高く設定した業務について組織全体のマネジメントの不備を原因として「C」以下の評定を行った場合には、他の項目別評定にかかわらず「A」以上の評定を行うことは不可とする。

(2)中期目標期間評価(見込評価、期間実績評価)

  1 項目別評定

1 評定区分

ア 原則として、S、A、B、C、Dの5段階の評語を付すことにより行う。
イ 「B」を標準とする。
ウ 各評価項目の業務実績と評定区分の関係は、以下のとおりとする。

S:中期目標管理法人の活動により、中期目標における所期の目標を量的及び質的に上回る顕著な成果が得られていると認められる(定量的指標においては対中期目標値の120%以上で、かつ質的に顕著な成果が得られていると認められる場合)。

A:中期目標管理法人の活動により、中期目標における所期の目標を上回る成果が得られていると認められる(定量的指標においては対中期目標値の120%以上)。

B:中期目標における所期の目標を達成していると認められる(定量的指標においては対中期目標値の100%以上120%未満)。

C:中期目標における所期の目標を下回っており、改善を要する(定量的指標においては対中期目標値の80%以上100%未満)。

D:中期目標における所期の目標を下回っており、業務の廃止を含めた、抜本的な改善を求める(定量的指標においては対中期目標値の80%未満、又は主務大臣が業務運営の改善その他の必要な措置を講ずることを命ずる必要があると認めた場合)。

エ なお、「財務内容の改善に関する事項」及び「その他業務運営に関する重要事項」のうち、内部統制に関する評価等、定性的な指標に基づき評価をせざるを得ない場合や、一定の条件を満たすことを目標としている場合など、業務実績を定量的に測定し難い場合には、以下の要領で上記の評定に当てはめることも可能とする。

S:-
A:難易度を高く設定した目標について、目標の水準を満たしている。
B:目標の水準を満たしている(「A」に該当する事項を除く。)。
C:目標の水準を満たしていない(「D」に該当する事項を除く。)。
D:目標の水準を満たしておらず、主務大臣が業務運営の改善その他の必要な措置を講ずることを命ずる必要があると認めた場合を含む、抜本的な業務の見直しが必要
   

2 項目別評定の留意事項

ア 評定を付す際には、なぜその評定に至ったのか根拠を明確に記載する。

イ 目標で設定された難易度の高い項目に限り、評定を一段階引き上げることについて考慮する。ただし、評定を引き上げる場合は、評定を引き上げるにふさわしいとした根拠について、量的及び質的の両面について具体的かつ明確に記述する。

ウ 最上級の評定「S」を付す場合には、中期目標管理法人の実績が最上級の評定にふさわしいとした根拠について、量的及び質的の両面について具体的かつ明確に記述する。
 具体的には、質的な面として
 ・ 中期目標管理法人の自主的な取組による創意工夫
 ・ 目標策定時に想定した以上の政策実現に対する寄与
 ・ 重要かつ難易度の高い目標の達成
等について具体的かつ明確に説明するものとする。

エ 「C」及び「D」を付す場合には、改善に向け取り組むべき方針を記述する。なお、問題点が明らかになった段階においては、具体的かつ明確な改善方策を記述する。

オ 評価の基準において各業務に対し評定を行うため具体的な目安を示す場合には、「B」が標準となるよう設定する。

カ 期間実績評価時においては、見込評価時に見込んだ中期目標期間終了時の業務実績の見込みと中期目標期間実績評価時の実際の業務実績とに大幅な乖離がある場合には、その理由を明確かつ具体的に記載する。

キ 評定にあわせ、次期中期目標期間の業務実施に当たっての留意すべき点等についての意見を記述する。

  2 総合評定
   総合評定は、記述による全体評定を行うともに、項目別評定及び記述による全体評定に基づき、法人全体の業務実績に対し評語を付して行う。
   総合評定を行うに当たっては、項目別評定を基礎とし、政策上の要請等、全体評定に影響を与える事象等を加味するとともに、各項目別評定の分布等に基づき、これを総合的に勘案して評価を行う。

 1 記述による全体評定
  記述による全体評定は、項目別評定の総括とともに、総合的な視点から以下の事項を記述する。

ア 項目別評定の総括
・ 項目別評定のうち重要な項目の実績及び評価の概要
・ 評価に影響を与えた外部要因のうち特記すべきもの
・ 事業計画及び業務運営等に関して改善すべき事項及び方策。特に、業務改善命令が必要な事項についてはその旨明記する。
・ 目標策定の妥当性について特に考慮すべき事項等

イ 全体評定に影響を与える事象
・ 法人全体の信用を失墜させる事象など、法人全体の評定に影響を与える事象
・ 「独立行政法人の目標の策定に関する指針」2の1(2)の「法人全体を総括する章」において記載される法人のミッション、役割の達成の状況
・ 中期計画に記載されている事項以外の特筆すべき業績(災害対応など)

ウ その他特記事項

2 評語による評定
    ア 評語による評定は、項目別評定及び記述による全体評定を総合的に勘案して行う。
    イ 評定は、S、A、B、C、Dの5段階の評語を付すことにより行う。
    ウ 評語による評定を行う際には、各項目の重要度を考慮する。
    エ 各評価項目の業務実績と評定区分の関係は、以下のとおりとする。

S:中期目標管理法人の活動により、全体として中期目標における所期の目標を量的及び質的に上回る顕著な成果が得られていると認められる。

A:中期目標管理法人の活動により、全体として中期目標における所期の目標を上回る成果が得られていると認められる。

B:全体としておおむね中期目標における所期の目標を達成していると認められている。

C:全体として中期目標における所期の目標を下回っており、改善を要する。

D:全体として中期目標における所期の目標を下回っており、業務の廃止を含めた抜本的な改善を求める。

3 総合評定の留意事項

ア 見込評価においては、評定の他、以下の事項を記載する。
・ 業務及び組織の全般にわたる検討並びに次期中期目標策定に関して取るべき方策
・ 次期中期目標期間に係る予算要求について検討すべき事項

イ 期間実績評価においては、評定のほか、以下の事項を記載する。
・ 見込評価時に予期しなかった事項で中期目標の変更等の対応が必要な事項

ウ あらかじめ重要度の高い業務とされた項目については、総合評定において十分に考慮する。

エ 法人全体の信用を失墜させる事象が生じた場合には、その程度に応じ項目別評定を基礎とした場合の評定から更に引下げを行う。特に、法人組織全体のマネジメントの改善を求める場合には、他の項目別評定にかかわらず是正措置が実施されるまでの期間は「A」以上の評定を行うことは不可とする。

オ なお、中期目標の「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」に属する項目で重要度を高く設定した業務について組織全体のマネジメントの不備を原因として「C」以下の評定を行った場合には、他の項目別評定にかかわらず「A」以上の評定を行うことは不可とする。

カ 見込評価においては、評価単位の設定、評価指標、総合評定の方法等について改善が必要かどうかについて検討を行う。

 8 評価書の作成

(1)評価書の様式

 評価書は、別途総務省行政管理局長が定める様式に、必要に応じて大臣官房政策課評価室において修正等を加えたものに基づき作成するものとする。

(2)記載すべき事項

 評価書には、以下の事項を記載する。

1 評価の概要

1 評価対象に関する事項

ア 法人名

イ 対象年度(年度評価)

ウ 対象期間(中期目標期間評価)

2 評価の実施者に関する事項

ア 共管法人の場合には評価の分担の概要

イ 評価を担当した部局、作成者(課長名)

ウ 評価を点検した部局、作成者(課長名)

3 評価の実施に関する事項

ア 理事長ヒアリングなど、評価に際し実施した手続

イ 外部有識者の助言の概要(構成員、意見聴取等の活動実績等)

4 その他評価に関する重要事項

2 総合評定

1 評語による評定

2 記述による全体評定

3 中期目標管理法人が実施した事項のうち、中期目標・中期計画・年度計画に記載のない事項で、全体評定において考慮すべき事項

4 見込評価においては、業務及び組織の全般的な見直し並びに次期中期目標策定に関して取るべき方策

5 次期中期目標期間に係る予算要求について検討すべき事項

6 中期計画の変更が必要な場合には当該事項

7 中期目標期間評価において、次期中期目標の変更が必要な場合には当該事項

8 外部有識者の助言

3 項目別評定の総括表

1 項目別評定で付された評語の経年による一覧表示

2 各項目に付された重要度・難易度が分かるように記載

3 評価対象年度において該当する事象がなかった場合には「-」とし、総合評定に反映しない。

4 項目別評定

1 当該事務及び事業に関する基本情報

ア 当該事務・事業の実施の根拠(関連する政策・施策、個別法の条文番号など)

イ 政策評価における事前分析表等との関連(事前分析表番号、行政事業レビューのレビューシートの番号を記載し、対応する達成手段を明らかにする。)

ウ 当該項目の重要度、難易度(目標策定の際に定めたものを記載)

2 主要な経年データ

ア アウトプット及び(又は)アウトカム情報

イ インプット情報(予算額、決算額、経常費用、行政サービス実施コスト、人員数など)

3 目標、計画、評価に関する事項

ア 対応する中期目標・中期計画・年度計画

イ 業務の実績、自己評価

ウ 用いた評価指標、評価の視点

エ 評定及びその根拠

オ 業務運営上の課題及び改善方策

カ 目標水準の変更が必要な場合にはその概要

キ 外部有識者の助言

4 その他参考情報(必要に応じ実施する予算差異分析、財務分析など)

(3)記載における留意点

  1. 評価書は国民に対し中期目標管理法人の業務の実績とその評価を説明する重要な書類であることを踏まえ、曖昧又は冗長な表現は排除し、簡潔かつ明瞭な分かりやすいものとするよう留意する。
  2.  経年比較等のデータ比較・分析情報を表形式で記載するなど、一覧性や分かりやすさに留意する。
  3. 見込評価と中期目標期間実績評価の項目別評定は、それぞれ並列して表記し、見込みと実績の差異を分かりやすく示すよう留意する。
  4. 記入すべき情報の分量が多く統一性・一覧性が損なわれるおそれがある場合は、適宜、別紙への記入等を行う。

3 国立研究開発法人の評価に関する事項

 1 総論

(1)国立研究開発法人の評価の第一目的

 「効果的かつ効率的」という法人の業務運営の理念の下、「研究開発成果の最大化」(※)という国立研究開発法人の第一目的を踏まえ、「研究開発成果の最大化」と「適正、効果的かつ効率的な業務運営」との両立の実現につながるよう、評価を行うことが重要である。
※ 「研究開発成果の最大化」とは「独立行政法人の目標の策定に関する指針」3の1(2)の「研究開発成果の最大化」をいう。

(2)国立研究開発法人評価の重点

 個々の「研究開発課題(事業)」については、各国立研究開発法人においても、また、重要度等に応じて国の関与の下でも、高度な専門的知見・経験等を踏まえた研究開発評価(「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成24年12月6日内閣総理大臣決定。以下「大綱的指針」という。)を踏まえた評価)が行われている。
 このことを踏まえ、評価においては、個別具体的な事業、取組等についてこれらの評価結果を適切に活用した上で、「法人としての研究開発成果の最大化」、「法人としての適正、効果的かつ効率的な業務運営」について重点的に評価を行う。
 その場合であっても、個別具体的な事業、取組等についても適切に確認・評価する。

 2 評価体制

(1)評価を行う部署

  国立研究開発法人の業務の実績の評価に当たっては、研究開発成果の最大化に関する責任の一貫性及び評価の的確性を確保するため、法人を所管する課室が中心となって評価を実施する。
  また、評価の客観性を担保するため、科学技術・学術政策局企画評価課で評価結果を点検する。

(2)国立研究開発法人審議会

  国立研究開発法人審議会は、研究開発の専門性等に鑑み、3つの法人分類のうち国立研究開発法人の分類のみに制度的に明確に位置付けられている審議会として文部科学省に設置されたものであり、法人の中長期目標の策定及び評価の実施に際して重要な役割を果たすことが期待されている。そのため、審議会の委員構成は、高度な知識及び経験を有する者からなる、専門性と多様性の双方を重視したものとする。
  審議会は、主務大臣が法人から提出された自己評価書等を基に、年度評価、見込評価、中長期目標期間実績評価、中長期目標期間中間評価及び中長期目標の期間の終了時の検討を行うに際して、研究開発に係る事務及び事業に関する事項について、第三者の立場から、社会的見識、科学的知見、国際的水準等に即して適切な助言を行う。その際、中長期目標・中長期計画の策定時に主務大臣、法人の長とともに確認した評価軸(※)等を活用しながら、自己評価書の正当性・妥当性、長のマネジメントの在り方等についても確認し、法人の研究開発成果の最大化や、適正、効果的かつ効率的な業務運営の確保に向けた運営改善につながる提言を行う。
  また、法人の目標の策定、評価に関して密接不可分な事項(制度運用に関するものなど)についても検討するなど、法人の機能強化に向けて積極的に貢献する。
  なお、複数の府省が共管している法人については、各主務大臣が所管する業務に関する事項はそれぞれの研究開発に関する審議会が分担し、全体に関する事項及び共通して所管する事項については主務大臣間で協議して審議会を開催するなど、法人の評価に係る負担が過大なものとならないよう合理的な運用を図る。
※ 「評価軸」とは「独立行政法人の目標の策定に関する指針」3の5(1)5の評価軸をいう。

 3 各評価の目的・趣旨・基本方針

 各評価は、以下の目的・趣旨・基本方針に基づき行う。

(1)年度評価

  1. 年度評価は、国立研究開発法人の「研究開発成果の最大化」に資することを第一目的とし、「研究開発成果の最大化」及び「適正、効果的かつ効率的な業務運営の確保」のため評価対象年度以降の業務運営の改善等にも資するものとする。また、評価結果を役職員の処遇等に活用すること等についても留意する。
  2. 各事業年度における業務の実績等について、国立研究開発法人による自己評価の結果、各法人が個別に実施している外部評価の結果等を踏まえ、中長期計画の実施状況等に留意しつつ、法人の業務の実施状況を調査・分析し、その結果を考慮して各事業年度の業務の実績の全体について総合的な評定を行う。
  3. 中長期目標・計画の実施状況を確認しつつ、目標の策定時に設定した評価軸等に留意して行う。なお、研究開発に係る事務及び事業は、着実に実施していくことが期待される定常的・定型的業務とは異なり、長期性、不確実性、予見不可能性、専門性等といった「研究開発の特性」を有する創造的な業務であることを踏まえ、必ずしも時間に応じた線型的な事務及び事業の進捗、成果の創出等が期待できない場合が多いこと等についても十分配慮して評価を行う。
  4. 目標・計画の達成状況等にかかわらず、法人全体の信用を失墜させる不祥事が発生した場合は、当該評価項目だけでなく法人全体の評定に反映させるなど、当該年度における法人のマネジメントの状況にも留意する。
  5. 予測し難い外部要因により業務が実施できなかった場合や、外部要因に対して法人が自主的な努力を行っていた場合等には、評定において考慮する。

(2)中長期目標期間評価(見込評価、期間実績評価、中長期目標期間中間評価)

1 見込評価

  1. 見込評価は、国立研究開発法人の「研究開発成果の最大化」に資することを第一目的とし、「研究開発成果の最大化」及び「適正、効果的かつ効率的な業務運営の確保」のため、評価の結果を中長期目標期間終了時の法人の業務の継続又は組織の存続の必要性その他その業務及び組織の全般にわたる検討並びに新中長期目標の策定に活用すること等に資するものとする。
  2. 中長期目標期間終了時の直前の年度までの業務の実績及び中長期目標期間終了時に見込まれる業務の実績等に係る自己評価の結果及び各法人が個別に実施している外部評価の結果等を踏まえ、国立研究開発法人の中長期目標期間の終了時に見込まれる中長期目標の期間における業務の実績等を調査・分析し、中長期目標の達成状況等の全体について総合的に評価する。
  3. 評価の結果を踏まえ業務及び組織全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、業務の廃止若しくは移管又は組織の廃止その他の所要の措置を講じ、新中長期目標を適切に策定するよう留意する。
  4. 「3(1)年度評価」の3~5については、見込評価においても準用する。その際、「年度」を「中長期目標期間」と読み替えることとする。

2 期間実績評価

  1. 期間実績評価は、国立研究開発法人の「研究開発成果の最大化」に資することを第一目的とし、「研究開発成果の最大化」及び「適正、効果的かつ効率的な業務運営の確保」のため、中長期目標の変更を含めた、業務運営の改善等に資するものとする。また、評価結果を役職員の処遇等に活用すること等にも十分留意する。
  2. 中長期目標期間終了時において、中長期目標期間全体の業務の実績等に係る自己評価の結果及び各国立研究開発法人が個別に実施している外部評価の結果等を踏まえ、法人の中長期目標期間に係る業務の実績を調査・分析し、中長期目標期間における中長期目標の達成状況等の全体について総合的な評定を行う。
  3. 見込評価時に使用した中長期目標期間終了時の実績見込みと実績とに乖離がある場合には、期間実績評価時にその原因を分析するとともに、中長期目標等の変更の必要性について検討する。
  4. 「3(1)年度評価」の3~6については、期間実績評価においても準用する。その際、「年度」を「中長期目標期間」と読み替えることとする。

3 中長期目標期間中間評価

  1. 中長期目標期間中間評価は、国立研究開発法人の「研究開発成果の最大化」に資することを第一目的とし、「研究開発成果の最大化」及び「適正、効果的かつ効率的な業務運営の確保」のため、中長期目標の変更を含めた、業務運営の改善等に資するものとする。また、評価結果を役職員の処遇等に活用すること等についても十分留意する。
  2. 通則法第21 条の2第1項ただし書で定める法人の長の任期が終了する場合の、当該任期の末日を含む事業年度末までの期間(中間期間)について、中長期目標期間の開始時から当該事業年度までの業務の実績に係る自己評価の結果及び各法人が個別に実施している外部評価の結果等を踏まえ、国立研究開発法人の中間期間に係る業務の実績を調査・分析し、中間期間終了時までの中長期目標の達成状況等の全体について総合的な評定を行う。
  3. 「3(1)年度評価」の3~5については、中長期目標期間中間評価においても準用する。その際、「年度」を「中間期間」と読み替えることとする。

 4 自己評価結果の活用等

(1)通則法第35条の6第3項及び第4項に基づき作成する国立研究開発法人による自己評価書は、研究開発成果の最大化に資することを第一目的としつつ、国民に対する説明責任の履行、適正、効果的かつ効率的な業務運営の確保及び法人の自律的な業務運営の改善への活用等を目的とする。あわせて、主務大臣が行う評価のための情報提供に資するものとする。

(2)国立研究開発法人は、主務大臣の評価に必要なデータやその分析結果を明らかにした客観性のある自己評価書を作成する。

(3)年度評価及び中長期目標期間評価において、自己評価書を十分に活用し、効果的かつ効率的な評価を行う。国立研究開発法人から質の高い自己評価書が提出され、かつ、それについて十分な説明責任が果たされている場合は、自己評価書を最大限活用し、当該自己評価書の正当性の観点から確認することや、国立研究開発法人審議会から当該自己評価書についての意見、助言等を聴取すること等を通じて、適切かつ合理的に評価を行う。

(4)国立研究開発法人の業務実績、目標・計画の達成状況等について自己評価書等により把握、分析し、法人業務の政策・施策への適合性、法人の長のマネジメントの妥当性など、政策責任者としての視点を持ちながら評価を行う。

(5)国立研究開発法人に対する評価において、質の高い自己評価を基盤として、それを適切に活用して評価することが望ましい。法人は、上記の主務大臣の評価に自己評価書が円滑に活用されるよう、自己評価書の作成に当たって、以下の点に努める。

  1. 本基準の(3の3)「各評価の目的・趣旨・基本方針」、(3の5)「評価の単位の設定」及び(3の6)「評価の方法等」(法人として実施可能なものに限る。)を踏まえ、国立研究開発法人のミッション、個別目標等に応じて設定された評価軸を意識して評価を行う。
  2. 国立研究開発法人の有効なマネジメントに資するよう、業務運営の状況について、十分な資料に基づき客観的かつ具体的に記述する。
  3. 業務実績、目標・計画の達成状況及び法人内のマネジメントの状況等について、評価において十分に説明し得るよう、既に実施した研究開発課題(事業)の評価結果等を活用しつつ、プログラム単位など目標に応じたマネジメントに係る実効的な単位で評価を行い、当該自己評価を適正に行うための評価単位を統合したものが主務大臣が行う評価単位と整合するよう留意する。なお、その際、自己評価書の作成が法人の過度な負担とならないよう配慮する。
  4. 記載内容の客観性、信憑性に十分留意しつつ、外部評価結果等を適切に活用し、自己評価に反映する。
  5. 自己評価において業務運営上の課題を検出した場合には、具体的な改善方策などについても記入する。
  6. 自己評価及び主務大臣による評価において検出された業務運営上の課題に関する改善方策などが示されているものについては、次年度以降の自己評価書において、その実施状況を記入する。

 5 評価単位の設定

 項目別評定は、「独立行政法人の目標の策定に関する指針」に基づき、原則、中長期目標を定めた項目を評価単位として評価を行う。
 なお、中長期目標期間における実績評価(見込評価)の結果、当該期間に設定した目標の項目について改善が必要とされた場合は、当該評価結果を次期中長期目標期間における目標の項目の設定に適切に反映させる。
 研究開発に関する事務及び事業以外については、的確な評価を実施するため、上記の考えに基づき設定した単位をより細分化した単位で項目別評定を行う場合がある。 

6 評価の方法等

 「研究開発成果の最大化」、「適正、効果的かつ効率的な業務運営を確保」等の目的を踏まえ、以下の方法等により評価を行い、評価の実効性を確保する。

(1)評価の手順及び手法

  原則、以下の手法による。

  1. 国立研究開発法人に対し評価に際し必要かつ十分な資料の提出を求める。
  2. 評価に当たって法人の長からのヒアリングを実施するほか、監事等からも意見を聴取するなど役員等から必要な情報を収集し、法人の実情を踏まえた的確な評価を実施する。
  3. 国立研究開発法人審議会を開催し、意見を聴く。
  4. 目標・計画(予算)と実績(決算)の差異についての要因分析を実施する。
  5. 業務実績と成果(アウトプット)・効果(アウトカム)の関連性等を明らかにした上で評価する。
  6. 財務情報等を活用し、研究開発活動に係る成果等とインプットを対比させる。
      なお、研究開発に係る事務及び事業に係る定量的なアウトプット指標のみを用いて機械的に効率性を図るような評価だけでは「研究開発成果の最大化」を促すような評価とはならないことから、国立研究開発法人のミッション、個別目標等に応じて設定された適切な諸評価軸を用いて、質的・量的、経済的・社会的・科学技術的、国際的・国内的、短期的・中長期的な観点等から総合的に勘案した結果としての研究開発活動に係る成果等とインプットとを対比させる。
  7. 過去の関連する政策評価、行政評価・監視及び行政事業レビューの結果を活用する。
  8. 業務の特性に応じ、企業会計的手法による財務分析、経年比較による趨勢分析等の財務分析を行う。
  9. 同一法人の過去の実績との比較・分析を行う。
  10. 複数の施設・事務所で同種の業務を行っており、全体の評価を行うだけでは業務運営上の課題を把握し難い場合には、施設・事務所ごとの業務実績を把握し、計画に対する比較・分析を行う。

 上記のほか、必要に応じて以下に掲げる事項その他評価の実効性を確保するための手法を適用する。  

  1.  国立研究開発法人に対する現地調査
  2.  同業種の民間企業や海外における事例等との比較・分析

(2)評価の視点等

1 研究開発に係る事務及び事業に関する評価
 中長期目標の策定時に、国立研究開発法人のミッション及び個別目標等に応じ、法人及び国立研究開発法人審議会の意見等を踏まえて設定した評価軸を基本として評価を行う。
 ただし、法人における研究開発に係る事務及び事業は、諸事情の変化に応じて迅速かつ柔軟に対応していく動的なシステムの中で捉えていく必要があることから、科学技術の急速な進展や、社会や経済の大きな情勢変化等の諸事情により、従来の評価軸より適切な評価軸を設定する必要がある場合には、評価の実効性を確保するため、評価軸についても適切かつ柔軟に見直す。
 評価軸は、科学技術イノベーション政策等国の諸政策の推進の観点とも適切に整合性が図られたものとする。
 評価軸を基本として評価する際は、定性的な観点及び定量的な観点の双方を適切に勘案して評価する。
 なお、客観的・定量的な評価指標を設定することの研究開発の現場への影響等についても十分に考慮し、評価・評定の基準として取り扱う指標(評価指標)と、正確な事実を把握するために必要な指標(モニタリング指標)とを適切に分けて取り扱う。
 そのほか、以下に留意して評価を行う。

1 「研究開発成果の最大化」に向けた評価
  国立研究開発法人の第一目的である「研究開発成果の最大化」とは、国民の生活、経済、文化の健全な発展その他の公益に資する研究開発成果の創出を国全体として「最大化」することである。これは、個々の研究課題(事業)を個別に「最適化」しそれを積み上げることのみによって確保されるというよりも、むしろ、法人がマネジメント力を最大限に発揮することにより、
    ア 研究開発に係る優れた人材の確保・育成を図る。
    イ 適切な資源配分を実施する。
    ウ 事業間の連携・融合を促す。
    エ 研究者の能力を最大限引き出す研究開発環境を整備する。
    オ 大学・民間企業等の他機関と連携・協力を進める。
等を通じて、法人全体として最大の成果を創出することによって確保されるものである。
 そのため、法人の第一目的である「研究開発成果の最大化」のためには、目標を定めた項目を評価単位とすることを原則とし、法人のミッション、個別目標等に応じて設定された適切な諸評価軸を用いて、質的・量的、経済的・社会的・科学技術的、国際的・国内的、短期的・中長期的な観点等から総合的に評価する。
 また、「研究開発成果の最大化」は、法人が自ら実施する研究開発により創出された直接的な成果のみならず、当該法人の使命、業務等に応じて、革新的技術シーズを事業化へつなぐ応用研究や成果の実用化などの橋渡し、ベンチャー・中小・中堅企業等の育成と活用促進、研究開発に係る人材の養成、多様な人材の活用促進、科学技術に対する理解の増進、科学技術情報の収集・提供・分析・戦略策定、施設・設備の整備・共用促進、行政への技術的支援、他機関との連携・協力等を通じて、大学、民間事業者等他機関の研究開発成果も含めた我が国全体としての研究開発成果を最大化することであることに留意して評価する。
  また、法人の「研究開発成果の最大化」に向けて責任を有する当事者として、業務の実績についての評価(evaluation)を踏まえて適切に指摘・助言等を行うとともに、優れた取組・成果等に対する積極的な評価(appreciation)、将来性について先を見通した評価(assessment)等についても織り込むなど、法人の「研究開発成果の最大化」に向けて、好循環の創出を促す評価を行う。

2 「適正、効果的かつ効率的な業務運営の確保」に向けた評価
 法人についても公費を基盤として活動する主体であることから、適正、効果的かつ効率的な業務運営の確保の観点から適切に評価を行う。
 また、「国の行政の業務改革に関する取組方針~行政のICT化・オープン化、業務改革の徹底に向けて~」(平成26年7月25日総務大臣決定)において、法人に対しても国の行政機関の取組に準じて業務改革に取り組むよう要請されているところであるため、同方針の要請を踏まえた目標の取組状況についても、業務改革の推進の観点から適正に評価を行う。

3 研究開発の特性等を踏まえた評価
 国立研究開発法人ごとに、あるいは一法人の中でも各々の研究開発の性格が異なること、研究開発には長期性、不確実性、予見不可能性、専門性等の特性があること等に鑑み、法人の評価に当たっては、目標の達成度を評価する手法、国際的な水準を踏まえ専門的に評価する手法、将来性について先を見通して評価する手法、アウトカムへの貢献状況について評価する手法、橋渡し研究について受託研究等企業からの資金受入れを含めて評価する手法、ベンチャー・中小・中堅企業等の育成・活用を評価する手法等、最もふさわしい評価手法を適切に選択する。
 また、研究開発に係る事務及び事業は、着実に実施していくことが期待される定常的・定型的業務とは異なり、長期性、不確実性、予見不可能性、専門性等といった「研究開発の特性」を有する創造的な業務であることを踏まえ、必ずしも時間に応じた直線型的な事務及び事業の進捗、成果の創出等が期待できない場合があること等についても十分配慮して評価を行う。

4 競争的研究資金等の外部資金による事業等の評価に係る留意点
 競争的研究資金制度や民間企業等からの委託研究等の運営費交付金以外の外部資金による事業等は、必ずしも事前に獲得が予見できるものではないこと、通常において法人評価とは別に評価が行われていることなどを踏まえ、評価の不合理な重複を回避しつつ、外部資金による事業等に係る取組、成果等についても適切に評価に加味するなど、運営費交付金関係事業等に対する評価とは異なる適切な取扱いとする。

5 研究不正の防止に係る評価
 国立研究開発法人における研究不正に対応するための規程や組織としての責任体制の整備及び運用状況を確認していくこと等を通じて、法人が、研究不正を事前に防止する取組を強化するとともに、組織としての責任体制を確立し、管理責任の明確化を図り、万が一研究不正が発生した場合に厳正に対応する等の取組に資するような評価を行う。

6 法人に共通的なマネジメントに係る評価の視点公費を基盤として活動する国立研究開発法人として共通的なマネジメント(政府方針、財務状況、保有資産の管理・運用、人件費管理、契約、関連法人等)に係る評価については、中期目標管理法人に対して示されているものと同様の評価の視点を踏まえて評価することを基本とする。
 ただし、例えば、知的財産の管理、給与水準、人件費、契約、運営費交付金債務に係る事項等、「研究開発成果の最大化」とも関連する事項については、研究開発の特性、法人のミッション、業務の特性、国際的な動向等を踏まえて別途適切な評価の視点を設定するなど、「研究開発成果の最大化」という第一目的をも踏まえ、「適正、効果的かつ効率的な業務運営」と「研究開発成果の最大化」の両立の実現に資するという観点を十分に考慮に入れて評価を行う。

7 長のマネジメントの評価
 長のマネジメントについて適切に確認・評価する。その際、長のマネジメントの研究開発面・経営面双方についてのサポート体制についても確認する。特に、期待される成果が乏しい又は見込み難く、その原因として長のマネジメントにも課題があると判断される場合は、長のマネジメントについての改善策の提出を求め、それでもなお改善が見込み難い場合は、具体的な指摘、助言等を行う。

8 評価結果の活用等
 国立研究開発法人は、評価結果を、「研究開発成果の最大化」、「適正、効果的かつ効率的な業務運営の確保」に向けて、業務運営の改善等のために適切に活用する。
 法人の「研究開発成果の最大化」、「適正、効果的かつ効率的な業務運営の確保」等につなげるために、評価結果を、次期中長期目標の策定、長の任命等に適切に活用する。
 また、国民に対して分かりやすく説明責任を果たすため、評価書を適切に作成し、その積極的に公表するよう留意する。
 

 2 研究開発以外の事務事業に関する評価

  別途総務省行政管理局長が示す「目標策定の際に考慮すべき視点」等を参考にし、業務の質の向上、業務の効率化、財務内容の改善等の観点から、それぞれの業務の特性に応じた評価の視点を設定し、国立研究開発法人に対して業務運営の改善等を促すような評価を行う。
  また、「国の行政の業務改革に関する取組方針~行政のICT化・オープン化、業務改革の徹底に向けて~」(平成26年7月25日総務大臣決定)において、法人に対しても国の行政機関の取組に準じて業務改革に取り組むよう要請されているところであるため、同方針の要請を踏まえた目標の取組状況についても業務改革の推進の観点から適正に評価を行う。
  さらに、「独立行政法人における調達等合理化の取組の推進について」(平成27年5月25日総務大臣決定)において、「各法人がPDCAサイクルにより、透明性・外部性を確保しつつ、自律的かつ継続的に調達等の合理化に取り組むとともに、主務大臣がこれをチェックする枠組みを整備し、政府全体として調達等の合理化を推進することとする。」とされており、同決定を踏まえた目標の取組状況についても合理的な調達の観点から適正に評価を行う。 

7 項目別評定及び総合評定の方法、評定区分

(1)年度評価

 1 項目別評定

1 評定区分

ア 原則として、S、A、B、C、Dの5段階の評語を付すことにより行う。

イ 「B」を標準とする。
・ 研究開発に係る事務及び事業
各評価項目の評定区分の関係は、以下のとおりとする。

S:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、適正、効果的かつ効率的な業務運営の下で「研究開発成果の最大化」に向けて特に顕著な成果の創出や将来的な特別な成果の創出の期待等が認められる。

A:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、適正、効果的かつ効率的な業務運営の下で「研究開発成果の最大化」に向けて顕著な成果の創出や将来的な成果の創出の期待等が認められる。

B:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、「研究開発成果の最大化」に向けて成果の創出や将来的な成果の創出の期待等が認められ、着実な業務運営がなされている。

C:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、「研究開発成果の最大化」又は「適正、効果的かつ効率的な業務運営」に向けてより一層の工夫、改善等が期待される。

D:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、「研究開発成果の最大化」又は「適正、効果的かつ効率的な業務運営」に向けて抜本的な見直しを含め特段の工夫、改善等が求められる。

・ 研究開発に係る事務及び事業以外中期目標管理法人の規定を準用する。この場合において、「中期目標」を「中長期目標」と、「中期計画」を「中長期計画」と読み替えることとする。

2 項目別評定の留意事項

ア その評定に至った根拠、理由等を分かりやすく記述するとともに、必要に応じ、国立研究開発法人の業務運営の改善に資する助言等についても付言する。

イ 目標で設定された難易度の高い項目に限り、評定を一段階引き上げることを検討する。ただし、評定を引き上げる場合は、評定を引き上げるにふさわしいとした根拠について、具体的かつ明確に記述する。

ウ 国立研究開発法人のミッション、個別目標等に応じて設定された適切な諸評価軸を用いて、質的・量的、経済的・社会的・科学技術的、国際的・国内的、短期的・中長期、政策的観点等から総合的に評価した結果を評定に反映する。

エ 評定は、それぞれの研究段階、研究特性、研究方法等に応じて、目標策定時に多角的に設定された評価軸に関して必要に応じて重み付けを行い、外部の専門的な知見・見識も踏まえて総合的な勘案により行うものであるが、その際、どのような理由で何に重み付けを行い、それを踏まえてどのような判断により評定に至ったかの理由を、分かりやすい形で目標の内容に応じて定量的・定性的な観点から明確に記述する。

オ 評定区分は上記①ⅰのとおりであるが、具体的には、

・ 「成果・取組の科学的意義(独創性・革新性・先導性・発展性等)」に関する評価軸の場合であれば、最上級のS評定としては、特に顕著な意義と判断されるものとして、例えば「世界で初めての成果や従来の概念を覆す成果などによる当該分野でのブレイクスルー、画期性をもたらすもの」、「世界最高の水準の達成」など
・ 「産業・経済活動の活性化・高度化への貢献」に関する評価軸の場合であれば、最上級のS評定としては、特に顕著な貢献と判断されるものとして、例えば「当該分野での世界初の成果の実用化への道筋の明確化による事業化に向けた大幅な進展」など
・ 「社会的価値(安全・安心な社会等)の創出への貢献」に関する評価軸の場合であれば、最上級のS評定としては、特に顕著な貢献と判断されるものとして、例えば「研究成果による新たな知見が国や公的機関の基準・方針や取組などに反映され、社会生活の向上に著しく貢献」など
・ 「マネジメント」や「人材育成」に関する評価軸であれば、最上級のS評定としては、特に顕著な貢献と判断されるものとして、例えば「国内外の大学・法人、民間事業者等との新たな連携構築による優れた研究成果創出への貢献」、「我が国において政策的に重要であるが人材不足となっている分野に対し、多数の優れた研究者・技術者の育成、活躍促進に係る取組の実施」など

が想定される。
また、

・ A評定の判断としては、S評定には至らないが成果の発見による相当程度の意義、成果、貢献
・ B評定の判断としては、成果等の創出に向けた着実な進展
・ C評定の判断としては、一層の工夫・改善の必要性
・ D評定の判断としては、抜本的見直しを含め特段の工夫・改善の必要性

が認められる場合が想定される。

カ なお、年度評価においては、例えば、成果創出に向けた進捗の早期化や成果実現の確度の向上などが明らかになった場合には、これらを加味した評定を行う。

キ 国立研究開発法人の「研究開発成果の最大化」に向けて責任を有する当事者として、業務の実績についての評価(evaluation)を踏まえて適切に指摘・助言等を行うとともに、優れた取組・成果等に対する積極的な評価(appreciation)、将来性について先を見通した評価(assessment)等についても織り込むなど、法人の「研究開発成果の最大化」に向けて、好循環の創出を促す評価を行う。

ク 特に、最上級の評定「S」を付す場合には、国立研究開発法人の実績等が最上級の評定にふさわしいとした根拠について、設定した評価軸に基づく評価結果を踏まえて具体的かつ明確に記述する。

ケ 「C」及び「D」を付す場合には、改善に向け取り組むべき方針を記述する.
なお、具体的かつ明確な問題点が明らかになった場合には、国立研究開発法人に対し、具体的な指摘、助言等を行う。

コ 目標策定の妥当性に留意し、目標の変更が必要な事項が検出された場合にはその旨記載する。

サ 期待される成果が乏しい又は見込み難く、その原因として長のマネジメントにも課題があると判断される場合は、長のマネジメントについての改善策の提出を求め、それでもなお改善が見込み難い場合は、具体的な指摘、助言等を行う。

シ 評価の基準を作成する場合において、各評価項目に対し評定を行うため具体的な目安を示す場合には、「B」が標準となるよう設定することに留意する。

2 総合評定
 総合評定は、記述による全体評定を行うとともに、項目別評定及び記述による全体評定を踏まえ、評語による評定を付して行う。
 総合評定を行うに当たっては、国立研究開発法人のミッション及び政策上の要請等を踏まえ、「法人全体としての研究開発成果の最大化に関すること」、「法人全体としての適正、効果的かつ効率的な業務運営に関すること」を重点とし、目標間の関係、重要度等についても適切に勘案しながら、法人の業務全体に係る総合評定を行う。


1 記述による全体評定

ア その評定に至った根拠、理由等を分かりやすく記述するとともに、必要に応じ、国立研究開発法人の業務運営の改善に資する助言等を付言する。
イ また、記述による全体評定は、項目別評定も踏まえ、総合的な視点から以下の事項その他評価に必要な事項を記述する。
    

・ 項目別評価の総括

a 項目別評定のうち重要な項目の実績及び評価の概要
b 評価に影響を与えた外部要因のうち特記すべきもの
c 事業計画及び業務運営等に関して改善すべき事項及び方策。特に、改善命令が必要な事項についてはその旨を具体的かつ明確に記述する。
d 目標策定の妥当性について特に考慮すべき事項等

・ 全体評定に影響を与える事象

a法人全体の信用を失墜させる事象など、法人全体の評定に影響を与える事象
b「独立行政法人の目標の策定に関する指針」3の2(2)の「法人全体を総括する章」において記載される国立研究開発法人のミッション、役割の達成について特に考慮すべき事項
c 中長期計画に記載されている事項以外の特筆すべき業績(災害対応など)

・ その他特記事項

2 評語による評定

ア 評語による評定は、項目別評定及び記述による全体評定を総合的に勘案して行う。
イ 評定は、S、A、B、C、Dの5段階の評語を付すことにより行う。
ウ 各評価項目と評定区分の関係は、以下のとおりとする。

S:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、適正、効果的かつ効率的な業務運営の下で「研究開発成果の最大化」に向けて特に顕著な成果の創出や将来的な特別な成果の創出の期待等が認められる。

A:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、適正、効果的かつ効率的な業務運営の下で「研究開発成果の最大化」に向けて顕著な成果の創出や将来的な成果の創出の期待等が認められる。

B:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、「研究開発成果の最大化」に向けて成果の創出や将来的な成果の創出の期待等が認められ、着実な業務運営がなされている。

C:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、「研究開発成果の最大化」又は「適正、効果的かつ効率的な業務運営」に向けてより一層の工夫、改善等が期待される。

D:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、「研究開発成果の最大化」又は「適正、効果的かつ効率的な業務運営」に向けて抜本的な見直しを含め特段の工夫、改善等を求める。

3 総合評定の留意事項

ア 「法人全体としての研究開発成果の最大化」及び「法人全体としての適正、効果的かつ効率的な業務運営」を重点とし、目標間の関係、重要度等についても適切に勘案しながら、国立研究開発法人の業務全体に係る総合評定を行う。

イ 国立研究開発法人のミッション等を踏まえ、「法人全体としての研究開発成果の最大化に関すること」及び「法人全体としての適正、効果的かつ効率的な業務運営に関すること」を重点とし、目標間の関係、重要度等についても適切に勘案しながら、質的・量的、経済的・社会的・科学技術的、国際的・国内的、短期的・中長期的な観点等から法人の業務全体について総合的に評価する。

ウ 国立研究開発法人の「研究開発成果の最大化」に向けて責任を有する当事者として、業務の実績についての評価(evaluation)を踏まえて適切に指摘・助言等を行うとともに、優れた取組・成果等に対する積極的な評価(appreciation)、将来性について先を見通した評価(assessment)等についても織り込むなど、法人の「研究開発成果の最大化」に向けて、好循環の創出を促す評価を行う。

エ 法人全体として期待される成果が乏しい又は見込み難く、その原因として長のマネジメントにも課題があると判断される場合は、長のマネジメントについての改善策の提出を求め、それでもなお改善が見込み難い場合は、具体的な指摘、助言等を行う。

オ あらかじめ重要度の高い業務とされた項目については、総合評定において十分に考慮する。

カ 法人全体の信用を失墜させる事象について、法人組織全体のマネジメントの改善を求める場合には、改善の状況等についても適切に勘案し評定を行う。

キ なお、「研究開発成果の最大化その他の業務の質の向上に関する事項」に属する項目で重要度を高く設定した業務について、組織全体のマネジメントの不備を原因として「C」以下の評価を行った場合には、当該状況についても適切に勘案し評定を行う。

(2)中長期目標期間評価(見込評価、期間実績評価、中長期目標期間中間評価)

1 項目別評定

1 評定区分

ア 原則として、S、A、B、C、Dの5段階の評語を付すことにより行う。
イ 「B」を標準とする。

・ 研究開発に係る事務及び事業各評価項目の評定区分の関係は、以下のとおりとする。

S:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、適正、効果的かつ効率的な業務運営の下で「研究開発成果の最大化」に向けて特に顕著な成果の創出や将来的な特別な成果の創出の期待等が認められる。

A:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、適正、効果的かつ効率的な業務運営の下で「研究開発成果の最大化」に向けて顕著な成果の創出や将来的な成果の創出の期待等が認められる。

B:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、「研究開発成果の最大化」に向けて成果の創出や将来的な成果の創出の期待等が認められ、着実な業務運営がなされている。

C:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、「研究開発成果の最大化」又は「適正、効果的かつ効率的な業務運営」に向けてより一層の工夫、改善等が期待される。

D:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、「研究開発成果の最大化」又は「適正、効果的かつ効率的な業務運営」に向けて抜本的な見直しを含め特段の工夫、改善等を求める。

・ 研究開発に係る事務及び事業以外

 中期目標管理法人の規定を準用する。この場合において、「中期目標」を「中長期目標」と、「中期計画」を「中長期計画」と読み替えることとする。

2 項目別評定の留意事項

ア その評定に至った根拠、理由等を分かりやすく記述するとともに、必要に応じ、国立研究開発法人の業務運営の改善に資する助言等についても付言する。

イ 目標で設定された難易度の高い項目に限り、評定を一段階引き上げることについて考慮する。ただし、評定を引き上げる場合は、評定を引き上げるにふさわしいとした根拠について、具体的かつ明確に記述する。

ウ 国立研究開発法人のミッション、個別目標等に応じて設定された適切な諸評価軸を用いて、質的・量的、経済的・社会的・科学技術的、国際的・国内的、短期的・中長期、政策的観点等から総合的に評価した結果を評定に反映する。

エ 評定は、それぞれの研究段階、研究特性、研究方法等に応じて、目標策定時に多角的に設定された評価軸に関して必要に応じて重み付けを行い、外部の専門的な知見・見識も踏まえて総合的な勘案により行うものであるが、その際、どのような理由で何に重み付けを行い、それを踏まえてどのような判断により評定に至ったかの理由を、分かりやすい形で目標の内容に応じて定量的・定性的な観点から明確に記述する。

オ 評定区分は上記1の1のとおりであるが、具体的には、

・ 「成果・取組の科学的意義(独創性・革新性・先導性・発展性等)」に関する評価軸の場合であれば、最上級のS評定としては、特に顕著な意義と判断されるものとして、例えば「世界で初めての成果や従来の概念を覆す成果などによる当該分野でのブレイクスルー、画期性をもたらすもの」、「世界最高の水準の達成」など

・ 「産業・経済活動の活性化・高度化への貢献」に関する評価軸の場合であれば、最上級のS評定としては、特に顕著な貢献と判断されるものとして、例えば「当該分野での世界初の成果の実用化への道筋の明確化による事業化に向けた大幅な進展」など

・ 「社会的価値(安全・安心な社会等)の創出への貢献」に関する評価軸の場合であれば、最上級のS評定としては、特に顕著な貢献と判断されるものとして、例えば「研究成果による新たな知見が国や公的機関の基準・方針や取組などに反映され、社会生活の向上に著しく貢献」など

・ 「マネジメント」や「人材育成」に関する評価軸であれば、最上級のS評定としては、特に顕著な貢献と判断されるものとして、例えば「国内外の大学・法人、民間事業者等との新たな連携構築による優れた研究成果創出への貢献」、「我が国において政策的に重要であるが人材不足となっている分野に対し、多数の優れた研究者・技術者の育成、活躍促進に係る取組の実施」など

が想定される。

また、

・ A評定の判断としては、S評定には至らないが成果の発見による相当程度の意義、成果、貢献
・ B評定の判断としては、成果等の創出に向けた着実な進展
・ C評定の判断としては、一層の工夫・改善の必要性
・ D評定の判断としては、抜本的見直しを含め特段の工夫・改善の必要性

が認められる場合が想定される。

カ 国立研究開発法人の「研究開発成果の最大化」に向けて責任を有する当事者として、業務の実績についての評価(evaluation)を踏まえて適切に指摘・助言等を行うとともに、優れた取組・成果等に対する積極的な評価(appreciation)、将来性について先を見通した評価(assessment)等についても織り込むなど、法人の「研究開発成果の最大化」に向けて、好循環の創出を促す評価を行う。

キ 特に、最上級の評定「S」を付す場合には、国立研究開発法人の実績等が最上級の評定にふさわしいとした根拠について、設定した評価軸に基づく評価結果を踏まえて具体的かつ明確に記述する。

ク 「C」及び「D」を付す場合には、改善に向け取り組むべき方針を記述する。
なお、問題点が明らかになった段階においては、具体的かつ明確な指摘、助言等を行う。

ケ 目標策定の妥当性に留意し、目標の変更が必要な事項が検出された場合にはその旨記載する。

コ 期待される成果が乏しい又は見込み難く、その原因として長のマネジメントにも課題があると判断される場合は、長のマネジメントについての改善策の提出を求め、それでもなお改善が見込み難い場合は、具体的な指摘、助言等を行う。

サ 評価の基準を作成する場合において、各評価項目に対し評定を行うための具体的な目安を示す場合には、「B」が標準となるよう設定することに留意する。

シ 期間実績評価時においては、見込評価時に見込んだ中長期目標期間終了時の業務実績の見込みと中長期目標期間実績評価時の実際の業務実績とに大幅な乖離がある場合には、その理由を明確かつ具体的に記載する。

ス 評定にあわせ、次期中長期目標期間の業務実施に当たっての留意すべき点等についての意見を記述する。

セ 中長期目標期間中間評価においては、評定にあわせ、中長期目標期間終了時までの業務実施に当たっての留意すべき点等についての意見を記述する。

2 総合評定
 総合評定は、記述による全体評定を行うとともに、項目別評定及び記述による全体評定を踏まえ、法人全体の業務実績等に対し評語を付して行う。
 総合評定を行うに当たっては、国立研究開発法人のミッション及び政策上の要請等を踏まえ、「法人全体としての研究開発成果の最大化に関すること」及び「法人全体としての適正、効果的かつ効率的な業務運営に関すること」を重点とし、目標間の関係、重要度等についても適切に勘案しながら、法人の業務全体に係る総合評定を行う。

1 記述による全体評定

ア 評定に至った根拠、理由等を分かりやすく記述するとともに、必要に応じ、法人全体の業務運営の改善に資する助言等を付言する。
イ また、記述による全体評定は、以下の事項その他評価に必要な事項を記述する。

・ 項目別評定の総括

a 項目別評定のうち重要な項目の実績及び評価の概要
b 評価に影響を与えた外部要因のうち特記すべきもの
c 事業計画及び業務運営等に関して改善すべき事項及び方策。特に、業務改善命令が必要な事項についてはその旨明記する。
d 目標策定の妥当性について特に考慮すべき事項等

・ 全体評定に影響を与える事象

a 法人全体の信用を失墜させる事象など、法人全体の評定に影響を与える事象
b 「独立行政法人の目標の策定に関する指針」3の2(2)の「法人全体を総括する章」において記載される法人のミッション、役割の達成の状況
c 中長期計画に記載されている事項以外の特筆すべき業績(災害対応など)

・ その他特記事項

2 評語による評定

ア 評語による評定は、項目別評定及び記述による全体評定を総合的に勘案して行う。
イ 評定は、S、A、B、C、Dの5段階の評語を付すことにより行う。
ウ 各評価項目と評定区分の関係は、以下のとおりとする。

S:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、適正、効果的かつ効率的な業務運営の下で「研究開発成果の最大化」に向けて特に顕著な成果の創出や将来的な特別な成果の創出の期待等が認められる。

A:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、適正、効果的かつ効率的な業務運営の下で「研究開発成果の最大化」に向けて顕著な成果の創出や将来的な成果の創出の期待等が認められる。

B:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、「研究開発成果の最大化」に向けて成果の創出や将来的な成果の創出の期待等が認められ、着実な業務運営がなされている。

C:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、「研究開発成果の最大化」又は「適正、効果的かつ効率的な業務運営」に向けてより一層の工夫、改善等が期待される。

D:国立研究開発法人の目的・業務、中長期目標等に照らし、法人の活動による成果、取組等について諸事情を踏まえて総合的に勘案した結果、「研究開発成果の最大化」又は「適正、効果的かつ効率的な業務運営」に向けて抜本的な見直しを含め特段の工夫、改善等を求める。

3 総合評定の留意事項

ア 「法人全体としての研究開発成果の最大化」及び「法人全体としての適正、効果的かつ効率的な業務運営」を重点とし、目標間の関係、重要度等についても適切に勘案しながら、国立研究開発法人の業務全体に係る総合評定を行う。

イ 国立研究開発法人のミッション等を踏まえ、「法人全体としての研究開発成果の最大化に関すること」及び「法人全体としての適正、効果的かつ効率的な業務運営に関すること」を重点とし、目標間の関係、重要度等についても適切に勘案しながら、質的・量的、経済的・社会的・科学技術的、国際的・国内的、短期的・中長期的な観点等から、法人の業務全体について総合的に評価する。

ウ 国立研究開発法人の「研究開発成果の最大化」に向けて責任を有する当事者として、業務の実績についての評価(evaluation)を踏まえて適切に指摘・助言等を行うとともに、優れた取組・成果等に対する積極的な評価(appreciation)、将来性について先を見通した評価(assessment)等についても織り込むなど、法人の「研究開発成果の最大化」に向けて、好循環の創出を促す評価を行う。

エ 法人全体として期待される成果が乏しい又は見込み難く、その原因として長のマネジメントにも課題があると判断される場合は、長のマネジメントについての改善策の提出を求め、それでもなお改善が見込み難い場合は、具体的な指摘、助言等を行う。

オ 見込評価においては、評定のほか、以下の事項を記載する。
・ 業務及び組織の全般にわたる検討並びに次期中長期目標策定に関する留意事項
・ 次期中長期目標期間に係る予算要求に関する留意事項

カ 期間実績評価においては、評定のほか、以下の事項を記載する。
・ 見込評価時に予期しなかった事項で次期中長期目標の変更等の対応が必要な事項

キ あらかじめ重要度の高い業務とされた項目については、総合評定において十分に考慮する。

ク 法人全体の信用を失墜させる事象について、法人組織全体のマネジメントの改善を求める場合には、改善の状況等についても適切に勘案し評定を行う。

ケ 「研究開発成果の最大化その他の業務の質の向上に関する事項」に属する項目で重要度を高く設定した業務について組織全体のマネジメントの不備を原因として「C」以下の評価を行った場合には、当該状況についても適切に勘案し評定を行う。

コ 見込評価においては、評価単位の設定、評価軸、評価指標、総合評定の方法等について改善が必要かどうかについて検討を行う。

 8 評価書の作成

(1)評価書の様式

 評価書は、別途総務省行政管理局長が定める様式に、必要に応じて科学技術・学術政策局企画評価課において修正等を加えたものに基づき作成するものとする。

(2)記載すべき事項

 評価書には、以下の事項を記載する。

1 評価の概要

1 評価対象に関する事項

ア 法人名
イ 対象年度(年度評価)
ウ 対象期間(中長期目標期間評価)

2 評価の実施者に関する事項

ア 共管法人の場合には評価の分担の概要
イ 評価を担当した部局、作成者(課長名)
ウ 評価を点検した部局、作成者(課長名)

3 評価の実施に関する事項
    ア 理事長ヒアリングなど、評価に際し実施した手続
    イ 国立研究開発法人審議会の概要及び審議の実績(構成員、活動実績、主な審議内容等)

4 その他評価に関する重要事項

2 総合評定

1 評語による評定
2 記述による全体評定
3 法人が実施した事項のうち、中長期目標・中長期計画・年度計画に記載のない事項で、全体評定において考慮すべき事項
4 見込評価においては、業務及び組織の全般的な検討及び次期中長期目標策定に関して取るべき方策
5 次期中長期目標期間に係る予算要求について検討すべき事項
6 中長期計画の変更が必要な場合には当該事項
7 中長期目標期間評価において、次期中長期目標の変更が必要な場合には当該事項
8 国立研究開発法人審議会の意見

3 項目別評定の総括表

・項目別評定で付された評語の経年による一覧表示
・必要に応じ各項目に付された重要度・難易度が分かるように記載
・評価対象年度において該当する事象がなかった場合には「-」とし、総合評定に反映しない。

4 項目別評定

1 当該事務及び事業に関する基本情報

ア 当該事務・事業の実施の根拠(関連する政策・施策、個別法の条文番号など)
イ 政策評価における事前分析表等との関連(事前分析表番号、行政事業レビューのレビューシートの番号を記載し、対応する達成手段を明らかにする。)
ウ 必要に応じ当該項目の重要度、難易度(目標策定の際に定めたもの等を記載)

2 主要な経年データ

ア アウトカム及び(又は)アウトプット情報
イ インプット情報(予算額、決算額、経常費用、行政サービス実施コスト、人員など)

3 目標、計画、評価に関する事項

ア 対応する中長期目標・中長期計画・年度計画
イ 業務の実績、将来的な成果の創出の期待等、自己評価
ウ 評価軸、用いた評価指標、モニタリング指標、評価の視点
エ 評定及びその根拠
オ 業務運営上の課題及び改善方策
カ 目標水準の変更が必要な場合にはその概要
キ 国立研究開発法人審議会の意見

4 その他参考情報(必要に応じ実施する予算差異分析、財務分析など)

(3)記載における留意点

  1 評価書は国民に対し国立研究開発法人の業務の実績とその評価を説明する重要な書類であることを踏まえ、曖昧又は冗長な表現は排除し、簡潔かつ明瞭な分かりやすいものとするよう留意する。
  2 経年比較等のデータ比較・分析情報を表形式で記載するなど、一覧性や分かりやすさに留意する。
  3 見込評価と中長期目標期間実績評価の項目別の評定はそれぞれ並列して表記し、見込みと実績の差異を分かりやすく示すよう留意する。
  4 記入すべき情報の分量が多く統一性・一覧性が損なわれるおそれがある場合は、適宜、別紙への記入等を行う。

お問合せ先

科学技術・学術政策局 研究開発基盤課 量子研究推進室

(科学技術・学術政策局 研究開発基盤課 量子研究推進室)