国立研究開発法人審議会 防災科学技術研究所部会(第25回) 議事録

1.日時

令和3年6月30日(水曜日) 15時00分~18時00分

2.場所

Web開催

3.議題

  1. 部会長の選任及び部会長代理の指名について(非公開)
  2. 令和3年度国立研究開発法人審議会防災科学技術研究所部会の進め方について
  3. 国立研究開発法人防災科学技術研究所の令和2年度業務実績評価について(非公開)
  4. その他

4.出席者

委員

中川部会長、国崎部会長代理、越村委員、重川委員、新海委員、瀧澤委員、Mori委員、若林委員

文部科学省

鎌田地震・防災研究課長、福田防災科学技術推進室長、山田室長補佐

5.議事録

【山田室長補佐】  それでは、ただいまより文部科学省国立研究開発法人審議会第25回防災科学技術研究所部会を開催いたします。
 本日は第4期最初の部会となりますので、部会長を選出させていただくまでの間、事務局で進行させていただきます。
 本日は昨年度と同様、ウェブ会議となっております。会議資料につきましては事前に送信いたしましたので、電子ファイルを御参照ください。また、本日の資料のうち参考資料1及び2として、防災科研の業務実績等報告書を用意しておりますので、ヒアリングと併せて御覧いただくようお願いいたします。

(議題1「部会長の選任及び部会長代理の指名について」(部会長の決定その他の人事に係る案件に該当するため、防災科学研究所部会運営規則第4条に基づき非公開))
(議題1終了、傍聴者入室)

【中川部会長】 それでは、本部会の開催に当たりまして、部会長として一言御挨拶申し上げます。国立研究開発法人審議会も第4期に入りました。後に研発審の事務局からお話がありますけれども、災害の被害を軽減する防災科学技術研究所において、どう研究開発成果を最大化しているかを評価し、より成果を上げていただくという視点で、私たちはお手伝いをさせていただいていると思います。また、今年も1年間よろしくお願いいたします。
次に、事務局である文部科学省の鎌田地震・防災研究課長より御挨拶をお願いいたします。

【鎌田課長】 どうもありがとうございます。地震・防災研究課長の鎌田でございます。委員の先生方におかれましては、御多用のところ、「防災科学技術研究所部会」の第4期の委員をお引き受けいただきまして、改めて御礼申し上げます。
本年3月に閣議決定された第6期科学技術・イノベーション基本計画におきましては、我が国が目指す社会としてSociety5.0の実現が重要な課題となっております。その中でも、激甚化する大規模自然災害への対応として、「国民の安全と安心を確保する持続可能で、強靭な社会への変革」が強く求められております。
防災科学技術研究所は本年度、中長期目標、中長期計画の6年目でございますけれども、「研究開発成果の最大化」を行いながら、科学技術・イノベーション基本計画をはじめとする国の様々な方針、戦略への対応や、地震、火山などの観測調査研究基盤の整備、運営などの重要な役割を担っていくことが強く期待されております。
委員の先生方におかれましては、今期も、長時間、複数回にわたるヒアリングや御審議なども予定されており、また、ウェブ会議の形式などで御不便をおかけして大変恐縮でございますけれども、比較的小さな予算、人員体制の下で、このような重要な役割を担っていくべく、尽力・奮闘している防災科学技術研究所の取組等につきまして、厳しくも、温かく、さらなる励みにつながるような評価、御助言、御指導をいただきますことをお願いさせていただきまして、私からの挨拶とさせていただきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

【中川部会長】 次に、令和3年度の部会の進め方について、事務局から説明をお願いいたします。まず、国立研究開発法人審議会事務局から第3期の指摘事項の説明として、科学技術・学術政策局の佐野科学技術・学術戦略官から御説明をお願いいたします。資料は3-1から3-4になります。

【佐野戦略官】 それでは、説明を進めさせていただきます。資料3-1「文部科学省国立研究開発法人審議会(第3期)における指摘事項について」、御説明させていただきます。
まず、1パラ目でございます。この資料の位置づけについて記載してございます。この審議会でございますが、平成27年に設置されて以来、様々な国立研究開発法人の実績の評価を行ってきたという記載がございます。先ほどもお話がありましたように、研究開発成果の最大化という大きな目標の下での個別の法人評価にとどまらず、評価の在り方、指摘、観点について、第1期より部会並びに審議会で意見交換をし、メモとして次期に引き継いできたと記載されてございます。
このまとめは全部で12ページになりますが、このまとめにつきましては第3期の国立研究開発法人審議会において示されました「法人運営や評価についての指摘事項を整理したものである」と記載してございます。
1つパラを飛ばしていただいて、次のところでございます。こちらにつきましては、法人審議会の議論につきまして、法人評価はよいところをさらに進展させ、遅れている点を改善するということが意識として共有されたという記述がございます。それぞれの法人のミッションや特性を意識した評価、また、定量的な成果はもとより、法人運営や目的を達成するためのプロセスの評価の重要性も指摘されてきた。そして、画一的でない多面的な評価とともに、客観的で分かりやすい視点での法人の具体的な活動が重要だという記載がございます。
次のパラでございます。この資料でございますが、「研究成果の最大化」を目指し、各法人がより高い目標を持って活動できるように、どのような評価が適切かを個別の法人の状況も踏まえて議論した結果を反映したものでございまして、部分的には矛盾する表現もあるという記載がございます。そして、各法人の特性に応じて必要な項目を抽出して、活用いただきたいということになってございます。
そして、中長期目標計画の策定から最終年度の1巡にも至っていないことから、法人評価の在り方はまだプロセスの途中にあるということで、第4期に当たっても引き続き議論していく必要があるという認識が書かれております。
2ページ目をお願いいたします。この資料は全部で12ページでございます。こちらについては、目次を書かせていただいております。大きく分けますと、1ポツ、目標策定・法人運営に関する指摘事項、2ポツ、法人評価に関する指摘事項という大きな2つに分けて書かせていただいております。この中で、2ポツの(1)法人評価全般に関する指摘事項、(2)法人の自己評価に関する指摘事項、(3)主務大臣評価に関する指摘事項という内容がございますが、本日は時間の関係で、7ページの(1)法人評価全般に関する指摘事項を中心に説明をさせていただきたいと思います。
それでは、7ページ目、法人評価全般に関する指摘事項につきまして、アンダーラインの部分を中心に説明させていただきます。まず、評価の効率化ということで、評価作業の簡素化、効率化、負担軽減に一層留意することが必要という記載がございます。それから、KPIの設定・プロセス評価ということで、法人評価に説明性があることが必要ということで、法人に共通するKPIがあってもよいのではないかという認識が示されており、また、法人自らにきちんとアピールしていただくことが重要ということ、それから、評価委員会で軽々に自己評価を変更することは望ましくないという記載がございます。
1つ丸を飛ばしていただきまして、「研究開発成果」の丸でございます。こちらのアンダーラインのところでございます。中長期目標に記載された達成目標等を基準に、多年度を見越したロードマップと、その中での年度目標及び目標達成に向けたKPIを明確にすることや、その上で、個別の項目の達成可否のみならず、項目全体の達成状況を客観的に把握、評価することが重要ではないかという記載がございます。
次の丸に移らせていただきます。ここにはアウトカムによる評価だけではなく、そこに至るプロセスも考慮するなど、研究開発の特性に応じた適切かつ柔軟な工夫を行うことが必要ではないかという記載がございます。
その次の丸でございます。こちらは「基礎的な科学分野であったとしても」というところでございますが、納税者たる国民や社会全体に対してどのようなベネフィットやアウトカムを創出し得るのか、そして、この利用に当たっては便益とともにリスク等があるのかについても、可能な限り対外的な発出を行うとともに、それの評価についても適切に取り上げることが重要ではないかという記載がございます。
次のページに行かせていただきまして、一番上でございます。法人運営に関する評価につきましては、数値の達成度のみで評価するのではなく、法人全体の経営戦略との関係、研究プロジェクトのマネジメントやプロセスの合理性を評価するなど、効率性のみならず効果があるかという視点を考慮することが重要ではないかという記載がございます。
それから、新型コロナ感染症の影響を考慮した評価ということで、御存じのとおり、新型コロナウイルス感染症に関してはまだ影響が継続している状況がございまして、各部会等における助言、審議においても、これらを十分に考慮することが重要という記載がありまして、2点ほどの注意事項がございます。
「その他」でございます。法人の自己評価と各委員の評価、または委員間の評価にギャップがある場合につきましては、委員と法人との間で丁寧な質疑応答等を行うなど、そのギャップについて十分な分析を行う必要があるということでございます。
国際的なプログラムに連動する研究開発についても指摘事項があるところでございます。
時間の関係で、この資料につきましてはここまでとさせていただきまして、資料3-2に移らせていただきます。
国立研究開発法人制度でございます。このページにつきましては、真ん中の下のほうに、国立研究開発法人というものは独立行政法人の中の一つでございまして、研究開発に係る事務、事業を主要業務とし、研究開発の成果の最大化を目的とする法人ということで、文科省所管法人の8法人がこの審議会にはあるという記載でございます。
次のページでございますが、この審議会ですけれども、改正独法の通則法に基づきまして、文科省に設置されている審議会でございます。左側の下にございますが、審議会の構成といたしまして8つの部会がございます。この中で、防災科学技術研究所の部会につきましては上から2つ目に書かせていただいてございます。右側の図には目標・評価のサイクルということで、中長期目標を策定して、認可をして、業務実績を評価するという一連のサイクルについて書かせていただいております。
1ページ飛んでいただきまして、内容は次のページのほうが分かりやすいので、こちらで説明させていただきます。このページにつきましては、国立研究開発法人の中長期目標期間表でございまして、平成25年度から令和9年度まで、それぞれ8つの法人、部会におきまして、どのような期間評価、実績評価、中間評価が行われるのかを記載させていただいております。令和3年、令和4年を四角で囲わせていただいておりますが、それぞれの法人で評価、大体5年から7年でございますが、この期間でございますけれども、防災科学技術研究所につきましては本年度、通常の評価、来年度は見込み評価が行われる予定となってございます。
少し飛ばせていただきまして、文部科学省の国立研究開発法人の評価に関する基準についてです。こちらに記載しておる内容でございますが、評定区分でございますけれども、S、A、B、C、Dの5段階が規定されております。この中でBが標準になりまして、Bは研究開発成果の最大化に向けて、成果の創出、将来的な成果の創出の期待等が認められ、着実な業務、運営がなされているものをBとするということで、ここに書かれているA、Sにつきましてはこの形で区分されてございます。
この資料につきましてはこれまでとさせていただきまして、資料3-3に移らせていただければと思います。こちらは第6期の科学技術・イノベーション基本計画のうち、国立研究開発法人に関連する主な記述をまとめさせていただいたものでございます。
まず、1ページ目の上、国立研究開発法人に関する項目がございます。ここに2ポツ(3)、(c)、5と書いてございます、「国立研究開発法人の機能・財政基盤の強化」がございます。これはこの基本計画中、唯一単独で国立研究開発法人につきまして記載されているところでございます。内容につきましてはここに記載のとおりでございますが、国は国立研究開発法人がその責務を果たし、研究開発成果の最大化に向けて効果的かつ効率的に業務運営、マネジメントを行えるよう、各法人等の意見も踏まえつつ、運用事項の改善に努める。そして、国立研究開発法人が民間企業との共同研究の推進、財政基盤の強化に取り組めるよう必要な取組を推進するという記載がございます。
その後、国立研究開発法人の中長期目標に関する記述というところでございます。ここにつきましてはアンダーラインを引かせていただきましたところを御覧いただければと思いますが、各研究開発法人は、それぞれのミッションや特徴を踏まえつつ、中長期目標の改定において、総合知を積極的に活用する旨、目標の中に位置づけると記載されてございます。
以下につきましては、独法、国研、独立というわけではなくて、大学とも一緒のものなので割愛させていただきます。
資料3-4に移らせていただければと思います。こちらは「新型コロナウイルス感染症の影響等を踏まえた今後の独立行政法人評価について」という資料でございまして、総務省の独立行政法人評価制度委員会の議事概要より抜粋をしたものでございます。
この中で、評価部会長より、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた独法の評価について発言があった部分について記載させていただいてございます。まず1つ目に書かせていただいておりますが、これまでの調査、審議によりまして、令和元年度においても新型コロナウイルス感染症が法人の運営に様々な影響を与えていたことが明らかになったということで、本年度はさらに拡大をしている可能性があるということが記載されてございます。
その中で、独法の評価の指針においては、予測し難い外部要因について業務が実施できなかった場合については、評定において考慮することが記載されているということを言っておられまして、そのため、主務大臣が感染症によって予定されていた業務が実施されなかったと認める場合につきましては、評定において考慮いただくとともに、感染症が業務運営に与えた影響等の分析結果を評価書に具体的に記載いただきたいと記載されてございます。次のポツでございますが、感染症の影響でも、法人がその使命を着実に果たしていくために工夫を凝らした、また、ポストコロナに向けた具体的な計画を作製したという積極的な取組を行った場合には、そのような取組を的確に評価することが重要であると発言したということでございます。
最後、アンダーラインのところでございます。現行の目標の下で法人において様々な工夫を凝らすことで、目標を達成する可能性も含めて、主務大臣と法人の間でよく議論をし、法人の状況を十分に分析した上で検討いただきたいという発言があったということで、御紹介をさせていただきます。

【中川部会長】 この部会では、予期しない災害という外部要因もあるなかで防災科研がいろいろな活動をしたことを評価してきました。コロナのことに関しては、研発審の中でもこの部会の経験を共有してリードしてきた議論だと思います。1ページ目の4パラグラフ目に「部分的には矛盾する表現もある」とあるように、御覧いただいてもやもやしたこともあるのではないかと思います。それを皆さんから、佐野さんに直接聞いていただきたいということもありまして、お願いをして御説明いただきました。
皆さんから御意見、御質問をいただけるとありがたいのですが、いかがでしょうか。「研究開発成果の最大化」という言葉自体がどういうことを指すのか自体も、研発審の中で議論し続けています。それらが、この「指摘事項」のまとめになっているのですけれども、何か御質問はありませんか。

【越村委員】 目標策定の指摘事項というのが、研究者目線でいうと重要だというのは聞いていて思いました。目標設定ですけれども、3-1の3ページに示されている例だと、確かに何々の研究を行うというのは曖昧なので、何々の解明を目指すとか、解明するという具体的に書いてもらったほうがいいと思います。一方で、何に対して達成度を評価するんですかというところで、だからだと思うんですけれども、「解明を目指す」としているのが「解明する」だと、解明できなかったら達成できていないじゃないのということになってしまうから、こういう言い方になっているのかなと思うんです。「解明を目指す」でいいと思っていて、だとすると、成果をどうやって評価しますかと。解明できたら満点だし、解明できなくてもいろいろなステージがあるはずで、そのステージを的確に評価できるように、評価側は見識を持っておかないといけないんだろうと思って聞いていました。

【中川部会長】 佐野さん、何かコメントはありますか。

【佐野戦略官】 よい例として書かせていただいている部分について、恐らく入れた趣旨は目指すことを書かせていただいているのと、よい例としている理由としては、単に何とかの研究を行うということではなくて、多少なりとも具体的に記述をするように改善をしてはどうかという指摘を受けて、書かせていただいているかと思います。研究はどこをどうやっていくのかというのはいろいろ難しいことかと思ってございまして、その中で目標設定をどうしていくのかというのは、前期にもこういう議論もありましたし、引き続き今期も議論を続けていく部分もあるかと思ってございます。

【越村委員】 それについてはアグリーなので、そういう大きな目標に対して今年度はここまで行きましたとか、次の年度はここまでできましたということが読み取れるような自己評価なり、報告書なりがあるといいと思った次第です。

【中川部会長】 大変よい御指摘だと思います。私たちはモニタリング指標を参考にして評価するわけですが、それの置き方が研究を始めるときからちゃんと適切であるのかというと、そうもいかないことも結構あると思います。そういう指標などもどうやって見直していけばいいかも研発審の中でも議論があります。こちらの防災科学技術研究所部会で、ここはこうだね、ああだねと皆さんと一緒に議論をしていくことによって、研発審全体のそもそも研究の評価って一体何なのということも含めて反映させていくことになるのではないかという議論もしています。ですので、ただ単に防災科研の評価をするだけではなく、そこから学んだことを全体に反映していただきたいと思います。それは研発審に出席する私と国崎委員のミッションですので、なかなか難しい話ですけれども、国崎委員、ぜひよろしくお願いいたします。
重川委員、何かコメントはありますか。

【重川委員】 ありがとうございます。越村委員と似ているかもしれないですけれども、3-1の3ページ目の一番下にPDCAのPが一番重要で、戦略、構想、企画、リソースと記載されています。国立研究開発法人審議会で各法人のPに当たる中長期目標に対する議論にもっと時間を割いてはどうかというのは、私も一昨年から参画させていただいて強く感じています。それを考えても、当然その上に単年度評価、年度目標の評価がありますが、防災科研さんもそうですけれども、幅広い人が非常に深い、広い研究をされているところで、今のPDCAのPをじっくり議論する、考えるということと、同時に年度目標評価をせざる得ないところが、やっていて忸怩たるものがあるというのが本音です。
私は、自分の研究を考えてもそうですけれども、単年度なんかで大見得を切って成果は出ないです。特に今のようにコロナがありますと、フィールドワークが中心だったりすると、研究成果が下手をしたら作文みたいなものになってしまう可能性があります。研究者の方たちの研究に対する姿勢とか、研究者の研究のスピードの実態を知っていただくことも、せっかく研究開発法人審議会なので、少し検討していければいいと思っています。

【中川部会長】 まさにそういうことを、今聞いていらっしゃる防災科研の側からも表現していただきたいことですね。計画は7年ですから、そこの中にある評価軸とかモニタリング指標自体が合わないことも出てくるはずです。そこは正直にぶつけていただき、かつ研究開発法人の評価の仕組み、重川委員がおっしゃったPDCAのPの部分を皆さんで改善し、そろそろ近づいてくる次の計画に活かしていくのがよいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

【越村委員】 先ほどの目標設定に関連して、資料3-2の11ページ、評価基準です。これは我々というか評価側と、自己評価する側の研究開発法人で認識すべきことですが、あくまでも標準はBですね。目標に対して順調に、着実に進捗していますというのはBですということで、S評価、A評価、特にSというのは特に顕著な成果、エビデンスとしてあって初めてSになりますということだと思うので、そんなに簡単にSは出ないんだと改めて読み直していたところです。もし自己評価でSということであれば、ここに書いてあるようなきちんと評価基準においてのエビデンスが必要になると考えた次第です。

【中川部会長】 その辺も、この部会ではある程度理解して評価していただいていると思います。Sが続くような場合、それは法人が目標をちゃんと理解して、新しく変わった状況も含めてやり続けているのかみたいなことも資料にありましたよね、佐野さん。どこにありますか。

【佐野戦略官】 資料3-1の3ページ目の1ポツ、(1)の丸の3つ目でございます。

【中川部会長】 「継続して高い事業評価をつけている状態は、法人評価の目的が理解されていないと考えるべき」とあります。これは毎年のように新しい事態に対応しているので、それぞれに対してSになっていることが評価され、結果としてSが続くこともあり得ると思いますが、同じことでSが続くのはどうなのかという議論は研発審でしていました。そういうことですね、佐野さん。

【佐野戦略官】 はい。もう1つ上のところで、ここは「S評価が毎年続く場合等」と明示的に書いてございます。

【中川部会長】 防災科学技術研究所部会では、大変いい評価が出るところもあるのですが、厳しいことも時々言わなきゃいけないのが我々のミッションだということもここに書いておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

【国崎委員】 今期初めてではあるのですが、資料3-4で、「新型コロナウイルス感染症の影響等を踏まえた今後の独立行政法人評価について」ですけれども、これは至極ごもっともなことですが、ただ、コロナも昨年、今年と2年でして、コロナの世界情勢であったり、国内情勢における研究の体制の評価について、さすがに昨年は初めてのことでどたばただし、お互いに探り合いのところで何ができるのか、オンラインだ何だで大変だったと思うんですけれども、2年目の今年、そしてさらに来年度に対して、具体的にここをどう評価していいのか、どこまで配慮していいのかが私の中でまだ感覚として分からないところがあるんですが、そこはどのように評価したらいいのでしょうか。参考にさせていただければと思います。

【佐野戦略官】 現場の話につきましては、私どももそれぞれの研究所、国立研究開発法人の方々の御努力、それから、難しいところはそれぞれ違うものがあるのかと率直に思っているところでございます。研究開発の特性というのはそれぞれ違うところもあるかと思いますので、それぞれの法人の方々からお話を聞いた上で御評価いただくということと、それぞれの法人の方々から聞いたものを、例えば総会などで持ち寄って、もしそういうものが多ければ、そういうところについても少し情報共有をしていくということはあるかと、今お話を聞いて考えたところでございます。

【中川部会長】 計画にないことで予測し得ない外部要因というのは、防災科学技術研究所部会が最初に動き出したときに直面しています。熊本地震はじめ、災害があったことに対応したのをどう評価すると。もともとの計画の中にないから、それをポジティブに評価するという考え方もこの部会で議論をして、それを全体の研発審に持っていきました。そういう意味で、法人評価の在り方をこの部会の議論から変えてきたところもあると思います。
気になったことがあれば、単にそれを評価するのではなくて、どうしてそうなったのかも聞いて、先ほどの指摘事項になるようなことでまとめていくことも我々のミッションです。そういうことをすることで、現場の皆さんがよりよい成果を出していけるようにしていくお手伝いをするのがこの場だと思いますので、よろしくお願いいたします。

【新海委員】 1点だけ確認させていただきたいんですけれども、今までお話がありましたが、資料3-1の3ページでありましたように、PDCAのPが大事という話と、中長期目標が大事だというお話が書いてありまして、一方で、4ページの下のほうに、こういった御時世ですので、中長期目標の中でいいますと、スピード感のある時代なので軌道修正を適宜図っていくことが重要だと書かれております。この資料の中にも、残り期間で取り組むこととか、改善すべきこと、あるいは中長期計画を見据えて検討しておくことと書いてあるんですけれども、例えば資料3-2で、先ほどお示しいただきました7年間のプラン、目標期間表があったと思いますが、この中で中間の段階でチェックをする分野とそうでない分野の違いは何かあるんでしょうか。私としては、中間である程度チェックしていったほうがいいと思ったんですが、この3つの分野だけ中間評価というのは、もし分かっていれば教えていただければと思います。

【中川部会長】 計画を中間で見直していくということが資料3-1では書いてありながら、中長期目標が7年間で、見込み評価は最終年度の前の年でいいのかということですが、佐野さん、それについてコメントはありますか。

【佐野戦略官】 目標期間というのは最初に策定をして、それに従って進めていくわけでございますけれども、もしいろいろ御議論があるようであれば、年度の評価の中でも議論していくことはあるのではないかと思います。

【中川部会長】 理研の5年目で中間評価が入っていたり、JAMSTECも入っていたりするんです。研発法人になって、中長期計画は最大7年となり、多くが7年計画にされた。でも、おっしゃるとおり世の中はどんどん変化していくので、7年そのまま同じ計画というのはあり得ない部分があると思います。それがどうなのかという議論は研発審の中でもしていて、それが資料3-1の中にあるどっちなのという答えになっています。ですので、まさに今のような御指摘はすごくよいことだと思いますし、防災科研の方々も7年の目標だけにとらわれずに考えていって、次の計画で事実上スタートしているものもあると思うので、そういうことも含めて中長期目標を考えていくことが必要だと個人的には思っています。そこは、法人として自己評価し、“我々はこう考えて、ここの部分はこういうふうにしていきたい”とか言っていただく。防災科研も7年前と同じではなく、変わってきていることも含め、そういうことを可能にする中長期目標って一体何なのかみたいなことも、きっと次の中長期目標をつくっていくときのテーマになるのかと思っています。

【佐野戦略官】 少しだけ補足をさせていただきたいのですが、ここで書いてある中間評価は、文字どおり確かに中間評価ではあるんですけれども、1つ前の「第4期の主な審議事項」というペーパーを見ていただければと思いますが、例えば右上の理研ですが、「中間評価」と書かせていただいた理事長の在任期間との関係がございまして、理事長の在任期間は既に決まっていて公表してございます。この後の理事長が同じなのかどうなのかは私どもは何とも分からないところではあるのですが、形式的に理事長の在任期間が終わったところで、中間評価を行うという手続になっているということで書かせていただいてございます。

【中川部会長】 理事長在任期間がうまく期中にはまっているところは「中間評価」されるんだけれども、ないところは7年間一気通貫になっていて、それはプランとしてどうなのかという議論は研発審でもしていて、それにふさわしい評価の在り方とか計画の在り方みたいなことも一方で考えないといけないのではないかという話はしておりますので、そういう疑問もぜひぶつけていただければありがたいと思います。ありがとうございます。
この後、本題に入らないといけないので、議題2はここで終了したいと思います。
傍聴者におかれましては、ここで退席していただくことになります。今の議論を聞いていただいて、そういうこともまた私たちに自己評価としてぶつけていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、オンラインによる傍聴はこちらで終了になります。ありがとうございました。

(議題2終了、傍聴者退室)
(議題3「
国立研究開発法人防災科学技術研究所の令和2年度業務実績評価について」(防災科学技術研究所の業務の実績に関する評価に係る案件に該当するため、防災科学技術研究所会運営規則第4条に基づき非公開))

【山田室長補佐】  
 今日の発表の中でもし疑問等がございましたら、事務局にお知らせいただけたらと思います。評価シートについては7月2日までの提出になります。
 また、次回の7月6日に残りのヒアリングがありますので、次回もウェブでの開催を予定しております。
【中川部会長】  
 次回もたっぷりですので、また質問時間もあまり取れないかもしれませんので、質問をまとめてということになるかもしれません。また御協力よろしくお願いいたします。
 今日は進行上、時間を押してしまい、大変失礼いたしました。
 それでは、これで第25回防災科学技術研究所部会を終わりにしたいと思います。御苦労さまでした。

―― 了 ――




 

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