令和6年11月25日(月曜日)15時00分~17時00分
部会長 栗原 和枝 東北大学未来科学技術共同研究センター 教授
部会長代理 伊地知 寛博 成城大学社会イノベーション学部 教授
臨時委員 赤澤 智宏順天堂大学大学院医学研究科 教授
臨時委員 上野 裕子三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社政策研究事業本部 主任研究員
臨時委員 小松 英一郎マックス・プランク天体物理学研究所 所長
臨時委員 東嶋 和子科学ジャーナリスト
臨時委員 長谷山 美紀北海道大学 副学長、大学院情報科学研究院長・教授
臨時委員 東山 哲也東京大学大学院理学系研究科 教授
臨時委員 森 初果東京大学 副学長、東京大学物性研究所 教授
臨時委員 安永 裕幸国際連合工業開発機関(UNIDO) 事務次長
臨時委員 吉村 隆一般社団法人日本経済団体連合会21世紀政策研究所 事務局長
【栗原部会長】定刻になりましたので、ただいまより、第34回国立研究開発法人審議会理化学研究所部会を開 会します。
本日は、お忙しい中お集まりいただきどうもありがとうございます。本日の会議ですが、本部会運営規則に基づき、公開の扱いといたしますので、御承知おき願います。
本日は、議題1、理化学研究所の次期中長期目標(案)について御議論いただく予定です。
まず初めに、事務局より本日の出席者等について説明をお願いいたします。
【葛谷推進官】本日は、11名皆様御出席の予定でございます。東山委員は、16時頃から御参加予定です。あと、小松委員、吉村委員につきましては、少し遅れての御参加と聞いております。
続いて、配付資料の確認をさせていただきます。資料は、議事次第、資料1から資料3、参考資料をメールで事前にお送りしております。資料1が次期中長期目標案の概要、資料2が次期中長期目標案でございます。資料3は、理研部会に関する今後の予定の資料となっております。資料に関して不足等ございましたら、事務局までお知らせください。資料の欠落等ございませんでしょうか。よろしいですか。御確認ありがとうございます。
続きまして、部会の進め方でございます。本日については、まず、次期中長期目標の概要につきまして、資料1に基づき御説明させていただきます。その次、実際の本文の内容につきましては、資料2に基づいて御説明いたします。その後、今後の予定について、その他で御説明させていただきます。よろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
【栗原部会長】ありがとうございました。
それでは、早速ですが、議事に入らせていただきます。議題1は、理化学研究所の次期中長期目標(案)について、文部科学省より理研の次期中長期目標(案)の概要について御説明をお願いいたします。
なお、議論ですが、目標案の本文と、終わりに表として添付されている評価軸・指標に分けて行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、御説明お願いいたします。
【中澤課長】基礎・基盤研究課長の中澤でございます。本日は、どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
では資料1に沿って、最初に、冒頭、私のほうから第5期中長期目標(案)の概要について御説明させていただきたいと思います。
資料1は3枚紙になっておりますが、画面共有もさせていただいております。資料1の1枚目と2枚目は表裏一体の関係になってございますが、この社会状況あるいは国際状況の変化というものを踏まえて、主な変更点というので3つ挙げさせていただいております。
まず、社会情勢・国際状況の変化というところ自体も3つ挙げてございますが、1つは矢印の1つ目でございます。GX社会の実現に向けて脱炭素・循環型社会の重要性が増すとともに、昨今のコロナなどの状況も踏まえてございますが、非常にDXがどんどん進んでいく中で社会構造が大きく変容しているという大きな変化が一つございます。
また、この1つ目の変化と軌を一にする形で、地球温暖化、エネルギー問題といった非常にグローバルな地球規模課題についても深刻化しているという中で、地球を地球システムという人類の共有財産、グローバル・コモンズとして守り育てていく、こういったところの重要性も増してきているという状況でございます。
3点目は、全く別の角度でございますが、世界的に科学技術・イノベーション、こういったところが国家間の覇権争いの中核となりつつある。サイエンス、テクノロジーというのが、非常に国の競争力の源泉となる部分が顕著になっている。そういった中で、研究開発の強化のみならず、技術流出の防止も非常に重要になっておりますし、さらには、我が国の独自性、優位性、さらには不可欠性といった面からのサイエンス、それからテクノロジーといったところも重要になってきているという状況でございます。
こういったところを踏まえまして、3点新しく、これは主なところでございますが、変更内容として3つのポイントを上げさせていただいてございます。
一つは、矢印が3つ下の欄にございますが、研究領域について、でございます。学問の共通性を考慮しつつ、これまでの固有の個別の研究分野を有機的に連携させて、さらには、その個別の研究分野の間をまたがった部分として研究領域というものを導入していく。こちらにおいては、結果的にはですけれども、これはトップダウン、それからボトムアップを効果的に組み合わせた経営。この経営の中には、経営層と研究現場をつなぐということのみならず、研究分野を越えた組織間をつなぐというところ、こういったところを通じて、個別の研究分野を越えた取組に有機的に対応していけるような新しい組織を、運営の仕方を入れていくというようなところでございます。
2点目につきましては、これをさらに研究領域を越えた横断的な研究の枠組みを導入というところでございます。これは、現中長期目標期間においてもTRIP構想という形で進めてきたものを、より制度化して一層進めていこうという状況でございます。社会状況や科学技術の取り巻く環境に合わせて、変化する国家戦略、それから政策課題に対して、最先端の学理をつないで、新しい研究分野の開拓を機動的に横断的に対応していくといった枠組みを導入していくというところが2点目でございます。
さらに3点目は、研究セキュリティ・研究インテグリティというような部分でございます。すなわち、社会情勢、国際情勢が変化していく中で、こういったところに機動的に対応していけるような部分として、技術流出あるいは情報の流出防止といった部分もしっかりと対応していく必要があるであろう。あわせて、AIというような観点からは、科学研究における責任あるAIの研究・開発・推進を行うためのAIガバナンス、こういったところを適切に措置していくというようなところが新しいポイントとなってございます。
資料1の2枚目でございますが、今、ある種3つのポイントのところを説明させていただきました。こういったところもちりばめられているものが、この全体の概要という資料になってございます。
まず、「理研が目指すべき姿」というところでございます。先ほどのページでお示しました「社会情勢、国際情勢の変化」を踏まえつつですが、理研には、この2つのポイントを求められるのではないかというところは上の欄に書かせていただいてございます。
1点目は、科学研究の最前線で、その発展を牽引し、基礎科学の学理を生み出し、その知を日本にとどまらず世界に拡げ、社会に欠かせない存在となっていくことというところが1点目。2点目は、地球規模課題の解決を目指し、国民そして人類全体の将来社会への発展に貢献することによって、国民生活の発展、国際的地位の向上につなげること。こういったところが求められるのではないかという中で、我が国の科学技術・イノベーションシステムを強力に牽引する中核機関として活躍することを目指していくということを目指すべき姿に掲げさせていただいております。
この中で、理研の取組を3項目上げさせていただいてございました。この後、中期目標本体のほうを御説明させていただきますが、これは、ある種、次期中期目標案の肝となる3.1戦略的経営の高度化、3.2国際的な頭脳循環のハブ形成と研究環境に係る先進的な取組の実践、3.3卓越した科学研究と総合力を発揮するための研究開発の推進、その3項目が3つのポイントに該当しているところでございます。
1点目が、戦略的経営の高度化でございます。先ほど前のページで御説明させていただいた「研究領域の導入」というところで、これを研究経営の中核としていくというところがございます。事務的支援機能の高度化でございます。法務部門、あるいは知財部門といったようなところを人的にも強化することによって、経営の高度化を図っていくところがございます。さらには、社会との連携、アカデミアとの連携というところでございます。理研の有する知的価値を戦略的・効果的に拡げ、社会の成長に向けた変革を駆動させるために、アカデミア、それから産業界との連携をより一層広めていくというようなところになってございます。こういったことを通じて、経営の高度化を図っていくというところでございます。
2点目、全体の理研の経営の中で進めていくものではございますが、国際的な頭脳循環のハブ形成、それから研究環境に係る先進的な取組を実践していくというところでございます。日本と世界のトップレベル研究機関をつなぐゲートウェイを構築していくということで、これは組織的に世界との頭脳循環を進めていくためのハブになっていく。そして、世界に見える研究機関として理研を進めていくというところでございます。また、国際頭脳循環の中での大事な人材政策でございますが、個々の研究者において、流動性と安定性を高いレベルで両立するようなシステムをつくっていく。そして、若手の人材育成、それから卓越した研究者を持続的に確保できる先進的な研究人事システムを整備していくという点でございます。さらに前のページでも御説明させていただきましたが、研究セキュリティ・研究インテグリティ、こういったところをしっかりと対応していくというところでございます。
3ポツ目が、主として研究本体のところになりますが、卓越した科学研究と総合力を発揮するための研究開発の推進ということでございます。これは先ほどの研究領域をベースにした、卓越した研究マネジメントを進めていく。この研究領域でございますが、5つの研究領域となってございます。※印の中に書いてございますが、開拓科学、数理・計算・情報科学、生命科学、環境科学、物理科学といったようなところでございます。これは、資料1の3ページ目の模式図も書いてございますが、こういった領域と5つの領域を模式的に示すといったようなところになってございます。
資料1の2ページ目に戻りますが、また、スーパーコンピュータ、大型放射光施設、バイオリソースといった大型研究基盤の整備・運営・高度化という点がございます。共用促進法に基づき、こういったところの共用を進めていくというところも変わらず理研の大きな仕事というところになってございます。
3ポツの最後のところでございますが、こちらも前のページのところで新たな取組ということで、ここでは「つなぐ科学」という単語を括弧で入れさせていただいてございますが、横断的な研究の枠組みを導入し、総合力を発揮するための理研内でのつないでいく機能ということで、こういった形で研究開発を進めていくというところでございます。この「つなぐ科学」の部分は、ある種、左側のところもその模式図となってございますが、理研内の横断的な取組を政策的な課題に対応して、あるいは新しい学理を創造するためにということで横串を通していくというようなところを進めていくということでございます。
概要の説明は以上になります。
【葛谷推進官】 続きまして、資料2に基づきまして、中長期目標の本文について御説明いたします。
先ほど栗原部会長からも御説明ありましたとおり、まず目標案の本文と別添1まで御説明し、議論をさせていただきます。その後、指標の議論ということで、2つに分けて議論を進めさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
目次でございます。最初、1ポツ目において、政策体系における法人の位置づけ及び役割を示しております。
続いて3ポツ。先ほどの概要の説明の中にもございましたとおり、次期中長期目標の肝であります、「研究開発の成果の最大化その他の業務の質の向上に関する事項」。こちらについては、3.1、3.2、3.3の3つに分けております。この3つが、一定の事業ごとのまとまりとして今後評価をしていく単位になっていくと考えております。
3.1が「戦略的経営の高度化」、3.2が「国際的頭脳循環のハブ形成と研究環境に係る先進的な取組の実践」、そして3.3が「卓越した科学研究と総合力を発揮するための研究開発推進」となっております。
続いて、4.業務運営の改善及び効率化に関する事項、5.財務内容の改善に関する事項、6.その他業務運営に関する重要事項については、法令等に基づき設定をしている項目になります。
まず資料2、3ページ目の序文のところでございまして、理化学研究所は、特定研発でございますので、こちらの1行目から2行目にかけまして、独立行政法人通則法及び特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法に基づき、中長期目標を定めるとしております。
続いて「1.政策体系における法人の位置づけ及び役割」でございます。ここの中では、理研の現状、社会状況・国際状況の変化等を踏まえて、理研の位置づけ及び役割を示しています。1パラグラフ目でございますけれども、理研は、1917年創立以降、幾多の困難を乗り越え、卓越した科学研究を通じて、常に我が国の科学研究の最前線でその発展を牽引し、基礎科学の学知を拡げるとともに、社会課題の解決やイノベーションにつながる成果を上げてきたところでございます。その結果、理研は卓越した研究の水準を維持しつつ、国際的な競争力を確保してきたとしております。
2パラグラフ目については、社会状況・国際状況の変化でございますけど、例えば、2ページ15行目にございますけれども、GX社会の実現やDX化が進むなど、社会構造が大きく変化し、また世界的に科学技術・イノベーションが国家間の覇権争いの中核となっていると。
こういった状況の中、22行目以降でございますけれども、理化学研究所として卓越した科学研究を通じて、以下の点が求められるということで2点示しております。この2点は、先ほど概要でお示しした点でございます。
これを踏まえまして、29行目以降でございますけれども、このため、理研は、世界最高峰の自然科学系の総合研究機関として、多様かつ卓越した科学研究の拠点を形成し、その総合性を生かして、地球規模課題への対応をはじめとする国や社会の要請に呼応する世界最高水準の研究開発成果を生み出し、我が国の科学技術・イノベーションシステムを強力に牽引する中核機関として活躍することを目指すとしております。
また、理研の主要な役割機能として、以下の点、3つ挙げております。37行目からございまして、1つ目が、「国際的な頭脳循環のハブ形成と研究環境に係る先進的な取組実践」。続いて次のページでございまして、「卓越した科学研究と総合力を発揮するための研究開発の推進」、そして3点目が、「フラッグシップとなる大型研究基盤の整備・運営・高度化」でございます。具体的な内容については後段のほうで御説明いたしますので、ここでは割愛いたします。
あわせて、上記の主要な役割・機能を通じまして、経済安全保障の観点から戦略的不可欠性の高い技術を創出、確保する。また、革新的かつ将来不確実性の高い先端的な重要技術については、戦略的自律性の確保の観点から、特定国立研究開発法人である理研の役割・機能を踏まえて実施するとしております。
続いて下のほう、64行目で政策体系図といったものを示しておりまして、こちらは資料2の14ページにございます。こちらの政策体系図においては、上のほうで「国の政策」として、科学技術・イノベーション基本計画等、左下に個別法、いわゆる理研法でございます。右側が特定国立研究開発法人としての使命といった形でまとめているところでございます。
またページを戻っていただきまして、3ページをお願いします。下のほうで、次期中長期目標期間でございます。こちらについては、今期と同じく7年間としているところでございます。
続いて、4ページ目、お願いします。「3.1戦略的経営の高度化」の中では、大きく4つの点でまとめております。まず(1)、戦略的運営システムの強化でございます。理研の総合力を一層強化し最大限に生かせるよう、研究領域を導入するとしております。研究領域については先ほど御説明したとおりでございますけれども、経営層と研究現場、研究分野を越えた組織間を円滑につなぎ、運営方針が組織全体に的確に浸透する運営体制の仕組みとして設けることとしております。
また、研究領域では、これまで培ってきた個別の研究分野での解決が困難な課題への取組を行い、研究分野を越えた連携により研究の深化や政策の課題の解決に貢献するとしております。また、研究領域を活用することによって、トップダウンとボトムアップを効果的に組み合わせた戦略的運営を行うとしております。さらに、外部有識者等からも、幅広い視点で提言、評価、助言等を受け、その結果を業務運営等に活用するとしております。加えて、理研全体の事業規模を生かした効果的なマネジメントを実施するとしています。
続いて、研究開発成果の最大化に向けては、研究者が存分に研究に専念できる環境を構築するため、事務的支援の高度化。101行目から書いておりますけれども、具体的には、法務・コンプライアンスや国際連携、広報などに高度な専門人材を配置するなどの知的アセットのマネジメント機能の抜本的強化を行うとしております。
続いて「(2)理研の研究力を強化する情報基盤・環境の研究開発・整備」でございます。理研内外の多様なデータ等を収集・蓄積し、これらを活用したデータ駆動型研究を支える、利便性と堅牢性を兼ね備えた研究データの管理・共用・解析基盤等で構成する情報プラットフォームを開発・構築・運用するとしています。
次のページ、お願いします。続いて、「(3)戦略的広報の推進」でございます。理研のブランド力・価値を高めるため、ターゲットを明確にした戦略的広報活動を進めるとしています。
続いて、「(4)社会の成長に向けた変革を駆動するアカデミア・産業界との連携」でございます。1つ目がアカデミアとの連携についてまとめております。長期的な視点からアカデミア全体の研究力の底上げに向けて、大学等との組織的連携を推進する。特に大学等に対して、理研の持つ研究インフラの開放等を通じた研究の場の提供や、また、129行目からでございますけれども、大学等の人材が理研の研究に参画する機会を増やし、理研から他機関に転出する研究者に対して継続的な研究活動の支援をするなどにより、大学等との連携を拡大し、アカデミア全体の活性化に貢献するとしています。
続いて2つ目、産業界との連携でございます。知識集約型社会における成長の源泉となる学知を生み出し、研究開発成果の活用及び社会展開を推進するため、産業界との組織対組織の連携による産学協創を推進するとともに、研究開発成果の橋渡し機能を強化するとしています。特に、ディープテックスタートアップ創出のエコシステムの構築に向けた機能強化や、産業界を対象にして理系の最先端の技術、研究開発成果などを提供するとしています。また、144行目からでございますけれども、イノベーション創出を促進し先導する観点から、科技イノベ活性化法に基づき、理研イノベーション等を活用して、理系の知的財産の管理・活用、法人発スタートアップの育成・支援のための組織的な運営を強化するとしています。
続いて6ページ目、「3.2 国際的頭脳循環のハブ形成と研究環境に係る先進的な取組の実践」でございます。
1つ目が、「日本と世界のトップレベル研究機関をつなぐゲートウェイの構築」でございます。理研は、国際的な頭脳循環のハブとして、先進的な科学研究に取り組み、日本と世界のトップレベル研究機関をつなぐゲートウェイの構築の役割・機能を果たすとしております。
続いて2つ目、「世界最高水準の研究成果を創出するための人材育成・確保に係る先進的な取組の実践」でございます。研究者が中長期的な視野に立って、研究に専念できる環境を確保されるよう、流動性と安定性を高いレベルで両立した、他の研究機関の模範となる、魅力的かつ先進的な研究人事システムを整備する。これによって、若手研究者ポストを中長期的に増加させ、魅力的な人材育成を進めるとともに、卓越した研究者を持続的に確保するとしています。
続いて3つ目、「社会状況、国際状況の変化への対応」でございます。研究セキュリティ・インテグリティの確保やAIガバナンスなど、社会状況、国際状況等の変化に対応するため、国の方針や社会要請等を踏まえた体制整備を行うなどの適切な措置を行うとしております。
続いて7ページ目、「3.3 卓越した科学研究と総合力を発揮するための研究開発の推進」でございます。理研は、我が国の科学技術・イノベーションシステムを強力に牽引する中核機関として、卓越した科学研究を通じて、学理を深化し拡げることや、科学技術・イノベーション基本計画をはじめとする国や社会の要請に対応するため、戦略的な研究開発を行い、世界最高水準の研究開発の創出を目指すとしています。
また、AIの進展に伴い、今年のノーベル化学賞、ノーベル物理学賞において、AI関連が受賞されましたけれども、AIとあらゆる研究分野が融合することによって、科学研究が飛躍的に発展・加速することが見込まれております。これらの研究を効果的に推進するための理研全体の仕組みを設けるとしております。また、ELSIへの対応や人文・社会科学との融合による総合知も活用するとしています。
続いて、研究領域についての御説明でございます。理研の総合性の強みを生かすため、学問の共通性を考慮しつつ、これまで培ってきた個別の研究分野を有機的に連携させた、5つの研究領域ごとに卓越した科学研究を推進するとしています。また、研究領域に応じた個別の研究マネジメントを実施することとしています。
1つ目が、「開拓科学」でございます。未来の成長機会を創る源泉となる新たな研究分野を開拓し、新しい価値の創出に貢献するため、長期的な視野の下で挑戦的で野心的な研究や、既存の研究分野の垣根を越えた融合研究を実施するとしています。また、215行目からでございますけれども、分野に閉じず広い視野を持つ次世代の中で研究者を併せて育成していくとしております。
2つ目が、「数理・計算・情報科学」の領域でございます。ここの領域については、先ほどの資料1の3ページ目で、数理・計算・情報科学領域がございますけれども、今期の中長期目標期間においてございます4つのセンターのまとまり、革新知能統合研究センター、数理創造研究プログラム、量子コンピュータ研究センター、計算科学研究センター、この4つが連携して、数理・計算・情報科学領域を構成していきます。こちらについての御説明になります。
補足でございますけれども、この領域の中で、計算科学研究センターにつきましては、これまで今期の中長期目標においては「基盤」という形で位置づけておりましたけれども、次期中長期におきましては、この計算科学研究センターや下にあるバイオリソース研究センターや放射光科学研究センターにつきましては、研究に関係する部分については、この研究領域の項目で位置付け、共用法に基づく共用やバイオリソースの提供については、次に御説明いたしますけれども、「研究基盤」の項目で整理しております。
それでは、資料2の7ページに戻っていただきまして、数理・計算・情報科学でございます。社会全体のDX化が進む中、計算可能領域の拡張は社会変革を生み出す源泉となっております。また、AI技術は科学研究に革新をもたらしておりますし、数理科学の強みを活かした数理科学と異分野が連携することで、複雑現象の根本的理解が進み、地球規模課題の解決につながることが期待されております。このため、数理・計算・情報科学の連携融合により、個別の研究分野を越えた研究を進め、新たな学理の創成等を行うとともに。この点については、先ほどの4つのセンターが連携することによって生まれるボトムアップ的な研究内容でございます。次からは、この領域で進める柱でございますけれども、1つ目が計算可能領域の大幅な拡張につながる新たな学理の構築、AI技術を科学研究に活用するAI for Scienceを加速させる理論的基盤の構築、そして自然現象などの根本的理解に資する数理モデルの開発といったものを行っていきます。
230行目であわせて、関連する個別研究分野について卓越した科学研究を推進するとしております。230-231行目の文章、「あわせて」といったところについての補足でございますけれども、先ほどの資料1の中で、領域の中に4つのセンターがあるとお伝えしました。4つのセンターについては、引き続き次期中長期期間においても研究を存続していきます。このため、次期中長期計画においては、これまでこの4つのセンターに対応する研究内容について示すということで、目標については、この「あわせて」といったこの一文の中で今後のセンターの研究の方向性について示しております。
続いて3つ目、生命科学領域でございます。生命科学領域は、生命医科学研究センター、生命機能科学研究センター、脳神経科学研究センター、バイオリソース研究センターの4つのセンターで構成されております。
生命科学領域では、複雑かつ精緻な生命現象を解き明かすとともに、国家戦略に挙げられた国や社会の要請に応えることが期待されております。238行目からでございますけれども、このため、世界最先端の計測・解析技術を活用したデータ駆動型・モデル駆動型研究等を通じて、分子から個体、集団までの異なる階層・時間軸・種間を横断し、より生命の本質と総体に迫る研究や、生命の誕生から老化までのライフコースを一貫した連続体として捉えた研究等を戦略的に推進するとしております。
続いて4つ目、「環境科学」でございます。環境科学は、環境資源科学研究センターとバイオリソース研究センターで構成されております。
249行目から、人類の一方通行的な地球資源の消費から脱却し、グローバル・コモンズの維持、人と地球の健康の両立(プラネタリー・ヘルス)を目指すことが求められております。このため、基礎科学とシステム科学の連携・融合により、分子レベルから細胞、固体、生態、地球システム至る多階層科学データに基づいた大気・水・生物資源等の地球公共資源の保全と環境の促進に向けた研究を推進するとしております。
続いて5つ目、「物理化学」でございます。物理科学領域については4つのセンターから構成されております。創発物性科学研究センター、光量子工学研究センター、仁科加速器科学研究センター、放射光科学研究センターでございます。
258行目より、サイバー空間とフィジカル空間の高度な融合により、産業革新を促す経済成長のエンジンを駆動させていくためには、情報処理技術などのデジタル技術の省エネルギー化、高効率のエネルギー変換などが必要でございます。このため、物理、工学、化学の連携・融合により、革新的な計測・解析技術等の開発・活用を通じ、量子マテリアルにおける情報処理機能の開拓、高度の状態制御光技術による量子物理科学の開拓、エネルギー変換の学理の深化と応用を推進するとしております。
続いて9ページ目、フラッグシップとなる大型研究基盤の整備・運営・高度化でございます。次の目標期間では、「富岳」は「ポスト富岳」へ、SPring-8は、「SPring-8-Ⅱ」へ高度化する計画をしており、共にその点についても次期中長期目標の中に示しているところでございます。
続いて279行目、丸1番、「特定高速電子計算機施設」でございます。スーパーコンピュータ「富岳」について、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律、いわゆる共用促進法に基づき、適切に運用するとともに、幅広い研究者等への共用を着実に推進するとしております。また、285行目からでございますけれども、データサイエンスの推進等に伴い、研究開発に必要なスーパーコンピュータ等の計算資源の需要が急拡大・多様化していることを踏まえ、AI性能をはじめとして、あらゆる先端分野において世界最高水準の計算能力を提供することを目指して、「富岳」の次期フラッグシップシステムの開発を推進するとともに、「富岳」から次期フラッグシップシステムに円滑に移行できるように整備するとしております。
続いて丸2番、「特定放射光施設」でございます。特定放射光施設SPring-8/SACLAについて、共用促進法に基づき、安定的に運用するとしております。また、現行の100倍となる輝度を持つ世界最高峰の放射光施設を目指し、SPring-8-Ⅱの整備を行う。また、SPring-8-Ⅱの特徴を生かし、整備期からユーザーニーズに対応した新たな利用制度を順次検討・導入し、社会課題への対応を進めるとしております。
続いて、「バイオリソース」でございます。世界最高水準のバイオリソースを社会的ニーズ・研究ニーズを捉えながら整備・提供するとともに、保存・利用技術等の基盤技術開発や、利活用に資する研究開発等を推進するとしております。また、308行目からでございますけど、バイオリソース事業に関わる人材の育成や技術研修や普及活動を行うとしております。
続いて、「(3)総合力を発揮させる研究開発(つなぐ科学)の推進」でございます。理研の最先端の研究基盤等を活用し、総合力を発揮させる研究開発(つなぐ科学)を推進するとしております。特に、国家戦略や政策課題や、学理の再構築・再体系化や新たな研究分野の開拓に機動的かつ横断的に対応するため、研究領域を越えた横断的なプログラムの仕組みを導入し、研究を進めていくこととしております。
続いて、「4. 業務運営の改善及び効率化に関する事項」でございます。
「4.1 経費の合理化・効率化」では、組織の見直し、効率的な運営体制の確保等に引き続き取り組むこととし、経理の合理化・効率化を図るとしております。
続いて、「4.2 人件費の適正化」でございます。優秀な研究者や研究推進支援人材については、国際競争力を確保するため、国際水準を踏まえた弾力的な給与設定をするとしております。
「4.3 調達の合理化及び契約の適正化」でございます。「独立行政法人における調達等合理化の取組の推進について」に基づき、取組を着実に実施し、契約の公正性、透明性の確保等を推進し、業務運営の効率化を図るとしております。
「5. 財務内容の改善に関する事項」でございます。予算を計画的に執行し、360行目からですけど、運営交付金の会計処理として、引き続き収益化単位の業務ごとの予算と実績を管理するとしております。
続いて「6. その他業務運営に関する重要事項」でございます。「6.1 施設及び設備に関する事項」でございます。既存の研究施設及び中長期目標期間に整備される施設の有効活用を進めるとともに、省エネルギー・老朽化対策、再生可能エネルギーの推進を含め、施設・設備の改修・更新・整備を計画的に実施するとしております。
続いて、「6.2 人事に関する事項」でございます。人事システム改革を着実に進め、また、クロスアポイント等も活用し、多様で優秀な人材を確保するとともに、職員の能力向上や適切な評価・処遇による職員の職務に対するインセンティブの向上に努めるとしております。
「6.3 内部統制の充実・強化」でございます。「独立行政法人の業務の適正を確保するための体制等の整備」に基づき、理事長のリーダーシップの下で、コンプライアンス体制の実効性を高めるなどの内部統制を充実・強化するとしております。
「6.4 法令遵守、倫理の保持等」でございます。研究開発成果の社会還元というミッションの実現に当たり、法令遵守や倫理に対する意識を高め、社会の中での信頼の確保に努めていくとしております。特に、研究活動等における不正行為及び研究費の不正使用の防止については、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」等の遵守を徹底するとしております。また、利益相反マネジメント、安全保障貿易管理、研究セキュリティ・研究インテグリティの確保等の対応も行うとしております。また、404行目からですけれども、適切かつ積極的な情報公開を行い、408行目ですけれども、法令等に基づき、労働安全衛生管理等を徹底するとしております。
最後、「6.5 情報システムの整備及び情報セキュリティの強化」でございます。「情報システムの整備及び管理の基本的な方針」に基づき、情報システムの適切な整備及び管理を行うとしております。また、「政府機関等のサイバーセキュリティ対策のための統一基準群」を踏まえ、適切な対策を講じるための体制強化を行うとしております。
本文に関しての説明は以上でございます。
【栗原部会長】 ありがとうございました。
それでは、早速ですが、議事に入らせていただきます。議題1は、理化学研究所の次期中長期目標(案)について、文部科学省より理研の次期中長期目標(案)の概要について御説明をお願いいたします。
なお、議論ですが、目標案の本文と、終わりに表として添付されている評価軸・指標に分けて行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、御説明お願いいたします。
【安永委員】 ありがとうございます。UNIDOの安永と申します。よろしくお願いいたします。
大変丁寧な御説明、ありがとうございました。細かいことよりも、まず全体論を申し上げたいと思います。一言で申し上げて、今御説明いただいた次期中長期目標の案等につきまして非常にすばらしいと思いました。結論を言いますと、いろいろなことを考えていただいて、いろいろな形で検討結果を盛り込んでいただいているということでは、私は特に異論ないです。
ただ、一言だけ申し上げたいのは、今、私も技術屋の端くれですけれども、自分がこういうことを言うのは非常にじくじたる思いがありますが、世界の人たちから、科学技術に対する本当の信頼感というのは随分揺らいでいると思います。期待もされているけど、揺らいでもいると。
例えば脱炭素と、今年2024年も歴史上一番暑かったと言われています。結局、温暖化は止まらないのではないか。1.5度シナリオというのはもう崩れているのではないか、もう1.5度に達しております。こういう中で、本当に脱炭素をどうすればできるのか。理研でもいろいろな研究をなされていることはよく存じ上げております。しかしながら、本当にどうやればできるのかというメッセージが、私は科学技術コミュニティーからもっと出さなければいけないと思います。
それから、もう一つはAIです。AIにつきましては、これも理研で非常に活発な研究開発がなされているということは存じ上げておりますが、今、普通の人たちが多分心配をし始めているのが、AIは思ったより早く進歩すると。ただその中で、一言で言うと、暴走しないAI、人間のウエルフェアに悪いことをしない。言ってみれば、常識とか良心とか道徳を持ったAIというのは本当にできるのでしょうか。それができるより前に暴走してしまうAIができるおそれはないでしょうかと、こういうことを多分、普通の人は心配し始めていると思います。
もう一つは、私は途上国とよく仕事をしておりますので感じますが、格差は非常に拡大しています。途上国の中でも、都市に住む人とそうでない人の格差は拡大しています。こういう中で、格差が拡大すると必ず社会は不安定になります。不安定なると戦争が起きたりするわけです。この国際社会の安定につながるように、日本のイノベーションで貢献するにはどうしたらいいだろうか。例えば、それは生命科学だったりエネルギー環境科学だったりの分野で非常に大きいと思います。
最後は、競争力ですね。競争力につきましては、もうこれもおっしゃるとおりですが、確かに競争力を得ることが、言ってみれば、国家間のヘゲモニー争い。こういう言葉を理研の評価部会の場で使うのが正しいのかどうかよく分かりませんけど、これに直接つながっている。ですから、今、国が直接いろいろな意味でイノベーションを起こすということに大きな投資をしている時代ですけれども、やっぱり私は、これは人材が鍵だと思います。人がいなければ、お金を投入したってろくなものはできないと。
そういう意味では、人材をどうやって育てるか。これは理研も、これは五神理事長のイニシアチブで非常にいろいろなことをやってこられると思っています。ただ、今、多分必要なのは、すごくとがった人と、すごく幅広い視野を持った人の両方が必要です。この2つの種類の人たちというのは必ずしも両立しませんから、いろいろな形で多様な取組を進める必要があると。こういう形で、理研がまさしく科学技術コミュニティーの日本のトップだということをもっと強く印象づけていただくような形にできないだろうかと。個々の政策とか方針は、私どもは1点の異論もありませんが、今そういうことを考えおります。
まとめると、冒頭、科学技術コミュニティーに対する信頼が揺らいでいると。一方で期待は大きくなっていると。ここをどうするか。日本には理研があるぞと、世界には理研があるぞというのをどうやって言っていただくかということについてお考えいただけるといいなと思っております。
私からは以上でございます。
【栗原部会長】 どうもありがとうございました。もっと強いメッセージを計画の根底に据えるべきであるというような御意見だったと思います。ありがとうございました。全体的にそういう意図でつくったというのはよく分かる計画だと思いますが、何か具体的な言葉が入ればという御提案と思いました。
ほかにございますでしょうか。赤澤委員、どうぞ。
【赤澤委員】 どうもありがとうございました。私も、この中期計画を拝見して、非常に大きな期待を持たせる内容になっているなということを大変に痛感いたしました。
私は大学の人間で、人材育成に携わっている立場から言わせていただいて、1点だけ、これは御説明いただくというよりは、何かこの全体の文章の中に盛り込んでいただければと思った点があります。
それは、やはり研究者、人材がこの組織においてはコアになるわけでございますから、何回か流動性と安定性を高いレベルで両立するという言い方がありました。3か所ありました。40行目と172行目と374行目。ところが、この流動性と安定性ということを両立させるというのは、実は言うのはすごく簡単ですが、実施するのは非常に難しい。特に若い人たちにしてみると、流動性も重要ですが安定性も重要ですので、どうやって両立するかで日々悩んでいる状況だろうと思います。
ですから、この点に関する具体的な取組を何か一文でも書いていただけると、なるほど理研に行くと、こういう点で流動性と、なおかつ安定性というのが両立できるということがメッセージとして伝わるのかなと感じました。その点御指摘させていただきました。
以上でございます。
【栗原部会長】 ありがとうございました。実は私も、今の点について具体的な形は何をお考えなのか御質問したいと思っていたところでした。非常に大事なところだと思います。
ほかにございますでしょうか。伊地知委員、どうぞ。
【伊地知部会長代理】 ありがとうございました。実は私も、今の点について具体的な形は何をお考えなのか御質問したいと思っていたところでした。非常に大事なところだと思います。
ほかにございますでしょうか。伊地知委員、どうぞ。
【伊地知部会長代理】 ありがとうございます。まず全体としては、中長期目標案として、これまでの議論を踏まえて全体がよく整理されているというように思いました。
それで、文言中の細かいことになるかと思いますが、今回、これは資料1で全体を説明いただいた上で資料2ということですけれども、組織運営の在り方として、研究領域というものを設けられて運営していくということで、その研究領域を設けるということ自体は、3.1の(1)研究応援システムの強化ということになりますが、その設けられた研究領域の中でどのようにするかというときが3.3(1)研究領域の記載になるかと思います。
例えば1ページ目の目次の中で、3.1から3.3の下まで見ていただくと、この(1)だけ研究領域になっており、ここに並んでいるのは、中長期目標として、この期間にどういうことを行っていくべきなのかという、理研としての活動の目標に当たるようなことが列記されているというところからすると、最後は、形式上は名詞ですけども、実態としては動詞に当たるものがあるということからすると、例えば、200行目に「研究領域」の記載がありますが、202行から203行にある「研究領域ごとに卓越した科学研究の推進」にしていただくことが、この3.1研究運営システムの強化と実際にその中で研究を進めるということとの違いが明確になると思ったところでございます。
あわせて、この研究領域というものがもし重要になってくるとすれば、これは目標ではなくて今後の計画の段階でということになるかと思いますが、やはりこの理研が世界の中での研究機関といったときに、これをどう英語で表現していくときちんと理解されるようになるのか。様々な表現があるかと思いますが、そこを工夫していただければと思いました。
テクノロジーに関する研究もあろうかと思いますし、あるいは、例えば「開拓科学」というのは、これは日本語ではいいかもしれませんが、英語で表現したときに、どうきちんとその趣旨が、この研究領域という、括弧書きですけれども、そこに外国から優秀な人が来ていただけるかなど、そういった情報発信をする上で重要かと思ったところでございます。
以上になります。
【栗原部会長】 ありがとうございました。いろいろ書きぶりについて具体的な御指摘をいただきまして、参考にしていただければと思います。
開拓科学は、昔、理研ではフロンティアをやっていらっしゃいましたけど、そういう言葉が当たるのかと思いますが、同じ言葉が使えるのかどうかとか、少し変えなければいけないのかもしれないです。ありがとうございました。
ほかにございますでしょうか。小松先生、朝早くから出ていただいて、何かおありでしょうか。
【小松委員】 ありがとうございます。全体的なこの描像というのは、前回の部会でもイントロダクションがされて、研究領域というものをつくって、それでTRIPがまずありますが、それで個々のセンターでTRIPするのではなくて、それぞれ大きな枠組みでまとめていこうという、今は非常に分かりやすいというか、マックス・プランク協会でも同じような仕組みになっていて、3つに分かれておりますが、人文社会と、物理・化学・技術と、それからバイオ・メディシンに分かれていて、それぞれにバイスプレジデントがいて、プレゼントの下にバイスプレジデントがそれぞれのセクションを担当して、いろいろ決めていく。結構ボトムアップであるとともにトップダウンというのもまさにそのとおりで、各セクションが1年間に3回ぐらいみんなで集まって、いろいろなものを決めていく。それプラス、最近になって、4人目のバイスプレジデントができて、これは分野横断的なDXのバイスプレジデントが新しく創設されまして、4人でやっている。
だから、非常に近い形になっているので、先日、文部科学省の方からも、それぞれの領域にバイスプレゼントになるような、理事になられる方が輩出されるということで、僕としても非常に親和性の高いシステムになっているので、非常に何か分かりやすかったです。
あとは、本当にどうやって実際のコミュニケーションを取っていくかという、それぞれの領域をリードする方の写真も以前見せていただきましたけど、バイスプレジデントの仕事というのは、実際すごく大変です。見ていて本当は分かりますが、だからこれからどうやっていくだろうというのは非常に興味を持って、でも仕組みとしてはとても僕はいいと思いました。
【栗原部会長】 ありがとうございます。ほかに御意見ございますでしょうか。いかがですか。森委員、どうぞ。
【森委員】 よろしいでしょうか。御説明、どうもありがとうございました。理研が今までボトムアップ型で、基礎研究としても非常にすばらしい、世界をリードする研究をされてこられたのに加え、トップダウン型の社会課題解決を目指した研究もされておられ、両輪を目指して、次期も学術を世界的に先導するというところがきちんと書いてあると感じました。
気になったところが3つあります。1点目は、共創です。6ページ目の「社会の成長に向けた変革を駆動するアカデミア・産業界との連携」というところで、丸1が「理研を触媒にしたアカデミア全体の活性化」ということで、産業界とは共創というワードがありますが、アカデミアに関しましては、理研がアカデミアに供するところは書いてありますが、やはり大学と、人材だけではなくて、いろいろな研究の意味で、今も共創、共に創り上げるというところがあると思うので、そういう点をもう少し強調しても良いのではと思いました。
2点目は、ダイバーシティーということで、ダイバーシティーの重要性が書いてあって重要だと思いますが、何を目指してダイバーシティーをやるのかというところが書かれておりません。多様な視点から学術を推進するためにダイバーシティーを推進されていると思いますが、何のためにダイバーシティーをやるのかという目標と、研究環境整備だけではなくて、環境整備というところを持っていくというところを少し強調しても良いのではと感じました。
3点目で、8ページにおいて、物理と化学と工学を合わせたような形での領域として物理科学がありますが、これは物理科学という名前になるのでしょうかということです。科学というところにいろいろな領域が入っていると思いますが、融合科学を物理科学と名付けた経緯を伺いたいと思いました。ほか領域、開拓科学、環境科学とは質が違う書き方かと思い、お伺いする次第です。
以上です。
【栗原部会長】 ありがとうございました。それでは、最初の2点に関しては、御意見ごもっともだと思いますけど、物理科学のところについては回答ありますか。
【葛谷推進官】 ありがとうございます。物理科学については、ここの260行目から書いてある物理、工学、化学を総称して物理科学といった領域名ということで考えております。物理科学というこの言葉を調べますと、こういった3つの要素を含めた言葉としても位置づけられておりますので、ここの中では物理科学といった領域名を考えております。
【森委員】 ありがとうございます。広い意味でのということですね。物理だけではないということですよね。そういう意味では。分野全体に。それがもう少し分かる名前でもいいのかなとも思いましたが、今回はそのような形だということを理解しました。ありがとうございます。
【栗原部会長】 今の点に関しては、私はもう少し積極的な意見を持っておりまして、森先生も実はそういう点が気になっていらっしゃるのかとも思いますが、化学という言葉がここのみで、あまり表に出てきておりません。理化学研究所の「化」は化学の「化」なので、日本の中で、研究開発法人の中で化学を対象にしているところは理化学研究所しかないのではないかと思いますので、今回、物理、数理、計算というような領域が非常に前に出て、生命も前に出て、全ての領域の根底に化学があると言ってしまえばそれまでですけれども、やはり融合領域の中の化学と化学の中の化学はやはり基盤となるところがかなり違うかもしれません。数理や計算が別立てになっているのもまさにそういうところだと思います。この点に関しては、理化学研究所の従来からのカバーする領域や、それから成果ということも踏まえて、また今後、その融合のための基盤として、化学分野も積極的に基盤が維持できるような体制を取っていただきたいと意見を言おうと思っていたところでした。
【森委員】 私も同様な意見です。
【小松委員】 確かに、名前に関して言うと、マックス・プランクの場合、ケミストリー・フィジックス・アンド・テクノロジーセクションになっているので、かなりディスクレジットになっていますね。
【栗原部会長】 フィジカル・サイエンスと言うと、もうある程度一定のイメージがある言葉なので、それが全部カバーするというふうに使われてもよいですが、この題目だけが前に出ると、あまりそういうイメージがないです。それなので、理化学研究所は、化学の先生方が長年、随分貢献して非常に大きな成果も出されている場所でもありますので、もちろん物理も言うまでもないですけど、気になり、どこかで申し上げようと思っていたところでした。
【小松委員】 この研究環境の構築の中で、ハラスメント防止は次期中長期目標のどこに入るのでしょうか。例えば何かそういうことがあったときに、いわゆるパワハラなりセクハラなりがあったときに、それを許さないということと、それから、もしそういうことがあったときの手順というか通報先とか、そういうのも整っていないのだったら整備する記載があればよいと思いました。
【栗原部会長】 これは、6.3 内部統制の充実・強化とか6.4 法令遵守、倫理の保持等だと思いますがいかがでしょうか。
【葛谷推進官】 6.3で、「内部統制の充実・強化」で、コンプライアンス体制の実効性を高めること、406行目から408行目のところに関係してきます。
【小松委員】 こちらの記載はどちらかというと不正行為かと思います。東京大学もコンプライアンス窓口とハラスメント窓口が2つあって、ハラスメントのことをコンプライアンス窓口に持っていっても、それは違いますと言われたりします。だから、何かコンプライアンス全部にまとめるよりも、何かちゃんと分けて掲げたほうが良いと思います。実際のところ、理研の中にそういう窓口はありますか。
【葛谷推進官】 基本的には窓口等を設定し対応していると思いますけれども、現時点の状況を確認して、検討させていただければと思います。
【栗原部会長】 これはいろいろな組織で、そういう対応窓口というのは設けられていると思うので、よりいい形というのを御検討いただければ、参考になるようなものはたくさんあるかなと思います。ありがとうございます。
ほかにありますでしょうか。よろしければ、皆さん御意見ありがとうございました。
続きまして、次の評価軸・指標(案)について、文部科学省より御説明をお願いするということに進みたいと思います。よろしくお願いいたします。
【葛谷推進官】 資料2、15ページでございます。こちらは、評価軸、評価指標、モニタリング指標等をまとめている資料でございます。
評価軸や評価指標、モニタリング指標については、毎年度やる年度評価や中長期目標期間の見込み評価や実績評価等に用いるものでございます。実際評価においては、この評価軸を見ながら、こちらの右側にある、定性的に整理している評価指標と定量的なモニタリング指標、モニタリング指標はいわゆる参考的な指標でございますけれども、こういったものを活用し、評価していくことになります。
まず、「3.1 戦略的経営の高度化」に関する御説明でございます。まず評価軸でございますけれども、3.1に関係するものとして、「理事長のリーダーシップの下、研究開発成果を最大化するための、他の国立研究開発法人の模範となるような戦略的経営を高度化できたか」というところでございます。
こちらの評価軸に対して、それぞれ評価指標、モニタリング指標がございます。実際には、この3.1の中は「研究運営システムの強化」から「理研の研究力を強化する情報基盤・環境の研究開発・整備」、「戦略的広報の推進」、「社会の成長に向けた変革を駆動するアカデミア・産業界との連携」の4つございますけれども、この4つに関係する評価指標をモニタリング指標として右側に書いております。
例えば、研究運営システムの強化については、評価指標で、我が国や社会からの要請や、法人運営に係る適切な評価の実施と、これらを踏まえた法人の運営の改善状況や、研究資源の最適配分に関する取組状況といったものが対応しております。
続いて、「理研の研究力を強化する情報基盤・環境の研究開発・整備」ということについては、評価指標については、研究データ管理・共用・解析基盤と国立情報学研究所の学術研究基盤との連携状況といったものがあり、下のモニタリング指標の中で、定量的なものとして、研究データ管理・共有・解析基盤の利用者数、利用件数、データ量といったものがございます。
続いて、「3.2 国際的な頭脳循環のハブ形成と研究環境に係る先進的な取組の実践」でございます。こちらの評価軸については、研究開発成果を最大化するため、国際的な頭脳循環のハブ形成と研究環境に係る先進的な取組が実施できたかといったところでございます。
これに対応する評価指標でございますけども、例えば日本と世界のトップレベル研究機関をつなぐゲートウェイの構築に関して言いますと、評価指標は、一番上の国際的な頭脳循環のハブ形成に向けた国際的な研究コミュニティーへの参画状況といったものでございます。モニタリング指標については、国際共著論文数や国際学会、雑誌、ボードのメンバーへの参画数や国際学会等の発表数、招待講演数がございます。
続いて、次のページをお願いします。続いて、「3.3 卓越した科学研究と総合力を発揮するための研究開発の推進」でございます。ここについては、3.3の研究開発については、理系においても重要な活動を示すことになるため、今期の中長期目標と同じく、他の項目よりも、より詳細な評価軸となっているところでございます。
例えば、まず評価軸について、「研究領域、フラッグシップとなる大型研究基盤の整備・運営・高度化、総合力を発揮させる研究開発(つなぐ科学)の推進」にそれぞれ対応する評価軸が設定されております。
まず研究領域は、「科学技術・イノベーション基本計画等に掲げられた、我が国や社会からの要請に対応するための研究開発を戦略的に推進できているか」。「世界最高水準の研究開発成果が創出されているか。また、それらの社会還元を実施できているか」が評価軸となっております。
そして、評価指標は、各領域における主要な研究開発課題を中心とした、戦略的な研究開発の進捗状況や世界最高水準の研究活性化の創出がございます。
モニタリング指標については、論文数や知的財産、外部資金の獲得がございます。
説明は以上でございます。
【栗原部会長】 ありがとうございました。これはなかなか難しいところもあると思いますが、御意見ありましたら、お願いいたします。実際には、こういうものに基づいて、部会としては評価をするということになると思いますので、従来の評価や何かについての御意見も含めて、この新しい評価軸をどう思われるかというところかと思います。よろしくお願いいたします。
【小松委員】 特に前回から大きく変わったところはありますか。何か見た感じ、特に普通というか、そうだろうなという、そういう評価指標が並んでいると思いますが、特に何か注目すべき点とかというのはありますか。
【葛谷推進官】 ありがとうございます。例えば、今回新しく追加した点としては、「3.2 国際的な頭脳循環のハブ形成と研究環境に係る先進的な取組の実践」は、それに対応する国際頭脳循環のハブ形成に向けたコミュニティーの参画状況や、あとこれまで指標にしておりませんでした国際共著論文とか、こういったものも入れているところでございます。次の「3.3 卓越した科学研究と総合力を発揮するための研究開発の推進」は、モニタリング指標の中でも、国際共著やプレプリント、これは、ITとかAI分野において機動的に出されるペーパーもカウントできるような形に入れております。
また、今回「つなぐ科学」についても明示的にしっかり位置づけておりますので、「つなぐ科学」の推進状況とか、それに対応するような評価軸、評価指標、モニタリング指標といったところも設定しているところでございます。
以上でございます。
【小松委員】 あまりいろいろ指標を追加することは好きではないですが、例えば、学術変革領域とかでお金を獲得したときに、評価されるときに聞かれることは、学術変革領域もいろいろな研究計画班があって、その研究計画班をつなぐから新しい学術が生まれるということですが、異なる領域間での論文があることや、今回だと、多分一番重要なのは領域内で異なるセンター間の共著論文があるかみたいなのが多分それに当たると思いますが、それはどういうふうに位置づけるのか。何かそうしなさいというのもかわいそうですが、もしかしたら、研究領域とかTRIPの一番分かりやすい成功の指標というのはそこになってくるのかなと思いました。
【葛谷推進官】 ありがとうございます。異なる領域間をつなぐという観点での論文数でございますけれども、例えば数理関係の領域と物理科学領域で連携した論文数とか、こういったものも実はこのモニタリング指標を策定するときに検討しましたけれども、実際に本当に適切な数をこのモニタリング指標として算出できるかといった観点で見ていくと、なかなか現実的に難しいのではないかといった観点で、そこについては、定性的に連携したところを見ていくといったところは考えております。
一方で、「つなぐ科学」全体としてどういった論文を出していったのかといったところは、モニタリング指標の中で見ることができますので、そういったところは大きな動向としては見られると思います。
【小松委員】 ありがとうございます。そうですよね。非常によく分かります。検討されたということで、今回は恐らく時期早尚ということですね。これが始まったばかりなので、いきなり数値目標を出しても多分建設的ではないと思うので、そのやり方でいいと思います。
【栗原部会長】 その場合には、評価指標のほうにはそういうことに近いものをいれる、例えば成果としてどんなものがあるか、あるいは活動でもいいのかもしれません。
【葛谷推進官】 資料2の16ページ目、評価指標に「理研の総合力を発揮させ、新たな研究分野の創成、国家戦略や社会課題解決につなげる研究開発課題の創出」を入れております。まさにこういった「つなぐ科学」、領域を越える横断プログラムによってつくっていくところはしっかり入れております。
【栗原部会長】 数ではなくて、状況をなるべく把握できるような形で、もしもう少し具体的な活動を入れるのであれば、よりクリアな言葉があれば入れたらいいかと思います。ありがとうございました。
ほかにありますでしょうか。実際に評価していると、こういうデータはないのかとか、こういう観点からどうなのかという御意見も出てきますが、このモニタリング指標や評価指標も、最初に決めたならば、絶対的に全く変えないということではなくて、その状況に合わせて、より活動をよく評価できるような形で御議論いただければ今後良いと思うので、そうできるということを委員の皆様がお考えいただいていればいいのかなと思いますけれど、活動の具体的なものがなくて指標だけというのはなかなか難しいですよね。
よろしいですか。ほかに御意見ありますか。
【上野委員】 よろしいでしょうか。
【栗原部会長】 上野委員、どうぞ。
【上野委員】 ありがとうございます。今おっしゃっていたように、実際の評価の際には、この評価軸と評価指標とモニタリング指標で評価をするということになりますので、ここは非常に重要と思っております。今までは、評価の議論をする際に、議論の中であまり話題に上がってこないものもあった印象がありますが、評価の際には、せっかくこれを決めますので、こういうところも留意しながら、評価の中で十分生かしながら評価できると良いと考えます。
また、本資料には「3.研究開発の成果の最大化その他の業務の質の向上に関する事項」の部分の評価軸と評価指標・モニタリング指標しか記載されていませんけれども、実際の評価の際には、目標の中の「4.業務運営の改善及び効率化に関する事項、5.財務内容の改善に関する事項 、6.その他業務運営に関する重要事項」についても評価を行うことになります。4.~6.の項目については、「独立行政法人の評価に関する指針」に記載されている評価の視点と評定の方法に従って評価をすると事前説明の際に私は伺いましたが、その点皆様にもこの場で共有いただく方がよいのではないかと思います。
【栗原部会長】 ありがとうございます。大事な点だと思います。次回のときに、多分この資料がまた出てくると思うので、そのときにお願いできればと思います。
【葛谷推進官】 基本的には、前回、夏に評価に関して御議論したときにお示しした評価軸が関係します。定量的なものがない場合は、それにあわせた評価軸に従うということはこの中には出てきませんので、基本的には法人評価の際にそこはしっかりお示しして、議論をさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
【栗原部会長】 従来から評価軸や評価手法に関しては、多少評価表の中に書いていただいていたような気がします。ですので、委員の人たちが分かりやすいような形で評価のときに提示していただいたと思うので、今後ともよろしくお願いします。
赤澤委員、お願いします。それから伊地知委員、お願いします。まず赤澤委員、どうぞ。
【赤澤委員】 ありがとうございます。「3.1 戦略的経営の高度化」というところで、モニタリング指標のところに、「出資等の件数、金額」というのが書かれております。理研イノベーションができることによって、理研が創出した知財に対する社会的な実装という意味では非常に重要な点だと思いますが、例えば大学でも、最近は大学発ベンチャーというのは非常に強く奨励されている状況ではありますが、出資等の件数、金額というので評価するのは、やはり指標として若干甘いのかなという気がしておりまして、これはやっぱり出した分に対してどれぐらい回収できるか。リターン・オン・インベストメントという考え方も取るように、何か評価の軸が少し変わってきている。だから、理研イノベーションがどれだけ出資しましたということを評価するだけでは、足りないと感じたので、コメントさせていただきました。
以上です。
【栗原部会長】 ありがとうございます。よろしいですか。では、伊地知委員。
【伊地知部会長代理】 ありがとうございます。3.1の評価指標の一番上のブレット(・)のところですが、終わりのほうの「これら」というのが、実は我が国や社会からの要請と法人運営に係る適切な評価を受けているのではないかと思いますが、そこに評価の実施というようにあるとすると、そこのつながりが難しいかと思ったので、もし私の解釈のとおりであるとすれば、「我が国や社会からの要請や法人運営に係り適切に実施された評価を踏まえた、法人運営の改善状況」とか、そういうことでしょうか。確認して、文言を整理していただければと思います。
【葛谷推進官】 分かりました。
【栗原部会長】 ほかにございますか。
【葛谷推進官】 事務局からでございます。いろいろとコメントありがとうございました。先ほど本文に関していろいろとコメントを受けたことに関して、少しだけ補足を、させていただければと思いますが、安永委員にいただいたところについては、とても重要な指摘だと思っておりまして、資料2の2ページ目の24行目あたりに、まさに理研が求められている点というところを大きく書いていますので、まさに基礎科学研究の最前線で、その発展を牽引し、基礎科学の学理を生み出し、その知を日本にとどまらず世界にひろげ、社会に欠かせない存在として地球規模課題の解決を目指し、それで、国民そして人類全体の将来社会の発展に貢献することにより、国民生活の発展や国際的地位の向上につなげるということで、まさにおっしゃったところを書いておりまして、これはかなり難しいところだと思いますけれども、ここをしっかりと実現していくために理化学研究所としてやっていくといった辺りかなと思っております。
あと、AIの件につきましては、資料2の6ページ目で、社会・国際状況の変化に対応といったところです。この中でAIガバナンスもしっかりと取り組んでいくというところで、この中で、先生がおっしゃったところについては、しっかり対応していかないといけないと思っております。
また、途上国への貢献につきましても、先ほどの理化学研究所が求められている事項で示しています。新しく環境科学でグローバル・コモンズやグローバル・ヘルスといった辺りを打ち出していきますので、そういったところでもしっかり貢献していくことが大事ではないかと思っております。
あと、赤澤先生がおっしゃった人材の件、おっしゃるとおり、御指摘のとおりでございまして、そこの具体化については検討させていただきます。
一方で、現時点、6ページ目176行目、例えば研究プロジェクトに対応した柔軟な有期雇用期間の設定とか、あるいは卓越した研究者を招聘するための弾力的な処遇とか、こういった辺りを例示は示しておりますので、これ以上さらに追加で書けるか、あるいは中長期計画のほうに具体的なところを書くといった形もあると思いますので、そこについて整理をさせていただければと思います。
伊地知先生に御指摘いただいた点は、言葉については御指摘のとおりでございますので、そこについては整理をしていきたいと思っております。
あと、森先生からいただきましたアカデミアとの関係で、協創といった点を強調するという点については検討させていただきたいと思います。
栗原部会長と森委員からいただいた化学というところについても、検討させていただきたいと思います。
小松委員のハラスメントの防止についても実態を確認して検討させていただきたいと思っております。
あと、指標の件で赤澤委員からいただいた出資等のところについては、この辺については、実際にモニタリング指標として示していくあたりで、どこまでやれるか、また、途中で変えられることもあると思いますし、まだまだこの取組自体、理研鼎業からイノベーションということで改革を進めている段階で、どこまでできるかといった辺りについては検討して、しっかり評価できるようなところで見ていきたいと思いますので、ここについては、また御相談させていただければと思います。
以上でございます。
【栗原部会長】 どうも、補足をありがとうございました。
それでは、ほかに御意見ございますでしょうか。前半についてでも後半についてでも。長谷山委員、どうぞお願いします。順番に、長谷山委員、小松委員、お願いします。
【長谷山委員】 資料2の2ページ24行目から27行目に、理研が求められている2点が記載されています。その後、3.研究開発の成果の最大化その他の業務の質の向上に関する事項で具体的目標が説明されていて、最後にモニタリング指標が書かれています。流れはしっかりと記載されているのですが、これらは、最初に理研が求められている2点と、具体的な目標やモニタリング指標が、各々対応づけされていると理解してよろしいでしょうか。
【葛谷推進官】 ありがとうございます。多分その指標のほうにもということですけれども、16ページのところで、例えば評価指標の中で、地球規模課題の解決や国際社会の貢献、成果の還元というのが、評価指標の下から2つ目のところにもしっかり示させていただいておりまして、そういった意味では、一貫してそういったところも評価で見られるような形を取らせていただいております。
【長谷山委員】 理研が求められている2点は、一つは最前線で発展を牽引、もう一つは地球規模課題の解決で国際的地位向上ということでした。最後に評価を行うときに、2つの求められるポイントと、具体的目標やモニタリング項目がどのように対応づいているか、皆さんの中では整理されていると思っています。この文章の中に細かく書く必要はないと思いますが、先ほど1例を挙げていただきましたが、他の全ての目標やモニタリングについても、2ページ目の24行目から27行目に対応していると理解してよろしいでしょうか。
【葛谷推進官】 ありがとうございます。今回の御指摘のとおり2ポツの24から27行目が大きな求められる事項としてあり、それを達成するために、3ポツの1と2と3がありまして、その3ポツ1と2と3に対応する評価軸や評価指標、そしてモニタリング指標、これは定量的で、モニタリング指標は数字的なところで参考値になりますけれども、こういったものを組み合わせて評価をしますので、そういった意味では、先生からの御指摘については整合性を持ってしっかり見ていくということになっております。
【栗原部会長】 従来から、部会の際に、まず理研全体の活動について、理事長から御説明いただいているのが、まさにこの組織としての大きな目標やどういう方向性で運営しているかというところを、あるいは新しい活動などをまず御説明いただいた上で、各項目の御説明をいただいているので、部会も、今、長谷山先生がおっしゃったような点を踏まえた評価活動をしているというふうに私は理解しております。よろしいでしょうか。
【長谷山委員】 理解しました。モニタリング指標が細かく、多くありましたので、これでは御負担なのではないかと多少思ったものですから、質問させていただきました。必要不可欠なもののリストと理解いたしました。ありがとうございます。
【栗原部会長】 モニタリング指標を、今回拝見すると、比較的集めやすいものを指標にし、評価指標としては活動を具体的に書き上げるというような形なので、モニタリングは、何回もおっしゃっているように、組織としては必要なので、参考的にきちんと見ながら、実際の具体的な活動を評価するという立てつけと思って拝見しています。この点は、委員がどういう見方でその指標を使うかということだと思いますので、今の長谷山先生のような御意見は時々出していただくと、実際のやり方の確認にもなりますので、大変貴重な御意見だと思います。ありがとうございました。
では、次に小松委員、お願いします。
【小松委員】 「3.3 卓越した科学研究と総合力を発揮するための研究開発の推進」の文章で気になった点があります。資料2の7ページ、194行では、AIがあらゆる研究分野で融合するということが非常に明確に書かれてあって、これは、すなわち今回の目玉でもある「つなぐ科学」というのとすごく関わってくると思いますが、その一方で、実際にその研究領域の記述に入ったときに、AIというのが出てくるのが、やはり数理・計算・情報科学かと思います。それはそれで、そこでメソドロジーを確立するとかいう意味だったらそれでも良いですが、資料1の3ページの図はAIが全部つなぐようには見えないです。
だから、もちろんつなぐというのはAIだけがないので、いろいろなものがあるから、それを強調する必要はないのかもしれないですけど、一方で「3.3 卓越した科学研究と総合力を発揮するための研究開発の推進」でAIが全部つなぐみたいなことを書いてあるので、それは何かどうしたらいいのかなと思いました。何か明確なサジェスチョンがあるわけではないですが、これはどこまで強調するべきなのか気になりました。もしここまで強調するのであれば、例えばよく出てくるTRIPがあって、資料1の3ページの図でも強調してよいかと思いました。数理・計算・情報科学の中に閉じているような印象を持ちました。
【葛谷推進官】 ありがとうございます。
【栗原部会長】 次期中長期計画案のほうで記載があるかもしれません。
【葛谷推進官】 ありがとうございます。御指摘のとおり、今、個別の領域の内容を見ていくと、確かにAIという文章は、本当に数理・計算・情報科学というところに出てきているのみです。
一方で、例えば、中長期計画個別の段階を見ていくと、当然AIに関係するような研究とか、各センターで進めていく研究、横断的に進めていく研究、そういったものが出てくるということがございますので、この中では、AIをより効果的に研究する仕組みをつくるという、あくまで仕組みですね。そういったところを念頭に記載させていただいております。
また、丸2番のところの領域の8ページ目の229行目から、ここも実は数理・計算・情報科学のみに書いておりますが、AIとか新しい学理をほかの各領域に展開するということで、ここでさらにほかの分野にAIのさらに新しい学理とか、そういったものの融合を進めていくといったところもここの中に入れておりますので、そういった枠組みも活用しながら進めていくということを考えております。
【小松委員】 そうですね。だからやっぱり、モデルとしては数理・計算・情報科学の中でAI技術を構築して周りに波及していくという位置づけだということ。だから、AIの研究というのは、実は数理・計算・情報科学以外の人も結構やっていらっしゃって、数理・計算・情報科学から波及していかなくても、何かそれぞれの分野で結構使われているので、それをそれぞれが広げていくみたいな描像でもいいのかなと。数理・計算・情報科学ありきでAIを位置づけられているような印象を持って、恐らく実態は違うのではと思った次第です。
【葛谷推進官】 御指摘のとおりで、実はそこだけではなくて、小松委員がおっしゃったとおり、個別の各領域でAIは使っていきますので、例えば、生命科学の中でもデータ駆動型とかモデル駆動型の中でAIというのは入ってきまして、当然個別の中でもあります。ここに書いてないわけで、当然そこから出てくるAIを使った研究するときに、やはり効果的な研究の仕組みとして、AIの専門家とかそういったところの意見とか、そういったものを聞きながらやっていくということなので、当然両方ございますので、数理だけからの展開だけではなくて、各領域で進めていくAIをより効果的にやっていく。そこから出ていくものも当然入っております。
【栗原部会長】 次期中長期計画案のほうでより具体的になっていくことかと思いますので、書くと、AIも情報も、データ科学は現在の進展が速い領域だから、あまり書き過ぎるのもと考えます。
【小松委員】 そうですね。
【栗原部会長】 かえって狭めるというような感じもあるかもしれないので、次期中長期計画案の中に適切に入っていただければいいのかなと思います。
それでは、ほかにございますでしょうか。安永委員。
【安永委員】 ありがとうございます。私は、この評価指標、モニタリング指標のところで気になるところが1点だけありまして、先ほど御意見を伺いましたけれども、このスタートアップや出資のところですね。確かに世の中的な評価指標はリターン・オン・インベストメント、つまり、どれぐらい投資に対して利益が上がるかということですけど、これはもう理研の方々はよく御存じだと思いますが、やはり最先端の科学に基づくスタートアップですから、打率とか、それから本当に、いわゆる廃退期間といいますが、収益が上がるまでの期間というのは、やはりそれなりの時間がかかると思います。
ですから、こういったものを今の原案に加えて、例えば、リターン・オン・インベストメントみたいな指標を加えられるということを私は一概に全面的に反対しませんけれども、加えられるときに、やはり理研の研究及び理研発のスタートアップの特性に応じて、廃退期間ですとか、あるいは言ってみれば打率ですね。そういったものについてもよく考慮していただけるように、何かの留保事項をつけていただいたほうがいいと思います。
一言で言いますと、分かりやすく言いますと、打率2割でいいけれども、ホームラン50本打てというのか。つまり、三振かホームランでいいというやり方をするのか、あるいはセーフティーバントをやってでも何とか打率を3割に上げろというのか。これは、言ってみればファンドマネジャー及びその組織としての経営方針全体に係るところでございます。ホームランが打てる人に、「おまえ、セーフティーバントをやってでもいいから打率を3割に上げろ」というのも少しポテンシャルをゆがめることになるし、逆もまた真なりであります。リターン・オン・インベストメント的な指標をもし何か含められるのでしたら、留保事項をつけて、理研らしい形、理研のよさを失わない形で上げていただければと思っております。
以上でございます。
【栗原部会長】 ありがとうございました。もう本当に事業の内容によっても違うと思いますし、中長期計画は7年なので、あまりリターンと言い過ぎると過去の投資に対しての実績は出せるかと思いますけれども、この期の中で、新たな形でということですと、御検討いただければと思います。
ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、ありがとうございました。事務局におかれましては、次回の部会までに本日の議論を踏まえて御検討いただきますようにお願いいたします。
また、次回部会では、理研より次期中長期計画案の御説明をいただく予定です。本日、五神理事長が御出席になっていると伺っておりますので、本日の議論なども踏まえ、次回部会に向けての御発言をいただければと思います。五神理事長、どうぞよろしくお願いいたします。
【五神理事長】 五神です。最初から議論を聞かせていただきました。これは、文部科学省が定める目標でありまして、それに対して理研側でどういう計画を立てるか、ということを議論していただきます。この目標設定において、当然のことながら、文部科学省と理研とで時間をかけて検討し、本日は理研部会の方々も非常に丁寧で真摯な議論をしていただきました。次の中長期期間において、これに基づいて評価をしていただくということになりますので、双方で納得性のあるものをつくっていくということが、理研を世界の人類のための科学の拠点として活用していくという視点に立ったときにとても重要だと思います。今日の議論は、皆さんそういう視点でコメントいただき、大変感銘したところであります。
今、人類社会の構造あるいは経済システムが非常に大きく変わっていて、それにトリガーをかけているものが、AIや、半導体テクノロジーとか、大きなくくりではDXだということは間違いありません。その反面、国際情勢の不安定化、非常に精緻なAIを搭載したミサイルが遠くから飛んでくるということが現実に起きている状況です。それから、民主主義を支える根幹である政治、選挙の制度が大きな転換点になっています。その結果、極めて不安定な社会になってしまっている。
環境問題も、日々深刻化している。
そんな世の中で、新たな知恵を求めています。知恵は使い方が悪いだけで、手元にあるもので足りているという先輩の先生もいますが、私はやはり足りてないと思っています。それをどう繰り出していくかという意味で、先端科学に求められているものは、いよいよ深刻になっています。
その中で、私は東大総長を6年間務めたのち、1年研究に戻ってから理研の理事長に着任しました。東大も、理研もそうですが、これはアカデミアだけではなく産業界も含めて、世界からの日本の科学に対する期待は非常に高まっています。ですから、インテル、IBM、TSMCやimec、半導体の分野だけでも、この1年間にトップから直接、理研と協力したいという相談を受けているところであります。
そういう中で、日本がなぜ重要なのかということを捉えた中で、理研の役割は非常に重要です。欧米とは違って、アジアの地にあって、これだけの先進的な科学を進めていることが、世界全体の不安定性の中で、非常に問題を深刻に捉えている人たちから見て、何かしてくれるのではという期待があるのだと思います。しかし、それは、訪れてくる彼らから具体的にどうしてほしいというものが与えられるわけではなく、我々で自ら考えなくてはいけないことです。
そんな中で私が漠然と考えることは、やはり科学の力です。それは、新しい知恵を創り出すということもありますが、科学は世界共通言語で語られています。その普遍性が国境や文化を超えた共感を醸し出す原動力になるという期待が、科学技術の最先端にいる人から見れば共有されているのだと思います。私は、その科学の普遍性が持つ共感力をいかに日本から際立たせていくかが大事であると考えます。
そのためには、サイエンスを行う場が、コモンズとしての公平、公正なものでなければいけません。それが、SNSやAIの進歩の中で、格差が拡大する社会に飲み込まれる危険がありますので、それをいかに踏みとどまるかということが求められています。今回の文部科学省に作成いただいた目標の中には、そういう思いがちりばめられていると思いますが、必ずしも強烈な形では書かれてないかもしれません。これは、目標という文章の性質によるものだと私は思います。
その中で見た時に、理研の歴史的な意味は、例えば理研法や独法通則法などを見ますと、制定当時と今では全く時代が変わっており、やるべきことが変わっています。しかし、行政としての整合性はタックスペイヤーに対する説明の必要がありますから、何でもかんでも自由にできるわけではありません。その整合性を見ながら、やっていかなければいけないことを踏まえ、今日御指摘いただいたことは、全て私たちが考慮してきたことをより明確に書いてほしい、という背中を押していただいた話も多く、より改良できると思いますので、それに応える形で計画を今より具体的に作成していきます。7年間の計画は、未来の人類社会にとって極めて重要な期間でありますが、7年でできることは非常に限られていますので、どのようにして最大効果を出していくか、工夫しながらやっていきます。
安永委員から、もっと強いメッセージを出してほしいとコメントがありましたが、私としては、”アカデミアから社会成長や社会変革を駆動する”というメッセージは十二分に強いメッセージだと思っております。なぜなら、私が東大総長のときには、東大に対する国際的な信頼や国内の信頼からすると、東大が社会変革を駆動しなければ誰がやるのか、という思いで、6年間本気でやりました。ところが、最近、東大の人たちと議論すると、大学の分際でそういうことを言うのは言い過ぎであった、と反省をしているようだという話です。私は、それは困ると真剣に思っています。
ですから、僭越ですが、理研が日本のアカデミア全ての触媒となり、アカデミアを駆動する、ということを言い切っているわけです。これは恐らく、私でなければ大言壮語ということで信頼されないと思います。これを安永委員の心に響くような表現にできれば、なお良いだろうと思います。
ただし、そこはやはり、かなり精いっぱいの立ち位置だと思います。理研は、大学と違って、アカデミアの自治・自律ということが憲法に則った形で認められている組織ではありません。それよりも、国政として国民の負託に応えるための国立研究開発法人です。しかし、コミュニティーとしてはアカデミアですから、そのバランスを取りながら、より長期的な、時の政権が政治としてカバーできない将来を担う責任を持ってやるべきだという折り合いをつけていくこと、これは評価部会の先生方の今日の議論を見るに、共有されていると思います。
最後に、領域の考え方について、小松委員から、マックス・プランクと非常に近い形になって分かりやすいという話がありましたが、前回TRIPの説明をしたときに、小松委員からは、これはマックス・プランクではできない提案であると伺い、私は意を強くしました。それはどちらも正しく、構造は似ておりますが、研究所が80幾つあるあれだけ大きな組織が領域を分けるということは、ある種の分業統治をせざるを得ないことになります。我々の考えている領域は分業統治のためにつくったわけではないので、それが伝わらないということは、まだ書き込みが不十分なのだと思います。つまり、領域を越えた連携を加速するためにつくったということです。15あるセンター等をきちんと連携させることを、理事長が1人でやるには限界がありますので、もっとアカデミックな中身に踏み込み、人事も含め、きちんと真摯に現場の先生方とも相談しながら横断的なことを進めていくための仕組みとして導入したものです。これが分断という話にならないようにすることが、そもそも領域の目的であると思っております。それが実装可能かどうかを、ぜひ計画書にて御批判いただき、よりよい形の計画をもって次期に進めていきたいと思いますので、引き続き、是非色々な議論をしていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
【栗原部会長】 どうもありがとうございました。いつも思いを共有いただき、ありがとうございます。
それでは、議題2、その他に移ります。今後の進め方について、事務局から説明をお願いいたします。
【葛谷推進官】 資料3に基づいて説明をします。今共有したところでございます。
本日は11月25日で、第34回部会で、中長期目標案について御審議いただいたところでございます。次回は、12月12日木曜日でございますけれども、中長期目標及び中長期計画の案について御審議いただく予定でございます。この場においては、11月21日、先週に総務省の独法評価制度委員会から出されております中長期目標の策定について、この中で留意事項といったものですね。次期中長期目標に向けて、策定に当たっての留意事項が定められておりますので、この点、そして、CSTI本会議にて出される意見を踏まえた議論も併せてしていきたいと思います。あと、本日いただいた御意見についても検討し、適宜修正等をさせていただければと思っております。
下のほうに行っていただきまして、その後、1月下旬にて、文部科学省の理研部会の上にございます国立研究開発法人審議会で審議をし、その後、各省協議をし、年度内に中長期目標を決定し、そして中長期計画も決定していくといった流れになっております。
説明は以上でございます。
【栗原部会長】 どうもありがとうございました。それでは、何か御質問等ありますでしょうか。
特にありませんでしたら、本日の議題は全て終了いたしました。本日は、いろいろな御意見をいただき、御議論いただき、ありがとうございました。
以上で第34回理化学研究所部会を閉会いたします。活発な御議論、どうもありがとうございました。
―― 了 ――